「逃れようのない地獄(現実)」「劇画のような面白さ」「苦痛をともなうカタルシス」「暗黒ストーリー展開の妙。」「金金金ば‾い」
「生きる目標を見つけられました」「青春のボレロ」「人命を道具とした軍隊」「映画を見る前に読んでみました」「スポーツに夢を抱く人々へ」
「時代小説とは思えない読みやすさ!」「人間の心の複雑さ」「思い巡らす余地があることが人情物の良いところ」「すれ違いの人生」「ほろほろ涙しました☆」
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ (詳細)
リリー・フランキー(著)
「涙で活字が見えなくて困った」「ぬか漬け漬けたくなる」「リリーさんのルーツがわかる1冊です」「正直な本」「いつか必ずやって来ること…」
「伝奇SF、未知の世界への誘い」「えびす聖子」「まるでRPGのようだ。」「男子は読むべし。」
「「バカジャナイノー」の一言が、忘れられません。」「冷徹な目で展開される大傑作」「ハードボイルド、だけでは終わらない」「伊坂幸太郎の分岐点」「ウケた。 少々じんわり感動。」
グミ・チョコレート・パイン グミ編 (角川文庫) (詳細)
大槻 ケンヂ(著)
「オーケンワールドの決定版!笑って泣いて、傷ついて。」「青春&性春★」「何かしたくなる青春の夜に」「いた、いた」「最高です。」
文学・評論>ミステリー・サスペンス・ハードボイルド>日本の著者>さ行の著者>その他
文学・評論>ミステリー・サスペンス・ハードボイルド>日本の著者>あ行の著者>その他
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●無間地獄
・「逃れようのない地獄(現実)」
お金、容姿、住まい・・望みはなぜか上へ上への一方通行である。しかし、いくら身の回りの状況が変わっても変えれないもの、変えたくても消したくてもどうしても不可能なもの、逃れられない現実を人は背負っている。
そんな地獄に比べたら借金や暴力などどれほどのものなのだろう。<逃れられない何か>あなたにもありますよ主人公のように。
読み終えた後、新堂冬樹の虜になる事間違いなし。お薦めします。
・「劇画のような面白さ」
ある評論家が作者を絶賛していたため、カリスマと無間地獄を一緒に購入した。最初にカリスマを読み始めたが、余りの描写の稚拙さ、リアリティの無さに上巻途中で古本屋へ売却した。そんなわけで全く期待せずに、他に読む物がなかったので手にとった「無間地獄」であったが、その圧倒的な描写力、プロットの展開力で一気に読み上げてしまった。
カリスマと同じ劇画チックな人物設定何に関わらず、読者をしらけさせないのは、やはり筆者が自分の目で見た物を書き込んだからであろうか。劇画チックなブラックユーモアや台詞もこの業界ではありそうな気持ちにさせられる。また解説文も非常に面白かったので、是非一読をお薦めしたい。
・「苦痛をともなうカタルシス」
凄まじい絶望と底なしの地獄。主人公と彼を取り巻く人物の生きる世界は、あまりにも冷酷で救いがない。資本主義社会とはこんなに薄情なものだったかと、考え込む。その一方で、主人公の冷たい表情と非情な行動の後ろに、熱い行き場のない激情が感じられて、その「ひとでなし」な生き様に気持ちが引き寄せられる。心がきしむようなため息とともに読み終わった。
・「暗黒ストーリー展開の妙。」
債権者を徹底的に陥れる闇金融のヤクザと、己の美貌を駆使して女性を誑かすキャッチの男の二人を軸に物語はひたすらダークに進みます。
とにかくえげつない表現で読む方も思わず顔をしかめながらもぐいぐい引き込まれます。容姿端麗男と醜女のやりとりなど、逆に酷すぎて笑ってしまう程です。
それぞれが独立した話であったと思われたエピソードが最後に点が線で繋がるミステリー的な面白さもあります。表現のえげつなさに拒絶反応を起こす人も居るかもしれませんが、まず序章を読んでこれは面白いと感じれば、その先の驚きの展開に原稿用紙1124枚の長編はあっという間に駆け抜けていくと思います。
・「金金金ば‾い」
最初から最後まで全く救いが無いただただ金、暴力、汚物が飛び交う話。キモになる鬼塚の最後のくだりは正直パンチがもう一つ足りなかったかな。自分は九州出身なんで桐生の幼年期の話はホント鳥肌がたった。人間の欲望が剥き出しで異常に引き込まれます
・「生きる目標を見つけられました」
私は、ずっと前から、この本を探していました。私は海軍兵学校にいったことがあります。魚雷に乗って、家族のため、自分の愛する人のために、私と変わらない、年齢の若者達は死んでいきました・・。限りの少ない酸素、自分の命をも滅ぼす爆薬を積み、自分のしている事は正しいという思いだけを胸に、孤独な暗闇で、一人で待つ死へのカウントダウン。私が男だったら、特攻隊だったら、同じ思いなのか?私は今死んでも後悔のない人生を送っているのか?だから決めてんです、死ぬ時は人のために死にたい、だから、私は、直接人の役に立つ職業につこうと決めました。この小説が一生懸命生きなきゃいけないことを教えてくれた。感謝しています。
・「青春のボレロ」
早咲きの人生と挫折の境遇で、次の活路を見出すために模索を続けた主人公:並木の生き様に多くの学びがありました。また、友情・恋・家族を大切にする姿には、深く考えされられる課題が少なくは無かった。 回天は変化球の回転とも捉え、その完成こそ次の活路であったのでしょう。 後ずさりの出来ない「出口のない海」への決意。友人の申告書の記入をカンニング、自分も二重○の決意。しかし、自分が二重○をしたときには、友人はグルグルっと消してしまっていた。この件はユーモア溢れているが、いっそう「出口のない海」に深刻さ補完する。 末期は、言うまでも無い。副旋律にあるボレロの話こそこそ、並木の命の姿の形容に他ならない。
・「人命を道具とした軍隊」
軍隊物を読んでいて一番頭にくるのが粛清だとか修正だとかもっともらしい名の下に、暴力を振るう人格も教養もない職業軍人。「陛下」、「上官の命令」、「お国の為」の名の下に、言われもない暴力を振るわれ、逃げることも出来ず、不本意ながら「愛する家族や友人や恋人のために」を心の支えに死んでいった若き人々を思うと、涙なくして読めなかった。
憲法9条、靖国参拝についていろいろ言われているが、この作品を読みながらこれらの問題を考えると、この国の軍隊は、真に国を守るための心ある軍隊であってほしいと願い、今の生活があの戦争なくしてはもたらせなかったとしたら、彼らに哀悼の意を表して何が悪いと聴きたくなる。
横山氏の警察ものとは違う作風の作品だが、あの若者たちが不条理に死に追いやられた無念さをそれなりに表現しているのではないだろうか。「半落ち」の最後にも涙したが、「出口のない海」の涙はそれとは違うものだったような気がする。
・「映画を見る前に読んでみました」
9月に映画が公開されるので、その前に読んでみました。警察モノとは全く違う横山秀夫作品なのですが、細かな心理描写は筆者らしいと感じられ、お盆休みの間にノンストップで読み終えました。あらすじは、甲子園の優勝投手であった主人公が大学で肩を壊し、それでも投げることをあきらめずトレーニングを続け希望の火が見えてきたときに、戦局の悪化によって野球が禁止になり、学徒動員され回天の特攻隊員に志願し、敗戦を予測しながらも死に自分の使命を見つけて散っていく、というものです。人間であれば誰でも死にたくはない、しかし死ぬことが使命の特攻隊員としての心の葛藤が見事に描かれていると思います。映画でそれがどの程度伝わるか楽しみです。
・「スポーツに夢を抱く人々へ」
学徒出陣や人間魚雷「回天」について知っていた。この本も、話の中身はある程度予想はついていた。にも関わらず、大きく心を揺さぶられた。好きな競技をやれずに、戦争で亡くなった若者達。彼らはどれほど無念だったろう。先日のアテネ五輪が示すように、スポーツはいつでも人々の楽しみなのに。ただ、これは何も昔の話だけではない。東京・ロンドン五輪は戦争で中止となった。それから約40年経ってモスクワ・ロサンゼルス五輪では参加国ボイコットが起きた。どちらも政治的理由が、選手を縛りつけた。「敵性競技」と言われ、沢村栄治や影浦将といったスター選手が戦場で亡くなり、窮地に陥ったプロ野球。戦後広く人気を集めたものの、現在は危急存亡の状態にある。こういう時こそ、思い出すべき想いがあるのでないか。本書を読んで、そう感じる。文章はとても読みやすく、読み終えた後に清々しさが残る。1つ不満を挙げると、それはこの本の題名。本文とはそぐわない気がした。
●あかね空
・「時代小説とは思えない読みやすさ!」
自分の思惑の及ばないところで、人生を左右する大きな力が働くことがあり、その一方で不思議な縁で人生が繋がっていく、栄吉という一人の誠実な男の生き様を通して、家族とは、兄弟とは、親と子のつながりとは、を描き出すさわやかで、かつ重厚な物語である。
・「人間の心の複雑さ」
典型的な江戸を舞台にした人情話だが、著者の筆力のせいだろうか一気に読むことが出来た。二部構成になっていて、第一部は京都からやってきた男が長屋で豆腐屋を始める。来た時から親切だった隣の娘と夫婦になり、子供も三人を作り、二人で店を大きくし、表通りに進出する。男が死に、娘が死んだところで第一部が終わる。第二部は、子供たちがその店をどう継いで行くかを描いてゆく。夫婦が愛し合っていても、忙しさやちょっとした行き違いから表面的には、争いが絶えなくなる。そんな中で育った三人の子供たちが、それぞれどう思うか?子供を持つ親としては気になるところである。この本はそのあたりを、その感情の機微を上手く表現している。人の心の複雑さを改めて感じさせられた作品だった。話を上手く纏めすぎている面はあるが、それ以上に心に温かいものを与えてくれる。読後感の良さは最高である。
・「思い巡らす余地があることが人情物の良いところ」
時代小説は、もっと年齢を重ねてからのお楽しみと思っていました。しかし、同じ深川に暮らす作家の作品として、手にしてみました。 人の心の動きが描写され、一気に読み進みました。 先の楽しみと思っていた時代小説の楽しさに嵌ってしまいそうです。
様々な登場人物間の関係など、気にされる方もいるようですが、多くを語らないことによる、想像(思い巡らし)の可能性を楽しめるのが人情話の良いところではないかと思います。
氏の他作も楽しみです。
・「すれ違いの人生」
非常に起承転結のはっきりした作品という印象です。京都から江戸に来た若者が強風の木綿豆腐を深川で売り始めることからこの物語は始まるのですが、ストーリー性に濃淡があり非常に面白く読み進むことができます。内容を一寸だけ紹介すると、上記の若者が苦労しながら江戸で京都の豆腐を売りながら最後はハッピーエンドで終わるのですが、通常考えられる物語の展開とは全く違うので、冷や冷やしたりドキドキしながら読むことができます。直木賞受賞作品で歴史小説なので、もう少し堅めの内容を期待して購入したのですが、これは全く違った意味で本当に面白かったです。
・「ほろほろ涙しました☆」
静かに進んでいくストーリーなのだけれど、話の中にはさまざまな人物やその人物達の物語や江戸の風景などが、丁寧にそして繊細に書かれていると思います。繊細に描かれているぶん江戸時代の人物や町並や、風情が容易に想像できるのでは・・・とも思います。1つの店を代々守り受け継いでいく、と言うこと。代々受け継いでいく中には本当に様々な物語がある、それが必ずしもいい物語ばかりではない、と言うことを教えてくれる作品。仕事とは、親とは、兄弟とは、子供とは、男とは、女とは、そして人間とは、どうあるべきか、の答えの例がこの作品にはあるように思います。家族同士の争いや殺人が毎日のように起こっているこんな世の中で、この本に出会えた事を嬉しく思います。ほろりと泣かせる粋な作品でした☆
・「涙で活字が見えなくて困った」
特にドラマティックな部分があるわけでもない。母と子の絆の話。しかし、「お母さん」という存在は大きすぎる人物。「親がこの世からいなくなる。」誰もが心の奥底で持っている恐怖なのではないでしょうか。私自身、親が年老いて、いつか別れなければならないという恐怖感を抱いていた時にこの本を読んだので、ものすごく泣いた。ボロボロボロボロと、特大粒の涙を流しました。この涙は「感動」ではない。ぴったりとした言葉が見つからないが、あえて言うならば「共感」。いつか自分も体験するんだと思うと、親を大切にしよう、時間がある時は出来るだけ一緒にいようと心から思い、親の存在の大きさに気付きました。どこかで思っていても、毎日の生活の中で、自分の事で精一杯になってしまい、こういう事は後回しにしてました。この本を読み、考える事ができ感謝しています。
・「ぬか漬け漬けたくなる」
最初から最後まで鼻をツンとさせたり爆笑したりしながら一気に読みました。特に前半、子供時代の話“クジ屋のババア”の出てくるあたりは何度読み返しても吹き出してしまう。故郷を離れて一人暮らしをしている人、中高年でお母さんが大好きな人には特に泣ける場面が多いかも知れません。リリーさんの人生の節目にちょこっちょこっと顔を出す、自分勝手でやくざ(?)でマイペースなオトン。でも、ある時は哲学者、ある時は芸術家、ある時は父親としてしっかりとした存在感でいい味を出しています。
・「リリーさんのルーツがわかる1冊です」
この本はリリーさんの、お母さんとの絆に重点を置いた自伝本です。これまでのエッセーとは完全に違い大真面目に書き綴った渾身の1冊です。
この本から、リリーさんのお母さんがいかに偉大であるかがわかり、また読後に自分の母についても考えさせられてしまいます。
お母さんへの愛に満ちたこの本にも、これまでの作品にも見えたその独自の観察眼と感性は余すとこなく発揮されています。
とにかく読んで見るべきです。
・「正直な本」
リリーフランキーのイメージとしては只のエロ親父でしかなかった。しかしこの一冊を読んで凄く正直な人で、人間性のある人だなと思った。それだからこそこの本で誰にでもある日常、親、周りある出来事全てを正直に表している気がした。久しぶりに人に勧めたくなった本です。
・「いつか必ずやって来ること…」
リリーさんに関する予備知識はあまりなかったが、先入感なく読めたので逆によかった。小説としては、前半はちょっと冗長の感があるが、後半の感情移入でそんなこと気にならなくなってしまう。著者の哲学がよく伝わってくる本。まっすぐな言葉でオカンへの想いを謳い上げている。おそらくこの本はすごく個人的な、リリーさんからオカンへのラブレターなのだと思う。そしてオカンのあふれんばかりの愛情…涙ちょちょぎれます。親が子を想う気持ち。子が親を想う気持ち。それは時間の経過や環境によって少しずつ変わっていくものだと思うけれど、根っこは変わらないんじゃないかな。だから途中で多少の屈折があったとしても、無条件の愛は揺らがない。リリーさんと同じ一人っ子である私には、身につまされる話だった。いつか遠くない未来に必ずやって来ること。嫌だ!って逃げ出したくなる。でも…それまでに何ができるんだろうって考えた。親だけでなく、生命あるすべての者に対して、優しくなれる人でありたい。
・「伝奇SF、未知の世界への誘い」
出雲神話を元にした伝奇SFです。出雲神話といったらもちろん主人公はあの人しかいません。すぐにピンとくるでしょうが、そうでない人の楽しみを奪わないために名前は伏せておきましょう。その人物が王になるための試練の旅へと出かけ、出会った仲間たちと力を合わせ数多くの困難を乗り越えていく、といった内容。そこに、国造りや因幡の白兎の伝説、さらにはUFOや鬼といった著者得意の題材を上手に効果的に絡めて、超古代史の世界を描いていきます。
超古代史というと、眉をひそめる人も多いでしょう。UFOに乗ってやってきた宇宙人が人類に文明を与えただの、人類は核戦争で一度滅びただの、普通の人だったら何言ってんだかと胡散臭く思うのがあたりまえ。でも、小説だと割り切って一度読んでみてください。けっこうはまるかもしれませんよ。特に高橋克彦の伝奇SFは、本書をはじめハズレ無しといっていいくらいの秀作がそろっています。本当のことなのかどうかは別にして、そこには今まで気付かなかった新しい発見、未知の世界がきっと待ちうけていることでしょう。
・「えびす聖子」
高橋克彦ワールドに引き込まれた人は必ず納得できる一冊!彼の今まで書かれた数々のストーリーの源とも言える『鬼』を題材に、高橋克彦を初期から読んでいない人にも、あァなるほどと思わせる素晴らしいストーリーが描かれている一冊です。ここからハマるもよし、納得するもよし、日本の歴史に疑問がある人は新・高橋克彦『古事記』を読んでみては?
・「まるでRPGのようだ。」
高橋克彦流解釈の古代伝記モノの面白さは以前から知っていた。エイリアンを絡め、宇宙をも巻き込んだ壮大さが楽しい。故に私は筆者の作品のファンである。「竜の柩」のような長編も苦もなく読み下してしまった。
この作品「えびす聖子」はまるでロールプレイングゲームのようだ。旅を続けながら、何かを倒し何かを得る。そしてまた次なる目標ができる。それを繰り返し、主人公シコオは成長していく。まさしくこれは「読むRPG」だ。本書を読んだ後、日本書紀や古事記読破に挑戦してみたくなった。日本の歴史に全くと言っていいほど興味のなかった私をその気にさせてしまうほど、本書は魅力的な一冊である。
・「男子は読むべし。」
普段本を読まない方にもお勧めできるドンドン読み進められる作品です。聖子といっても歴史物の難しい感じではなく、もののけ姫的雰囲気満載で、もののけ姫好きなら尚更お勧めします。サクサク読めますが、主人公達が交わす言葉は、実は我々現代人に語りかけているようで、ハッと大事な事を気付かせてくれてる、続編も読みたくなる一冊でした。
・「「バカジャナイノー」の一言が、忘れられません。」
1章、2章の1、2の代わりに、人の名前が入った印鑑が押されています。ハンコ状の○の中に入っている人物名は、鈴木、鯨、蝉。主要登場人物の姓あるいは通称。
話は、互いに面識のない彼ら三人が、ひとつの事件をめぐって繋がっていく趣向になっています。三人が繋がっていく様子は、あたかもビリヤードのキューで突いた球が、次々にぶつかっていく感じ。一種、核融合の連鎖反応みたような話の繋がり方、三人を機軸とした同時進行型の話の展開、そこがまず面白いと思いました。
登場人物の独白や台詞の、ウィットに富んだ面白さ。巻き込まれているやばい状況を、他人事のように認識するおかしさ。あちこちでにやにやさせられました。
見知らぬ者同士が関わり合っていく群像劇。冒頭から、ぐいと心を掴まれて、一気に読み通してしまったクライム・ノヴェル。深刻ぶらない爽やかなテイストが、とても良かった。終盤の展開なんて、山田風太郎の忍法帖を思わせるスリリングな面白さがありましたよ。
特に印象に残ったキャラ。私は、ドストエフスキーの『罪と罰』を愛読書にしている殺し屋、鯨に一票。
・「冷徹な目で展開される大傑作」
「グラスホッパー」は7回繰り返して読んだ。
伊坂ファンでも評価が二分される作品。登場人物に共鳴して溶け込むことができる人にだけ、本当の面白さが分かる。
登場人物の大半は殺し屋………非合法的な「アウトロー」だが、同時に実存主義者的な「アウトサイダー」でもある。
これらの登場人物に対し拒否反応を示すのは、良識があるが、人類中心の固定観念に縛られている人だ。 「グラスホッパー」(バッタの群集相)というタイトルの他にも、人類を中心に世界が回っているわけではないと随所で著者は指摘している。また「世の中は善悪じゃない」というメッセージも繰り返される。「善悪」は所詮、人類が勝手に作り上げた固定観念にすぎないからだ。
最初は、「普通の人」である主人公、鈴木の立場で読む人が多いだろう。私もそうだった。繰り返し読むうちに、非合法な会社《令嬢》の社員である比与子や、殺し屋「蝉」に自己同一化して読む楽しさを味わった。「鯨」や「槿(あさがお)」になって読んでみたが、悪くない。
「俺は、世の中で、小説と呼ばれるものは、これしか読んだことがない」………それは嘘だが、私の中では最高傑作である。
作成日: 2008年11月29日(土)
・「ハードボイルド、だけでは終わらない」
まぁ、細かいことはネタばれになりそうなので言いませんが、間違いなく面白いです。伊坂幸太郎氏の魅力は、作品全体に縦横無尽に張り巡らされた構成、軽妙なテンポ、ユニークな舞台設定、独特の世界に対する視点、そして主張の力強さと読後の清涼感、これに尽きると思っているのですが、この作品一つで、その全て、とりあえずは感じてもらえるでしょう。ただ、この作品には、他の氏の作品には無い魅力が一つあります。ハードボイルドさです。分かりにくい概念ですが、例えば人が死ぬシーンの描写など、他では見られないような、何と言ったらいいか・・・客観的な印象を受けます。殺し屋、という設定も、裏の世界の話も、ショッキングでシビアです。しかし、そこは伊坂幸太郎。ただハードボイルドなだけでは到底終わりません。主人公がたばこでも吸って投げ捨てて背中見せて歩いてくような終わり方ではありません(ハードボイルド?)。愚考するに、氏の狙いは、ハードボイルド的な、『絶望と悲惨に濡れた世界』の中で、『君との記憶だけを武器に戦う』主人公の姿を描くことだったのではないでしょうか。点滅の止まない信号から、終わりの見えない回送電車までの物語。『生きてるみたいに、生きたい。』そう思いませんか?その意味を知りたいと思いませんか?その価値に気付きたいと思いませんか?
あ、文庫本も出てるので、そっちの方が安いかも。
・「伊坂幸太郎の分岐点」
妻を失った元教師・過去を清算したい自殺屋・自由になりたい殺し屋この3人の複合された視線で展開この小説はミステリーの内容ではありません殺しを専門とする業界人がうじゃうじゃ出てはきますがそれも、交通事故をきっかけに翻弄する中で出てくるだけですここ最近の伊坂幸太郎作品にあった非凡ではなく
元教師鈴木のどこまでも普通の人が、ひたすらビビリながら妻の復習と彼女の思い出を胸に奔走するこれは、「オーデュポンの祈り」を思い出してしまいましたこの作品で「しゃべる案山子」などと出てくるだけでなく作品の根底が同じだと思うのです●人に人生の奇跡が起きるかもしれないと祈る気持ち
●まだまだ人生は捨てたもんじゃないと思わせる優しさ(愛)最近『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカ―』では圧倒的な喪失感や悲しみが彼を覆っていたがこの作品が分岐点となりそうな、変化が生まれている故に地味に感じてしまう人もいるかもしれないこの本は何度でも読めば読むほど、味のある作品だと思う
・「ウケた。 少々じんわり感動。」
まず書店で、帯の言葉にウケた。本文からの抜粋だと思われる文「亡霊としての節度はないのか?」だ。ナンダソレ?亡霊に節度も何もあるのか?
そして読んでみて、全てに夢中になった。気の弱い復讐男<鈴木>に、罪悪感ゼロの殺し屋少年<蝉>に、「職業:自殺させること」の大男<鯨>に。それから桃に、アサガオに、孝次郎に、スズメバチに、、、登場人物全員が魅力的でしかたなかった。
鳥肌が立つような大きな感動はなかったが、所々でじんわりきた。帯の言葉に、これまた本文からの抜粋で「僕は、君のために結構頑張ってるんじゃないかな」というのがある。帯で見たときもそうだったが、じっさい本文中で読むと、「これは、結構感動的な言葉なんじゃないかな」と思った(笑)。 人が冗談みたいにどんどん死んでいくので、多少倫理的に問題はあるかもしれないが。まぁ小説の上での話ですから。
・「オーケンワールドの決定版!笑って泣いて、傷ついて。」
誰もが経験してきた、汗臭くって、どんくさくて、そのくせプライドだけは人一倍高かった10代。好きな娘の事を考えると居ても立ってもいられなくて、枕を抱きしめて畳の部屋をゴロゴロ転がったあの頃。のほほん脱力系ミュージシャン、大槻ケンヂが、そんなあの頃の夢と不安と切なさを描いた最高の一冊。大人より、今を生きてる少年少女に是非とも読んでもらいたい!
・「青春&性春★」
大槻ケンヂの著書を初めて読みました。選択ミスをしたと最初は思いました…あまりにもお下品すぎた。女にはワカラン話だと(苦笑)しかし読み進めるうちにそんなことは気にしなくなり、あっという間に1巻読み終えました。物語はまさに性春物語…チョコ編・パイン編と早く読みたくなる1冊です(が、どこから読んでもストーリーが分かりやすいと思います)そして夢を追いかける姿はすごくカッコいいと改めて思いました。
・「何かしたくなる青春の夜に」
大槻ケンヂ氏の半自伝的小説。これでもかと青年期の己の性の衝動を赤裸々に告白しその有様はさながら「仮面の告白」級。しかし、しかし、そんなことがこの小説のテーマじゃないんですよ!これは青春小説なんです。ここに出てくるやつらは、人付き合いは不器用、気が付くとクラスで孤立してしまうタイプ、でも本や映画の教養はずば抜けていて、その点自分は何かをなし得る特別な人間で、ほかの有象無象とは違うと思っている。そう青春の文学青年が陥りやすいナスシシズム。そして彼らは実際に行動をおこすんだよね。とにかく100%青春。こんなのを読んだ夜には、何か行動したくなるにきまってる!にきび面、カッコワルイ、異性のことで頭ピンク色、頭でっかち、でも自転車こいで街に出て、世界を変えたい(そんなん不可能なのに)いやできるかも、と本気で思ってしまう。これ青春ですよね。そんな絞ると青汁がでてきそうなくらい青春な本がこの本なんです!!
・「いた、いた」
大槻ケンヂさんは自分より一級上の人で、いわゆる同世代人。自伝的要素が濃く(って言うか自伝か)、「あ、そういうのアッタ、アッタ」的な部分や、「こういう奴、居た」的な部分が全編にあって、結構おもしろかった。そしてこの表紙。マンガは詳しくないんですけど、江口ヒサシ?
・「最高です。」
人とは違うと思って生きてきた人あるいはそんな過去があった人ぜひぜひ読んでみてください。絶対おすすめです。僕はこの本を読むまで小説なんて縁がないと思ってましたけどきずいたら漫画を読むときより夢中になれました。
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