「疑問点」「世界は日本ほど甘くはない!」「中国理解の最良のテキスト」「最良の指南書」「中国人の行動原理を解明する名作」
貧困の克服―アジア発展の鍵は何か (集英社新書) (詳細)
アマルティア セン(著), Amartya Sen(原著), 大石 りら(翻訳)
「現代アジア最良の知性が語る」「世界で最も重要な問題」「セン入門として恰好の書物」「心が洗われる思いの講演集」「モンゴル民主化後の貧困問題克服にも適用してみたい」
世界がわかる宗教社会学入門 (詳細)
橋爪 大三郎(著)
「入門書と侮るなかれ」「序文が素晴らしいです」「最高の宗教入門書!」「このわかりやすさ◎!!!」「教科書として読み、教科書として使い倒すべくして書かれた本だ」
北辰の旗 (徳間文庫) (詳細)
戸部 新十郎(著)
「富樫政親」
三国志 (8の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫) (詳細)
北方 謙三(著)
「揚州の華」「死に様に注目」「これからクライマックス」「王覇論議は無用」
三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫) (詳細)
北方 謙三(著)
「感動しました。」「雪原に散った英傑の雄姿」「関羽の死に様に注目」「王覇論議は無用」
入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫) (詳細)
ロバート・L. ハイルブローナー(著), Robert L. Heilbroner(原著), 八木 甫(翻訳), 浮田 聡(翻訳), 堀岡 治男(翻訳), 松原 隆一郎(翻訳), 奥井 智之(翻訳)
「経済学は世につれ、世は経済学につれ、と「考えさせる入門書」」「恐らく、日本の入門書ではありえない」「経済学を説いてきた経済学者の話」「単なる経済学者の伝記ではありません。」「原題はギボンの著作でも使用されている言葉なのだそうです。」
数学嫌いな人のための数学―数学原論 (詳細)
小室 直樹(著)
「数学が社会に果たした役割」「論理的な頭になるためには」「論理学とマクロ経済学の格好の入門書」「ロジカルシンキングはこの本から」「数字嫌いの数学好きのための本」
孔子伝 (中公叢書) (詳細)
白川 静(著)
「名著である。中国思想の奥深さを感じた。」「人間、孔子の生き様」「東洋を知る」「難しいけど読み通したくなる本」「読み通させる力」
・「疑問点」
”中国人はズルイ”,ついついここで思考を停止してしまう.これが答えとして充分通用してきたからだ.いま考えるとこういう論理は拙劣なことこの上ないが,まあそう考えていたんだから仕方がない.恥ずかしいが仕方がない.
知りたかった疑問点をきちんと言語化し,きれいな答えを提示してくれる.見事な本である.ちょっとおもいきった,強引な物言いがちょうどいい.
・「世界は日本ほど甘くはない!」
日本がいかに豊で恵まれているかを知る上でとても役に立つ本。これほど中国の事が面白くかつ正確に分かる本は他にない。オマケに歴史にまで詳しくなるから超・お得だ!! 「何でそうなるのか」がキチンと書かれてある。別に難しく書いてあるわけでもない。世の中にはワザと難しく書いてあるのではないかと思いたくなるものが多い中、これはそうではない。実に親切な本だ。著者の心遣いが有り難い。物事がちゃんと筋道立てて解説してある。詳しい事が分かりやすく楽しく説明してあるからとてもとても役に立つ(子供にも分かりやすいはずだ)。更に更に宗教観まで説明されてあるから日本人と中国人の相違、モノの考え方の違いまでよく分かる。「どうして違うのか」がよく理解できる。これを読めば「なるほど、だからそうなるのか」と納得できるはず。興味深い事が色々書かれてあります。単にエリートぶった人が自己満足で知識をブチ撒けているのではなく、万人が興味を引くような書き方になってるからとても親切。色々な手引書になるはずです。どんな人が書いた中国に関する解説書より役に立つ。
・「中国理解の最良のテキスト」
度重なる中国高官の高圧的な発言を聞くにつけ,中国人と日本人は見掛けは似ているのに,なぜこれほど国民性が違うのか?と疑問を持つ人も多いだろう.見掛けが似ているのだから遺伝子も似ているだろうに,なぜこれほど違うのか?
謎を解く鍵は歴史にある.稀代の天才,小室直樹がこの問題に,中国古典を紐解きながら鋭く切り込んでゆくのが本書である.特に,『史記』の「刺客列伝」聶政を例に引き,中国人の幇に対する概念が,命よりも重いことを論証してゆく下りは,圧巻だ.聶政は単に自分を信じて礼を尽くしてくれたというだけで,自分の命を投げ出して刺客としての使命を全うする.逆に,単なる知り合い程度では,彼らの倫理は適用されない.騙そうが,殺そうが,痛痒は感じない.全ての人間をなるべく平等に扱おうとする日本人とのなんと言う違いだろう.
本書には,中国古典や人物の引用が豊富だが,それぞれに丁寧な解説がついているので,中国史のサブテキストとして読んでも楽しめる.内容は非常に濃いのに,小室氏の軽妙な語り口に思わず読み出したら止まらない.まさに,天才小室直樹の面目躍如たる傑作だ.
・「最良の指南書」
中国について論じるのに中国の古典を駆使して分かり易く解説し、しかも、理知的な掘り下げ方を駆使している点で、非常に優れた説得力を発揮している。縦と横を貫く宗族とパンという構造について、博学な著者が解説している中国社会のシステムは見事であり、それによって中国人とはいかなる者かが明白になる。それにしても赤穂四十七士が財産横領をしていたとは、確かに著者にしか指摘できない大発見であり、それを読んで目からウロコガ落ちたと言う印象を強く持った。
・「中国人の行動原理を解明する名作」
本書の目的は、中国の歴史に立ち返って中国人の行動原理を抽出することです。広大な中国の全体像を把握することは極めて困難です。それゆえ、大部分の中国関連書籍には、その著者が触れ得た中国の一部分のみを解説しているとの但し書きが必ずといってよいほど見受けられます。これらの書籍には綿密な取材に基づくものも少なくありませんが、その情報が矛盾することがあります。例えば、「中国人ほど信頼のおける仕事上のパートナーはいない」と「中国人は契約をまったく守らない」等です。こうした矛盾は中国人の行動原理を我々が十分に理解していないことに起因します。本書は、中国人の行動原理・法則を明らかにし、我々の誤解を解きながら、現実の行き違いを事例として解説していきます。
具体的には、「横」の人間関係の最も緊密な関係である「幇(ほう:字は←と似ているが異なる)」と「縦」の関係である「宗族」を解説しています。「幇」は三国志における劉備、関羽、張飛の桃園の誓い以後における関係です。「幇」を結んだ相手は利害を超越し、口約束でも破られることはあり得ないそうです。仮に破れば、村八部ならぬ社会十部で、社会生活から抹殺されます。逆に、何度も主君を裏切った呂布ですら社会から抹殺されない存在(アクセプタブルな態度)なのです。
しかし、「幇」の外では、その関係の深さに応じて、「情誼」、「関係」、「知人」、「それ以外」となります。そのため、資本主義では絶対の関係である「契約」も「知人の外では、「契約」はナンセンスである。あれども無きがごとし(P. 353)」となるのです。これでは、中国人と自由市場経済の国の人間で話がまったく噛み合わないのも道理です。
紙幅がないので省略しますが、本書で詳述されている「宗族」、「法家の思想」も中国人を理解するうえで大変重要に思われます。もう8年も前の本ですが、未だ色褪せない,優れた名作です。
・「現代アジア最良の知性が語る」
先ず、本書について、私は「★印」をさらに5つ追加したいぐらいである。それほど素晴らしい内容の講演集である。 この新書は1997年から2000年にかけて行った4本の講演論文をオリジナル編集したもので、アマルティア・セン博士の卓絶した政治=経済哲学がよく反映されており、博士の思想に初めて触れる人には最適の入門書と考える。なお、本書においても当然、「潜在能力(capability)」など博士の思索に基づく主要な概念が鏤められているが、「人間の安全保障(Human Security)」に関しては、2006年1月、同名の書(集英社新書)が出版されており、そちらの小論集で深めることが出来るだろう。
さて本書では、例えば、市民的自由(権利、―からの自由)、政治的自由(権利、―への自由)と民主主義が人間にとって「普遍的価値(universal value)」をもつものであることを説述し(これらは他書で、厳密に論証されている)、これらの諸権利が飢饉や貧困を始め「経済的・社会的災害全般を防止する積極的な役割を担う」(本文)ことを訴えている。取り分け、民主主義の価値は「地域性がない」(同)とし、東南アジアの一部指導者などが語る権威等に偏重した「アジア的価値(asian value)」を鎧袖一触するとともに、自由や寛容の精神が決して西欧の専売特許でないことも、インド等の歴史を遡行しつつ強調するなどしている。 加えて、セン博士の人と思想をコンパクトにまとめ上げた訳者の大石りらさんの解説が非常に良く、見事な光彩を放っているのが本書の特徴だ。
最後に、この講演論文は新書版で読みやすく、特に高校生や大学生には、アジア初のノーベル経済学賞受賞者(1998年度)で、現代アジア最良の知識人と言って良いセン博士の嶄然とした思想を是非感じとってもらいたいと願っている。
・「世界で最も重要な問題」
本書は、「貧困」という最も恐ろしい問題に対する優れた分析と、発展のために何が必要かが述べられている。
内容については他のレビューに詳しいですが、更に付け加えるならば、本書は貧困と発展の問題の考察を通じて、人間に最も必要なこととは何か、を教えてくれることです。
実践的というよりは理論的内容になっています。なので、2006年度ノーベル平和賞を受賞されたムハマド・ユヌス「ムハマド・ユヌス自伝」をも合わせて読まれることをお勧めします。ここには、グラミン銀行を通じた、貧困撲滅のための「実践」が述べられているので、センの言う理論の現実が見えてくると思います――両者は必ずしも矛盾するものではありません。
もう一つ……本書はアジアにおける貧困と発展の問題を述べていますが、それは、決してアジアに限られることではありません。ですから、本書では普遍的な価値を有する議論がなされています。
・「セン入門として恰好の書物」
経済学の入門書ではなく、アマルティア・センの入門書である。 センはインド出身、初のノーベル経済学賞受賞者として知られている。飢饉の原因は凶作ではない、という驚愕の説を唱えて有名になった。なお、この説は江戸時代における東北の飢饉についても当てはまるのではないかと考えているが、実証的研究が望まれる(もうあるのかもしれない)。 さてセンの経済学説は数理経済学とは全く違い、むしろ経済哲学と言えるべきものである。「自由」や「平等」といった哲学的な概念を大事に考えつつ、まずスタートラインの平等、つまり生まれや育ち、そして出生国を問わず、各人がその能力を発揮できるような条件作りを提唱する。そして本講演集でのこの概念の具体的呈示が「人間の安全保障」である。 経済学と言えば差し当たり現在の日本の経済状況、つまり失業率の増加、ニートの出現、経済低成長を分析し、そこから脱出するツールとして考えられがちだが、センはどうしたら世界中のひとびとが幸せになれるのか、という観点から捉えたときにどのような学問になるのか、というひとつのかたちを示している。彼の経済学入門としては恰好の書物である。
・「心が洗われる思いの講演集」
これはノーベル経済学賞を受賞した学者であるアマルティア・セン氏の講演集である。経済学者にしては述べていることが哲学的であるなあ、と思っていたら、後でこの本の訳者が解説してくれるには、セン氏は経済学と哲学の橋渡しを目指しているのだそうだ。ちなみに、この訳者の大石りら氏の訳と巻末のセン氏についての解説が真に適切で、セン氏の思想をよく理解しているからこその名訳だったのだなと感心した。 自分自身の思い込み或いは傲慢をいましめてくれたのは、セン氏の言う、民主主義の普遍性である。リー政権下のシンガポールの発展をして、発展途上国においては権威主義的体制国家のほうが経済発展に寄与する、との考えは常に為政者からの発言であり、一般庶民のそれではない、とセン氏はボツワナの事例を挙げて反論する。そのことは、別の言葉で言うと、民主主義、或いは社会の透明性に欠ける社会においては、10%の経済減速が及ぼすことの重大さは、国民一人ひとりが10%づつの負担をするということではなく、困窮にあえぐのは低収入の人々で、一部の富のある人たちにはほとんど影響はない、という事例でわかりやすく知らしめててくれる。 飢饉は食糧不足が原因ではない、巷の情報を隠したり、批判勢力を抑圧するという民主主義の欠如(独裁政治)が引き起こすのである、という説明には目からうろこが落ちる思いであった。セン氏は更にアジアに対する一部西洋社会の人々による、民主主義或いは寛容性に対する誤った見方について、アショーカ大王の宗教に対する慣用性を引き合いに出して正している、中世の西洋におけるキリスト教異端者裁判のようなものはアジアにはなかった、という考察である。 経済学者だから何ほどの難しいことを言うのだろうかと思っていたが、真にわかりやすい語り口で、こういうものを読むことによって心の安らぎを得ることができたのはなによりであった。
・「モンゴル民主化後の貧困問題克服にも適用してみたい」
政治経済制度としての社会主義を放棄(社会的文化的には後も相続)、一九九〇年の民主化以降アジア的というより主に世界銀行・IMFの資金で欧米的政策の開発を進めたモンゴルは今日貧富格差が顕在化(日本と東・東南アジアの経済発展モデルの要素とセン教授が特徴づける1)基礎教育2)経済的エンタイトルメントの広範普及3)国家機能と市場経済効用の組合せ、では2)と3)に弱点か)。同国の本質的「貧困の克服」政策づくりの一助にと本書を手に。近年都会で猛威を奮う拝金文化を超え、伝統的に厳しい自然下で鍛練された全土の遊牧個人・家族の生存力と、セン教授も貴重な資料提供でその価値を示した「自由なメディア」追求欲(「モンゴル 民族と自由」田中克彦著)が裏づける、「エンタイトルメント」行使への「エージェンシー」(人間の主体的行為)としての強靭さが貧困克服の可能性を想起させます。「潜在能力」開発は、気候厳しい人口少国の脆弱性を超え、九〇年以降許された嘗ての英雄チンギス・ハンの末裔としての誇りが土台となるでしょう。ムガール帝国・アクバル大帝(在位一五五六−一六〇五)によるインドの多様性寛容の実践例示は、チンギス家連関系譜の同帝国が、人種・文化・宗教に関わらぬ人材登用(「堺屋太一が解くチンギス・ハンの世界」)と、信仰と礼拝の自由で多文化共生政策を実行し大帝国を治めたチンギス伝統精神相続の証として、セン教授の価値観理解を促進するでしょう。この多様性寛容に対する課題「リベラル・パラドックス」の解決策として提示した「他人の権利を考慮して他人のために行動する」原理、即ち自己の権利以前に他人の権利を考慮する「コミットメント」も貴重。民主化後の物質至上指向の台頭に動揺しつつも、遊牧文化に根付く助け合いと協働(モンゴル語でKhamtiin Ajillagaa)の考え方に理論的根拠を与えるからです。セン教授の貧困克服論をモ社会に効果的適用する観点からレビューしてみました。
・「入門書と侮るなかれ」
浄土真宗の家に生まれ、プロテスタント系の学校に通い、半年以上イスラム圏を旅した経緯もあり、宗教に少なからず興味を抱いてきたボクとしては、人並み以上に<宗教>というものについて通じているつもりでいた。だからこの本についても復習のつもりで読んでみたのだが、入門というタイトル以上に濃い内容でとても勉強になった。東京工業大学での講義「宗教社会学」をもとにコンパイルされたテキストで、宗教オンチの初心者のみならず誤解だらけの宗教オタクまでをも対象に、「わかっているつもりでわかっていない」宗教について各論比較しながらわかりやすい講釈をしてくれている。批判的なレビューも書かれているが、各宗教が発生した理由(社会的背景)についての推察を橋爪さんが口語体で披露する<㡊ぶっちゃけ大胆解釈>はとても新鮮で他の宗教解説書にはない面白さがある。「一冊読めば、宗教とはどういうものかひととおりわかってしまう便利な本」にしたいという著者の目論みが見事に成功した素晴らしい本だった。
・「序文が素晴らしいです」
序文の4~9ページまでの思考実験の件が、とても素晴らしい。これだけで買う価値があります。
本文は、本書を書くことで自己の人格を発達させつつ、社会において主張を実現しようとしたのであろう、挑戦的な内容になっています。意図的かなのか、情念に引きずられたのか。ともかく、宗教を学ぶための入門書としては向いてません。
なんだかオススメしといてアレですね。
序文は本当におもしろい。あとは特に勧めませんが、ご自分で判断されますよう。そうだ。わざわざ買ったのだからと最後まで読むのなら、作者の個人的な能力・性格・意図に勘案しながら楽しまれてはいかが?
・「最高の宗教入門書!」
宗教と聞くとなんとなく畏れ多かったり、近寄りがたかったり、あるいは嘘っぽかったり。 しかしそこは橋爪大三郎先生、この難解で厄介な宗教を社会学のメスで大胆に切り分けて見せてくれます。 『宗教も、社会構造である!』とし、続いて ・神道は、宗教でない?! ・日本人はなぜ、宗教を軽蔑する? ・日本は儒教国家だったか
等々知的に挑戦的な内容が続きます。 宗教に対して自分の意見を表明するためには必読の一冊です。私の子供たちにも、もう少し大きくなったら勧めます!
・「このわかりやすさ◎!!!」
東京工業大学での学部二年生向けの講義、「宗教社会学」にもとづいているだけあって、非常に分かり易い。ただ扱われている範囲がユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教、尊皇攘夷良思想と非常に広範囲にわたっているので、各宗教についての深い突っ込みや独創的な見解はあまり無い。でもそもそも『入門』にそんな内容を期待する方が間違い。岩波ジュニア新書の『世界の宗教』があまりに淡々とした百科事典的な記述であったのに比べて、こちらは文体もややくだけた「ですます調」の話し言葉でずっと馴染みやすい。特に若い初心者への「世界の宗教」入門としては現在のベスト・チョイスであると確信する。
・「教科書として読み、教科書として使い倒すべくして書かれた本だ」
社会学の黎明に関わる著名な学者たちは、社会を構成する共同体について考える際、“宗教”をたいへん重要視した。ウェーバー、デュルケム、マルクスなどの社会学古典を挙げるまでもなく、宗教組織や信仰共同体にかかわる社会学的考察を一切抜きにして、古典的社会学の問題意識を十全に理解することはむずかしい。
この本は、大学の「宗教社会学」講義で橋爪氏が作成した講義資料を再編したものである。この本を読む利点は、世界の五大宗教の知識を“同時に”総ざらいできること。この本における橋爪の情報圧縮のやり方はきわめて優れていて、各論に陥りがちな宗教学入門書の悪弊からうまく逃れて、世界宗教のエッセンスをきっちり“教科書的”に纏め上げている。
しかし、“教科書的”だから内容が浅薄かといえば、そうでもない。たとえば、〈パリサイ派〉〈サドカイ派〉に続く第三のユダヤ教徒〈エッセネ派〉に関する問題は、原始キリスト教の歴史的成立過程をとらえる上で非常に重要な(一冊本を書くに値する)トピックである。しかし面白いことに橋爪は、その〈エッセネ派〉に関することをわずか1ページ足らずで終わらせてしまう。この本では一事が万事こんな調子で、重要な術語や概念を列挙するだけ列挙して、結局アッサリと通り過ぎる。同じトピックで分厚い参考書レベルの本も書けるだろうに、と思うが、だからこそこれは“教科書”として使いこなすことができる。
したがってこの本は、ゴシック体で示された単語のすべてに、「自分自身で適切注釈を加えられるほどの実力が備わっているかどうか」を試すつもりで熟読するのがいい。この本に書かれた内容の一部を徹底的に論じた良書はいくらでも手に入るが、そういった単語をこれほど整然と、一冊できっちり総ざらいできる本というのはなかなかないし、それで足りないなら“参考書”を自分で別に揃えればいい。
教科書は、学ぶ際の定点である。こうした定点が日本の宗教社会学で出てきたのは、非常に喜ばしいことだと思う。
・「富樫政親」
富樫政親が主人公のこの小説だが、知らない人が多いのではなかろうか。彼の一生を描いた作品だが、後半生の部分が短すぎるように思われる。一向一揆との争いをもう少し描いて欲しかった。
・「揚州の華」
周瑜。揚州の華。咲き誇り、枯れて散った大輪の華。 痛ましいまでに壮絶な周瑜の死です。文字通り、血を吐くような無念の想いが、行間の端々からにじみ出ていました。
・「死に様に注目」
この巻は周瑜の死が一つのポイントだった。予想と異なってある種爽やかに死を受け入れていく周瑜が印象的だ。
・「これからクライマックス」
いよいよ、まさに三国志。これからクライマックスかな。
・「王覇論議は無用」
13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。
これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。
いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。
しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。
吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。
・「感動しました。」
三国志の小説はいろいろな人が書いていますが、中でも北方三国志は秀逸だと思います。歴史そのものよりも、個人の感情に焦点を当てるところが気に入っています。最後の関羽が死ぬところでは、筋書きを知っているのにもかかわらず、不覚にも号泣してしまいました。三国志初心者の人でも、この小説なら入りやすいのでは。
・「雪原に散った英傑の雄姿」
関羽が死んだ。 今まさに、劉備が宿敵曹操と肩を並べようとしている飛躍のときに。
完璧であったはずの孔明の戦略。 関羽が都に圧力をかけ、その間に雍州、涼州を奪れるはずであった。
しかし、完璧であったことこそが、唯一にして最大の弱点。非凡な才を持つものには見えない、信義に厚いものには考えつかない、人の弱さと愚かさ。 曹操ですら読めなかったその隙を見事についた司馬懿。同盟国の裏切り、自軍の裏切り、失くした拠点、使い物にならなくされた城。残酷すぎる罠が関羽を追い詰める。
桃園より駆けに駆け、雌伏のときを耐えてきた関羽。 北方謙三の筆により、見事に描かれた関羽の最後です。
・「関羽の死に様に注目」
義兄劉備と共にもう一度闘いたかった…。何人かで大きな夢を目指す時にはこういったケースがたくさんあると思う。あれだけ強かった関羽にもそう思うときがあったのか…。ちょっと新鮮な解釈かなと思う。
・「王覇論議は無用」
13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。
これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。
いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。
しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。
吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。
・「経済学は世につれ、世は経済学につれ、と「考えさせる入門書」」
~時代が経済学をつくり、経済学が時代をつくる。アダム・スミスからマルクス、ケインズ、シュンペーターまで、代表的な経済学者の伝記と思想を紹介する、知的面白さに溢れた経済学の入門書。
~~ハイルブローナーは、経済学における「ビジョン」の重要性を指摘するが、時代、社会を読む「視点」の大事さを教えられると同時に、経済学者たちが提示した「視点」に思考をいかに縛られていくかも教えられる。アダム・スミス、マルクス、ケインズなど、かれら経済学の革命家たちが提示した「思想」に、知らず知らずのうちに経済や社会の見方を縛られているこ~~とにきづく。
そうした「常識」で、いまの経済システム、社会システム、政治システム、企業システムを理解できるのか、もっと勉強しないといけないな、と思ってしまうところまで考えさせるところがすごい。最高の経済学入門書。~
・「恐らく、日本の入門書ではありえない」
私、経済学に関しては全くの初心者です。
とある日本の入門書(岩波)を読んでも、イマイチしっくりと理解できなかったので、翻訳である本書を読みました。
読んでびっくり、面白すぎて中々読むのをやめれない。これほど面白い学問書は、正直、初めてです。恐らく、日本の入門書ではありえない。
諸々の経済思想を、考え出した思想家の人生と密接に結びつけることによって、生き生きと、面白おかしく、かつ明瞭に描いているように思われます。
堅苦しい入門書を読んでいると、何か異物を無理に押し込まれるような感じがしますが、この本の内容は一仕事の後のビールのように「すーっ」と入ってきます。「経済思想」といえば、何か堅苦しい感じが付きまといますが、この本を読むと、「経済思想」を全く身近なものとして受け取ることができました。そしてそれこそが本来の思想の姿であるように思えます。
ただし、経済学については全くの初心者の私でも、理論的な内容については不足を感じました。まあ、あまり深い理論的内容については、本書が意図するところではないのでしょう。
最後に一つ、所々にちりばめられているブラックジョークにはほんと笑わされます。快楽機械説を唱えたエッジワースを評して曰く
「彼自身は、粗悪につくられた快楽機械だったことは容易に想像される。」
・「経済学を説いてきた経済学者の話」
アダム・スミスからシュンペーターまでの経済学者の生い立ちとともに何を説いてきたかをわかりやすくまとめた書籍であった。経済学を学ぶ前にこの書籍を読んで、経済学の歴史や経済学者の歴史を知った方がより一層に、経済学に興味を持てると思う。そういう人には、とてもよい書籍であると思います。(私もそういう立場で読みました)次なるステップを踏むための基礎の基礎的な書籍として利用できた。文末に記述してある、今後どの書籍を読めばよいのかという指南も、参考になった。
・「単なる経済学者の伝記ではありません。」
17世紀頃から顕著になる市場の興亡に対してアダムスミスに始まる大経済学者達がどのように洞察していたかを、時代背景と彼等が育った環境を解説することで興味深く教えてくれます。よって経済史と大経済学者の伝記であると言えます。しかし、本書は単なる伝記ではありません。それは読者に対して次の事を示唆しているからです。1)彼等は経済を政治的なものとしてとらえ経済社会の未来に関心を持ち資本主義の終着点を予測したこと、2)貧困や階層、不況など彼等にとって問題であったものが現代でも解決されない問題として存在していること、3)現代経済は彼等が予測した資本主義とは異なる変化をしたこと、4)グローバル経済や情報通信革命など大経済学者が生きた時代には存在しなかった事象が今起きていること、などです。本書を読めば急激に拡大し複雑化するグローバル経済に対して、これをコントロールする政治機関もなければ頼れる経済理論もないことに不安を感じます。よって、本書の最終的な主張である”心理学、社会学、政治学を内包した広く深い経済思想の必要性”は読者の胸に強く響きます。
・「原題はギボンの著作でも使用されている言葉なのだそうです。」
シュンペーターの講義を聴講していた学生の一人が、このハイルブローナーです。(是非は別として)不況は「お湿り」と喝破した講義のエピソードが第十章に出てきます。本書の中身に関してもシュンペーターの影響を看取できますが、入門書としての性格を破壊する程のものではないようですので安心して読めました。分量も結構なものですが、内容もまた結構なもので、原書や二次資料がふんだんに活用されており読み応えがあります。さて、個別の思想家としては第3章:アダム=スミスから取上げられています。それまではスミスに至るまでの前史となっており、歴史的背景、「交換」や「利得」といった観念、そして「市」と「市場システム」の違いなどの解説が行われています。その後は、マルサス、リカード、社会主義者、ウェブレンなどが続き、J.M.ケインズ、シュンペーターへと至ります。最終章のタイトルは、「世俗の思想の終わり(end)?」となっていますが、英語の「end」が持つ二つの意味に注意を向けるものに過ぎず、本当に終わりを意味している訳ではないようです。それは、ハイルブローナーの最後の一文を読むだけでも分かるはずです。
・「数学が社会に果たした役割」
この本は、「数学嫌いな人のための数学」というタイトルであるが、数学を易しく解説し、読み終わると理解できるという類の本ではありません。
むしろ数学が社会(宗教・科学・経済学・法学など)とどのように関わってきたか、数学の思考法がいかに社会のあり方を決めてきたかを学ぶことによって、受験とか狭い範囲の数学を超えた、壮大な数学の世界観を垣間見ることができる。
著者の文体が独特で、かつ章立てや内容も幅が広すぎるため、好き嫌いが出てしまう恐れがあるが、私がこの本を読んでから、経済学の所有の概念や法学の裁判、宗教のファンダメンタリスト、数学の証明問題の意味がわかるようになりました。
金融工学を専攻していますが、数学の魅力を理解できる一冊です。
けっこうすぐに読めますね。いい本です。
・「論理的な頭になるためには」
数学というより、「論理学」に関する本だと思ったほうがよい。たくさんのロジカルシンキングに関する本がでているが、論理性を求めたい人、ロジカルな考え方を学びたい人に是非お勧めしたい一冊です。必要条件/十分条件/対偶を理解できれば、ちまた議論が如何に低論理なものかわかると思いますよ。
・「論理学とマクロ経済学の格好の入門書」
白地表紙の上に赤で抜いた「数学原論」というサブタイトルに惹かれて買いましたが、期待はずれの”満足感”を味わうことができました。
■私の満足感1 形式論理学の方法論&成立過程の入門文献であった 同一律、矛盾律、排中律の3根本原則を、これだけ繰り返し繰り返し説明する文献は他に知りません。この本を読んでからだと、「形式論理学」「記号論理学」の並み居るテキストも読み応えが俄然ちがってくると思います
■私の満足感2 古典派対ケインジアンの解説文献 Y=C+Iというマクロ経済学の一時間目に習う式を、恒等式(≡)として解釈するか、方程式(=)として解釈するかの相違をもって古典派とケインジアンの考え方の相違を快刀乱麻に説明しています。これだけの紙幅を費やしてくれると何やらわかった気持ちにさせてくれます。恒等式と方程式の意味の違いも脳裏に刻み込まれます
最後に、本書の中で腑に落ちなかったことを□ p280のクラウディングアウトの意味 本書ではクラウディングアウトは「有効需要に対する生産力の不足」という意味で定義されているようですが、大学など学ぶ経済学では「政府資金需要の増加が市中金利を上昇させることで民間の資金需要を抑制する現象」を意味する言葉です。結果としては、高利資金で民間が設備投資を控えれば生産設備の不足に至る、と言えるのでしょうが、小室先生がわけあってこうした意味を当てたのではないかと考え込むところです。
□ 対偶・逆・裏の例文 p237「猫は動物である」という命題の『裏』が「動物でなければ猫でない」になっていますが(初版)、これは誤りで、「猫でなければ動物でない」が正しいと考えます。(東洋経済のHPで誤植訂正の記事は今もでていませんので、私のほうが間違っているのかなと気になりますが、他のレビュアの方達から同じ疑問が呈されているようで少し安堵しています)
・「ロジカルシンキングはこの本から」
「数学」の本というよりは形式論理学入門編として読みました。演繹法と帰納法、必要十分条件、逆と対偶などこれまでなかなか理解が難しい、と思っていた考え方が分かったような気がします(「分かったような」というのは、こうした考え方を日常で使いこなすレベルにはまだないと認識しているため)。
巷ではロジカルシンキングの本が沢山ありますが、このような本で元の考え方をしっかりと身につけることが結局、早道のような気がします。そうした意味で、今まで大学などで教わった内容よりも、この本を読んだ方が(僕には)分かりやすく、お薦めの一冊です。
・「数字嫌いの数学好きのための本」
数学の本質的なところは好きだけど、いざ計算やら何やらとなると嫌いな人には、最高の本。論理学、哲学にもつながっていく数学の本質的な部分に迫っている。数学原論がというと純粋数学を想像しがちだが、このnumbersの世界では無く、生きていく上で理解すべき論理の道しるべを示している。とても知的好奇心のそそられる良書。受験数学にうんざりしている人に、是非読んでいただきたい。
・「名著である。中国思想の奥深さを感じた。」
その言葉が数多残っているとは言うものの、あくまでも誰かからの言い伝えで、自らの著作を持たず、その実像がなかなかわからない孔子。 白川先生は、非常に論理的な筆致で、孔子の出自やその思想の背景、歴史的な役割などを描き出している。 「論語」に関する解説も、いわゆる教訓としてではなく、どのように形作られてきたのか、歴史的な視点から考察している。やはり、誰がどのような境遇で発言したのかが実感できると、言葉の重みが一層伝わってくる。
中でも特に気に入ったのが、「儒教の批判者」の章である。荘周(荘子)の考えはいわゆる老荘思想といわれ、一般的には儒教のカウンターカルチャーと位置づけられているが、白川先生は、むしろ孔子の最大の理解者であった顔回の流れを汲む者だと仮説を立てている。荘周が攻撃したのは堕落した儒教であって、儒教の真の姿への回帰を目論んでいたのだと主張している。 確かに、儒教自身は封建主義の精神的な基盤として長く君臨してきたが、孔子の辿った生涯を考えると、決して体制維持のために考え出された思想ではないはずである。むしろ荘周の立場に近かったかもしれない。 韓非子にしてもそうであるが、古代中国においては思想が対立しているというよりも、種々の思想が互いに影響を与え合って存在している。それが中国思想のスケールの大きさに繋がっていると思うのであるが、白川先生はその辺りを描き出すのが非常にうまい。
・「人間、孔子の生き様」
呉智英氏の『封建主義者かく語りき』で必読の文献と紹介されていたので、手にとってみた。
本書は、孔子にまつわる5つのテーマ、すなわち、
・孔子はどのような生涯をおくったのか・儒教はどのように成立したのか・孔子の生きた時代の政治環境はどうだったのか・儒教の批判者・論語とはどのような書物なのか
について論考したものである。資料を多数引用し、切れのよい論理展開で、孔子が生きた2500年前の中国社会の実態を追って、たいへん迫力がある。
たとえば、知られている孔子の生涯は基本的には司馬遷の『史記』の記述によっているが、白川博士は、同時代の他の資料や記述を渉猟して、孔子についての史記の記述には相当の虚構が含まれている、と断じる。孔子は生まれは不詳、おそらくは巫女の私生児で、40代になって自らの教団が力をもってくるにつれ世に出た、とする。
あるいは、儒教がなぜ「儒」というのか、実はよくわかっていないそうだ。これを「儒」とは男巫が雨乞いをする形である、という解字を手がかりに、儒教は天と人とをつなぐ祭礼をベースに発展した思想であるとする。筆者は勉強が足りないのでしかとはわからないが、他の書物とは違う、かなりユニークな解釈をしているように思う。
白川博士は1910年生まれだから今年(2006年)94歳、漢字研究の第一人者で『漢字百話』など著作も多い。これまで読む機会がなく、白川博士の本はこれが初めてだったが、文章の歯切れがよく、説明も言を尽くして丁寧なので、素人にもよくわかる。専門家の論文の格調を失わず、なおかつ読んでおもしろいのである。すっかり白川ファンになってしまった。これを機に白川博士の著作を一通り読んでみたいと思う。
・「東洋を知る」
これを読んで諸星大二郎が孔子暗黒伝を描き、さらにそれを読んだ酒見賢一が陋巷に在りを書いたのは有名な話ですが、この両作家の作品を読んだ人にはお勧めの一冊です。加地伸行氏による、あの解説からも分かるように、書かれた時代の背景を良く反映した内容となっており従来のカビ臭い考証や解釈にとらわれることなく斬新な視点から孔子の人物像に焦点を合わせています。ときおり目にする「孔子家語」からの引用をもってされる本書への批判も、良く読めばそれが如何に的外れであることかを知る事ができます。
・「難しいけど読み通したくなる本」
孔子という人がどのような人物であったのか、実際はよくわかっていませんでした。ただ、日本人の座右の書として、いろんな場面で顔を出す「論語」の登場人物で、「子」と呼ばれている人だということぐらいの知識でした。 「孔子伝」を読んで、「論語」が近づいた気がします。孔子は、聖人君子として安楽に生涯をおくったのではなく、むしろ反体制活動家として理想主義をかかげ、70歳になるまで挫折を繰り返した、偉大なる敗北者・無冠の帝王だったんですね。 「論語」で語られる言葉は、よく言えば魂の言葉、悪く言えば愚痴や負け惜しみ。読むのに気が楽になりました。そして、決して上からのお説教じゃないってわかりました。 いろんな方が影響を受けてらっしゃるというのも納得します。今度僕も「論語」が自分の血肉になるまで読み込んでみたいと想うようになりました。
・「読み通させる力」
「孔子」=「『論語』を書いた偉い人」という基礎知識だけで読み始めたのですが、非常に楽しめました。
難しい熟語も多いので100%内容が理解できたというわけではなく、そういう本の場合、だんだん不満がたまってきて投げ出してしまうことが多くて心配だったのですが、本書は必要なところで必要な復習をしてくれる構成をとっており、「読み通させる力」を持った書物といえます。
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