Live from the Concertgebouw, 1978 & 1979 (詳細)
Johann Sebastian Bach(作曲), Bela Bartok(作曲), Frederic Chopin(作曲), Alberto Ginastera(作曲), Sergey Prokofiev(作曲), Domenico Scarlatti(作曲), Martha Argerich(Piano)
「アルゲリッチは恩人なのです」「恐ろしい音楽」「アルゲリッチの弾きたい作曲家が全て揃っている感じ」「超名盤!!」「少し残念!」
「つかみ効果」「ダイヤモンドのような音楽」「彼の最高傑作!!!」「これが一番」「最初の一枚目には、最適!」
Flowers in the Dirt (詳細)
Paul McCartney(アーティスト)
「サイコサイコッYEAH!」「コステロとのハーモニー」「記念碑的な名盤」「ポールはやはりビートルズのメンバーだと再認識」「ポール流AORの決定版!」
ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (角川文庫) (詳細)
フィツジェラルド(著), 永山 篤一(翻訳)
「〈数奇な人生〉」「フィツジェラルドの別の面」「映画が楽しみです。」「ハッキリ言って映画とは違う」
Johnny Hodges with Billy Strayhorn and the Orchestra (詳細)
Johnny Hodges(アーティスト)
「円熟のホッジス」
ラヴェル:ピアノ作品全集 (詳細)
アース(モニク)(アーティスト), ラヴェル(作曲), マリンカ(イナ)(演奏)
「名盤」「ラヴェル・ピアノ曲集の最高傑作(?)」「亡き王女のためのパヴァーヌ」「いいねえ」「クープランの墓」
ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection) (詳細)
レイモンド・チャンドラー(著), 村上春樹(翻訳)
「フォア!」「時代を背負う作家が描く、頑なに自身のプリンシプルを守る探偵フィリップ・マーロウの最高峰ミステリ小説」「軽い」「ハードボイルド私立探偵の代名詞、フィリップ・マーロウ」「甦ったのは?」
ペット・サウンズ (新潮クレスト・ブックス) (詳細)
ジム・フシーリ(著), Test(編集), 村上春樹(翻訳)
「こちら大庭葉蔵です」「もう一度アタック」「買いです。」「勉強にはなります」「もう一度聴いてみようか!」
ペット・サウンズ (詳細)
ビーチ・ボーイズ(アーティスト)
ディープ・デッド・ブルー (詳細)
エルヴィス・コステロ(アーティスト), ビル・フリゼール(アーティスト)
「コステロ&フリゼール共演盤」
ピース(紙ジャケット仕様) (詳細)
チェット・ベイカー(アーティスト), デヴィッド・フリードマン(演奏), バスター・ウィリアムス(演奏), ジョー・チェンバース(演奏)
「ピースの未発表テイクだけでも買いです」「デヴィッド・フリードマンが叩き出す独特の浮遊感」
サマー・デイズ (詳細)
ザ・ビーチ・ボーイズ(アーティスト)
「最後の夏の日」「贅沢な夏の1枚」「こちら大庭葉蔵です。」
ビッグ・バグス+2(紙ジャケット仕様) (詳細)
ミルト・ジャクソン・オーケストラ(アーティスト)
「時代を超える古典!」「ボーナストラックはなしでいい。「スマイル」そのものを聴きたいから、輸入版。」「混乱からの帰結、あるいは「天空のシンフォニー」」「間違いなくブライアン・ウイルソンの傑作である。」「対訳付きは国内盤のメリット」
クアトロ・グランジス・ド・サンバ~サンバの巨匠たち (詳細)
イヴォーニ・ララ(アーティスト), エルトン・メディロス(アーティスト), カンデイア(アーティスト), ギリェルミ・ジ・ブリート(アーティスト), ネルソン・カヴァキーニョ(アーティスト), Alcides Caminha(Writer), Joacyr Santana(Writer), Nourival Bahia(Writer), ヴァレンテ(Writer)
多生の縁―玄侑宗久対談集 (文春文庫) (詳細)
玄侑 宗久(著)
「生と死を語る。」
バッハ:イギリス組曲(紙ジャケット仕様) (詳細)
グールド(グレン)(アーティスト), バッハ(作曲)
「解釈のレンジ」
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集 (詳細)
ピノック(トレヴァー)(アーティスト), バッハ(作曲), スタンデイジ(サイモン)(演奏), ウィルコック(エリザベス)(演奏), イングリッシュ・コンサート(演奏)
「輝かしく気品高く、そして楽しい名盤」
1Q84 BOOK 1 (詳細)
村上 春樹(著)
「“ムラカミ”の称号は抜きにしても、今年屈指のエンタメ小説である事には間違いない。」「こんなに売れるのは不思議だ・・・・」「答えより問いが大事」「ただ、純粋に面白い物語として」「失われた幸せな子供時代と孤独な魂」
1Q84 BOOK 2 (詳細)
村上 春樹(著)
「それは嘘だ。」「引っ掛かりを覚える箇所も、顛末も、読み手に委ねられている」「細部まで丁寧に書かれた一冊」「ひとりぼっちが二人」「青豆さんと天吾くん」
ラッキー・オールド・サン(DVD付) (詳細)
ブライアン・ウィルソン(アーティスト)
「素晴らしいメロディ素晴らしい演奏」「最近のソロ作でbest ! だと思った。」「自信と創作意欲に満ちた、彼のソロ作中現時点での最高傑作(ただしあくまでも現時点での)」「人生に「遅かった」なんてことないんだ」「最高到達点の更新!」
サンディ・モーニン+1 (詳細)
グラント・グリーン(アーティスト), ケニー・ドリュー(演奏), ベン・タッカー(演奏), ベン・ディクソン(演奏)
ヘヴィー・ソウル+1 (詳細)
アイク・ケベック(アーティスト), フレディ・ローチ(演奏), ミルト・ヒントン(演奏), アル・ヘアウッド(演奏)
「甘く温かいサックスに酔う」「哀愁の音色…」
奇妙な果実 (詳細)
ビリー・ホリデイ(アーティスト), ソニー・ホワイト(演奏), エディ・ヘイウッド(演奏), ジョン・ウィリアムス(ベーシスト)(演奏), ジョン・シモンズ(演奏), エド・ショーネシー(演奏), シドニー・カトレット(演奏), フランク・ニュートン(演奏), ドク・チータム(演奏), ヴィック・ディッケンソン(演奏)
「『ビリー・ホリデイ/奇妙な果実』」「ビリーホリデー」「生き方と歌とが渾然一体となる圧倒的説得力」「雨の日の新宿だった。」
ワイルダーン・ワイルダー(紙ジャケット仕様) (詳細)
ジョー・ワイルダー(アーティスト), ハンク・ジョーンズ(演奏), ウェンデル・マーシャル(演奏), ケニー・クラーク(演奏)
「滋味溢れる1枚」
文学・評論>ミステリー・サスペンス・ハードボイルド>外国の著者>タ行の著者
クラシック>器楽>室内楽・器楽曲>演奏者別>ア行の演奏者>アルゲリッチ
クラシック>器楽>室内楽・器楽曲>Deprecated Nodes>作曲家別>サ行の作曲家>ショパン
クラシック>器楽>室内楽・器楽曲>Deprecated Nodes>作曲家別>サ行の作曲家>スカルラッティ
クラシック>器楽>室内楽・器楽曲>Deprecated Nodes>作曲家別>ハ行の作曲家>バルトーク
Custom Stores>By Formats>輸入盤>All US Titles
Custom Stores>By Formats>輸入盤>Classical>Classical Instrumental>Composers>A-B>Bartok
●Live from the Concertgebouw, 1978 & 1979
・「アルゲリッチは恩人なのです」
僕はこの盤を聴くことがなければ、きっといつまでもクラシックを毛嫌いしたままでいたでしょうから。クラシックなんか譜面どおり弾けばそれでいいんじゃねえか、いつも同じでつまらない音楽だ、と思い込んでいたジャズ系リスナーの僕は、ある日このアルバムの彼女の演奏を聴いて衝撃を受けました。
音の一つ一つに宿る躍動感、ドライブするリズム、蠢くアクセント!こんなにカッコよくて興奮するものなのか・・・。今ではすっかりクラシックのファン。むしろクラシックを聴かない人にお勧めしたい、素晴らしいライヴ盤です。
・「恐ろしい音楽」
凄いとしか言いようがない、ソロピアノのライブ。バルトークには特にたまげた。まるでフリージャズを聴いているかのごとく。タッチが鋭く硬質。ピアノは実は打楽器なのであると誰かが言っていたが、まさにそんな感じ。そこにあの激しく感情的なオーラが宿っているので演奏に異常なほどの説得力が生まれる。高い演奏技術に裏打ちされた、強い精神力のこもった青い炎のような音楽。
・「アルゲリッチの弾きたい作曲家が全て揃っている感じ」
アムステルダム・コンセルトヘボウでの1978年5月7日と1979年4月22日のライヴ演奏をソースとしたアルバム。最初のバッハとプロコフィエフが1979年の演奏である。
このアルバム正直言って全部素晴らしいのだが、後半からのバルトークのピアノ・ソナタ作品80→アルベルト・ジナステラ(1916-83)の作品2→プロコフィエフの『戦争ソナタ』と続く部分が特に好きだ。アルベルト・ジナステラと言ってピンとくるロック・ファンはかなり『通』だ。あの、エマーソン・レイク&パーマーの『Brain Salad Surgery』の中に出てくる『トッカータ』は、ジナステラのピアノ協奏曲からの抜粋なのだ。同じアルゼンチン出身のこの作曲家の曲を聴けるというのが嬉しい。
特に嬉しいのがプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番作品83、いわゆる『戦争ソナタ』を弾いてくれているところだ。この曲はあのマウリティオ・ポリーニがデビュー・アルバムで取り上げたり、グレン・グールドも取り上げたり、ニコライ・ペトロフも全集の中で素晴らしい演奏を残していたり、と比較して聴ける名演が多い曲だ。ここでのアルゲリッチの演奏も出色で一・二を争う名演だ。
そしてこの曲が終わると今度はスカラッティとなりバッハのイギリス組曲第2番と続く。何となくアルゲリッチの弾きたい作曲家が全て揃っている感じで興味深い。何しろ絶対聴き逃せない名盤だ。
・「超名盤!!」
アルゲリッチはライヴで燃える!!という伝説のとおり凄まじい火の出るような超ド迫力。
ショパンの『スケルツォ』はまるで『海の上のピアニスト』のシーンを彷彿とさせるさながら鍵盤から煙が出ているようだ。
プロコの『戦争ソナタ』もまさにピアノによる戦争である。
アルゲリッチは趣味でフラメンコを聴くという。そう・・・。これは、さながらピアノによるパコ・デ・ルシアなのだ。
アルヘンティーノのアルヘリチ(スペイン読み)はスペイン人のラローチャよりよほどスパニッシュな血を感じさせる。彼女の演奏でグラナドス、アルベニスを聴いてみたかった。それゆえに、このCDのヒナステラの『舞曲集』はいい。
ちなみに師匠のひとりグルダはジャズにも傾倒していたので彼女のリズム感は天性のものに加えて師匠譲りなのであろう。バルトークの『ソナタ』は実に痛快である。打鍵という言葉の意味がよくわかる。
スカルラッティの『ソナタ』のトレモロはさながら妖艶な蝶が舞うようである。
・「少し残念!」
アルゲリッチのプロコソナタ7番!ということでワクワクして購入したが、聴いてみてガッカリ。何だかアルゲリッチとプロコはあまり相性がよくないみたい。それにミスタッチも多いし。彼女は当日あまり体調がよくなかったのか…
だが一変してショパンのスケルツォとバルトークはすばらしい!アルゲリッチの強烈な個性と超絶技巧が見事にマッチしている。
この二つがお好きなら一聴の価値あり!
・「つかみ効果」
120%アルバム!トップナンバー「クァドラ・ヂ・ホーダ」には誰もがノックアウトされるでしょう。手を変え品を変え押し寄せる男女混声コーラス。水面を滑り行くような軽快なリズムセクション。耳の奥の痒いところを刺激してくれるような快感不協和音を美しく奏でるエレピのコードバッキング。
5つの小品をメドレー形式に組み合わせたこの曲、とにかくそのアレンジングの素晴らしさに、思わず体が踊らされてしまいます。アレンジャーはバンドのキーボード担当、ジゥソン・ペランゼッタ!この中身の濃い曲がたったの3分半なんて!とにかく、あまりにも素晴らしいオープニングナンバー、「世界オープニング大賞」を差し上げます。
ここにはイヴァン・ミュージックの全てが詰まっていますみなさん、ゴング早々快感ノックアウト体験、ぜひ味わってください。
・「ダイヤモンドのような音楽」
冴えに冴えまくってます。イヴァンミュージックの一つの到達点だと思います。様々な楽器も、コーラスワークも、歌声も、メロディも、リズムも・・全てが有機的に絡み合って宝石のようなポップスに見事に昇華されています。この時代のイヴァンリンスは、ちょうど70年代のスティービーワンダーとダブります。もう誰にも止められない状態で、素晴らしい独自性と創造性を、見事に普遍的な音楽として表現仕切っていて、どれもがとても美しいです。良心に誓ってお勧めできる名作です。
・「彼の最高傑作!!!」
紛れもない彼の最高傑作!!!彼が紡ぎ出す美しいメロディーと情熱に満ち溢れた歌声がアルバム全編にわたり堪能できる最高の一枚!まさに至福の時を約束してくれます。世界初のデジタル・リマスター化も嬉しい。
・「これが一番」
今までイヴァン・リンスときけば、ほとんど購入してきましたがこれはジャケットにちょっとひいてためらってました。買ってみてびっくり。イヴァン・リンスのメロディとヴォーカルが一番引き立つのはこのCDですね。まさしく最高傑作。
・「最初の一枚目には、最適!」
偶然、IVAN LINSをライブで初めて聞いてから、そのメロディーがいつまでも耳に残り、最初の1枚として選択しました。IVANのメロディーの妙と選曲がとても最高でした!!1曲目が特に最高で、ライブでも最初の楽曲として演奏されてました。1曲目を聞いた時点で、ノックアウト状態です。IVANの最初の一枚目として、特にお薦めです!!
・「サイコサイコッYEAH!」
ポールやっぱサイコサイコサイコッ!YEAH!コステロと組んでつくった4曲は特にいいっす!「MY BRAVE FACE」はサッパリしてっけど歌詞なんか聴くとケッコー苦味があって「YOU WANT HER TOO」もコステロの皮肉っぺぇヴォーカルナイス!でもやっぱマジヤバな名曲「THAT DAY IS DONE」っす!これ聴くだけでも買う価値ありまくりまっす!ポール&コステロサイコサイコサイコッ!YEAH!!!
・「コステロとのハーモニー」
このCDはエルビス・コステロとの共演によってレコーディングされたものが多く含まれております。ポールにとって、初志貫徹なコステロは昔のパートナー、ジョン・レノンを連想させるそうです。だからこの作品はほかの共演者(ジャクソンやワンダー)に比べ、もっともよいものであると思うのです。DistractionやThis one、Loveliest songといったこの三曲は、売れさえしなかったものの、Yesterday、 Let It Be に引けをとらない滑らかなメロディーとすばらしいプロデュースが盛り込まれています。ほかにもチャリティーのために作ったHow Many Peopleなど全16曲の傑作です。当時不評続きだったポールのアルバムでしたが(自分はどのアルバムもよいと思いますが。。。)
まさに最高傑作です。30近くあるポールのCDのなかでもこれだ!!!と思わせる力があります。是非、是非 聞くべきです。すばらしいです
・「記念碑的な名盤」
マッカートニーには珍しく重くてシリアスな作品。こういう場合は失敗しやすい人だけど、これは例外。1982発表のタッグオブウォーで頂点を極めた彼だが、その後は時代の変化もあり、じり貧な感はいなめなかった。じっさいかなり追い込まれた雰囲気は如実にかんじられたものだ。しかし彼は真摯に音楽に取り組みつづけ、タッグオブウォーの制作前にジョージマーテインに受けたアドヴァイスを忠実に実行していた。マーテインは『君はなぜ自分より下手な人とやるんだい?』といったのだ。これはゴドリッチのいった『あなたを安全地帯から連れ出したい』という言葉と奇妙に符合する。とにかく80年代のマッカートニーは他流試合を重ね精進する。その最良の成果がこのFlowers in the Dirt である。めずらしく評論家のレヴューも好評で、気分を良くしたマッカートニーはついにツアーを再開。われわれはロックの歴史をまのあたりにすることになるのである。記念碑的な名盤だ。
実質ラストをかざるバラード『モーターオブラブ』は『マイラブ』をらくらく凌駕する大傑作、後半の即興的な部分では何度きいても胸が熱くなる。『フィギアオブエイト』は全キャリアのなかでもベストを狙えるだろう。『プットイットゼア』に癒された人もおおいはずだ。『ジスワン』のビートリーな味付けも憎い。コステロとの共作はコステロ色が濃いがそれが苦みとなってアルバムに深みをあたえている。
・「ポールはやはりビートルズのメンバーだと再認識」
今回、ポールと組んだエルビスコステロは実際凄い人で、元ビートルズのポールマッカートニーにズケズケと物言い、仕舞いにはダメ出しまでしたそうで。。。そう言えばビートルズ時代にはジョンレノンがいてお互いに刺激し合ってあのサウンドがある。そういうわけでこのアルバムの仕上がりは、サウンド、歌声、ミキシング、全てにおいて渾身の仕上がりである。ビートルズ時代のエネルギーすら放出していると思えたのだ。コステロとの合作3曲、MiXが神業のラフライド、優しいメロディのディスワンは特にオススメ。
・「ポール流AORの決定版!」
1989年に発表されたアルバムで全米21位/全英1位を記録しました。このアルバムで話題を集めたのはエルヴィス・コステロとの共作曲(1,3,9,10)の収録です。当時「この組み合わせは成功するのか?」との声も多く聞かれたものですが、完成した曲はポップ・ロックの王道とも呼べる素晴らしいものでした。特にTr.3での「掛け合い」はビートルズ時代の「Getting Better」を思い出さずにはいられない。前作『Press To Play』がかなり不評だった事もあり、音楽誌は挙って「帰ってきたマッカートニー・サウンド」的な紹介をしていたのを覚えています。個人的には『Press To Play』も好きなんですが…。 初めてポールとコステロのコンビ(?)結成のニュースを聞いた時は非常に驚きました。だって日本の政治で言えば自民党と共産党が連立政権を作るみたいな物ですし。当時の洋楽ファンは皆同様の印象を受けたそうですが、この後のワールドツアーにてポールの来日コンサートも成功するあたり、このプロジェクトは良い結果を残したといって良いでしょう。 アルバム全体の印象としては『Tug Of War』以降の「AOR路線」の決定版といえばイメージしていただけるでしょうか?ロックをベースとしながらも47歳のベテランらしい落ち着いた仕上がりは初めて聴く方々にも安心してオススメできる一枚です。シングルカットされた4曲(1,6,7,8)は大してヒットしませんでしたが、ポールらしい普遍的ポップ・ソングと呼べる佳曲です。個人的にTr.6は名曲だと思います。これぞ「マッカートニー・サウンド」だっ! 本作は70年代の彼の作品群と比べるとさすがに全体的な「地味さ」は隠せませんが、永く付き合える良いアルバムだと思います。ジェントルでポップな一枚をお探しの方は本作をどうぞ!
・「〈数奇な人生〉」
フィツジェラルドの作品をはじめて読んだ。 表題作「ベンジャミン・バトン」について書く。 単なる私的な印象でしかないのか、ベンジャミンの母親の影が、非常に薄い。 冒頭から前面に登場するのは、父親ばかりだった気がする。父親は、生まれた子の心配ばかりで、妻の心配をしていない。怪しい。奇妙だ。母親の不在? 生まれた以上、母親はいる? 母はいるけれども、妻とは別人? 姿を現した時には、自分の父や祖父よりも年老い、年をとれば、自分の息子や孫よりも幼くなってしまう。――ベンジャミンは、彼の父と〈時〉という名の母との間に産み落とされた私生児だった。 煙草を吸うベンジャミンに注意する父親。姿は老人だから、喫煙しても問題ない気はする。戸籍上、法律上の、問題あり、というわけか。 若者ぶるな、と注意する息子。姿は若者なのだから、若者ぶるのではない。若さそのものを満喫しようとするのだが、戸籍上、ベンジャミンはいい年であり、問題があるらしい。 彼は自らの〈未来〉とともに姿を現し、〈過去〉の中へと消えていく。彼の肉体のなかだけは、〈時〉が逆行して流れていたのだ。まさに、――〈数奇な人生〉。
・「フィツジェラルドの別の面」
フィツジェラルドと言えば、先ず「グレート・ギャツビー」と言う名が思い浮かぶのですが、この短編集はそれからすると、かなり趣を異にしています。 たまたま「ベンジャミン・バトン−数奇な人生−」の映画化を機に、今回この短編集が出版されたのでしょう。
ここに取り上げられているのは、 「ベンジャミン・バトン−数奇な人生−」 「レイモンドの謎」 「モコモコの朝」 「最後の美女」 「ダンス・パーティの惨劇」 「異邦人」 「家具工房の外で」の7作品で、 ジャンル的には、ミステリー、ファンタジー、SFぽいものなど様々ですが、ストーリー・テラーとしてエンターテイメントに徹したものです。
そうは言っても、その内容には「グレート・ギャツビー」の香りがしますし、夫婦或いは男女の微妙な関係を扱ったものも多くあります。
個人的には、「異邦人」の微妙なラストを含んだ夫婦を扱った物語が気に入りました。 ただ、やはり「グレート・ギャツビー」の圧倒的印象が強く、なかなか入り込めなかったのも事実です。 作者の別の面を見るのだと言う意志の元で読むべきかも知れません。
・「映画が楽しみです。」
映画公開前に、原作を知りたくて購入しました。フィッツジェラルドの短篇集で、表題作ベンジャミン・バトンの一生を、60ページ足らずで記しています。少し物足りなさを感じましたか、反対に3時間弱の映画はどのように表現されているのか、楽しみです。
・「ハッキリ言って映画とは違う」
この文庫はベンジャミンバトンと他の合わせて7つの短編集である。
ここにのっているベンジャミンバトンは映画「ベンジャミンバトン 数奇な人生」とは
大幅に違う。
ネタばれ注意
一つめ 父がベンジャミンを捨てない二つ目 映画では生まれたとき体は老人、心は赤ん坊だったが この本のベンジャミンは心も老人からである三つめ 映画は主に恋愛を中心にしてあるこのほかにも違う点はいっぱいある。
まぁ映画が違うのだがだから全く違うといっても過言ではない。ただ一つの共通点は数奇で切ない人生であることだ。
また短編なので映画の方が逆に長いのである。しかしコンセプトとして、小説版として
面白い部分は多々あるので読んでみるといいかも。
●Johnny Hodges with Billy Strayhorn and the Orchestra
・「円熟のホッジス」
エリントニアンを起用した中編成の、相も変わらずのホッジスのリーダーアルバムのように見えるが、本作はビリー・ストレイホーンが編曲に徹している(ピアノはジミー・ジョーンズ)。おなじみのエリントンナンバーもエリントンバンドのものとは全く異なるアレンジが施されているのが興味深い。国外では再評価の機運がドンドン高まっているストレイホーンだが、わが国ではサッパリなのは何故なんでしょう?おしえてください、スウィング・ジャーナル編集部さま!!
もちろん主役はホッジスのアルト。円熟の極み。ウットリです。個人的にはVERVEの数あるホッジスのアルバムの最高傑作。音質も良好。「モダン」ファンでこれをまだ聴いたことのない皆様、だまされたと思って是非どうぞ!
・「名盤」
初めてコンサートで「水の戯れ」を聴いた衝撃から約2年が経ちますが,私のラヴェル熱は冷めるどころかこの「アース盤」で更に燃え上がってしまいました。笑初めて聴いた印象は,甘い。かといって甘ったるいわけではなく,心地よい音色。テンポの正確さの中に漂うフランスらしさというかアースらしさというか,とにかく音がきれいです。
マ・メール・ロアの第一曲「眠れる森の美女のパヴァーヌ」が音で見ると一番美しいです。
全体的に見ると,「クープランの墓」と「ソナチネ」が個人的にいいなと思います。アース晩年のレコーディングとのこともありミスタッチも結構ありますが,そんなこと気にさせないほど聴き手を引き込みます。
こうやって文章を読むより,聴いたほうが早いかもしれませんね。。
とにかく,アース盤は今まで出会ったラヴェルの中で最良と,私の中で高い地位を誇っています。ラヴェルを初めて聴く人は,絶対アース盤です。
・「ラヴェル・ピアノ曲集の最高傑作(?)」
数年前からラヴェルの大ファンになりました。僕が今までに聞いたラヴェルの演奏の中では、もっとも素晴らしいです。もっとも、まだラヴェル歴が少しですから確かなではありませんが、一番「アース」の演奏が素晴らしいように思います。名盤なのも納得です。
選曲も完璧だと思います。僕自身の、ラヴェル・ピアノ曲ランキングNO・4まで全て収録されています。 あなたの一生の曲に、出会えるのではないでしょうか?
・「亡き王女のためのパヴァーヌ」
まず最初に、自分は元来はハードロック/ヘヴィメタルをこよなく愛するような嗜好の人間であります。しかしながら、このピアノ曲集は時折激しく聴きたくなることのある作品です。ラヴェルは素晴らしいと思わされました!他のピアニストのラヴェル集は聴いていないし、そもそもクラシックの知識がカケラも無いのでそこら辺はなんとも言えませんが。
読書する時や寝る時に聴くと精神が癒されます!!(*^_^*)
・「いいねえ」
ラヴェルのピアノのアルバムがあんまり見当たらないような気が・・・自分が探す場所が悪かったのかもしれないですけどね。その中でこのアルバムはやっと見つけた一枚。
亡き王女のためのパヴァーヌと水の戯れしかしらなかった自分にとってけっこうな衝撃だったなぁ。アースは相変わらず無難な弾き方をするけどそこがいいのかもね(あくまで個人的な意見)けどこの人のゆっくりめの曲は好きだぁ
・「クープランの墓」
1968年の録音。モニク・アースの円熟期のもので聴いていてとても落ち着いた気持ちにさせてくれる。
昔、フランスのレーベルで『カリオペ』という優れたレーベルがあった。あまり有名ではないがしっかりとした演奏と録音技術で自国の作曲家の作品を次々と取り上げていた。その中でも、このラヴェルの『クープランの墓』の演奏は今でも忘れられないくらいのインパクトで心に残っている。アースの演奏はそのカリオペ盤には若干劣るがラヴェルのこの曲の美しさを素に表現していて光る。2番目に好きな演奏だ。(●^o^●)
他の曲も素晴らしい。しかしながら僕にとってはラヴェルのピアノ曲の演奏を買うかどうかは『クープランの墓』の出来映え次第だ。(●^o^●)
●ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)
・「フォア!」
本書を読まずして、小説は語れぬ。ブラッドベリイに影響を与えたと言う作家の最高傑作。ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に通ずる、至極の逸品であります。これぞ、まさしくゾンビ小説であるのであります。
・「時代を背負う作家が描く、頑なに自身のプリンシプルを守る探偵フィリップ・マーロウの最高峰ミステリ小説」
第1次世界大戦に従軍し、石油関連企業の副社長まで上り詰めたレイモンド・チャンドラーが1953年に18歳年上の病床の妻の側で書き上げた本書は、資本主義が崩壊し始めた2009年にも十二分に通じる多くの示唆を内包していました。
例え窮地に陥ろうと、損をしようと、自分のプリンシプルに何処までも忠実に行動する探偵マーロウの生き様は読者に共感と憧憬を抱かせます。そして、訳者あとがきで「小説というものを書き始めるにあたって、僕は多くのことをチャンドラーから学んだ」と村上さんが語るように、マーロウの生き様に読者は少なからず村上作品の主人公のそれを重ね合わせることになります。
米国社会の闇の実相。ミステリとして十分な仕掛け。我々が無意識の内に憧れる、金や他人に左右されずに自分の信念に忠実に生きる純粋なマーロウの行動。そして、ある種の人だけが経験できる魂の交流の物語。それらが一部冗長であるものの見事に描かれており、村上さんをして二つ返事で翻訳に従事させた超一級の小説です。
・「軽い」
『ロング・グッドバイ』が発売したときに購入し、その世界に酔った。今回『さよなら、愛しい人』を読んで改めて読み返そうかと思ったとき、この軽量版を知った。2冊目にちょうど良い。人へのプレゼントにも良い。表紙のセンスも絶妙。大好物だ。
・「ハードボイルド私立探偵の代名詞、フィリップ・マーロウ」
ハードボイルド私立探偵の代名詞ともいえるフィリップ・マーロウが一人称で語る本書は、レイモンド・チャンドラーの代表作であると共に、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」’55年度ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作である。この“準古典小説”『長いお別れ』が村上春樹の訳出により『ロング・グッドバイ』として甦った。この新訳版は’07年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門で第9位にランクインしている。それが、私が初めてチャンドラー作品を読むきっかけとなった。当然、清水俊二の旧訳も読んでいないので、レビューに多く見られるような新訳・旧訳の比較はできないので、作品自体の感想になる。
本書でマーロウは、テリー・レノックスに友情を抱き、彼が犯したとされる妻殺しを信じようとしない。そして、ベストセラー作家ロジャー・ウエイドとその妻アイリーンと知り合うようになり、ロジャーがレノックスの妻の不倫相手のひとりだと知るのだが、ロジャーもアイリーンも死んでしまう。調査の結果、これらの愛憎の果ての血なまぐさい事件の真相を知るのだが、マーロウは、常にタフで、頑固で、機知に富み、孤独で、やくざで、金には淡白で、ロマンチックである。彼が語る一人称叙述は、余分な心理描写を省いて、その目に映る情景を切り取るように語られる。また、物事に一家言を持っており、そのこだわりも語られる。そのあたりを原文にあくまで忠実に、省くことなく翻訳したということが、村上春樹の長い「訳者あとがき」(これがまた名文であり、本書の価値を一層高めている)にあるが、読んでいてもまだるっこしいところはなく、不思議とストレートに胸に入ってくる。
本書は、さすがにMWA賞受賞作だけあって、そのキャラクターが多くの読者を惹き付ける、紛れなき存在感を身につけたヒーロー、フィリップ・マーロウが主役の、その時代を背景にしたロス・アンジェルスを舞台にした男女の愛憎や二転三転するプロットと、変わらぬ男の友情を描いた、改めて清水俊二の訳による『長いお別れ』も読んでみたくなるような傑作である。
・「甦ったのは?」
人は愛する者達を突然失った時どう立ち直れるのか、訳文の巧みさもあって、胸を打つものがある。チャンドラーのミステリー小説この作の前の「さよなら、愛しき人」と一緒に読むとテーマがミステリーというだけの純文学の一端みたいに思える。独特のスタイルで惹きつけられてとにかく面白い。
・「こちら大庭葉蔵です」
ペットサウンズ解説書。
あくまで作者の目線から見た解説書。
でも私とほぼ同意見。
てか本当にペットサウンズを理解している人の考えを言葉にしてあります。
ペットサウンズを何も理解していない若造は必読。
村上春樹は特に関係ありません。
大庭葉蔵
・「もう一度アタック」
この難物「ペットサウンズ」には何回アタックしたか数え切れない。レコード、CD(何種類か持っている)。正直なところ村上春樹の訳者の後書きから読む。ビートルズの「サージャント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と「ペット・サウンズ」の比較がビートルズ・ファン(ビーチ・ボーイズも好きなんですけど)としては内心穏やかでない気持ちはあるが納得する。40年間にサージャントはややきらめきが落ちたのは否めない。まあそれまでが輝きすぎたという解釈も成り立ちますが。僕としては「スマイル」は絶賛。ただこの「ペット・サウンズ」は40年間何度聞いてもしっくり来ない。まあこの本を読んで再挑戦ということになるんですが、この僕にとってのこの難物 心を開いてくれますかね??
・「買いです。」
「ペット・サウンズ」自体がいろいろないわくをまとった作品であるので、本書のアナウンスを最初に目にしたとき、半年ほど前に読んだグリール・マーカスの「ライク・ア・ローリング・ストーン」のような作品をイメージしていましたが、しかし、もしそうであれば「ペット・サウンズ・セッション」という4枚組のCDに付けられた詳細なブックレットと重複する部分がきっと多かったりするはずで、あまり期待できないなとか漠然と考えていました。しかし、結論から言えば、本書は私的あるいは自伝的「ペット・サウンズ」記とでもいったらよいような、よく言えば、自分のような後追いの「ペット・サウンズ」世代には当時の空気を体感させてもらえるよすがと言えば言えますが、悪く言えば「ペット・サウンズ」に限らず名盤と呼ばれる聞き継がれてきた作品には数限りなく存在するであろう、その作品との関わりの個人史とでもいえる類いの作品です。三浦久の「追憶の60年代カリフォルニア―すべてはディランの歌から始まった 」(平凡社新書)と同様、個人的にはとても楽しめました。ただ、クレストブックで出されるにはすこし違和感もありますが。
・「勉強にはなります」
「ペット・サウンズ」よりヴァン・ダイク・パークスを先に聞いてしまった世代(55年生まれ)としては、「ペット・サウンズ」のすごさは気になりつつも、いまひとつピンときていませんでした。今回あらためてこの本を読んで、ぴんと来なかったゆえに真面目に読まないでいた歌詞カードを読み返したりして、ポップソングに秘められた青春の苦悩、ブライアンの内面のようなものが見えてきた気がします。文章についてはコード進行やアレンジについての記述も多く、分からない部分も多いです。村上春樹さんの訳でなかったら通り過ぎてしまったかもしれません。そういう意味も含めて、この本が出てよかった、読めてよかったと思います。
・「もう一度聴いてみようか!」
ここ何年か、村上春樹の新訳が続いている。チャンドラーの”ロング・グッドバイ”、ガーバーの”頼むから静かにしてくれ!”等々と続き、今回の”ペット・サウンズ”。しかし、この本ばかりは、訳者のあとがきを読む限り、オリジナルの作者に惚れた村上が翻訳をかった出たわけではなさそうだ。単純に、ビーチ・ボーイズの”ペット・サウンズ”が好きになったからである。私は、「あの」村上が訳しているという理由とカバーが良かったので、というか、いわゆる「ジャケ買い」の勢いで買ったのだ。決して、ビーチ・ボーイズの大ファンでもない。ましてや、”ペット・サウンズ”がロック界最高のアルバムであるという最近の雰囲気にも、素直に賛成は出来かねる。じゃあ、「あのサージェントが一番か?」という気持ちにもなれない。 村上によれば、「世の中には二種類の人間がいる。”ペット・サウンズ”を好きな人と、好きじゃない人だ」。ビーチ・ボーイズが好きでもこの”ペット・サウンズ”が好きじゃない人がいる。メンバーのマイク・ラブ自身もそのようだ。 この本を読んで、もう一度CDを聴いてみた。私自身、LPでは持っていないのだ、CDになってから手に入れた。久しぶりに聴く。悪くはない。この本にインスパイアされたのかどうか、細かな音が気にかかる。ブライアンの性格、家族関係、恋愛、変な親父マリー等々・・・・・このアルバムに反映されているのか? 本書に村上のこんな訳文がある。「スループ・ジョン・B」という曲をバンドに紹介したのはアル・ジャーディンで、それはブライアンによって見事に換骨奪胎された。」とある。 「換骨堕胎」、それにしても何でこんな訳文を使ったのだろう。 また、新潮社の思惑かどうか知らないが、村上はこの本と同時にカポーティーの”ティファニー”も訳している。書店の店頭には、二冊が並んで販売されているのもなかなか面白い。
・「コステロ&フリゼール共演盤」
コステロとビル・フリゼール二人だけのライヴ盤。限定発売の為聞いてない人も多いと思いますが、これはかなりの必聴盤です。コステロの楽曲、ミンガス・トリビュートでの初共演曲の再演など選曲もたまらないです。アルバム「GOOD BYU CRUEL WORLD」からの「LOVE FIELD」はアルバムヴァージョンを超えています。「BLOOD & CHOCOLATE」の「POOR NAPOLEON」は楽曲が更に魅力的なものになっています。
言葉にするのが難しいですが、両者のファンならば必ず納得できる名盤だと思います。
・「ピースの未発表テイクだけでも買いです」
チェットがエンヤと組んだ初めての作品。叙情的だしピアノがいない分かえってスペースが生まれ、チェットの“間”が素晴らしく活きています。マリンバの音の余韻の上をチェットのダークなトランペットが泳ぐのは、もうゾクゾクしちゃいます。ホレス・シルヴァーの名曲“ピース”の別テイクがあったなんて、それだけでも買いでした。チェットの唄心が伝わる最高の一曲です。80年代は数々のレコーディングを残していますが、その中でもニューヨークでの本セッションは最良の録音だと思います。ジョー・チェンやバスターのリズムもふくよかで、チェットのファットなサウンドにはパーフェクトです。ボリューム上げて浸りたいアルバムです。
・「デヴィッド・フリードマンが叩き出す独特の浮遊感」
チェット・ベイカー・ファンには申し訳ないが、デヴィッド・フリードマンへの興味から、本作を手にした。 彼のマリンバやヴァイブは、独特の浮遊感や色彩感があり、好きだ。 その彼を巻き込んで、チェットがいかなる音楽を紡ぎ出したのか? しかも、リズム・セクションは、バスター・ウイリアムスとジョー・チェンバースという(自分的には)スーパー・ミドル級の選手だ。 なにやら、微妙なミスマッチの予感が… …しかし、実際に聞いてみると、音楽そのものがなんともいえない浮遊感というか、絶妙なバランスを保持していて、これはこれでよくできた作品だと感じた。ウエットで温かみのあるペットのサウンドと、やや乾いて硬質なマリンバ/ヴァイブのサウンドが、まろやかに溶け合っている。一種のニューエイジ・ミュージックとしても聴けるのではないか? 演奏だけではなく、フリードマンの作曲も良い。 チェット・ベイカーの熱心なファンは本作をどのように評価しているかは分からないが、デヴィッド・フリードマン・ファンとしては、良盤の評価をつけたい。
・「最後の夏の日」
「カリフォルニア・ガールズ」で有名な一枚だが、アルバム全体も上手くまとめられ、大変完成度の高いアルバムである。「トゥデイ」で感じられた、がむしゃらな編曲とは違って、余裕すら感じさせる音作りは、ブライアンの音楽が完成期を迎えつつあるのが分かる。しかしこのアルバムは、同時に実験作でもある。通俗と実験を巧みに織り交ぜ、ブライアンはさりげなく、最高傑作「ペット・サウンズ」への挑戦状を差し出したのだ。ブライアンが贈る最後の「サマー・デイズ」だった。
・「贅沢な夏の1枚」
「ビーチボーイズ・トゥデイ」に続く作品で製作時期も近いが、一転して開放的な作品。初期と同じ海モノ・夏モノながら、一段と深みを増し脂の乗った曲が楽しめる。 まず「カリフォルニア・ガールズ」。イントロ1発で世界が広がり、こういうのは任せろとばかりにマイクが歌い出す。曲も演奏も凝りに凝っていながら、ノー天気に歌い飛ばすブライアンの声も痛快だ。 さらに力作「レット・ヒム・ラン・ワイルド」。ボーナスで別テイクも入っているが、断然このOKテイクが良い。 だが更にお勧めは「素敵な君」「恋の夏」の2曲。ダンダンダダダダと「素敵な君」が始まると、それまでの曲すら吹っ飛んでしまう。ブライアンの伸びやかな歌いっぷりもコーラスも最高だ。 そして「恋の夏」。心地よくも切なく、夏の海が見事に浮かぶ名曲。まさに至福の時である。
・「こちら大庭葉蔵です。」
前半は休みの日に飛び出したくなるような曲たち
後半はクオリティの高いまさにビーチボーイズの曲たち
このアルバムは確実にビーチボーイズが変わっていることを物語っているのよさ
何か次のアルバムはすごいことになりそうな予感がするのよさ
ジャケットにはアルがいないのは裏ジャケで本人が謝ってるよ。アルってとってもファンキーなのよさ。
大庭葉蔵
●スマイル
・「時代を超える古典!」
1966年から制作されるも、様々な理由からお蔵入りになっていた、ビーチ・ボーイズによる幻の野心作『スマイル』。リーダーのブライアン・ウィルソンは、天才的能力を持っていたにも拘わらず、その挫折等が引き金となり重度の精神障害に至ってしまった。そして、21世紀初頭、突然世界中の音楽ファンに向けて信じられないニュースが飛び込んで来た。当時25歳だった彼が実に37年の歳月を経て復調し、過去の記憶を元に再びアルバムを構築している!と、更に最新技術のサポートを得て、壊れた天才が満を持して全曲を新たにレコーディング中!との事だった。かって時代の先頭を走るプログレッシブ・ロック・オペラとして構想された『スマイル』を「あまりに進み過ぎていた、未完に終わったのには社会的調和さえ感じる」とクールに語っていた朋友ヴァン・ダイク・パークス(作詞担当)、そして、ブライアンの音楽への愛情と優れたテクニックを持ち合わせた彼のバンドと共に...。とても冷静でいられる様な状態じゃなかった。伝説が遂にその全貌を現そうとしていた。
『グリンプス』というSF小説がある。タイム・スリップする能力を身に付けた主人公が、当時のブライアンに会いに行き、数々の障害を越えて『スマイル』を完成に導き、遂にはそれを聴くという話。まさにその主人公になった気分。かっての技巧的でありながら情感に満ちた、天使の様なブライアンの歌声はすっかり失われてしまったけれど、それを忘れさせてくれる程、全体に躍動感が満ち溢れていて、とにかく爽快! 彼岸から呼んでるかの如き、幽玄でミステリアスなオリジナルは、勿論素晴らしかったけれど、こんな晴れやかで楽しい感じはなかった。まさに『微笑み』! まるで良質の歌劇を聴いているようだ、特に「Wonderful」(バックのヨーデルも復活)から「Surfs Up」(新たに加わったストリングスも効果的)への流れは圧巻です。
バンドの要であるワンダーミンツを評して、ブライアンが以前言っていた言葉を思い出した。「もし彼らが60年代に居てくれたら僕も『スマイル』を完成出来たかもしれない。」あれってお世辞じゃなかったんだ(笑)。時折不安定になるブライアンを全力で支え、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。最大のライバルであったポール・マッカートニーも当時を振り返り「自分も含めて、今までみんな何をやってきたのだろう。どこが進歩したのだろう?」と嘆いた。確かに今現在、何処にこれだけの傑作があるというのか?これは時代を超える古典である。そして、この作品を誰よりも待ち望んでいた弟カールを想うと涙が止まらない。合唱!
・「ボーナストラックはなしでいい。「スマイル」そのものを聴きたいから、輸入版。」
日本版はボーナストラックが2曲つくそうですが、それではブートなどで氾濫している資料的なCDと同じ意味になってしまうのではないでしょうか?あの伝説の「スマイル」が、ブライアンによって初めて一つの「作品」として世に出るのですから、この輸入版でまず「スマイル」という「資料」ではない、「作品」を堪能してみたいと思います。
それにしても、「Good Vibrations」が最後に来るとは実に意外ではないですか! ブライアンがそうするのであれば、ボーナストラックで終わるのではなく、「Good Vibrations」で終わる「スマイル」を心して聴きたい。 37年間、みんなが待った結論がこれなんだから。でしょ?
・「混乱からの帰結、あるいは「天空のシンフォニー」」
アンサンブルステレオで「ペットサウンズ」の赤盤を擦り切れるほど聴いていた中学生の僕が、「スマイル」の制作を知ったのは37年前のことだった。期待に胸躍らせていた僕が手にした「スマイリースマイル」には、なにかしら齟齬感があった。「スマイル」制作をめぐるブライアンの混乱を知ったのは、数年後のことだった。何曲かが公式発表され、さらにブートが出回るようになった80年代には、「スマイル」の香りを求めて、彷徨っていた。 そして、「スマイル」ツアーとアルバムの完成・発売。信じられない気持ちだ。正直、生きててよかったと思う。企画した妻メリンダの商魂はともかく、裏方として尽力したワンダーミンツのダリアン・サハナジャとジョフリー・フォスケットには頭の下がる思いだ。 「英雄と悪漢」による軽快な滑り出しから、第2部の要となる「サーフズ・アップ」、そして「グッド・ヴァイブレーションズ」での大団円。ヴァン・ダイクの不可思議な世界と、ブライアンの紡ぎ出すメロディラインは、夢見心地のめくるめく47分間。まさに、天空から降りてきたようなポップシンフォニーだ。夢が形になってしまったことへの危うい不安が、えもいわれぬ喜びに変わるのだからたまらない。ブライアンありがとうと言いたい。 2004年版「スマイル」が、ブライアンの幾多の混乱からの本当の帰結となりますように。
・「間違いなくブライアン・ウイルソンの傑作である。」
SMILE発売のニュースを聞いて、長い間忘れていた「発売が待ちどうしい・・・」という気持ちを思い出した。ブライアン・ウイルソンにとってSMILEは「思い残すこと」かどうかは知らないが1967年から37年間、発売を待ち続けた多くのリスナーにとっては確実に「思い残すこと」であったと思う。 残念ながら版権のためかジャケットはオリジナルのものとは異なるのだが、音的には新録でありながら当時の音を再現しているように思える。 この盤を聴いた後にPet Soundを聴いてみると、そのことが良くわかるのだが双方の音にあまり違和感は感じられない。 このことがファンをさらに喜ばせるだろう。 37年の間、偽りの多い海賊盤に悩まされ、何とか輪郭だけでも知りたいと苦労して自ら様々な音源を編集して聴いていた多くのリスナーもこれで少しは救われるとことだろう。 私も思い残すことはないほど気に入ってしまった。それどころかこんなにいい音で聴けるのだから21世紀になって録音し直してヨカッタヨカッタなどと思ってしまう。 そしてNONESUCHから発売されているということもなんだか誇らしくていい。 これは間違いなくブライアン・ウイルソンの傑作である。
・「対訳付きは国内盤のメリット」
全曲を「初体験」できる人が羨ましい。37年の執念の賜物ですが深刻な音楽ではありません。考え抜かれ、洗練された、無邪気で暖かな音楽です。モーツァルトのような。いたずら好きな子供のような。長調の。iTunesに取り込むときは、1-6、7-10、11-17をトラック結合で。
・「生と死を語る。」
帯には「現代人の生と死を問う」とある。まさにその通りの対談。しかし、変に難しい内容ではなく、ざっくばらんに語られている。お坊さんになりたかった小説家京極夏彦氏、宗教民俗学で有名な山折哲雄氏、僧侶である松原泰道師、歴史関係の著作で有名な梅原猛氏、作家の立松和平氏、五木寛之氏など、様々な分野の人たちと語る生と死。どの対談も自分の中に何かを残してくれた気がする。
・「解釈のレンジ」
1973年3月11日から1976年5月24日にかけて録音。この録音の様子は実はブルーノ・モンサンジョンの映像4部作『音楽のいくつかの道』(1974年)の第二部に登場する。グールドはアーキュレーション、アゴーギク、デュナーミクを変えながら様々にこの曲を弾く。その度に新しい解釈が生まれ、解釈のレンジがどんどん広がっていく様が解る貴重な映像である。グールドのレコーディングというのはどういうものだったのか、が理解出来る。
イギリス組曲も愛しき新妻アンナ・マグダレーナのために最初に作られたと考えられる曲である。イギリス組曲・フランス組曲・パルティータはいずれも新婚早々に妻のために書いた2冊の『アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集』に由来するからだ。フランス組曲とイギリス組曲の構成の差、それはアルマンドの前にプレリュードを持っていることである。よってフランス組曲を『小組曲』、イギリス組曲を『大組曲』と呼ぶこともできる。演奏してみるとこのプレリュードの部分が長大で、CD2枚にイギリス組曲がなってしまうのも無理はないと思う。
つまりイギリス組曲はプレリュードで決まる、と僕は思う。グールドが3年の歳月を費やして解釈したこの録音の解釈の奥に幾多の解釈のレンジが存在することに感動を覚える。
・「輝かしく気品高く、そして楽しい名盤」
古楽器による演奏はすっかり定着したが、この盤が登場した1980年代半ばは、まだまだ古楽器演奏をキワモノ扱いする向きも多かった。しかしこの演奏は、そんな偏見もすっかり吹き飛ばす素晴らしい輝きを放ち、その輝きは今でも全く衰えることがない。
リズムはみずみずしく跳ね、純粋を極めた響きは気品を放ち、いまそこでバッハの芸術が生まれいでているかのような生命力を感じさせる。
バッハやバロック、古楽器の入門ディスクとしても第一に推奨したい名演奏、名盤だ。
・「“ムラカミ”の称号は抜きにしても、今年屈指のエンタメ小説である事には間違いない。」
遅まきながらBOOK2まで読了した。自分は村上文学の熱心な読者ではないし、創作に当たり強く意識したと言われるジョージ・オーウェルの「1984年」もずっと昔に一度読んだきりだ。過去の作品群との対比や裏目読み、解析などは他の方々にお任せして、以下は、200万部を突破した超話題作の感想として。美しき殺し屋と作家志望の予備校講師。同世代と言う事以外一見何の関連性もないふたりの主人公の“日常”が交互に語られる。物語がどこで連環しダイナミックに動いていくのか、初めこそ気になったが、各々のパートが興味深く面白い為、いつしかふたりのドラマをひたすら追い続ける事になる。文学者の原石とも言える天才少女、誰もが思い当たる社会的事件を引き起こしたカルト集団、何故か主人公が知らぬ間に世の中が変質している不可解さ。チェーホフ、ふたつの月、空気さなぎ、リトル・ピープル、そしてビッグ・ブラザー、、、。張り巡らされた数々の伏線にイメージが膨らみ、作者の刺激的な企みに眩惑されるが、根っこにあるのは、サスペンス、ハードボイルド、社会派、そしてもちろん「恋愛」の物語。こちらの世界とあちらの世界、善と悪、光と闇のせめぎ合いと暗闘、そして、その彼方にある結末。無垢で艶やかな清新さ、孤独感と緊張感、混沌と黎明、そして、邂逅から死へ全てを包括し極北まで踏み込んでいく絶対的で至上な愛。直載的でストイックな青豆のパートと、今までの村上ワールドの延長上にあるような天吾のパート。個人的には、その屹立した仕事ぶりと一夜限りの男の嗜好に、膨らみそこねたパン生地みたいな不均等で貧弱な胸への愛おしさ、そして、タマルとの関係に瞬時生まれる孤高のプロフェッショナル同士のある種の共鳴と接合まで、実に魅力的な青豆のキャラクターに心惹かれる。BOOK3に繋がっていく今後の展開に期待しつつも、スピンオフとして、是非もうひとりの彼女を主役にハードボイルドな作品も読んでみたい。次に日本人としてノーベル賞を受賞すると期待のかかる文学者の手によるものとしては、意外なほどクールな中にパッショネートでエモーショナルな部分を感じる今作、当レビュー上では必ずしも絶賛とは言えないようだが、今年屈指のエンタメ小説である事には間違いない。
・「こんなに売れるのは不思議だ・・・・」
村上春樹の作品は中学時代にノルウェイの森を読んで以来、ほぼ全て読んできた。ベストセラー作家であり、ノーベル賞候補に名が挙がる現代最高の作家の一人であろう。
しかし個人的な意見ではあるが、彼の小説はあまり万人向けとは言えないと思う。ミステリー小説のように起承転結はあまりなく、謎は謎のまま放置されるケースも多い。また本作のリトルピープルやかつての羊男、または空から魚が降ってきたり、とにかく非現実的なこと、超常現象的なことが必ずといっていいほど盛り込まれている。極めて不自然で非現実的なことが。それでありながら文体はいささか比喩がオシャレすぎるきらいはあるが、リアリティーがあり、生活感があり、存在感がある。また彼が意図的に用いる芸術や文学、音楽などの表現も一般的な日本人にはなじみにくいものが多いように思う。
多くの読者は村上氏の美しい文体に魅せられるのだろうか?ちょっと過激で奔放な性描写に惹かれるのだろうか?物語に非現実性と文体のリアリティーのギャップを愉しむのだろうか?解説本を読むと驚くほど出てくる謎かけを探すのだろうか?それともただ流行っているから興味がわくのだろうか?
個人的には大好きな作家だし、本作もとりあえずBook 1は面白かった。しかしこれほど売れるのは不思議だなあ・・・・・
・「答えより問いが大事」
この1Q84を買ったとき、たまたま一緒に茂木健一郎・南直哉の「人は死ぬから生きられる」という新書を買いました。その本を読んでから、1Q84を読んだので非常に村上春樹の世界観がクリアに届いてきたように思えます。
・「ただ、純粋に面白い物語として」
ようやく、ようやく読みました。なかなか読み始めることができなくて…。
できるだけ、心に何もない状態でよみたかったのです。普段、どんな大物作家でも新人作家でも、ベストセラーでも売れない本でもその歴史ではなく作品自体への感想を、自分なりに持ちたいと思っているけれど村上春樹という存在はとても大きい。大き過ぎる期待やら厳しすぎる批評眼やら、読む前にいろんなフィルターがかかります。もともとがどちらかというとアンチ気味だったので実際これだけ売れると、ほんとに面白いの?という意地悪な気持ちになったりもする。
ようやく自然にこの物語の世界に入れたと思うのでできるだけ、素直な感想を書きたいと思います。
単純な感想を一言で言うと、「すごく面白かった!」です。
天吾と青豆、交互の視点で進む構成。二つの月という現象で、微妙にずれていく現実世界の感覚もいい。なにより、その文章。おそらくこの作家さんの特徴であるところの、読む人を突き放すような、固有名詞を多用したり、回りくどく現実味のない比喩表現も言葉がその言葉自体の意味を失って、別の意味を伝える記号のようになるような…観念的な感じがして登場人物たちに、物語の世界に、近づいて行けた。物語の進行は、たくさん迂回するようでもあるけれど読めば読むほど、「余分なものは省かれ、必要なものは書き込まれた文章」。作中作品『空気さなぎ』の評価として書かれたことそのものが、この作品に当てはまるように思いました。最近わりと良く見かけるようになった、勢いで書かれたような文章とはまるで違う、推敲しつくされた文章なのです。えらそうな言い方かもしれないですが大物作家村上春樹は、油断することなく前に進んでいる作家なのだと感じました。
発売直後から続編の噂が囁かれ、最近実際に3巻の予告もでましたけれどわたしはこのまま終ってくれても良かったです。謎が解明されず、結末が解決にならないままでも、十分完結してるように思えたので…。もちろん出るなら楽しみに待ちますけれど。どこで終らせるかは、作家の力量が試される大きな部分だと思うので作家自身にも、読者にも、もうこれ以上はない、と思えるような最終巻を楽しみにします。
絶賛になっちゃいました。これまで苦手だったのですけど。発売前からこれだけ話題になるような作家さんはプレッシャーも多くて大変そう…なんて思ってましたが村上春樹は期待しすぎても大丈夫!そんな信頼が生まれた作品でした。
・「失われた幸せな子供時代と孤独な魂」
「ノルウエーの森」以来と言っていいほど共感しながら、Book1・2をどっぷりとはまり込んで面白く読めた。
・「それは嘘だ。」
「たとえ何が待ち受けていようと、彼はこの月の二つある世界を生き延び、歩むべき道を見いだしていくだろう。この温もりさえ忘れさえしなければ、この心を失いさえしなければ」
この文章で終わるBOOK2の終盤に書かれている一文を読んで、この小説を買って良かったと思えた。僕にとって、村上春樹の作品で一番好きなのは『風の歌を聴け』だ。いまとなってはもう読むことのできない作風のデビュー作こそが、僕にとっての村上春樹のベストだ。だから『1Q84』という作品はナンバーワンではないし、『風の歌を聴け』のような作品が今後発表されるとは思えないから、この先、村上春樹が書く作品がデビュー作以上に好きになることはないと思う。けれど、それでもこの作品は好きだ。
月が二つあるような世界が現実にだってある、と僕は思っている。どうしてこんな目にはあわなくてならないのか、どうやったらこの現実を切り拓けるんだ。そんな風に悶え苦しむ瞬間が、僕には月がふたつあるような信じられない、逃げ出したくなる世界に思えてしまう。でも自分の生きている世界からは決して逃れられない。だったら、この世界で生きていく。自分が大切にするものが何か、それさえ見失わなければ生きていける。僕は冒頭に取り上げた文章を読んでそう思えたし、『1Q84』を読めてこの世界で生きる覚悟がもらえて幸せだった。
村上春樹の作品を嫌いな人は多いと思う。事実、僕のまわりにもいる。何を言っているのかわからない。中途半端に物語が完結する。そんな感想をよく聞く。でも自分にはその批判される特徴が魅力なわけである。何を言っているのかわからない、中途半端に物語が完結するところがすごく好きなのだ。僕はあいまいなものほど、魅力を感じてしまう。あいまいだからこそ、いろんな世界に見える。あいまいだからこそ、自分の一番美しい世界に捉えられる。村上春樹の作品にはそんな自由がある。
大切なのは村上春樹が何を言おうとしているのかを読み取ることではなく、村上春樹の書いた文章を自分がどう捉えるのか。そんなふうに読めば村上春樹の作品は楽しい。『1Q84』にはそんな文章がところどころに散らばっていて、非常に楽しい。
僕は夏目漱石と芥川龍之介が好きだ。漱石の人間の心をこれでもかと深く描写する力は天才だと思えるし、芥川の美しい文章は物語がつまらなくてもその美しい文章を読んでいるだけですごく楽しい。村上春樹には漱石ほどの深い心理描写があるわけではないし、芥川ほどの文章の魅力を感じるわけではない(ただし『風の歌を聴け』は別。あの文章は美しい。特に第一章)。けれど彼らの作品を愛する僕でも、村上春樹は次の作品が気になる数少ない小説家だ。
「言わなくてもわかる」
こんな発言をこれまで何度か聞いてきた。相手が何を考えているのか言わなくてもわかる。そんな意味として。でも僕はそれは嘘だと思っている。その人が、心の底で何を考えているのかなんてその人以外にはわかるわけがない。だから登場人物の心理が深く描写されてない小説があっても良い。
「わからないからこそ楽しいんだ。答えのないものほど、面白いことはない」
・「引っ掛かりを覚える箇所も、顛末も、読み手に委ねられている」
これまでの人生のどこかで時間や場所を共有した、もう交わることはないかもしれない人たち。
そういう人たちのことを想ったり、考えたりすることをどこか非生産的で、後ろめたい作業のように考えていた私は背中を押される思いがした。
一体何に遠慮していたのだろう。気になる人のことは、好きなだけ考えればいいじゃないかと。
会ったり、話したりすることだけが人と関わることのすべてではない。
“その人のことを忘れない”。これもまた、関わり方のひとつのカタチなんじゃないだろうか。
そんな思いを巡らせる、上下2巻の旅でした。
・「細部まで丁寧に書かれた一冊」
上巻ではどうしても物語の背景や登場人物を把握する方に注意が向かってしまいましたが、下巻では物語の展開は少しスローダウンして、丁寧に描かれる主人公たちの深い内面にグイグイ引き込まれていきました。
語彙の豊富さや比ゆの独創性、世界中の文学からの引用、なにより個性豊かなキャラクター達、これらが多くの人をひきつけ続ける魅力でしょうか?
神秘的な雰囲気をもついくつかのシーンは、強く、せつなく、胸に訴えかけてきて、頭の中に美しいイメージとして残る気がします。
全体を通して青豆さんを大好きになると同時に、純粋に人を好きになるってイイんだなあ、とちょっと感じ方が変わりました。
この本がきっかけになって、気づいたら「200Q」年に入り込んでいるかも!!
・「ひとりぼっちが二人」
NHK集金に日曜日毎に付き合わされた少年が30を迎える前夜にこれまでにない世界に巻き込まれ、自身を省みる物語。BOOK2を読了した直後は、月が2つになり、リトルピープルがざわざわする、パラレルワールドぶりに、クラクラしてしまっていたけど、BOOK1を改めてみかえすと要は、ひとりぼっちの二人が、それぞれいかにひとりぼっちか、ということを丁寧に描いている。現代小説ならば、孤独な人間は劇的装置によって、新しい自分を発見し、これまでなかった他者との関わりを築いていくもんかな、と思うが、ここでは逆に自分だけの王国を築いてしまう。性的な暴力や、集団の恐ろしさや下卑た人間や、集金父やボディーガードタマル世代(つまり親世代)が抱えた戦争と貧乏、だらけの世界で自分がひとりぼっちなことを認識して、削ぎ落としていくとどうなるのか、
ひとりぼっちの二人は好きな人に会いたくなる、そんな単純なことを描いてる、だからとても良い話と思う。
・「青豆さんと天吾くん」
村上春樹『1Q84』新潮社
やっとこさ読み終えました。毎日毎日、数章づつ大切に読み進めていたら、もう終わってしまいました。もう読む章がないのは、なんとも寂しい限りです。
青豆さんと天吾くんの物語は、互いに引き寄せ合いながら、大きな渦となって、ぼくやら他の読者もろともに、巻き込んで進んで行きました。きっと、多くの読者たちも、あの渦に呑まれてしまったように思うのです。
高校生の頃から村上さんの本は読みつづけています。
その間、ずいぶんといろんな本を読んできて、文学理論的なあれこれに関しても、「メタ物語」であるとか「神の視点」だとか「パラレル・ワールド」やら「父の不在」果てには「エディプス・コンプレックス」といった鍵概念について、なんらかの知識も手にしてきたのです。頭でっかちになったのです。
それは、ぼくの小説の読み方になんらかの影響を与えています。良い悪いに関係なく。どうしようもなく。
そんな文学理論はきれいに戸棚の上に閉まっておけばいいのですが、小説を読むさいぼくにとってなによりも重要なのは、最後の頁をめくって目を上げた時に見える風景がちょっぴりと変わってしまう、あの感覚を味わうことなのです。
残念なことではあるのですが、年を重ねるにつれ、いろんな本を読み進めた結果か、そういう純粋な経験をすることが少なくなっています。正直な話、昔のままではいられないのです。
そんなこんなで村上さんの新刊です。
久しぶりにその感覚が味わえたように思います。
空には月が二つ浮かんでいるし、本屋では『空気さなぎ』が平積みになってます。でも天吾くんも言っているように、月が一個しかなくても、二個あっても、三個あっても、結局のところ天吾という人間はたった一人しかいない、のです。「そう、話のポイントは月にあるのではない。彼自身にあるのだ」
世界が変わってしまったとしても、問題はぼくの側にあるのです。
・「素晴らしいメロディ素晴らしい演奏」
ブライアンは最近「ポール・マッカートニーと仕事がしたい」と語ったらしいが、この新作を聴くと、逆にポールから「一緒に仕事したい」と頼みに行った方がいいんじゃないかとさえ思う。
正直ポールファンなんだけど、新作に関してはブライアンの圧勝と認めざるを得ない。
この年齢になってピークが来るなんて前例がないと思うけど才能が枯れるどころか湧水のように溢れ出てる。凄いな。
・「最近のソロ作でbest ! だと思った。」
先週末、出張先のドイツで町を歩いていると、あのブライアンの声が聞こえてきた。。melodyもコーラスも最高にいいじゃない!でも聴いた事ないぞ、、、Wow ! 新譜が出たのか!最近チェックしてなかったので嬉しいサプライズでした。早速アナログ盤を買ってきて、何度も聴きながらのレビューです(CD/DVDはいつものこちらで買います:-)
これはいいです、とっても良いです。今までのソロ作で、一番ビーチボーイズを感じる作、でもあります。楽曲・サウンドが瑞々しいのと、コーラスがビーチボーイズっぽいから、かもしれません。
まず、古巣のキャピタルに戻って良かったなあ、と思いました。(でもあんまりセールスでブライアンを苛めないでね、キャピタルさん。)アルバムのデザインからしてカッコイイ(バックデザインのブライアン、見てください。)。そして、楽曲も、僕は彼の1stソロ"Brian Wilson"に次いで素晴らしいと思います。サウンド(録音面で、最近のアルバムにあった、キツさ、みたいのがない。余裕があるんです)も、プロダクションも、一連のソロ作の中でベストとも言えるかニ。
僕はどちらかというと昨今のPet Sounds/Smile = Brian Wilson = Beach Boysというラインにはフィットしない方で、正直、Smileも含めた最近のソロ一連作は、積極的に聴く方ではありませんでした。どのaritistsよりもBrian, BB5が好きだし、ブライアンのコンサートは東京でもシカゴのHouse of Bluesにも行ったくらいの30年ファンなのに。
でもこの新作はもう、何度も何度も繰り返し聞いてます。とにかく、シンプルに曲・melodyが良いんです。アレンジも良い加減、ブライアンの歌も力が入ら過ぎず、イイ感じ。Pet sounds/Smileといった路線が好きな方は勿論気にいるでしょうし(アノ感じは十分にありますよーー!)、Pet Sounds前のビーチボーイズファンの方にも、そして素敵なPop musicが好きな方にも大お勧めです。
特に好きな所は。。。
Venice Beachが終わり、Live let liveが始まる所のオケや、Can't wait too long->Midnight's another dayの美しさ(ブライアンの歌唱も最高!)、そして、ストレートに今は亡き兄弟の事を歌っているSouthern California(「Oh, oh, oh, it's magical」のmelodyは、彼が今でも第一級のmelody makerだと思わせてくれます)
これから更に聞き込んでゆくぞーー。
Hey Bri, thanks again ! We love you ---
・「自信と創作意欲に満ちた、彼のソロ作中現時点での最高傑作(ただしあくまでも現時点での)」
この久々の本格的な新作は、いろいろな因縁のある古巣キャピトルに戻ってビーチ・ボーイズ時代と同じスタジオで作り上げたBrianの半自伝的作品と言われるアルバムである。_SMiLE_を作り上げ、彼が自身の人生にしっかり向き合えるほど回復したことが、音楽にも表れている。このアルバムは、「カリフォルニア組曲」ともいうべきVan Dyke Parksとの共作アルバム_Orange Crate Art_のもつ幸せだが淡いノスタルジーとちょっぴりのペーソスを感じさせる独特の雰囲気と、_Gettin’ In Over My Head_の陽性のエネルギーを掛け合わせて、_SMiLE_のように隙間なくつながれた見事な構成によって全体で一つのドラマティックかつシンフォニックな作品を作り上げている―言い換えれば、Brianの魅力が存分に発揮された作品だ。歌声もしっかりして自信にあふれている。
そうしたことは、付属のDVDを見ると一層はっきりとわかる。_SMiLE_のときにはBrianをその気にさせ彼の気分を維持させるのに周りのメンバーがかなり苦心していたようだが、このDVDに収められたメイキング映像に見られるBrianは、むしろ周りのメンバーに録音をせかしたり、その演奏を厳しい目でチェックしていたり、様々な指示を出したりと、自信と創作意欲に満ちている。彼自身の語る作品誕生の背景やメンバーたちのコメントが聴けるのも貴重だが、なにより彼のそうした姿が見られるのがうれしい。キャピトルのスタジオでの“Good Kind of Love”と“Forever She’ll Be My Surfer Girl”のライヴ映像でも、メンバーたちと一緒に素晴らしい歌と演奏を聴かせる。
このアルバムは、彼のソロ・アルバム中、現時点での最高傑作と言ってもよいだろう。もちろん、今後への期待を十分に抱かせるものでもあるから、これがピークだとは言わないが。
・「人生に「遅かった」なんてことないんだ」
完成版「スマイル」はすばらしかった。でも正直「スマイル」完成でもうブライアン伝説は完結したとも思った。『最終兵器』を出しちゃったら後やることあるのか、と思った。でもこの新作を聞いて、DVDのアグレッシブな創作過程を観て、ブライアンは本当に完全復活を遂げたのだと実感した。40年近く心身ぼろぼろの隠遁状態だった人が、20代の頃の創作意欲と才能を取り戻し、こんなにすばらしいブランニューの作品を届けてくれる。もちろん近しい人たちのサポートはあったにせよ、「自分さえその気があれば、人生いつからだってやりなおせるんだ」、そんなメッセージが(ブライアンが意図したかどうかに関わらず)びんびん伝わってくる。「ペットサウンズ」と同い年のぼくもがんばろう、と聴くたび思わせてくれる愛聴盤になりました。
・「最高到達点の更新!」
ブライアン・ウィルソンが自らの反省を省みて作成した、感動的な傑作です。キャピトルにもどったブライアンはかつての名作〈ペットサウンズ〉のときのように、絶対的な権威者として、演奏者にこまかく指示をだしています。そういう、風景がみられるので、ぜひ、DVDつきのCDの購入をお奨めします。CDの全体時間は38分あまりと短いのですが、展開は目まぐるしく、内容は濃い。ヴァンダイク作による、〈語り〉の朗読もまた渋い。特にラストの〈サザンカリフォルニア〉には胸を打たれます。この、世紀の天才の音楽の泉は決して涸れることはないのだと確信させられる、涙ちょちょ切れる名作です。来日ライブ、ぜひやってほしい。
・「甘く温かいサックスに酔う」
Ike Quebecの太くて温かいサウンドが良い。これほどハッキリした味の音を出すサックスは珍しい。甘くて低く通る声をもつ俳優に魅かれるように、彼のサックスの音を楽しむためだけに聴くのも価値がある。アルバム一枚を音の良さに酔いしれるのも好い。
名調子のメロディラインが流れるように続く。オルガンとの相性が好く、流れる雰囲気が益々と高まる。驚くようなテクニックやコンセプトは無いが、奇を衒わず、ひたすらブロウするサックスと流れるオルガン。深夜、寝る前、くつろいで聴くのに極上の一枚である。
・「哀愁の音色…」
ブルーノートにぴったりのその渋い音楽性だけでなくブルーノートレーベルにはなくてはならない存在だったのがこのアイク・ケベックとうテナーマンでそのキャリアは長く、スウィング時代にサックス奏者として活動を始めましたがスウィング派にも関わらず、モダンな感覚も持ち合わせていたがスタイル的には中途半端な感じだった。そのため一時期はミュージシャンとしての活動を停止せざるを得ませんでしたが、しかしその後ブルーノート・レーベルの運転手として(ライオンの専属運転手となる)、またタレント・スカウターとして活躍します。アルフレッド・ライオンにあの2人の天才バップ・ピアニストを紹介したのはこのケベックでした。その2人とは、モダン・ジャズピアノの始祖ともいえるセロニアス・モンクとバド・パウエルです。そんなケベックにライオンが再びレコーディングのチャンスを与えたのは、'58年のこと。ライオンの手伝いでミュージシャンをスタジオに送迎する運転手兼非公式の音楽ディレクターとして、またこの業界で活動をスタートしました。そして'61年にこの名盤を録音しました。
本盤ではブルージーでゴスペル調のオルガンを得意とするフレディー・ローチが更にアーシーな雰囲気にしてくれています♪ローチの弾くオルガンは時としてとてもホーリーでもありなにか、心の奥底まで清められるかのようなオルガンです♪ちなみにこのアルバムでは、この頃のオルガンものにしてはめずらしくベーシストが参加しています。そのためかより低音をいかしてソウルフルな曲調へとなっています。それにしても渋いです♪イントロから渋く始まる#1に、ローチの教会音楽のようなホーリーな雰囲気の中、ケベックが優しく、しかしどこか無骨にバラードを吹く美しい#2に、#1と同じようなアップテンポの曲#3、そしてまたケベックの「男泣き」するかのような渋いバラード#4、で、お次はG.ガーシュウィン作の#5の軽やかなリズム♪タイトル曲#6では、ケベックの無骨なまでの男気溢れる渋いテナーに合わせて、ローチもどこまでもアーシーにオルガンを弾ききる!!その後はまたまた泣けるフレーズで酔わせてくれる#7のバラードそして締めに(ボーナス・トラック除く)ナット・キング・コールで有名な#8を、持ち前の歌心溢れるテナーで情感たっぷりに1音1音をかみ締めるかのように吹くケベックのソロに思わず涙…リーダーが男気たっぷりに吹いてるときは誰もジャマはしないよ、って感じで、この曲ではベースとドラム抜きのソロ演奏♪#9のボーナス・トラックは一転して明るい曲調で楽しい曲。心に染み渡るまで聴いて欲しい…そこにはアルフレッド・ライオンの、いやブルーノート・レーベルという会社に愛された男の「哀愁の音色」が鳴っているはずだ…
・「『ビリー・ホリデイ/奇妙な果実』」
なんて感情を押させて歌う人なんだろうと、ビリー・ホリデイの歌声を聴く度に思ってしまう。黒人のリンチと言う重い主題の「奇妙な果実」をビリー・ホリデイは情景をメロディに込めて歌い描く事だけに専念している。そして耳を傾けた聞き手は描かれた情景の辛辣さに身動きが出来なくなってしまう。このアルバムに収録されている「奇妙な果実」の初録音(39年)テイクは幾つか録音された「奇妙な果実」の中でも有名な音源で聴いてみればその素晴らしさは誰もが感じ取る事が出来るだろう。収録されている⑤「ハウ・アム・アイ・トゥ・ノウ」~⑯「明るい表通り」は44年に録音された音源だが、ビリー・ホリデイのフレージングは大胆であり木目細やかさにより磨きがかかっている。特に恋人との別離を歌った「アイル・ビー・シーイング・ユー」は止めどなく涙が溢れ零れてしまって仕方がない。
・「ビリーホリデー」
ビリーホリデーのCDは2枚目ですが、声に不思議な感覚を憶え哀愁を感じて引き込まれました。奇妙な果実は在庫切れがほとんどで入手できたので凄く嬉しかったです。ビリーホリデーの歌声とメロディーは、私の精神安定剤です。
・「生き方と歌とが渾然一体となる圧倒的説得力」
「奇妙な果実」の意味を知れば、ビリー・ホリデイがどのようなタイプの歌い手か想像がつくはずです。つまり、魂の歌い手です。歌が彼女の生き方とも混在一体となって、彼女の人生そのものに聞こえてくるのです。圧倒的な説得力です。
彼女の全盛期の歌声は残っていないなどとも言われたりしますが、その意味では、このアルバムは貴重な財産です。エラ・フィッツジェラルドの楽しい歌声も、サラ・ヴォーンのテクニックもジャズヴォーカルの醍醐味ではありますが、ビリー・ホリデイの魂の叫びを聞くのも悪くはありません。
彼女の生き方に思いをはせながら、静かにこのアルバムを楽しんでみるのも良いものです。
・「雨の日の新宿だった。」
紀伊國屋でダン・ローズの「ティモレオン」を購入した帰り、駅前の某大型CD店でたまたま試聴したのがコンタクトのこの曲だった。 「ティモレオン」を読みながら、CDをききながら、なんだか両者は渾然一体となって私のなかでつながった。本当に愛してくれてる相手を間違っちゃいけない。裏切っちゃいけない。たとえそれが犬だろうと。というのが「ティモレオン」を読んで私が思ったこと。そして、中ジャケにはグーゼンなんだか、犬がいて、それもやっぱりティモレオンと重なっていく。清水くんは「ティモレオン」を読んだんだろうか?
・「滋味溢れる1枚」
ジョー.ワイルダーはクラーク.テリーと同世代のベテラン。87歳の今尚健在。この人も巧い人で、この録音の翌年からABC-TVのスタッフミュージシャンとして活躍したので個人名義のアルバムがないのが痛い。経歴を見るとクラシカルな鍛錬もしていたようで、世間ではブッカー.リトルがそうした最初のラッパといわれますが、実はこの人の方が先だし、確かにクラシカルな素養があるようなフレーズも随所に見えます。ソロのスタイルはビバップ以前のスタイルの痕跡を残しつつ非常に良く歌うスタイルで、今聴くとある意味新鮮だったりします。オープニングはチェロキーですが、大抵アップテンポで早いフレーズ見せつけ大会になりがちなこの曲でゆったり、のんびり歌ってるのも新鮮です。ハンク.ジョーンズの美しいピアノのタッチもあって、非常に風格のある作品になっていると思います。この人、この1枚しかないからどうしても埋もれがちですが、一部好事家しか知らないのは勿体ない。良いアルバムですよ。
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