チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (詳細)
海堂 尊(著)
「デビュー作とは思えない圧倒的な筆力」「一見軟らかいが、内容は硬派」「強烈なインパクトのある作品」「とにかく面白い」「文句なしのこのミス大賞。読めば分かる。」
チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (詳細)
海堂 尊(著)
「楽しみなシリーズの誕生」「『パラサイト・イブ』以来の衝撃」「説得力ある構成」「現場のノウハウが見事に本作では炸裂している」「一気に読めるおもしろさ!特に下巻はおもしろい!」
ナイチンゲールの沈黙 (詳細)
海堂 尊(著)
「これは二部作です」「面白かったです♪」「ドラマチックな第2弾」「評価が低いことに驚きを隠せない」「登場人物がとにかく魅力!!!」
ジェネラル・ルージュの凱旋 (詳細)
海堂 尊(著)
「医療読み物の新シリーズ」「ミステリからは離れたが、面白い」「続けて読むことの楽しさ!」「またまた病院は大変なことに」「田口医師のセコい手にニンマリ。」
魔球 (講談社文庫) (詳細)
東野 圭吾(著)
「充実度抜群。。。」「さらば青春の光」「母の心、子知らず」「須田武志」「真実はあまりにも重く、深すぎる、感動のストーリー」
宿命 (講談社文庫) (詳細)
東野 圭吾(著)
「最後の10ページに僕は惹かれました。」「タイトル「宿命」に込められた究極の意外性―絡まった「糸」は解きほぐされるか?」「文句なし」「ミステリーを二重に仕掛けている」「意外な事実がつぎつぎに現れます!」
扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫) (詳細)
石持 浅海(著)
「手に汗握る心理戦・倒叙ミステリーの傑作」「できるだけ長く“密室”のままで」「鋭い推理に心理的に追い詰められていく描写は秀逸」「古畑任三郎が好きな方にお勧めです」「期待を裏切らない読みやすさです」
君の望む死に方 (ノン・ノベル) (詳細)
石持 浅海(著)
「ドラマというよりも、推理を楽しもう♪」「巧みな心理描写」「共感、はあまりできませんでした。」「凝るところを間違えた」「退屈」
悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫) (詳細)
木下 半太(著)
「意外性は抜群。」「完全にやられました!」「あっという間の3時間」「確かに『悪夢』ですね」「やられました(笑)」
悪夢の観覧車 (幻冬舎文庫) (詳細)
木下 半太(著)
「すごい、の一言」「!」「ジャッキー半太」「まじで面白い!」「小説初心者の方に是非!」
「コメディ仕立ての冒険活劇」「個性的な登場人物によるドタバタ劇」「あふろ」「こんな笑い、ドンデン返しを待ってました!」「エンタメの星」
水の迷宮 (光文社文庫) (詳細)
石持 浅海(著)
「サラリーマンのファンタジー」「清々しいミステリー」「ミステリーではなく、人間物語として読んで。」「ラストは微妙・・・。賛否両論?」「おしい」
無痛 (幻冬舎文庫) (詳細)
久坂部 羊(著)
「読み応えのあるミステリー」「盛り沢山すぎるけど」「布石を見逃すな」「人相で病気がわかる」「ボリュームはありますが。」
重力ピエロ (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「良くて悪い、計画と結末」「思いがけず心を鷲掴みされてしまいました。」「シンプル」「(月並みで恥ずかしいですが)傑作!」「伊坂さんらしい作品」
ストロベリーナイト (光文社文庫) (詳細)
誉田 哲也(著)
「わけありで星5つあげる」「本編よりも、主人公の過去の描写の方が印象的」「裁判のシーンは震えたよ」「年末年始に読みました」「映画のようです」
月の扉 (光文社文庫) (詳細)
石持 浅海(著)
「爽快な謎解き」「一般向けではないのかも」「密室殺人+ハイジャック。緊張感と手堅い論理に作家の高い能力。」「独創的な設定」「美しく構築されたファンタジックなミステリー」
文学・評論>ミステリー・サスペンス・ハードボイルド>日本の著者>か行の著者>その他
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●チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)
・「デビュー作とは思えない圧倒的な筆力」
海堂尊のデビュー作にして第四回『このミステリーがすごい!』大賞を全会一致かつ数分で決定となった作品。作者はオートプシー・イメージング Autopsy imaging(Ai=死亡時画像(病理)診断)の重要性と医療制度への導入を訴え続けている現役医で、外科医を経て病理専門医となった人だ。その現場のノウハウが見事に本作では炸裂している。
文体が非常に軽く読みやすい。まさに現代向きの文体。それでいてストーリーの骨格はデビュー作とは思えないほど精緻だ。そして最も大切なキャラクタの作り込みが実に良くできている。おそらく多くの人が『白鳥』というキャラクタの魅力に魅せられている。どこか京極夏彦の榎木津と似た魅力で読むものを圧倒する。
既に映像化されそれを記念しての文庫化で、映画では『田口』は女性になっている。8月のDVD化が楽しみだ。
・「一見軟らかいが、内容は硬派」
文章は軟らかいが、内容は新本格派真っ青。非常に面白く、ぐいぐいと小説世界に引き込まれていく。電車とかの空いた時間に読んでいるが、すぐに小説の世界に入っていける本ということでは、バッテリー以来。医療の専門用語なんかも気にせず読める。これらは、物語に余分なところはスパッと切り取っているからだろう。これから下巻だが、どうなるか楽しみである。今のところ、褒め言葉しか浮かんでこない。
・「強烈なインパクトのある作品」
強烈なインパクトのある作品で、一気に読んでしました。 キャラクター、ストーリー、そして、そこにある緊迫感、リアリティと、どれを取っても最上級の作品でした。おまけに、現代医療の抱えている闇の部分をも表面化してゆくというテーマの面でも素晴らしい作品でした。 この本を読む上で先ず印象に残るのが、探偵役の白鳥圭輔である。一見常識はずれな言動を見せながら、“ロジック・モンスター”ぶりを発揮して、緻密な推理を組み立てて行きます。その相棒であるワトソン役の田口公平との凸凹コンビの組み合わせも魅力的です。 内容的にも、度重なる術中死が事故なのか、故意なのかという、その真実を求めて隠されたベールを一枚一枚剥がして行く手際のよさが、読み手を一層虜にしてゆきます。「手術室」という「密室」に近い状況の中で起こる「死」の真実は、読み進むものの興奮を誘います。 今年読んだミステリーの最高傑作の一つです。
・「とにかく面白い」
映画が面白いと浜村淳が絶賛していたので、新幹線のお供に新大阪で購入。あまりに面白くて寝るのも忘れて、仕事が終わったら速く読みたいと思ってしまった。
医学関連の小説は読むと後味が悪い(医者が嫌いになる)ので積極的ではありませんでしたが、帯のセールストークや平積みになってるので外れはないだろうという軽い気持ちだった。
内容は他の方が書かれているので書きませんが、とにかく面白いの一言です。題材は病院や医者ですが不快感もなく万人に受け入れられる作品だと思います。
ひさしぶりに小説の醍醐味を充分堪能させてもらいました。作者はこれが初めての小説でおまけに本業は医者と聞いてあまりの才能にびっくりしました。
他の作品も早速読んでみようと思います。久しぶりに完全にノックアウトされた素晴らしい作品でした。
文句なく星五つです
・「文句なしのこのミス大賞。読めば分かる。」
ベストセラーになるのもうなずける、最高のエンターテインメント小説です。ミステリーとしての質はイマイチですが、それを補って余りうる展開の面白さと、魅力的な登場人物たちにやられました。田口&白鳥コンビはお見事です。
こういうタイプのミステリ作家は、きっとこれまでにはいませんでしたよね。本格派でもなく社会派でもなく、また重すぎず軽すぎず、なんともいえない絶妙な立ち位置をキープ。そして圧倒的なリーダビリティで、読者を飽きさせることなく一気に最後まで読み切らせる文章力。久しぶりの天才肌の新人だと思います。#石田衣良がミステリを書くとこんな感じになるのかなあ。
あまりにサクサク読めちゃうので、ちょっとバカっぽい小説に思えてしまうところはご愛敬。誰が読んでも確実に楽しめる小説なので、万人にオススメです。逆に言うと、コアなファンが付くような強烈な小説にはなり得ない感じですかねえ。。
それにしても、なんでこの薄さで上下巻2冊組にするかな。正直そこだけが不満です。
●チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
・「楽しみなシリーズの誕生」
下巻も読みました。 前半の上巻も面白かったけれど、後半の下巻もかなり面白かったです。大満足。 食わず嫌いで読んでいなかったのを後悔する面白いエンターティナメント作品でした。前作では、病院側から愁訴外来の田口医師が探偵役として全員の聞き取り調査をしていましたが、目の前で手術中に患者が死亡、謎は解明できずという事態を受けやむなくギブアップ。厚生労働省からロジカルモンスターこと白鳥技官が派遣されてきます。 この白鳥技官という人物がキャリア組の公務員というイメージにまったくそぐわない、傍若無人・はた迷惑・トラブルメーカーといった感じの一見どうしようもない人物なのですが、そこはそれ、物語の牽引役として登場するわけですから、実はずば抜けた知性と行動力の持ち主で、バチスタ・チームの術中死の謎を明晰にズバズバッと快刀乱麻を断つがごとくに解決していきます。ただ、さきほどに書いたような人物ですので、尊敬と威厳を滲ませつつというよりは、助手に駆り出された田口医師も辟易するような捜査術でそれを行う訳ですが、それが破天荒で面白かったです。 医学ミステリというと堅苦しいイメージがつきものですが、そういう印象をばっさりと切り捨ててくれる一冊でした。続編も多々出ているようなので、文庫化を楽しみに待ちたい楽しみなシリーズとなりました。映画のキャストなんて吹き消すほどの出来でした。
・「『パラサイト・イブ』以来の衝撃」
緊迫した展開で終了した上巻のスピード感は白鳥の登場によって更に加速度を増す。チーム・バチスタの面々は白鳥の力づくともいえるヒアリングによって有無を言わさず容疑者となり、心の奥底をえぐられる。心の外科手術とはよくいったもので、白鳥のメスはチームのほころびを次々に明るみにしていく。
現役医師だからこそ描ける医療の実態、そして新たな技術。医者だって一人の人間でしかない、ということをこれでもかというくらい見せつけられる。桐生ブラザーズの苦悩が本策の山場であろう。その後の真犯人確立までの盛り上がりは白鳥の存在が薄い分、長いエピローグの感じさえする。しかし、それはマイナス評価ではない。読み手の気持ちをクールダウンさせてくれている気さえする。
文句なしに面白い。田口&白鳥コンビの探偵劇はすでに続編が刊行中。しばらくは海堂作品にはまってみるのも悪くない。
・「説得力ある構成」
上巻ではわからぬ謎ときが、下巻で、徐々に、絞りこまれ、明かされていく。明かされた内容は、確かに上巻で、伏線がはられ、そう解釈できるヒントがちりばめられている。説得力のある構成だ。
・「現場のノウハウが見事に本作では炸裂している」
海堂尊のデビュー作にして第四回『このミステリーがすごい!』大賞を全会一致かつ数分で決定となった作品。作者はオートプシー・イメージング Autopsy imaging(Ai=死亡時画像(病理)診断)の重要性と医療制度への導入を訴え続けている現役医で、外科医を経て病理専門医となった人だ。その現場のノウハウが見事に本作では炸裂している。
文体が非常に軽く読みやすい。まさに現代向きの文体。それでいてストーリーの骨格はデビュー作とは思えないほど精緻だ。そして最も大切なキャラクタの作り込みが実に良くできている。おそらく多くの人が『白鳥』というキャラクタの魅力に魅せられている。どこか京極夏彦の榎木津と似た魅力で読むものを圧倒する。
既に映像化されそれを記念しての文庫化で、映画では『田口』は女性になっている。8月のDVD化が楽しみだ。
・「一気に読めるおもしろさ!特に下巻はおもしろい!」
下巻は、主人公・田口に加え、白鳥が登場し、物語のおもしろさを倍加させてくれる!この2人の会話を読んでいるだけで実に楽しい気分になれる。
医療、病院をテーマにしながら、これほどまで実におもしろく、軽妙なタッチで描くミステリーは、もうおもしろくておもしろくて、一度読み始めたら先を読まずにはいられない。それでいて単なるエンタメ小説ではなく、いろんな現代的な医療問題のテーマも含んでいるからすごい。
ただ下巻の後半、事件が解決した後の話がちょっと長いかなという点だけが気に掛かったが、それでも実におもしろいおすすめ本であることに変わりない。
・「これは二部作です」
皆さんの評価は低いですね。しかしジェネラルとの二部作と考えれば出来は悪くない。また、ミステリーの枠組みでは無いですね。このナイチンゲールのおかげでジェネラルも仕上がりの高いエンターテイメントとなっています。是非ともセットで読んでみて下さい。
・「面白かったです♪」
途中でお話がみえなくなったりしましたが、じっくり読めました。個人的にはアツシくんが好きです。白鳥がつく”ウソ”にも考えさせられました。色んなエピソードが錯綜するし、たくさんのキャラクターが出てくるのに最後にはすべてまとまって終わっているので、作者の手腕はさすがだと思います。小説で、”メディカル・エンターテイメント”というジャンルを確立するんじゃないでしょうか。次回作も期待します。ちなみに前作『チーム・バチスタの栄光』もおススメ!
・「ドラマチックな第2弾」
前作「チーム・バチスタの栄光」ですっかりファンになってしまい、早速一気に読んでしまいました。主人公田口先生ののほほんぶりや、厚生労働省の役人白鳥の変人ぶりも相変わらずで最高です。今回はさらに白鳥も真っ青の変人デカさんの登場で盛り上がってます。展開の読めないストーリーにも引き込まれてしまいました。それに今回は舞台が小児病棟なだけに、胸が痛くなる部分もあり、よりドラマチックです。
・「評価が低いことに驚きを隠せない」
本作の評価が低いことに驚きを隠せません。レビューを読んでいく内になんとなく納得しました。皆さん飽くまでミステリーとして謎解き要素を楽しみにして居られたのですね。
私は前作を読んだ時点でミステリーの賞を受賞した作品だがミステリーではないと感じました。理由は医療のしかも外科手術や麻酔技術についてのプロでなければ知り得ない犯行方法とMRI等についても詳しく知る人物でなければ分からない解決方法にあります。これでは最初から絶対に勝てないと分かっている横綱と小学生の相撲のようなものです。
本作を読む前に「ジェネラルルージュの凱旋」を読んでいたこともありミステリーとしての要素は全く期待していなかったこともあり私は本作全体に流れる静かな時間を非常に楽しめました。ラストへ収束していくあたりに多少強引さを感じますが前作やジェネラルルージュと違い看護師や患者からの目線で観る医療と心のケアという問題は感慨深い問題提示と感じました。
私は筆者はミステリー作家という枠組みではなく高橋克彦氏や東野圭吾氏のような多ジャンルを跨いで歩いていくのではないかと楽しみにしています。
・「登場人物がとにかく魅力!!!」
私はナイチンゲールの沈黙を読んでから、チームバチスタの栄光を読みました。出版の順番とは違いますが、どちらもすごく楽しめました♪私はあまりミステリーを読まないのですが、今ではすっかり海堂尊さんのファンです。このシリーズは、登場人物が魅力的だなって思いましたよー!チームバチスタは、まとまっていて完成度が高かったけれど、こちらの本は、登場人物が多めのお話。で、その登場人物たちのキャラクターが見事で、どれも魅力的、この中のあの人この人を主人公にしてくれないかなぁと想像力が広がりました。ぜひぜひ、いろんな人を主人公に書いてもらいたいですっ!さて、このお話…共感覚って言うのが、あるんですねぇ〜。わくわくしながら一気に読んでしまいました!
・「医療読み物の新シリーズ」
今までの本と本書を読んで思ったのは、作者の書きたい主人公は生と死を含む医療そのものが主人公なのだと思った。バチスタは最新手術技術、ナイチンゲールはAIを含む死後医療検索、螺鈿は死後医療のもつ闇、ジェネラルは救急医療が、そしてそれぞれにおいて現実と理想の問題提起、これこそが主人公なのではないか。作者の力量によってミステリになり、サスペンスになり、エンターテイメントへと形を変えているがぶれることのない芯は医療をといかけるシリーズではないかとおもう。田口先生も、火食い鳥もすべては主人公でありつつ、主人公を語る語り部ではないかと感じた。そう思ったら本シリーズの姿を変える様相が腑に落ちた。枝葉末節なのだ。だからあるがまま医療と向き合ってみよう。
・「ミステリからは離れたが、面白い」
近作の騒動の渦中の人物はICUの長である速水。速水は「螺鈿迷宮」の巌夫じいさんに似ている。医療や患者や社会的要請のためならば、ルールなんぞクソ食らえという態度だ。そういった人物の書き方が絶妙に上手くて格好いいものだから、読者は現代医療の問題点についつい意識が言ってしまう。やり方がズルいよ、いい意味で。
1番の驚きは、空気主人公である田口がちゃんと主人公らしいことをしていること。一体どうしたんだ?
1級のエンタテインメントでありながら、問題提起まで格好よくキメていくのだから大したもの。「ナイチンゲール」や「螺鈿迷宮」みたいな陰鬱な話でもないので、読後感もスッキリ。医療の世界の英雄譚。傑作です。
・「続けて読むことの楽しさ!」
発行順は『ナイチンゲールの沈黙』『螺鈿迷宮』『ジェネラル・ルージュの凱旋』ですが、バチスタだけ読んでいる人には『ナイチンゲール…』『ジェネラル・ルージュ…』『螺鈿迷宮』の順で読むと流れを掴みやすくて楽しめるように思います。
これまでの3作に比べるとこの作品のミステリ色はかなり薄くなっていますが帯の「メディカル・エンターテイメント」の言葉通り爽快かつスピーディな展開で一気に読ませます。そして今回は・・・・ネタバレになるから止めます。
ただ、買って損はしません。楽しめます。読後感も最高です。
・「またまた病院は大変なことに」
このシリーズの第3弾になります。けっこう早いペースで刊行されるので、毎回楽しみにしている読者としてはうれしい限りです。今回の話もまた凝っていておもしろかったですよ。前作「ナイチンゲールの沈黙」のストーリーをまた別の視点から見たような演出がされてます。映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー」のような感覚ですね。前作を読んでない人はそちらを読むと、2倍楽しめます。前作のストーリーがなぞられるので、その分、読み始めはもたつく感じがしないでもないですが、やはり途中からは絶好調。田口&白鳥コンビも健在だし、新キャラ登場で楽しめます。医療現場の臨場感は、今回救命救急センターが舞台ということもあってシリーズ中最高でしょうか。ラストまで一気に盛り上がっています。それにしても凄い病院です(笑い)。
・「田口医師のセコい手にニンマリ。」
世の中全てがグローバルスタンダードの名のもとに規制緩和が求められ、あらゆる分野で経済効率が最優先となっている。でも、人の命を預かる医療現場がそれでいいんか? 多少無駄に思えたり、また合法でなくても、助けられる命はひとつでも助けたい… そんな「将軍」ICU速水部長の言動は、医療現場の良心そのものではないか。こんな「青い」ことを声を大にして発言する医師がたくさんいて欲しいものだ。読後のスッキリ感は、間違いなくシリーズ中最高。「螺鈿迷宮」に繋がる姫宮の伏線などもおもしろい。海堂さんはサイン会で本書に「翔べ!ドクターヘリ」と書いた。ヘリ機体の購入費5億、年間維持費2億のハードルはものすごく高いが、勤務医でもある著者の思いが伝わってきてうれしくなった。
・「充実度抜群。。。」
東野初期作品の傑作の一つでしょう。本作は、解説でミステリー、エンターティメント作品でも優秀なものは文学作品でもあるという様な指摘に、私も全く同感である。 高校野球を題材にした殺人事件絡みの作品であるが、犯人の動機に思わず泣けてしまう。謎解きミステリーもよいが、作品の背景には家族愛と若者の正直さがひしひしと伝わってくる青春文学に仕上がっている。 東野作品の中でもとても印象的で、末永く語り伝えられるような品格がある。
・「さらば青春の光」
東野圭吾さんは、実は年末のベスト10投票などには、そのクオリティ、人気、評価の高さから鑑みると、今一つ縁が薄い作家さんです。というのも、多作の作家さんで、しかも発表された作品は軒並み好評をもって迎えられる、という素晴らしさを持っている人だからで、つまり個人の好みによって票が分かれるわけですね。その分というか、作家別投票では上位常連です。 で、どれが一体代表作といえるのか、という意見も当然様々に分かれるでしょうが、然しその中で、『魔球』には特別な位置を与えている、というファンの人も多いとのこと。 切なくて、熱くて、物悲しい青春ミステリ。 時にやるせなく、残酷ささえ感じますが、でも―― とても優しい物語です。
これが、そう、「幻のデビュー作」との事ですから。 東野圭吾、恐るべし。
・「母の心、子知らず」
作中で語られる、母の一言に、親の本当の希望がこめられています。 しかし、子供は、母親に楽をさせたいと、無理をします。無理をして、無理をして、その挙句に……。 なんとも、やるせない。 ラストシーンで、ちょっと救われます。
・「須田武志」
小説を読んでこんなにも泣いたのは初めてだ。須田武志という青年の意志は素晴らしいものであった。それと同時に厳しさや優しさを併せ持っていた。この本を一人でも多くの人の手に取ってもらい読んでほしい。
・「真実はあまりにも重く、深すぎる、感動のストーリー」
野球少年の殺人と爆破未遂事件がどうつながるのか気になる始まり方で、ストーリーに引き込まれます。そして、まさかと思う新たな殺人事件が起こります。武士の野球への信念、家族への思いは本当に深いです。そして、その真実を知った時、涙が出ます。東野圭吾さんの作品の中でも、1ページ1ページ重みのある、内容の濃い小説です。
・「最後の10ページに僕は惹かれました。」
本の帯にラストを先に読まないでくださいとかかれていますが、本作品の結末を読んで、やはり東野圭吾は旨いなーと改めて感じました。 名作「白夜行」の基となった作品でしょう。主人公の人物描写に若干弱い部分があるかもしれませんが、作品の展開、終盤からラストまでの構成は、やはり並大抵の作家では書くことが出来ないはずです。
・「タイトル「宿命」に込められた究極の意外性―絡まった「糸」は解きほぐされるか?」
東野圭吾の作品は、講談社文庫として全部で25作品刊行されているが、それらのなかで最も読まれているのがこの『宿命』だろう。「宿命」とは、「前世から定まっており、人間の力では避けることも変えることもできない運命」だ。本書のストーリーもまさにこの言葉に完全に合致する内容である。「序章」と「終章」を除く全6章の意味深な言葉に盛り込まれた作者の意図を味わいながら、本書を読み進めるのがよいだろう。
本書においても殺人事件は生じるが、その事件の解明に関する詳細は、多くの読者にとって「二の次」だったのではないか。巻末の「解説」にある作者自身の見解が示しているように、本書の主眼はそこにはない。主人公を含む二人の男に課された「宿命」の意味とは何であるのかということに、われわれは必然的に集中する。その当時に作者が関心のあった「脳」という題材や社会派的な要素も随所に登場し、初期作品としてもかなりの自信作であったに違いない。「終章」は、繰り返し読み返したくなる名シーンだ。そこで明らかになる衝撃的いや「究極の意外性」に、一瞬ではあるが、時間が止まったような感覚を抱く。それゆえ、ラストを先に読んでは絶対にいけない。きちんとそれまでの歴史的経緯を知ったうえでのラストなのだから。
主人公(の二人)は、医学部進学を断念し父親と同じ警察官の道を進んだ和倉勇作と大企業の御曹司で、勇作が諦めた医学部に進学した瓜生晃彦である。同じ高校にいた彼らだが、ここから先の進路は決定的に違った。とはいえ、先の「宿命」という言葉にあるように、「糸」はずっとそれ以前から、つまり彼らが生まれる前から絡まっていた。晃彦の父親が他界する時に、彼が残した最期の「晃彦、申し訳ない、よろしく頼む」という言葉の真の意味とは何かを念頭に置き、作者の世界に足を踏み入れよう。読了後、不意に考えるかもしれない。自分にも「宿命」があるのか、と。
・「文句なし」
おもしろかったです。本当に読みやすいし「宿命」っていうタイトルがピッタリで・・・。単なる推理モノじゃなく人間の因果みたいなものがにじみ出てます。おすすめ最近のヒットです。ドラマ化して欲しいくらい!!
・「ミステリーを二重に仕掛けている」
東野氏の作品は、いくつかのカテゴリーに分けることができ、この作品は、白夜行、幻夜とおなじカテゴリーに入れることができると思うが、これらと比べるとミステリーの要素が強い作品である。作品中でおこる殺人事件の他に、もう一つのミステリーを二重に仕掛けているところが、作者らしく、また、うまいところだと思う。また、このほかに「家族」というテーマもうまく取り込んでおり、完成度の高いエンターテイメント作品だと思う。一方で、私の場合、白夜行、幻夜を読んだ後でこの作品に接したのであるが、読書中に、言葉にはうまく表せないのであるが、何か物足りなさを感じることがあった。この作品の初出が1990年であることを考えると、作者が(元々完成度が高いが)成長していると言うことなのかもしれない。
・「意外な事実がつぎつぎに現れます!」
すっごいおもしろかったです。読み始めたらとまらなくて、あっという間に読んじゃいました。(他のやらねばならないもろもろのことを放っておいて・・・)ちょっと先ですらどうなるかわからないし、意外な事実が次々にあらわれて、最後の最後までどきどきはらはらでした。リアリティもあって物語りに引き込まれていっちゃいます。こんなに夢中になって読んじゃうような本にあったのは本当に久しぶりです。
・「手に汗握る心理戦・倒叙ミステリーの傑作」
密室殺人を扱った本格ミステリーだが、探偵が密室トリックや犯人を暴くストーリーではなく、はじめから犯人と犯行方法が分かっている、TVドラマの「古畑任三郎」のような、いわゆる「倒叙もの」のスタイルをとっている。
「倒叙ミステリー」とはいえ、なぜ犯人は「密室状態」を構築してまで死体の発見を遅らせる必要があったのか、肝心の殺人の動機はなんだったのか、謎は、扉と同様に伏せられたままである。
物語は、犯人・伏見の犯行から始まり、中盤までは伏見の「事後」の成り行きを思惑通りに進めるための、臨場感あふれる心理描写中心に展開し、終盤、探偵役の女性・優佳(ゆか)と伏見との緊迫感のある「対話」へとなだれ込む。そして彼女によって事件の真相が暴かれ、最後に「密室の扉」が開かれる。
その場の皆が騙されるなか、ただひとり勘の鋭い優佳に疑問を抱かれ、伏見が焦る場面などは迫真で、おもわず手に汗握り、自分が犯人になったような気がしたほどである。
著者の石持浅海の作品は’02年のデビュー作『アイルランドの薔薇』をはじめ、’03年、各社のミステリーランキングの上位に選ばれた佳作『月の扉』、’04年、水族館を舞台にした話題作『水の迷宮』を読んできたが、いずれも程よい長さで、展開がスピーディで緊迫感にあふれていて面白かった。
本書もその例に漏れず、いやそれ以上に最後まで緊張感を持って、一気読みをしてしまった。さすが’05年のいろんなミステリー・ベストテンで上位にランクインされたミステリーである。
・「できるだけ長く“密室”のままで」
倒叙形式ではありながら、犯人の動機は伏せられたたまま、物語が進行します。
・「鋭い推理に心理的に追い詰められていく描写は秀逸」
著者は九州大学理学部卒だそうで、なるほど理系らしい非常に理論的な犯罪計画と推理の応酬が展開され、最後まで読者を捉えて離さない。本書の面白い所は、事故死を装った密室を作り上げた主人公・伏見と事件に疑問を抱く優佳との息詰まる頭脳戦であり、若く美しい優佳の鋭い推理に心理的に追い詰められていく描写はなかなか秀逸。また、伏見と優佳はかつて恋愛関係に発展しそうになったエピソードもあり、二人の対決に恋愛の駆け引きも絡み、最後にはとんでもない取り引きが交わされるのだが、それまで石持浅海という作家は女性だと思っていたので、もしもそうならちょっと意外に感じてしまった。また、犯行の動機については賛否両論あると思う。ちょっと理解に苦しむ動機であり、しかも利害が絡んでいないため優佳の推理が動機について触れる所になると論理が飛躍してしまい、推理に無理がある様に感じてしまった。登場人物のメンバーは大学の研究員や翻訳家だったりするので、もう少し知的でペダンティックな会話があったらさらに面白かったのではないだろうか?(これは好みの問題ですが)
・「古畑任三郎が好きな方にお勧めです」
この本を選んだのは、近所の本屋さんでお勧めしていたためです。
石持さんと作者の本は初めてよんだのですが、殺人犯である伏見の心の動きが分かりやすく表現されていました。
盛り上がり部分が多彩とかいうよりも、気づいたらのめりこんで読んでいたという感じでしょうか。
「古畑任三郎」のように初めに犯人がわかっているので、ミステリーを徐々に紐解くストーリーが好きと言う人にはお勧めできません。
この小説に出てくる女版の古畑任三郎こと優佳(ゆか)が、冷静に伏見を追い詰めるところは、現実の女性にいたら、絶対に頭が上がらないだろうなぁという感じで読んでいました(笑)
また、読者の気を持たせた状態で物語が終わってしまうので、気になって仕方ないです(笑)
ワタシ的には、犯人の心理描写にドキドキ感を味わえたので、面白く読めましたよ。
・「期待を裏切らない読みやすさです」
まさにコロンボのようですが、いきなり殺人シーンから始まり、そのトリックがわかってしまってからスタートします。その後犯人周辺の状況が明かされていき、犯人対探偵役の構図がゾクゾクする臨場感で語られていきます。手に汗握るようなストーリーではありませんが、その対決はなかなか奥が深く、小説としては手頃の長さの心理戦で非常に読み応えがあります。結末の恐ろしさ(女性の?)もゾクっとするものがあり、普通のミステリーにはない面白さ。ちょっと動機として弱いかなあとも思いますが、犯人の頭の良さと潔癖症を考えると、それもいいかなあと納得。手ごろにミステリーを楽しみたい方にはオススメです。
・「ドラマというよりも、推理を楽しもう♪」
『扉は開かれたまま』に続く小説。 探偵役が同じというのも、 この作家にしては、珍しいパターンみたい。
ある優良中小企業会社社長が末期ガンと診断される。 彼は死ぬ前に遣り残したことがある。 彼に恨みを持つ男の復讐を遂げさせること、 つまり、自分を殺させること、 しかも、完全犯罪によって。
殺す男と、 殺される男。 会社の保養所における小さな研修会。 限られた人間だけの集まり。 最後のチャンス。 お互いが、完全犯罪のための準備をはじめる。 しかしそこには、 驚くべき観察眼と推理力、洞察力を持った探偵役の女がいた。 彼女により、 次々と完全犯罪の準備が壊されていく。 彼女は何が起こるのか、感づいているのだろうか? さまざまな思惑が交錯するなか、 研修会は進んでいく・・・。
状況設定や、 ドラマなど、 なかなかこっていて、おもしろい。 気になるところといえば、 お互いの動機が、 いまいち、説得力がないかな、 ということと、 探偵役が鋭すぎる! ていうところかな。
予断ですが、 前作同様、 wowowのドラマがあります。 これから、観よっかな。
・「巧みな心理描写」
カバーに記された著者のことば推理小説とは、事件発生と解決を描いた読み物です。その事件が「起きるまで」を丁寧に書こうと思いました。 (以下略)
事件は起きないし、推理小説ではない。著者のことばに書かれているとおりだ。「推理小説が読みたい!」と「推理小説だろうな〜」と思って読んでしまうと期待ハズレになってしまうかもしれない。 「謎解き役=天才」という設定は石持さんの小説ではいつものことだが、他の登場人物はごく平凡で身近にいそうな人間。そんな身近な人間の胸中を裸にしてしまうという点がこの小説の魅力であると思う。
・「共感、はあまりできませんでした。」
前作(探偵役が同じなのでシリーズものだと思いますが)の「扉は閉ざされたまま」と比べると、「読ませる感」とか「ぐいぐい読める感」というものがあまりありませんでしたがそれなりに面白かったと思います。ただ探偵役のキャラクターに「こんな人、実際にいたら嫌かも…」と思ってしまったのは自分だけでしょうか;確かに悧巧で論理的なのはいいことなのですが、ちょっと利己主義といいますか自分の意志で動きすぎな気がします。いまどきの言葉でいうと「空気が読めない?読まない?」とでもいうのでしょうか。ちょっと、現実味がありませんでした。「誰に共感したか」ということを著者の言葉で述べてますが、強いて云うなら「殺されてあげよう」と思った彼です。「殺そう」と思った人・それを止めようとした人には共感を感じませんでした。やっぱり「最後はどうなるのだろう?」という気持ちにはさせられました。そこは作者さんの技量なのでしょうね。
・「凝るところを間違えた」
「このミステリーがすごい!」'06版で第2位になった『扉は閉ざされたまま』の続編。と言っても、探偵役の碓井優佳とあと一人が前作から引き続いて登場するというだけで、物語自体は全くの別物です。
今回はある保養所(別荘)が舞台になります。膵臓がんで余命6ヶ月と診断された社長は、その最後を親友の息子に「殺害される」ことで迎えたいと望む。社員研修を隠れ蓑に、「殺害される」ための仕掛けをいくつも用意しておいたのだが……
前作同様の倒叙式のミステリになりますが、今回は犯人VS探偵というのではなく、犯人の協力者=被害者VS探偵という凝った造りになっています。被害者が犯人の協力者であるというミステリは珍しいものですが決して無いものではありません。ただ、倒叙式で書かれたものは初めて読みましたが……うーん、ちょっとこういう仕組みに凝りすぎて、前作のような読み進めて行くような力に欠ける作品になってしまった気がします。こういう作品があっても良いのですが、前作のような犯人VS探偵で何作か続けてからの方が良かったのではないでしょうか。「殺人が起こるまで」を丁寧に描いていて、探偵との対決がぼやけてしまい緊張感に欠けました。
あと、個人的には探偵役の碓井優佳に魅力を感じないんですよね。前作でもそうだったのですが、事件の最終的な落ち着け先がなんというか「無責任」で。前作は好きな男性が相手だったので、「ま、いいか」と納得させたのですが……「冷静で冷たい」という性格だけではすっきりと納得できない…………嫌な女やと思ってしまうんですね。……石持さんの作品はそういうキャラクターが多いので、石持さん自身が清濁併せ持った人に魅力を感じているのかもしれないのでしょうが、ウチはあまり共感できないなぁ。
・「退屈」
話をこねくり廻し過ぎで、なんだか疲れました。3分の1程度まではガンガン読み進めたのですが、途中から妙に状況説明!状況説明!!みたいになって、飽きてしまいました。結末も結末?って感じだし、スキッと感のない作品だと思います。
「扉は閉ざされたまま」の続編だった事を知らずに読んだのですが、中途半端に、何かの続編ですよ〜といったニュアンスがあり、少しイラ!っと来ました。
・「意外性は抜群。」
何気なく手に取り購入した本。読み始めると面白く一気に読んでしまいました。点と点がきちんと繋がっており、読み出したら止まらない本です。意外性は抜群で、いつも途中で結末がわかってしまいつまらないと思う人も、この本の結末を読むことは難しいと思います。とても読みやすく難しいこともないので、私は3時間ほどで読みきってしまいました。内容はここでは書けません。前知識はなく読んで欲しい一冊です。オススメです。
・「完全にやられました!」
読み始めは、あり得ない設定(読めば分かりますが)に今一つ感情移入出来ませんでしたが、最初は全員赤の他人の筈だったのが、徐々に人間関係が明かされていく。本当に映画を見ているみたいで、最後まで飽きさせません。ミステリーとしてはかなりのレベルと思います。
ただ、著者の経歴にもよるのかも知れませんが、映画のシナリオを読んでいるような感は否めません。それに抵抗ある人はNGかも。
・「あっという間の3時間」
読み出したら止まらない、そんな言葉に騙されてなるもんか!と思いつつ読んだんだけど、本当に止まらなかった。一気読みで3時間。
一つの出来事を2人の視点から眺めてみたり、その出来事の後に起こる事件とその事件の顛末。
そう来たか、と思ったらまた裏をかかれ最後にようやく「なるほど」と合点がいく。最後まで読んでようやく全ての謎が解ける。笑えるところもあり、なかなか面白い。
・「確かに『悪夢』ですね」
正直、第一章はどことなくうそ臭さがあり、好きになれず、ページをめくる手がなかなか進まなかったのですが、終わりに近づくにつれて、最初の段階で全く読めない展開になり、夢中で最後まで読みました。終盤〜結末までの展開は、TVのサスペンス番組のような感じもしましたが、TV番組と違い(笑)、結末が終盤まで見えないことと、真相がわかった瞬間に、空気ががらりと変わったことに対する驚きの方が勝っていました。ここ最近、ミステリー、サスペンス小説を読むことが多いのですが、この小説は特に読んだ後の満足感が大きかったです。
・「やられました(笑)」
私は初めてこのような演劇的な小説に出会いましたが、読んでとても好きになりました。表現が大きいからか状況がイメージしやすく、一気に読んでしまいます。後半からジェットコースタに乗ってる気分でテンポが速く、いい意味で裏切られました。きっと読んだ人はこの真実に衝撃を受けるはず!!
・「すごい、の一言」
先日『悪夢のエレベーター』を読んだばかりだけれどこの作品もめちゃくちゃ面白い。誘拐の動機が非常に切なく哀しい。その誘拐犯を助ける人たちの思いもまた切ない。
が、ただそれだけではない。観覧車にたまたま乗り合わせた乗客たちのそれぞれの事情。その一つ一つが実は巧妙に繋がっている。徐々に明かされる事実に「なるほど〜、そうだったのか!」と驚かされる。
面白くて一気読みしてしまいます。悪夢シリーズ、これはかなりの傑作だと思いますよ。
・「!」
タイトル通り"!"の一文字!読み進めて行く内に明らかになっていく関係、まさかこことここが繋がってるなんて!まさに驚きの連続でした。でも驚きだけじゃなく、涙を誘う場面もあって…一気に読み進めちゃいました!木下半太さんの作品の中で一番好きです。読みやすいので本が苦手な人等にお勧めです。
・「ジャッキー半太」
今までの悪夢シリーズ中で最高作ですね!!東京進出がんばつてください!!ナニワ・フニャンキーでした!!
・「まじで面白い!」
登場人物、全てつながってたのか〜。かなり面白い!圧巻です
・「小説初心者の方に是非!」
ヤクザの手品師?(笑)が観覧車の客を人質に篭城して身代金を要求する・・そんなオープニングです。奇抜な話ですが事が起きる伏線もしっかり描かれていてとても良作でした。作中のドタバタ劇が「奥田英朗」と同等くらいに面白い!登場人物がとても魅力的で読んでいて目に浮かぶようでした。物語のテンポが良く読みやすいので小説初心者の方に読んで頂きたい作品です
個人的には朝子の「お主ら」がとても気に入りました(笑)
・「コメディ仕立ての冒険活劇」
売れない芸人と家出少女がに交互に語る物語がいつしか一つに繋がり、アッと驚く結末へと怒濤の勢いで読ませる肩の凝らない冒険小説。
大勢のあやしい登場人物たちがそれぞれ個性的に描かれていて好感が持てる。特に、五十嵐桜ちゃんの今後の活躍を読ませてもらえるとうれしいな。
・「個性的な登場人物によるドタバタ劇」
あらゆる方向からそれぞれの事情で、すべての登場人物がある地点に集まる。その過程で、それぞれのバックグラウンドが描かれ、登場人物の人となりや、抱えているものなどが肉付けされる。ある地点に集まったときの爆発力、というか人がいりみだれてのドタバタぶりがおもしろい。誰が一抜けするのか。駆け引きのハジマリです。個人的にはヤクザの石嶺さんがステキ。いい味だしてます。最後まで読むと、冒頭のシーンがすごく生きてくると思います。覚悟を決めたシーンです。さすがペテン師!
・「あふろ」
一つの事件が二人の主人公の視点で描かれており、シリアスとコメディが交互に来る構成、シリアスパートはシェルダンの「明日があるなら」風。いうほどシリアスでもないが、騙し合い奪い合いでハラハラ…なのだ…が!コメディパートがやたら面白い!小ネタやキャラで掴み…後半ありえねぃ 出来事の連続で畳み掛けてくる!笑うしかねぇ! 短時間で一気に読めちゃうんで、コメディー映画でも観たいってお方、読書にしてはいかがでしょか?
・「こんな笑い、ドンデン返しを待ってました!」
お洒落な表紙や周りに勧められて読んでみたら、もう最後まで一気にに読んじゃいました!面白いのはもちろんだけど、笑いのセンスや飽きない展開、そして最後には……読み応えもバッチリで映像化したらゼッタイ面白いハズ!なにより、この作家さんの作品ってキャラクターがいい!こんな人達が周りにいたらおもしろそう…。もうここでは教えられませんが、友達にはオススメしたい本です!
・「エンタメの星」
「悪夢のエレベーター」に続いて読みました。いやいや、ここまでエンタメに徹した小説を書ける作家さんに巡りあえて実に嬉しい。キレイゴトな小説が増えるなか、ひたすらノリとテンションで突っ走る小説ってなかなか貴重です。
とにかくキャラクターが活き活きとしています。大阪が舞台ってのも、面白い。ただ、エピローグは正直、出来すぎな感じはしましたけど。
これからも期待してます!
・「サラリーマンのファンタジー」
水族館の裏側などの細かなディテールと、そこに働く職員たちのキャラクターが立った描写が面白くて一気に読みました。そして片山の夢の全貌が古賀の頭の中でトレースされる場面で、思わず涙してしまいました。この話は、将来の夢を描きつつ日々の仕事やトラブルに追われるサラリーマンたちのファンタジーではないでしょうか。
・「清々しいミステリー」
水族館で続けられる脅迫、さらに殺人事件があり、どちらも3年前の死亡事故(?)と関わりがあるように思われ・・・。この脅迫事件犯人の手口は、変な言い方ですが、エレガントで知的で良いです。でも、まぁミステリファンには、事件の一部は容易に解明できると思いますが・・・。最後の犯人に対する処遇とか、ちょっと現実ではあり得ないのですが、そこは小説と言うことで勘弁頂いて、これほど清々しいエンディングのミステリーも珍しいです。
うだるような猛暑の中で、水族館の細やかな描写は楽しかったです。
・「ミステリーではなく、人間物語として読んで。」
物語の序盤に、登場人物のキャラクターがほぼ説明されきっている。「別にこんなに説明しなくても・・・」とも思うけれど、そうやって理解してしまうことで、その後の展開を、主人公と同じ視点に立って読み進められるというメリットも。殺人事件は確かに起こるが、この話全体の中でそれは大きなウェイトを占めるわけではない。ミステリーというよりは、現実の社会と夢の実現の狭間で頑張るサラリーマン達の物語という感じがする。物語の最終決着の仕方がすんなり飲み込めないという印象は確かに残るけれど、それも人間物語として読めば、まぁこんなものか。でも、この作者さんの書く雰囲気は好き。なんというのかな、落ち着いた世界があって。
・「ラストは微妙・・・。賛否両論?」
3年前、水族館で職員の片山が死んだ。その命日の日に事件は起こった。次々と発生するトラブル。そのたびに送られてくるメール。脅迫者の真の目的はいったい何か?翻弄される職員たちだが、ついに最悪の事態が起こった!!
水族館という限られた空間、しかも大勢の客がいる中で、次々に水槽に仕掛けをする犯人。職員の努力もむなしく、事態は悪化の一途をたどる・・・。その過程のストーリーの展開が早く、読み手を飽きさせない。途中で犯人について思い当たる人物が浮かんでしまったが、すんなりとラストに行かないところに作者の巧妙さが光る。ラストは、「これでよかったのかも・・・。」と思う反面、「これでいいのか?」という気持ちがあり、微妙だった。賛否両論?読み手の意見が分かれるのではないだろうか。
・「おしい」
水族館の中でおこる、脅迫事件。3年前の不慮の死を遂げた水族館員とのかかわりは?
設定が面白い。水族館の中の風景も浮かぶようで、なかなかです。
でもね、ちょっと話の緊迫感が足りない。人が死んでも、なんか淡々と盛り上がり足りない感じです。
おしい作品だな。
・「読み応えのあるミステリー」
神戸で起きた教師一家惨殺事件の謎をめぐるミステリー小説。筆者が医師なので病院や手術のシーンがリアルに描かれているのは当然だが、医療とは関係のなさそうな場面でもリアルに描写されていることに感心した。ストーリー展開も上手で、興味を切らすことなく最後まで一気に読んだ。外見だけで病気を判断できる医師、生まれつき痛みを感じない潔癖症の男などの発想が面白い。前作の『廃用身』『破裂』も読んだが、いちばん面白いと感じた。
・「盛り沢山すぎるけど」
医師が世間に「こういう懸念材料ありますよ」 というメッセージを発信しているような思いを感じながら楽しめた。海堂尊氏が医師として切実なるメッセージを込めながら虚構の世界を見せてくれるのに対し、医師からの視点で現社会の危機感を大いに煽るエンターテイメントを構築して見せてもらった。特に刑法39条についてはかねてから疑問を感じていただけに考え込みながら楽しませて貰った感は否めない。
・「布石を見逃すな」
刑法第39条「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を軽減する」をテーマとした物語。多彩な登場人物が遭遇する一見別々の出来事が徐々に一つの形を表していく。最初から目を凝らして全部を覚えていると、そこら中に布石が打たれまくっている事がわかります。でも文章のリズムが良いので一気に読めます。人が物理的に傷つく様はあまりにもリアルなのでグロイのが嫌いな方は要注意。
■読んで欲しい人・裁判に協力する鑑定医の人・精神障害児童施設等で働く人
・「人相で病気がわかる」
人相やその人自身(行動なども含め)みると、どんな病気を患っているか、また、犯罪を起こしそうか。。。がわかるお医者さんが主人公です。
これを読んで、ついこないだ読んだマクロビオティックの久司さんのことを思い出しました。久司さんも人の顔をみれば症状等わかるらしいですね。
さて、本書のないようですが、最初と後半には少し残酷な虐殺シーン等でてきますが、なかなか一気読みさせるないようでした。
面白かったです。
・「ボリュームはありますが。」
600ページとボリュームはありますが、読みやすいのでそんなに感じませんでした。多くの障害をもった人物がキーマンとなる本書。残酷でむごいシーンもあり、ちょっと気持ち悪くなる部分もありました。一気に読みたくなる、次が気になる展開が続き、読み応えあり。最後はイバラがいなくなり、もしかして続編があるのか?とちょっと期待してしまいます。
・「良くて悪い、計画と結末」
重力ピエロは伊坂幸太郎の初期の作品ですが私の中ではまだこれを超えるものは出てない。ミステリー的な謎解きや伏線に、それほど驚きはないし一気に読ませるようなストーリー構成のうまさでは最近の作品のが完成されていると思うしどんどん面白く進化しているとは思うのだけれど…でもこれが伊坂幸太郎の原点だ!と勝手に思っています。
兄である主人公と、弟の春。春は、母親がレイプされた結果身ごもった、半分だけ血のつながった弟だ。ある日主人公の会社が、最近起きていた連続放火の被害をうけ、放火現場の近くに必ず残されている落書きに気づいた春は、兄とともに調査を始める。たまたま身近で起きただけのはずの連続放火とグラフィックアートの関係の謎と許せない犯罪がなければ自分の存在がなかったという、矛盾を抱えた春の存在が次第に深く絡み合って…。
犯罪を憎む気持ちと、それがなければ存在しなかったという矛盾を抱えた家族。物語はすごく重いテーマをはらんでいるのだけれどその文章は、軽く、明るく、うつむくところがない。それはまさに物語の中で春がいう台詞通り。「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」これが伊坂幸太郎の文章の根っこの成分なんだろうな、と思います。
彼らの母親の選択も、父親の揺るがない信念も主人公がやろうとしたことも、物語の結末の、春の行為も正しくなかったことも、あるかもしれない。いや、はっきりと、してはいけないこともある。けれど、読み終わったあと、嫌な気持ちにはならない。
それは多分、彼らの決断が、自分の正しさを信じる一種の狂気のようなものではなく勧善懲悪のような、わかりやすい気持ちよさでもなくただ空中ブランコのピエロが、一瞬だけ重力を忘れさせてくれるようにすべてを越えてふわりと飛んでいくような、軽やかなすがすがしさを感じさせてくれるから。
まさにこれが伊坂作品の真骨頂、と思うのです。
・「思いがけず心を鷲掴みされてしまいました。」
読み終わった後、もう一度読み直したくなったのは初めてでした。 深まっていく謎に惹きつけられ、ドキドキし続けました。 推理小説と言い切るのはちょっと違う、でも家族愛の話と決めてしまうのもちょっと違う。
登場人物たちの交わす会話が独特のテンポでいいんです。彼らの背負うものが切なくて、でも淡々と進められていく物語にますますのめりこみます。
そして、終盤で、すべてのからくりがわかってからのドキドキは、それまでのものよりも大きく、 読み終わるのがもったいないと初めて感じました。
登場人物一人一人がとても鮮やかに描かれています。 どの人物もある意味突飛で個性が強いのですが、それぞれに惚れこんでしまいます。 それゆえに、ラストは切なく、愛おしく、まだずっと彼らを見ていたくなるのです。 残酷でありながらも、この上なく神聖で、愛にあふれている、不思議な魅力いっぱいの作品でした。
・「シンプル」
在り来たり、と言ってしまえば其れまでなのですが、シンプルで読みやすいです。でも、決して単調な訳ではないですよ。
文章も非常に推敲されている気がするし、読んで得した気分に成ります。伊坂 幸太郎の本を読むのは初めてだったのですが、其れでも十分楽しめました。
是非、他の作品も読んでみたいと思わせる一冊です。
・「(月並みで恥ずかしいですが)傑作!」
タイトルからして正にそうなのですが、微妙にズレているのにそれがいちいち快感で、細部のフレーズも感覚的に妙にしっくりくるものが多く、全体の枠組みも実はしっかり作り込まれており正にオリジナルな世界を確立しています。こうした特長を全て受け継ぎつつ、寓意のない寓話、騙し絵、エンタメに続く本作は私にとっては驚きの大感動作でもありました。
ワンコインで文庫を買えなくなって以降余りに馬鹿馬鹿しくて日本の小説を読まなくなって仕舞いましたが、久し振りに金を出して買う価値のある小説家に巡り会ったと断言出来ます。
・「伊坂さんらしい作品」
伊坂さんは一般的にミステリー作家ということになっているようですが、一口にミステリーと言っていいものかいつも迷います。なにか必ず人間臭さや救いがあり、あったかいものが読後に残ります。「重力ピエロ」もまた然り。この作品は自分のルーツについての問いがテーマなのですが、重い内容にも関わらず淡々と、時には格言を用いて冗談交じりに話が進みます。格言や哲学、映画好きには面白いのではないでしょうか。自分の中で葛藤がある人にもお薦めします。好きか嫌いかの真っ二つに意見が分かれるとは思いますが、私は今のところ伊坂氏の作品の中で一番の傑作だと思います。
・「わけありで星5つあげる」
手軽に読める警察小説という本である。ただし、グロさがあるけど。内容的には、アメリカ辺りの警察モノの焼き直しっていう感が否めないけど、そこそこキャラ立ちもしてるし、伏線の張り方も堂場瞬一あたりに比べるとうまい。でもやっぱり、徹夜本っていうほどではない。
星3つから4つってとこが妥当な本であるが、私は5つつけた。その理由は、性犯罪被害者に対する作者の思いやりが垣間見えたからである。この作品で唯一、裁判シーンがある。そこで、作者に非常に共感を覚えた。読んだ方ならわかるだろうが、例の敬礼シーンである。私は恥ずかしながら、涙を禁じえなかった。日本の裁判は公開裁判である。公開される理由もわかっちゃいる。ただ被害者保護という立場から見れば、この小説に出てくるようなことがあってもいいのではないかとおもう。保護されるべきなのは、加害者なのか、被害者なのか。
本筋から外れたが、作者の人となりを知ることは作品を読む上で大事なことであるとおもう。あのエピソードは、警察という組織を印象付けるためのエピソードとして挿入されたのかも知れない(主人公のモチベーションにも多大な影響を与えているし)が、作者の人間性があってのことだと信じたい。私はこの作者の人間性に、物書きとしての姿勢に5つの星をつけたいとおもう。
・「本編よりも、主人公の過去の描写の方が印象的」
本筋の連続猟奇殺人事件の解決への流れも読みやすく、非常に引き込まれるものがあったのですが、それ以上に、主人公の女性警部補の過去として記された裁判の舞台が印象的でした。
・「裁判のシーンは震えたよ」
これは面白かった。ストーリーはなんとなくどっかで読んだ事がある気もするけどしっかりしていたし。なにより展開がスピーディーで息もつかせず飽きさせない。裁判のシーンでは震えたよ。この小説を学生のときに読んでいたら警官になりたいと思ったと思う。ならなかったとは思うけど。あと、殺人の描写はグロイので要注意
■読んで欲しい人・ミステリー好きの人・色々な人
・「年末年始に読みました」
結論からすると、個人的には最近読んだ中で他にないぐらいお勧めです。
最初の書き出しは凄惨で、電車の中で読んでいて、前の座席の人が変に思われるぐらいのしかめっ面で読んでしまいましたが、だんだんと引き込まれていきます。
時間のある年末に買ったのですが、年を越す前に読んでしまいました。続きも早く文庫で出てくれればと思います。
・「映画のようです」
映画を見ているような感じがしました。テンポが速くて、ところどころ、ジーンとするところもあり、姫川と井岡のやりとりが面白いし、登場人物も個性的で、新鮮な小説です。
・「爽快な謎解き」
閉鎖状況ミステリの佳作。綺麗なリドルストーリーです。ミステリに実在性を求めると、ホワイダニットがすっきり納得できないかもしれませんが、それを展開のなかできちんと纏め上げ、きちんと風呂敷がたたまれていて、むしろ好感が持てます。どこにたたむんだろうとヒントを小出しにしながら最後まで読まされます。ドキドキ感やワクワク感は少ないかも知れませんが、のんびり、じっくり読むにはかなりお勧めの作品だと思います。
・「一般向けではないのかも」
良くも悪くも、今日の「本格ミステリ」のありようを示す作品として、それなりに楽しく読んだので、他の方の評価が低いことに驚いた。『生ける屍の死』(山口雅也)は、ありえない状況下での、ありえない事件を描いて、日本のミステリの新たな可能性を開拓した。猫丸先輩シリーズ(倉知淳)は、素性のよくわからない素人探偵が“推論”を語るだけでも、ミステリ的興趣が生まれることを示した。となれば、ありえない前提を踏まえた、ありえない状況下で、素性のよくわからない素人が推論を組み立てるだけでも、ミステリは成立し得ることを目指した“野心作”が、あっても良いことになる。そうした意味づけで本作を読んだので、それなりの成功を収めていると思えた。事件の関係者はあらかじめ限定されているのだから、フーダニットやハウダニットではなくホワイダニットが主眼であるのは明らか。しかし、本来ありえない事柄が前提なのだから、本来ありえない動機が成立してしまう。なるほど、と思える展開である。本作がランキング本で高い評価を得たのは、ミステリを読みなれた者にとっては、こうした小説の存在が許せてしまうからであろう。そういう意味では、一般向けではないのかもしれない。
・「密室殺人+ハイジャック。緊張感と手堅い論理に作家の高い能力。」
ミステリーのなかでも密室殺人系に属するだろうか。ただ舞台が飛行機の中でハイジャッカーが一緒に謎解きをするという設定が新しいし独自の緊張感を生み出す。心理的物理的根拠から数々の仮定と洞察を生み出す展開はとてもしっかりしていて、石持 浅海という作家の能力の高さを表していると思う。映画化してもおもしろい脚本になるのではないだろうか。サスペンス好きにもお勧めしたい本である。星5つがあげられなかった理由はこの物語の根幹をなす師匠とよばれる石嶺という人物がブラックボックスのまま終わってしまったところに消化不良の感があること。
・「独創的な設定」
沖縄の空港で3人の男女が、乳幼児を人質に取ってハイジャックを起した。犯人の要求は、拘留中の師匠を空港に連れてくること。しかしその飛行機の中で死体が発見された。
・「美しく構築されたファンタジックなミステリー」
ネタバレが怖いので詳しくは書かないが、ハイジャック犯が解放しようとしているのが、<新興宗教の教祖的な存在の男性>であることから、物凄くアンフェアすれすれのファンタジックな展開が予想できる。教祖を本当に超能力者ならば、本来の推理小説では禁じ手とされるトリックも成立してしまう。
このため、筆者は一体どうこの物語を完成させるのだろう、と非常に興味深く、ページをめくる手が止まらなかった。
一方で、このファンタジックな物語を、きっちり成立させているのは、細かい部分まで美しく構築された犯人たちの行動だ。この筆力があるからこそ、あり得ない犯罪がリアリティを持ち、あっと驚く探偵役や、同じくあっと驚く(途中で推測可能だが)殺人犯の存在が、説得力を増すのだと思う。
「アイルランドの薔薇」もそうだったが、人の書かないような個性的なミステリを書く筆者だから、ミステリファンはぜひ一冊読んでみてほしい。
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