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▼恋愛小説:セレクト商品

恋愛中毒 (角川文庫)恋愛中毒 (角川文庫) (詳細)
山本 文緒(著)

「山本さんの最高傑作だと思います。」「とにかく単純に面白い小説。」「恋愛小説の傑作」「身を削って書く小説家部門一位」「珠玉の恋愛小説の1つです」


女たちは二度遊ぶ女たちは二度遊ぶ (詳細)
吉田 修一(著)

「いろんな女のショート・ショート」「女性の方、読んでみて下さい」「別れ」「男女のビミョーなニュアンスを表現したアフォリズム」「さらっと読めた」


東京湾景 (新潮文庫)東京湾景 (新潮文庫) (詳細)
吉田 修一(著)

「切なく哀しい恋愛小説」「恋愛の難しさ」「まるで女性が書いた恋愛小説のような」「まるで女性が書いたような恋愛小説のよう」「最高の恋愛をあなたに」


チェリーブラッサム (角川文庫)チェリーブラッサム (角川文庫) (詳細)
山本 文緒(著)

「学生にはお勧めです☆★」「明るい気持ちになります」「実乃の気持ちがホントに分かります。」「あっと読み終わります」「淡い」


みんなの秘密 (講談社文庫)みんなの秘密 (講談社文庫) (詳細)
林 真理子(著)

「読み出したら止められない」「みんなの秘密が垣間見える」「覗き見の好奇心」「誰もが秘密を持ってるんだ・・・」「初めてでも読める文学作品」


センセイの鞄 (文春文庫)センセイの鞄 (文春文庫) (詳細)
川上 弘美(著)

「ただひたすらシンプルに」「川上ワールドに耽溺。」「どうして泣けるのでしょう」「美しい日本語」「あたたかい気持ちになれる話」


肩ごしの恋人 (集英社文庫)肩ごしの恋人 (集英社文庫) (詳細)
唯川 恵(著)

「誰もがみな。」「ドラマ化したらおもしろそう」「肩ごしの恋人?」「「るり子」と「萌」」「おもしろい!」


愛しても届かない (集英社文庫)愛しても届かない (集英社文庫) (詳細)
唯川 恵(著)

「久しぶりに泣きました。」「おすすめー☆」「 女って悲しい。。。」「とてもリアルでいいと思う」「こんなに人を好きになった事ないな。」


ナラタージュ (角川文庫)ナラタージュ (角川文庫) (詳細)
島本 理生(著)

「私は共感しました」「葉山先生がひどい人であるほど、泉が悲劇のヒロインになる」「うまいなぁ」「切ない、というのとはちょっと違うのだけど・・・」「主題とは別に、これかなり実験的な作品ではないだろうか」


ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)ツ、イ、ラ、ク (角川文庫) (詳細)
姫野 カオルコ(著)

「すべてをひっくり返した画期的な恋愛小説」「緻密なディティール」「読み進むのがもったいないと思った小説、ありますか?」「潔癖なエロス みだらな純情」「ぜひ、予備知識なしに読んで、ひたってください!」


不機嫌な果実 (文春文庫)不機嫌な果実 (文春文庫) (詳細)
林 真理子(著)

「林真理子にしか書けない世界」「女の本音」「賢そうで愚かな女性の恋と不倫の物語」「一気に読みました」「人の欲望はキリがない」


欲しいのは、あなただけ (新潮文庫)欲しいのは、あなただけ (新潮文庫) (詳細)
小手鞠 るい(著)

「全身全霊の愛」「これは恋愛論だと思う」「刹那的恋愛描写」「重い!切ない!」「良作」


キャンディ (角川文庫)キャンディ (角川文庫) (詳細)
テリー サザーン(著), メイソン ホッフェンバーグ(著), Terry Southern(原著), Mason Hoffenberg(原著), 高杉 麟(翻訳)


▼クチコミ情報

恋愛中毒 (角川文庫)

・「山本さんの最高傑作だと思います。
女心の一面を鋭く捉えていて、名作だと思います。主人公ほどではありませんが、私自身も過去に、男を深く愛しすぎて泥沼に陥ってしまったことがあります。この作品は、そういった過去の心の襞をはっきりと思い出させるもので、胸が痛くなりました。今分析するに、主人公や私が泥沼にはまってしまった原因は、多分自分に自信がなかったり、愛されたという実感がなかったこと、「愛と性を結びつける日本の教育と、現実がそうではないという事実」にあるように思います。私も主人公同様、もう二度と恋愛はしないと誓い、今では子供と自分を愛する事に徹しています。恋愛を素晴らしいものだと、私は決して思いません。恋愛を賞賛する作品が多い中、恋愛の真実を書いているという点で、私はこの作品を高く評価します。

・「とにかく単純に面白い小説。
「本を読む」楽しさを思う存分に味わせてくれる、まさに傑作です。小手先の美しさやテクニックではなく、人の心の襞を丹念に、正直に、ストレートに描ききっています。しかもストーリー構成も抜群。読者を煙に巻くような自意識過剰な作家が多い昨今、読者に対するこの真っ正直さがとても心地よい。

完全燃焼できる小説です。きっと作者も完全燃焼したんじゃないかな(笑)。

・「恋愛小説の傑作
何度も何度も読み返しています。私の愛読書です。恋愛小説でこんなに何度も読み返しても楽しめ、そして読むごとにまた違う感想を持つ本はなかなかないと思います。恋愛って深い、、と思い知らされる作品。でも誰にでもこういう感覚っておおかれすくなかれあるものではないのかな?と考えさせられます。

・「身を削って書く小説家部門一位
これは傑作。身を削って書くタイプの作家はいろいろいるが、山本文緒は、「削り度」が最も高く、その代表選手と言える。この作品では、主人公が次に何をやらかすか、どんな重大な隠し事をしているか、がキモである。一人称で語りながらこれをやるというのは、犯人が主人公の推理小説と同じであるから、その腕が問われる代わりに、読者の驚きも大きくなるので、効果抜群である。まだ駆け出しといっていいこのころの山本が、これを仕上げたのは驚嘆する。島崎今日子のインタビューにあった、高校時代に女の子を殴ったことがある、という事実から、「やっぱり身を削っていた」と再確認した。「恋愛中毒」でその場面を読んだときには、「体験か?想像か?」と半信半疑だったが。ということは、これに限らず他の場面や作品においても、「体験」が形を変え、散りばめられているということだ。そういう意味では身を削った鷺沢萌や昔の林真理子よりもフィクション性が低く、実体験が生かされていると思われる作家である。この主人公についても、山本の分身度が高いと思われるのだが、その特徴はなにより「突然キレる」である。普通に話していたかと思うと、凶暴な行動に出る。これが山本の腕にかかると、より話が面白くなるわけだが、「突然キレる」の理由は「不器用だから」である。「不器用」とは「交渉ができない」である。おそらく著者本人の特徴でもあるのだろうが、他人に直接要求したり、交換条件を出したり、押したり引いたりコネを使ったりという、ネゴシエイト能力がゼロなのである。「要求する」という行為が「正当な権利」と思えないところから、こうなる。それで、鬱屈がたまって突然キレる。もともと「我慢に弱い」タイプの「キレる奴」なのではない。ネゴシエイト能力の欠如は自己評価の低さによる。そうした己の眼をそむけたい部分を逆手にとって、傑作を書いた山本は大した女だ。

・「珠玉の恋愛小説の1つです
どこにでもいそうな一人の人間の物語です。が、恋愛に依存することによって生まれていくズレ、そして偏執的な愛ゆえの狂気・・・。解説の林真理子の言葉を借りるまでもなく、巧みな構成と文書力、深い人物像が物語を印象深いものにしています。熱に浮かされたように物語に引きずり込まれ、一気に読みました。

読み終えてからも主人公の熱が移ったのか何度も読み返してしまいました。間違いなく「私の読んだ本の中で他人にすすめたいランキング」ベストテンに入る1冊です。ぜひ読んで下さい。

恋愛中毒 (角川文庫) (詳細)

女たちは二度遊ぶ

・「いろんな女のショート・ショート
こういう短編小説、一日に一作品づつ読めれば毎日がより充実しそうである。いや、一度にまとめて読んだってもちろんかまわないのだが(私は2、3編づつ読んだ)、なにしろ数も限られているのでちびちびとやりたいところである。今日はどんな女の人だろう、と、思いながら読んでいろいろと楽しんで、その後で現実の女性に会うと、なんだかいつもとは違う気分で彼女たちに出会えたりする。すんなりと読みとおせる短い仮想の文章が、日々の退屈な経験をふくよかにしてくれる。様々な女性の日常(非日常)の断片が、どれも「うわあ、センスいいなあ」といちいち感嘆させられる描写力でもって表現される。いるね、こういう人、な女性がおり、あるいは謎がありすぎる女性がいる。おお、と、つきあってみたく思わせる女性がおり、もしくは、あまりお近づきにはなりたくはないけれど、微妙な距離にいってもらって話題のネタになってくれるとありがたい女性がいる。もちろん、これは男性の側の視点である。この本も、どちらかといえば男性からみた女性の姿がたくさんのせられているようではある。けれど、あらためて確認するまでもなく、AV的な非中立性はこの作者にはほとんどない。女性はこうあるべきだ、こうあってほしい、というわがままはそこにはない。むしろ人間ってこうなんじゃないのかなあ、という問いかけが一貫してあり、それがそれぞれ異なるからだとこころをもった女性の姿で書かれている、のではないかと感じた。

・「女性の方、読んでみて下さい
とても面白かったです。テンポも良くて、本を読んでいるのが気持ちよかった。今まで、女の私には「男から見た、女の不可解さ」なんて解らないことでした。けれど、吉田修一はそれを見せてくれた気がします。11人の女の出てくる11話の短編は全て、男の視点から見た世界で描かれています。長編小説ではなく、短編小説であることも良い。11話それぞれの男の心理に集中しながら読め、11人それぞれの女を読者が「観察」できる。男の迷いや甘えとは裏腹に、女は、密やかな自分の世界を守りながら逞しく生きている。それが、女を不可解なものに見せるのかもしれないなぁ…と、私は思うようになりました。

・「別れ
女性が見ている現在は時として既に過去となっていることがある。現実に夢を重ねて見ているから、夢から覚めた瞬間に次の現実を探し始める。当然それまでの現在は過去に変わる。

そしてその逆も然り。現実的という言葉がぴったりなくらい毎日をこつこつと生きることが出来る。しかしこの場合にも、ふと全てを投げ出したくなる時、自分のためにということを考える時がくる。その感情に理由なんてない。最近増えているという熟年離婚もそういうものではないかと個人的に思っている。

・「男女のビミョーなニュアンスを表現したアフォリズム
 11人の男がそれぞれが付き合った11人の女の思い出を語る短編集。「十一人目の女」という作品をあえて十番目に置いたのも洒落てる。それにしても、この、男女にまつわるエピソードのヴァリエーション、リアリティはさすが。枚数も少ないし、軽く読み飛ばせる気楽さもあるんだけど、コンセプチュアルな長編よりも、こういった短編のほうが著者のエッセンスが無防備な形で表出している気がする。 それにしても、著者の観察眼、感じ方、表現は「現代」とずれていない。意外なことに、小説家で「現代」とずれていない人って稀少だと思う。今回、特に印象に残ったのは男女間のビミョーなニュアンスを表現した数々のアフォリズム。 「頭では来るはずがないと分かっているのに、心では来ないはずがないと思っているのだ」 「住みたいところじゃなくて、みんな、住めるところに住んでるんだよねぇ」 「好きでなかったわけではない。ただ、好きだったわけでもない。きっとこれから好きになれると、そう思っていたのは間違いない」 「恋愛でもなんでもそうだが、沈黙に耐え切れなくなるのは、必ず優位な立場にいるほうだ」 こうしたフレーズが象徴するように、どの作品もわりと輪郭がはっきりしていて、シーンや言葉が印象に残る。一番面白かったのは「明るいオーラ」と「暗いオーラ」に関する考察で、これはフムフムと思った。気になる人は是非ご一読を!

・「さらっと読めた
11の短編集からなる女と男の日常的な物語。吉田修一らしく、一貫した気だるさが作品全体に流れている。

私的には、「十一人目の女」が、「月曜日たち」という作品のようにこのなかの短編のどれかとリンクしているのかなぁと思ったりしたのですが別にそんなことは無かったようです;笑

オチのない話が嫌いな人にはオススメ出来ないけど、私は吉田さんの作風が好きなので面白かったです^^

女たちは二度遊ぶ (詳細)

東京湾景 (新潮文庫)

・「切なく哀しい恋愛小説
東京の臨海地区を舞台にして展開する切ない恋愛小説。著者はこれまで比較的クールな人間関係を描いてきたが、この作品ではもっと突っ込んだ人間関係を描いていている。そのてめ、思いのたけの一片さえ伝えられない言葉のもどかしさや誤解から互いを傷つけてしまうすれ違いの哀しさが、切なくなるくらい良く伝わってきた。ふたりが働く品川埠頭とお台場の距離感は、近いようで遠いふたりの距離感をそのまま投影しているようだし、そこをつなぐモノレールも心もとないふたりのつながりを象徴しているかのようで、舞台背景をふんだんに活かした作品だと思う。また、作中使われる同名の小説も、直接打ち明けられない部分を代弁するアイテムとして、効果的に用いられていると思った。

・「恋愛の難しさ
この手の本にしては結構ハッピーエンドで、読み終えた後にホッとする内容でした。人間は動物と違って恋をし、恋に悩むこともあります。(人によっては一番の悩みかもしれません)恋愛は人間にとって一番素敵でドキドキする反面、一番難しくそして残酷なものかもしれません。そんな恋愛をロマンティックで少女漫画的に描くのではなく、現実的で現代的に描いたのが本書です。お台場と天王洲を中心に行われる現代的な恋愛に何となく心が和みます。

・「まるで女性が書いた恋愛小説のような
「悪人」に感動して次にこの本を読みました。恋愛小説は男性作家より女性作家の方がはるかにうまいと思いますが、吉田さんのこの作品はまるで女性が書いたかと錯覚するほど微妙な心の揺らぎが書けています。しかも登場人物は男性よりも女性の方がよく描かれていると思います。女性の読者がこの意見に賛同するかどうかは分かりませんが。「悪人」を読んだ時も感じましたが、この作家が人を観察する力は相当なものです。

・「まるで女性が書いたような恋愛小説のよう
「悪人」に感動して次にこの本を読みました。恋愛小説は男性作家より女性作家の方がはるかにうまいと思いますが、吉田氏のこの作品はまるで女性が書いたかと錯覚するほど微妙な心の揺らぎが書けています。しかも登場人物は男性よりも女性の方がよく描かれていると思います。女性の読者がこの意見に賛同するかどうかは分かりませんが。宮本輝氏も女性に人気がありますが、女性の方はどちらの作家がお好みでしょう。「悪人」を読んだ時も感じましたが、この作家が人を観察する力は相当なものです。

・「最高の恋愛をあなたに
吉田修一の最高であって最高級の恋愛小説。物語を読んでいくとわかるのですが、なにかしらドラマ「たったひとつの恋」を思い出します。人と人との繋がりを理屈なくして感じられる恋愛とでも言うんでしょうか。亮介と美緒のなにげないんだがそのなにげなさにドラマがあるというか...波乱とか驚愕とかドンデン返しとか今はやりの感じはないんですが、あったか〜い気持ちになれる物語テイストでした。

東京湾景 (新潮文庫) (詳細)

チェリーブラッサム (角川文庫)

・「学生にはお勧めです☆★
私は、よく山本文緒さんの本を読むのですが、大人の恋愛ってかんじの本が多く高校生の私には、なかなか難しかったのですが、これは、私達の年ごろに本当にマッチしていて、読んでいて、自分が本の中の主人公になりきっちゃってました(笑)かわいい恋愛ってかんじで、よんでいてほのぼの出来ました☆★

・「明るい気持ちになります
山本さんの作品としては、面白いくらいにスッキリとした爽やかな作品です。心理描写が丁寧なのですが、少しこの年頃にしては幼っぽすぎるのでは?という感も否めません。しかし、主人公の心の葛藤や成長が上手に描かれていますよ。

ココナッツも合わせて読むと、更に面白さ倍増です。

・「実乃の気持ちがホントに分かります。
なかなかいいですね。私も中学2年生ですが、この年頃の気持ちが「ああ、分かるなあ~」っていう感じで書かれています。どきどきしたり、はらはらしたり、いらいらしたり…、いろいろな感情がこの一冊には詰め込まれています。自分の気持ちに正直になれなかった実乃がだんだんと素直になれていくのが、読んでいて胸があったかくなっていくようです。

・「あっと読み終わります
やけに物語が軽いなーと思って読んでいたら、あとがきでジユニア小説ということが判明し、納得しました。初めてジュニア小説というものを意図せず読みましたが、簡単に読み進めることが出来るので、楽しめました。内容は高校生ミステリ物の様相を帯びていますが、そこはやはり少年少女向け、高校生の淡い心象を描いており、爽やかな読後感を与えてくれます。でもやはり若い人向けだと思います。大人の読者はお父さんと同級生のお母さんとの物語のほうが面白くなると考えてしまいます。

・「淡い
数人のレビュアーが書いているように淡い、かわいい感じの恋の話でした。いつもの山本文緒さんのような鋭さはにいような感じがしましたが、純粋な気持ちで読むにはいい本かもしれません。中学、高校生に戻った気分でこの本を読んでみて下さい。何か忘れていたものが取り戻せるかもしれませんね。

チェリーブラッサム (角川文庫) (詳細)

みんなの秘密 (講談社文庫)

・「読み出したら止められない
この本は12の短編で構成されている。1話目を読みながら、ここに登場している主人公の女性が、自分の友人の中の1人にとっても似ていることに気付いた。「私の友人もひょっとしてこの主人公のように浮気なんかしていたりして…」などと勝手な想像が膨らんでいく。

1話目を読み終えたところで「このお話の続きがあったらいいのに」と思いながら2話目へと目を移すと冒頭に1話目の主人公の夫の名前が出てきた。今度は夫が主人公になり視点を変え、方向を変えてストーリーが展開していく。1話目は2話目にリンクして、2話目は3話目にリンクして、3話目は4話目に…

という訳で、1話目を読むと最終話まで自動的に読み進んでいってしまうという「しくみ」になっています。それはまるで秘密の扉を次から次へと、ずっと奥の扉まで、1つずつ開いていくっていう感じでした。

・「みんなの秘密が垣間見える
短編集ですが、連続性があります。一話目の脇役が二話目の主人公に、二話目の脇役が三話目の主人公に・・・といった調子で各短編が書かれています。たとえば、妻の真意に思い至らず浮気をして悦に入っている夫の視点で描かれたストーリーと、逆にその妻の視点で描かれたストーリーがあったりして夫婦でありながら各々の生活における世界観の違いのようなものが垣間見えて愉しいです。タイトル通りみんなの秘密を覗いたような気分になります。

・「覗き見の好奇心
現代に生きる人々の秘密を覗いているような感覚になる一冊。しかも短編なのですが、初回の話の脇役が次の話には主役になるというとても面白い仕掛けになっていて、「次はどんな?」っていう好奇心が抑えられなくなってしまう。人間って好奇心の塊なんだなって実感。

・「誰もが秘密を持ってるんだ・・・
林真理子さんの作品の中でも、これほど引き込まれたものは初めてでした。物語の始まりは、「単に不倫のお話かな」と思いました。ですが、見事に予想に反してました。さまざまな世代における心の葛藤・つまずき・そして誰にも言えない秘密をテンポよく描いていました。またしばらくは彼女の作品にハマってしまいそうです。

・「初めてでも読める文学作品
あんまり、こういう本を読んだ事は無かったのですがすごく読みやすく、すぐに本の中の世界にはまっていき読み終わった後も、すっきりとした後味のいい作品でした。

みんなの秘密 (講談社文庫) (詳細)

センセイの鞄 (文春文庫)

・「ただひたすらシンプルに
私はこんな恋愛をしたいんだ、私にはこういう距離感と時間と空間の使い方が合っているんだ、と心の底から思う。ゆっくり、ゆっくりと、時間をかけてお互いを思い合う。お金にものを言わせたプレゼントとか、スノッブなレストランとか、空虚な駆け引きとか、そういうものは無用で、ただひたすらシンプルに、相手が存在することに感謝すること。

この本の一行一行が宝物のようで、私はかみしめるようにじっくりと読み進めました。物語が終わってしまうのがもったいない。ふとしたシーンで涙が出る…。

最後の一行を読み終わったあとは、ひとつの恋愛を体験したあとのような、不思議な充実感と、ひっそりした悲しみと、何者かへの感謝の気持(の、ようなもの)に包まれ、ただ涙が溢れ、しばらく動くことができませんでした。

私の中の恋愛小説ナンバーワンに輝く作品です。

・「川上ワールドに耽溺。
 川上が書く小説は、なまなましく、リアルな部分と、どこか現実離れした御伽噺のような、シュールな部分とが混在する不思議な世界を構築しており、それを読むことにより、読者に日常の時間の流れとは違った、緩やかで心地のよい時間の流れを経験させてくれる。

 本書は、主人公である「ツキコ」が、行きつけの居酒屋で、数十年ぶりに出会った高校時代の古文の「センセイ」である松本春綱と出会ったことから始まる。そして二人の間に徐々に芽生えてゆく思慕の情を淡々とした筆致で描き出す。文体は滑らかで、読み手に負担をかけない。技術的にも優れている。 登場するキャラクターがどれも「キャラ立ち」しており、一体この次どんな行動をとるのだろうか?と、気になって冒頭から結末まで、一息に読破してしまった。 四十間近の女と八十近い、棺桶に半分足を突っ込んだ爺様の恋愛話なのだが、それぞれの感覚が瑞々しく、二人の間で、育っていく愛情が、ゆっくりとしていて、それがもどかしく、読んでいて甘酸っぱく、切ない気分にさせてくれる。  私もこのセンセイのように、爺様になっても年下の女性にカワイイと思わせる人間になりたいなと思った。読めばきっとあなたも恋愛がしたくなる、良くできた小説。 

・「どうして泣けるのでしょう
読後、珍しくもう一度最初から読み返してしまいました。なぜか同じ所で泣いていました。特に作家のファンでも何でもなかったのに。。。星5つもつけてしまうと、どなたかに笑われるのかもと思いつつ。ツキコさんとセンセイの間の暖かい空気がなんとも羨ましい。久しぶりに旦那と手を繋いで歩いてみたくなりました。

・「美しい日本語
三十代の女性と、お年寄りなセンセイとのお話は、正直僕の読書の趣味には合わないはずなのに、ずいぶんと楽しく読めた。川上弘美の書く女性は人前では泣かず、一人で泣く。媚びない。そこに強さは無いが、好感が持てるのだ。 人物描写も心理描写も情景描写も全てが巧みであるように思えた。無理がなく、自然なのだ。読んでいて感じたのは文章の美しさだ。「蕭々」「爽気」「はかばかしい」「馥郁」「腹がくちくなる」などの言葉が何とも言えない雰囲気を醸し出す。 さらりと読めて、じんわりと来る名著。

・「あたたかい気持ちになれる話
初めはセンセイとツキコさんのやりとりに笑い最後はいつの間にかぽろりと泣いてしまった。

読み終わった後はちょっと寂しくなってしまったけどまた最初の「月と電池」を読み返したらにやっと笑ってしまった。

話にでてくる電池、お星様、桜、パチンコ、野球の巨人そしてお酒が日常をちょっぴりいとおしく思わせてくれた。

そして、センセイとツキコさんの関係はこんなつきあい方も素敵だよと教えてくれた。

また何年か経って読み返したい本。

センセイの鞄 (文春文庫) (詳細)

肩ごしの恋人 (集英社文庫)

・「誰もがみな。
タイプの正反対な萌とるり子。二人に対して100%同感・同調するようなことは無いのだが、ただ多かれ少なかれ萌の部分。るり子の部分を女は持ち合わせているように思えた。萌タイプ・るり子タイプどちらをどのくらい自分の中で占めているのだろうか。または自分の周囲にいる女友達はどうだろう。と。そんなことをふと考えさせられ、また客観的に自分を見つめ直してしまった。淡々としててサラッとよめる小説です。

・「ドラマ化したらおもしろそう
ドラマにできそうな作品だな,というのが第1印象です。二つの異なる価値観を持つ女性像がよく書き分けられていると思いますし,るり子と萌のあたかも漫才のぼけつっこみのごとくの掛け合いが実に楽しく,ヒロイン二人を取り巻く登場人物のすべてが個性豊かで,それぞれにスポットを当てて別作品もできるのではないかな,とも思ってしまうほど。そして,展開もお約束とも感じられるくらいドラマチック。ドラマのための作品なのではないかって思うくらいです。作品を通じて感じたのは,二人のヒロインに流れる迷いのない潔さ,迷っていてもその自分をはっきり分析できる聡明さ。それがからりとした読中の爽快感につながっています。作品中に出てくる,不倫,家出,離婚,妊娠など常識的な視点からすれば,じっとりと重い雰囲気がいやでもにじみ出てしまうものが,全く重さを感じさせずにさらりとクリアされていきます。作中の二人のヒロインの成長ぶりもなんだかほほえましく応援してやりたくなるくらい。久しぶりに読後感がさわやかな作品でした。

・「肩ごしの恋人?
他にもこの著者の作品を読んだことがありますが、この作品は他の作品に比べてずっと内容が濃い上、湿度が低いと思います。物語の終盤の収束とスピード感も最高です。

恋愛小説というよりは、萌とるり子の人生ドラマ。あまりにるり子のセリフがかっこよくて、小説では初めて私はドッグイヤー(気に入ったページの端を折る)をいくつもつくりました。

・「「るり子」と「萌」
27才の女性という微妙な年齢の対照的な2人の姿がおもしろいなぁと思いました。「るり子」の女を徹底した潔い姿に脱帽します。「萌」の冷静な物事をはっきりとする姿を尊敬します。女だったら「るり子」部分も「萌」部分も両方持っているのだと思う。ただ、人によってそれぞれの成分構成が異なって2つがうまくバランスをとりながらみんな生活しているのだと思う。自分の幸せ探しの旅のような気がして、考えさせられてしまいます。とてもよかったです。

・「おもしろい!
おもしろくて一気に読めました。萌とるり子の対照的な二人。ベタベタしてないけれど分かり合っている二人の友情がよかったです。自立して生きている萌に好感を持ちましたが、欲望のままに生きているるり子もなぜか憎めずかわいかったです。

肩ごしの恋人 (集英社文庫) (詳細)

愛しても届かない (集英社文庫)

・「久しぶりに泣きました。
付き合っている人がいるのに他の人に一目惚れをしてしまった。そんな経験はありませんか?またその人に少しでも近づこうとして、彼の彼女と仲良くする。彼女から奪いたい、その想いがだんだん強くなって友達を裏切ることになってしまっても彼を選ぶ。女の子には誰にでもある感情だとは思いますが、これを読み女の醜さ、執念深さを再認識するとともに、すべてを失ってもいいから好きな人と結ばれたいと願う女の子の気持ちに泣けてきます。

・「おすすめー☆
当時、恋愛について悩んでたときのこと、本屋さんでふっとこの本を手に取りました。女って怖いというよりも尊敬しちゃいましたよ 笑。そうまでしてその人が欲しいのです、無茶するんじゃなくて、罪悪感を感じながらも彼女に近づき、彼に近づこうとしてしまうんです。嘘だって思いもよらぬところから簡単にばれちゃうんです。

この作品を初めて読んで、唯川さんにハマってしまったわけですがこの作品を読めてよかった♪♪きっかけがかれで数々の作品に出会えたから。

・「 女って悲しい。。。
  女心の深淵をえぐる恋愛長編って書いてあるけど、ほんとだと思う。   多分これを男の人が読んだら、女って怖いって思うんだろうな。。。   私は悲しいって思った。そして、怖いんじゃなくて、怖くなった。   涙が出るとかの悲しさじゃなくて。突き刺さるような悲しさ、痛さ。

  「男と女は半分ずつ。けれども好きと好きはなかなかうまく合致しない。」   「誰かを好きになると、思いがけない自分が顔を覗かせる。」   どれも胸に突き刺さります。

  七々子のような状況ではないけれど、すごく気持ちがわかるだけに辛い。  好きな人が目の前や横にいても、その気持ちは遠くにあって。。。

  手に入れたいけど、入れられなくて。でも、、、やっぱり欲しい。自分が怖い。  恋のためには全てを敵に回す、そんな強さもないのだけれど。

 

・「とてもリアルでいいと思う
 とても身近に共感できるものがありました。私自身時振り返ると時には美咲に、時にななこになっているように思い、その時の不条理さがきれいにことばになって返ってきたような気分でした。似たような状況を思いかえしながら読めました。ふと気がつけばこのなかの登場人物の誰かと気持ちが重なる事があるのではないかと思います。等身大に今ある恋愛を書かれていると思いまいた。

・「こんなに人を好きになった事ないな。
女ってコワイな・・・でも私にもあり得るかもしれない、と思いました。女対女、ほんとはどう思ってるの?と相手に思いながら、自分は心の内とは違ったことを口にしている、女のしたたかさ・・・コワイ。

好きな人へのどうしようもない想い、一緒にいれる幸せ、嫌われたらという不安。すごくよく伝わってきました。結果はどうあれこのような激しい想いの恋愛をしてみたい!と思いました。

愛しても届かない (集英社文庫) (詳細)

ナラタージュ (角川文庫)

・「私は共感しました
『ナラタージュ』はハードカバーでも持っていたけれど、文庫でも何故か買ってしまいました。ハードカバーで買ったときも文庫として発売されて本屋さんで手に取ったときも、何故かとてもこの本に惹かれました。

この本のすごいところは、あんなに難しくて複雑な感情を上手く文章にしているところ。ああいう書き方ができるのはこの作家さんだからだと思います。

精神的につながってしまう人と出会う、ということは恐ろしく幸福なことで、しかし人生を狂わせることになるかもしれないという危険と出会ってしまうことと、ほぼ同じだと思います。こういった考えが伝わるひとは少ないかもしれないけれど、本当にそういうことなのです。そういうことがほんとうに上手く描かれています。

この作品の批評のひとつに、無駄な描写が多い、ということがよく挙げられていますが、無駄ではないのです。泉の感情を表現するのにはもしかしたらまだまだ足りないくらいかもしれないです。

こんな恋愛小説にはなかなか出会えないと思います。ぜひ、読んでみてください。

・「葉山先生がひどい人であるほど、泉が悲劇のヒロインになる
大半の読者は、「泉」が恋に落ちる「葉山先生」という中年男性の魅力が、最後まで分からないかも知れません。教え子に手を出すし、奥さんを孤独にさせるし、それでいて泉には同情を誘うような打ち明け話するし、奥さんと復縁しようとしているのにまた泉に手を出すし……。「そんな人より、小野君の方が絶対いいよ!」と言いたくなるかも知れません。

が、そのモヤモヤする気持ちが、この小説の仕掛けではないかと思いました。

葉山先生は、良い人ぶった、大人のいやらしさを隠し持った、自分の弱さも武器にする「ひどい人」に思えるのですが、そうであればあるほど、葉山先生から離れられない泉が哀れで、悲劇のヒロインに思えてきます。

かと思うと、泉にはどこかマゾっぽいところがあり(濡れた土の上で土下座する場面など)、自分でも気づいていないながら、葉山先生にひどい目に遭わされることを望む本性を持っているのでは、とも思えてきて、複雑なドラマです。

そんな中、小野君が見せたキラリと光る純粋さに、思いがけず心を打たれたりしました。

単純な青春恋愛ストーリーではなく、表面的にはそう装いつつ、ドロドロした悲劇の構造を隠し持っているところに『ナラタージュ』の面白さがあるのでは、と思います。

・「うまいなぁ
丁寧な文章が印象的。固有名詞もイヤミじゃないし。

ただ。。現実はもっと惨めなのよ〜ってことで、星四つ!

・「切ない、というのとはちょっと違うのだけど・・・
66歳男性からこの本を貰い、売れたとかそういうことは全く知らず読んだ。最初は「取り立ててなんてことない青春恋愛小説」という感じで淡々と、訥々と静かに話が進んでゆくが、途中から「動」に変わる。主人公・泉と彼女の高校時代の教師、葉山先生との「愛」が軸なのだが、正直なところ、きれいごと過ぎる感が否めない。それが読んでいてもどかしい。愛の形なんて人それぞれだし、人を好きになるには理由なんてないと言ってしまえばそれまでなのだが。葉山先生という人が、私にも良く分からなかった。ずるい男であるのは間違いないが。ただ、読後にある種の感動とも言える余韻が残った。泉は一生、「その思い」を抱えて生きて行くのだろう。それがどういうことなのか分かるのは、ある程度年齢を重ねてからだと思うのでもし学生時代に読んだとしたら、また違った読後感があるように思える。

・「主題とは別に、これかなり実験的な作品ではないだろうか
 読み始めて十数ページで違和感を持つ。平凡な情景描写、陳腐な会話、凡庸な話の展開。でも何かがひっかかる。 半ば位まで読み進めて気づくのは、この作品が小説の約束事、セオリーといったものを逸脱しているのではないか、ということだ。それも多分意図的に。 登場人物は一応色分けされているものの、みな堅実で、礼儀正しくて、性善説でモラリストといった範疇に収まっている。「小説世界」みたいなものを前提として、この作品を読み始めると、人物たちが薄味というか、ほんとフツウに居そうな人ばかりなのだ。そして話の展開も。あえて小説に登場させるような人たちなのか?小説として語るようなことなのか?といった違和感をこの時点では持つ。でも、「じゃあ小説って現実とは違うワケ?」っていう逆の疑問も頭に擡げながら。 フツウな感じ、ということで言えば人物像をステレオタイプにわざと描いていない、という点もそうだ。例えば小野君のCDの趣味。ネイティブ・サンにシンディ・ローパーにヨーヨー・マにロッド・スチュアート!普通の小説だと、こういうCDの趣味が人物像を表現したりするけど、このつかみ所のない趣味からは人物像を類推出来ない。でも、意外にこういう取り留めのないCDがラックに混在してたりするのが現実世界じゃないかって気もしてくる。 他にも初エッチに持ってく夜にあえてギョーザを2人で作って食べたりとか、従来の小説ではありえないけど、現実にはありそう!っていうようなシチュエーションが随所に見られて、前半は話の本筋ではなく、そっちのほうに頭がいってしまう。 ところが後半3分の1くらいからの反転ぶりがこの小説はすごい。性善説でモラリストでフツウだと思ってた人物達が、表面的な関係性が一線を越えた瞬間から、思いっきり、心の闇、不安、弱さ、邪悪さみたいなものを見せ始める。従わせる愛、束縛する愛、尽くす愛っていう従来的な恋愛観に対する“与えること、頼りにされることで自己を確認する無償の愛(長いけど)”ってなテーマも姿を現す。 前半、後半でこれだけ表情を変える小説も珍しい。とりあえず最後まで読むことをお勧めします。まあ、この小説の実験性に対する評価と、最終的にこの小説の主題、世界観に共鳴出来るかどうかってことは、まったく別のことだとは思うのだけど。

ナラタージュ (角川文庫) (詳細)

ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

・「すべてをひっくり返した画期的な恋愛小説
 なぜこれまで小学生から中学生にかけての時期を主体的に描いた恋愛小説がなかったのだろう。この小説はまさにコロンブスの卵。しかも、そうした構造上のアイデアだけでなく、ディテールの細かさ、筆の勢いなど、「姫野カオルコ」はこれまでにまったく体験したことのない才能である。小中学生の頃にこそホンモノの恋愛があったという共感は世代を問わないだろう。著者があえて時代背景を特定するような固有名詞を使っていないのもそうした配慮なのだと思う。小中学生の恋愛は世代的なものではなく普遍的なものだ。誰もがこの小説に描かれる小中学生時代のエピソードに類似した想い出を持つはずである。著者の設定上のもうひとつの工夫は舞台を「田舎」に置いたことだ。これも地域を特定していない点は、時代と同様の配慮だと思うが、田舎は都市に比べて社会的な制約、抑圧がある分“燃えやすい”。小中学生の恋も急進的になるのだ。戦後の文学は、社会のモラトリアム化と呼応して高校、大学、社会人…と間延びした恋愛、あるいは恋愛不在を描いてきた。しかも都市、東京やその郊外を舞台にした小説がメインストリームだった。「ツ、イ、ラ、ク」は、そのすべてをひっくり返した点で画期的な恋愛小説である。この小説の素晴らしい点を挙げれば切りがないが、もう1点だけ述べるとすれば、“複層的な他者の視線”である。「AがBに気づいたことを、Cも気づいた」。文章としては1箇所しか出てこないが、著者の意識の中には常にこの視線がある。いずれにしろ昨今、こんなに圧倒的な小説は読んだ事がない。泣けた。文句なくお薦めである。

・「緻密なディティール
姫野カオルコによる直木賞候補にもなった恋愛小説。 正しくは「恋愛群像劇」とも言える。

舞台は人口4万人の町。 中学生の隼子と教師の河村。 そしてそれを取り巻く実に多くの人間が織り成すストーリー。

本作最大の魅力はその数多い登場人物の個性だろう。 思春期特有の微妙な心理の複雑さや陰湿さが、実に細かく、丁寧に描かれている。 生き生きと、伸び伸びと、時に鬱々と。 しかし彼ら脇役の個性が主人公二人を損なう事は決してない。 緻密な脇役というディティールを丁寧に確実に積み上げることによって、 むしろより主人公を引き立て、且つストーリーの重みと厚みを増す役割を見事に果たしている。

ラストが爽快な恋愛小説の傑作。

・「読み進むのがもったいないと思った小説、ありますか?
さすがとしか言いようの無い作品。冒頭からぐんぐんと引き込まれ、寝食も忘れて読みふけっていた。物語中盤にさしかかる、準子と河村の最後の逢瀬のあたりから、私は読み進めることを躊躇しはじめた。巧みな心理描写に圧巻され、一行読むことにハッとさせられるほどだった。準子と河村がどうなるのか知りたい、早く先が読みたい。姫野カオルコなら、絶対に期待を裏切らない展開を用意してくれるはずだ。でも、こんなにも意地汚くて、俗物的で、いやらしくて、幼稚で、最高に魅力的で最高に甘い物語が終わってしまうことが切なくてしかたなかった。その文字の一つ一つをなぞるように、ゆっくり、ゆっくりと読み進めていった。

たかが恋愛小説でこんなにも気持ちが昂ぶるとは思ってもみなかった。準子と河村の最後の逢瀬のような経験が、自分自身にもあったからかもしれない。モンブランのように甘くやわらかな唇に、胸焼けを起こした夜が。

もう大人だから・・・そう割り切って、義務のような、打算だらけでカタチだけの恋愛をしていませんか?もう一度、溺れるように恋に堕ちたい。そう思わせてくれた作品。傑作!!

・「潔癖なエロス みだらな純情
傑作です。生きていることは線だけど,恋愛は点です。その点を描くために本書は長い線を引きます。線を描くために近畿地方に「長命市」という町を生み出しました。しかも,1本や2本でなく,同じ学年の生徒達,大人達が色とりどりの線を辿ります。登場人物たち皆によかったねを,姫野カオルコはプレゼントします。著者は長命市の皆を愛していますから。

優しく潔癖でヤって犯ってヤって犯っての正しさを知る神が統べる長命市へようこそ。ごゆるりとご彷徨ください。街角のどこかであなたと出会うかもしれませんね。

・「ぜひ、予備知識なしに読んで、ひたってください!
姫野作品はクセがあって敬遠していた。久しぶりに読んだら、おもしろくて驚いた!たまたま内容紹介も読まずにカバーを外していきなり読み始めたのだが、この読み方はお勧め。あらすじも知らずに行った群集劇を観ているうち、この子がヒロインだったんだと気づき、あっという間に違う世界にさらわれる、そんな怒涛の読書体験が味わえるはず。前半は小中学校時代のあれこれが縷々綴られるのだが、なんともリアルで読ませる。そうしているうちに、突如ヒロインの「恋」が浮き出てくるのだ。小中学校には確かに「恋」がひしめいていた。しかしかけがえのない相手は、その中からたった一人現れる。それを見事に表現した作品構造にしびれたー。他に印象深いのは、地の文(語り)が明らかに年長者の視点であり、小中学生のあれこれにいちいち「解説」をほどこすこと。田辺聖子さん風に言うとアフォリズム。その部分は、あ〜姫野さんらしい・・・と正直苦手なタッチだし、過剰で気負った文章は、年寄り臭いのか青臭いのかわからなくなるほどのくどさなのだが、本作はこれがなければ成り立たない。臨場感のある描写に回想めいた懐かしさを加え、また「解説」が読者の過去にも当てはまるものだから、作品世界がぐんと身近になる。そこに自分も属していたかのような錯覚を覚えるほどに。語り口には滑稽味があり、どぎつさも緩和される、など、読者と作品をほどよくつなぐパイプになっているのだ。そうして共感なり、懐かしさなりを覚えながら読んでいる途中で、不意打ちのように立ち現れる「恋」。その烈しさに打たれ、まぎれもない恋愛小説だったんだと思い知る。この型破りな恋愛小説のラストが極めて古典的であることもおもしろい。効いている。ラスト、最後の一文、著者のあとがきなどから考えるに、主人公は「恋」そのものと言ってもいいかもしれない。それほどに「恋」がせつなく、生々しく、荒々しく息づいている。

ツ、イ、ラ、ク (角川文庫) (詳細)

不機嫌な果実 (文春文庫)

・「林真理子にしか書けない世界
 一気に読みました。過不足ない夫もいるはずの主人公麻他子の32歳から35歳までの迷いの日々をみごとに描ききっている。老いていくことや日常の生活へのなんとなくの違和感からどんどん夫以外の男性との恋愛に走っていく主人公、というのはありがちだけど、その細かな情景描写に脱帽。例えば

「その日曜日の午後、麻他子は自分のために水色の麻のスーツを着、男のためにバラ色の下着をつけて家を出た」「麻他子は夫に対して、小さな仕返しをいくつかする。たとえば夜のおかずを一品少なくする、シチューはレトルトを使うといった些細なものであるが、それでも仕返しをするとしないではだいぶ気分が違う」

麻他子の気持ちを疑似体験しながら、人間の自分ではコントロールしきれない膨大な欲望に圧!倒されながら、でも、やっぱり恋愛はいいなと思いながら読んだ。蛇足ですが脇役のキャラクターが良いです。

・「女の本音
主人公の我儘な不満の逃げ道として、不倫というスリルと欲求を満たしてくれるゲームにはまっていく物語。女の裏の裏の本音を剥き出しにしてしまい、ねっとりとしたSEXとそこに行き着くまでの男性とに駆け引きを詳細につづっている。誰しも、このような悪女のしたたかさと、恋する少女の純粋さの二面は常に持ち合わせているのが女の本性なのだ。ここまで女の手の内を明かしてしまうと、男性では到底かなわない、女の思慮深さと瞬時の判断力舌を巻いてしまうだろう。最後までCOOLな悪女にはなりきれなかった愚かな女の結末が人生における男女の結末なのかもしれない。最近恋をしていない人には、女のやる気を思い出させてくれる作品だと思う。

・「賢そうで愚かな女性の恋と不倫の物語
主人公は、32歳の美しい人妻、水越麻也子である。まだ子どもを持たない麻也子は、いつもちょっとだけ退屈している。夫の航一はあまり相手にしてくれないし、セックスもすでにおざなりである。そこで過去の男たちのことを、ひとりひとり思い出してみたりする。友人は言う。「浮気は夫婦円満の秘訣かもしれない」と。麻也子は、情事の相手を模索しはじめた。この不倫相手選びが、最近の彼女にとっては最大の関心事であった・・・。

この小説は、不倫の愉しみを少しだけ覗かせてくれるが、その愉しみの尽きた先をも、これでもかというほど見せつけてくれる。不倫は、誰かに自分の価値を認めてもらいたいと心の奥底でつねに希求している主婦の、落とし穴なのかもしれない。

・「一気に読みました
すごくよくわかる・・・。最後のほうに出てくる「抱きすくめられたり、好きだって言われたり、キスされたりしないで、どうして生きていけるんだろう・・」の部分にマーカーしたくなった!私はこう思う主人公が素直な女性だと思わずにはいられない。

・「人の欲望はキリがない
 麻也子は1つ願い事がかなえられると、その現状に満足できなくなり、新しいモノを欲しがる。 人間の際限ない欲望をよくあらわしていると思います。

 人間の黒い部分が見れておもしろいです。 結構一気に読める良作だと思います。

不機嫌な果実 (文春文庫) (詳細)

欲しいのは、あなただけ (新潮文庫)

・「全身全霊の愛
読めば読むほどタイトルの意味がわかる,タイトルどおりの本です.愛に溺れる女性の心が描かれており,人を愛したことがある女性ならば,その気持ちに共感できるところがあると思います.これが,愛すると言うことなんだと思いました.

他人からみたら異常かもしれない,かわいそうかもしれない.主人公はそれくらい真剣に人を愛しています.痛くて,切ない.

男性がこの本を読んでどう思うのかが気になるところです.

・「これは恋愛論だと思う
最低の恋愛、最悪の恋愛である。読んでいると狂おしい気持ちになって、小説のことなのにこぶしを握りしめ、歯を食いしばって、なんといったらいいのだろうか、地団駄を踏むだろうか、そういう思いにかられる。こういう恋愛だけはしてはいけない。こんな人に惹かれていけない、こんなふうに自分をおとめてはいけない。それはちがうんだよ、誰が見たってわかる、語り手の貴女だってわかってるじゃないの?なんでこんな小説を書くのよ。愛はもっと純粋で美しいもの、そうであるはず、そうでなければいけない。

この小説は(こんなにも狂おしい内容であるにもかかわらず)、自分の恋愛観を冷静に分析するための「恋愛論」だと思う。全体としては否定するしかない、男らしい人との恋愛、優しい人との恋愛ではあるが、読み手の痛いところを突いてくる、小手毬るいの筆力に圧倒された。

・「刹那的恋愛描写
一見、我侭かと思える主人公の大好きな彼と離れたくない痛烈な想い。相手を責めず自分を痛めつけるように愛していく直向きさ。読み進めば読み進めるほど主人公かもめを通して切な苦しさが伝わってくるようで胸に重く押しかかる。恋に溺れていく繊細な女心がシャープに描かれている作品です。

・「重い!切ない!
「男らしい人」と「優しい人」、まったくタイプのちがう二人の男性との恋愛を、回想という形で描いた書。恋にのめりこむ女性の心理を、激しいまでに描ききった著者渾身の一冊です。遠慮も理性もなく一途に突き進む主人公に、男性はぞっとするかもしれないけれど、恋をする女性には多かれ少なかれこうした思いはあるはず。「結婚」や「形」ではなく「ただあなたとつながっていたい」と望んだ、「男らしい人」との愛。妻子ある男性だけに、ひたすら「待ち」、自分のところへ通ってくる彼の使用期限切れの定期券をお守り代わりに持ち続ける「優しい人」との愛。切ないほどに気持ちに共感できる小説でした。

・「良作
リアルだった。中指の欠けたエピソードは男の職業が教育関係であることから最後までしっくりとこなかった。ストーリーにからんでくる話でもないし・・・その点は必要ない説明だったと思う。しかし全体的に良かった。

欲しいのは、あなただけ (新潮文庫) (詳細)
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