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▼風雲児たち!:セレクト商品

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)関ヶ原〈上〉 (新潮文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「これまで読んだ司馬作品の中でも大好きな1作」「不朽の名作」「新聞記者仕込みのルポタージュ手法がもっとも生きた作品」「必要分量であると納得」「魅力的な三成像を余すところ無く描ききった秀作」


決戦関ケ原―戦国のもっとも長い日 (歴史群像シリーズ戦国セレクション)決戦関ケ原―戦国のもっとも長い日 (歴史群像シリーズ戦国セレクション) (詳細)
学研

「関ヶ原の合戦が全てわかる!」「これぞ決定版」


保科正之言行録―仁心無私の政治家 (中公新書)保科正之言行録―仁心無私の政治家 (中公新書) (詳細)
中村 彰彦(著)


ベニョフスキー航海記 (東洋文庫 (160))ベニョフスキー航海記 (東洋文庫 (160)) (詳細)
ベニョフスキー(著)

「摩訶不思議な航海記」


新編・おらんだ正月 (岩波文庫)新編・おらんだ正月 (岩波文庫) (詳細)
森 銑三(著), 小出 昌洋(編集)

「江戸期日本の科学発展に寄与した人物をやさしく解説」「成熟した江戸日本社会を築いた人々」


洋学 (日本歴史叢書)洋学 (日本歴史叢書) (詳細)
沼田 次郎(著), 日本歴史学会(編集)


解体新書 (講談社学術文庫)解体新書 (講談社学術文庫) (詳細)
杉田 玄白(著), 酒井 シヅ(翻訳)


蘭学事始 (岩波文庫 青 20-1)蘭学事始 (岩波文庫 青 20-1) (詳細)
杉田 玄白(著)

「今こそ思うべき、先駆者の苦労」


田沼意次の時代 (岩波現代文庫―学術)田沼意次の時代 (岩波現代文庫―学術) (詳細)
大石 慎三郎(著)

「真の改革者 田沼意次」「時代の中の田沼」「謎の人物像」「辻善之助・・・?」


田沼時代 (岩波文庫 青 148-1)田沼時代 (岩波文庫 青 148-1) (詳細)
辻 善之助(著)

「近代の先駆者を再評価する」


悪名の論理―田沼意次の生涯 (中公新書)悪名の論理―田沼意次の生涯 (中公新書) (詳細)
江上 照彦(著)

「真の歴史教科書よ、この偉大なる改革者の悪名を覆せ!」


田沼意次と松平定信田沼意次と松平定信 (詳細)
童門 冬二(著)


江戸の市場経済―歴史制度分析からみた株仲間 (講談社選書メチエ)江戸の市場経済―歴史制度分析からみた株仲間 (講談社選書メチエ) (詳細)
岡崎 哲二(著)

「従来の経済史学への挑戦」「歴史制度分析の優れた入門書」「おもしろかった」「幕末の経済がすっきりとよくわかる」「経済発展の問題を考えるための一視点」


大黒屋光太夫 (岩波新書)大黒屋光太夫 (岩波新書) (詳細)
山下 恒夫(著)

「一漁師の物語」「大黒屋光太夫って静かなブームなんだろうか??」「簡明に光太夫のドラマを伝えている」「事実は小説より奇なり」「堅実な史料活用に拠る漂流譚」


北槎聞略―大黒屋光太夫ロシア漂流記 (岩波文庫)北槎聞略―大黒屋光太夫ロシア漂流記 (岩波文庫) (詳細)
桂川 甫周(著)

「大黒屋光太夫に感動」


おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-1)おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-1) (詳細)
井上 靖(著)

「これぞ長駆小説の決定版」「 これが作家の真骨頂」「江戸時代の漂流記は面白い」「鎖国時代の命がけの交際交流と国家を問いかける書」「一人の人間の偉大さ」


菜の花の沖〈1〉 (文春文庫)菜の花の沖〈1〉 (文春文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「司馬文学の最高峰」「久しぶりに読み直しても面白い」「日本人が国際人となるための教科書」「司馬氏後期の代表作。日本人の美点が詰まっている」「至極爽やかで情熱的」


鳥居耀蔵―天保の改革の弾圧者 (中公新書)鳥居耀蔵―天保の改革の弾圧者 (中公新書) (詳細)
松岡 英夫(著)

「冷酷人間「鳥居の耀甲斐」の素顔とは」


夢酔独言 他 (東洋文庫 (138))夢酔独言 他 (東洋文庫 (138)) (詳細)
勝 小吉(著)

「勝海舟の父の破天荒な人生」「ある意味海舟を超えている」「勝海舟のお父さんはこんな人」


氷川清話 (講談社学術文庫)氷川清話 (講談社学術文庫) (詳細)
勝 海舟(著), 江藤 淳(編集), 松浦 玲(編集)

「稀有の見識者」「福翁自伝と読み比べると面白い」「べらんめえ 勝海舟でスッキリ」「人間の表裏」「今こそ読み直したい本」


日本外史 上 改訳 (岩波文庫 黄 231-1)日本外史 上 改訳 (岩波文庫 黄 231-1) (詳細)
頼 山陽(著), 頼 成一(翻訳), 頼 惟勤(翻訳)

「むちゃくちゃオモロイ」


坂本龍馬―歴史の波濤に挑んだ青春 (歴史群像シリーズ 23)坂本龍馬―歴史の波濤に挑んだ青春 (歴史群像シリーズ 23) (詳細)
学習研究社

「表紙は、嫌いですけど。。。」


武市半平太―ある草莽の実像 (中公新書 645)武市半平太―ある草莽の実像 (中公新書 645) (詳細)
入交 好脩(著)


お~い!竜馬 (第14巻) (ヤングサンデーコミックス〈ワイド版〉)お~い!竜馬 (第14巻) (ヤングサンデーコミックス〈ワイド版〉) (詳細)
武田 鉄矢, 小山 ゆう

「坂本竜馬という人間に惚れた」「幕末の奇蹟」「竜馬に今の日本は応えているか?」


風雲児たち 幕末編1 (SPコミックス)風雲児たち 幕末編1 (SPコミックス) (詳細)
みなもと 太郎(著)

「不遇の天才、みたいな隠れた大傑作」「風雲児たれ!」「最高のエンターテインメント歴史書」「尊皇思想の急先鋒・徳川斉昭の改革」


▼クチコミ情報

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

・「これまで読んだ司馬作品の中でも大好きな1作
これまで読んだ司馬遼太郎の作品の中でも最高作では、とも思える1作です。読者は当然、この余りにも有名な戦いの結末を知っているわけですが、そこに至るまでのやり取りが積み上げられる中で、高まっていく緊張感が凄いです。まるで志望校の入学試験が、まだまだ先のこと、と思っていながら、ジワジワと近付いてくる感じです。それまでに積み上げられていくものは、徳川家康の老獪な政略であり、石田三成と直江兼続の壮大な戦略であり、その他の諸大名も絡んだ魅力的なエピソードです。会津へ向かおうとする大谷義継のところへ三成が現れ、三成の様子から義継は・・・、こうした魅力的なエピソードが、関ヶ原の戦いへと積み上げられ、我々読者の緊張感は高まり、引き込まれていきます。そして遂に、関ヶ原で最初の銃撃が起こり、戦いが始まる。この戦いの語りも素晴らしいです。戦いの中で負傷した島左近と三成の主従を超えたやり取り、小早川秀秋の裏切りに最後の応戦をする大谷義継・・・。私は、心情的に西軍寄りなのですが、この2つのシーンでは、通勤中の電車の中で涙が出そうになりました。社会人として業務に忙殺される中で、忘れがちな感情と感動が湧き上がってくる作品だと思います。

・「不朽の名作
司馬遼太郎の愛読者ですが、この本は何度読んでもあきません。舞台はご存知の天下分け目の関が原です。この作品の凄さはその歴史的事件以上に司馬遼太郎の時代背景および人物の心理面の変化の描写が非常に論理的であり、表現が細かいところです。あくまでも時代小説ですが、本当にこの人物はいったのではないかと思わせます。それだけ司馬遼太郎の歴史に対する造詣の深さを感じさせます。

・「新聞記者仕込みのルポタージュ手法がもっとも生きた作品
全三巻。司馬氏の最高傑作は何かと聞かれたら「坂の上の雲」や「竜馬がゆく」が多く挙げられるだろうと思う(個人的には一人の主人公を挙げた小説としては「花神」が最高傑作であり、一番好きなのだが)。しかし、小説としての出来を考えるなら、本作が最高傑作だろうと私は考える。

ストーリーは主人公を石田三成にして、彼の視点と司馬氏の「余談ながら、」が巧みに交錯しながら、当時の東西軍の状況を見計らっている諸国の武将の様子が語られ、その思惑の数々が関ヶ原へと集結していく様を描いている。この司馬氏の余談は時には冗長すぎて、小説のテンポや話の筋を中断させてしまうことも少なくないのだが、本作に至ってはそれが当時の諸武将の思惑や事情の説明にこの上なく寄与していて、話をよりリアルに感じさせてくれる。そしてそういうデータ部分の充実による基盤の強さのもとに、石田三成の赤心と大谷刑部の冷静な判断と友情といった小説的なドラマ部分が力強く進んでいく。決戦時の各武将の選択、そして義に殉じた石田、大谷の二人の壮絶な敗北には思わず哀しみの念が漏れる。

情報収集主体のルポ〜ドキュメンタリー的記事と小説的な面白さの適切な融合、そして適度な長さといい、知識的にも感情的にも読ませることを両立した小説としての完成度は司馬氏の作品の中でも白眉なのではなかろうか。「坂の上〜」や「翔ぶが如く」は確かに重要な作品だが、主人公を立てた小説として成功しているとは言い難い(データの羅列と叙述と化してから以降が長いという問題もある)。よって本作が司馬氏の新聞記者時代から得た手法の最高傑作だと思っている。何回読んでも情報整理の的確さに感心し、小説部分でのスリリングさと二人の友情には心を動かされてしまう面白さがある。データを重視したタイプの司馬作品の入門としてもお勧めです。

・「必要分量であると納得
関ヶ原の戦い(下巻の後半)そのものの記述以上に、そこに至るまでの過程の記述こそが魅力と感じました。秀吉死後の各勢力の対立構図もわかりやすく記されているし、家康や三成を中心とした諸人物間のさまざまな政治的駆け引きの記述も詳細を極めており、また関ヶ原での戦いの前の各武将の思惑なども個別に丁寧に記してあります。また人物の性格付けも非常にきちっとしていて、読了後「関ヶ原関係諸氏」については大物についても小粒な人物についても脇役についても一通りのイメージができると思います。たとえば、「やれやれこの御仁は……」と内心三成に対して思いながらも、最後まで三成を立てて滅びた島左近。忠臣ぶりをみせつけた鳥居元忠。他武将のアイデアを借用しうまくやった山内一豊。家康未着にいらいらする猪突型猛者、福島正則。それをなだめようとする井伊直政や本多忠勝。日和見でおろおろする小早川秀秋。ほかにも、達観している藤原惺窩なんてキャラもいい味だしてます。また全編を通して、リーダーの器として三成には何が過剰であり何が欠けていたかという点に注意を払いつつ、時には冷たく突き放して(優しさの裏返しでもあるのでしょう)、筆を進めているようでした。家康の老獪ぶりに対し、最後までどうにもよきリーダーとなりきれなかった三成の哀れが際立ちます。計1500ページはいたずらに長いのではなく、必要分量であると納得させられるほど、充実した著作です。

・「魅力的な三成像を余すところ無く描ききった秀作
本作は司馬遼太郎の作品群の中でも一つの中核を為す言わば司馬戦国三部作とも言える「国盗り物語(1、2、3、4)」「新史太閤記(上巻、下巻)」の最後を飾る感動作です。

司馬遼太郎の初期から中期の小説を読む度に、主人公になりきって熱くなってしまっている自分に気がつく事が多いのですが、本書の場合はその傾向がひとしお強く、主人公である石田三成の「古今の大悪党、家康許すまじ」の情が切々と私の心に乗り移り、三成の苦悩を我が事のように感じました。

一般的には評価の高くない石田三成ですが、本作では本当に魅力のある人物として描かれています。司馬遼太郎の三成に対する思い入れの深さがひしひしと伝わってきます。特に、癩病を煩っていた大谷善継の飲んだ茶碗を誰もが忌み嫌って飲む真似だけをする茶会の場面で、三成一人がそれを大きく掲げて飲み干すくだりを読めば、誰でも三成のとりこになってしまうこと請け合いです。

また、数十万石あまりの小大名にしか過ぎない三成が、三百万石を超える大大名である家康に立ち向かう事など通常ではあり得ないことですが、権謀術数をめぐらして豊臣家から天下を盗み取ろうとする老獪な家康から豊臣家を守ろうとする三成の鉄の意志にも心打たれる物があります。判官贔屓もあるかもしれませんが最後まで正義を貫き通した三成のなんと魅力的なことか。

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫) (詳細)

決戦関ケ原―戦国のもっとも長い日 (歴史群像シリーズ戦国セレクション)

・「関ヶ原の合戦が全てわかる!
おおよそ合戦物の本と言えば合戦前後の流れ、そして合戦シーンをあっさりと記述している物が多い。しかし、この本は各武将それぞれの立場から見た関ヶ原合戦の様子が描かれている。

また、特記したいのは、写真・図の多さ。資料館に行かずとも、さまざまな資料を見ることが出来る。関ヶ原合戦を知りたければ、本書1冊あれば他の本は読まなくてもよい!って思うほどの本であろう。

私は現地に最近旅行に行ったが、この本には現在の地図と当時の陣形を重ね合わせた物もたくさん載っているので、本書を読んでから行けばもっと楽しめたと今さらながら感じた。

・「これぞ決定版
秀吉没から関ヶ原の戦いの軌跡を豊富なイラスト・画像で解説。他にも人物列伝・通説を覆す関ヶ原の真相と真説・それぞれの御家事情・上杉軍の東軍迎撃のシナリオなど。

決戦関ケ原―戦国のもっとも長い日 (歴史群像シリーズ戦国セレクション) (詳細)

ベニョフスキー航海記 (東洋文庫 (160))

・「摩訶不思議な航海記
 世界史上で最も訳の分からん人物モーリツ・ベニョフスキーが、ロシア・カムチャッカ半島から脱獄し、鎖国中の日本やマカオを経由してフランスへの航海を「嘘と虚飾」で記述した航海記。なんと日本では将軍と会見したと書いてあるのだから驚きである。 実際の、ベニョフスキーは四国等に立ち寄り、日本に「ロシアが、日本攻撃のための基地を千島列島に作っている。」と、嘘の手紙を書き残した。 いわゆる「はんべんごろう事件」のことである。即ち、この本は「はんべんごろう」の記録である。その点を前提にして読めば、なかなか楽しめる。

ベニョフスキー航海記 (東洋文庫 (160)) (詳細)

新編・おらんだ正月 (岩波文庫)

・「江戸期日本の科学発展に寄与した人物をやさしく解説
江戸時代に様々な科学分野で活躍、寄与した人物を50人ほど紹介している。森銑三氏は明治二十三年に愛知県に生まれ、書物研究、人物研究に打ち込んだ人物である。本書は児童啓蒙雑誌「子供の科学」から依頼された江戸時代の科学者たちの伝記物語を一冊の本にまとめたもので、なぜ『おらんだ正月』と付けたのかは、本書前文にあるので、それに目を通していただきたい。子供向けとあって「ですます体」の読みやすい筆致で気楽に手に取ることが出来る。取り上げられている人物は、伊能忠敬、間宮林蔵、平賀源内、貝原益軒、青木昆陽、関孝和、杉田玄白、佐久間象山といった著名な偉人から永田徳本、陶山訥庵、戸田旭山、山脇東洋などあまり耳にしない人物にまで及ぶ(私が知らなかっただけかもしれないが…)。

・「成熟した江戸日本社会を築いた人々
 まずタイトルについてだが、やさしく牧歌的な印象を与えているという点で、本書の特徴をよく示している。しかし、蘭学者ばかりを取り上げているのではない。 江戸初期から末期に至るまで、医家、本草家、探検家、発明家、思想家などの個性豊かな偉人が取り上げられている。 江戸時代はともすれば「暗い閉鎖的な」時代などとみなされがちである。確かに現代のわれわれほど自由ではなかったかもしれないが、現代社会の基礎を築いたのは彼らなのである。どんな時代でも探究心や向上心をもって粉骨砕身で事を為そうとした人たちはいたのである。 「明るく前向きな」江戸時代に、豊かな文化社会を培い、明治以降の近代化を可能にした人たちをやさしく解説している。現在の学術水準からは厳密には問題がないではないが、本書で興味を持った方は各人物にして色々と調べてみるとよいだろう。

新編・おらんだ正月 (岩波文庫) (詳細)

蘭学事始 (岩波文庫 青 20-1)

・「今こそ思うべき、先駆者の苦労
 ろくに辞書もない状態で、世界の最先端の知識を貪欲に取り込もうとした杉田玄白の蘭学創始の苦労をつづった記録。わずか一語の訳に苦労しながらも、ついに「ターヘル・アナトミア」の翻訳をなしとげるまでの闘いは、我々の胸に訴えかけるものがある。 どんな本屋でも安い辞書が並び、中高生が電子辞書をおもちゃのように持ち遊んでいる今日、辞書のありがたみや外国文化を導入する苦労について改めて振り返るのは意義あることであろう。 

蘭学事始 (岩波文庫 青 20-1) (詳細)

田沼意次の時代 (岩波現代文庫―学術)

・「真の改革者 田沼意次
 かつて、学校の日本史の授業で、江戸時代の三大改革として、徳川吉宗・松平定信・水野忠邦の改革を教えられた記憶がある。それに対して、田沼意次とは「賄賂政治」、「金権政治」等とネガティヴ・イメージで教えられた記憶がある。 歴史教科書の内容は正しいのかと疑問を持ち続けて、様々な文献・史料で調べたが、この本を読んでその疑問を解決することができた。田沼意次の政策はあまりに先進的であり、硬直した頑迷な幕府重臣や当時の民衆には理解できなかったのであろうと。 田沼意次は、徳川幕府の経済政策の根本である農本主義を重商主義へ転換させることによって、幕府財政の再建と経済秩序の構築を図ろうとしたのである。 そのためには、身分に関係なく有能な人材の登用を行い、平賀源内等のブレーンを構築し、新知識を貪欲に吸収したのである。その辺りが、幕府重臣の反発を買い、「賄賂政治」として現在に伝わっているのであろう。   彼は、ロシアとの交易も視野に入れての北方政策や新田開発事業を行うが、その政策はもはや「近代経済政策」ともいえるものである。 後に、田沼意次は「抵抗勢力」である松平定信を始めとする幕府重臣のクーデターにより失脚することになる。そこで、「悪評」をつくりあげられ、現代に伝わっている。 この本では、田沼意次に関する「悪評」の史料を丹念に検証し、いかにつくりあげられたものか記述されている。 田沼意次は、未来を見据えて、時代に挑んだ偉大なる政治家であった。 歴史教科書を変えようとする動きがあるが、このような彼の誤解こそをまず改めるべきであろう。

・「時代の中の田沼
著者のあとがきに「このまま任せておくと、どうなるか判らぬと心配した譜代門閥の幕臣たちは〜松平定信をかついで、クーデターとも名づけるべき手段で田沼政権を潰してしまった。〜田沼意次の時代は、日本の改革と保守とが激突した、江戸時代では、最も面白い時代である。」とある。まさにこの観点から田沼意次を読み解いていった本である。次政権に残った者達が書き残した前政権批判の書だけでは、田沼の人物は、見えてこない。田沼に至るまでの幕府の政策、天変地異、等その時代背景抜きには本当の田沼意次は見えてこない。時代の流れの中で人が何をしたかという視点は大切だと思います。そこには安易に人を悪人善人と色分けできないものがあります。

・「謎の人物像
読者は田沼意次の政策もさることながら、日本史三悪人の人となりを知りたいと思って手を伸ばすと思うが、人物像は曖昧としたまま終わる。アカデミシャンの著者が断片的な資料から読み取れることは、賄賂は同時代の人間と比べて著しくひどいとは言えないこと、経済を重視したリアリストであったことが伺える程度だ。意次の人物像を語る資料が少ないのは、政敵による隠滅工作の可能性が高く、さらに田沼家に伝わる資料も戦災で焼失してしまった不幸も重なったと分析される。極端な評価の背後には、何らかのイデオロギーや都合が隠されていることが多いが、田沼意次も後の為政者の都合の犠牲になったのだろう。 ちなみに比較的アカデミックな内容にしてはかなり読みやすい部類に入る。

・「辻善之助・・・?
田沼意次を再評価する本だが、その内容はともかく、最初のほうで、大正時代の辻善之助『田沼時代』が、賄賂政治家としての田沼の悪評を広めた、とある。辻著は岩波文庫に入っているが、むしろ、それまで悪人政治家とされてきた田沼を、商業重視、開国に積極的な姿勢をとった政治家として再評価した本であり、大石に異論があるとしても、辻著に対する評価として、フェアではないのではないか。辻著は岩波文庫に入っていて、解説目録を見たって、田沼再評価の本と書いてあるのに、岩波からこういう本が出るのは奇妙だし、読者に辻著に対する誤解を与えるもので、自身の著作の価値を大きく見せようとするやり方ではないか。

田沼意次の時代 (岩波現代文庫―学術) (詳細)

田沼時代 (岩波文庫 青 148-1)

・「近代の先駆者を再評価する
 賄賂のイメージが強く、あまり評判のよろしくなかった田沼意次を再評価するきっかけとなった一冊。 当時の社会情勢や時代思想文化を描き出し、そこに登場した田沼の功績を公平に再評価する。廃頽、疲弊を見せる幕府体制を立て直すさまを、天変地異や町人騒動、北方開発や蘭学の交流、貿易振興など観点から論じ、その全貌を示す。そこには開国維新を数十年先取りするような進歩性や積極性がまま垣間見られるのである。 想像をたくましくすればそのままロシアと貿易を始め、開国が数十年早く起こったかもしれないが、彼の失脚によってこれは実現しなかった。しかし彼により幕府は延命し、蘭学などの彼の播いた種はのちに芽を吹き、維新開国を可能にしたのである。

田沼時代 (岩波文庫 青 148-1) (詳細)

悪名の論理―田沼意次の生涯 (中公新書)

・「真の歴史教科書よ、この偉大なる改革者の悪名を覆せ!
 かつて、学校の日本史の授業で、江戸時代の三大改革として、徳川吉宗・松平定信・水野忠邦の改革を教えられた記憶がある。それに対して、田沼意次とは「賄賂政治」、「金権政治」等とネガティヴ・イメージで教えられた記憶がある。 歴史教科書の内容は正しいのかと疑問を持ち続けて、様々な文献・史料で調べたが、この本を読んでその疑問を解決することができた。田沼意次の政策はあまりに先進的であり、硬直した頑迷な幕府重臣や当時の民衆には理解できなかったのであろうと。 田沼意次は、徳川幕府の経済政策の根本である農本主義を重商主義へ転換させることによって、幕府財政の再建と経済秩序の構築を図ろうとしたのである。 そのためには、身分に関係なく有能な人材の登用を行い、平賀源内等のブレーンを構築し、新知識を貪欲に吸収したのである。その辺りが、幕府重臣の反発を買い、「賄賂政治」として現在に伝わっているのであろう。   彼は、ロシアとの交易も視野に入れての北方政策や新田開発事業を行うが、その政策はもはや「近代経済政策」ともいえるものである。 後に、田沼意次は「抵抗勢力」である松平定信を始めとする幕府重臣のクーデターにより失脚することになる。そこで、「悪評」をつくりあげられ、現代に伝わっている。 この本では、田沼意次に関する「悪評」の史料を丹念に検証し、いかにつくりあげられたものか記述されている。 田沼意次は、未来を見据えて、時代に挑んだ偉大なる政治家であった。  歴史教科書を変えようとする動きがあるが、このような彼の誤解こそをまず改めるべきであろう。

悪名の論理―田沼意次の生涯 (中公新書) (詳細)

江戸の市場経済―歴史制度分析からみた株仲間 (講談社選書メチエ)

・「従来の経済史学への挑戦
 僕は、学生時代に日本の経済史学の本流である「大塚史学」を専攻した。この本は、「ゲームの理論」や「計量経済学」から江戸時代の市場経済にアプローチしており、新鮮な驚きと戸惑いを隠せなかった。 従来の日本経済史とくに日本資本主義発達史は、天保時代を日本の「資本主義」の始まりとの解釈をしてきたものが多い。 この書は、それ以前の時代から日本の「市場経済」は、発達してきたとしている。特に、田沼時代の記述については非常に重要なものであると感じた。 また、冒頭で「大塚史学」や「マルクス主義的経済史学」の記述があり、従来の経済史学に対する著者が挑戦する意欲を感じた。

・「歴史制度分析の優れた入門書
数量経済史(扱う対象が限られている)・マルクス経済史(分析が余剰形成と階級間分配に限られる)・新制度学派(循環論法に陥っている)の欠点を示し、制度の生成と発展を説明できるのは歴史制度分析という視点だというのが著者の立場だ。

江戸時代は停滞期だと思われることもあるけど、経済が発展していたことがわかる。ここで不思議なのは、経済成長に必要とされる所有権(なぜって、自分のものはずっと自分のものだという信頼がなければ安心して投資できない)が江戸時代に確立されていたわけではないという点だ。棄捐令ほどではないけれど、債権回収がうまくいかなくなる可能性の高くなる相対済令が頻繁に出されている。

その答えは私的な関係にある。ヨーロッパのマグレブ商人が行ったような多角的懲罰戦略は、日本の株仲間にも見られたとしている。追い出されるの怖さに逸脱行動はしないし、逸脱したことのある在外代理人は雇ってもまた逸脱するだろうから雇いたくないのである。この制度のもとでは誠実に行動するのが部分ゲーム完全均衡戦略として維持されている。

ロジックは明解だしデータも豊富なので、満足いく内容だろう。

・「おもしろかった
歴史制度分析とは、ゲーム理論から見た制度と契約の経済史です。全てのプレイヤーにとって最適なナッシュ均衡に至った後の制度変化を、説明できない理論です。(すべて外部環境の変化?⇒外部環境はどうして変わったか?)江戸時代の株仲間の廃止と復活を材料にし、株仲間のインフォーマルな法の価値を示しています。

・「幕末の経済がすっきりとよくわかる
株仲間という純然たる民間の「制度」が、取引・流通を支えるインフラとして機能していたことをゲーム理論を用いて検証。実にすっきりとよくわかります。天保の改革というのは江戸の三大改革の中でもいちばんショボイ改革ですが、株仲間の公共的機能に気づかずこれを解散させるという大失政を行ってしまいました。なんと、株仲間解散に伴う流通と取引の混乱によって大不況が起こっています。そんな改革がうまくいくはずもありません。でも、そのおかげで後世の学者が「株仲間の公共的機能」を検証することができました。サムライがやっていた江戸幕府というのは基本的に経済オンチな政権でしたが、幕末に近い天保の頃には、発達した市場経済の現実との乖離が非常に大きくなっていたことがわかります。ある意味、黒船来航がなくとも幕藩体制は長くなかったのではないか、というようなことをこの本を読んで考えさせられました。

・「経済発展の問題を考えるための一視点
経済の分業化の過程において、信用取引の果たす役割は本質的である。現物納入と現金支払が常に同じタイミングで行わなければならないとしたら、事業の拡大にとって相当の制約となろう。しかし、売掛金や手付金といった信用取引の仕組みによってタイミングをずらすことができれば、余分な現金は、より生産的な機会に振り向けることができる。さて、信用取引の問題は、不支払い等のトラブルの可能性が常に付きまとうことである。信用取引がいかにして活発になるかを探ることは、経済史学や経済発展論における重要な研究課題の一つである。

本書の射程は、江戸期の日本である。当時、全国的流通網の拡大と地域圏経済の繁栄が見られる一方、中央政府(幕府)は、裁判を担当する奉行所の人員の少なさや、利息を反道徳的とみなす慣習等の理由で、債権の不履行等の問題についての組織的な対策を取ろうとはしなかった。これら二つの事実は、いかにして整合的に解釈されうるのか?

著者は、数量データや史料に依拠して、株仲間が、不履行を働いた者に対して、それ以降、メンバー全員が共同で、彼に対して取引を拒絶するという役割を持っていたことに着目する。もともと株仲間は、物価抑制や課税ベースの拡大などを目的として、中央政府が流通機構をコントロールしようとしたことから生まれたものであるが、著者は、それがいわば私的な執行機関としての役割も担っていたという見方を提示する。

ただ実際問題としては、どのような状況においても「不履行が起きたら以後取引しない」というのは厳しすぎて、「予測不可能」で「特別」な状況に対しては、当事者が交渉などを通じて、負債の減免等を行うことの方が両者にとって望ましい。そのようなケースにおいてどのような合意と対処がなされていたかを示す史料があれば、それを研究することは重要である。また、江戸や大坂以外の経済圏について調べていくことも興味深いだろう。

江戸の市場経済―歴史制度分析からみた株仲間 (講談社選書メチエ) (詳細)

大黒屋光太夫 (岩波新書)

・「一漁師の物語
 山下氏自身が認めるようにある意味「小説」として読めます。

 光太夫の足跡をたどってみるとたくさんの有名な人に出会ったのだなあと思いました。 特にキリール・グスタヴォヴィチ・ラクスマンに私は注目しています。 彼はスウェーデン領サヴォンリンナ(現フィンランド)生まれだそうです。

 ということはキリールが最初に日本人と会ったフィンランド人ということになるのではないでしょうか? 北欧に関心のある私にとってワクワクしてしまいました。

 そして山下氏が後半で松平定信がロシア交易をすでに考えていたという指摘は大変興味深かったです。 「オランダ風説書」などの研究が進めば明らかになっていない「事実」が出てきそうです。

 一漁師がたどった波乱万丈な「物語」、すなわち「歴史」が描かれていました。 

・「大黒屋光太夫って静かなブームなんだろうか??
ここのところ、吉村昭の「大黒屋光太夫 上・下」がでたり、別冊太陽でも光太夫も入っている「日本の探検家たち」という本が出たり、こないだはBSで「おろしや国酔夢譚」の映画をやってたし、去年の春にも新潮新書から津太夫の本(「漂隆起の魅力」)が出てたりしていたが、今度は、岩波からずばり「光太夫」の本が出た。巷では光太夫はちょっとしたブームなのだろうか。

 光太夫研究については、1次資料としては「北槎聞略」が有名で、ほかに「北槎異聞」などもあるのだけれど、実は、郷土史家や本書の著者などの緻密な研究の結果、最近、いろいろな新事実(新文献)が発見されているのである。吉村昭の「大黒屋光太夫」は、そういった研究成果の成果品とも言えるものだが、本書は、現時点での光太夫に関する知見を総論的にまとめたもので、実はたいへんに「イキのいい」本なのである。

 著者の山下氏は、光太夫とともに日本に帰りついた磯吉の供述文書「魯西亜国漂舶聞書」の発見者あり、この資料の発見の事実が、吉村昭氏の「大黒屋光太夫」の執筆動機になっているらしい。

 図版も多数掲載されており、とくに地図いくつか掲載されていることが、この手の本としては意外と珍しく、新鮮であった。

・「簡明に光太夫のドラマを伝えている
 大黒屋光太夫の漂流記は、過酷な漂流体験からエカチェリーナU世への謁見、日本への帰国に至るまで実に劇的である。この新書は、そのドラマティックな漂流記を簡明かつ、ポイントを押さえて記している。 簡明ながらも、次々と仲間が息絶えていく光太夫らの旅の過酷さは余すところなく伝えている。その一方で、献身的な支援を与えたラクスマンとの出会いについての記述も、また見逃せない。賓客でも何でもない(ロシアの貴族は、光太夫を豪商と思っていたらしいが。)一東洋人光太夫らのために、方々に手を尽くして工作に励むラクスマン。その様子を読めば、人間的な慈愛に心打たれずにはいられない。ラクスマンの姿に、ふと我が身を振り返り、身勝手な自分を反省したくなる。 ところで、興味深いのは、松平定信がロシアとの交易もありだと考えていたフシがあるという指摘である。定信というと、林子平の『海防論』を没収し、処罰したという事件で名高く、外交については閉鎖的だったというイメージがあるが、そうしたイメージを払拭する指摘で、おもしろい。江戸幕府は、『オランダ風説書』を通じて、フランス革命も知っていたというから、案外、幕閣の外交感覚はユニークだったのかもしれない。  

・「事実は小説より奇なり
 近代直前の激動の時代に、まさに波瀾万丈の人生を送った大黒屋光太夫の人生。小説や映画ではよく知られているが、本書は最新の学術的資料にもとづいてその人生を描き出す。 ある意味では光太夫に関するものの中でこの本が最も小説的かもしれない。膨大な資料から導かれた詳細な描写はリアリティに満ちて、キャラクターの心理描写を追体験できるようだ。 ひとりひとりの人物の意志の強さや逡巡、苦悩、そして幕府やロシア、イギリス、オランダの思惑などが、そしてラクスマンやレセップスといった個性豊かなキャラクターたちがとても明瞭かつ生き生きと示され、見事なストーリーとなっている。 知恵と勇気を振り絞って前人未到の帰国劇を実現した先人の功績を一人でも多くの人が読まれることを願ってやまない。

・「堅実な史料活用に拠る漂流譚
大黒屋光太夫の漂流譚はこれまで何度も小説になったり、映画にもなっている。光太夫が専門の著者が北槎聞略を初めとする多種多様な資料をもとに、想像も織り交ぜながら再構成した、光太夫の漂流譚である。

難破、アリュートへの漂着、ロシア人との交流、イルクーツクでの日々、そしてモスクワでのエカテリーナ2世との謁見、帰国・・・まさに波瀾万丈の物語である。この物語では船頭であった光太夫が注目されがちであるが、それ以外の船乗り達もまた運命の人生を送った人々であった。故郷を思いながら異国の地に果てたもの、ロシアの地で結婚して骨を埋めたもの、帰国を目前にして蝦夷地に斃れたもの・・・彼らあってこその物語である。

意外であったのは帰国後の処遇。禁固状態で一生を終えたものかと思っていたが、市井の一市民として、学者達と宴会を楽しんだり、幕府などの要請に応じてロシア時代の話をしたり、わりと自由な人生を送ったとは思っていなかった。外国船の来訪が相次ぐ時代であり、幕府としても既に情報統制をするべき時期ではなかったということだろう。鎖国(近年は色々なとらえ方があるが)とはいえ、末期ともなると外国事情もわりと知られていたという事が窺えて興味深い。

大黒屋光太夫 (岩波新書) (詳細)

北槎聞略―大黒屋光太夫ロシア漂流記 (岩波文庫)

・「大黒屋光太夫に感動
ロシアでの約10年もの漂人生活から帰ってきた、大黒屋光太夫のたくましさ、勇気に深く感動しました。後半は女王に謁見したりとなかなかに良い生活をしていたようですが、帰国を熱望し帰ってきたところもまたかっこいいです。COOL!!当時のロシアの生活が直に伝わってきたような気もします。またリアルな江戸時代の日本人の気持ちも悲しく伝わってきます。当然江戸時代の文なので多少読みにくいので星4にさせて頂きました。是非ノンフィクションを読んでください。

北槎聞略―大黒屋光太夫ロシア漂流記 (岩波文庫) (詳細)

おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-1)

・「これぞ長駆小説の決定版
この作家の小説には長駆小説という分野がある。主人公が図らずも、遠大な行程を移動する物語である。例えば「蒼き狼」とか「敦煌」とか、また遺作の「孔子」もそうかもしれない。そういう意味で、この小説はその分野の決定版であるといえる。まず、その長駆に確固たる意思がある。決して放浪でも転戦でもない。その意思というのは、主人公の大黒屋光太夫の、ただひたすら生国に帰還せんがためである。そして逆説的に光太夫は(母国や家族を)思うまじ、考えまじ、と努めるのであるが、その不屈の精神ゆえに、かれは多くの同胞を失った後も生き残り、帰還を果す。同じく生き残った磯吉と共通するのは、前述の強い意志とともに、その置かれた環境に馴染み、溶け込むということである。次に、長駆する過程の詳細な描写がある。そもそも序章で、漂流日本人とロシアの歴史を長々と解説されているように、これはただ虚構としての伊勢漂流民の物語に留まらず、むしろ記録小説的な色彩が強い。それは主人公の光太夫の詳細且つ的確な記録のお陰でもあるが、それを作者が淡々と、なんの企図もなく書き上げているところがすごい。とかく感動させよう、泣かせようなどと、クドクドと書き立てる小説が目立つ昨今、これは誠にすばらしい。しかしそうは言っても、僕がおおいに落涙した箇所が二つある。それは徳間書店文庫本の281ページ、ペテルブルグ郊外の娼家で、娼婦が歌う場面と、同326ページ、光太夫が庄蔵に暇乞いする場面である。これは人間ならば誰しも泣かずにはおけまい。とにかくこれは、この作者の作品の中でも、最高傑作といっても過言ではあるまい。カミュの「ペスト」のリウーのような不屈の精神と達成後の「宴の後」現象。これはすごい作品です。

・「 これが作家の真骨頂
光太夫自身が書き綴った『北槎聞略』と読み比べてみてください。この小説が,光太夫の記録そのものから,人物について,風景について,イメージを膨らませていったものであることがよく分かります。そして,それこそが作家の仕事なんだなあ,としみじみ感心しました。

『北槎聞略』は,光太夫が過酷な状況に臨んで発揮した特異な判断力と記憶力とで成り立った記録ですが,それが刺激となって,作家は豊かにイメージを膨らませ,一つの物語にまでまとめてくれました。

そっけないぶんリアリティのある『北槎聞略』と,物語として洗練された『おろしや国酔夢譚』と,両方を読み比べることのできるこの贅沢。

光太夫も井上靖もありがとう。

・「江戸時代の漂流記は面白い
本書の様な江戸時代の漂流記は実に面白い。当時の厳しい鎖国社会を背景にして漂流者達の異文化との遭遇が驚きに満ちたものであろう事は想像に難くないし、極寒の地で地球半周の距離を往復するという行程の中で漂流者達が次々と脱落していくのも壮絶である。それにしても私が最も関心したのは、当時のロシアの東方進出にかける凄まじいエネルギー。その間日本はのんびり眠っていたと言って良い状態であり、この時期に樺太、千島を真剣に開発しておいたらその後はどうなっていただろうか?余談ながら、江戸時代の漂流ものとしては、吉村昭著「漂流」もお薦めです。

・「鎖国時代の命がけの交際交流と国家を問いかける書
 大黒屋光太夫という、歴史的には形作られていない人物を、井上靖さんは自らの創造で、ひとつの歴史を作ってしまったと言う感じの本です。 僕は、大学時代にこの本を読みましたが、緒方拳主演の映画を見たことが、読むきっかけとなりました。  時代は、江戸時代末期。鎖国時代の日本に、北からロシアの脅威が襲ってくるというモチーフでした。 井上靖さんが執筆された当時は、東西冷戦の中で、北方領土をめぐる問題もあり、当時のソビエト連邦が脅威であり、日本にとっての仮想敵国。この本が歴史を現実に引き戻した感じでした。  大黒屋光太夫が、乗組員とともにロシアに連行され、帝都ペテロブルグへ。苦労の末、帰国したものの日本では罪人扱いされるが、ロシア艦隊が来日すると、彼は両国の橋渡しとなっていく。 そこには、国家とは何かを問いかけながら、国際交流の魁を痛感しました。

・「一人の人間の偉大さ
もし私があのような状況に置かれたら一体何ほどのことができるだろう。光太夫という人の生き抜く力。一商人でありながら世界というものに、その中の日本というものに気づく洞察力。新しく出会うものに対して卑屈にならず、むしろそれを吸収する柔軟性と自信。人や国に対する優しさ、尊敬を持って接する態度。上等な人間の資質を持った人だったのでしょう。歴史の中ではある一人の人物を借りて物事が大きく変わっていくことがあるというけれど、彼もまたその一人なのだと気づかされる。

映画も面白いですよ。

おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-1) (詳細)

菜の花の沖〈1〉 (文春文庫)

・「司馬文学の最高峰
高田屋嘉兵衛は江戸時代の船商人。本作は嘉兵衛の少年時代から引退後の生活まで、ほとんど一生を描いた伝記。司馬作品が昭和期の反省から、ややもすると明治維新前後の人間を美化して描く傾向があるのに対し、本作は江戸時代の大人を素直に描いていて好感が持てる。題名は引退した嘉兵衛が住む淡路島の丘から見る沖の事。

・「久しぶりに読み直しても面白い
司馬氏の長編はほぼ読み尽くしましたが,あえて一冊をあげよ,と問われれば,この「菜の花の沖」をえらびます。

作品の発表から相当な年月が経過していますが,内容はけっして古びていないと思います。社会の広域化(今風に言えば「グローバル化」)に伴う「人」と「もの」の交通・流通の活性化がその時代に所属する人間の精神に与える影響がテーマなのです。江戸時代は,鎖国政策という制約下のもとではありますが,内国的な広域化の進んだ時代でもある上,物語の終盤では,互いに未知の文明といっていい,日本とロシアが激しく衝突します。

そのような時代が生み出したひとつの典型としての「高田屋嘉兵衛」という快男児の一代記です。

司馬氏の長編では,まず人物を描くのではなく,人物の属する「時代」そのものを描き,その時代の大きな流れの中で登場人物たちがいかにふるまったのかを描く,といった手法がとられることが多いようですが,本編では,日本・ロシア双方の史料から主人公である嘉兵衛の言動・行動が立体的に明らかにされていくのであり,その展開がなかなか面白いです。

氏の他の作品のような合戦シーンもチャンバラシーンもほとんどなく,むしろ日本とロシアが戦端を開くのを,必死の外交交渉で回避するストーリーです。アメリカの中東政策に関連して,一時「報復の連鎖」という言葉が流行りましたが,嘉兵衛は政治になんの責任を持たない町人の身分ながら,ほとんど徒手空拳でこの連鎖を断ち切ることに成功しています(まさに快男児です)。

文庫本第5巻の「ロシア史」はたしかに冗長ではありますが,「文明の衝突」を描く上で,ロシア史をまったく描かないのも片手落ちともいえるので,個人的には許容できると考えています。

・「日本人が国際人となるための教科書
この本をまず読んでもらいたいのは、これから海外に出て仕事をしたい人。高田屋嘉兵衛は真の国際人である。「日本人が国際社会の中で生活し、商売し、交渉するにあたって人間としての姿勢をどうするか」をこの本から学ぶことが出来る。私の経験からも合理的な考えができ、誠実で約束を守ることは海外へ行っても同じ。江戸末期に軟弱で優柔不断な幕府に代わり民間でロシアと交渉して、尊敬された人物の生き方をもっとわれわれは知るべきである。外交官がこの本を必読本にすれば、日本も国際社会の中で存在感を増すこと間違いなしと思う。しかしこの本は変に卑屈になったり、傲慢になる日本外交への痛烈なる風刺かもしれない。

・「司馬氏後期の代表作。日本人の美点が詰まっている
幕府とロシアの国際問題を己の胆力と才覚のみで解決した稀代の快男児、高田屋嘉兵衛を描いた小説。

嘉兵衛が成人し、松前に行った以降は激しい戦闘シーンもあるわけでもなく、淡々とロシアとの折衝がつづられる内容なのだが、そこから逃げず、ロシア人と心を通わせ仲間を鼓舞する嘉兵衛の行動力や人間性に引き込まれる。戦争を回避し、双方ともども納得した解決をなしえた点で「坂の上の雲」での外交面に匹敵する偉業を成し遂げているのに、なぜか司馬小説の中では存在が地味なポジションにある。それがわからない。展開といい、キャラの映え方といい、「坂の上の雲」や「翔ぶが如く」のような淡々としたデータ叙述小説と「竜馬がゆく」などの幕末小説の躍動感を折衷したような、長年の執筆の経験が発揮されたバランスに富んだ傑作なのに、あまり俎上にのらないのが残念である。初めの部分の海運業の話などビジネス関係の話も面白いので、青雲の志を持った社会人や企業者に向けた司馬小説では最高傑作ではないかと思う。読後感もとても爽やかで、何か考えに詰まったとき、上手く物事が進まないときにヒントを求めて読みたくなる、または読める読みやすさを持っている。思想的な偏りに関係なく、日本人としての元気を与えてくれる本です。

・「至極爽やかで情熱的
 司馬作品の中で最も気に入っている作品。途中のロシア史が長々と書かれている巻を辛抱強く、ぶっ飛ばし読みしていけば、最後には爽やかな感動の風に心がスッキリ洗われる。小説の最後はこうでなくては!と思う。この手の歴史系長編小説を最後まで読みきるには、それなりに時間と忍耐(?)が必要だが、これは見事に読者の努力に報いてくれる。絶対に最終巻まで読みきって欲しい。私は今でも、鬱々してきたら最終巻を取り出し読み返している。

菜の花の沖〈1〉 (文春文庫) (詳細)

鳥居耀蔵―天保の改革の弾圧者 (中公新書)

・「冷酷人間「鳥居の耀甲斐」の素顔とは
 鳥居耀蔵、といえば一昔前までは「遠山の金さん」の敵役「耀甲斐」として知られている人物でしたが、その「耀甲斐」の誕生と没落に関して詳細に記述した本といえます。

 鳥居が「耀甲斐」といわれるまでに忌み嫌われてる酷吏に変貌していった背景として、林大学頭を生家に持つゴリゴリの朱子学に凝り固まった人物で、それゆえに蘭学に対するアレルギーをもつプライドの塊に育っていき、それが蛮社の獄における渡辺崋山等への犯罪のでっち上げや前任の南町奉行の追い落とし、更には天保の改革での密偵や囮を使うなど何でもありの政敵追い落としや江戸庶民弾圧へと向かっていったことは見ていて寒気がたってくるくらいにスリルにあふれるものです。

 そして、彼の信念が一生変わらなかったことは、後半で20年以上にも及ぶ丸亀での幽閉生活に関する記述からも分かってきます。

 このような性格を持つ彼はどちらかといえばアメリカのFBIだったら歓迎されるでしょうが、生まれる時代を間違えたことが大きな悲劇ともいえるでしょう。

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夢酔独言 他 (東洋文庫 (138))

・「勝海舟の父の破天荒な人生
 この書は勝海舟の父である夢酔勝小吉が、遺言として残した自伝である。小吉が破天荒な人生を送ったことで知られるのはこの書によって伝わっているのである。 もっとも、小吉自身はこの書が21世紀の今日に至るまで伝わると思って書いたものではない。 小吉は自分のような大馬鹿者は、世の中にいないと思うから、子孫が真似をしないように戒めとして、この書を残したとしている。 小吉はその生涯を不良少年、不良青年、不良中年として通した人物なので、その内容には笑わずにいられない。さらに、文章も破天荒な人生を送った小吉らしく、話し言葉で書いてあるので、現代文のように読み易い。 この書を読んで、勝海舟の幕末・維新における柔軟な発想や行動は、この「生涯一不良」のような父に育てられたからであろうと考えていると、小吉に「何、言ってやんでい!」と大笑いされるに違いない。

・「ある意味海舟を超えている
根っからの自然人、胆力の持ち主。痛快。現代の人間が女性的に見えてしまう。

・「勝海舟のお父さんはこんな人
“勝海舟”は学校でも習ったから、多くの人が知っているはず。しかし彼の父上、勝小吉を知る人はそれほど多くはないと思われる。なぜ彼が勝海舟の父としてだけでも、教科書に載らなかったのか。それはこの本を読めばわかる。彼の父の素行は常人の想像を超えている。幕末、明治維新を生きた勝海舟。こういう父親に育てられたからこそ、時代の大波を乗り越えるたくましさを身につけることができたのではなかろうか。

この本に書かれている様々なエピソード、どうしてこんなものを書き残そうとしたのかという、小吉の胸の内、海舟が犬に咬まれて大けがした時の、医師に対する小吉のふるまい。いずれもが、常人の考えを大きく越え、今の言葉で言うなら“ぶっ飛んでいる”小吉の性格がよく表されてる。

話し言葉で書かれているとはいえ、維新直前のころの日本語、正直最初は読みづらい。また(当時としては珍しくはないが)満足な教育を受けたとはいえない人が書いた文章なので、誤字当て字もたくさんある。しかし、読み進めるうちにその文章に慣れていき、誤字当て字の類も、もしかしたら彼特有の“ギャグ”ではないのかと思えてしまうようにさえなる。小吉の語る言葉から、当時を生きた人々の暮らしぶりを想像するのも楽しい。

滅多に出会うことの出来ない“快著”である。

   gonbe

夢酔独言 他 (東洋文庫 (138)) (詳細)

氷川清話 (講談社学術文庫)

・「稀有の見識者
全編海舟の人間味にあふれた本で、一気に読んでしまった。とりわけ驚かされたのは、日清戦争に対する評価である。福沢は言うに及ばず、鴎外、漱石、日露戦争時に非戦論を唱えた内村鑑三でさえ支持したというのに、犬も食わない「兄弟喧嘩」と斬って捨て、「大反対だったよ」とこともなげに述べている。

「おれの意見は日本は朝鮮の独立保護のために戦つたのだから土地は寸尺も取るべからず」として、その代り償金をたくさんとってそのカネで支那に鉄道を敷設して、支那に交通の便を図ってやる、というのである。床屋政談の気味がなくもなく、ご隠居の放言といってしまえばそれまでだが、発想の自在さといい、バランス感覚といい稀有の人といわざるを得ない。

・「福翁自伝と読み比べると面白い
近代と前近代をまたぐエリートの放談という意味ですごく興味深い。勝は至誠が何より大事であると繰り返し、事前に綿密に計画を立てて挑む近代的な外交交渉スタイルを否定。勝海舟と西郷隆盛という至誠同士の交渉が江戸城の無血開場をもたらした、と主張する(手前味噌すぎ?)。法やシステムに寄らない前近代の為政者のスタイルなのだろうが、古典的なヤクザっぽい気もする。

そして何より興味深いのは、同時代の知識人の福澤諭吉との認識の違いだ。勝と福澤共にスタートは蘭学で外国語に堪能、しかも双方とも名うての剣豪で頭の切れ味に優れ、そして共に咸臨丸の航海でアメリカを知る。そんな似た経歴の二人ながら、日清戦争の評価に現れる二人の対アジア観はまるで対極。

この二人の立場の違いは今なら丁度、親米派と親中派の対立のご先祖みたいなものだろうか。

・「べらんめえ 勝海舟でスッキリ
勝海舟のべらんめえ口調で歯に衣着せぬ物言いが味わえる本です。

江戸無血開城の幕府側の立役者、勝海舟。 1899年明治32年77歳で亡くなった彼の、 晩年70代の頃の言葉とは思えぬほど威勢のいい言葉が収められています。

語られているのは、自分の生い立ち、幕末動乱期の体験、 出逢った人々の事、 その中でも特に西南戦争で自刃した西郷隆盛についての想い出の数々が感動的です。

こんな口調で語っています。

「西郷に及ぶ事が出来ないのは、その大胆識と大誠意とにあるのだ。 オレの一言を信じて、たった一人で、江戸城に乗り込む。 オレだって事に処して多少の権謀を用いない事もないが、 ただこの西郷の『至誠』は、オレをしてあい欺くに忍びざらしめた。 この時に際して、小籌浅略(しょうちゅうせんりゃく)を事とするのは かえってこの人のために、腹を見透かされるばかりだと思って、 オレも至誠をもってこれに応じたから、江戸城受け渡しも、あの通り立談の間に済んだのサ。」 平易な言葉で時事、当時の明治政府への批判なども語られていますが 様々な事柄に言及する言葉には『武士道』が一貫しています。

言行一致、肉体を離れた観念は意味がない。 強い肉体に強い精神が宿る。 政治は常に『正心誠意』

刺客に狙われ続けた海舟ですが、常に丸腰で応対していたそうです。 自分を殺しに来た刺客に対して 『お前の刀は抜くと天井につかえるぞ』とか 『斬るなら見事に斬れ。勝はおとなしくしていてやる』 などというと、たいていの者は向こうから止めてしまった、 こんな風に一度も逃げもしないで、斬られずに済んだ、などとという逸話も語っています。

こんな豪傑の75歳の時、翌年の戌年への発句がこれです。   「男らしく 大喧嘩せよ いぬの春」

・「人間の表裏
勝海舟、この方を馬鹿にしちゃいけねぇ

口は悪いが粋な御仁

なんで口が悪いかって?

いい質問だ

俺が思うに“至誠”という二文字を

魂に刻んでいるから

それに反する言動に対しては厳しいだけのことじゃないのかね

深みのある人物とは、このような人のことを言うのかもしれない

自ら高みへと目指すあなたに必見の書です

・「今こそ読み直したい本
国が大きく変革を遂げる時代に活躍した海舟の思想、行動原理、処世術が分かりやすく述べられている。今の時代、政治家、官僚、企業家がもう一度、日本国の将来を真剣に考え直す確かな拠り所となりうる書。時代は変わっても、人間のすることはほとんど変わっていないことが分かるのも新しい驚きだ。本当の「人物」の登場がいつの世も待ち望まれているが、人材は常に不足している感が強い。奮起すべし。

氷川清話 (講談社学術文庫) (詳細)

日本外史 上 改訳 (岩波文庫 黄 231-1)

・「むちゃくちゃオモロイ
多少の教養があって、古文くらいわからないところ読み飛ばしながら読めるよ〜んという人には、超オススメです!!漢文書き下し文だけどさ!漢文そのものはのってません。

日本史の歴代ベストセラーといわれるだけあって本当に面白い本です。

上巻は、義経の話や、平家滅亡に関わる話が載ってます。義経がなぜ英雄なのか?なぜ平家物語が古典になったかよくわかります。本当に、面白くて魅力的な人物満載です。

日本外史 上 改訳 (岩波文庫 黄 231-1) (詳細)

坂本龍馬―歴史の波濤に挑んだ青春 (歴史群像シリーズ 23)

・「表紙は、嫌いですけど。。。
この値段でこの中身は、素晴らしい。沢山の写真や年表などが、分り易く載っています。竜馬や幕末に興味を持った人には、持って来いの本だと思います。字体による性格判断や、竜馬、中岡慎太郎、吉村虎太郎の柿を食べる時のエピソードなど、最後迄、飽きさせません。本も大きいので写真や、年表が見易いですし、表紙がハードでは無いので、手に持った時、重くないし、疲れません。全て気に入りました。表紙の雰囲気がごっつくて、買うのに一瞬躊躇しましたが、買って良かった! 学研の歴史群像シリーズは、他のもいいですよ。新選組や、土方歳三、高杉晋作などなど、一読の価値ありです。

坂本龍馬―歴史の波濤に挑んだ青春 (歴史群像シリーズ 23) (詳細)

お~い!竜馬 (第14巻) (ヤングサンデーコミックス〈ワイド版〉)

・「坂本竜馬という人間に惚れた
今更ながら自分の浅学が恥ずかしい限りだが、この本を読み坂本竜馬という人物の魅力を知った。虐げられ続けたからこそ、人の痛みがわかる。訳無く虐げられる世の中を変えようとするそのバイタリティにはただただ感服。同じ男として見習いたい、憧れである。

また、この本だけのオリジナルエピソードも凄く面白いと思う。

龍馬、武市、以蔵の幼き日の友情、海外へ行く竜馬、新撰組との接触、挙げればきりがありませんが、その全てが非常に面白い。

幕末の歴史や背景にも興味が持てるので入門書にも最適。そう言った側面から言っても為になる本です。

この本を読んで何も感じないという人はいないのではないでしょうか?

・「幕末の奇蹟
幕末の動乱を知り、その中で生きた坂本竜馬という人を知り、日本という国を改めて認識した時、生まれて初めて、私は自分が竜馬と同じ「日本人」であることを誇りに思った。

・「竜馬に今の日本は応えているか?
素晴らしい漫画でした。坂本竜馬をこれほど魅力的に描いた本は、なかなかないのでは?士農工商と言う身分差別、長州だ、薩摩だ、などといった意識の強い幕末の日本で、「日本人」坂本竜馬の勉強熱心さ、柔らかい発想には舌を巻いてしまいます。こういった人たちが、日本にいたから、日本は植民地にはならなかったのですね。その竜馬に今の日本人はどれだけ応えているか?私も含めて、考えていかなければならないと思います。

お~い!竜馬 (第14巻) (ヤングサンデーコミックス〈ワイド版〉) (詳細)

風雲児たち 幕末編1 (SPコミックス)

・「不遇の天才、みたいな隠れた大傑作
初代「風雲児たち」からこれまでの、本シリーズの質の高さととりわけ出版運の悪さに、ため息が出る。この著者には、腰を据えて執筆できる安定した場を与えてほしいと心から思う。本書では、時代は1840年代後半へやや遡り、始めのうちこそ手探りのようなもどかしさを感じるが、次第に本来の調子を取り戻していく。歴史の不思議を実体験するような感覚が味わえる名作である。感動できるギャグ漫画は稀少。島津斉彬とジョン万次郎の対話の場面には涙が出た。

・「風雲児たれ!
吉田寅次郎が桂小五郎に対して言った言葉

「君ッ どうして ぼんやりと 私の話を 聞いているのですか

 あなたの時間が もったいないでは ないですかッ

 この地球上に あなたは 一人しか いなので あります

 君は 何のために 生まれてきて そこに 座っているので ありますかッ

 自分という ワクに はめられていては そこから抜け出せない のです

 人々のために 生きるのが 自分を生かす道でありますっ

 「公」に 尽くす道を 歩まねばなりませんっ

 そのために 生きるのです そのために 学ぶのです

 わかりますかッ」

歴史がわかりやすいだけでなく、ギャグにまで進化させたみなもと太郎氏。そして随所にあるこのような名台詞たち。

このマンガは幕末の小宇宙が詰め込まれている宝箱のようです。

お薦めです!

・「最高のエンターテインメント歴史書
全編通してギャグの連発。しかし、そのギャグは常に歴史上の事実・名台詞を見事に織り込んでいます。読者を飽きさせず、自然に体に染み込むように歴史を教えてくれるという稀有の書であり、およそ歴史書と名のつく書物の中で、これほどまで楽しく、自然に学べるものはないいでしょう。特にすばらしいのは作者のキャラクター造形。ギャグタッチで軽〜く描かれた風雲児たちの実物ソックリの顔、強烈な個性、悲喜こもごもの人生には、読者をして「こいつらに会いたい!」と思わしめるだけの大きな魅力があります。私自身日本史は長く学んできましたが、本シリーズを読んで目から鱗が落ちた感じです。エンターテインメントとして、あっという間に、しかもかなり詳しい内容を学べてしまう。その上、歴史上の人物たちに対する強い好奇心と愛着を抱かずにはいられない。今までの自分の勉強はなんだったんだ、と思ってしまうほどの傑作です。歴史を扱う以上、作者の主観が入っていることは否めませんが、それでもなお、多くの人に読んでもらいたい作品です。

・「尊皇思想の急先鋒・徳川斉昭の改革
三家三卿の中でただ一つ、一橋家の血脈から免れた水戸徳川家の藩主となった徳川斉昭は、藩政の大改革を行う。

風雲児たち 幕末編1 (SPコミックス) (詳細)
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