ラッシュライフ (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「誰かは誰かと端っこでつながっている」「楽しめる」「無限ループからの脱出」「個人的、伊坂作品NO.1お勧め。」「あまりにも見事」
オーデュボンの祈り (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「伊坂幸太郎は順番に読むべし。」「才能あふれるデビュー作」「異色ながら原点を思わせる作品」「一言でいえばとても不思議なお話。」「不思議な島の話」
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「陽気で痛快」「続編が読みたくなります」「銀行強盗が洒落た職業に見えてくるから不思議だ」「理屈抜きに面白いから読んでみて!」「何も考えないで読んだほうが」
重力ピエロ (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「良くて悪い、計画と結末」「思いがけず心を鷲掴みされてしまいました。」「シンプル」「(月並みで恥ずかしいですが)傑作!」「伊坂さんらしい作品」
魔王 (講談社文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「人間の「思い込み」の危うさを描いた小説」「で、どうしたのその後。。。。。」「伊坂氏の真摯な問いかけ」「結構、爽やかな読後感と感慨深さ」「青臭いといわれようが」
死神の精度 (文春文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「短編集の見本のような優れた作品」「クールで愛嬌ある主人公の「死神」が遭遇する多様な人生模様!」「「死神」のキャラクターが素晴らしい」「さすが」「CDショップに集う死神たちを見れるのはこの本だけ。」
グラスホッパー (角川文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「気持ちよかった。」「奇妙な現実感。」「ハードボイルド小説としてではなく」「以外に1番好き」「これぞ、エンタメ!!」
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「伊坂ワールド」「二年前と現在との交錯」「カテゴライズに困る本」「河崎、ドルジ、琴美 3人の切ない物語」「まず読むべし」
チルドレン (講談社文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「伊坂流日常の謎」「おもしろかったです☆」「笑いながら、気持ちがほっこりする本」「子供の世界は、、、」「伊坂さん!!」
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・「誰かは誰かと端っこでつながっている」
いくつもの人生が、ちょっとずつ端っこでつながっていき、それが誰かの人生を作り上げていく。
群像小説と読んでしまえば簡単。ただし「群れ」と呼ぶには個性がありすぎるキャラたちが、文字の舞台を縦横無人に駆け巡る物語は、オールスター戦に近く、それでいて最後には群像小説としてのまとまりを持たせているのは圧巻。
この作家の上手いところは、ふとしたポイントで自分の現実世界を振り返らせることで、
誰かの人生が僕の人生の端っこでつながって、結果的に僕の人生を作り上げている、ということを気づかせてくれる。
世界では誰もが主人公で、誰もが脇役なのだろう。
そうやってできた世界の一部がこの小説なのかもしれない。
・「楽しめる」
よかったなー。1回目読んだ時には意識してなかった出来事が、2回目読んだ時に関連性というか繋がりがわかる。話に無駄がなく、起こりうる出来事全てが何らかの繋がりをもっている。だから読みなおしたときにまた面白さがやってきた。
・「無限ループからの脱出」
仙台の街を舞台に、5人の男女の物語が進行する。エッシャーのだまし絵(ハードカバーの表紙はこれですが、なぜ文庫本は変えてしまったのでしょうか?物語に非常に影響を与えている絵なのに残念)、老いた野良犬、好きな日本語を尋ねる白人女性、未来が見える男「高橋」など、共通の背景を織り交ぜながらそれぞれの物語は交わることなく並行的に進行していきます。
死体は自らバラバラになった後、再びくっつく。轢かれた猫が生き返る。「あれ、これってミステリーでなくて、オカルト本?」と思み進めていくと、最後にとんでもない種明かしが!これは、まぎれもないミステリー小説です。
だまされた後の爽快感がたまりません。2回目も読まずにはいられない、しかも2回目も楽しめる、一冊で2度おいしい素晴らしい作品です。また、登場人物も非常に魅力的。特に泥棒・黒澤にはしびれました。
・「個人的、伊坂作品NO.1お勧め。」
伊坂幸太郎さんの面白さを知りたいなら、私はまずこの「ラッシュライフ」をお勧めします。 キャラクターの造形の面白さ。台詞回しの切れ味と面白さ。そしてなんといってもバラバラのストーリーがやがいひとつに結集されたとき。表紙の絵柄にまさに各人物の物語が収まったときの爽快感はもう格別。 あとに続く伊坂テイストの集結する物語の原型をわずか発表作2作目で完成しているスタイルはもう絶品。読後の爽快感もいままでの日本人作家にはなかったような、さわやかさ、があります。 しかし、内容的には結構辛辣で現実面の冷たさを描いている点もただの娯楽作にとどめてないところがみそ。御伽噺と現実を融合した傑作ミステリーと言ったところでしょうか。 またこの作品には伊坂ファンの中でも人気の高い「黒澤」が登場するお話です。このときからすでになかなか魅力のあふれるキャラクターに仕上がっています。 それにしても最後にあのキャラクターが物語の締めを飾るとは思いませんでした。そうですあのキャラクターがこの物語のとりを飾るとはまさか思いませんでした。まさに傑作。伊坂テイストを知りたいならまずこの一冊です。
・「あまりにも見事」
2003年度版このミス11位
作者の2作目。今の知名度でこの作品を出せば、もっと注目された作品だと思う。そのくらい完成度が高い。
自分に楯突く者を絶対に許さない、傲慢で拝金主義者の画商独特のこだわりをもつ泥棒の黒澤リストラに遭い、野良犬と仙台の町をさまよう豊田お互いの配偶者の殺人を画策するサッカー選手の青山とカウンセラーの京子(彼女だけ姓がないのが一つのヒント)新興宗教の教祖の解体に立ち会わされる河原崎
これらの5組にまつわる話が時間軸を上手に操られ、微妙にリンクしながら最後に騙し絵のピースのようにぴたりとはまる。初読の際にはこの見事さに感動すら覚え、各章に隠された時間についてヒントをメモしながら再読し、再度感動した次第である。未読の方は、是非、この「時間」ということに注意しながら読んで頂きたい。最後の驚きが倍増(は大げさかもしれないが)するはずである。
作品中の「展望台」や「好きな日本語を書かせる外国人女性」など、一見意味の無いようなエピソードの使い方もうまく、また作者独特の鮮烈で暖かみのある文体が完成度を高めていることは言うまでもない。是非おすすめの一冊である。
・「伊坂幸太郎は順番に読むべし。」
デビュー作というのは、いろいろな意味で、きわめて興味深いものだ。伊坂幸太郎の作品を読んでみようと思ったら、まずは「オーデュボンの祈り」から読むことをお勧めしたい。
伊坂幸太郎の作品群は、相互にリンクしている。たとえば、Aの作品にちらりと出てきた脇役的登場人物が、Bの作品では、主要な登場人物の一人として登場したり、Aの作品の「事件」が、Cの作品で話題にのぼったりする。
伊坂幸太郎自身が、「このミステリがすごい! 2004年版」のインタビュー記事で、「実際、今までの短編と長編はすべてつながっているんですよ」と語っている。
つまり、刊行順に読まないと、その仕掛けに「にやり」とできないのだ。これは、読者サービスのようにも思えるが、作家にとっては、一つの作品世界の奥行きを広げる手法にもなり、また、「作品を最初から読ませる」戦略ともなる。
ちなみに、代表的な作品を、発行順に並べてみよう。
オーデュボンの祈り 2000年12月 ラッシュライフ 2002年 7月 陽気なギャングが地球を回す 2003年 2月 重力ピエロ 2003年 4月 アヒルと鴨のコインロッカー 2003年11月 チルドレン 2005年 5月 死神の精度 2005年 6月 魔王 2005年10月
もちろん、どの作品から読んでも伊坂ワールドは十分に楽しめるが、緻密と評される物語構成を味わうには、作者の「罠」にかかってみるのもいいだろう。
・「才能あふれるデビュー作」
今をときめく伊坂幸太郎の記念すべきデビュー作である。 現世から隔離された島で、案山子が殺されるという意表をついたストーリー。案山子は未来を知ることができたにもかかわらず、なぜ自分を守ることができなかったのか。童話を思わせるシュールな構成にもかかわらず、圧倒的なリアリティと説得力で読者を牽引してゆく筆力はとても新人とは思えず、その後の活躍を予感させるのに充分なインパクトである。 個人的に本作の中で最も印象に残っている登場人物は「桜」であった。「桜」は正義そのものであり、法そのものである。島の中で「桜」だけが拳銃を所有しており、だれもその判断には逆らえない。ほかにも「嘘つきのパラドックス」の議論が出てきたり、伊坂作品の中でも本書は最も哲学的な色彩が濃いのではないだろうか。 伊坂の作品を読んでいて感心するのはその読みやすさである。難しい文章を書くことは容易であり、読みやすい文章を書くことは困難である。読者が何の苦労もなくすんなり読めてしまう平易な文章は、作者が何度も何度も書き直した苦労の賜物にほかなるまい。理屈抜きに才能を感じさせる数少ない作家の一人だと思う。
・「異色ながら原点を思わせる作品」
他の伊坂作品(特に最近のもの)と比較すると、この作品は極めてシュールでファンタジー的な要素が強く、「著者はこういった趣向のものもかけるのか」と素直に驚いた。デビュー作ということで、主人公の推理、推測がやや飛躍的になる部分もあるが、この物語全体が童話的であることもあり、それほど強い違和感をもたらすものでもない。加えて現在の作品にも通ずる軽快な文章ですらすらと読み進めることができる。
多種多様な登場人物がもたらすエピソードはそれだけでも魅力十分だが、それらが互いに絡まりあって世界観をどこまでも広げながら見事に収束させていく著者の腕にはただただ唸るばかり。また、伊坂イズムともいえる考えの数々が物語の中で顔を出しており、まさに著者の原点を感じさせる、といった意味でも感慨深い。
・「一言でいえばとても不思議なお話。」
コンビニ強盗を犯した「伊藤」が連れてこられてきた「荻島」。
150年もの間、外部との交流を持たない孤島「荻島」には、予知能力がありしゃべる案山子「優午」、島の法律として殺人を繰り返す「桜」、うそしか言わない画家「園山」など不思議な人物が住んでいた。
荻島の話、仙台の話、150年前に優午の誕生したいきさつなどその時々の場面がわかりやすく記されていてとても読みやすかったです。
実際こんなことあるはずないのにフィクションかと思ってしまうほど、物語の中にひきこまれました。
最後にこの作品を読んでリョコウバトの絶滅の事実を知りました。優午の人間に対する怒りがわかるような気がします。みなさんもぜひご一読を。
・「不思議な島の話」
誰も知らない不思議な島の話.小川洋子「密やかな結晶」を思い出した.
現実には有り得ない,それなのに違和感なく入り込める世界観.非常にわかりやすい,すっきりとした作品.これがデビュー作だから驚き.
ちなみに作品に登場する男性は姓のみ,女性は名前のみで呼ばれている.このように,細かい点に気をつけていると,不思議な世界に読者を入り込ませるための者の工夫を見つけることができる.伊坂幸太郎の作品は初めてだが,他のものが読みたくなった.
・「陽気で痛快」
銀行強盗4人組のお話.ですが,人を傷つけたりするなどということはありません.計画的に,そして美しく去っていく愉快な人たちです.
4人それぞれが特技を持ち合わせているわけですが,中でも『おしゃべりな男』の個性は抜けておもしろいと思います.
ことあるたびに彼は口を出し,仲間たちとも言い合うのですが,すべてが理屈っぽく,くだらなく,うるさいのですが読ませてくれます.そして,それらを適当に交わすしたり茶化す仲間たち.これらのやり取りはコメディのような雰囲気さえあります.
シリアスな部分もあったりしますが,全体的にはユーモラス.テンポもいいので飽きることなく読むことができると思います.
・「続編が読みたくなります」
伊坂幸太郎氏の文庫第三弾は、四人のギャング(銀行強盗)のお話。「オーデュボン」、「ラッシュライフ」に比べてテンポ重視のスリリングな展開です。
とにかく、四人のキャラクターが個性的で、コミカル且つお洒落な台詞回しは、銀行強盗という本来は悪事である仕業を、不謹慎ながらも魅力的な職業のように感じさせます。
それに加えて、前二作同様、細かく張られた複線が最後見事に一つにまとまるところは、いつもながら圧巻です。
一気に読めて、読後感も爽快。是非、この四人が登場する続編を読んでみたいです。
・「銀行強盗が洒落た職業に見えてくるから不思議だ」
2004 このミス6位2003 文春ベスト10 11位「軽快な文体で良作を書き続ける作家が、ギャング小説?を書くとこうなりました。」という作品。作者が書くと、銀行強盗が洒落た職業に見えてくるから不思議だ。
・「理屈抜きに面白いから読んでみて!」
登場人物は、伊坂作品にふさわしく、一癖も二癖もあるやつばかり。嘘を見抜く天才とか、妙なものを発明する発明家とか。この作品が成功したのは、普通のミステリーのように犯人と探偵(役)の対決ではなくて、銀行強盗対現金輸送車強盗と、結局どっちに転んでもろくなもんじゃない者どうしの対決にしたこと。まぁ、人殺しをしない分だけ、主人公たちの方がましかな。でも、こいつらは妙に仲間の連帯感が強くて、スタイリッシュでなかなかいい奴らかななどと錯覚させる辺りは、すでに連中の術中にはまっているのか。とにかく、理屈抜きに面白いから、読んでみて!
・「何も考えないで読んだほうが」
いい。
まるでルパン三世を思わせる痛快クライム・コメディの傑作。
タイトルについて・・・・。
数人の人が「先が読めてしまう」と言及しているが、そんなことにならないように何も考えないで一気読みをおすすめする。まあそうすれば意外とすごいスピードで読むことが出来ると思う・・・・。
敵と味方の騙しあい、裏切り者は誰なのか?映画化された傑作小説。良くも悪くも映画のようだが、あえて☆×5。
・「良くて悪い、計画と結末」
重力ピエロは伊坂幸太郎の初期の作品ですが私の中ではまだこれを超えるものは出てない。ミステリー的な謎解きや伏線に、それほど驚きはないし一気に読ませるようなストーリー構成のうまさでは最近の作品のが完成されていると思うしどんどん面白く進化しているとは思うのだけれど…でもこれが伊坂幸太郎の原点だ!と勝手に思っています。
兄である主人公と、弟の春。春は、母親がレイプされた結果身ごもった、半分だけ血のつながった弟だ。ある日主人公の会社が、最近起きていた連続放火の被害をうけ、放火現場の近くに必ず残されている落書きに気づいた春は、兄とともに調査を始める。たまたま身近で起きただけのはずの連続放火とグラフィックアートの関係の謎と許せない犯罪がなければ自分の存在がなかったという、矛盾を抱えた春の存在が次第に深く絡み合って…。
犯罪を憎む気持ちと、それがなければ存在しなかったという矛盾を抱えた家族。物語はすごく重いテーマをはらんでいるのだけれどその文章は、軽く、明るく、うつむくところがない。それはまさに物語の中で春がいう台詞通り。「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」これが伊坂幸太郎の文章の根っこの成分なんだろうな、と思います。
彼らの母親の選択も、父親の揺るがない信念も主人公がやろうとしたことも、物語の結末の、春の行為も正しくなかったことも、あるかもしれない。いや、はっきりと、してはいけないこともある。けれど、読み終わったあと、嫌な気持ちにはならない。
それは多分、彼らの決断が、自分の正しさを信じる一種の狂気のようなものではなく勧善懲悪のような、わかりやすい気持ちよさでもなくただ空中ブランコのピエロが、一瞬だけ重力を忘れさせてくれるようにすべてを越えてふわりと飛んでいくような、軽やかなすがすがしさを感じさせてくれるから。
まさにこれが伊坂作品の真骨頂、と思うのです。
・「思いがけず心を鷲掴みされてしまいました。」
読み終わった後、もう一度読み直したくなったのは初めてでした。 深まっていく謎に惹きつけられ、ドキドキし続けました。 推理小説と言い切るのはちょっと違う、でも家族愛の話と決めてしまうのもちょっと違う。
登場人物たちの交わす会話が独特のテンポでいいんです。彼らの背負うものが切なくて、でも淡々と進められていく物語にますますのめりこみます。
そして、終盤で、すべてのからくりがわかってからのドキドキは、それまでのものよりも大きく、 読み終わるのがもったいないと初めて感じました。
登場人物一人一人がとても鮮やかに描かれています。 どの人物もある意味突飛で個性が強いのですが、それぞれに惚れこんでしまいます。 それゆえに、ラストは切なく、愛おしく、まだずっと彼らを見ていたくなるのです。 残酷でありながらも、この上なく神聖で、愛にあふれている、不思議な魅力いっぱいの作品でした。
・「シンプル」
在り来たり、と言ってしまえば其れまでなのですが、シンプルで読みやすいです。でも、決して単調な訳ではないですよ。
文章も非常に推敲されている気がするし、読んで得した気分に成ります。伊坂 幸太郎の本を読むのは初めてだったのですが、其れでも十分楽しめました。
是非、他の作品も読んでみたいと思わせる一冊です。
・「(月並みで恥ずかしいですが)傑作!」
タイトルからして正にそうなのですが、微妙にズレているのにそれがいちいち快感で、細部のフレーズも感覚的に妙にしっくりくるものが多く、全体の枠組みも実はしっかり作り込まれており正にオリジナルな世界を確立しています。こうした特長を全て受け継ぎつつ、寓意のない寓話、騙し絵、エンタメに続く本作は私にとっては驚きの大感動作でもありました。
ワンコインで文庫を買えなくなって以降余りに馬鹿馬鹿しくて日本の小説を読まなくなって仕舞いましたが、久し振りに金を出して買う価値のある小説家に巡り会ったと断言出来ます。
・「伊坂さんらしい作品」
伊坂さんは一般的にミステリー作家ということになっているようですが、一口にミステリーと言っていいものかいつも迷います。なにか必ず人間臭さや救いがあり、あったかいものが読後に残ります。「重力ピエロ」もまた然り。この作品は自分のルーツについての問いがテーマなのですが、重い内容にも関わらず淡々と、時には格言を用いて冗談交じりに話が進みます。格言や哲学、映画好きには面白いのではないでしょうか。自分の中で葛藤がある人にもお薦めします。好きか嫌いかの真っ二つに意見が分かれるとは思いますが、私は今のところ伊坂氏の作品の中で一番の傑作だと思います。
・「人間の「思い込み」の危うさを描いた小説」
人は、世の中の流れに流される者も逆らう者も、その根拠があるにせよないにせよ、自ら「ある考え方」をどこからか選んできて、その考え方を自分のものにしてしまい、それをときには「信仰」して生きているのでしょう。
それが人の行動に影響を及ぼす事は言うまでもありません。
宗教、政治的観念、大小様々の思想、哲学、、、これらすべて個人的な信仰の対象です。そして、人はそれぞれ自分の信じた、選んだ、、、「主観的な真理」をなにかしら持ち歩いて生きているのだと思います。
伊坂幸太郎さんの「魔王/呼吸」という一対の小説は、超能力?による奇跡的な事柄や、政治的な問題を物語の前面に押し出しながらも、人間心理の脆さ、危うさ、「信仰、思い込み」によるその恐ろしい一面を、それこそ作家自身の超能力を駆使して登場人物に語らせ、行動させて表現しています。その危うさは、対決(反動)せざるおえないという人間の本性と同様、隠されていてなかなか見えないものです。
「魔王」とは、、、全体主義者や平和主義者や無関心な大衆のように決して目に見える存在ではないのだと思います。
このレビューを書いているおれも、危うい思い込みやろうのひとりです(^^)
・「で、どうしたのその後。。。。。」
伊坂さんの魅力は投げっぱなしなところです。メインのストーリーは一応の完結はみるけど、あとは投げっぱなしです。だから、他の作品とリンクしてくるんだけど。漫画家に喩えると石川賢です。なので伊坂作品を最初によむのはこれです。間違っても「重力ピエロ」は読まないように。あっ駄作があったっていいでしょ。天才のうんこですよ。
・「伊坂氏の真摯な問いかけ」
以前からの伊坂氏のファンであった方ならばきっとハードカバー版をお持ちのことでしょう。そういった方も、小学館刊行の漫画で興味を持った方も、充分買う価値のある文庫版です。なぜなら、主人公たちの台詞等で幾つかの変更点があり、「エソラ」で発表されたときから四年近く経った氏の思想の変化を感じ取ることができるようになっているからです。私は漫画版からハードカバー版、そして文庫へと進んでいった人間ですが、ハードカバー版を読んでから文庫版を読むと、特に「呼吸」での潤也の最後の台詞が感慨深く感じます。詩織同様、不思議な安堵を覚え、こちらまで勇気を与えられる……そんな感じでしょうか。決して後味の良いだけの作品ではありません。「魔王」のラストなどはとても悲しいものです。それでも力強く爽やかで、心を震わせる感動がある。この力こそがまさに伊坂小説の魅力でしょう。文庫版あとがきで、氏は「特定のメッセージはない」と書かれています。しかし、安藤の迷いや潤也の生き方、犬養の言葉などは、皆、読者に対する「考えてください」という真摯なメッセージなのではないでしょうか。文庫版では330ページから333ページにおいて書かれている犬養の発言は、まさにそれです。説教臭さよりも何よりもまず、小説家・伊坂氏の真摯な考えを感じさせる台詞。2008年9月現在、日本のみならず世界中の政治が揺れている今だからこそ、普段、惰性で政治を眺めている人たちに読んでほしい傑作です。
・「結構、爽やかな読後感と感慨深さ」
本作品は少年サンデー連載の「魔王」の原作です。但し、根本に流れる思想はほぼ同一ですが、かなり違うものです。・表紙及びタイトルは悲壮感じみていますが、本書内容は「文学」的です・読後感も結構爽やかですし、サクサク読めます・自分でしっかり考え、周りに思考停止状態で追随しないようにしよう、と思います私はコミックを読んで、原作を読みました。どちらも良い作品だと思います。お勧めします!
・「青臭いといわれようが」
青臭いとしても、陳腐だとしても、この作品に流れている姿勢がすごく好きだ。
「集団に流されるな、自分で考えろ。」
ムッソリーニの恋人のスカートが直せる人間・・は無理でも、直してあげたいなと思うくらいの人間に私もなりたいと思う。
個人的には、本屋大賞・このミス一位をとった「ゴールデンスランバー」より、この作品を評価したい。
・「短編集の見本のような優れた作品」
すばらしい!優れた短編小説集の見本のような作品です。主人公は、死神。その死神はこれから死を向かえる人間の資格調査(?)のため7人の人間に出会う。
そこには、シンデレラ・スト−リ−、ロ−ド・ノベル、本格密室推理など、バラエティ-に富んだ展開が待っている。さらに、短編らしく意外性がありながら余韻を残した結末が、作者のセンスを物語っている。
そして、最終章では、はっとする展開やすがすがしいばかりの結末が・・・。
キャラ作りの天才である作者の真骨頂である、主人公のディテ−ルも、申し分なく音楽好きな死神がすこしKYなところがありながらも、作品の雰囲気をかもし出してくれている。
映画が楽しみな一冊でした。
・「クールで愛嬌ある主人公の「死神」が遭遇する多様な人生模様!」
美容院でいつもカットを担当している女性に本書を薦められた。そういえば映画のプロモーションを見た覚えがある。本書のような作品―ジャンルでいえば、やはり推理小説部門に入るのだろう―は私にとって実に新鮮というか、味わいに富んでいるという印象だ。
主人公の死神の「センス」もなかなか面白い。彼にとっては真剣な受け答えであっても、人間からすれば「馬鹿なこといいやがって!」と憤りを買うシーンが多い。コミカルな会話が、死神という取っ付きにくい対象を和ましてくれる。クールで愛嬌に富み、そして愉快な「死神」の存在感に惹かれた読者は、何の抵抗もなくすべての話を通読し終えるはずである。基本的には短編集でありながら、それらは意外にも繋がりをもっているので、それが分かると何となく嬉しくなる。
最終話「死神対老女」に登場するこの「老女」は、きっとそれ以前の作品に出てきたあの女性であろう。ミュージックに目がない「死神」が老女の店で骨董品のラジカセから流れてきた曲を歌っていたのはあの女性だなど、巧みにそしてさりげなく仕込まれた伏線にわれわれ読者はちょっとした感動を覚える。全編を読み終えてみて、なんだか心地よい落ち着いた佇まいに自分がなっていることに気がつく。
1971年生まれという若い伊坂氏の作風に、私自身がちょっと酔っているのかもしれない。「俺が仕事をする時はいつも雨なんだ」(290頁)とはいうものの、最終話では初の晴天に遭遇する。雨上がりの清々しさは心地よく、うっすらと虹がかかり空気も澄んでいる光景が思い浮かぶ。「心が洗われる」感覚なのだろう。全6話に登場する人間は実に多様性に富み、それが主人公である「死神」の存在感を高める要因にもなっている。私にとっての読後感はすこぶるよい。こうなると伊坂氏の他の作品にも手が伸びる可能性が強いが、しばらくは禁欲しよう。今は本書を薦めてくれた美容院の彼女にお礼をいいたい。
・「「死神」のキャラクターが素晴らしい」
「死神」を主人公にした連作短編集です。
それぞれが、ミステリーの短篇として読み応えのある作品になっています。探偵役の「死神」が人間社会の動静に関心がないだけに、より客観的な考え方をしており活きていると思います。
それと、この「死神」のキャラクターの造形が、雨男でミュージック好きということで、人間くさい面を持っており、しかも「情」を感じる面が強く、そのことが物語の登場人物に深みを与える結果になっています。 その一方で、住む世界が違うことから来る、やりとりのちぐはぐさもあって、ユーモラスな面も備えており、楽しく読むことが出来ます。
気楽に一気に読める楽しい本でした。
・「さすが」
今や、伊坂幸太郎と言えば押しも押されぬ作家です。今更ですが、うまいの一言です。
この死神の精度は特に、人の死を扱っているけれどお涙頂戴にならない淡々とした作品です。
どうしても、最近の多くの作品は劇的展開を望みがちですが、この作品読んでいると、そんなものはいらないと思います。
いかに、中に描かれている一人一人の人物を的確に描くかが大事なんだなーと思います。
そして、死神がむっちゃかっこいいです。映画化されるそうですが、果たして、この死神が描ききれるのか心配なくらいです。
決して押し付け出ない感動をもたらしてくれます。文庫版なんで、求めやすいはずなので、一読をおすすめします。
・「CDショップに集う死神たちを見れるのはこの本だけ。」
「死神」を題材にした小説。この作品の死神は死期の迫った人間の前に降り立ち生死を決めていく。7日間調査して死ぬべきかどうかを判断するのだが、本作の主人公・千葉(死神)はかなり適当に生死を決める。人の死に対して全く関心のない彼はCDショップの視聴機でミュージックを聴くのが至上の幸福。ラジオから流れるミュージック、喫茶店のミュージックなど音楽に眼がない死神。そんな千葉が出会った6つの物語と男女が描かれた小説である。
本作は「死神の精度」「死神と藤田」「吹雪に死神」「恋愛で死神」「旅路を死神」「死神対老女」というふうに6つの短編になっている。短編と言ってもどの話にも死神・千葉が登場しているのが特徴。ストーリーごとに登場人物やシチュエーションが異なっており、極道同士の抗争のまっただ中だったり吹雪で閉ざされた洋館で起きる惨劇だったりと、死神は時と場所を選ばない。千葉の担当する人間はみな死期が近いが、その人の悩みや境遇などを聞くことで「可」か「見送り」かを判断する。「可」だったらそのまま死に、「見送り」だったらそのまま生きることができる。生死を決める7日間は無情にも死神と人間との最後の交流の時なんです。
この本の最大の魅力は主人公の千葉です。物事に動じないクールな印象に反して世間に疎くて人の気持ちが理解できないでいる。しかし6つの話の6人に出会いそれぞれの心情に接していく内に、人間とはなにか、死とはなにかを考え始める。もちろん読み手の私も考えさせるものでした。また、テンポのイイ文体と死神ゆえの世間に対する純粋な疑問を述べるシーンは特筆すべきものがあります。
伊坂幸太郎は今まで社会にハズれた人物を描いてきたが本作はその最たる作品だと思います。最近の小説としてはかなり読みやすく、この小説から伊坂幸太郎作品に入るのもオススメです。とにかくCDショップに入ってしまう死神のユーモラスな描写がとっても親近感が湧く素敵な作品。
・「気持ちよかった。」
伊坂さんの小説を読み始めて日が浅いですが、文章にとても味があり、読みやすいです。私は「グラスホッパー」が2冊目で、1冊目が「重力ピエロ」でしたが、この2冊だけで伊坂さんの文章に侵されてしまいました。
伊坂さんの文章は、思想家の著書を読んでいる気分になります。登場人物それぞれが、何かしらの「信念」というか「心の柱」を持っていて、会話の端々……どころか前面にそれを押し出してきます。この作品ではそれは亡き妻の言葉であったり、自分自身に課した取り決めであったり、しじみであったり、ロック歌手であったり、ロシアの有名小説であったりします。
けれど文章自体はゴタゴタしていなく、軽妙な会話や地の文のおかげで非常に読みやすい。エンターテインメント・娯楽として楽しむとしては確かに「重い」「くどい」感がありますが、文学作品として読むにはとっつきやすいです。
またエンターテインメントとしてみても、私は十分に楽しめるレベルにあると思います。登場人物の視点が頻繁に変わりますが、3人称だし、視点の切り替えが起きるときには文章間に人物名の判子が捺印(?)されているので混乱することはありません。視点の切り替えによるトリックなどのサプライズ的な要素は薄いですが、それぞれ別境遇にいる登場人物達が徐々に近づき始める様子は、「この先どうなるのか」という楽しみを否応なく演出してくれます。また先も述べたように登場人物全員が何かしらの信念を持っているので、キャラクターとしても非常に魅力的です。
文学作品とエンターテインメント、この二つを高い水準で融合した作品。これが、私の感想でした。
あと個人的に、渋いおじさんが多すぎて悶絶ものでした。生き方に筋の通った渋い野郎が好きな人にも楽しめるかと(笑)。
・「奇妙な現実感。」
伊坂幸太郎は実に巧みな文章を書く。伏線の張り方には独自のテイストが溢れており、テンポの良い文章は小気味良く読み手の脳内を踊る。固定ファンが多いのも頷ける。
本作のテーマは「殺し屋」、主要人物は2人の殺し屋と妻を自動車事故で亡くした1人の男。人が次々と死に、それらの生死が淡々と紡がれていく世界。どう考えても現実離れしているのだが、にも関わらず奇妙な「現実感」を感じてしまう。そこに伊坂の表現力の妙がある。
常軌を逸した冷酷無比な表現は好みが分かれるかもしれないが、独特のブラック・ユーモアがそこかしこに軽快に塗されており、所謂「ハードボイルド」的な重さは感じられない。最後まで一気に読めるはずだ。
ナイフ使いの「蝉」、自殺専門の殺し屋「鯨」というキャラ立ちした2人。主要人物が何しろ「殺し屋」なのだから、彼等に感情移入して楽しむタイプの小説ではない。一般人であれば、そもそも殺す側、殺される側の感情の機微に自分を重ねることなど、はなからできやしないのだ。無論、フィナーレに救いを求めてもいけない。法規社会では決して許されない殺しを新しいタイプの「エンタメ」小説として仕上げた、そこに作者の意図がある。
・「ハードボイルド小説としてではなく」
会社員の『鈴木』、殺し屋の『鯨』と『蝉』、この3人の物語がうまく絡み合っていき、最終的にひとつになったのは、本当に見事だと思いました。ただ、ハードボイルド小説として読むと、微妙かな・・・ということになると思うので1つの伊坂幸太郎の物語として読むのがいいと思います。
・「以外に1番好き」
伊坂作品で一番好きな本です。伊坂ファンとしても。とてもダークな世界で多くの人が死にますが・・・でも終盤に行くとこの残酷な世界から離れたくないと思いいつまでも主人公の鈴木と漂っていたい気持になってしまいます。
伊坂作品の形容詞の洒脱さや爽快さはありませんし、かっこいいセリフもなく、ただ他作品にある妙に青春青春したわかーい感じがなく大人になった??ような気がしました。
主人公の鈴木の復讐劇という内容ですが亡くなった妻への思いが伊坂幸太郎にしか描けない優しさであふれているので多少残酷でも離れがたい世界となり、異質だけど好きです。
・「これぞ、エンタメ!!」
日常とかけ離れた「闇の世界」を描いた物語ではある。が、「殺人」という重いテーマを背負っていながらも、一般ピープルとは全く違う思考の持ち主たちから軽やかに人間の本音・本質が窺がえる。そう、見方によれば、冒頭にもあるように、人やモノで溢れたこの世界では、人間とは哺乳類じゃなくて、むしろアリやバッタのような昆虫に近い生き物である。その様に捉えれば生きるのは楽だろう。死ぬのも怖くないだろう。「未来は神様のレシピできまる」というのも頷ける。すべて偶然ではなく必然。しかし、流れを変えるのは自分次第なのである。 著者は、「闇の世界」を「心の闇」と喩えられているのでしょうか?ならば、辛いことも軽やかに楽観主義で乗り切っていこう!というメッセージなのかもしれない。ホント、私は存分に楽しめる一冊でした。
・「伊坂ワールド」
小説の中だからこそ作れるミステリーという感じ。
現在と二年前のストーリーが交互に展開していって、それまでの不思議な行動や、些細な会話も全部納得できて、ストーリー的にもちょっと感動できるラスト。
伏線の張り方がさすがだなと思いました。なんとも言えない後味を残すのがすごい。
・「二年前と現在との交錯」
引っ越してきたアパートで出会った青年、河崎に、本屋襲撃の計画を持ちかけられる僕。その一方で、二年前の出来事が、河崎の元恋人、琴美を通して語られます。
現在にも二年前にも登場するのは河崎。“二年前”は、河崎にとっては終わっておらず、現在も続いています。本を読み続けていくうちに、現在と二年前がつながってきて、話の全貌が明らかになります。所々に話の謎を解くキーワードが散りばめられているので、細部にまで注意をして読みたい本です。
・「カテゴライズに困る本」
ミステリーなんだろう。ミステリーなんだと思う。
でも、印象に残るのは人物の心。
人物の心をこれだけ淡白な文章で表現できるのは凄い。私の場合、人物の心を追って読んでいたので、結構読後はもやもやした。人の幸せとか不幸ってのは、その人物にしか分からない事であって、現実なんて、そんなもんで、そして自分は生きていて・・・・・・
そんな感じでもやもやした作品。読後は悪かった。もやもやしたし。でも、印象に強く残る作品。
好き嫌いではなく、なんかよく分からないけど、凄いなって思う作品。読後の印象が悪いのに星5つあげたくなる作品。
でもって、読後の印象はいまだにもやもやしてるんですけどね・・・
・「河崎、ドルジ、琴美 3人の切ない物語」
物語は現在と2年前が交互に繰り返され進んでいきます。 それぞれの語り手は椎名と琴美。
現在の場面の冒頭で 椎名は進学のために引っ越してきたアパートで初対面の河崎に書店を襲う計画を持ちかけられます。
2年前の冒頭では琴美とドルジがペット殺しの犯人と遭遇する所から始まります。
一見まったく関連性のない2件の事項ですが、読み進めていくうちに深い関連性があることがわかります。(もちろんここでは書きませんが・・・)
伊坂幸太郎の作品を初めて読みました。読みやすい文体で、内容もよく練られていて飽きも来ず一気に読み終えました。 また好きな作家が一人増えました。
・「まず読むべし」
2005年度版 このミス2位。2004文春ミステリーベスト10で4位。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
文句なく、2004年を代表する一作品である。 作品はいきなり、河崎と椎名が書店を襲う場面から始まる。わざわざ書店を襲って、盗むのは「広辞苑」一冊だけ。 この「なぜ?」から作品にグイッと引き込まれる。作品は「2年前」と「現在」の話が交互に進み、さまざまな謎が最終局面で明らかとなる。これまでの4作品同様、作者のセンスある文章を堪能しながら、本作品を楽しんで頂きたい。 作者自身、「ミステリーでは伏線の張り方が難しい」とインタビューで答えているが、確かに本作品でも、その点に若干の甘さがみられる。この作品の場合、特に先にネタが分かってしまうと作品のおもしろさが半減するため、レビュー・書評等を読むことなく、本作品を読み始めることをおすすめする。
・「伊坂流日常の謎」
『日常の謎』的な作品5本が収められた連作短編集です.
中心となる人物の言動や性格,やや気取った雰囲気など,登場人物や世界観がほかのそれらより丁寧に描かれていて,ただの『日常の謎』でおわっていないのが楽しいところです.
また,連作なのですが順に繋がっているのではなく,それぞれの作品の時間が前後しているのが特徴的です.とはいうものの,繋がりをややこしく感じることはなく,読んでいるうちに自然と気づき「ニヤリ」とさせられます.
ほかにも,全編をとおして絡んでくる父と子の関係や,盲目の成年をめぐる少しチクリとさせられるやり取りと,楽しいだけではない物語としての読みごたえもじゅうぶん.
短編ということもあって読みやすく,おすすめの1冊です.
・「おもしろかったです☆」
ユーモアがちりばめられていて、めちゃおもしろかったです。登場人物が個性的なのと、強盗事件や誘拐事件が起きるのに、なかなかシリアスでにはならない。短編集だけど陣内を中心に全話繋がっていて、すらすらと読めるのにしっかり濃縮されていて読み応えがありました♪陣内は「俺と一緒に世界が時間を止めた」と言っちゃうくらい、型破りで自己中で破天荒だけどなぜか憎めない不思議な人。それが、面白いし魅力的で、時々爽快で。最初は鼻持ちならない感じもしたけど、読んでる内に好きになりました。読んだ後に気持ちがほっこりして、また読み返したくなりました☆
・「笑いながら、気持ちがほっこりする本」
4人の視点から見た陣内物語!登場した途端は、「なんだ、この男っ?!」って思いましたが、読み進んでいくにつれて、快感になっていくんです!お友達にいたら、迷惑することもあるだろうなと思いつつ、同時にこんな人がお友達にいたらいいなとも思いました。
ところで、回りがどう思おうと(どんなに迷惑しようと)自分がやりたいと思う事はやっちゃうところとか、ギターが巧いこと、傍若無人でありながら人の心にどこか温かさを残すところが、島田荘司の御手洗潔に似ていると思ったので、陣内が好きな人は御手洗も好きだし、逆も真なりと思ったのですが、これは私だけでしょうか?!(笑)
人間的には、目の見えない永瀬が素敵でした!そして、一番印象に残ったシーンは、彼がどこぞのおばさんに5000円を勝手に寄付された時のエピソードです!あのシーンの陣内の普通ぶりは見事でした。そして、永瀬はさぞや嬉しかっただろうと思いました。
図書館で借りた本でしたが、これは買います!「死神の精度」以上に気に入りました。
・「子供の世界は、、、」
日々成長がある、そんな生活はみな違っていて同類的友達とがひきあいながら進んでゆく。ちょっとしたきっかけが、ちいさな謎をつくりまたちょっとしたことが物語をおおきくしてゆくきひきつけられる。大人が読むとなーんだのようだが、少年の心の動き周りの状況がつぎの短編へとみちびく。
たいへんにシンプルであり読みやすいが、なかにある主のジグソーパズルのようでもあり読後はさわやかだ。 一読推薦します。
・「伊坂さん!!」
伊坂さんの作品で初めて読んだ本です。キャラクターがとてもよくて、お話にすぐ引き込まれます。私はこの作品に出てくる、陣内が大好きです。
伊坂さんの作品は話が繋がっているので全部読んでこその楽しみもあります。文の書き方も読みやすく、井坂さんならではの表現やwordがあり、絶対に一度読んだらはまってしまいます。伊坂さんの作品の中でチルドレンは私の一番のお気に入りです。
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