予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (詳細)
ダン アリエリー(著), Dan Ariely(著), 熊谷 淳子(翻訳)
「合理的人間」「行動経済学のわかりやすい実例と入門」「人間というのは...なんとも非合理的.... [2008/9/28原書review]」「経済学・・・・・ではなく人間学かもしれませんが」「経済学+心理学=行動経済学」
大暴落1929 (日経BPクラシックス) (詳細)
ジョン・K・ガルブレイス(著), 村井 章子(翻訳)
「デ・ジャブ」「ニュースに踊らされる投資家たちは、80年前も同じですね。」「歴史だけでなく経験で行動を決める危険さ」「またも復活した歴史的名著」「時機を得た再版開始、いま読むべきベスト経済書」
人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く (詳細)
ティム ハーフォード(著), 遠藤 真美(翻訳)
「“意外に”面白い本でした。」「合理性の基は何か?」「人間は合理的に動くものだが、それが社会にとって妥当かは別問題」「腑に落ちる理論」「経済学の考え方で日常生活にあふれる様々な疑問を解き明かす」
暴走する資本主義 (詳細)
ロバート ライシュ(著), 雨宮 寛(翻訳), 今井 章子(翻訳)
「大きな問題提起」「いったい何が起きているのか。」「労働者を苦しめる消費者と投資家は結局自分自身」「経営ビジネスという観点から会社の方向性を決める立場の人にはぜひ読んでもらいたい本。」「もやもやとしていた現実感覚が、急速に研ぎ澄まされ、そして構築されていく世界観」
資本主義と自由 (日経BPクラシックス) (詳細)
ミルトン・フリードマン(著), 村井 章子(翻訳)
「本当に読みやすい」「復刊されました」「乗り越えるべき古典」「フリードマン自由主義思想の基本を学ぶ!―単純明快な論理展開の含意」「今こそ読みなおすべき古典」
経済は感情で動く―― はじめての行動経済学 (詳細)
マッテオ モッテルリーニ(著), 泉 典子(翻訳)
「行動経済学が直観的に理解できる」「文句なく素晴らしい」「行動経済学は「生きること」そのもの」「あぶく銭は直ぐになくなってしまいます。」「はじめての行動経済学書としては非常に良い」
なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか―信用バブルという怪物 (詳細)
チャールズ・R. モリス(著), Charles R. Morris(原著), 山岡 洋一(翻訳)
「墓穴を掘った市場万能主義」「いま起こっている現象を知る」「アメリカの人材の層の厚さと質の高さを痛感する好著、日本のエコノミストが束になっても敵わない」「魔法の代償」「表紙を目を細めてみると!!」
八百長恐慌! 「サブプライム=国際ネズミ講」を仕掛けたのは誰だ (詳細)
鬼塚 英昭(著)
「メディアが報道していて報道していない事実」「苫米地英人博士の洗脳支配、そして苫米地英人博士との対談が契機となった書」「なるほど納得。「損をした人がいるなら、得をした人がいる」」「タイトルの付け方が面白い」「世の中そんなものなのかもしれない」
ヤバい経済学 [増補改訂版] (詳細)
スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー(著), 望月衛(翻訳)
「それでもやっぱり好きなのよ(笑)」「「社会の裏が見えるデータの読み取り方」って感じ?」「人間の本質を探る経済学」「なんて素敵な経済学」「分析思考の人にはたまらない!」
「中国が目論む世界支配」の正体 (詳細)
ベンジャミン・フルフォード(著)
「世界経済の将来が分かる!!」「中国が目指す大東亜共栄圏構築を正しく導くことが日本の歴史的課題」「なかなか」「四川大地震はアメリカの画策!?」「トンデモが入ってなければ、星5つ」
ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か (詳細)
ロレッタ・ナポレオーニ(著), 田村源二(翻訳)
「資本主義のもたらした闇経済」「経済というより破壊された政治の記述」
クリエイティブ資本論―新たな経済階級の台頭 (詳細)
リチャード・フロリダ(著), 井口 典夫(翻訳)
「豊富なエピソード・事例・データが説得力を与えている」「ドラッカーの予測通りになってきた」「問題意識を持つ方へ」「新しい都市経済学の原論となるべく書」「新時代に向かった「見えない社会勢力革命」を見える化した画期的著作」
戦争サービス業―民間軍事会社が民主主義を蝕む (詳細)
ロルフ ユッセラー(著), Rolf Uesseler(原著), 下村 由一(翻訳)
「これからの世界経済は…」
アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書 (詳細)
山岡 道男(著), 淺野 忠克(著)
「イラストもわかりやすい。」「消費者の視点での経済を学べる入門書」「読者の評価が高いのは日本の経済・金融教育の貧困の裏返し」「経済ニュースに「ピン!」とくるための勘所をつかむ」「入門書にオススメです。」
マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術──連鎖崩壊時代の「実践・資産透視学」 (詳細)
松藤 民輔(著)
「「終わりの始まり」シリーズを凌駕する内容だ!」「なるほど、こう読み解くのか!」「面白いですね。」「近未来を鋭く予測する著者の洞察力には敬意を表したい。」「恐慌という錬金術をものにできるか!?」
ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室 (詳細)
ウィリアム A コーン(著), 有賀 裕子(翻訳)
「そこに、ドラッカー先生の生きた授業が蘇る」
クルーグマン ミクロ経済学 (詳細)
ポール クルーグマン(著), ロビン ウェルス(著), Paul Krugman(原著), Robin Wells(原著), 大山 道広(翻訳), 石橋 孝次(翻訳), 塩澤 修平(翻訳), 白井 義昌(翻訳), 大東 一郎(翻訳)
「知的刺激に富む本格派テキスト」「非常に丁寧に書かれたテキスト」「高価な本ですが、コストパフォーマンスはよいです」「アメリカの事例ベースでも気にせずに読める良質な教科書」「驚きました。」
ジム・ロジャーズ中国の時代 (詳細)
ジム ロジャーズ(著), 林 康史(翻訳), 望月 衛(翻訳)
「アメリカ人が書くとこうなるのか」「私は、20年先まで見据えている」「中国を3度横断した人の投資指南」「「商品の時代」の次が「中国の時代」となった意味」「将来を見据えて書いていると思う。」
アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ (詳細)
ゲーリーE.クレイトン(著), 大和総研教育事業部(著), 大和証券商品企画部(翻訳)
「基礎の基礎、ただそれが大切。」「WSJやFTを読みこなすために」「分かりやすい!」「経済学の初心者には、実はこれでも難しい。」「この本が日本でも教科書だったら・・」
新興国発 超優良企業 (詳細)
ハルロド・L・サーキン(著), ジェームズ・W・ヘマリング(著), アリンダム・K・バッタチャヤ(著), 水越 豊(監修), 中山 宥(翻訳)
世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃 (詳細)
ジョセフ・E・スティグリッツ(著), リンダ・ビルムズ(著), 楡井 浩一(翻訳)
「怒りと悲しみの経済学」「イラク戦争の欺瞞を暴く」「アメリカ版特別会計」「昨今の原油高はイラク戦争にありという視点は超ユニーク・現代人必読の書」「3兆ドルを負担したのはどこの国か」
戦争の経済学 (詳細)
ポール・ポースト(著), 山形浩生(翻訳)
「頭の体操(だけでは終わらない)」「少しで納得」「戦争って儲からない…」「今や戦争が不経済となったことを証明」「軍事、防衛産業の人にはお勧め」
世界を動かす人脈 (講談社現代新書) (詳細)
中田 安彦(著)
「「世界を動かす人脈」を徹底的に調べ上げた優れたデータ本です。」「命懸けのルポタージュに完全脱帽です。」「陰謀論でもネタ本でもない正統な情報本」「“グローバル・エリート”を知る手頃な書冊」「新しい貴族階級」
サブプライムを売った男の告白―欲とペテンと無知! (詳細)
リチャード・ビトナー(著), 金森 重樹(監修), 金井 真弓(翻訳)
「人生を豊かにする参考に」「意外と真面目な本」「元サブプライムレンダーがまじめに語る」「リアルナニワ金融道〜低所得者向け住宅ローン編〜」「読者を選ぶ本である。」
異形の大国 中国―彼らに心を許してはならない (詳細)
櫻井 よしこ(著)
「日本人、いやアジア人が知っておかなくてはならない「現代中国」問題の常識」「日本人の価値観は通用しない。」「中国の正体」「中国の横暴よりも日本の政治家の無能・卑劣さ。」「中国共産党に心を許してはならない」
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● 玉石混合
ビジネス・経済・キャリア>経済学・経済事情>経済思想・経済学説
ビジネス・経済・キャリア>経済学・経済事情>経済学>経済学入門
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●予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
・「合理的人間」
経済学の前提が時として「人間は合理的判断をする」という点に置いていることに疑問を感じてきた。従い 本書の題名を見て すぐに購入した次第だ。
本書から見えてくる人間は「合理的な」動物である。それは著者が展開した数多くのテストの結果で 基本的に著者が「予想した」結果が出ている点を見ても分かる。「不合理な動物」だったとしたら テスト結果はもっとばらばらになっていたはずだ。テストの結果に方向性が出たとしたら それは多くの人が ある種類の合理的な判断に基づいていたからだと考えるべきだと思う。
要は「何が人間にとって合理的なのか」ということだと思うのだ。経済学では時として「人間は一円でも有利な方があったら 当然合理的にそちらを選ぶ」というような話が出てくるわけだが 他の要因があったら「一円不利な方でも そちらを合理的に選んでしまう」ということも多い。 その「他の要因」は 例えば 見栄であったり 善意であったり 錯覚であったりするわけだが そんな「他の要因」をいかに発掘し 分析するのかが 次世代の経済学の一つの課題なのだと強く感じた。
それにしても本書は読んでいて笑える。著者が 書き方に大変工夫して書き上げたことが良く分かり 非常に気持ちが良い。この著者のユーモアには 著者の人間への優しいまなざしを垣間見せるものがある。そもそも 人間への愛情が無い人に「行動経済学」というような学問は難しいのではないだろうか。
・「行動経済学のわかりやすい実例と入門」
行動経済学者が、世の人間の不合理な行動について、実験を交えながら説明をしています。内容は秀逸。
例)普段と、性的に興奮したときでは、男性の行動がどう変わるのか
女性がセックスに応じてくれる可能性を高めるためなら、愛しているといいますか?普段 YES 30%性的興奮時 YES 63%ふむふむ、よくわかります・・・・><
もうひとつ特に面白かったのは、現代人は「市場規範」と「社会規範」の二つの判断基準を持っており薄謝(微報酬)なら請けない仕事であっても、ボランティア(無報酬)なら受けることが多いという点です。弁護士に、薄謝(30ドル)で困窮者への相談業務を依頼したところほとんどがNOと回答した。しかし、ボランティア(無料)で相談業務を依頼したところ、多くの弁護士がYESと回答したなど
人間の行動は、理性では測れず、感情や思い込みなどで動くものだということを実証例を豊富に織り込みながら説いています。
経済学と人間が出会うことで、行動経済学が始まったのでしょうね。
・「人間というのは...なんとも非合理的.... [2008/9/28原書review]」
所謂一般読者向けに経済学と心理学に跨る領域を扱う行動経済学の種々のリサーチ結果から、一見以外な人間の非合理性を焙り出す面白い内容になっている。例えば、・全く関係ない数字を、ある商品を買っても良い価格判断のベースにしてしまったり、・数種類のオファリング価格の中にダミーが入っていると無意識にその価格に引っ張られた判断をしてしまったり、・無料と1円の差異が判断に及ぼす心理的インパクトはとてつも無く大きかったり、・社会規範(social norm)と市場規範(market norm)の文脈を間違えて、互恵といった考え方に代表される前者の文脈で対処すべきところに、後者のお金の概念を持ち込むと人間関係、企業の消費者対応や従業員対応等々あらゆる面で総スカンを食うとか、・人間は冷静な状態と興奮した状態では好き嫌いや善悪の許容度といった点での判断に大きな差が出てしまうとか、・自分が所有している物の価値測定に際しては感情移入をしてしまう結果とてつもなく過大評価をしてしまう、等々、多くの意外性を持ったリサーチ結果から、人間の判断というのは、これまでの標準的な経済学が前提としているような合理的なものではなく、非合理的なことが多く、且つその非合理性はランダムで無分別なものではなく、システマチックで予測可能なものである(≒人間は首尾一貫して非合理的)なのであると説いている。人間とはそういうものだということを知っておくだけでも、いろんな間違いを回避することには役立ちそうである。本書と殆ど同じ領域を扱っている本として”Sway: The Irresistible Pull of Irrational Behavior”も読んでみたが、どちらか1冊読むのであれば、内容の充実度から本書(Predictably Irrational)をお勧めする。
・「経済学・・・・・ではなく人間学かもしれませんが」
人間は理性に基づき論理的な選択をする。そして、その結果が誤っていると分かった時は、
それを正しい方向に修正する。その繰り返しにより、結果として効率的な市場ができる。
ということが大部分の経済学の前提となっているが、それは本当なのだろうか。
「人間は、ひょっとしたら、いや常に誤った選択しているのではないか」というのが
この本の恐るべきテーマ。
人間が誤った選択をする理由として、相対性の錯覚、ゼロコストの錯覚、所有意識の錯覚、
先延ばし(期限)の錯覚等を次々にミニ実験をもとに説明していく。
このミニ実験がなんともユーモラスでつい笑ってしまうのだがなかなかの説得力あり。
(性や、宗教、社会規範等の問題も鮮やかに料理されています!)
個人的には、レビットの「ヤバい経済学」のように経済学で社会現象を何でも説明できる。
といった傾向の本から、タレブ「まぐれ」のように経済は運の要素が大きいという方向に
変化して行き、サブプライム問題以降は経済学で人間の行動は推定できない。という主張
の本が非常に多くなっているように感じる。
この本は予想どおりに面白い。経済学ではなく人間学の本かも知れ無いけれど。
・「経済学+心理学=行動経済学」
経済学と心理学を融合させた新しい分野「行動経済学」。本書は、様々なユニークな実験により、人間が如何に「規則正しく(予想通りに)」「不合理な」行動を取るのかを明らかにした、非常に面白い内容。
本書は13章からなり、各章で人間行動の規則正しい不合理性を実験を通して証明しており、その不合理性の理由を分析している。そして、その不合理性を意識することにより、不合理性から生じる不利益を避けることに助力しようとする。
中でも特に興味深かったのが、4章の「社会規範のコスト」、副題は「なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらったとたん楽しくなくなるのか」。これは、実感を持って納得できる内容になっている。
ここでは、「社会規範」と「市場規範」が対比的に語られており、非常にわかりやすい。その実験のひとつを引用すると、
数年前、全米退職者協会は複数の弁護士に声をかけ、一時間あたり三十ドルの低価格で、困窮している退職者の相談に乗ってくれないかと依頼した。弁護士たちは断った。しかし、その後、全米退職者協会のプログラム責任者はすばらしいアイデアを思いついた。困窮している退職者の相談に無報酬で乗ってくれないかと依頼した。すると、圧倒的多数の弁護士が引き受けると答えた。
これが、人間の「予想通りに不合理」な行動の一例であり、納得できる方も多いのではないだろうか?
その理由を知りたい方は、本書を読むことをお勧めする。
・「デ・ジャブ」
本書は、経済学者として著名な故ガルブレイスが、1929年ニューヨーク発の株価大暴落と、その後の世界恐慌の事実関係を辿るものである。初版が1955年であり、以来40年以上、版を重ねるロングセラーの復刻版となる。
大恐慌時期と比較しても、現在の市場構造や、それを取り巻く諸制度は変化した。しかし、私利私欲を追求する多数の人間達は今も変わらず、同じ過ちが繰り返される。時代を経ても、変わらない真実が、本書には詰まっており大変興味深い。
帯には、「バブル崩壊、株価暴落のあとに必ず読まれる名著」と描かれている。タイトル通り、サブプライム問題で揺れるこの時期にこそ、本書に触れ、歴史の教訓に学ぶ必要があるのではないか。
・「ニュースに踊らされる投資家たちは、80年前も同じですね。」
08年9月より本格的に米国市場が「100年に一度??」の暴落をつけました。まずそもそも、米国人は、出来る事なら、一攫千金で一山当てたいという連中、もとい方々が他国と比較して非常に多いということを頭に入れておくべし。
1920年代、日本の原野商法同然のやり方でフロリダで土地取引が行なわれバブルが弾けたり・・・など興味を引きつける書き方になっています。
また、大恐慌で、街の靴磨きの少年までが株に手を出していてこれで天井と察知した○○氏が、売り抜けたといった逸話がありますがこれはどうもマユツバらしい。理由は、当時の、普通の庶民達は株なんぞに手を出さなかった方が大半。
また、大恐慌で自殺者が多数出たというのも、これまたオーバートーク。
○月○日に○○円をつけた・・・と記述があるので実際に値段を帳面に付けてグラフを付けてみると、実に興味深い。
マスコミ・新聞・有識者・政府の発言も、今の日米のそれとあまり変わっていない点も苦笑してしまう。
この本を読めば、安易に「今こそが底値です!」とは言いにくくなるでしょう。
・「歴史だけでなく経験で行動を決める危険さ」
愚者は経験に学ぶ、賢者は歴史に学ぶと言いますが、まさに本書は、前者になりがちな人たちに「歴史」を教えてくれます。歯車が一度、逆回転すると、なにをやってもうまくいかないこと。ただし、なにもしないことはもっといけないのですが。今回の大暴落でも、本書に書かれているように、ときどき「ああ、もう暴落は終わった。今が底だ」ということ繰り返されています。
・「またも復活した歴史的名著」
この本「大暴落1929」は、バブル期にはほとんど注目されず、本屋にも売っていない。しかし一旦バブルがはじけると再び注目されるのだ。この本が日本で注目されたのは、最近では1990年、2000年であった。そして今年2008年秋…。
数十年もしくは数年後に、また違うバブルが起きそうになった時、読者はまた再びこの本に注目することになるでしょう。
・「時機を得た再版開始、いま読むべきベスト経済書」
名著「不確実性の時代」で知られる経済学者ガルブレイスが、世界大恐慌のさきがけとなった1929年の株の大暴落を、淡々とした事実の積み重ねで表象。
著者本人が当時を目撃している点が、重みを与えている。聞くと見るとじゃ大違い、そんなところだろうか。
今、この本を開く方の多くは、現下の金融危機とその未来に思いをはせていることだろう。歴史は記録かもしれないが、歴史から知ることも多い。本書読み終えて本当にそう思う。
まさに、時機を得た再版開始、いま読むべきベスト経済書だと思う。
・「“意外に”面白い本でした。」
はっきり言って「読みにくい本だな〜」というのが第一印象でした。
でも、気になったところを再読すると、意外と鋭い意見が満載でいい意味でびっくりしました。
特に、離婚について述べられた章では、それまで「時代が荒んでいるから離婚が増える」とか、「黒人だから離婚率が高い」「貧しいから離婚する」といった思い込みの意見を覆す“合理的”な理由が分かりやすく述べられていて目からうろこでした。
具体的には、
女性は離婚を恐れて手に職をつけたり、学歴を得たりする結果、経済的にも自立してしまい、結局離婚が増えてしまう。
などなど、いろいろ興味深い意見がそこかしこに述べられています。
全体的な感想を述べるのは紙幅の関係で難しいですが、私の個人的な意見でしたら、
http://ameblo.jp/zeikan/entry-10179165297.html
に書いてありますので、参考にしてみてください。
・「合理性の基は何か?」
経済学という視点から,ちまたの事柄を説明しようというスタンスであり,そのキーワードが「合理的」である.都市部の空洞化,上司の給料,結婚相手の不足などを合理的に説明している.ただ,合理的であることのスタートにあるものは,人々の感情的な欲求であることには注意を要する.意識するしないは別として,個々の欲求が,その欲求に見合うように合理的に世間を動かしていくのである.これは,「行動経済学」や「神経経済学」といった学問分野の大きな流れといえよう.
・「人間は合理的に動くものだが、それが社会にとって妥当かは別問題」
1.内容人間というのは、一見不思議な行動をするものだが、よく検討すると、実は、意外と合理的に動いているものである。もっとも、合理的だからとって、それが社会にとって妥当な行動だとは言えない場合もあるが。このような問題意識の下で、豊富な、一見不思議な行動を分析し、それが合理的であることを説明した本である。2.評価以下、抽象的になって申し訳ないが、著者の説明は、それなりに面白かったし、読者も、著者に倣って(もっとも、経済学をやれ!というわけではない)、一見不思議な行動にもそれなりに理由があると考えればよいだろう。ただ、著者の主張に同意できないところが結構あること、読むのに結構骨が折れること、以上2点で星1つ減らして、星4つ。
・「腑に落ちる理論」
いわゆる「行動経済学」などについて分かりやすく様々な調査結果等を記しています。行動経済学というと不合理な実験結果が多く示される傾向がありますが、特殊な実験環境下でのバイアスがかかったものが多く、実際は合理的な選択をすることが分かりやすく書かれています。
もちろん、「経済人」という思考実験用の概念は否定した上で、感情を持った人間集団が最終的にどのような選択を行うのかを様々な実例を元に示していて、世の中の仕組みについて考えさせられます。良書です。
・「経済学の考え方で日常生活にあふれる様々な疑問を解き明かす」
副題の「経済学で日常生活を読み解く」のとおり、日常生活に関する様々な疑問を経済学の観点で、その理由を説明しようという内容です。
例えば、アメリカでオーラル・セックスをする高校生が増えていること、都市部の空洞化現象や、人種差別がなかなかなくならない問題などについて、どういう合理的な決断があって、今の世界の出来事をが起こっているのか解き明かして行きます。
経済学というと、価格決定のメカニズムなど経済と直接結びつく話題が多いのだと思っていましたが、経済学が扱う考え方は人の日常生活のあらゆることに応用できるのだと理解できました(もともと経済学は人間の意思決定の仕組みを探る学問でもあるのでしょうね)。
本書を読んだ後は、政府の政策やニュースに関しても、「人々にどういう意思決定を促そうとしているのか?」という視点で見ることができそうです。
# ちょっと文章が読みづらく、くどいので点数下げました。内容は非常に良いんですが。。。
・「大きな問題提起」
米国の資本主義と民主主義の保たれていた均衡が経済のグローバル化により崩壊する。経済の力が消費者と投資家の権力を増大させ、「超資本主義」が民主主義を蹂躙する。超資本主義が優勢になればなるほど、格差の拡大、雇用の不安定、環境問題などその負の部分が社会に蔓延するようになる。これらのプロセスが実によく描かれている。
超資本主義が勝利した米国の状況が今や日本やEUでも起こり始めている。資本主義の負の実相をよく表していて、この問題提起に対して民主主義が資本主義との折り合いをどのように付けていくのか、深く考えさせられる一冊だ。
・「いったい何が起きているのか。」
この本では、昨今の世界的金融危機やグローバル化による格差の拡大などに関し、現在の金融システムの中において、資本主義にいったい何が起きているのかを、感情的な悪者探しに走ることなく、冷徹な視点で論理的かつ説得的に分析を展開していってくれるため、頭の中が整理でき、問題の所在がよく理解できます。
著者の主張を一言で言ってしまえば、現在の状況は、超資本主義化により民主的資本主義が衰退してしまった結果である、ということです。
それは、容赦ないリストラを断行する企業や、莫大な報酬を受け取るCEOなどが昔に比べて貪欲になったからというわけではなく、様々な条件が重なった結果なるべくしてなったということです。
そして、その担い手の最も重要な位置を占めるのが、投資家であり消費者である我々であり、決して他者にばかり責任を押し付けていられる立場ではないという厳しい事実をつきつけられます。この本では、アメリカの状況について述べていますが、先進諸国のどこにでも当てはまることであり、日本でも全く同様の現象が現れているのは明白です。
50年代のアメリカでは企業は寡占状態にあり、競争は意図的に抑えられ、高い収益を得られる代わりに労働組合は強力で、賃金や福利厚生は高い水準で維持されていました。それが70代になり豊かさが広がると状況は一変し、企業の力が弱まり、代わって、投資家や消費者が力を持つようになってきます。
この動きを促進したのは技術革新であり、特にコンテナを中心とする流通の革新と通信の発展による情報革新が、社会と経済の様子を劇的に変えました。競争を余儀なくされた企業は規制緩和を求め、政治にも圧力を掛けるようになっていきます。さらに、その後のインターネットによる金融取引の簡素化や、金融に関する規制緩和、そして様々なタイプの金融商品の開発で金融市場は膨大に膨らみ、その後の金融破綻へと突き進んで行くことになります。
消費者は少しでも安い商品を企業に求め、投資家は少しでも高い配当を企業に要求し、応じられない企業は容赦なく他企業へと乗り換えられていき、企業は否応なく厳しい競争へと駆り立てられ、その結果、容赦ないリストラを断行することになります。皮肉なのは、リストラされる労働者の別の顔が、企業を競争に駆り立てる消費者でもあるという二面性です。
地元の商店で買わず、郊外の大型ディスカウントショップで安く買うようなことをしておきながら、企業にのみ倫理性を求める行為は公正でないと著者は言います。さらに著者は、自分の行動が社会に与える影響を考慮する市民としての自覚を促し、そして、激しい競争の中で企業に取り込まれた政治を、市民の手に取り戻す必要性を説きます。この辺のところはアダム・スミスの、公平な市場ためには人々は道徳的でなくてはならない、という言葉を思い出させます。
いかに企業が非情であっても、それはあくまで合法的行為であり、合理的に利潤最大化の行動をしているに過ぎず、そのような企業の行動を変えるには法律を変えるしかなく、そのためにはまず、企業を政治から引き離すことが必要であり、さらに、企業を人格のある存在として扱わず、あくまでも人間が合意して社会的決定を行っていく、真の民主主義の実現が必要であると、著者は訴えます。この辺は、日本ではさしずめ官僚からの政治の奪回となるのかも知れません。
この本を読んで私が感じたのは、今ある状況はなるべくしてそうなっており、その状況を変えたいと思ったら、なぜそうなっているのかを、目先の問題に囚われず、広い視野で、かつ厳密に見ていくことの大切さです。でないとただ文句を言うだけで、何が起きているのかわからないままに、自分の望む方向とは違う方へと流されていってしまうのだと思います。システムの変革と自分自身の変革は、どちらも欠かせない対の要素なのだと思います。
この本は私にとって、現在の経済状況から自身を見つめなおさせるような、意義深い内容の本でした。
・「労働者を苦しめる消費者と投資家は結局自分自身」
消費者と投資家がどんどん力を持ち始め、少しでもお得な取引を望む。そのため企業やそこで働く労働者にしわ寄せが行き大変になる。結局、その労働者自身が消費者、投資家だったりする。なんというジレンマ。恐るべしsupercapitalism。
・「経営ビジネスという観点から会社の方向性を決める立場の人にはぜひ読んでもらいたい本。」
アメリカ発の金融クラッシュが現実のものとなりつつある今日。 なぜそうなったのか、本質的な問題にひとつの答えを出しているのが本書である。 そのことを、クリントン政権での労働長官、そして、今や、オバマ候補の政策ブレーン というアメリカの政策に大きな影響力を持つ著者が述べていることの異議が大きいと思う。
・「もやもやとしていた現実感覚が、急速に研ぎ澄まされ、そして構築されていく世界観」
読書の目的: 原著「Supercapitalism」の評判の良さをBlogや雑誌で見聞きして、読んでみたいと思っていたところ、書店で翻訳本を発見。勝間和代さんの推薦文が帯に載っていたこともあり、購入しました。原著の評判が良い理由を知りたかった。
読後感、感想: もやもやとしていた現実感覚が、急速に研ぎ澄まされ、そして構築されていく世界観。 民主主義の代表である「市民」、「労働者」が、資本主義の代表である「消費者」、「投資家」にないがしろにされていく現実を表す。いずれの役割も"私たち"であることに変わりはないが、超資本主義に飲み込まれていく民主主義を支え、対処していくのも"私たち"である、という理解です。 個人として体感していた"現実風な出来事"が、具体的な事例・分析により的確に表現、叙述されている。この本を読んでいる最中でさえ、民主主義の代表である「市民」、「労働者」たるよりも、「消費者」、「投資家」として『いかに現実に向き合うか、行動を選択するか』ということを考えていた。それほどまでに、"超資本主義"は私の身体の中の現実になっている。
本書は、資本主義と民主主義のパラドックスを説き、資本主義の発展について触れ、"私たち"に備えられた二面性について語る。そして、民主主義とCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)が立ち行かない現実を受け入れた上で、その処方箋を提言するに至る。 しばらくしたら、もう一度読みたい。
・「本当に読みやすい」
ただ今、読み終えてしまいました。本当に。。。2日かかりませんでした。自分でもびっくりです。楽しいです。内容については特に書くまでもないでしょう。徹底した自由主義者の徹底した論述です。そして確かに学術論文ではありませんが、フリードマンの思想が一掴みできる図書だと思います。そこで疑問が一つ、これは本当に読みやすい翻訳です。この読みやすさは今までにないものです。だからというわけではないのですが、原文との照合は本当に大丈夫なのですよね。時間がないので調べることができないので、翻訳者、出版社そして編集を信じるしかありませんが、日本語としての自然な表現の連続で、これがほんとうなら大したものだと思います。確かに、翻訳は「読みづらい」ものだ、という定理があるわけではないので、読みやすい翻訳はあるべきですが、ここまで良い日本語だと本当か?とさえ思われてきます。でも全てを信じて星5つ
・「復刊されました」
旧版が日本から撤退したので長らく品切れ状態でしたが、今回は西山訳から別人が翻訳しています。この本も既にそろそろ古典の仲間入りの時期なのかも知れませんが、フリードマンの論点は鮮やかです。本書を読むと日本がシカゴ学派の影響を受けて政策を実行されてきたかがわかります。本書でも書かれている郵政民営は実行されましたが、教育バウチャー制度(頓挫してしまいました)など興味深い内容が沢山あります。本書を読んでみて彼の意見に賛同するか賛同しないかは個人の判断ですが現在の日本の状況を見れば答は自ずとわかるはずですし、マネタリズムは失敗に帰していますから。
・「乗り越えるべき古典」
解説で、サミュエルソンとの対比が書かれているので、それを踏まえて書いておこう。サミュエルソンは、市場の安定性についての研究を多くしていることから、市場メカニズムに対してフリードマンよりずっと懐疑的である。つまり、サミュエルソンは市場も政府も信用しないが、その上で政府の役割を考えざるをえない、というスタンス。他方でフリードマンは政府に対する懐疑に比べて、市場に対して手放しで信用する傾向が強い。この楽観主義は、十分に裏付けられたものとは、私は考えない。また、サミュエルソンは厚生経済学の分野でも重要な貢献を多々しており、経済学における価値判断の問題の持つ難しさを十分踏まえていた。それと比べると、フリードマンの価値判断に対するスタンスは、ロビンズ以降の著作とは思えないほど慎重さを欠いている。彼の政策の明快さは、この無邪気さゆえである点に注意したい。
逆に言えば、その点を批判的に検討していく作業が重要だ、ということ。リバタリアニズムに批判的なスタンスを取る人こそ、本書を手に取るべきだ。星5つは、検討材料としての重要性に対する評価。本書の主張に、私はほとんど同意しない。
・「フリードマン自由主義思想の基本を学ぶ!―単純明快な論理展開の含意」
今年頂いたある先生の年賀状には,「フリードマンの『資本主義と自由』は名著です。メジャーになってからの『選択の自由』よりも10倍良い」と記されていた。学問的信条が異なる論者の主張でも,度量の広さをもって「批評」的に読むことが肝要だ。
両方とも学部時代に一応読了していたが,新訳版が刊行されたことを契機に再読してみた。残念ながら「10倍良い」ということの意味内容は掴めなかったが,フリードマンの自由主義思想(社会哲学)を平易に論じた名著であることは直ちに了解した。訳文も実に周到で読書ペースを促進させた。同社よりほぼ同時期に刊行されたフリードマン評伝との併読も有意義であろう。そこでもたしかに,『資本主義と自由』のほうが「理論的抽象的であり,基本のところを論じている」と自負の念を表明している。有名になる以前の本だけにその勇敢さに心打たれるものがあった。
本書は「自由主義思想の根本にあるのは,個人の尊重である」(352頁)という確固たる信念に基づき,その当時に実施されていた政府の介入・統制政策の多くの廃止を唱えている。彼の基本的理念は,第1章「経済的自由と政治的自由」と第2章「自由社会における政府の役割」で鮮明に論じられる。国際金融政策のあり方や変動相場制の意義,ケインズ型財政政策への批判的論拠,教育バウチャー制度(教育の民営化論),独占問題・企業の社会的責任論(企業経営者の使命は株主利益の最大化=徹底した株主主権論)など,その賛否はひとまず措いても,重要な現代的テーマばかりだ。
冒頭に付された初版から20年後の「1982年版まえがき」も,本書に対する評価の顕著な違いが率直に綴られなかなか印象的である。昨今の世界金融危機を背景に,本書は果たしてどのように読まれるのであろうか。むろん「多様な読み方」が可能だが,先入観に囚われることなく,真摯な心的姿勢で本書と向き合うことを多くの方に望みたい。
・「今こそ読みなおすべき古典」
世界的不況になってから「市場原理主義」や「新自由主義」の批判がよく聞かれるようになりました。しかし、市場という制度を否定するのはあまりにも短絡的な思考です。市場は多くの重要な役割を果たしている制度だということを忘れてはなりません。本書はその市場の重要性を教えてくれます。経済学を学ぶ者は必読でしょう。
本書では自由の価値を最重要視して、市場が自由を実現するのに不可欠だと主張しています。特に第1章で経済的自由がなければ政治的自由は実現できないことが強調されています。そのほかにも市場は経済的要素以外には注目しないので、人種差別をなくすことも指摘されています。(ただし、差別に反対する運動がなければ完全に差別をなくすことは不可能でしょう。) しかし、市場がうまく働かないことも当然あります。フリードマンは政府が市場におけるルールを決定し、その審判をする役割があることを認めた上で、外部効果と独占がある場合は政府の介入が認められるとはっきり書いています。「筋の通った自由主義者は、けっして無政府主義者ではない。」(p.85)とも書いており、巷で言われるほどの極端な自由主義者ではありません。 貧困対策についても政府が関与することは妥当であるとはっきり述べて、「負の所得税」を提唱しています。
以上のように市場の重要性を明らかにしながら政府の介入も認めています。ただ、本書がかかれてからの経済学の進歩を踏まえれば、フリードマンが考えるほど市場が機能するとはいえません。情報の経済学やゲーム理論などもふまえ、批判的に読むといいでしょう。
・「行動経済学が直観的に理解できる」
カーネマンらのノーベル賞受賞を契機に一般向けにも行動経済学が紹介されるようになったが、類書が個々のトピックについて、いま一つ一般向けには咀嚼しきれず面白さが十分に伝わりきっていないのに対して、本書では一般読者でも豊富な例題を考えながら直観的に理解することができる。行動経済学独特の「ヒューリスティクス」「代表性」「プロスペクト効果」といった用語も、例題でトピックの面白さが読者に十分に伝わった後でコラムとしてまとめられる。ファイナンス関係の訳語については不十分な面もあるものの、全体的にはこなれた訳文。それぞれの事例は日本のものに置き換えられており、親しみやすく、我が国の読者でも納得しながら読み進めていくことができるだろう。
・「文句なく素晴らしい」
なんとなく【行動経済学】という単語に興味を持って意味もわからず購入しました。
しかし、内容は本当に即実践できることばかりで非常に役に立ちます。詳細は他の方に譲りますが、知らず知らずのうちに自分もその様に”購入させられている”と驚きの連続です。
これらのことを知っているのと知らないのとでは結果が全然違ってくると思うと本当に読んで良かったと思います。
色んな本を乱読するタイプなので、何か読んだことがあるなという感じが多いのですが本書は新しい発見に満ちあふれていました。
ビジネスだけでなく他の分野にも応用の利くことだと思います。久しぶりに大ヒットしたなと個人的には感じますので文句なく5つ星です。これは多くの方に読んでいただきたいと心から思えました。
・「行動経済学は「生きること」そのもの」
日常の買い物、レストランでの食事、旅行の話題、ビジネスでの選択・・・これは経済というより「生きること」そのものではないだろうか。人はとかく直感的で素早い判断を好む。これまで何気なくやり過ごしてきた自分のふるまいが、クイズを解くうちに、よく見えてきた。こんな「心の法則」があったとは驚きである。
「自分のものになると値が上がる」(保有効果)、「三つの値段のものがあると真ん中を選ぶ」、「交渉事は最後の印象で左右される」(ピーク・エンドの法則」「自信過剰が成功の確率を高く見積もる」(支配の錯覚)、「利得よりも損失に目が向く」(損失回避性)、「事が終わった後の評価はだれにでもできる」(後知恵)・・・
この本を読んでいたら、イトーヨーカー堂CEO,セブン-イレブンCEOの『鈴木敏文 語録』を思いだした。鈴木氏は以前より心理学の重要性を強調し、「顧客の立場」に立つことを述べていた。鈴木敏文さんの商売の真髄は「行動経済学」を地で行くものだったのではないか、と思った。「経済学」に素人の私でも楽しく読めた。経済というより「生きるための教訓」として、すぐにでも実践可能。「統計数字を見たら、%であれば実数に、実数であれば%に置き換える頭をもとう。最初に受けた印象と異なり、騒ぐことではない」とわかる。商品の「フレーミング効果」に気をつけて買い物をしよう。
・「あぶく銭は直ぐになくなってしまいます。」
毎月の給料の中の一万円と、競馬で当たった一万円は価値が異なって感じてしまいます。 あぶく銭は残らないと昔から言われます。 一万円が道に落ちていたとして、拾った一万円を落としてしまっても、あまり悲しくないと思います。毎月の給料の中のお金を一万円落としてしまうと、泣きたくなってしまいます。 同じ一万円なのに何が違うのでしょうか。
持っている株が突然下がってしまうと言い訳に「あの会社はおかしいと思っていたんだ。」とつい話してしまいます。 あの会社の株を買うときは、さんざん「いい会社だよ。」と言っていたことを忘れてついいいわけをしてしまいます。 同じお金、同じ株なのに状況が異なると自分自身の中でお金、株に対する価値観が変わってきます。 何故、価値観が変わってくるのかを理解できる一冊です。 あぶく銭を無くしてしまわないために是非読んでみてください。
・「はじめての行動経済学書としては非常に良い」
面白いし行動経済学に興味をそそられるという意味で、「はじめての行動経済学」書としては非常に良かった。
「選択肢が1つなら迷わない。・・・選択肢が増えるほど迷いは深くなり、はじめは買おうと思ったものも買わずに手ぶらで帰ってきたりする。」「選択で目がいきやすいのは「肯定面より否定面」。」「コンコルドの誤謬」(「=サンクコストの過大視」)「勝者の呪い」「新聞やテレビの報道を見るときに、各種の統計数字については、母体数がどれだけかを確認し、%表示であれば実数に、実数表示であれば%表示に、置き換える頭をもとう。そうすれば、最初に受けた印象と異なり、騒ぐようなことではない、とわかるかもしれない。」「自己に対する評価はとかく甘くなりがちである。」といったことが、色々な質問と具体的な実験結果、その教訓というセットで述べられている。
これまで読んだ行動経済学の本は、人は確実な損失を避けるために大きなリスクをとりがちという話ばかりだったが、本書は様々な行動経済学の成果が反映されており、行動経済学に詳しくない読者にとっては新しい知識が得られる。この知識を様々な局面で応用できれば、少しは騙されにくくなると思われる。本当は株式投資で応用できれば良いのだが、実際は感情が邪魔をして中々うまくいかない。こうした知見をいかにすれば実生活に活かせるか、必要な局面でうまく感情を抑制する方法を見つけ出すのも行動経済学(心理学?)で何とかならないだろうか。
●なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか―信用バブルという怪物
・「墓穴を掘った市場万能主義」
「バブルは予知できないし、それを防ぐことは出来ない」と言うのがグリーンスパンFRB前理事長の不可解な弁明である。しかしバブルを予測し懸念した人がいなかったわけではない。グリーンスパンは彼らを無視しただけでなく彼らが具申する意見を積極的に妨害した。このようなグリーンスパンの確信の拠って立つところは、ミルトン・フリードマンを総帥とするシカゴ学派の市場万能主義のイデオロギーである。それはウオール・ストリートの利益を代弁するものであることによって世界的な潮流となった。マスメディアも手遅れになってから初めて問題の大きさに驚いた。レヴァレッジが多用される各種の金融派生商品が膨張させたバブルは単なる「資産バブル」ではない。それは膨張係数が高いだけでなく、強烈な浸透力で経済システムの根幹をなす信用制度を蝕む「信用バブル」となって世界を震撼させている。著者はこの問題にいち早く着目し、この予言的な書物は今年3月に出版された。原題は「一兆ドルのメルトダウン」であり、バブルのもたらす破壊は1兆ドルに及ぶことを示唆している。その後に発表されたIMFの推計では「信用収縮」に関連する評価損とデフォルトの合計の予測中央値は9,450億ドルである。本書の視野は広く政治経済の動向全般にわたっているが、後追いになったマスメディアが小出しにしてきた、サブプライム・ローンに始まってCDS(信用デフォルト・スワップ)に至るまでの各種の金融商品の羅列に幻惑され続けてきた読者には第3章以下にある説明がとりわけ有用である。それにしても驚きに満ちた本である。ここに描かれた政界、ウオール・ストリートの腐敗、拝金主義は想像の上を行く。しかも著者の柔軟な思考は「1980年代に経済政策が政府中心型から市場重視型に変化したことは80年代と90年代にアメリカ経済の回復をもたらす決定的な要因になった」と述べて、金融派生商品が経済の効率化に貢献したことを十分に受け入れている。しかしその上で、今や「市場重視が問題の解決に役立つ考え方ではなくなり、問題そのものになる時期がきたのだと思える」という結論に到達している。易しい本ではないだけに翻訳に丁寧さが欠けているのは残念である。
・「いま起こっている現象を知る」
読む時点で内容の価値が変わるでしょう?今回の世界同時金融危機は一言で言えば『金融収縮』なのだが単純に膨張したレバレッジが収縮に向かうレベルではなく長い間、金融工学のインチキなデリバティブ手法によって積み上がったことの崩壊最先端をいった金融工学の清算がはじまっている感じがする。
よくよく考えれば変な話なのにその時々には変に思えないのがバブル現象でしょう
まぁ今回の一件で無茶をしたヘッジファンドや投資銀行などは精算されて堅実で健全なる金融業界への回帰に期待をしたい
高い収益の時には会社が潤い 損失が出た時には社会が負担する
・・・ここにもっともっと疑問を持つべきでしょう?本来、金融はカネを必要としている人や会社にカネを融通してくれるだけの地味な産業なはずであるそれがいつの間にか花形企業と呼ばれ高学歴者がこぞって金融業界に向かう他の業界に比べて利益率(ROE)が高いことや平均年収が高いことも疑問に持ってもよいモノを創り出さない金融業界にとってこれらは価値の高いことではなくリスクが高いビジネスをしていることの裏返しでもあるのだから・・・。
いま起こっている現象とは結局、無理を通して無に還っているにすぎないレバレッジを掛けて駆け上った世界の経済は投資の限界に達したときに溢れかえって暴れたカネが世界経済の首を絞める方向に一斉に向かい出した・・・。これで文明が崩壊することは考えられないが回復には非常にカネと時間の掛かる作業でしょう?
・「アメリカの人材の層の厚さと質の高さを痛感する好著、日本のエコノミストが束になっても敵わない」
早くから証券化商品の危険性を嗅ぎ付け、2008年初頭には1兆ドルの巨額損失(原題はトリリオン・ダラー・メルトダウン)を警告していた著者による、実に質の高い著作。日本のエコノミストのいかなる著書よりも当書1冊の価値の方が高いと断言できる。今更に強欲資本主義を批判している泥縄評論家たちの遥か先の高みに、当書は既に到達している。
ヘッジ金融主体からポンジ金融主体へと、リスクを忘却し不用意にレバレッジを高めてゆく過程は今後も繰り返されるであろう。ミンスキーの理論もコンパクトに纏められており、門外漢としては大変に勉強になった。感謝したい。
他のレビューにない重要な点を3つ挙げたい。この日本社会のためにも。
著者はアメリカの保守派とリベラルが交互に優位に立つ政治サイクルの存在を指摘し、いずれの陣営ともに長期間政権を維持してゆく中で自身の欠点を露呈し腐敗してゆくこと、従って特定の政治勢力が勝利を収め得る期間が限られていることを指摘する。
また、アメリカ経済が市場という神に懸命に奉仕した結果が産油国と中国の台頭であり、アメリカの繁栄を支えていた循環構造が終わったことも明示している。
同時に、これまでのアメリカの繁栄を支えたのは教育や交通網、インターネットインフラなどへの投資であり、政府による賢い予算配分が大きな成果をもたらしてきたことも指摘しており、最盛期を過ぎたアメリカの活力が尚も力強く息づくであろうことを予感させる。
日本経済の方が深手を負っているのも或る意味当然である。経済や社会の構造を一変させ得るダイナミズムから我々が学ぶものは依然として多いと考えざるを得ない。
・「魔法の代償」
サブプライムに端を発する金融混乱の原因、展望への考察。当初の見込みをはるかに上回る一兆ドルと言う数字は、11月時点では既にとっぴなものではなくなってしまっている。民主党支持の筆者のバイアスは若干感じられるが、よくまとまっている。一部金融商品の説明で難解な部分もあるが、一般向けと言ってよい内容。 本書を読んで感じたのは、これがけしてサブプライムだけの問題ではなく、証券化という魔法のツールを手に入れた直接金融の構造的問題なのだということ。債権の証券化は資本の流動性を爆発的に高め、間違いなく経済を成長させるが、貸し手のコミットメントははなから存在しないから、必ずバブルに通じる。といって、いまさら商業銀行主体の護送船団方式にも戻れないだろう。本書の唯一の弱点はそういう意味での「今後の展望」が無いところだが、それは誰にも分からないのかもしれない。
・「表紙を目を細めてみると!!」
表紙を目を細めてみると、どくろに見えるようにつくってますね。面白いデザインです。サブリミナル効果を狙ってるんでしょうか。
●八百長恐慌! 「サブプライム=国際ネズミ講」を仕掛けたのは誰だ
・「メディアが報道していて報道していない事実」
この本の内容で皮肉だなぁ、と思ったが日経をはじめ、きちんとしたメディアの報道も多数、事実関係の確認のため引用されていること。パズルに例えるならば、ピースはかなりの量が提示されているにもかかわらず、完成させるとヤバいことが見えるのか、誰も取り組んでこなかったことに、欠けているピースを想像しながら、存在するピースを可能な限り網羅しているのような本です。 確かに一部、事実なのか著者の決めつけなのか明確ではない記述があったりするのが批判を呼ぶのかもしれませんが、引用された記事や記述(事実)が本当であれば、ここ10年ほどの世界金融の流れを俯瞰でとらえた最上の本だと自分は思います。 この本はサブプライムや世界恐慌の解説をしているようでいながらも、読者に思考をうながす内容であるため、解説本は好きでも本質的なことには興味が無い人たちにはウケが良くないことも想像できます。しかし、この本からひとつでもいいから何かを学んだ人は、仮に恐慌や不況が繰り返しても耐えられる人になるでしょう。予想に反して、知恵を学ぶ本でもあります。
ちなみに「(略)いかりや長介が生きていたら、『こりゃダメだ!』と言うに違いないのである。」(p.224)とありますが、『ダメだこりゃ!』の間違いだと思います。
・「苫米地英人博士の洗脳支配、そして苫米地英人博士との対談が契機となった書」
洗脳支配でサブプライム問題の本質を描いた機能脳学者苫米地英人博士と鬼塚英昭先生の対談が契機となり生まれた本。サブプライム・ローンが、なぜ生まれ、世界中に広がったのかの検証と、 ローンのカラクリと首謀者の洞察を鬼塚氏が丹念に描いた。資本主義を選択したかに見える社会の背後にうごめく存在を描き出し暴いて読者に知らしめてきた鬼塚英昭先生が世界構造と金融マフィアの動静を追いかけて、きちんと分析し、今回のサブプライムという八百長の首謀者を、イギリス貴族としている。八百長恐慌はイギリス発でしょうが本当に首謀者はイギリス貴族かどうかは大いに疑問ではあります。苫米地英人博士との対談DVDで鬼塚氏が検証するとの宣言され実行された。この本は副島隆彦批判と読むこともでき、副島隆彦さんを信奉する者がどう受け止めるか大変興味深い。
・「なるほど納得。「損をした人がいるなら、得をした人がいる」」
一読後の感想は「納得」の一言でした。確かに、サブプライムローン問題について記述した本はこれまで「どこが損した」という記述だけであった。しかし本書は、投資は敗者もいれば勝者もいる、とした上で「だれが得をしたのか」を膨大なデータから綿密に事実を解きほぐしていく。その意味でも、切り口として面白いと感じた。その中で、本書はサブプライムで暴利を得たのは3つ、として「英国のシティ(アメリカで言うところのウォール街)、スイス、ドイツの一部」と結論づけている。詳細ならびに結論が支持できるか、どうかを含めて一読の価値ありです。
・「タイトルの付け方が面白い」
本書のサブタイトル「サブプライム=国際ネズミ講」を仕掛けたのは誰だ」があまりにつぼにはまり、手にとってページをめくりました。どこまで裏づけが取れているか?そんなことを意識しながら読み進めて、興味深く字面をおいました。タイトルの付け方が面白く、工夫されています。
・「世の中そんなものなのかもしれない」
ノンフィクションライターからの視点でこの金融恐慌を分析しているのでスパイ小説を読んでいるような面白みがあった。世の中ひょっとして裏はこんなもんなのかもしれないなと思う。ただあくまでも著者の想像(?)であり、決定的な裏付けはない内容。集めた資料からこうだろうと言っている通り、結局、他者の情報を収集した中からの著者の考えでしかないのが残念だ。
・「それでもやっぱり好きなのよ(笑)」
前作(オリジナル版)は2006年のビジネス本のヒット作であり、以後似たような「〜経済学」というタイトルの本が何冊も出版される事になったほど。
果たして本書は、その前作の内容を加筆修正したものであり、前作を読みそこなった人には無条件でオススメ。個人的には100P強の追加部分も面白く、これだけでも読んだ価値があったというもの。
むしろ、追加部分の原稿をもっと集めて、その部分だけで1冊にまとめてもらえたら、文句なしに大プッシュなのだが。
自分的には前作とかぶる部分が多いので星4つが妥当なのだが、1冊の本としてはやはり文句なしに満点かと。
・「「社会の裏が見えるデータの読み取り方」って感じ?」
難解な経済学理論が出てくると思いきや、まったく出てこなかった。「データの読み方」についての本だと思う。論文書くならこれくらいしっかりとデータを利用したい物だなあと思った。
不動産屋の裏話。相撲界の裏話。アメリカの全国学力テストの不正の問題。・・・確かそういう内容が書かれていた。データを読めば、裏がわかる。だから「ヤバい」のか?
何が「ヤバい」のだろう?社会の裏を暴いてしまうから「ヤバい」のだろうか。経済学をしっかりやっていれば、それは自ずと出てくるのじゃないか。(と思っていた。)経済学の中では人間はエゴイスティックであると定義される傾向があると聞いたことがある。エゴイストな人間が、もっとも利益を得やすい選択をするという条件なら、不動産屋が値段を変えるのも、相撲で八百長が起こるのも、教員が生徒に答えを教えるのも納得できる。(でも、これは単なる憶測にすぎない。)
本書ですごいところは、インセンティブという考え方を中心に、データを参照しながら、上記の憶測を限りなく事実に近づけることだ。八百長は「包み隠されている」がデータを見れば「明らかだ」ということになる。今、相撲界は八百長疑惑で揺れていて、そしてこの本を読んでいるときにちょうど「八百長は嘘でした。Xという人が云々」というニュースが流れたが、これはあやしい・・・と思ってしまった。この点で考えれば、本書は「ヤバい」。
・「人間の本質を探る経済学」
凄く面白かったです。この本を読んで、確実に賢くなったと思います。経済学といっても、むしろ人間心理を理解する上で役に立ちそうです。経済は人間の実際の姿を反映しているので、当然といえば当然なんでしょうが。
人間というのは、インセンティブで動く、何がインセンティブになるかは、その人しだい。だが、インセンティブで動かない人はいない。これを徹底して検証しています。お相撲さんとか先生とか麻薬の売人などなど、どれも面白いです。
人が何を理由に行動するのかに、私はとても興味があるので、ぜひぜひこれからもいろんな検証をして、また本にして欲しいです。定説や、専門家に騙されないために、世の中を賢く生きていくために、とてもおススメな本です。
・「なんて素敵な経済学」
「悪ガキ教授が世の裏側を探検する」 本書のこのコピーは間違えだと思う。 WEBで探してと著者のレビット氏がプレゼンを行っている動画を見つけたが、経済学オタクの青年といった印象である。 悪ガキと言うと、ヤバイ事を承知の上で行う確信犯、のように聞こえるが、そのような奇を衒ったあざとさは本書からは感じられない。 むしろ周りの空気を読まず、自分の興味のおもむくままに学会の常識を飛び越えた研究を行った結果が、もっと外側の一般大衆のツボにはまり、ミリオンセラーに繋がったように思える。 やはりレビット氏はいい意味でオタクだと思う。
研究とは何か?評者は。新たな知識を生み出す事だと思う。特にあらかじめ理論的に予測できたような退屈な研究成果でなく、世間の常識を覆す研究成果を表明できるなら痛快であり、研究者冥利に尽きるのではないか。 本書で取上げたネタは、真面目とばかり思ってた学校の先生達のインチキや、ついに証拠を掴んだと思ってしまう力士の八百長や、ヤクの売人の生活の実態や、日本でも石原慎太郎あたりが訳知り顔に話してそうな、割れ窓理論のデタラメ、等どれも痛快な内容である。
ところで、これらの研究対象についてであるが、世間話にでも使えそうな物ばかりで、凡そ経済学という言葉から想像される内容ではない。では、何が経済学なのか? 評者は統計学というツールとインセンティブという尺度を持って物事を分析する手法なのだと思う。フラスコとビーカーだけでは実験の出来ない社会現象では、現実のデータを元に統計的な分析により因果関係を探る手法が重要である。 膨大な単純計算を必要とする統計学は、近年のコンピュータの進歩の恩恵を最も受けてる分野の一つである。今後経済学の適用範囲は拡がり続けるであろう。日本で経済学を学ぶ学生から、是非このエキサイティングで無限の適用範囲を持つ学問分野でレビット氏のように活躍される方が現れる事を望む。
・「分析思考の人にはたまらない!」
いや〜、刺激的でとっても面白かったです。
"必要なのはただ、ものの見方を変えることなのだ"「はいはい、その通りですね、よく知ってますよ。また似たような話だろう」なんて思ってましたが、全然、違いました。レヴィットは、本当に(!)ものの見方が違ってます。
そのタイトルから「また金儲けの話かよ」と軽薄な印象を受けて、ちょっと敬遠していたのですが、バカでした。もったいなかったです。タイトルが悪いんじゃないですかね。でも確かに、ヤバい話ですね〜。真実はヤバイということでしょうか、、、。
「あなたがシカゴの学校教師で、ある日突然オフィスに呼ばれ、 こう言われる。 ”えへん、そこの分厚い眼鏡をかけた痩せた男の組んだアルゴリズムが、 君は嘘つきであることを発見した”」
なんてことが、ホントの話なのだから、ちょっと信じられないでしょ。ものの見方を変えると、そんなアルゴリズムができてしまう、ということなのです。
「テロリストを捕まえることができる道具を造りたいんだ。 いいデータがあれば、間違いなく答えは見つかると思うんだ」
どこが経済学の話なんだよ、と突っ込みを入れたくなりますが、レヴィットなら本当にできてしまいそうです。
とにかく「データの山から、これまで誰も発見しなかった話を見つけ出す」が、まさに文字通りピッタリで、分析思考の人にはたまらなく、シビれますね。物事の中の相関関係を見つけ、そこに潜む因果を見極める醍醐味を味わえます。
それとインチキをする人の心理描写がとても巧みで、ギクッとしますね。どうせ誰もわからないだろう、みんなしていることだ、と気にもとめずに行った不正が、レヴィットには暴かれてしまうのでは、、、
最後に、「増補改訂」部分については、ちょっと期待はずれ。初版を持ってる人が、あえて増補改訂版を買うべきかは「?」ですね。また、『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』の抜粋も、各章の前に載せてあった方がインパクトがあってよかったですね。オマケに全部掲載されてはいますが、読み流してしまいそうで、ちょっと勿体ないかな、という気がしますね。
・「世界経済の将来が分かる!!」
本書はほぼ同時期に刊行された『リアル経済学』より内容も充実しており、非常に興味深く世界経済について学ばせてくれる著作。ベンジャミン・フルフォードさんが陰謀論とジャーナリズムの曖昧な境界線の中で紡ぎだした本書は地球の覇権を巡って現在壮大な戦いがアメリカと中国で起っており、没落しつつある大国アメリカが悉く中国に負けている事が示唆される。ほんのちょっとした事件や事故も背後には巨大な謀略の文脈が横たわっていること、また、常に西洋文明によって虎視眈々と狙われているナイーブな日本の存在が、実は世界を救済する可能性を秘めていることを教えてくれる。タイトルだけでは中国一国についてのルポに見えるが、実際は中国を枕詞に世界の行く末を描いた作品。公にされていないがおそらく存在するであろう地震兵器、民族をより分けて殺戮する細菌兵器の恐怖と謀略をものともしないBRICSの勃興等など興味は尽きない一作。
・「中国が目指す大東亜共栄圏構築を正しく導くことが日本の歴史的課題」
著者の本は「さらば小泉グッバイゾンビーズ」以来ですが、船井幸雄さんの推薦の通り、いくつかの驚愕の真実を知ることが出来、世界の成り立ちや動向を自身で見極める上で大変勉強になりました。
フォーブス誌のアジア太平洋支局長も務めた親日の著者は、中国の四川大地震が米国の地震兵器だとする等の米国の悪行の数々と中国の台頭と米中の戦いの遍歴を紹介し、いくつかの自説を展開されていますが、個人的には信じるに足る内容だと思います。
そして本書の総括として、中国が強欲思想の米国との資源・金融・軍事闘争で勝ち続ける一方で、解決の糸口が見えない「環境汚染」「国内格差」「人口問題」を抱える中、かつて日本が夢見た大東亜共栄圏を目指し、日本の協力を必要としており、数々の文化の良い所を吸収し発展した日本には文化的にもまた世界一の対外債権国として金融資本的にも、中国に義を説いて彼らの大東亜共栄圏を正の方向へ昇華させる実力があり、それが現代日本人に課せられた使命だと説きます。
つい先日南京の出身の同僚が、(少なくとも彼の周りの)南京の人は日本人を憎んでいないですよ。本当に信じられるのは日本人の友達ぐらいですと語ったのが印象に残っていますが、著者が説くように、日中が共同で今のお金中心の世界から義や信中心の新しい世界思想を生み、21世紀が素晴らしいアジアの時代になることを願って止みません。
・「なかなか」
この作者の本は初めて読みました、まず一番最初の注意を引かれたのは、表紙清朝の皇帝の肖像画の美しさ、中の文章、こんな書き方も有るんですね、現実と、虚構?フィクション?のスムーズな行き来、もしかすると本当のことかも知れませんが、これはこれ、情報としての、切り口は素晴らしい、そっから先は、誰にも証明できない。でも、本当にも感じる腕はなかなか 中国と米国愛憎混じるラブストーリーなのかも、日本もこんな戦略的な動き、早くできるようになって欲しいな、掃除大臣様
・「四川大地震はアメリカの画策!?」
アメリカと中国が覇権争いをする中で、四川大地震とチベット騒乱はアメリカの支配者たちによって画策されたものだという仮説を論じるのがメインパート。
四川大地震が、9/11と同じようにアメリカの一部の人たちによって人為的に「つくられた」という説明を突飛に感じる人は多いと思う。しかし本書を読んでみると、まぁそういう可能性もあるかな、と思ったりする。筆者はSARSや鳥インフルエンザも同じようにアメリカの支配者が意図的に作り出したものだと説明する。
「そうかもしれないな」と思わせる材料はいろいろあるようだ。筆者は取材や報告書などから、その証拠材料をもってくる。第二次世界大戦中のひとつの兵器として「地震」が考えられていたこと、四川周辺には核開発関連の施設があることなどを説明していく。さらに、SARSや鳥インフルエンザについては、中国の人口を削減し、その覇権国としての勢いを弱めるための人口削減生物兵器として筆者は位置づけている。
こういう仮説は、確かめるのがなかなか難しいと思う。大地震で中国を混乱させたり、チベット騒乱で中国崩壊のきっかけをつくったりするインセンティブを、アメリカの支配者たちは持っているだろうと思うけれど、では実際に彼らがやったのかというと、その確認は不可能だろう。だから、事実の積み重ねで勝負していくしかない。そういう意味で筆者は記者としてのスキルと才能を十分に活かしているように思えた(偉そうで何ですが・・・)。加えて、確認不可能なところに想像力をかき立てられる面白さがある。
本書の面白さは、そうした「陰謀説」がどう根拠付けられていくかにあると思う。全体的には議論が拡散しているイメージがあるが、文章は読みやかった。
・「トンデモが入ってなければ、星5つ」
著者は、中国の帝国=超大国化は、世界史の常態であり、かつ漢民族国家が侵略国家だったことは2世紀以降なく、世界の各国にとって脅威でもなんでもないという。さらに、欧米資本主義国は、いまでもアフリカや中南米を新植民地主義で収奪しているくせに、平等に商品と資源を交換しているだけの中国を、批判するのは間違いと主張している。--こうした著者の見方には大賛成なのだが、大きな問題がある。裏づけの中、マカオ取材などまっとうなもの以外に、9・11陰謀説や、四川人工地震説などトンデモ(突っ込みどころ満載)が混ざっている点だ。このため、心ある人は一歩引いてしまい、結論にも疑問を持つことになるのが惜しまれる。これも闇の権力の陰謀?
・「資本主義のもたらした闇経済」
現代のアメリカ型資本主義は、ベルリンの壁崩壊以降、旧ソ連圏だけではなく、中国、東南アジア、南米等に大きな影響を与え、各国はそれぞれの経済体制を、大きく変化させた。
経済体制の激変時には、政治・法律の力が及ばない闇経済が必然的に発生する。この本は現代の各国のあるいは、国をまたぐ闇経済を詳しくレポートするものだ。
大きく分類すると以下のとおり(1)共産圏に自由と民主主義がもたらされた結果、貧困層が生み出され、女性や弱者で 奴隷状態ともいえる人々が増加した(2)マフィヤのマネーロンダリング等が世界的規模となっていった。 (3)途上国では先進国の模倣品、偽造が盛んになり、手がつけられない。(4)インターネットの世界は、無国籍で法律が全く及ばない。 サービスを提供する側もサービスを受ける側も奇抜な手段で金を稼いでいる。(5)政治自体も闇経済に引っ張られるように、恐怖や神秘が政治手段となっている。(6)その他いろいろ(当然アメリカも出てきます)
このようなことが、現実にあるのかどうかは全く分からない、というのが正直な感想。闇経済は、一般人には見えないからこそ闇経済言われるのだから、当然かもしれないが。
著者はイタリア出身のためか、アフリカ諸国がよく話題に登る。これは、日本人の本にはあまり出てこないのでなかなか勉強になる。また、著者のインターネット内での経験には思わず笑ってしまう。
副題は「世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か」となっており、一見、現代の世界同時不況の問題を取り上げているように見えるが、直接は関係ないので、その辺はお間違いないように。
・「経済というより破壊された政治の記述」
ベルリンの壁の崩壊、EUの成立など、日本では表の面ばかりが取り上げられるが、裏で起こっている変化は単なる違法行為の蔓延ではないことが様々な実例を元に語られている。経済の統合やグローバル化が政治を無力化していった様子には慄然としてしまう。「市場国家」という言葉をこの本で初めて知ったが、本書では表題に経済学をうたっているにもかかわらず政治哲学からの引用が非常に多い。日本語版では引用文献のページを削除してしまっているのが残念。また、文化大革命がなされた理由を、都市と農村の距離を埋め領域支配を確立する中国史上初めての地理的運動、としているのには目からうろこが落ちる思いだった。扱うテーマの性格上、救いの無いような話が続いているが、最後に来て、イスラム金融に将来の望みを託しているのには意外な気がした。(女性の著者という先入観があったせいかもしれないが。)経済以外の政治・宗教(道徳)がどんなに大切であっても、現実に儲かる話に対抗することはイスラムほどの力がないと容易ではないと言うことなのであろう。
・「豊富なエピソード・事例・データが説得力を与えている」
前訳書『クリエイティブ・クラスの世紀』はマクロな動きから入り、他の類似理論の撃退を経てアメリカの細かな国内政治に言及するなど、ちょっと拙速な印象を与える内容だった。その点、本書は人の生き方などミクロな動きを丹念に拾い、それがどうして現在の都市や経済の成長に結びついているのかについて、興味深いエピソード、豊富な事例とデータ分析を交えてじっくり描いている。最近、日本経済新聞やエコノミストに立て続けに書評が掲載されたが、前者は創造都市論の観点から高く評価し、後者はマーケティングの観点から新規さに疑問を投げかけていた。ただし日本のこの手の本は、著者のイメージだけで断定的に書かれているケースが大半であり、その点本書の実証的で抑制のきいた論の進め方には説得力があり、著者の慧眼には感服せざるを得ない。翻訳もこなれていて読みやすい。じっくり味わう労作と言えよう。
・「ドラッカーの予測通りになってきた」
ドラッカーが随分前に「知識資本」「ナレッジワーカー」の時代になると予測していましたが、本書を読むとまさにその通りになってきていることが分かります。
本書では、クリエイティブ・クラス(ドラッカーのいうナレッジワーカーに相当)が台頭してきており、彼ら/彼女らが最大限に活躍できる環境を整備しているエリアが経済発展を遂げていることを、社会科学の様々な分野の知見を駆使して調査・分析することで説明しています。
また、その環境の必須条件として3つのT、すなわち技術(technology)、才能(talent)、寛容性(tolerant)を挙げています。
社会科学の常として、複雑かつ変化する環境において、全ての要素、その重要性、関係性、因果関係を捉えきれないこと、またこれらの捉え方によって結論が変わることがありますので、本書だけを鵜呑みにすることはできませんが、今後の経済・文化・社会・個人を考えるうえで重要な視点を提供していることは間違いないでしょう。
少しそれますが、本書を読んで感じたことがあります。 それは、本書の視点が企業におけるイノベーションにも適用できるのではないか、ということです。 昨今、イノベーティブな人材、クリエイティブな人材を積極的に求めている企業は多いのですが、そのような人材が最大限に活躍できる環境を整備している、若しくは真剣に整備しようとしている企業がいったいどれだけあるのでしょうか。 いくらこのような人材を集められたとしても、企業内環境が従来のワーキング・クラスをベースとした中央集権的・管理統制的なものでは、クリエイティブであればあるほど逃げていくのだと思います。 更にそのような人たちが企業に対して抱くネガティブな印象が広まっていくと、このような人材を採用することができなくなり、結果としてその企業が衰退していく、ということが起きるのではないか、既に起きているのではないか、また企業側はそのような人たちに対する印象を悪くして採用をあきらめてしまうということも起きているのではないか、そのような二重の悪循環が起きているのではないか、と推察されます。
人と環境をセットで考えていくことの重要性を痛感させてくれる本です。
なお、本書の内容は基本的にはアメリカ国内のものですが、日本では先に出版された「クリエイティブ・クラスの世紀」では、グローバルに視野を広げて展開しています。こちらでは、グローバルレベルでクリエイティブ・クラスの獲得競争が起きており、彼ら/彼女らを惹きつけることができた国・都市が反映しているということを解説しています。併せて読まれることをお薦めします。
・「問題意識を持つ方へ」
本書をどう読むか?その人自身の社会変化への関心度に大きく左右されるかもしれない。大きな社会変化の中にいることに気づき、それをどう考えるかを模索する人にとっては啓示的である。経済推進の原動力が「大企業」という巨大組織ばかりではなくて、個人の創造性にまで還元される可能性を示している。クリエイティブ側にいる人にとって大いに勇気づけられることだろう。本書において「寛容」の部分(ゲイ指数が都市のクリエイティビティーを図る指標かどうか)は日米の環境の違いがはっきり出て議論される部分でもあるが、あくまでそれをそのまま受け取るのは、「クリエイティブ」とはいえないだろう。新しいものの出現を社会がどのように認め、受けとれるかの指標を、これからの日本でどのように考えていくかと視点をきりかえるほうが重要である。あたらしい「クリエイティブ」は、新奇さゆえに受け入れられがたく、創造に「不寛容」な社会である限り、クリエイティブの自滅という現象が起きてしまう。また、新しいものが出現したときに、専門家ほど、発想がその分野の枠組みに縛られ、まず「否定」の方向に傾きがちである。(フランス絵画の印象派の出現を当時の美術評論家は正しく評価できなかった。)「寛容」はそうした意味から、均質を尊ぶ日本社会に課せられた課題でもある。本書は、読み手の対象が広く、都市論、経済論、社会論として読めるが、個人的には、すっかり閉塞した感のある日本経済をどう考えるか?の未来論として読んでみた。新しい社会の担い手となる経営者にこそ必読と思える。あるいは問題意識を持つ一般の方へ。前訳「クリエイティブ・クラスの世紀」との併読がわかりやすい。
・「新しい都市経済学の原論となるべく書」
クリエイティブ資本論―新たな経済階級の台頭フロリダ教授はトロント大学の都市経済学の研究者です。これまでの都市経済学というのは交通渋滞がどうのとか街並みを欧米並みにきれいにとか、税金か公営住宅のどちっがよいかなどという話が多くて、それはそれで大事ではあるけれどマクロ的で長い時間すぎて、今一つ自分のこと、あるいは一企業の問題として捉えることができませんでした。
この本は、クリエイティビティを核に都市経済と個人の関係までうまくまとめていると思いました。そして結果的に都市経済学の新しい存在意義を高めたと思います。仕事の仕方や組織のあり方など個人的で現実的な話として、近い将来をどう考えるか、とても参考になります。私が普段感じていたことをまとめて整理してもらってうれしく思いました。大都市の集中と地方の生き残り、教育の内容や個人間の格差の問題なんかはこうした切り口がどうしても必要になってくるでしょう。ただし、クリエイティブとは言っても医師や法律家のような高度な専門家も含んでいるのはちょっと無理に思える点がある。むしろ日本では製造業内の創造性も含めないと一足飛びには変わらないと思う。それから私達に変化の実感が少ないのは居住モビリティや言語、外国人就労の問題もあって日本は既に遅れを取っていることにも注意したい。
情報社会(梅棹)、脱工業化社会(ベル)、ネクスト・ソサイティ(ドラッカー)、第三の波(トフラー)など70年代に盛り上がった未来社会論がありましたが、やっと現実のものになってきたと感じています。
訳者の井口先生は青山学院でクリエイティブ社会を研究している方で訳も読みやすいと思います。井口先生自体は青山らしくちょっとアーチスチックに偏っている気がします。まあそれは関係ないのですが・・・。それから同じ著者の「クリエイティブ・クラスの世紀」のほうは本書より落ちるので、忙しい方は読む必要はないと思う。
・「新時代に向かった「見えない社会勢力革命」を見える化した画期的著作」
驚きの書です。これは単に社会経済論という話ではなく、個人個人の生活や人生にも、大きな影響を与えます。翻って、自分をとりまく生活環境の変化、友人知人の行動様式での心当たり、自分の嗜好の傾向、そして、これからの自分の生き方、職業選択、生活の場所を考えてしまうこと必至です。
我々日本人でさえ、日頃のニュース記事や仕事での人とのつながり、日常生活ではなんとなく心の奥底で感じていた生活シーンの変化。
それを、フロリダは、多様な観点から、大変わかりやすく分析、検証し、「21世紀の人的資本」クリエイティブ・クラスの台頭と結論付ける。
たとえば、自分のアイデンティティは、従来は、所属する会社、従事する仕事、後ろのほうに、趣味やライフスタイル、知り合い関係などがくる。しかし、クリエイティブ・クラスの時代では、どこを生活の場にして、何の仕事をして、どんなライフスタイル、趣味で、最後のほうに、どこの企業に属するか?がくる。仕事優先ではなく、トータルなライフにあった仕事と生活の場所を選択する。また、仕事は、一社で垂直的に自己実現しつつ、高給を目指して出世するということではなく、水平に職業を移動していく、という嗜好。
これは、衣食住に困らなくなった豊かな社会(国家)に住み、知識労働に従事するクラスの人々のライフパターンである。
最後の章は、クリエイティブクラスの責任を説き、これが一部、新時代の経済を切り開く特権階級のノーブリス・オブリージを奨励するように見えますが、しかし、そんな浅薄な話ではありません。
国富という視点で検証するとき、国の繁栄、国際競争力、その前に地域活性化、エリア活性化のためには、フロリダが分類したような、クリエイティブクラスが時代を開拓していく階層であるとすれば(その結果、サービスクラス、ワーカークラスの経済効果も波及するならば)ケインズ的な意味で、国富の再分配という観点でも都市とクリエイティブクラスへの傾斜配分もやむをえないといえます。
いづれにせよ、米国での都市部やハイテク関係者の話が多いのですが、フラット化した先進国世界での、彼ら(もしくは、我々日本人も含めて)ホワイトカラー階層の嗜好、生活様式、行動様式などを具体的に、まさにツボにどんぴしゃりと当てはまる分析、検証をしている本書には脱帽です。
・「これからの世界経済は…」
ちょっとした縁でこの本に行き着いてしまった。
・「イラストもわかりやすい。」
非常に分かりやすく経済学の概念を説明しながら、本質をはずしていない良書と感じました。
私自身、初めて経済学に触れたときその概念の把握に四苦八苦しておりましたので、この本にもっと早く出会っていたかったものです。
・「消費者の視点での経済を学べる入門書」
本書はアメリカのNCEE(アメリカ経済協議会)という組織が作った、高校生向けの経済版指導要領?に基づいて書かれた経済入門書。内容は、消費者の視点から見た、家計、政府の財政、金融などのお話をかなり分かりやすくまとめられている。
日本の政治経済の教科書が、古典経済理論の内容と系座学者の名前を暗記することに重点が置かれているのに対し、本書を読むと、アメリカの経済教育では、自己責任の価値観をベースに、世の中の動向を理解して、賢い消費者を育成することを強く意識している事が分かる。
日本国内でもパーソナルファイナンスの重要性は問われて来ているけど、経済理論を学ぶより、本書のように賢い消費者になるための金融教育をもっと早いうちからやった方が良いのではないかと思う。
・「読者の評価が高いのは日本の経済・金融教育の貧困の裏返し」
良書である。すでに掲載されているレビューの通りで、初学者、高校生等に有用な内容となっている。
・「経済ニュースに「ピン!」とくるための勘所をつかむ」
パーソナルファイナンスを身に着けるとは、つまり、経済ニュースを聞いて
「結局、どのニュースが俺に関係あるのか?」「それが俺にどう関係あるのか?」
感覚的にピンとくるようになること。
たとえば、長期金利が上昇する、と聞いて、住宅ローンが上がるのかな。と思える人は、もうすでに住宅の購入を検討している人だったりする。でも、こういう知識があれば、世の中の動きが自分にどう関係があるのか?感覚でもっと早くつかむことができるはず。
小難しいことはさておいて、金利、為替、物価、といったテーマで勘所をつかむ本。すでに詳しい人には食い足りないので、これでエクセルを回せるようになったりはしません。
あと、面白いのは基本的な価値観として、「継続的に学習・実績を上げて自分のバリューアップをして収入を継続的に上げてゆく!」という考え方が貫かれていること。本書はアメリカの教科書準拠らしいですが、無味乾燥な記述で終わらない価値観を持っているのはさすが。
・「入門書にオススメです。」
結構分厚い本ですが、字が大きく、内容もかなりわかりやすいので一読すれば自然と内容が理解できる内容となっており読みきるのにそう時間はかからないと思います。
本書は、経済学というような専門的な本ではなく社会に出る前に知っておきたい一般常識といいましょうかそんなものが幅広く学べる本であります。大学生や20代の方々にオススメだと思います。
専門用語については何度も同じ説明がなされているので、抵抗なく安心して読めるのも本書をオススメする理由の1つです。
●マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術──連鎖崩壊時代の「実践・資産透視学」
・「「終わりの始まり」シリーズを凌駕する内容だ!」
本書は「恐慌」に対するアメリカ必死の攻防をユニークかつ独自の視点から浮き彫りにしている。ユニークな点は・・・以下の通り。1いま、実は恐慌であること。2サブプライム問題の総括を名門UBSとベアスターンズを比較検証しながら展開していること。3中国経済(体制)崩壊を冷徹な目で見通していること。4中東(原油が出る中東)の景気はバブルであり、実は欧米金融機関に振り回されていること。5にもかかわらず、いまこそ投資のチャンスであること。
中東の政府ファンドはなぜあんなに欧米の金融機関にポンポン出資できるのか? いま、欧米の金融機関にバンザイされたら、いままで出資した資金がすべてパーになってしまうからだ。つまり「出資」ではなく「追い証」なのだ、と。 これから20年、アメリカ・中国・中東・ロシア等の成り上がり資源国・・・そして日本の金融がどのように動いていくか、豊富なデータと独自の投資観・相場観で解き明かす。
・「なるほど、こう読み解くのか!」
金山を持っている人物ゆえに、著書の結論は基本的に「金と金鉱株」というポジションで一貫している。しかし、それでもなお本書が秀逸なのは、我々を取り巻く現在の不確実な状況をどう読み解くことができるか、その明確な視点を提示している点にある。だれでも事実を見ることならできる。そして、サブプライムショック後、新聞・テレビで関連する経済情報・記事・ニュースは増えた。たしかに事実は事実と知っている。しかし、その断片の事実を全体で読み解き、半歩先の未来を読み切ることができるかというと、これが凡人にはなかなか難しい。しかし、それこそが本当に必要で、大切なことだ。その意味で、著者の見解を鵜呑みにはできないが、「いま」という時代を自らの力で読み切ろうとする意欲溢れる読者にとっては、きわめて得るところの多い有意な一冊であることは間違いない。
・「面白いですね。」
面白かったです。たしかに60年に一度のチャンスなのでしょう。著者の言うとおりに、分散投資などという「古い」投資哲学は、大金持ちにだけ許された贅沢なんでしょうね。こんな皮肉なブラックユーモアまがいの言説をちりばめたベストセラーが日本で大衆向けに昨年に生み出されているのは皮肉な現象です。著者によるアメリカの現状の解説は見事です。そう賞味期限切れの欧米中心型金融システムなんでしょう。1980年に始まったこの流れは仕組みとしてはとうとう自滅したのです。もっとも混乱の中で自滅されては、米国外への影響が大きすぎます。そう銀行から100万円を借金して返済できなければ銀行に殺されますが、1兆円を銀行から借金できたら、逆に銀行の運命は借り手が握っています。そしてsovereign wealth fundsによる出資はこのゲームの中での「追証」のような存在なのです。でも危機の規模が拡大し、とうとうGSEにまで及んできた現在のアメリカの金融システムの危機を救える資本の出し手は、時価会計をしなくていいアメリカ政府だけです。でも、著者が指摘するように、おそらく日本からのrescue pacakgeも最後の段階には待ち受けているのでしょう。もう誰も覚えていないけど、ちょうどSL危機の露呈する直前の20年前(1987年)にも、経営危機に陥ったアメリカの金融機関BOAに総額で約1000億円以上のrescue pacakgeとしての資本協力が日本の金融機関によってなされました。今回は当時に比べて規模も大きくなっているため、日本の民間金融機関だけではなく、おそらく郵貯銀行も含めて10兆円規模の「資本協力」が「純投資」という名目でなされることもありえるのかもしれません。この純投資を正当化する外観をまとった「仕組み」はまた頭のいい人が考え出すのでしょう。中国パッシングの部分も面白く読めました。ところでオコナーの買収は新UBSの誕生後ではなく、SBC時代の話です。
・「近未来を鋭く予測する著者の洞察力には敬意を表したい。」
リーマンショックをきっかけとして、世界的に株価の下落が止まらない。まさに「平成恐慌」と言っていい状況に陥りつつある。
本書は、今年の7月の出版であるが、現在の状況をほぼ予測していることに、驚きを感じる。
また、中国については、「中国パッシング」として、すでに投資不適格と切り捨てているし、ドバイに象徴されるような中東産油国の未来は原油価格の低下で、何の存在感もない地域になると予測している。
こういう中で、日本では代替エネルギーの開発やエコ住宅の販売、常温核融合で世界最先端を行く技術など、日本の未来は明るいとしている。
これからは、ドルではなく金であるという著者の主張には異論があるが、近未来を鋭く予測する著者の洞察力には敬意を表したい。
・「恐慌という錬金術をものにできるか!?」
マネーの未来を、歴史から解説した分かりやすい本です。
著者は、これからは金(ゴールド)と金鉱株と言ってます。ラリー・ウィリアムズは以前、歴史的に、株が下落した時は、金(ゴールド)を買うお金も無くなるので、金の上昇は無いと言ってました。
ジム・ロジャーズは原油と言ってますが、著者は時代のトレンドは脱石油と主張。
景気の反転は、個人的にはダウ工業平均が2800位になった時ではないか?なぜなら、1929年の世界恐慌の時は約8割下落、日本のバブル崩壊時の際も39600円から約8割下落。今回もダウ最高値の14000から8割下落の2800が、反転ポイントか?今現在は信じられない数字だが、歴史に照らせば信じられる数字である。
果たして誰が、「恐慌という錬金術」をものにするか!
・「そこに、ドラッカー先生の生きた授業が蘇る」
著者でかつクレアモント大学院 エクゼクティブ向けマネジメント博士コース 卒業一期生の一人であられるウィリアム・コーン博士を通じて、これまでの出版された書籍とドラッカー先生の間を繋ぐ行間---息遣いと熱意、そこに至る思いを垣間見ることが出来ました。
もうドラッカー先生の授業を受けることは決してできない叶わぬ夢ですが、でもこうやって、本書を手にできたことを幸せに思います。
本書では、「将来は予測できないが切り開くことはできる」をメッセージとしてリーダーシップの「育成」にフォーカスされていると思います。
特筆すべきは、「知識のなさを逆手にとって問題に挑むべき」を前提とした「(白紙の段階から検討するとしたら、この事業に参入しますか」「この事業をどう扱うつもりですか」この本質をついた2つのドラッカー先生らしい質問は印象的でした。
また、戦略リーダーは・ビジネス・本業とは縁のない専門分野を含めて2つ以上の分野で得意分野をもつ必要があるとも説いています。・(これを通じて)戦略的な発想と行動を身につけること・自分の得意分野とは異なるものも含め、多数の分野を束ねるために、 より複雑な状況に対応できるようにすること
さいごにまとめると、著者・コーン博士は、ドラッカー先生の「将来は予測できないが切り開くことはできる」の教えを読者なりに自分のものにして、歩み出して欲しい。先生からの伝承された思いを感じました。
・「知的刺激に富む本格派テキスト」
本書はクルーグマン教授によるミクロ経済学を体系的に総括したテキストです。アメリカの大学でも使われています。
まず本書の極めて特徴的な点は各章の最初に読者の興味を引き付けるトピックスを紹介していき、その事柄からその章の経済の知識を吸収できるように配慮されています。
次に経済的トピックスを簡単な数式とグラフを用いて解説しています。そして読者がその項目を理解できたかを確認するための理解度チェックを解く事によって確認できます。
カラクリとしてはこれだけですが、非常に興味深いトピックス、日常に頻繁に使われるトピックスを紹介していて誰にでも興味をもてる内容になっています。数式は簡単な四則演算のみです。
一例を挙げると「弾力性」という章にはまず最初に現在注目されている「石油とその価格」の需要曲線を用いて解説しています。そして食品の価格上昇と需要との関係を示すトピックスへと引き続いていきます。
次の章は「消費余剰と生産余剰」。まさにこのサイトで行なっている中古商品の売買は売り手と買い手の利益を需要曲線と供給曲線だけを用いて説明しています。実際新品を購入するよりも中古商品をお互い売買する方が利益を得る、それを数式とグラフを使い、説明するわけです。
私はレビューを170件以上書いていますが、これだけ内容とコストパフォーマンスの優れたものは初めてです。滅多にこの類の本には出合えないことでしょう。
・「非常に丁寧に書かれたテキスト」
ミクロ経済学の教科書にこんな書き方があるのかと新鮮な思いで読んでいます。あくまで具体例に基づいて理論が展開されるので、非常に分かりやすいです。また、本書をサポートするウェブページも使いやすく非常に満足しています。(英語ですが・・)まあ、一つ難点を挙げるなら、少々くどい所でしょうか?まあ、これも話を具体的に丁寧に展開する為には仕方の無いところだと思います。訳者の方も原著の雰囲気を失わないような訳し方をされているので非常に読みやすく、毎日少しずつ読んでいます。
・「高価な本ですが、コストパフォーマンスはよいです」
他の方も書いておられますが、原著はアメリカ国内の読者を想定した本なのでそれなりの不便はあります。(例えば本書で紹介されるWEBサイトはほとんど海外の英語サイトであるなど。)しかし、一般常識として経済学を知ろうとした研究者でも学生でもない私にとって、実は最高の入門書でした。高価ですしやたら情報量が多いですが、中身の薄い自称入門書を100冊購入するより余程コストパフォーマンスが高いです。
・「アメリカの事例ベースでも気にせずに読める良質な教科書」
はっきり言って、分厚いし高い。
学校の教材にするには持ち運びに不便で高いので、おそらく経済学を勉強する学生の副読本となるだろうけど、中身の充実度からすると副読本としておくには惜しいほど。
分量が多く心理的なハードルが高くなりがちだけど、文章が平易で身近な事例などをベースに説明が進むので退屈しないし、理解も進むのははっきりと断言できる(例題なども充実!)。
「ヤバい経済学」を読んで、経済「理論」をそれなりに学んでみたいと思った人には値段が高いけど価値は高いと思う。
大学時代に読んだ、日本の学者が書いた経済学の教科書はなんなんだ?と突っ込みをついつい入れてしまいたくなるほどよくできている(ほめ過ぎ?)。
Webでの学習もできるものの、一部のコンテンツは指導教官のアドレスを入れないとアクセスできないという不便があるため減点したい気持ちはやまやまだけど、中身が本当にいいので星5つ。
事例がアメリカのものだとしても個人的にはまったく気にならず、どうしても気になるのならニューヨークを東京に置き換えてイメージすればなんら支障はないと思う。
・「驚きました。」
「みんな初心者だった時期がある。初めて経済学を学ぼうとする人たちに本書をささげる」・・・これは冒頭の扉に本書に書かれた言葉である。そのとおり、滑らかで親しみやすい文体を使った初学者向けの実況中継講義的な本である。カラーでB5版の大型でソフトカバー。ページ数は600以上あるが、図表が多いので実質の文章は少なく、読むのは苦ではない。構成はマンキュー本を参考にしたと思われるが、後発だけに改良されている感がある。事例もコラムも「ダフ屋」等が登場したりと敷居も低いので、個人的には速読がしやすかった。スティグリッツやマンキュー、ヴァリアンを全て読破したが、現時点ではその頂点に立つと思っている。
・「アメリカ人が書くとこうなるのか」
日本にいて中国を語るとき、感情を入れずに語るのは難しい。日本と中国はその歴史においても、現在においても、好き嫌い損益貸し借り優越感劣等感メンツ狡い汚い不正、もうそれこそいろいろな感情がごちゃごちゃと入っている。
この書を読んで素直に感じたのは、アメリカ人っていうのはそういう感情なしに中国を語れるんだ、ということ。それが日本人が読むとかなり楽観的に感じてしまう要因かも知れません。
著者は投資家ですから、今の中国に投資をするなとは決して言いはしないでしょう。この本はアメリカ人が中国をどう見ているか、そういう使い方で良いのではと思いました。
それも1988年当時から中国をバイクで横断した程かなり中国が分かっている、かつ、投資のプロの目から見ている本です。日本人の目から見ると今の中国は今一つ信用できないといったイメージがありますが、実はそれを剥いだ内側にも冷静に目を向ける必要があるのではと考えさせられます。違った意見を知る、これが本の持つ良いところなのですが。
投資は自己責任なのでこの本を読んで中国株を買うかどうかは各人各様ですが、株を買うとかという前に中国を知るための本として一読するのは有用かと思いました。
・「私は、20年先まで見据えている」
taiyaki#004
わたしは投資関連はまったくの門外漢です。それでもジム・ロジャースの本は、読んでしまいます。何といっても彼の本は読み物として面白いし参考になります。本書の中国企業の推奨銘柄に関する記述は、もちろん投資のうえで大いに参考になるのでしょうが私にとってこの本は、一国の経済が成長する際に何に着目すればいいのかということとか経済をどのように注意深く見たらいいのかということを知るためにも役立ちました。
・「中国を3度横断した人の投資指南」
前著のとおり、著者はバイクで世界一周/車で世界一周を成し遂げており、そのときの行程の途中およびプラス一回の合計3回、中国を横断しているそうです。著者のその実体験と歴史観および統計数字の冷静な分析の結果、21世紀は中国の世紀であると結論づけています。
・「「商品の時代」の次が「中国の時代」となった意味」
希代の慧眼の投資家による本格的な中国株投資の入門書。個別株銘柄に詳しく言及している点も注目だ。小生は原著(英文)も拝見したのだが、さぞ邦訳の作業は大変なことだったろう。
さて、本書では徹頭徹尾あらゆる業種の中国株に強気となる事由が、延々と述べられているのだが、それをどうとらえるかは読者に試される試練だろう。折しも中国株の上海指数は、昨年の好調がうそのような暴落劇を演じている。君子危うきに近寄らずと考えるか、絶好の好機到来と考えるかだ。
かつての著作「商品の時代」が約3年前に発行された際、正直原油がここまで高騰するとは思わなかったのは事実だ。そして、今回の「中国の時代」なのだ。
およそ投資を志す方すべて、読むべき本と推察する。
・「将来を見据えて書いていると思う。」
日本の投資信託で中国株のものを持っている。昨年秋から、中国株は、6000ポイントから、2100ポイントへ、約三分の一に下がった。買ったのが、3年前だったので、昨年買った人よりも影響は少ないと思っている。売ろうかと思ったが、この本を読み、長期保有するよう決めた。 購入時、中国に対しては、今後伸びるだろうとしか考えていなかった。何度も、北京や上海には行っているのでそれを目にして。しかし、この暴落でぐらついた。 しかし、この本を読んで、ジム・ロジャーズの自分の目で確かめ、将来性を見据えているのは、凄いと思った。色々な分野の企業分析、将来性の予想など非常にためになった。 投資には、暴落はつきもの、ジムロジャーズは、長期を考えている。日本人の多くは、短期しか考えない。この本を読んで、ますます、中国の底力を感じた。 現在の、中国株の暴落で、ジムロジャーズは当らないと思っている人がいると思うが、私には、数年後から10年スパンの事が書かれている本だと思った。非常に、良い本だ。
・「基礎の基礎、ただそれが大切。」
この本の内容で触れているのは本当に基礎的なことです。ただ重要なのは、
"すべての学生が学ぶこと"
でしょう。といっても全米の高校生が学ぶ、といった意味ではなくて、大まかに言ってしまえば理系文系ですか、そのどちらも経済学を学ぶ機会がアメリカにはあるということです。日本では残念ながら理系にいったら経済はさっぱり、文系にいったら技術はさっぱり、というのが当たり前のようになっています。現代では学問をとっても一分野にいてはいいものはできません。色々なものに触れるという意味でもいいものかもしれません。
本書は株式市場について詳しく知りたい、マクロ経済政策の細かい部分を調査したい、といったことを知ることはできないかもしれませんが、経済、というより社会の成り立ちを理解するのには非常に役立ちますし、もちろん日本とは違う部分がありますが経済新聞を読んだり、ニュースを理解するのには十分な内容となっています。
巻末は用語集のようになっているのでカタカナ文字でわからない言葉が出てきた、などというときにも威力を発揮してくれることでしょう。
またやはり企業家の役割がきちっと説明されていて、なおかつ経営者とは別の概念であることが興味深かったです。日本では成金と見られたりすることもあるようですが、リスクをとって事業を立ち上げられる人材は非常に希少価値があり、尊敬を得られるべき人たちでもあります。そういったことを早い段階で意識するにはいいかもしれません。
教科書らしくちょこちょこと問題が出ています。それらもアメリカ流らしく用語を解説せよ、だけではなく身近なものに置き換えて考えさせるものとなっていて、常に考えさせることがあちらの教育なのかな、と思いました。
ただこれをポン、と与えてテストするだけではやはり意味はなさそう。必要なときに自分で読むのが一番ではないでしょうか。
・「WSJやFTを読みこなすために」
米国で長年に渡り高い評価を得ている経済学の教科書の翻訳。
基本概念から、ミクロ、マクロ、国際経済学まで一通りカバーしており、すっかり昔の知識が抜け落ちてしまった僕にとっても、全体像の整理に非常に役立ちました。
また、経済用語が英語で併記されているので、用語の定義とともに効率的に頭に入ってきます。英語の経済紙を読みこなすための基礎知識という意味でも役にたつものです。
各章の末尾に概念の確認や、実際の社会における経済の実態について批判的に考察させるような例題があるのが印象的。知識の「詰め込み」よりも「批判的に考える」力を養おうという姿勢が窺えます。経済学には正解はないだけに、考えることの重要性は日本の教育でも、もっと強調されてもよいと思います。
昔「生産要素」といえば、土地・資本・労働力の3つ、と習いましたが、今は「企業家」も入っているのですね。時代の流れなのか、アメリカならではなのか分かりませんが、印象に残りました。また、アメリカの所得格差の現実にも改めて驚きを覚えました。
・「分かりやすい!」
以前から経済学を勉強したいと思っていましたが、体系的に学べて初心者向けのものが・・・と思っていたところに、この本を見つけました。経済学の考え方が体系に沿ってやさしく解説されています。高校生向けだけあって、著者の立場などはあまり明確にされず、中立な立場から記述されているように思います。ソフトカバーなのも○
・「経済学の初心者には、実はこれでも難しい。」
経済学の本というもは今まで読んだ事が全くなかったのですが、アメリカの高校生向けの教科書ということで読んでみることにしました。経済学の初心者には、実はこれでも難しい。しかし、アメリカでは高校生に、経済学のこれほどの内容を教えているとは驚きです。日本では起業家を目指す人は非常に稀ですが、高校時代に教科書でこのような内容を教わっていたら、有名大学、高級官僚あるいは大企業というのが第一の道ではなく、企業家になって利益を出す会社を作ること、世の中を変えることを目指すのが一番であると思う学生が多数でてくることも、すこし理解できました。
・「この本が日本でも教科書だったら・・」
全ての高校生がこの本(教科書)を面白いとは思わないだろう。が、「経済学」に興味をもつ大学生や社会人を今よりも多く生み出すことは確かだ。
良書だと思います。
●世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃
・「怒りと悲しみの経済学」
2001年にノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツのイラク戦争批判の書。
アメリカ政府はいったいどれだけイラク戦争に資金を投入したのか。緊急資金、裏資金(国防省予算の別の名目で払われている資金)、兵士・退役軍人などへの医療資金、その他いろいろな名目で隠されて払われている資金を一つ一つ検証していき、戦争に使われた資金の全体像を明らかにしていく。イラク戦争に使われた資金は、堅く見積もって3兆ドルというのが著者の結論。
そして、さらに、アフガニスタンや、イラクの国民に与えた金銭に換算できない苦しみ、アメリカが世界から受けていた、民主主義と人権擁護の国というイメージが消しとんだこと等々コスト換算できない、社会的なマイナス面も次々と指摘していく。
この本は、世界を不幸にしたイラク戦争を、冷静な口調ながら怒りと悲しみをもって厳しく批判したものだ。著者は、イラク戦争の敗者はイラクとアメリカだったという。イラク戦争とは何だったのかを振り返るには絶好の本だと思い推薦いたします。
・「イラク戦争の欺瞞を暴く」
著者二人が2006年1月に発表した、イラク戦争の真の戦費とアメリカ経済・世界経済に与える影響を分析した論文をもとにしている。
控えめに見積もっても3兆ドルと計算されており、ブッシュ政権の呆れるほどの欺瞞の過程が明らかにされる。粉飾会計で隠蔽されているコストを何としても暴いてやろうという執念を感じた。原油高・財政逼迫・経済不況・サブプライムを計上せずとも莫大な金額になっているのには衝撃を覚えるだろう。兵士たちの犠牲と医療にかかるコスト、グローバル経済に加えるコスト(難民や感染症)、アメリカの敵の増加など、如何にイラク戦争が暴挙であったかがわかる。
最終章ではいくつかの改革案が載せられる。学者兼実務家として精力的に活動をしてきた著者ならではの視点と言えそうだ。軍事費が明らかにされることはないのは同じであり、自衛隊を保有する日本人にとっても参考になるところは大きいだろう。
・「アメリカ版特別会計」
イラク・アフガン戦争によるアメリカ経済のコストが3兆ドルに上るという事実を詳細に検証した本書。単純な駐留費に加え、帰還兵への各種ケア、累計で100万人近い若者が経済活動を離れることによるGDPへの影響、そして膨大な戦費によって抑制されるその他の公共投資の影響も含めた数字だ。当然、最初からこんな数字を出していたら開戦なんて支持されるわけがない。武器装備のストックを消尽し、正規兵から外部業者委託へシフトし、そして期間後のサポートを削り、それでも足りない分は緊急支出予算として議会を経ずに処理される。その詳細な配分は誰にも分からず、まるで日本の特別会計のよう。 巻末の提案にはしっかりとアカウンタビリティの確保がうたわれ、費用対効果の検証が提起されているが、これは日本の小泉・竹中改革で打ち出されたものと同じだ。やはり、外部からのチェックなくして、暴走は止められないということだろう。
・「昨今の原油高はイラク戦争にありという視点は超ユニーク・現代人必読の書」
スティグリッツ教授(2001年「情報の経済学」によりノーベル経済学賞を受賞)の最新作。今回は財政のエキスパートのリンダ・ビルムズ女史との共著だ。原題は”The Three Trillion dollar war"(三兆ドルの戦争)となっている。
スティグリッツ教授は、ブッシュ政権当初から、首尾一貫してその経済政策と世界戦略に警鐘を鳴らしてきた。この著では、イラク戦争で、アメリカのみの戦費として3兆ドルの戦費がかかる見通しだという。そしてイラク戦争が、アメリカ経済に未曾有の混乱を招き、それのみならずグローバル経済全体に混乱を生じさせたとズバリ指摘する。その上で、日米欧の相対的な力は落ち、結局、原油高を招く直接の元凶になったことを経済学の手法で綿密に分析してみせる。
私たちは、これまで原油高の主な原因を、第一に新興国の経済発展で需給がひっ迫したこと、第二に投機マネーの暴走と単純に図式化してきた。しかしスティグリッツ教授は、私たちの常識的判断をひっくり返して「石油価格の上昇は、開戦とほぼ同時期に始まった。・・・ざっくりとした計算だが、イラク戦争以降の価格上昇分のうち、ちょうど半分をイラク戦争の影響とみなし」と仮定しているとあっさり指摘する。漠然とブッシュ政権が始めたイラク戦争にいち早く支持を表明したのは日本の小泉首相ではなかったか。
現在サブプライムローン問題とイラク戦争の影響は、アメリカの国際的な地位を低下させ、その結果ドルまで暴落の危機の途上にある。小泉政権以降、特にブッシュ政権一辺倒で進めてきた外交方針が、ここに来て日本そのものの国際的地位と信用の失墜に繋がっている今こそ、私たちは現在の世界経済の動向をもっとも鮮烈に分析するスティグリッツ教授の言葉に耳を傾けるべきだ。まさに日本の政治家、ビジネスマン必読の書だ。私はこの書を読みアメリカ社会の奥深さに触れる気がした。
・「3兆ドルを負担したのはどこの国か」
皆さんひと事のように書いておられますが、金を負担したのはどこの政府か。イラク戦争を真っ先に支持した国、戦力は提供できないが金は出すという国…お分かりですね。アメリカ国債のお得意先、購入額は日本政府は公表しませんがアメリカはちゃんと公表しています。http://www.gamenews.ne.jp/archives/2009/01/20091_2.htmlおりしもイギリスのブレア首相はイラク戦争に協力した責任を議会で厳しく追及されているがイラク戦争開戦時の日本の首相はいまだに国民の人気をを得続けているらしいですね。
・「頭の体操(だけでは終わらない)」
戦争を経済性という切り口だけでクールに考察しているのが、新鮮。新しい戦争と呼ばれた9.11以降の話や内戦、核の拡散など、広範な話題を含んでいるのも良い。
経済学的には初歩的な内容だそうだが、“人間が合理的に行動する”ことを前提にしている学による考察だけに、変な感情論の入り込む余地が無く、いっそすがすがしい。
・「少しで納得」
ああ!よい本だと思ったのが、アメリカという国は戦争をすれば不況になる国だということでした。
・「戦争って儲からない…」
戦争がもはや経済に良い刺激を与えるものではないことをデータを用いて示すなど知的好奇心をいたく刺激してくれ、ぼくの2007年のベストブックに輝いた作品だ。
各章の最後にはまとめとクイズが用意されていたり、マクロ経済とミクロ経済に関する記述はどこなのかが一目でわかる点は、経済学に精通していない人にはうれしい心配りだ。
国際政治学を専攻する学生が経済学を学習する際、イメージが沸きやすそうだと思うので手にとってみるとよいかも。
戦争というぼくたち日本人にはなじみのうすいものを、経済という枠組みで捉えた本作を読むと新たな発見に出会えるかもしれませんよ。
なお、本作を経済学のテキストとして期待しすぎると少々物足りないかもしれないので、その点はある程度の割りきりが必要。
オススメ!
・「今や戦争が不経済となったことを証明」
過去、不景気になると戦争待望論が経済界を中心に自然に?起きていたのは周知のことである。サブプライムローン問題で米経済が景気後退し、ドルの基軸通貨からの脱落→金融恐慌までささやかれ始めた中、ぞろ戦争待望論が頭をもたげる気配もある。戦争は確かに、巨大な公共投資であり、第一、二次世界大戦で米経済は大いに潤った。その意味で戦争が経済を活性化した側面があることは否定できない。
だが、本書は、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争までのバランスシートを検証し、今や戦争は一部の軍需産業や石油メジャーを助けるだけで、米経済全体は衰退させてきたことを立証している。それによって、戦争防止に向けての経済的根拠を示したことは大きな意義がある。
・「軍事、防衛産業の人にはお勧め」
この本は経済学の教科書で、その題材に戦争を使っている。経済学について素人の私でもそれなりに読んで理解できる。経済学の基礎を学ぶ上でもよいかと思う。軍事産業の特性についても詳しく書かれているので、軍事、防衛産業の関係の人にはお勧めです。たとえば、戦闘機などの兵器のビジネスにおいては、一般のビジネスとは大きく違う。買手は政府でそれ以外にはなく、売り手も数社、もしかしたら1社しか無い場合もある。こういう場合の、兵器の価格がどのようにして形成されているのか経済理論を用いて説明してくれる。
・「「世界を動かす人脈」を徹底的に調べ上げた優れたデータ本です。」
この本は、「世界を動かす人」たちのネットワーク(人脈、つながり)を詳細に調べ上げた本です。一読して、「ものすごくお金と時間と労力をかけて書かれた本だなあ」と感動しました。データ本なので、筆者の勝手な解釈は書かれていません。ほぼ無色です。参考文献もきちんとあげられています。ですので、大変安心して読むことができました。ただし、スモール・ワールドと合理的人間という概念を知らないと、事実の羅列に思えてしまうかもしれません。「だから、何?」・・と。しかし、大学などでこれらの概念を学んだことのある人には衝撃の本だと思います。この本はデータ本です。ぜひ筆者の、これらのデータを解釈をした(自分の考えを述べた)本も読みたいと思いました。
・「命懸けのルポタージュに完全脱帽です。」
すごいの一言です。私は金(GOLD)に投資をしていますが、金について調べていると、どうしてもロスチャイルド家やロックフェラー家と当たってきます。この両家やモルガン家などを含めた金融人脈について、克明に、実名を挙げながら解説してくれています。金融に興味がある人は必読の書でしょう。また、政治、経済、社会について、グローバルな視点がつくので、すべての学生、社会人にお勧めです。合わせて下記の本も読まれることをお勧めします。とても勉強になります。
格付け洗脳とアメリカ支配の終わりー日本と世界を振り回す「リスク・ビジネス」の闇モルガン家(上) 金融帝国の盛衰 (日経ビジネス人文庫)モルガン家(下) 金融帝国の盛衰 (日経ビジネス人文庫)
・「陰謀論でもネタ本でもない正統な情報本」
堅実なアプローチによる偏りのない、現時点での情報を限られた頁数でふんだんに提供している本といった感想を持ちました。
・「“グローバル・エリート”を知る手頃な書冊」
当書は「世界の政治・経済・金融に大きな影響を与えている、まさに世界を動かしている人々の最近の動向について紹介・解説した」(序章)中田安彦氏の労作である。中田氏は「アルルの男・ヒロシです」から始まる『ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報』というブログも開設しており、私も実は“定期読者”の一人である。
さて、本書の基調は「誰が本当に世界を動かしているのか?」ということである。この問いに対して、著者は「富とネットワーキング」という視点から、「スモール・ワールド」「インナー・サークル」を形成する、カナダを含む北米、欧州、アジア、中東などにおける有力者(グローバル・エリート)たちとその人脈(ネットワーク)を具体的に摘示する。
本書は、所謂「陰謀説(コンスピラシー・セオリー)」などに立脚したキワモノ的な書物ではなく、あくまで客観的事実に即して「世界の支配者」たちの実態等を描出しているので好感が持てる。従って、巷間、何かと噂の多い秘密クラブ「ビルダーバーグ会議」(The Bilderberg Conference)などについても、公正な記述に徹しているのが特徴だ。
いずれにしても、日本は“鎖国体制”を敷いていない以上、町内会(笑)や企業・役所の“人脈”のみならず、世界の“人脈”にもある程度通暁することに損はないだろう。そういった意味からも、巻末に「人物索引」等を掲載する本書は、世界を実質的に動かしていると推測される「グローバル・エリート」の実情を知るための手頃な一冊であると考える。
・「新しい貴族階級」
「赤い盾」21世紀版?かと思ったが、いたって真面目なスモールネットワーク論であり陰謀史観的なものはほとんど見られない。結局のところ、封建制に基づく貴族階級は凋落したものの、知性と資本を武器にしたビジネスエリートは新たな貴族階級を形成し、そしてそのネットワークはグローバルに展開していくのだろう。それは陰謀でもなんでもなく、純資本主義的、かつ民主主義的な帰結である。
しかし本書の中で日本の影の薄いこと(笑)サラリーマン社会だと上記のネットワークなんて縁がなかったのだろう。そりゃグローバリゼーションの中で没落しますわ。
・「人生を豊かにする参考に」
サブプライムから何を学ぶか。多くの本が、読み手によって違うものを与えてくれるように、この本もどう考えるかによって価値が変わる一冊です。内容を追っていくと、アメリカのサブプライム問題がどうして起こり、解決には何が必要かということなんですが、日本で普通に暮らしている人にも教訓となる事柄がいくつか見つかります。例えば、「儲かる」という言葉に踊らされる前に何に気をつけなければならないかということや、人生最大の買い物とも言われる住宅を手に入れるのに最もよいタイミングはいつか、などということです。特に、投資に興味がある方は、読んでみたらいかがでしょうか。自分がどんなものに投資しようとしているかを知ることがいかに大切か、またその信頼性を保証しているものがどれだけ主観的に操作されているかがわかるようになります。
・「意外と真面目な本」
書名をみるといわゆる関連業者の暴露本みたいな感じがしたが、サブプライム問題の本質を垣間見るのに格好な本。特に日本の住宅ローンにはあまりみられないモーゲッジブローカーの役割にはこの問題を考える上で参考になる。格付け業者も含めた関係者を俎上にのせ問題点を具体例で提示、最後には著者の問題対処方法が述べられている。基本的な考え方は、関係者それぞれのモチベーションをいかに変化させるかが重要との指摘は要をえたもの。S&L危機では多数の金融関係者が刑務所行きになったが、この問題は関係者が広範にかかわっている点で今後の展開がどの様になるかは不明だが、ここで書かれている様ないい加減な事が処罰されないですむものなのか非常に不快な気分になる。余談であるが、監訳者によれば、投資の指南本的な要素を読み取ることが書かれているが、その様な読み方はできなかった。(問題の関心が全く違うため)
・「元サブプライムレンダーがまじめに語る」
著者は学者ではないのであまり体系でないし,少し脈絡が取れないところがあるが,実例を交えながら広範に考えている(考察はFRB・グリーンスパンにまで及ぶ。)。その姿勢にまず好感を持った。人生最大の買い物でへろへろになっている借り手の目の前に大量の契約書を積み上げてサインさせる,それでは消費者保護を期待するほうが無理だろう。ブローカーに都合のよい不動産鑑定士を選別する過程で住宅価格がじりじり上昇していく過程は,歴史上よく見られることだが,仕組みがよくわかる。今後のことについては,「結局時間をかけて自律的に回復するのを待つしかない」というかなりネガティブなシナリオであった。
・「リアルナニワ金融道〜低所得者向け住宅ローン編〜」
びっくりするほど、ナニワ金融道の世界だった。
客観的に見れば破綻することは目に見えているのに、なぜ多くの人が幻想を抱いてしまうのだろう。
アメリカの後追いばかりしている日本も、いつかこんな事態になるのだろうか。バブルを経験した国が繰り返すにはあまりにも滑稽すぎるが、現状を見ると、冗談で済むとも思えない。
・「読者を選ぶ本である。」
本書で最も理解できたのは監訳者の前書きと後書きだった。 冷ややかなほど正確に実行検証を繰り返し、財を成す金森氏に感動すら覚える。 多くの示唆に富む本。 日本のアメリカも発想はなんら変わらない。 読む人により、本書は財のヒントが詰まっている。 読者を選ぶ本である。
・「日本人、いやアジア人が知っておかなくてはならない「現代中国」問題の常識」
本著は「週刊新潮」連載の筆者のコラムにおいて、2005年5月〜2008年1月の、主に中国に関する文筆を加筆してまとめたものです。私はそのコラムを読んでいませんが、中国や近代史に関する書籍を読み漁っている人にとっては、特に目新しい情報が詰まっているわけではありません。しかし、僅か5ページの一つのコラムにおいて、正論を述べる筆者の文章には力が満ち溢れており、惹きつけられるように「現代中国」問題を再確認しました。日本国民として、ここに書かれている「現代中国」問題は是非とも知っておくべき常識とならなくてはいけないと思います。
筆者も述べるように、「中国」というのは「国」ではなく、天子=独裁者(中国共産党&人民解放軍)が軍事的・経済的・政治的に支配可能な「領域」であり、天子の力が増強されれば、当然、膨張主義に走る伝統があります。少なくとも毛沢東が明言した「満州、チベット、モンゴル、台湾、朝鮮、沖縄、ベトナム、タイ、インドネシア、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、フィリピン、ラオス、カンボジア、ネパールetc.」は「中国」の最低限の「領域」として、今後の国家戦略を進めるでしょうが、近年では西太平洋全域支配も公言するようになりました。もちろん、戦後教育によって国民総左翼化させられた日本は与し易し存在です。その点、国境を接するベトナムでは教育がしっかりしているのか、「中国は力を持つと必ず膨張し出す」という見解を身近のベトナム人留学生もはっきりと認識していました。少し前の産経新聞の報道でもありました。ベトナム人:「中国の侵略は定期的にやって来る地震のようなもの」
それから、「身近の中国人は良い人で、彼らも日中友好を望んでいる」と言う人がよくいます。「中国」は民主主義国家ではありません。それは最も基本的な知識であり、仮に中国人の民意が「日中友好」であったとしても、あのような全体主義の独裁国家に民意は反映されません。
・「日本人の価値観は通用しない。」
本書は「週刊新潮」の連載に加筆しまとめたものです。
時期的には2005年から2008年の最近までです。
日本的な「民主」「自由」「人権」などといった日本人からすればごく当たり前の普遍的な価値観が中国には全く通用しないということを痛感させられる書でした。
と同時に、戦後その価値観を重視するあまりに外交政策を誤ってきた政治家・官僚たちの背信行為に悲しさを覚えました。
本書は徹底的に中国論を語っており最近の話題で言えば、チベット問題や東シナ海のガス田開発問題、靖国参拝問題についての中国の主張の歴史を論じています。
そこから見えてくるのは中国の凄まじいまでの国益主義と中国共産党内での権力闘争による政策の変化です。
しかしそこに一貫して存在しているのは「中国の狡猾さ」であり、それは例えば「少しずつ少しずつ主張を微妙に変化させること」だったり「既成事実を積み上げ最終的には実効支配をしてしまう」ことだったりします。
そしてなによりも怖いのはそういう中国に対して日本は毅然とした態度をとっていないということです。
現在、北京五輪に関連してチベット問題に対する国際世論が広まっています。
中国の行ってきた蛮行に今こそ多くの日本人が関心を持つときであり、本書の刊行はタイミング的にもベストと言える時期なのではないでしょうか。
・「中国の正体」
知っておかなければならない中国の正体が、、櫻井よしこさんの判りやすい文章で、しっかりと綴られています。チベット人権問題、オリンピック、胡錦涛中国国家主席来日ととてもタイムリーな内容です。中国と付き合う上で知っておかないとならない常識です。今までも同様の本はあったのですが、“中国叩き”が目的なのが露骨すぎて、読み手はうんざりさせられましたが、櫻井よしこさんという常識人の手によって、淡々と真実を突きつけられ読み手の判断で中国という隣国とどう付き合うべきか?という知識が身につきます。
・「中国の横暴よりも日本の政治家の無能・卑劣さ。」
読み進めるほどに恐ろしい内容です。日本人の日本が切り取られていきます。話の通じる相手ではないのですね。こちらもガスを掘って、イージス艦をどんどん増やす。防空戦力も強化する。もっと台湾と緊密に連携していかなくてはなりません。
国民の代表であり、日本の利益のために行動すべき政治家の怠慢や卑劣さが合わせて記載されています。今の鳩山政権(小沢政権)に対する評価はどのようなものか。中国に厳格に対応できそうな麻生政権は行動する前に短命で終わってしまった。選挙には行かなくてはいけないけれども誰にどこに投票すれば良いものやら。
ニュースでは中国人犯罪が多いが、個人的には悪辣な中国人には出合ったことが無い。その辺がまた恐ろしいところなのか。彼らに心を許してはならない、だ。
・「中国共産党に心を許してはならない」
週刊新潮で櫻井氏が連載しているコラムの中国関係のものを1冊の本にまとめたものだ。
内容としては3年〜1年前のものが多いが、今現在の事実と照らし合わせて見れるので有意義。
2004年に中露両国の首脳が、中露国境問題完全に解決した、と発表したのは個人的に特に注目に値すると感じた。歴史的な理由から、中国に対して潜在意識的に恐れがあるロシアと、南下政策(台湾併合)へと力を集中したい中国。両国の思惑が一致した格好だ。対ロシアで北方領土問題を抱え、台湾の安定が自国の国益に直結しているのが日本である。
富田メモ、過去の歴史問題や東京裁判に関する櫻井氏の見解も披露されている。いずれも正論だ。
「日本がなすべきことは明らかである。自らの力をつけるしかないのだ」と櫻井氏が述べている通り、自国の安全をアメリカに依存したままで良いわけがない。当然、中国共産党に心を許している場合じゃないのだ。それが結局のところ、中国人民のためでもある気がする。
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