王たちのセックス―王に愛された女たちの歴史 (詳細)
エレノア ハーマン(著), Eleanor Herman(原著), 高木 玲(翻訳)
「王侯の娼婦たち。」「強い女たち」
中東百年紛争―パレスチナと宗教ナショナリズム (平凡社新書) (詳細)
森戸 幸次(著)
「試されるアラブの忍耐力、アメリカの包容力」「まず知ってください」
長篠合戦の世界史―ヨーロッパ軍事革命の衝撃1500~1800年 (詳細)
ジェフリ パーカー(著), 大久保 桂子(翻訳)
「題名に騙されてはならない」「原著は、軍事史では必読の名著です。」「ヨーロッパはいいが……」
ナショナリズムと宗教―現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動 (詳細)
中島 岳志(著)
日本のインテリジェンス機関 (文春新書) (詳細)
大森 義夫(著)
「著者の回想録」「正義感と情熱に富んだ官僚の無力感」「愕然とする1冊」「元内調室長が後進に贈る「情報屋の心得」」「「優秀な秘書課」であった内閣情報調査室」
狼憑きと魔女17世紀フランスの悪魔学論争 (詳細)
ジャンド ニノー(著), Jean de Nynauld(原著), 富樫 瓔子(翻訳)
世界情死大全 「愛」と「死」と「エロス」の美学 (詳細)
桐生 操(著)
「死を見つめることによって生きる意味を考えさせられた本である」「「愛」と「死」と「エロス」…手に入れたかったのは何?」
モーツァルト最後の年 (詳細)
H.C.ロビンズ ランドン(著), H.C.Robbins Landon(原著), 海老沢 敏(翻訳)
「モーツァルト伝記のリファレンス」「モーツァルトの最晩年を辿る」
Momentum: The Struggle for Peace, Politics and the People (詳細)
Mo Mowlam(著)
ネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力 (Native speaker series) (詳細)
大西 泰斗(著), ポール・マクベイ(著)
「目から鱗の英文法書(でも、参考書じゃないからね)」「この基礎力を知って英語が「見えて」きました!」「I'm lovin' it!」「感覚で覚える英文法」「生きてる英語」
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上) (詳細)
ジャレド・ダイアモンド(著), 楡井 浩一(翻訳)
「現代文明に忍び寄る崩壊の予感」「ブッシュもこの本を読め!」「今年のベスト」「文明の示すもの」「過去から未来へ」
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下) (詳細)
ジャレド・ダイアモンド(著), 楡井 浩一(翻訳)
「壮大な実験を見るようである」「必読」「文明は環境破壊によって崩壊する」「現代社会の都合」「存続のための処方箋も」
自由は進化する (詳細)
ダニエル・C・デネット(著), 山形 浩生(翻訳)
「確かにトンデモナイ本」「極めて衝撃的な本!」「デネットのFreedom Evolves待望の邦訳」「内容は素晴らしいし訳も良い」「自由意志って難しい」
ウルカヌスの群像―ブッシュ政権とイラク戦争 (詳細)
ジェームズ マン(著), James Mann(原著)
「傑作」「文句なしに面白い」「報道から得た断片的な知識がまとまる実感」「人も国もトラウマと成功体験で動く」
アメリカ外交 (講談社現代新書) (詳細)
村田 晃嗣(著)
「読者に親切な配慮、丁寧な仕上がり、重厚な内容の新書だ」「志がいい」「概説としてよくできている」「アメリカ外交の必読書」「学べることが多い。」
国際紛争―理論と歴史 (詳細)
ジュニア,ジョセフ・S. ナイ(著), Jr.,Joseph S. Nye(原著), 田中 明彦(翻訳), 村田 晃嗣(翻訳)
「MUSTな本」「国際政治を学ぼうとする人に勧めたい入門書」「いい意味でスタンダードだが、併読本をお勧め」「最適の国際関係論入門書」「一般人が読んでも面白い、国際政治の教科書」
万博幻想―戦後政治の呪縛 (ちくま新書) (詳細)
吉見 俊哉(著)
「戦後日本の墓標」「誰のための万博?」「望む続巻!」「万博に未来はあるのか?」
カート・コバーン『JOURNALS』 (詳細)
カート・コバーン(著), 竹林 正子(翻訳)
「これはスゴイぞ!!」「やっぱり」「本当のファンだけ読んで下さい。」「本当のファンだけ読んで下さい。」「日本版と外国版の違い。」
一杯の紅茶の世界史 (文春新書) (詳細)
磯淵 猛(著)
「紅茶のうんちくを語りたくなる解説が豊富」「イギリスと紅茶の歴史。戦争、阿片などの話題もでてくる。」「紅茶をめぐる旅をしているようで楽しい」「面白い!本」「歴史モノと紅茶が好きな方におすすめ」
歴史を逆なでに読む (詳細)
カルロ ギンズブルグ(著), Carlo Ginzburg(原著), 上村 忠男(翻訳)
「「史料批判」と「可能性」を軸にした歴史学」
物語と歴史 (詳細)
ヘイドン ホワイト(著), 平凡社(編集), Hayden White(原著), 海老根 宏(翻訳), 原田 大介(翻訳)
「歴史家に読ませたい」
胎児の世界―人類の生命記憶 (中公新書 (691)) (詳細)
三木 成夫(著)
「生命の神秘に関する壮大な物語」「畏敬!尊敬!素晴らしい!!」「いきなり、とまどう」「これが科学なのだ」「個体発生は系統発生を反復するか」
死体は知っている (角川文庫) (詳細)
上野 正彦(著)
「死のうとしている方への忠告の書」「映画やTVも顔負け」「知っている。」
死体は語る (文春文庫) (詳細)
上野 正彦(著)
「読んで損なし」「読み物として興味深いし、考えさせられる内容でもあります」「面白い」「検死エンターテインメント」「著者の文才に敬服」
創価学会 (新潮新書) (詳細)
島田 裕巳(著)
「一読の価値あり」「他書にくらべかなり客観的」「存在価値が高い本」「都市貧民の不安を考えるヒント」「良書です。」
・「王侯の娼婦たち。」
ルイ14世とモンテスパン侯爵夫人、ルイ15世とポンパドゥール夫人にデュ・バリー夫人、「陽気な王様」チャールズ2世とカールスメイン夫人にネル・グィン、チャールズ皇太子とカミラ夫人、アウグスト強王とコーゼル伯爵夫人、バイエルン王ルートヴィヒ1世とローラ・モンテスら、王様の愛人こと「公認の寵姫」と呼ばれた女性たちの生涯を紹介した本書は、愛妾たちの容貌や性格、評判、君主を虜にする手練手管、嫉妬と陰謀が渦巻く宮廷でのサバイバル、途方もない金銭感覚など、読んでいて興味深いものがありました。スキャンダラスで、艶笑、逸話、時に辛らつな皮肉ありと面白く、蔑まされる立場にある彼女たちの言動は、個々の強烈な個性もあって、凄まじくも、時に男をやりこめる爽快さもあり、愉快でした。また文章の運びも、下品ではないあけすけな感じがかえって良く、決して自由ではなかった時代の女性観や、現代の王室の結婚ともからめ、当時の王侯が愛人を公然と囲った理由をうかがい知ることができます。図版は、本書に登場するカップルたちの一部の肖像画が口絵のカラーとしてあるだけだったので、少し残念な気がしました。
・「強い女たち」
女って強いな、と思いました。歴史を作り上げてきた国王たちを虜にし、政治に介入する権利まで与えてもらって、自分の魅力をフルに利用して欧州の社交界を登りつめて行くその姿。いつの時代も女はしたたかですね。近代・現代のヨーロッパの文化がいまだに洗練され、かつ成熟したものに見えるのは、こういう女性たちが残してくれたものによる部分が大きいのではないでしょうか。女に生まれてきてよかったなと思った一冊です。
●中東百年紛争―パレスチナと宗教ナショナリズム (平凡社新書)
・「試されるアラブの忍耐力、アメリカの包容力」
中東紛争とは、主としてロシアとドイツをはじめとするヨーロッパに燻られたことが第一原因であったとせねばならないとしたら、今からでもヨーロッパから反ユダヤ主義を払拭して解決できるというわけにはいかない問題である。アラブとイスラエルの共存という歯が浮くような理想論をアラブの寛容ないし変容(今後の民主化による価値観共有)に期待するか、イスラエルという安住の構想をアメリカの一部にでも移して考えることまでしなければならないのかもしれない。エジプトからアラブから、そしてヨーロッパからのがれたように、再度アラブからはのがれてアメリカへという道もあり得ないわけではないと考えねばならないのではないだろうか。むしろ、後者の方が余程希望が持てるような気がするのは、不穏な最近の動きを見ている私だけではないだろう。民族ということに拘らなければ移動の自由があるものだし、国家ということに拘らなければ戦闘にも意味は無いことに気が付くはずだからだ。
・「まず知ってください」
この本にかかれていることを、日本の人たちはどれほど知っているのでしょうか。ニュースで報道されるパレスチナの自爆テロを一方的に非難しているだけの人は多いと思います。自爆テロを肯定はしませんが、せめてその背景だけでも知っておくべきだと思います。イスラエル・パレスチナ問題に関する書籍は数多くありますが、本書は歴史的な流れとともに、エルサレム市長や識者へのインタビューなどもおりまぜ、わかりやすくかつ客観的に説明してあります。新書なのでそれほど量もなく読みやすいと思います。ぜひ、手にとって見てください。
●長篠合戦の世界史―ヨーロッパ軍事革命の衝撃1500~1800年
・「題名に騙されてはならない」
本書は、長篠合戦を題名としていますが、実際には長篠合戦はほとんど記述されていません。とはいえ、それは本書の価値を何ら下げるものではありません。ヨーロッパの軍事革命に端を発するイタリア式築城術から、日本の海上戦闘までをカバーする著者の博識は驚嘆に値します。
なぜ、ヨーロッパ人が強大な軍事力を有するイスラム勢力を圧倒できたか、なぜ広大なインド亜大陸を支配できたかを知ることが出来る良書です。
・「原著は、軍事史では必読の名著です。」
ロバーツが提示した軍事革命(1550-1640)の概念を、受けつつ、それを批判的に発展させた名著です。軍事史では、必ずといって良いほど引用される書物であり、それを翻訳で読めるということはなんと幸せなことでしょう。
但し、原著は「軍事革命」であり「長篠合戦」などとは一言もありません。どうしてこの題名をつけたのか理解できません。
それと高価すぎますね。せっかくの名著ですから、紙質を落としても、多くの人の手に届く価格にして、再販してほしいものです。
・「ヨーロッパはいいが……」
まず良書なのは間違いないと思います。近世ヨーロッパにおける軍事の転換が描かれており大変参考になります。ただ気になったのは日本に関する部分で、現在疑問視されている信長の多段斉射をそのまま受け入れたり、映画『影武者』の合戦シーンが真実に近いと記述する、などの部分で、そこは首を傾げざるをえません。ヨーロッパ以外は専門でないのでしょうか。それともやや古い本だからかもしれません。いずれにせよ、特に非ヨーロッパの部分に関してはこの本を鵜呑みにすることはできないな、と思いました。他の本と比較してみることが必要でしょう。
・「著者の回想録」
著者大森さんの内調時代の回想録である。在職時の日本政府の記録でもあろう。前著「インテリジェンスを一匙」を理論書とすれば、本書は実録(歴史)である。内容的にも多少重複するが、日本の将来を案じた記述が多い。官僚が腐敗しているに等しいほど法律整備が行き届かず、真面目な官僚には分が悪いらしい。いづれにしても日本を見直す良い教科書が増えた。外圧ではなく内部からの静かな反省には反論の余地がなかろう。
・「正義感と情熱に富んだ官僚の無力感」
国家のために情報が必要だ。そして「内閣情報調査室」といった組織が作られ、そのヘッドに据えられた。しかし必要な情報を得るための、予算がない、人数が足りない、人材がいない、理念がない、各官庁が縦割りである。そういった(よくある)状況の中で、インフォメーションをインテリジェンスに仕上げていく努力と現実の壁、そして具体的な対応法と理想が語られている。私自身、仕事で情報発信をしているが、筆者の以下の記述には、うんうんとうなずいてしまった。普段はコツコツ、暗い仕事だもんね。
「情報は発信しなければ、集まってこない。情報を発信すれば叱責や訂正をふくめて追加情報、関連情報が寄せられて来る。」
・「愕然とする1冊」
内閣調査室と言えば、日本のインテリジェンス(諜報機関)として数々の小説やマンガで活躍が描かれていますが、それらがまったくのフィクションだと認識できます。しかもデスクワークだけなんて…。インテリジェンスに対する日本の無力に、寒いものを感じますね。筆者の”対外情報庁”構想は非常に納得です。外国企業の競争力の源泉のひとつには、冷戦が終結したことによる平和の配当(インテリジェンスの民間活用)があったわけですし。非常に興味深く読ませていただきました。
・「元内調室長が後進に贈る「情報屋の心得」」
宮沢内閣から橋本内閣までの多難な時期に内閣情報調査室長を務めた筆者による、室長時代の回顧を含めた日本における情報機関論。
筆者が直面した阪神大震災で、内閣の立ち上がりの遅さが批判の矢面に立たされた。筆者は「災害対応は情報機関の仕事ではない」と反対しつつ、情報集約センターを作るなど、内調を拡大改組したことや、週1回の「総理報告」で5人の総理が見せた素顔、「テポドン発射」が公表された裏事情など興味は尽きない。日本のトップに、多種多様な人、資料から得た現下の国内、国際情勢を集約して報告するのだ。大変な仕事だと思う。
第4、7章で「対外情報庁」案など、筆者の情報論が論じられているが、本書は体系的な情報機関論ではない。むしろ、経験から筆者が学んだ「情報担当者の心得」の書と言える。成功を誇らず、失敗から学ぼうという姿勢の筆者が、我が国の情報の最前線で得た教訓には説得感がある。
・「「優秀な秘書課」であった内閣情報調査室」
「内閣調査室」という言葉を初めて知ったのは、確か平井和正の「ウルフガイ」シリーズでした。「内調室長の矢島」という凄い美貌の野心家が、狼男の不死の秘密をめぐってCIAを手玉に取ろうとする話で、非常に印象的でした。(読んだのは30年前なのに、今も「矢島」という固有名詞を覚えているくらいです。)「内調」は、おどろおどろしい「日本の権力の暗部」を象徴する記号でした。
年を喰ってくるに従って「内調」というのはどうもそういう組織ではなさそうだなぁという感じがしていたのですが、本書を読んで非常にスッキリ理解できました。安全で退屈な「お役所」、それが「日本のCIA」と悪名が鳴り響いていた「内調」の実像だったのです。
もちろん、内調だって無能ではありません。本書にも「韓国要人の実母が日本で非公式に入院しているのをキャッチ、官邸首脳の名前で見舞いの花を贈ったところ感激された」という「成果」が紹介してあります。実に心憎い気配りであり、内調は良い仕事をしています。ただし、その優秀さは情報機関としてのそれではなく、「秘書」としてのものだと思われます。優秀で誠実な「総理の秘書室」というのが、いちばん実態に近いのではないでしょうか。
内調が情報機関でなかったとすれば、我が国は本格的な情報機関を持つことなく60有余年を過ごし、しかもその間に世界第二位の経済大国になりおおせたということになります。それは、おそらく世界史上稀に見る幸運であったと思われます。しかし、幸運がいつまでも続くことを期待することはできません。少なくとも国家に対して責任ある立場の人間が、幸運を前提にものを考えるようでは困ります。今日の日本は、自前のインテリジェンスを持つべき段階に達しており、大森氏のような専門家の意見は虚心に傾聴されるべきであると考えます。
・「死を見つめることによって生きる意味を考えさせられた本である」
「世界情死大全」は人の死に対する憧れ、死に行くものへの割愛、死体への情欲など普段あまり意識しなで生きているわれわれに死を問いかけることによって、生の素晴しさが再確認できた一冊である。古今東西の死におもむくもの、ひとりひとりにそれぞれのドラマがあり、愛するものへの影響があり、生き様がある。千差万別、十人十色の死にまつわるエピソードをいろいろな角度から紹介している桐生史にエールを送りたい。個人的には、死をも恐れない愛人同士の軍隊をもう少し詳しく紹介していただきたかった。
・「「愛」と「死」と「エロス」…手に入れたかったのは何?」
タイトルのみで惹かれた人は、読み始めて嵌まり込むと思います。神話から有名な映画スターまで数限りない「愛の形」人それぞれの考え方、幸せ、実際にあった人食…。人の人生とは、長くもあり一瞬の輝きのようでもあり、その中でその人にとっての「愛」とは?欲しかったもの、めざしたものとは?今の自分の状況を忘れて読み切った一冊でした。
・「モーツァルト伝記のリファレンス」
知る人ぞ知るハイドンの権威だったロビンス=ランドンをモーツアルト学者としても有名にした3部作の一作めがやっと翻訳された。舞台と映画の「アマデウス」への反駁として着想された本だが、(当時の)最新資料を駆使して語られるモーツァルトの姿は、「アマデウス」に限らずそれまでのモーツァルト像を顔色なさしめるものだったろう。発表されて10年以上たったいまでもモーツアルト論のリファレンスとしての価値は全く下がっていない。必読である。
・「モーツァルトの最晩年を辿る」
1790年秋から翌年亡くなるまでのモーツァルトに関わる出来事が、関係者の書簡や新聞記事などを引用しながら解説されている。その当時の文化・風俗については、本題と外れ気味になるくらいに書かれている。だから、背景を知らない者でも分かりやすいし、結構興味深い。論調はモーツァルトびいきだから、好みは分かれるかもしれない。値段がもう少し安ければ★5。
章立ては以下なので、参考になれば。1. フランクフルトの戴冠式2. モーツァルトのウィーン3. オーストリア首都における演奏活動4. 宮廷のための舞曲5. 転機到来 〜大聖堂楽長に就任なるか?6. フリーメイスンの暗黒時代7. ある田舎貴族のための『レクイエム』8. プラハへの旅9. 戴冠式日誌10. 『魔笛』11. 最後の病気12. 作り話と毒殺説13. コンスタンツェ 〜一つの弁護
●ネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力 (Native speaker series)
・「目から鱗の英文法書(でも、参考書じゃないからね)」
「基礎力」というタイトルですが、英語が得意な高校1年生以上の人じゃないと、難しいと感じると思うし、効果も薄いかなと思います。
中学3年生でも読みすすめることは可能でしょうけど、時期的には夏休みとかに通して読むことをお勧めします。なぜならば、この本は、基礎から学ぶ参考書ではなく、今まで学んだ知識を「再構成」する本だからです。
この本を読むのに最も適した人は、時間をもらえれば英文は書けるというタイプの人。英会話が苦手とか、言葉や文章の出だしで詰まるタイプです。そんな人にはお薦めの1冊です。
ネイティブの心の動きから文法を導き出していて、至る所で「あ、そうだったのね!」と、「目からうろこが落ちる」ことを保障します。
・「この基礎力を知って英語が「見えて」きました!」
私がこの本を読んで最初に変化したのが、”読み書き”の捉え方でした。本書で説明されている「英語を貫く5原則」。ネイティブはどんな気持ちの時に英語をどのように配置し、表現しようとしているのか。例えば主語と述語のどこに視点を置くのか、倒置はどんな感情の時に使っているのかなど、著者である大西先生はこの本の中でとてもわかり易く説明していると思います。この5原則を踏まえると、読む時と書く時の基礎的なヒントになるだけでなく、それが身に付いてくるうちに会話も!変わってきそうな期待が持てそうです。 主に語彙等のイメージを解説した既に出ているシリーズとはまた違う、ネイティブの心の動きを表現している「配置」を知りたいという場合はこの本をオススメしたいと思います!
・「I'm lovin' it!」
本書は5つの原則で英語の仕組みを説明しています。これまでのシリーズと同様に、英語を理解するために、煩雑な用法や日本語訳は必要ないことがよくわかります。ネイティブが感じているような感覚が、5つの原則の理解から得られるようになっています。
例えば「ときは距離」の原則。過去形、丁寧表現、仮定法が、同じ「距離感」という感覚で説明されています。うーん、素晴らしい。
驚いたのは「BE動詞に意味はない」こと。BE動詞が「=(イコール)」の意味に感じられるのは、5原則の一つである「並べると説明」の働きが、意味を与えているためだそうです。この原則に沿って説明したいことを並べていけば、英文ができあがると言うこと。なるほどぉ。
大西先生の文体が、ページが進むにつれて節回しが良くなり、名調子になっていくのですが、これは初めての人でも取っつきやすくするための仕掛けかも。その点からも、もしも大西先生の著作が初めてでしたら、本書をお薦めします。
マクドナルドのI'm lovin' it!の感覚もわかりますよ。("I'm lovin' it!"は日本マクドナルド株式会社の商標のようです。)
・「感覚で覚える英文法」
我々が、日本語を話す時、いちいち文法を思い浮かべながら話す人はいない。感覚で話している。当然、英文法の裏にもそうした感覚があるわけで、本書はそうした感覚を浮かび上がらせる良書。
学校で習う英文法は、数式を扱うように形にコダワリがちになる。(それが、悪いわけではない。0から習うにはそうした過程も必要であると思う。)本書は、その形の裏の感覚を教えてくれる。
一通り、英文法を知ってる人向け。
・「生きてる英語」
ホントに基礎的な事を取り上げてるけど、英語の感じ方が変わりました。今まで英文を読んでも感情とかわからないし、機械的で冷たくしか感じられなかったけど、英文が生き生きとしてきました。
・「現代文明に忍び寄る崩壊の予感」
前著の"Gun, Germs, and Steel"は、人類文明の発展度合いに格差が生じた原因を地域特性や環境をキーに判りやすく説明した大作で、初めて知ったことが多く非常に感銘を受けたが、本著では逆に人類文明の崩壊がテーマとなっている。
上巻ではイースター島やバイキングのアイスランド等における過去の文明社会の崩壊の要因が、人類による環境破壊、気候の変化、敵対文明の登場など共通性があることが描かれており、実に興味深い。その一方で、同様の危機に直面しつつも、環境に適応して生き延びた社会の事例も紹介される。その中には意外にも徳川幕府による森林保護も含まれている。
下巻では一転して現代社会が取り上げられる。環境破壊が大量虐殺につながっているアフリカのルワンダやハイチの状況が描かれ、過去の話と思っていた環境破壊による文明社会の崩壊がとたんに身近に迫ってくるのが怖い。個人的にショッキングであったのは自然豊かな国というイメージのあったオーストラリアの状況だ。また、過去に自国の森林保護に成功した日本が、現代においては他国の森林破壊を行っている状況は皮肉だ。
本書により、豊かな生活を享受している先進国の文明社会の基盤が揺らいでいることと、過去の教訓を無駄にすることなく現実を直視して地球環境と共存した生き方に転換する時期に来ていることを実感させられた。大変な労作であり、面白くかつ考えさせられるので、是非一読されることを推薦したい。
・「ブッシュもこの本を読め!」
こんなすばらしい本には、めったにお目にかかれません!地球上のすべての人に読んでもらいたいと、心から思います。
唯一、難点を言えば、冒頭の、現代のモンタナ州の章は、冗長で他章ほど面白くない。ここで退屈して後の章を読むのを止めてしまう人がいたら、もったいないという意味で、唯一の欠点です。はじめて読む方は、モンタナ州は後回しにして、イースター島から読み始めることをお勧めします。
・「今年のベスト」
前作「銃・病原菌・鉄」がおもしろかったのですぐに買いました。読み始めると、前作以上にすいすいと読めました。
古代文明の崩壊を描く上巻は、収集された膨大な事実、その適切な整理、丹念な論理の積み上げが見事。現代社会を扱う下巻では、具体的な方策やビジョンへの言及も加わる。強力な論理構成のバックボーンとして、人間を見る目の温かさ・優しさを感じました。
今年読んだ本の中で文句なしのベストワン。
・「文明の示すもの」
モンタナの片田舎から話が始まります。普通なら今はなくなった文明についての記述だと思うのですが、本書は北半球の今ある歴史の元になっているものに関する考察が主になっています。文明の持つ意味が語られ、このままではどうなるのかという警鐘を与えてくれます。
・「過去から未来へ」
もはや古典といってもよい「銃・病原菌・鉄」が過去への眼差しとするとこちらは、過去の文明分析であると同時に未来への眼差しとなっています。読み終えたときローマクラブの持続可能な成長(これすらも成せていませんが)という標語すらいかがわしい代物にうつることでしょう。
また日本人にとっては自然回復に成功した社会の例として江戸時代が上がっており、意外な気持ちと同時におもばったい気持ちに襲われることは必至です。現在国土の7割近い森林を保っている(その分を海外につけているだけという指摘もきちんとなされています)恵まれた風土がどこに由来しているのか、そのことだけでも日本人として知っておいて損はありません。
・「壮大な実験を見るようである」
ある社会(文明)が崩壊するのか、存続できるのか? 時空を超えた世界各地の社会の事例を選択し、これを考察している。著者はもともと科学者、生物学者であり、人文系学者の著作とは異なり、あたかもよく計画された科学的実験の結果と考察を見るようである。
・「必読」
この本を上巻だけでやめてしまった人は、是非、下巻も読んで欲しいと思います。たしかにボリュームはありますが、もともと原書は1冊の本なのですから。内容については他のかたのレビューや出版社のレビューに譲りますが、とにかく、われわれに静かな警告を与えてくれる書物→現代人の必読書、といえるでしょう。もっと早くこういう本に出会いたかった!
・「文明は環境破壊によって崩壊する」
これまでの教科書では、文明の盛衰については社会の時間に政治・経済学的に語られることが多かったため、文明の存在する環境は、現在とあまり変わらない、ある程度不変のものという前提のもとに構築されていた。
そもそも文明について考えるのが、文系の学者さんが多いためであろう。
そうすると、文明を築き滅ぼす主体はあくまで人間であって、環境は従属するものということになってしまう。
しかし、本書は、これまでの文系の視点だけではなく、そこに所謂理系の視点を持ち込むことによって、環境との相互作用により文明は盛衰することを見事に示している。
そのように考えれば、砂漠などの現在は不毛の地に過去の大文明があったことの意味が分かってくる。
不毛の地に文明が発達したのではなく、文明の発達による環境破壊によって不毛の地になってしまったのである。
今語られる環境問題にしても、今になって急に深刻になった温暖化やエネルギー問題だけに単純化することはできない。
地域的な環境問題というのは、人類文明が始まってから続いているのであり、現代ではそれが地域だけの問題ではなく、地球全体の問題になってきたという視点で、考え直す必要があろう。
地域環境の破壊により崩壊してきた地域文明を考えると、全地球環境の破壊に直面している、現代地球文明は、まさにグローバルな崩壊の危機に直面しているといえる。
現代文明の行く末を考える上で欠かすことのできない好著といえる。
・「現代社会の都合」
下巻は、それぞれの国の都合による文明の姿が描かれます。自分たちさえよければと言うご都合主義が見え隠れします。誰も「ガイア」としての地球に目を向けず、自国の利益にのみ執着しているように感じます。出生率が下がり続けている日本は、何をせずとも滅びに向かっているのかもしれません。
・「存続のための処方箋も」
克明な各文明の分析については他の方のレビューに譲り、下巻の巻末で持続可能な社会への具体的な処方箋を記述していることを特記したい。製品選択や投票行動、政府や議員への資源管理への要請、もっと身近なところでは「環境保全なんてやはり建前」という知人に「いや、もうそうは言ってられない状況だろう」とこたえることでも事態は変わりうる。我々が黙認し続ければ、事態は破滅的になるだろうし、何かを始めることで回避できる可能性は高まるだろう。
・「確かにトンデモナイ本」
自由意志を否定する各種主張を自然科学的立場から、丁寧に(くどく、しつこく)つぶしてくれている、確かに「とんでもない本」でした。
即ち、(訳者の山形さんが解説でまとめてくれてるのですが) ・物理学的なもの(ラプラスの悪魔理論) 「世界は原子とか素粒子でできている。それらの動きはすべて物理法則で決まっている。 ならば、ぼくが何を感じ、何を考え、何を選ぶかも決まってるんじゃないか」 ・生物学的なもの(利己的遺伝子) ・疑似生物学的なもの(ミーム説) ・遺伝・環境要因的なもの(条件付け説) ・脳科学的なもの(ユーザーイリュージョン説)
これらに対して、自然科学的根拠に立って、反論してくれているところがすごいです。
自然科学が新たな発見をし進歩するにつれて、哲学や思想的なものは多くの場合、説明しきれない矛盾が露呈するように思えてビビってしまい、 「伝統を信じて目を閉じ」ようとしてしまうものなのでしょうが、ダニエル・C・デネットは違いますね。 真っ向勝負という感じでしょうか。 「自然科学的立場にたった哲学構築」をやっています。 哲学って、こんなすごいんだ、と思っちゃいますね。
それが真実ならば、科学が進歩して、いろいろなことが解明されるほど、その真実がよりよく説明できてしかるべきはず。だから恐れるに足りない、と私は思います。デネットの態度には共感するのですよね。
一読し終わって、全体の論理展開の見通しは難解なため、「再度、読み込みが必要だな」と思って山形さんの訳者解説を読んだところ、まさにその私のニーズに答えてくれていて、これがまた素晴らしかったです。 極めて簡潔にまとめてくれていて、とても有り難いものでした。(「訳者解説も必読」という帯の言葉にウソはなかった)
訳者解説が本当に(!)本書の内容を解説してくれていて、解説を読んで初めて本書の内容の見通しがよくなりました^^ いやいや、これほど、解説が本当に解説になっているものもないですね。
・「極めて衝撃的な本!」
「自由意志」というと、すぐに「決定論」「非決定論」といった議論になり、自分の意思でやっているつもりでも、その行為には原因があり、その原因にもまた原因があり・・・最終的には自分で制御不可能な原因に到達するのでそれは「自由意志」ではない、なんていう結論になることが多くて、なんとなく実際の感覚とはかなりズレたくだらない議論のような気がしていたんですが、この本に関しては、本当に目からウロコでした。この本は、「自由意志」「自由」「責任」といったものに、真正面から挑み、進化論的に説明するという、とても哲学書とは思えない、非常に斬新かつ衝撃的なものです。哲学に興味のある人はもちろん、進化論や利己的遺伝子、ミームのような概念に関心のある人にもぜひおすすめの本です。新しい発見があると思います。
・「デネットのFreedom Evolves待望の邦訳」
原書で読んだときにはさすがに議論が難しく後半息切れしましたが,本書の翻訳は実に明解でこれは買えます.
まとめは訳者の山形浩生氏が解説でばっちり決めてます.が,私なりにまとめると,
まず量子論的決定論についてはサイコロを振って決まった結果にはどのみち責任は生じようが無いし,自由意思と責任を論ずるレベルと全く異なっている.そもそも人にはカオス的な決定と区別できないのだから議論する意味も無いとする.
自由意思と進化に関していうとまず生物は予想して回避するようになり,さらに利他性が,そして脳の増大により文化とミームが,さらにコミットメント問題から情動と道徳が生まれ,最後に自らの行動を意識することによりESSの手詰まりからより高次に抜け出せるようになると説明される.
どうしようもなかったのだから責任は無いという責任逃れの弁明問題についてはこれは政治的な効率とコストの問題で責任をとることを魅力的にする社会の構築問題だと割り切る.
道徳の基礎が実は人の選好の時間割引率の非指数性にあるとか詳細も楽しい.大推薦.
・「内容は素晴らしいし訳も良い」
内容は素晴らしいし訳も良い
ただし訳者解説はお粗末 英語を訳せても必ずしも哲学的に重要な部分は理解できるとは限らないということか
短い訳者解説を読んでから、解説の間違えを考えながら長い(しかし内容の豊かな)本文を読むという読み方もあるかもしれない
・「自由意志って難しい」
まず訳がすばらしいのですいすい読める。
筆者のスタンスは、決定論ではあるがその中に自由意志(または普段私達がそう考えているもの)はある、というもの。決定論でありかつ可避性もある、ということ。
過去については、決定論だろうが非決定論だろうが、そもそも「回避できた」なるものがいかなる視点からなされているのか批判。決定論では十分条件はわかるが必要条件はわからないので、自由意志の余地はある。
未来については、そもそもいかなる決定がなされているか把握しようがなく、個人から見れば自由意志はあると考えても同じ。そして、危機を回避できたものが生き残るのだから、回避しようとするべき。
って感じかな。訳者解説は賛否両論あるっぽいので、口ははさまないことにする。
ともかく一読の価値はあると思います
・「傑作」
原題を直訳すれば「ヴァルカンの勃興」、ブッシュ政権第一期の対外政策チーム(ヴァルカン)の物語である。構成が非常にうまく、ラムズフェルド、チェイニー、パウエル、ライス、ウォルフォヴィッツ、アーミテージの個人史とアメリカの外交史をからめつつ、特に共和党の対外政策の歴史を分かりやすく、そして面白くまとめている。なんといっても、人物関係が面白く、チェイニー、パウエルの長い確執、ラムズフェルドの子飼いだったチェイニー、パウエルとアーミテージの盟友関係など、興味に富むエピソードに満ちている。この本を読むことで、ヴェトナム戦争以降のアメリカの共和党の対外政策が歴史的にもイデオロギー面からも理解できる。アメリカの外交政策に興味のある人には必読。すでに第二期のブッシュ政権ではヴァルカンから3人が政権を去ったが、今読んでも古くはない。ボブ・ウッドワードの「攻撃計画」(plan of attack)と共にアメリカのジャーナリズムのすごさを感じさせる作品。比べるとこちらの方が面白いと思う。
・「文句なしに面白い」
近年読んだ国際政治関係の本の中でもっとも面白い本でした。このような本こそ良質の政治ジャーナリズムというのでしょうね。またこのようなテーマの先見性を的確に捉え、十分な準備をし、このような著作を出版にまで持っていくアメリカの出版業界の底力にはいつもながら感心させられます。テーマはイラク開戦の主導権をとった六人の政策決定者の35年以上にわたる政治的な経歴と思想的な変貌とを克明にたどり、彼らの最終的に明らかにされるグランドデザインの萌芽と形成をたどることにあり、結果として出来上がった作品は大河ドラマの趣すら感じられます。著者は、冷戦とその終結後という形でアメリカの対外政策を二分する思考法を否定します。むしろ、ヴェトナム戦争での苦い経験を糧に、どのようにしてアメリカの影響力を軍事力をベースに、変化しつつある環境の下で再構築するかに知的構想力と政治的な資源を費やしたアメリカ版団塊の世代の代表者としての彼らに着目します。冷戦を超えたグランドデザインがあったというのは斬新な視角です。そのドクトリンからもう一度過去40年の米国の対外政策を再解釈するのは刺激的な作業です。また痛感するのは、長期的な知的構想力の持つ結果としての大きな政治的な影響力です。明確な論理の展開とわかりやすい英語でベトナム戦争後のアメリカ外交政策の論点を明確に呈示しておりあっという間に読めてしまいます。
・「報道から得た断片的な知識がまとまる実感」
第二次ブッシュ政権となって若干の入れ替わりはあるものの、この本で紹介される人たちの経歴、それに裏付けられた思想は、少なくともブッシュ政権の間はその外交思想の骨格をなすものと思われる。その意味で、アメリカの外交政策に興味ある人にとっては必読の書ではないか。 報道でもよく語られるパウエル国務省とラムズフェルド国防総省の意見の対立についても、実は共通する思想に裏付けられている部分が大きいことがよく分かる。日本の新聞・テレビだけ見ていると、パウエルはリベラルとの印象も得るが、決してそんなことはないのだと実感した。政権内部での対立の存在自体は疑うべくもないが、あくまで「方法論」にかかわるものに過ぎない。 彼ら「ウルカヌス」の思想に共感するかどうかはともかくとして、現にアメリカそして世界の外交・安全保障に決定的な役割を果たす人たちについてのより深い理解に達することができると思う。こうした観点をヌキにしても、伝記読み物としても非常に面白かった。
・「人も国もトラウマと成功体験で動く」
米中間選挙での共和党の大敗、国防長官の交代…。ブッシュJr.政権とは何だったのか。イラク戦争とは何だったのか。
本書は、そうしたことを考える際に非常に有益な見方をもたらしてくれる。
それは「トラウマ」と「成功体験」だ。
著者はウルカヌスと呼ばれたブッシュのブレインの経歴を追うことで、アメリカにとってのトラウマ(=ベトナム)と成功体験(=冷戦の勝利)がどのように彼(女)らの人生・考え方に影響を与え、イラク戦争への道のりを歩ませたかを教えてくれる。
日本のマスコミは米の単独行動主義が変化すると騒ぐが、この本を読めば、チェイニーとライスが生き残っていることの意味が理解できる。
人も国も、そう簡単には変わらない。
・「読者に親切な配慮、丁寧な仕上がり、重厚な内容の新書だ」
決して容易な内容ではないが、最後まで一気に読めた。単なる新書や教科書の域を越えた内容となっていると思う。 新書にもかかわらず、各章に丁寧な(注)が打ってあり、本の巻末には、「アメリカ外交を読む 文献案内」と「索引」もある。丁寧に作られた、読者に親切な作品になっている。 最近出版されたアメリカ関連の新書と併せて読み比べることで、注意深く熱心な読者は、アメリカ政治外交にとって不可欠な基礎知識をにわかに涵養できるのではないかと思われる。
本全体で、随所に散りばめられた歴史の逸話(エピソード)やトリビア(こぼれ話し)のおかげで、一般の読者にも広く親しまれるのではないかと期待できる。 著者は超多忙なはずだが、相当な読者家でもあることがうかがい知れる。 特に、たとえばH.キッシンジャーやJ.ギャディスなど回顧録や歴史書からの「引用」が絶妙なタイミングで挿入されている。
第1章の「アメリカ外交を見る眼」では、概念的な問題が提示される。アイデンティティの問題など、最新の研究動向までフォローされている。 建国以来のアメリカ外交史を概観する第2章以降でも、こうした枠組みにしたがって議論が展開されているので、もしかしたら読者が、興味のある時代(章)から読み始めることは難しいかもしれない。学術論文のように論理構成が統一された新書となっている。 しかし章ごとに章結がまとめられているので、読者が道に迷うことはないと思う。
また本書は、A.トクヴィルの引用から始まり、R.ニーバーの引用で終わっている。冒頭のトクヴィルの引用から示唆される通り、日本の国益と外交を知るためにアメリカ外交の「苦悩と希望」(=副題)を知る必要があるという姿勢が、本全体で“基調低音”のように流れている。こうした論理構成にも、一貫した主義主張と「統一性」を強く感じた。 もう一度、じっくりと読み直したいと思う。そういう重厚な内容の新書である。
・「志がいい」
「外交・国際間題を学ぶための最良の教科書」本書の帯に付された惹句である。この惹句は編集者がつけたものと思われるが、著者が自らの訳書『国際紛争──理論と歴史』を目指したことは明らかである。アメリカの大学で国際政治学の教科書として広く使われていることから、先輩と計らって同書を訳出した著者が、事実上の処女作といえる本書に、日本の学生に向けて〈教科書〉としうるものを選んだことに、私は著者の意気込みと志のありようを見た。 結論を先にいえば、著者自身が「あとがき」で「四百字四百枚足らずの分量で、しかも浅学非才の身で、アメリカ外交を十分に論じ尽くせるわけはない。」といっているように、この分量で「外交・国際間題を学ぶための最良の教科書」を書くことには無理がある。結果として、スケッチの域を超えなかったのは否めない。とはいえ、内容的には十分に〈教科書〉になっている。とくに第一章は十分に〈教科書〉になっていることは明らかで、著者が謙遜するほど「ささやかなスケッチにすぎない」ものではけっしてない。 この本の核心は、著者の姿勢あるいは問題意識のありようにある。本書を貫いている姿勢についていえば、著者のそれは終章で引用している福沢の言で語り尽くされている。 政治を論じるに当たっては「当事者になったつもりで考える」姿勢の必要性を説いたものである。この勘所を外した議論は、それがどれほど精緻を極めたものであったとしても、為政者には届かない。つまるところ、筆舌の徒の議論にしかならない。これが福沢の姿勢であり、著者の姿勢でもある。
・「概説としてよくできている」
本書は、アメリカ外交を冷戦前、冷戦期、ポスト冷戦期の3つの時期におおまかに区切って解説したものである。まず、非常にわかりやすい。これを読めば、第二次大戦期のルーズベルト以降の大統領が何をしたか(業績)が大まかにつかめる。専門語句が多少多いが、そこは政治学事典やJ.ナイの『国際紛争』で補えるだろう。あとは、大統領に関するうんちく話が多い。内容的にどうでもいいこともあるのだが、「へぇ」と思ってしまう。さらに先に読み進みたくなる感情がわいてくる。最後に、一番本書が優れているのは、国際政治理論の基礎の基礎を、丁寧に解説していることである。K.ウォルツやモーゲンソー、コヘインやナイ、ウェントの行っていることを大まかにまとめてある。それも、初学者にわかりやすく。村田先生は素晴らしいですね。ここまで優しく書ける人は他にいるのでしょうか。もちろん、初学者でなくとも示唆に富む部分は必ずあります。最近、本当に買って得したと思えた新書です。☆6つくらいつけたい。
・「アメリカ外交の必読書」
冒頭でトクヴィルの「一つの国についてしか知らない者は、実はその国についても知ってはいない」という言葉が引用されているが、国に限らずある物事や現象を分析するには他と「比較」する必要があり、「比較」するためには具体的な視点や分析方法といった「道具」がいる。
『アメリカ外交』は米国の外交を理解するのに役立つ「道具」を提示し、それを駆使して建国以来の米国の歴史を明らかにすることによって、他国や世界情勢を見るときに必要な「比較」対象を提供してくれている。
本書は、アメリカ外交・国際政治の教科書的な性格を帯びているのみならず、現在の世界は米国の「一極支配」ではなく「一極構造」であること、大量破壊兵器が「ない」のとその「備蓄がない」のとは根本的に違うことなど、各所で著者独自の鋭い指摘がなされている。
著者の主張に納得するか否かは人それぞれかもしれないが、本書から知的な刺激を受けることは間違いない。
・「学べることが多い。」
一極化、二極化、多極化の世界の中でアメリカが採ってきた外交政策をハミルトニアン、ウィルソニアン、ジェファソニアン、ジャクソニアンという4つのものさし(ただし村田教授のオリジナルではない)で傾向を分析した本です。最後の章に筆者の言いたいことが集約されているのですが、ネオコンや宗教右派などのワードでアメリカ批判をすべきでないと徹底的に戒めています。また現在のイラク戦争の泥沼においても、時間はかかるかもしれないが、アメリカは策を尽くし、打開する力を持つと筆者はアメリカ外交史研究を通じて訴えています。
・「MUSTな本」
国際政治、特に安全保障を学びたいものの入門としては非常に良いと思う。実務と机上をしっかりと経験した著者の本である。そして、巻末にある本の紹介(ブックリスト)は非常に有益なものである。 国際政治を勉強するものにとっては、欠かせない一品であろう。
・「国際政治を学ぼうとする人に勧めたい入門書」
私は国際政治を学ぶにあたってこの本を入門書として読みました。国際政治に関する専門的な知識はなんらなくともすんなり読め、国際政治学の入り口に立つことができました。章ごとに関連年表もついており、得た知識を歴史の流れとあわせて整理し、定着するのに役立ちました。高校までに習う、世界史、政治・経済、倫理の知識があれば、まず本文の内容がわからないということはないはずです。
・「いい意味でスタンダードだが、併読本をお勧め」
国際関係論の入門書としては本書の右に出るものはないでしょう。わたくしは第四版を持っていましたがわざわざ第五版を読むために購入しました。内容に大きな変化はないとはいえ、国際関係の変化に迅速に対応し、版を重ねてゆく努力には頭が下がります。 本書の特徴は、何といっても、良質のアメリカの教科書に共通する「初学者でも無理なく、しかも楽しんで読める」ための工夫が満載されていることです。従って、学生のみならず、社会人の方でも通勤途中に無理なく読むことが可能です。 著者は、「徹底的にリアリズム政治学の考え方を叩き込む」ことがこの本の目的だと記していますが、特に第五版では、読み進めるに連れてその姿勢が崩れていき、最後には随分とリベラリズム政治学に傾斜してゆくことにちょっと違和感を覚えました。
よい教科書であることは認めた上で(だから五つ星)ひとつだけ注意しておきたいことがあります。この本には、国際関係論の第三の波である社会構築主義的視点はほとんど登場しません。そういう意味では、むしろ国際関係論の本場であると見なされているアメリカ(と日本)以外の国で盛んである、その見方について別の本で補充しておいたほうがよいと思います。その目的で最適であると思われるのは、進藤栄一「国際関係論」(有斐閣)であると思われます。
進藤教授の本との併読を強くお勧めします。
・「最適の国際関係論入門書」
これまで読んできた国際関係の入門書の中で最も価値の高い本。著者は現代史について事実を追うだけでなく、背景に存在する様々な立場の見識を交えて、視点を広げながら歴史を概観する。ギリシャ時代の戦争を例に挙げながら現代の紛争を説明するところなどは、日本の著者にはない新しい感覚であり、強く興味が持てる。
国際関係論を専攻として志望する大学1、2年生には最適の入門書!
・「一般人が読んでも面白い、国際政治の教科書」
スタンダードな国際政治の教科書。教科書とは言うが、面白く読んでもらおうという工夫が随所になされているため、一般人でも楽しく読める。教科書だと堅く考えず、読み物として捉えても十分なぐらいである。
過去の国際紛争がなぜ起き、どうすれば防ぎえたか、そして今後はなにをすべきか、そうしたことが簡潔に書かれている。多角的な見方がなされているのも評価できる。
国際政治を学ぶ者はもちろん、普通の人にもオススメの一冊である。
・「戦後日本の墓標」
メディア論の著者のイメージから、メディア的なアプローチかとおもって読み出すが、何か違う。本書は日本における万博そのものをまっすぐ捉え、万博がどのような過程を経て成立するに至るかが詳しく書かれている。もちろんそこには政治的な力関係も描かれ、深入りはしていないが、国の施策いわゆる全総についても触れて万博と国家との関係を明らかにしている。
国が未来に求める自己像というものが全国総合開発計画によって現実のものとなっていく戦後日本。万博とは国の開発計画の体現なのであるという。万博は国家によって市民に提示される未来イメージであり、多くの場合それは成功してきた。万博自体の収支を見た場合の成功という意味ではなく未来イメージの提示、市民の間をつなぎとめる共通イメージを植え付けるという意味での成功である。本書の中では大阪万博、沖縄海洋博、つくば科学博、そして現在(2005)開催されている愛知万博がそれぞれトピックにされている。一番イメージの強いものは大阪万博である。それはまさに高度成長時代、日本に一番元気があった頃であり来場者が6000万人を超えるという大成功を収めたことによる。戦後日本は復活したものと誰もが認められる結果であった。これは市民の見方であるが、国家から見た場合は少し異なるという指摘を吉見はしている。
大阪万博の源流は1940年にあるのだという。その年は、日本万国博覧会が開かれる予定であった。これは紀元2600年事業であり非情にナショナルな発露によるものであった。ここでの統一テーマは 東西文化の融合 であったが、内実は日本精神を広め世界平和を達するということが公言されるようなものであり、その流れを維持したまま戦後の万博は開かれていく。それが転換した兆しが愛知万博には見られるという。サブタイトルにもある 戦後政治の呪縛 がここにきてやっと解けたのではないかという論旨は明快だ。本書を読んでから愛地球博に行くのもよいとおもえる。
・「誰のための万博?」
企業のCSR元年といわれた近年。企業の社会的責任において自然環境保護の高まりを見せる中で行なわれた愛知万博。『海上の森』についての議論は記憶に新しい。では何故自然保護についての議論は過去の万博において表舞台に登場できなかったのだろうか・・・。大阪万博から愛知万博までの国際万博について、著書は歴史・社会両刃の視点で論を進行させる。読み進むと、一体万博は誰のための万博なのか・・・という思いに駆られてくる。同時に、今企業の社会的責任における自然環境保護は万博で乱開発した懺悔ではないかとの思いも湧き出る。
・「望む続巻!」
筆者にとっては『博覧会の政治学』に続いての「万博本」となりましょうか。惜しむらくは愛知万博の開幕にあわせて出した感あり。歯切れの悪い終わり方に、「せめて愛知万博を見定めてから出したかった」という筆者の心情が表れているような気がしてなりません(違うかな…?)万博とは少し違うけど、万博的な国際園芸博である1990年大阪花博が無視されている気がします。大阪花博こそ、バブルの絶頂期にパビリオンをやたらと作った大阪万博の亜流的な園芸博であり、実に日本の万博の特徴を端的に現しているように思うので、そのあたりを論じていただきたかった。愛知万博とあわせて「ポストバブルの万博幻想」という視点で書いていただけないかなあ。もう万博本はおいやですかね〜?(なんかレビューになってませんね)
・「万博に未来はあるのか?」
開発主義から「Beyond Development」という流れの中で、万博とそれを取り巻く担い手や力関係の変化をみていったという感じでした。
4章のラストに提示された、ネイションのための万博から、市民のための、またはグローバルな担い手のための万博へと相対的に万博が変化しつつあるという姿は納得できました。
愛知万博において、市民の意見がグローバルな経済活動の担い手や国家の意向と合致して回収されてしまうという像は、グローバリゼーションやネオリベラリズムの問題を考える上で有意義だと思います。しかし、一方で愛知万博検討会において市民参加とその影響を吉見は賞賛しており、その両義的なスタンスは論理の一貫性に欠ける部分だと思いました。グローバルな統治に封じ込められる市民がいかにしてそれに抵抗できるのか?という問がなかったように思います。
他にこの本の難点を述べると、出版が2005年3月で、まだ愛知万博の前だったため、それ以後の趨勢が踏まえられていないことです。愛知万博の成功が吉見の万博絶滅論に水をさしており、せっかくの議論を古く見せています。しかし、大阪万博から愛知万博までにおける万博のテーマ選定問題等「政治」のアリーナの変遷をたどりたい方にはいい本だと思います。
・「これはスゴイぞ!!」
カートファンは絶対買った方がいい!!A4サイズくらいでかなりでっかくて、280ページくらいあるんですけど、全ページカートが実際書いた日記の写真です!実際のカートの字!!感動モノです。カートの絵もたくさん載ってます。買ってよかった。
かなり殴り書きの字とかもあってちょっと不安ですが…がんばって読もう。
・「やっぱり」
カートコバーンでしたイメージからくるものと似てましたいくつかあった絵を見るとぶっ飛んでるというかイカレテルというか分厚い本だけど徐々に読むと思うすごく興味があるから
・「本当のファンだけ読んで下さい。」
日記と言っても普通の日記を想像しないで下さい。
彼のファンなら、中身がどんなものかは想像が付くかもしれませんが書き殴った文章や絵など何度読み返しても愛しいと感じます。何度も何度も読み返して下さい。
日本版・海外版の違いはサイズが大きいか小さいか・本訳が付いてるか否かだけです。ちなみに日本版の方がサイズは小さい。
NIRVANAファン・KURTファンには涙モノです。
・「本当のファンだけ読んで下さい。」
日記と言っても、普通の日記を想像しないで下さい。
彼が好きなら中身がどんなものかぐらい想像が付くでしょうが、好きな人こそ、この本の価値が解るはず。とても愛しいと思うはず。
日本版JOURNALSも海外版も両方持っていますが、中身はさほど変わりはないです。大きいか小さいか、本訳が付いてるか否かの違い。
・「日本版と外国版の違い。」
US版のJOURNALS(ペーパーバック。以下、US版と表記します)と比較したところ、US版に比べ、紙質はつるつるした感じです。本はUS版より一回り小さく、ノートの写し自体もUS版に比べ一回り小さくなっていますが、日本版のほうが若干はっきりとプリントされている感じがしました。日本語版の良いところは日本語訳が付いているところです。ただ残念なことに、表現が好ましくなかったためかわかりませんが、US版に比べ、掲載されていないページが14ページくらいあります。この本にはカバーがついているのですが、カバーをはずすと赤いノートの表紙になっています。内容はカートが手紙を贈る際の下書きや歌詞などが書かれています。よく知っている人にはかかれている内容も飲み込みやすく楽しめて読めると思います。以上僕がこの本を買うにあたって気になったところです。
・「紅茶のうんちくを語りたくなる解説が豊富」
リプトン、トワイニングなど日本でもよく知られた茶商の成立や、中国の山奥で失敗作として生まれた紅茶の由来、茶の分類など、ついうんちくを語りたくなる分野の知識を縦横に解説していて興味深い。
本の後半で、レモンティーもアイスティーもティーバックも今世紀のアメリカで生まれたというくだりがある。イギリス人は「紅茶の邪道な飲み方はすべてアメリカで生まれた」というそうだが、本書を一通り読むと、紅茶がそもそもお茶の飲み方として間違ってるのに、なんて笑ってしまう。
筆者は中国から東南アジア、インド、イギリスと世界を渡り、直に見た現地の飲茶の習慣を伝えているのも興味深い。楽しめる本である。
・「イギリスと紅茶の歴史。戦争、阿片などの話題もでてくる。」
イギリスと紅茶の歴史。戦争、阿片などの話題もでてくる。
紅茶を飲みながら、読むとよいかも。紅茶の後ろにも、大きな変遷があったことが分かる。
・「紅茶をめぐる旅をしているようで楽しい」
本書を読んで、筆者が紅茶に魅せられた人だなあとつくづく思えた。紅茶のルーツから現代までを追いながら、所々に茶葉生産地の紀行が織り込まれていて、暫し現地に思いを馳せることができた。それにしても、中国とミャンマーの国境地帯、アッサムやスリランカといった、治安がいいとは言えないような地域にまで出かけていく行動力はすごい。
歴史や紅茶の種類を解説した本は、もっと詳しい書があるのだろうが、本書は手短にまとまっていて概要を知るには十分であろう。中国種へのこだわり、紅茶利権への執着、正しい紅茶の入れ方は、皮肉としても読めておもしろい。紅茶の生産量はケニアが意外に多いこと、またリプトンやジェームス・テーラーの話は感慨深く、印象に残った。
・「面白い!本」
こういうのを面白い本というのであります。内容が内容なので読みにくいかなとおもったのですが、案外読みやすかったと思います。著者の書きたい意欲が文章を走らせたのでしょう。なお、この本でイギリスの所業やボストン茶事件なんかに興味を持った人は別の本を読めばよいと思います。最後をはしょったのは残念ですが、この本だけではなく日本の本の特徴なので仕方ないかと思います。読んで損しない本であります。
・「歴史モノと紅茶が好きな方におすすめ」
やーもうこの本、歴史モノが好きで紅茶がないと生きていけない私には 通勤電車の混雑も気にならないほどおもしろかったですよ。 あの「正露丸のかほり」ラプサンスーチョンができるまでの逸話や、 インド紅茶がイギリス人の生活を変えていくくだりなど、 思わずにやりとしてしまいました。
ところで、紅茶といえばイギリス!イギリス式が正統!…っていうのは紅茶好きの意識の根底にあるのでしょうが、実際のところ、どうなんでしょう。この本を読んでいたら、そんな考えがむくむくと頭をもたげてきました。イギリス人はさんざアイスティーだのティーソーダだの アメリカ人が「発明」した紅茶飲料を邪道扱いしてるけど、 そもそも昔からお茶を飲んでいた中国人や日本人からすれば、 イギリスの紅茶そのものがお茶としては邪道なんじゃないかえ?(笑) (極論にも程があります)
私も大概、紅茶についてはあーでもないこーでもないといってましたが、 読み終わったら細かいことはどうでもよくなりました。 要は飲む人がおいしいと思えればそれでいいんですよね。
・「「史料批判」と「可能性」を軸にした歴史学」
ポストモダン的状況の中で、どのように歴史叙述が可能かを模索した書。
本書で批判対象となるのは、歴史叙述には不可避的に物語的側面が紛れ込むことを強調して、史実とフィクションとの境界をなくそうとする人々である。具体的にはヘルドン・ホワイトなどなのだが、ホワイトの主著『メタヒストリー』はまだ邦訳されていないので、本書と比較することが出来ないのは残念だ。
筆者は、史実が証拠によって定められていることを重視し、この点から、芸術と科学を同一視する構造主義を退ける。しかし、かといって筆者は実証主義に流れるわけではない。筆者から見れば、証拠をすべて認める実証主義と、証拠をすべて認めない構造主義者は、ともに証拠について単純な見方しか出来ていないのだ。
筆者は、証拠を「ゆがんだガラス」(p85)になぞらえる。証拠というのは、常に徹底した批判的分析を行って、そして参照すべきものなのだ。
一方で筆者は、歴史叙述におけるレトリック的なものも重視する。歴史叙述は、「証拠」以外にも「可能性」(「多分」とか「違いない」とかで書かれるもの)が含まれていていいのだ。
さて、筆者の主張は非常に常識的なものに思われる。特に「証拠を鵜呑みも無視もせず、史料批判を経て歴史叙述せよ」というのは、当然のこととしか思えない。しかし、当然のことが当然でなくなってしまっているのが、ポストモダン的状況なのだろうか。
歴史叙述に含まれる「可能性」については、幅があるように思われる。可能性やレトリックが出来るかぎり排除されるべきもの(教科書など)もあれば、可能性やレトリックが重要な役割を占めるもの(一般向け娯楽歴史書など)もあり、ケース・バイ・ケースの側面も強いからである。
・「歴史家に読ませたい」
歴史記述を年表、年代記、歴史という3つの発展段階に区分し、その記述方法を支える心性について分析した著作。 年表は8世紀の事象を記録する『サン・ガル年表』を取り上げている。これには事件相互の関連性は言及されておらず、空欄としての年が存在する。年表を支えるのは神のみが知る計画と、神のもとに生きる人々という心性である。
年代記では10世紀ランスのリシェによるフランス史が挙げられる。年代記には物語はあるが結論が存在しない。年代記を支えるのは一人の権力者によって率いられた貴族・聖職者集団が複数存在したことによる心性である。
近代的な物語と結論を備えた歴史としては14世紀のコンパーニ『年代記』が取り上げられる。ここには歴史を支える共通心性としての市民の発展が見られる。 歴史記述の背後に潜む時代性・心性を鋭く切り出した意欲的な内容。歴史家にとって必読の内容。 批判・反論部分については読む必要なし。
・「生命の神秘に関する壮大な物語」
最初の「椰子の実」や「絹の道」等の解りやすい話から始まるが、全体を通してかなり難解な本でした。読み進むのにかなり苦労しましたが、途中から著者の世界観に圧倒され、引き込まれていきました。 この本に対する専門家の科学的な評価は良く知りませんが、太古からの生命の神秘に関する壮大な物語を聞かされたような気がします。 たぶん、これは宗教的な感覚に似ているのではないでしょうか?たまには俗世間から離れて太古の夢に身を任せるのもいいと思います。
・「畏敬!尊敬!素晴らしい!!」
三木成夫を知ったのは、吉本隆明の本で、「なるほど、そう言う人がいるのか」と思い、この本を読んだ。
本当に凄い。著者の言葉は、深く核心に迫り、劇的で、刺激に満ちている。しかも、悪い意味での「妄想」など全くない。全てが「科学」である。
成長繁茂、開花結実。食の相、性の相。宇宙のリズムが内臓に貫入し、内臓は植物の面影を持っている。猪木VSアリの対決に、ワニとゴリラの闘いを見る。卵巣は、生きた惑星。全ての細胞は、天体。伊勢神宮の式年遷宮は、「受精卵の発生分化」。神宮の森は、宇宙のはらわた。
宇宙発生から今に至る全ては、互いに共鳴し合っているのだ。この本を読んでいる間、民俗音楽や波の音などが聞こえてきたように思う。それから、私は福田恆存氏が大好きなのだが、何故か彼が笑っている夢をみた、本当に。
「少し」でも「何か」について、興味を持ったり、勉強している人は「絶対必読」の本、と言っても過言ではないと思う。神話、歴史、地球、宇宙、生物学、源氏物語、ギリシャ悲劇、俳句、バッハ、平安朝、原始社会、福田恆存、保田與重郎、杉浦康平、松岡正剛などなど。
とにかく読んでみて下さい。適切な推薦の言葉が出てきませんが、とにかくオススメ。
・「いきなり、とまどう」
実に面妖な始まり方をします。大概の方は読み始めてすぐに不思議な世界(具体的に何が不思議というのではなく)の予感を感じるはずです。著者の「私的感覚世界」と、解剖学者としての詳細で冷静な「科学者の目」と、圧倒される迫力があるのです。椰子の実の記憶からドグラマグラ経由ゲーテまで、などと書いたら、私はふざけすぎかもしれませんが…日常の生活感覚から少しはなれ、また戻り、して、読み終わったあとは、大いなる世界に旅してきたかの気持ちになりました。
・「これが科学なのだ」
この本を読むと,著者の強烈な情念にまず圧倒される.解剖学者としての著者の専門は.脾臓の個体的 系統的発生であった.その仕事の遂行には,この情念が不可欠であったろうと推測される.そして,冷静 厳密な自然科学を生むのは,まさに強烈な情念なのだ.この本は,その原理をまざまざと見せてくれる点において殆ど類例を見ない.この国にも,かつてこのような偉大な科学者がいたのだ.若くして世を去られたことが,悔やまれてならない.この本の名物は,人間の胎児の顔のシリーズ写真である.これに圧倒されない人がいるとは思えないが,この写真こそが,ラマルクの仮説を論証しているのだ,と言う大解剖学者を信じることが不可能ならば,そもそも自然科学は不可能だ,と言いたい.
・「個体発生は系統発生を反復するか」
現在の「生物は遺伝子の偶然の変移によって進化する」という主流の考え方からは異端として排斥されてしまうこと間違いなし!の思想だが、著者は胎児がラブカ、ムカシトカゲ、ミツユビナマケモノ等の「古代の面影」を反復しながら発生してくるという。そして水棲型(魚)から陸上型に変わる時点で、妊婦の「つわり」がひどくなるという。私はこうした説は全部インチキだと叩かれた記憶があるが、とにかく生命体について考える手がかりが欲しくてラブカの標本を見に上野の科学博物館にまで行った。
・「死のうとしている方への忠告の書」
死後という単語で思い浮かぶのは、死後硬直や括約筋の緩みからの脱糞とかで、TVドラマに真実を捻じ曲げられてきた思いがする。最近の集団自殺の報道をみるとその後始末をする方の怒りを感じる。セックスをしながら死ぬという小説がもてはやされたが、死後の二体の写真を想像したら気分が悪くなり読もうとも思わなかった。ドラマではもちろん死後直後の映像は出てこなかった。同じ職業でも分野の異なる医師が書く本には大きな違いがあるものだと感心した。手塚治虫氏のブラックジャックというマンガでも死後の話はほとんどない。大人の目から見た現実の死後の世界をぜひ共に知って欲しい。
・「映画やTVも顔負け」
不可解な事件などが起こると度々TVにも登場する著者の上野氏。ご自身の経験・体験を基に書かれた一冊です。本当のことなだけに迫力があるし、胸が痛む話も少なくありません。しかし、個人的に興味がある内容なので知識として自然に頭に入ってきたように思います。意味深い本です。
・「知っている。」
上野氏の著作を初めて読んだ。法医学的見地から見る死体と、ミステリの様な文が混じっていた。本自体も薄いし、ちょっとした時に読めると思う。自分自身医学生で有る為、興味深い内容であったし、この手の雑学を増やすには丁度良いと思う。
・「読んで損なし」
初めはサスペンスものかと思い、手に取りましたが全く違いました。監察医の著者が見てきた事件について淡々と書かれています。恐怖心を煽るような表現とかはないので、重たくなくてスラスラ読める。上野先生の著書の中ではこれが一番好き。シンプルで分かりやすく、時にはホロリな所もあり、そして笑える。面白いです。
・「読み物として興味深いし、考えさせられる内容でもあります」
監察医として長年経験された事例から、著者本人の考えを投影された本です。興味深い内容が続き、また文体も簡易で、とても読みやすくあっという間に読破できました。
様々な事例から、予想外の死因がつきとめられたり、殺人!?と思われたものが実は自殺だったり、その逆だったり・・・そういった事象を知ることも、知的好奇心をくすぐる(不謹慎ですが)ことになるでしょう。しかし、著者がそもそも主張したいことは、本文中でも何度も繰り返されている、「死者としての人権を守る」こと、ひいては、「死して尚、名医にかかるべし」と、言うことです。これまで、漠然としか「死」に関しては考えたことがなかったのですが、例えば、勤務上の死か否かでの「労災」適用、不慮の事故か否かでの「傷害事故」適用等で、保険の受取金額が大きく左右されたり、他殺による無念の死によるものが、自殺と判断され、永久に無念が残ることも、想像されます。
そういった意味からも、監察医制度が全国津々浦々に行き渡っていない事実に、底知れぬ不安感を抱きます。
とまれ、最初はタイトルに引かれた、等の知的好奇心からでも、気軽に(失敬ですが)この本を手に取り、その中から読者なりの思考を巡らしていただければと存じます。読み物としては、軽いタッチなので、あっという間に読むことができますよ。
・「面白い」
著者はミステリー小説もよく読むそうで現実との違いもわかるそうですが、フィクションとして楽しんで読んでいるそうです。本シリーズを読んでからミステリーモノを読むと、あれ、上野先生はああ書いているけど?と引っかかるようになってしまいました。笑
・「検死エンターテインメント」
不謹慎ながら、おもしろいです。本当に。検死医の業務の中から、一般の読者にも興味深いと思える事例がまとめられています。当然、法学の知識も医学の知識も全くなくて大丈夫です。やっぱり難しいじゃねーか、ということは多分ないでしょう。全く法医学なんかに興味がなくても、普通に興味をそそられる内容だと思います。さらに、事件事件が簡潔に、しかも気をきかされて書かれているので、全く退屈しません。
なぜ遺体の性器はなくなっていたのか・・・・不謹慎ながら、エンターテインメントです。
・「著者の文才に敬服」
上野氏は作家としても才能があると思う。
読み始めるとグイグイ惹きつけられて止められない。
しかし、一番敬服するのは上野氏の「死体の人権を守る」との監察医としてのプライドである。
・「一読の価値あり」
創価学会に関する書籍は、学会を痛烈に非難するものと、人間革命のように極端に美化されたものがほとんどです。書店へ足を運ぶと、二極分化されていることが容易に分かります。そういった状況にあって、本書はしっかりと客観的な分析がなされている貴重な1冊と言えます。学会の誕生と隆盛、池田大作名誉会長の実像、学会のゆくえに冷静に言及してあり、入門書としては最適です。ただ、学会に関しての一定の知識のある方は物足りないと感じられるかもしれません。学会の排他性と攻撃性について触れていましたが、個人的には他団体との軋轢や事件に関して、同著者がもう少し突っ込んで書かれたものを出版されることを期待しています。
・「他書にくらべかなり客観的」
本書は他の創価学会の本と比べて、非常に客観的に書いてある。創価学会や池田氏について述べる時、聖教新聞社の発行する本は「慈父のような池田先生」、かたや批判本は「権力に貪欲な池田大作」という、かならず修飾語がつかねばならないのが実情だが、本書は出来るだけ公平に創価学会を扱おうとしており、その点で非常に評価が出来る。
本書の内容である創価学会における他宗教への排他性(実際にQ&A集みたいなのには「町内会で神社の掃除があるのですがどうしたらいいでしょうか」という質問があります)、また元々どのような層が会員になっていったのかという事を考えると、今の所得格差が新たな宗教を生むのではないかと懸念してしまう。
創価学会員も、創価学会が嫌いな人も、ぜひ目を通していただきたい。
・「存在価値が高い本」
とても中立で、創価擁護でもなく批判的でもなくどちらサイドの人間にとっても大いに参考になると感じました。
池田大作氏についても非常にクールな目で捉えてあり批判派にも読んでいただきたいです。参考書籍も多岐にわたり創価出版の「折伏教典」「戸田城聖全集」「人間革命」なども中立な目で読破しておられます。
また逆に、創価で語り継がれている内容の一部がフィクションであることもズバッと示してあります。創価に洗脳された会員にも冷静に読んでほしいです。
これだけ冷静に客観的に中立立場を貫いている書籍は類をみないため存在価値は非常に高く、それだけに最後の締めくくりは物足りなさを感じました。創価も激動の歴史をつくっていますので5年や10年ごとに再度クールな意見で再出版してほしいと感じました。
・「都市貧民の不安を考えるヒント」
これから、自分の頭で「創価学会とは何か」を考えたい人には、恰好の道案内になってくれる本です。創価学会に対して不満や不安を持っており、それを誰かに代弁してほしい人には価値のない本かもしれません。
私にも学会員の友人や親戚がいますが、なぜ彼らは学会に魅了されたのか、これまでさっぱりわかりませんでした。また、私たちは学会に不気味なイメージを抱いていますが、私たちはなぜ学会を不安に思うのか、はっきりと言い表せません。この本には、それらを考えるヒントが載っています。
突っ込みが足りないとか宗教学的考察に欠けるといった指摘がありますが、そりゃそうかもしれないけれど、私には良書でした。いま岡田英弘『中国文明の歴史』(現代新書)を読んでいますが、太平道(黄巾賊)のくだりが、本書の戸田城聖時代と酷似していておもしろいです。創価学会という、大きくてつかみにくい存在を、コンパクトに鳥瞰してみせた、それだけでも大きな価値がある一冊だと思います。
・「良書です。」
スキャンダリズムでも礼賛でもなく創価学会を取り扱った数少ない良書.創価学会という宗教団体の成り立ちから,巨大組織への成長,政治との結合などについて客観的に述べている.もちろん淡々と語るだけではなく,批判すべきところは批判する一方で,実像と世間的イメージが異なっている点についてはきちんとフォローしている.国政に重大な影響を及ぼす一方で,自分のような非信者にとっては得体のしれない組織であるこの団体を理解する上では,かなり参考になる本である.
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