ジョゼと虎と魚たち(通常版) [DVD] (詳細)
犬童一心(監督), 妻夫木聡(俳優), 池脇千鶴(俳優), 上野樹里(俳優), 新井浩文(俳優), 新屋英子(俳優), 田辺聖子(原著), 渡辺あや(脚本)
「ジョゼに恋させてくれる116分間」「痛みが伝わる」「儚い」「人生最高の一本」「いい!」
花とアリス 特別版 [DVD] (詳細)
岩井俊二(監督), 鈴木杏(俳優), 蒼井優(俳優), 郭智博(俳優), 相田翔子(俳優), 阿部寛(俳優)
「若いっていいなと思った。」「不器用な少女たち」「00年代の岩井俊二は、日本のエリック・ロメールだと思う。」「存在が物語を凌駕する」「会話が自然な映画」
蟲師 (通常版) [DVD] (詳細)
大友克洋(監督), オダギリジョー.大森南朋.蒼井優.江角マキコ.他(俳優)
「映画で綴った詩」「実写としてのオマージュ的作品」「好き」「後期黒澤明作品を見ているような映像美。」「ぜひ原作を読んで見て!」
Laundry [ランドリー] [DVD] (詳細)
森淳一(監督), 窪塚洋介(俳優), 小雪(俳優), 内藤剛志(俳優), 田鍋謙一郎(俳優)
「見終わった後また口笛が聞きたくなった。」「疲れた時、傷ついた時、何度でも観たい」「洗われて下さい」「心が洗われる」「泣けるね」
GO [DVD] (詳細)
行定勲(監督), 窪塚洋介(俳優), 柴咲コウ(俳優), 大竹しのぶ(俳優), 山崎努(俳優)
「映画は本を超えられるのか。」「在日という高い壁を軽やかに飛び越える若さという力」「窪塚洋介、この得がたい俳優。切れない範囲で活躍を!」「GO!!!」「日本アカデミー賞8部門獲得に納得!」
アヒルと鴨のコインロッカー [DVD] (詳細)
中村義洋(監督), 濱田岳(俳優), 瑛太(俳優), 関めぐみ(俳優), 田村圭生(俳優), 関暁夫(俳優), キムラ緑子(俳優), なぎら健壱(俳優), 松田龍平(俳優), 大塚寧々(俳優)
「観る毎に心揺さぶられる快作。」「原作の洒落たセンスがよく生きている」「騙されたー!」「心にくる映画です…」「別物で考えよう。」
転々 プレミアム・エディション [DVD] (詳細)
三木聡(監督), 小泉今日子(俳優), オダギリ ジョー(俳優), 岸部一徳(俳優), 岩松了(俳優), 三浦友和(俳優), 石原良純(俳優), 笹野高史(俳優), ふせえり: 松重豊(俳優), 吉高由里子(俳優)
「深まり行く秋の東京の景観に、人間模様が切なく心にしみてくる」「長い夜にひとりで見る映画。」「せつない東京。」「オススメ」「三木監督の中で」
それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD] (詳細)
周防正行(監督), 加瀬亮;瀬戸朝香;山本耕史;もたいまさこ;役所広司(俳優)
「そわそわする展開」「娯楽性を犠牲にしないみごとなつくり」「怖いです」「こんなに恐い映画だったなんて。」「リアルに司法の実体を表現している」
あしたの私のつくり方 [DVD] (詳細)
市川準(監督), 成海璃子(俳優), 前田敦子(俳優), 石原真理子(俳優), 石原良純(俳優), 高岡蒼甫(俳優), 真戸香(原著), 細谷まどか(脚本)
「少女、臆病、切な、懐かし」「本当の自分に気づいてください。 」「「今」を活かした作品であり、「今」を伝える作品」「ハートフルな作品です」「きっと多くの人が共感することが出来ると思う映画」
恋する日曜日 私。恋した [DVD] (詳細)
廣木隆一(監督), 堀北真希(俳優), 吹越満(俳優), 高岡早紀(俳優), 岩本千波(俳優), 窪塚俊介(俳優), 若松武史(俳優)
「きらりと光る小品」「一人で泣きながら見たい」「見る価値はある」「ホリキタの演技力に星4つ。」「悲しいよなぁ…・。」
アルゼンチンババア [DVD] (詳細)
長尾直樹(監督), 役所広司(俳優), 鈴木京香(俳優), 堀北真希(俳優)
「とても良かったです」「映像もストーリーも癒し系☆」「ババアは ないじゃろ ^^」「よしもとばななワールド?」「原作ファンからの見地」
ただ、君を愛してる スタンダード・エディション [DVD] (詳細)
新城毅彦(監督), 玉木宏(俳優), 宮崎あおい(俳優), 小出恵介(俳優), 上原美佐(俳優), 青木崇高(俳優), 大西麻恵(俳優), 黒木メイサ(俳優), 市川拓司(原著)
「写真で結ばれ、写真で別れる。」「人の優しい気持ちだけでできあがったファンタジー」「最高です!」「さわやかな感動と自然に出てくる涙。。。」「いい涙が流せました。ありがとう」
タイヨウのうた スタンダード・エディション [DVD] (詳細)
小泉徳宏(監督), YUI(俳優), 塚本高史(俳優), 麻木久仁子(俳優), 岸谷五朗(俳優), 通山愛里(俳優), 坂東賢治(原著)
「主題歌との完璧なコラボ。」「ずっと見ていたい映画」「すごく自然な展開と透き通った歌、いい作品です。」「ぐぉぉぉぉ!!!可愛いっ!」「感動しました」
人のセックスを笑うな [DVD] (詳細)
井口奈己(監督), 永作博美(俳優), 松山ケンイチ(俳優), 蒼井優(俳優), 忍成修吾(俳優)
「すきだなあ」「個人的には大傑作と言い切りたい。」「恋愛に真剣に悩んでいた頃を思い出させる映画」「自然な二人に胸キュン」「さりげなくこだわっている作品!!」
虹の女神 Rainbow Song [DVD] (詳細)
熊澤尚人(監督), 市原隼人(俳優), 上野樹里(俳優), 蒼井優(俳優), 佐々木蔵之介(俳優), 相田翔子(俳優), 酒井若菜(俳優), 小日向文世(俳優), 桜井亜美(脚本), 齊藤美如(脚本)
「確かに虹の女神がそこにいた」「こんなに不器用でみっともなくて、でも切なくて愛おしい“愛の告白”は滅多にない。秀作。」「もう一度あなたに会いたい」「悲しいまでの繊細さで丁寧に作りこまれた名作」「映画を愛するひとのための映画。。。秀作です」
百万円と苦虫女 [DVD] (詳細)
タナダユキ(監督), 蒼井優(俳優), 森山未來(俳優), ピエール瀧(俳優), 竹財輝之助(俳優), 齋藤隆成(俳優), 笹野高史(俳優), 嶋田久作(俳優)
「蒼井優ファンなら文句なしに買いの逸品。」「シリーズ化 希望!!」「力強さと繊細さ、叙情性。蒼井優ならではの役。」「ほろ苦いロードムービー」「困った顔で笑う」
Sweet Rain 死神の精度 スタンダード・エディション [DVD] (詳細)
筧昌也(監督), 金城武(俳優), 小西真奈美(俳優), 富司純子(俳優), 光石研(俳優), 石田卓也(俳優)
「2008年度邦画No.1の傑作映画」「メジャー邦画界に「本物」の新鋭が出てきた。」「■「死」を特別なものにしないということ。」「“精度”の意味」「この監督はイイ」
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD] (詳細)
REMEDIOS(アーティスト), 奥菜恵(出演・声の出演), 山崎裕太(出演・声の出演), 反田孝幸(出演・声の出演), 小橋賢児(出演・声の出演), 岩井俊二(その他), 金谷宏二(その他)
「瑞々しい感性キラリ」「さよなら追憶の日々」「さわやかな初恋のイメージ」「とにかく良い!」「岩井俊二の最高傑作!」
クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD] (詳細)
松尾スズキ(監督), りょう(俳優), 内田有紀(俳優), 蒼井優(俳優), 宮藤官九郎(俳優), 大竹しのぶ(俳優), 妻夫木聡(俳優), 徳井優(俳優)
「絶望の描けない人に希望は描けない」「オススメ」「吹っ切れた内田有紀の演技が最高」「一言では絶対に説明不可能な、松尾ワールド全開。」「大竹しのぶ恐るべし」
埋もれ木 [DVD] (詳細)
小栗康平(監督), 夏蓮(俳優), 浅野忠信(俳優), 坂田明(俳優), 田中裕子(俳優), 平田満(俳優), 佐々木伯(脚本)
「耳をすまし、凝視する世界の「夢」」「「眠る男」から深化した作品」「鯨が飛ぶ」「傑作ファンタジー映画」「ずっと見続けたい作品」
メゾン・ド・ヒミコ 特別版 (初回限定生産) [DVD] (詳細)
犬童一心(監督), オダギリジョー(俳優), 柴咲コウ(俳優), 田中泯(俳優), 西島秀俊(俳優), 渡辺あや(脚本)
「壁の意味するもの・・・。」「あなたが好きよ。。」「特典DISCがお勧めです。」「犬童一心監督、渡辺あやコンビまたしても傑作を」「可笑しいけど哀しい、切ないけど心優しい傑作。」
ディア・ドクター [DVD] (詳細)
西川美和(監督), 笑福亭鶴瓶(俳優), 瑛太(俳優)
「またまた記録は塗り替えられる」「西川美和おそるべし」「そろそろ…」「まさに「ディアドクター」」「素晴らしい」
・「ジョゼに恋させてくれる116分間」
人からすごくいいよ、と奨められてみてみた。今流行り(といっても2年前の作品だが)女性向の純愛ストーリーの邦画かと思っていたがぜんぜん違った。男にもいやというほど伝わってくるこのせつなさはなんであろうか。ジョゼと恒夫が結ばれるシーン。池脇千鶴が白いブラジャーをはずし胸を見せる。池脇千鶴はグラビア、モデル出身でもないので胸は決して豊満ではなく美乳ともいいがたいのだがそこが妙に愛しいのである。恒夫(妻夫木聡)がそこで「泣きそうだ」とつぶやいてしまうのも本当に好きな娘の裸を初めて前にした男ならつい共感してしまうだろう。(欲情とは別にある「あの」感情を知っている男に限ればの話だが。)そしてラストに向かっていく恒夫の弱さや狡さも共感してしまう自分にやるせなさを感じた。あるインタビューで監督が「この映画(で感動すること)はダメ男かどうかの踏絵です」と言っていたそうだ。その通りかもしれない。忘れられない本気の恋をしたことある人ない人で感想が違ってくるかもしれないけれどぜひ一度は見てもらいたい。
・「痛みが伝わる」
良い!
肩に力が入ってない映画なのに見た人の心に必ず何がしか残る。そんな映画。
妻夫木聡、池脇千鶴をはじめとする俳優人の自然体の、体当たりの演技が素晴らしい。原作の台詞はほとんど使っていないとのことだが、絶妙な間と俳優の表情でこの上もなく魅力的なものになっている。切なくも素敵な恋愛映画に仕上がっている。
コメンタリーでは、監督と妻夫木、池脇の仲の良さが伝わってきて、良い空気で映画が撮られたんだとわかる。
・「儚い」
人の多くが、いずれ同じ人には飽きるのではないでしょうか。
多かれ少なかれ、同じ体には飽き、依存には疲れ、重たく感じるものではないでしょうか。
サガンの小説の一節が、映画の中に出てきますが、ただ、その一文に尽きますよね。
恋が終わっても、一年ののち、ただ、同じ日々がめぐってくる。ただ、それだけのこと。
ツネオは何とも健常で、軽い、いまどきの男子大学生で・・・彼も例に漏れず、その恋愛の炎はくすぶり、消えるのです。ジョゼに障害があるため、そういうどうしようもない現実が、より哀しく、よりドラマティックに見えるのかもしれません。
しかし、この映画の筋のようなことは、ごくふつうの、私たちのくらす日常で、そこいらへんにいるカップルの間で、起こるようなことではないかと思うのです。
私は、ツネオだけが悪者ではなく、ジョゼだけが聖人君子のような位置づけにはならないと思います。
二人は、もちつ、もたれつ。だからこそ、何も解決策が無くて、ただただ、やるせなくて、心を打つ。
あんなに愛し合った時代が、一瞬だけ輝いた、なつかしい宝石のように、心に浮かぶ。
そういうやるせなさ、人の心の弱さ、虚しさみたいなものを、淡々と、描ききっている作品でした。
男女の、はかない恋の行方が、とてもリアルに刻み付けられていました。
・「人生最高の一本」
2004年まだレンタルしはじめのこの映画を、たまたま一本残っていたのでなんとなく借り、何気なく見ていた。ラスト、恒夫につられるように泣きはじめて、ジョゼの疾走する背中からは号泣で、エンドロールが終わってもまだ泣いていた。しばらく放心した。
もう一度観ると、ジョゼがこの日々を心にしまって今も居るのだろうかと、すべてのシーンで泣けた。 2泊3日で返却した足でDVDを買った。過去に映画のビデオを買ったことは一度もない。そこまで観返したいと思うものに出会ったことはなかった。 ちなみに当時、家にプレーヤーはなかった。それでも手元におきたかった。 もう何度となく観ていて思った。この話は、人魚姫に似ている。足の不自由なジョゼと、下半身が魚の人魚姫。王子様と出会い、最後はひとり海に帰るのではなかったか?ジョゼが暗い海底に再び戻るように。 恋愛に奥手なあたしはジョゼとリンクした。何もない暗い海底を「寂しい」とさえも思えなかったジョゼ。恒夫という光や風を知って、再び海底に沈むことを「それもまーよしや」といった彼女の気持ちに、深い共感をおぼえた。 そして何より、この映画で妻夫木聡をただのアイドル俳優だと思っていた事を深く反省した。この作品に感じるさわやかさは彼なしにはありえない。そして彼は顔で演技できる男なのである。特に、ジョゼとのキスシーンでの表情は胸キュンなのである。その後あたしが彼のファンになったのは言うまでもない。
・「いい!」
あまりにもリアルなストーリーでした。障害者のジョゼをほうっておくことのできない恒夫のやさしさ、やさしさはあってもジョゼの人生を一生背負うことのできないずるさ、それを敏感に感じ取るジョゼ…思い出すだけで涙が出ます。「僕が逃げた」恒夫がポツリとつぶやくラストにドキッとします。奇麗事だけではない悲しい現実を描いていますが、決して暗い終わりではありません。派手な展開がある作品ではありませんが、傑作だと思います。
・「若いっていいなと思った。」
正直、全く期待はしていなかった。作品としてどうこうと言うより、岩井監督が鈴木杏と蒼井優を撮りたかっただけなんだろうと安直に考えていた。結果的にそれは事実なのだが、僕の想像を遙かに超えたすばらしい作品にまとまっていた。特に際だってすばらしいのは鈴木杏と蒼井優の演技だろう。この二人の演技力にはまったく脱帽だ。脚本の良さもあるのだろうが、何よりコミカルな二人の会話は楽しくて楽しくてしょうがない。絶妙な間だったり、表情だったり、しぐさだったり、何でこんなに見せ方がうまいんだろうと感心してしまう。脇役陣も非常に魅力的で作品に彩りを添えているが、こんな有名な人がたったこれだけ?と驚いてしまうような場面もある。吉岡秀隆などは声だけの出演である(しかし、十分に存在感を感じさせるが)。そうした実力者たちが出しゃばらず完全に脇役に徹しているという点もこの作品の魅力だろう。物語としては冗談のようなストーリーだが、個人的にはアリス(蒼井)とその父との親子関係が物語に奥行きを与えている点が好印象である。蒼井優は魅力的な女優だ。これからも魅力的であり続けるだろう。ラストのバレエを踊るシーンは眩しいほどの魅力に溢れている。
・「不器用な少女たち」
一人の少年を通して、遊ぶ二人の少女の友情物語。
花屋敷に住む、ちょっとガサツな「花」(鈴木杏)。彼女の「まー君」に対する不器用さは、一人っ子という境遇、家から出れなかった過去から伺える。そんな彼女の初恋であろう、まー君への必死さが、非常に愛しかった。不細工に泣き、自分の罪を告白する彼女はいじらしい。
友だちのような母親と暮らす「アリス」(碧井優)。両親は離婚。アリスは、まー君の意中の人と思いがけずなってしまう。しかし、彼女がしたかったのは、無邪気な子ども時代に帰ることではなかっただろうか。まー君と花で、家族の風景をなぞるアリス。モデルとしても、一人娘としても“ぱっ”としない彼女が踊るバレエは、映画の中、唯一の自己解放の場で、あのシーンのアリスはまぶしかった。
最後に岩井俊二と言えば“映像”だが、日本の光が余すところなく映し出され、ノスタルジックな気持ちになった。
美しい四季の中で、不器用に生きる二人の少女の日常。どこかで見たようなでも、初めて見るような不思議な手触りのする作品だった。
・「00年代の岩井俊二は、日本のエリック・ロメールだと思う。」
流しながら、要所要所でキメていく。少女がすき。
そのスタイルは、「クレールの膝」「冬物語」の「上品なヘンタイ」エリック・ロメールである。「打ち上げ花火」から「ラブ・レター」「スワロウテイル」を経て「リリイ・シュシュ」にいたるまで、リキんだ作品を撮りおえて、「世界全体を入れこみたくなる」自意識からすこし自由になった岩井俊二がそこにいた。
ラクにかまえて、でも、蒼井優という、これより先もこれより前もない、少女の旬のかがやき、命短き(女優生命ということではない、命・・・)奇蹟的なかがやきをちゃっかりフィルムに焼きつける。その姿を、かつてその特権的位置にあった広末涼子が、現実的生活臭と紆余曲折感のある立ち位置、つまりは「オトナ」の位置で、傍から見ているほかないというのはなんとも象徴的だった。
「キメるところはキメよ」、「おわりよければすべてよし」。ノウハウはいつもシンプルで、実行はいつもむずかしい。岩井はラストでそれまでの脱力ぎみの構成を、蒼井のバレエシーンで完璧にひきしぼる。・・・
もともとは鈴木杏主演の「キットカット」のショートフィルムの受注だった作業を、すこしづつエゴを通させて自分の仕事とした政治的(?)手腕もふくめ、今の岩井は、さっそうとしていながら、驚くほどに老練なのだ。
・「存在が物語を凌駕する」
悪の限りを尽くして先輩マーくんを精神的にいたぶる花とアリス。二人の身勝手な嘘に翻弄され、ぼろきれのように消耗していく哀れなマーくん。どう考えてもそうとしか取れない物語が、ゆらめく霞がかった光と漫才の掛け合いのような会話の波のなかで摩り替えられ、いつしか、花とアリスという存在の正当性を受け入れざるを得なくなっていることに驚かされます。ストーリーの進行とともに輝きを増していく二人とは対照的に、マーくんは小さくしぼんで消えていきます。ひたすら二人を輝かせるための肥やしとして。そう、花とアリスの一瞬の存在感こそが、この映画が存在する理由なのでしょう。ラストのバレエを踊るシーンは圧巻で、アリスは発光体のように美しく舞います。それは、それまでのプロットを置き去りにしてしまうほどの、特別で不思議な瞬間です。
・「会話が自然な映画」
一つの嘘から奇妙な三角関係になる花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)と先輩の物語。
個人的に、電車の中での花とアリスの会話シーンが一番好きだ。すごく自然で演技を感じさせない。
『昨日さ、BSで「ハンニバル」見たよ』『あぁ、あたしも見た』『怖かった』『てかさ、気持ち悪くなかった?』
こんな感じに淡々と会話するのである。特にこの、『テレビで見た』と言わずに『BSで見た』と言ってる辺りがリアルで変に感心した。
あと、高校の入学式の日にお互いの制服姿を見せ合い『似合わねー』から始まるシーンもいい。通学の道すがら、散った桜の花びらで遊ぶところなんかは最高だ。
映像も美しく、なにより主演女優二人の上手さが際立つ。青春映画の歴史に必ず残るだろう傑作だ。
・「映画で綴った詩」
映画は文脈を持っている。映画の文脈は大抵の場合、散文的な本質を持っていて始まりから終わりに向かって一貫したストーリーを展開していく。ただ、それは映画の文脈の定義ではない。映画は普通、散文を綴るものだけど、この映画は言ってみれば詩として綴られている。一貫したストーリーに沿った展開ではなく、蟲師の世界を表現することに徹していて、どこから始まるわけでも、どこで終わるわけでもない漂流感や茫漠感が漂う作品。まるで自然の風景に埋もれてしまうようなオダギリジョーの演技は、自然と蟲師や人の関係を上手く表現していて僕は好きです。人は自然と切り離せない、人は自然の中の一部に過ぎない。蟲師のおぼろげな世界を詩として楽しむことができなければ、この作品を理解することはできないんじゃないか。
・「実写としてのオマージュ的作品」
個人的には、これは秀作だと思う。
原作コミックは、「鎖国の続いた明治日本風の」いつともどことも知れぬ幻想世界を舞台に、蟲師ギンコを案内役として、蟲と人が接触し織り成す悲喜の顛末を淡々と描いた作品。「蟲」とは、人には測り知れない独自の習性・生態を持って存在する目に見えぬモノ。蟲はあらゆる所に悪意も敵意もなく存在しているが、その営みが人と接触した時、思いもよらない怪異を引き起こす。「蟲師」とは、蟲が引き起こす怪異を紐解くことを生業とする者である。原作では、蟲と接することでの人の幸不幸、蟲の生態についての説明などは強調されない。昔話にありがちな説教臭さも一切ない。ただただ事の顛末が語られるだけである。ギンコが解決する話もあれば、どうにもできない事もある。怪異に遭遇し巻き込まれるのはギンコ本人であったりもする。
原作コミックを忠実に再現したアニメは、「原作そのまま」であるが故に高い評価を得た。すでに原作そのままの作品が存在するのだから、舞台を三次元に移した実写映画は、「そのまま」である必要はないと思う。「100年前の日本」という具体的な時代設定は、キツネが人に化けると信じられていた頃を喚起させ、幻想的で曖昧な「蟲」の存在をより身近に感じさせる。また原作にない独自の展開も、映画としての娯楽性に配慮した結果としてむしろ好印象を受けた。起伏に乏しいとの声も多いが、これ以上ドラマ性を重視すれば、それは「蟲師」ではなくなってしまう。「原作そのまま」ではないが、淡々と流れる原作の雰囲気は損なわずに、物語としてうまくまとめていると思う。特に江角マキコ演じる回想シーンのぬいは、まるで原作から抜け出してきたかのように秀逸だ。謎の多い終幕だが、個人的には「蟲と関わりつつも人としての歩みをやめないギンコと、身も心も蟲のような存在へと化してしまったぬいとの、残酷だが優しい別離の情景」と捉えている。かけ離れてしまった二人にとっては、これも流れ行く日常の一幕にすぎないのだろう。
この作品に「楽しい」「面白い」「明解」「感動的」といった感想を求めることはできないし、それを期待するなら別の作品を鑑賞したほうがいい。これは、ただそこに在る蟲のように、「懐かしく畏ろしく美しい日本の原風景がしんしんと心に降り積もる」、そんな余韻に浸るための作品なのだ。
・「好き」
みんななんかいい評価じゃないっすね 僕は好きです 髪型が好き 誰かがゲゲゲのジョーとタイトルしてましたがまさしくその通りですな かっこいい『診てもいいですか?』天変地異 CG 日本古来の風景。いい所にこだわって探したらしいです 大友監督の演出はこだわれればこだわれるだけこだわるとオダギリさんがおっしゃってました とにかく幻想的で漫画も合わせて読むとよさ倍増
・「後期黒澤明作品を見ているような映像美。」
私は「蟲師」の原作の知識は全く無い。映画館で見たときは映像美に感動したが内容とはいうといまいち理解できない部分があったが、改めてDVDで見ると非常にうまくストーリーも作られていることに気づく。しかしこの作品を日本映画にあるホラー作品や一般的な娯楽作品として期待すると凶と出るだろう。黒澤作品の「夢」や「デルス・ウザーラ」のような作品である。この作品の最大の魅力はやはり映像美である。後期黒澤作品にも感じることだが、ストーリーよりもカラー作品だからできる映像美を楽しめるのだ。この映画を見終わったとき「すごい日本映画を見た」と思うだろう。また時間がたつにつれ(温暖化による自然破壊など)評価されていく作品でもある。ただ一つ難を言えば江角マキコの演技だ。彼女の演技によりこの作品を少しダメにしている。
・「ぜひ原作を読んで見て!」
4章をつなぎ合わせてオリジナルを作ってありますがそれなりにちゃんとつながってました。原作を知らない方は無理もないですがぬいは原作でもああです。江角さんの演技はぬいその者でした。(ファンではありませんゴメンナサイ)ギンコの恋を要らないんじゃないかと言うご指摘もありますが原作の中で淡幽がギンコに無理を言って外に連れ出してもらい緑の丘の上で淡い恋心を思わせるところがあります。セリフはちょっと違っていますがあきらかに淡幽がギンコに恋しているのがわかりますよ。これはぜひとも原作を読んでもらいたい映画です。映画から蟲とは何ぞや?蟲師とは何ぞや?と考えても半分も理解出来ないでしょう。まあそれでは映画とは呼べないかも知れませんね。驚いたのは始めに出て来た庄屋夫人が昔懐かしいりりィだった事。私は泣いています、ベッドの上で…若い頃良く唄いましたっけ。
・「見終わった後また口笛が聞きたくなった。」
LaundryのHPを見ると主人公テルを演じた窪塚洋介さんは自分と一番遠い役立ったと語っています。でも私は純粋なテルを演じるのは「ばあさん」の編んでくれた毛糸のとんがり帽子に大きな目の窪塚さんでとてもよかったです。テルはもちろん水絵(小雪)サリー(内藤剛志)そしてテルが目を光らせるコインランドリーのお客さんたちすべてが調和となって心地よく心に響きます。 私はこの「Laundry」とういう映画はとても上質の音楽のように感じました。見終わった後ずーっと私の心を放しません。いまだに「Laundry」に魅了され続けています。
・「疲れた時、傷ついた時、何度でも観たい」
久しぶりに、こんなに泣いた。泣いて泣いて、どうしようもなかった。人を疑うことを知らない、信じることしか知らないテル。変わりたいのに、結局変われない、過去の傷に縛られたままの水絵。一見ぶっきらぼうだけど、自分に忠実に、自由に生きているサリー。三者三様の優しさ、あたたかさが、疲れた時、傷ついた時、私を包んでくれた。
「人を信じるって、人のあたたかさに触れるって、いいよね。」この映画にそう言われてる気がして、どうにもたまらなくて、泣けた。
疲れた時、傷ついた時、どうしようもなく悲しい時、この映画を観てほしい。泣くだけ泣いてグシャグシャになった後、それでも人を信じるっていいよね、と思えたら、またそこから歩き出せるから。
・「洗われて下さい」
とても良かった。
これはお伽噺だった。お伽噺と判っていても感動できるオトギバナシだ。
おばあさんが営むコインランドリーでそうじをしたり、洗濯物を盗む人がいないか見張ったりするのが知恵遅れのテルの仕事。そこには負け続けのボクサー、孤独な写真好きおばさん、おじいさんらが来る。なぜだかみんなテルが好きらしい。新しい常連に水絵がいた。水絵は田舎を出て都会に暮らし恋に破れて自棄になっていた。しかし、コインランドリーにはテルがいた。・・・。
テルのキロンとした目と口角の上がった口がカワイイ。途中でテルの語る口笛を吹く青年のお話のバックに絵が流れる。それがとても良くって誰かな?と思ったらMAYA MAXXだった。
内藤剛志演じるサリーもはまり役。小雪もモロク美しく。Laundryは気持ちよく泣ける。そして私たちはこの映画に洗濯してもらう。洗っても洗っても落ちない血を洗うように。
・「心が洗われる」
窪塚洋介は、こんな演技もできるんだなと感動した作品。盛り上がりは特に無い。壮大なラブストーリーでもない。ただひたすら、歩くような速さでストーリーは進んで行く。コインランドリーで、下着が盗まれないように見張る仕事をしているテルと、過去の心の傷から万引き癖がある水絵の関係。果たして恋人と呼べるのか、それはわからない。しかし、そこには地球では「愛」と呼ぶものが存在していた。水絵が捕まり、テルが1人で帰るシーンでは、テルが泣くのと一緒に、蹲って泣いてしまった。テルの語りが更に、切なさを倍増させた。何で泣けたのかは、いまいちよくわからない。盛り上がりは特に無い。壮大なラブストーリーでもない。ただひたすら、歩くような速さでストーリーは進んで行く。それでもただ泣いた。
最初から最後まで、人より知能が遅れているテルが喋るひとつひとつの言葉が、いちいち胸に響いてどうしようもなかった。俳優業を辞めるとうわさの立っている窪塚洋介だが、彼の演技をもっと見たいと思った。
「愛だよ。こうゆうのは地球では愛って言うんだ。宇宙じゃ知らないけどね」
・「泣けるね」
一途に想うって事がこんなにきれいなことだと気づけるね。人とのつながり方とかいろいろ考えさせられた。
・「映画は本を超えられるのか。」
終わりかたがいいじゃないか。原作よりいいじゃないか。校門を乗り越える。少しつまずいてみる。映像を見せられることによって、広がる世界があるということを知った。「名前ってなに?」「バラと呼んでる花が“バラ”という名前でなくなっても、その美しさと香りには変わりがない」 映画の方が響いた。(僕の場合)
・「在日という高い壁を軽やかに飛び越える若さという力」
今まで原作を読んでから見た映画で面白いと思った物はほとんどなかった(バトルロワイヤルは特にひどかった…)が、この映画は違った。まず劇中で主演の窪塚洋介が男から見てもむちゃくちゃかっこいい。というか、ちょっとずるいぐらいかっこいい設定になっている。それでも違和感を感じさせないのは、彼のキャラクターだろう。
そしてこれは原作にも言える事だが、在日朝鮮人、在日韓国人と日本人の現状をテーマにしているにもかかわらず、必要以上に重苦しい雰囲気がない。実際、好きになってしまえば国籍なんて関係ないわけで、それは若い主人公にとってみればなおさらだ。日本で生まれて日本で育ったのに、偏見やイメージで自分を決めつけて受け入れてくれない無知な大人達を早々に見限って、主人公は自分の青春を全力疾走する。「広い世界を見るのだ」という言葉が全てを物語っているように、今こそ自分も顔を上げて、周りを見回してみる必要があると実感させられた。
原作を読んだ人も、そうでない人も、見ればきっと「何かを考えよう」という気持ちが沸き起こってくる映画。でも押し付けがましく「何かを考えさせられる映画」ではないのが、とても良い所だ。
・「窪塚洋介、この得がたい俳優。切れない範囲で活躍を!」
窪塚洋介の「事故」には驚いた。さいわい、一命はとりとめたと聞き、一フアンとしては一安心。窪塚洋介を映画で見たのはこれが最初。それまで、テレビのコマーシャルなどでなぜか気になる存在だった。90年代、映画好きの私でも日本映画にいくつかの例外は別にして、およそ退屈していた。見たいと思う作品があまりにも少なかった。これは音楽も同様だった。60近い年のせい、という指摘があるかとも思うが、本人はそうではないと思っている。そんななかで「GO」でようやく、映画の窪塚洋介を始めてみた。窪塚洋介という俳優は若手では珍しく、自分の演じるキャラクターにたちどころにリアリティを与える事のできる貴重な存在と感じた。チョッと怖くなるなるくらい、役に入り込む。「在日」を扱った作品でも秀逸だと思う。妙に被害者意識に立つのでなく、ストレートに描いている。02年ワールドカップ共催で、もはや「在日問題」はない?そんなことはないでしょう。歴然とあると考えるのが当然でしょう。差別というのはなくなりかけたと思うと深く潜り込む。とまれ、窪塚の快演、脇を固める山崎務、大竹しのぶの存在感と圧倒的な演技でこの映画は私が久しぶりに興奮した日本映画となった。以降、窪塚君の「ピンポン」「クリーニング」などの旧作、そして、「凶気の桜」を見てますますフアンになった。日頃の言動も含めて、なにか危うさも感じていたが、自身が「凶気の桜」となって散らないで欲しい。そう願う。
・「GO!!!」
今の世の中を切り裂いていくような今風で斬新な映画です。「生きている。恋をする。文句あっか。」恋とか友情とか人種とか色々なことに悩んだり傷ついたりして、日本と韓国の壁を越えていこうとする杉原がものすごくカッコいいです。日本人ってすごく視野が狭いんだなぁ・・・と思わされてしまうような映画です。これを見るとものすごく勇気や元気が沸いてきて、あぁ自分こんなんで悩んでたんだ。って思えてしまいました。私はこの作品に心からありがとうと言いたいです。
・「日本アカデミー賞8部門獲得に納得!」
難しい在日問題を背景にしながら、痛快に描いてみせた素晴らしい映画だと思いました。主人公を演じた窪塚洋介、その恋人柴咲コウ、窪塚の両親に山崎努と大竹しのぶ。出演者がベストと思える好演。日本アカデミー賞8部門獲得したのは伊達じゃない。
この映画のように、日本社会に長く横たわる在日問題が政治的にも、人の心の問題としても、すっきりとする日を待ち望んでいます。この映画は、そのために大きな影響を与えることになるでしょう。こういう映画を日本映画界はどしどし生み出してゆくべきです。
・「観る毎に心揺さぶられる快作。」
東京から仙台の大学に進学した学生が、下宿先の隣人から、遠い異国から来た外国人のために「広辞苑」を書店から盗み取ってくると言う、些細なしかし突拍子もない企みに誘われる事から始まる今作は、伊坂幸太郎の原作に忠実でありながら、小説世界でこそ実現可能と思えたミス・ディレクションなトリックを見事に映画的技巧を以って描き、しかも全編映画ならではのエモーショナルさを発散させる快作だ。ここで描かれているのは、青春期における友情であったり、悪い事から目を背けない勇気、意思表示(行動)の重要性であったり、コミュニーケーションを取り合う事の難しさともどかしさであったり、そしてもちろん恋であったりする。ミステリーの要素が魅力的なため、触れられないのが口惜しいのだけれど、劇中、前半と後半の二度に渡り反復される“回想”シーンの何と哀切に満ちた事か。あたり前の事だけど、人間はひとりでは生きていけない。繰り返し繰り返し流れる、ボブ・ディランの「風に吹かれて」が見事に作品世界にマッチしているし、アジアの小国から来た若者の視線を通じて、我々日本人が忘れつつある他者への信頼と熱いハートを思い出させてくれる。主役2人のナチュラルな存在感(なんか言い回しがヘンだけど)が素晴らしい。私はまず小説を読んで好感を持ち、劇場で観てその演出ぶりに感動し、更にDVDにて再見し、そして最も心揺さぶられた。いい年をしてなんだけど、ボクはこの映画が大好きだ。
・「原作の洒落たセンスがよく生きている」
伊坂幸太郎の原作のミステリアスな話の面白さ、小粋なセンスがよく生きていて楽しめた映画。 初めのうちは訳分かんなかったストーリーが、後半、するすると事の真相が明らかにされて、序盤の映像につながるところ。原作もそうだったけれど、話のつながり方、編集の仕方が実に巧みであるなあと、そこに一番の妙味を感じました。
全編を貫いて流れていたのが、ボブ・ディランの「風に吹かれて」の曲。雰囲気のあるその曲の生かし方も上手かったですね。なかでも、越してきたアパートの部屋の前で椎名がこの歌を口ずさむシーンと、コインロッカーの中で曲が鳴っているシーン。そこがナイスだなあ、素敵だなあと、印象に残りました。
キャストでは、椎名の隣の103号室の住人を演じた瑛太と、ペットショップの店員・琴美を演じた関めぐみのふたりが魅力的だったな。ハマり役であるなあと思いましたよ。
すごく感動するといった類の映画ではなかったけれど、110分、全く飽きずに、いいテンポで観ることができました。原作を面白く読んだ方なら、この映画はきっと楽しめると思う。
・「騙されたー!」
原作小説は知りませんでしたが、まったく素直に、騙されました!
瑛太のたどたどしい言い回しに、「こんなに大根役者だったっけ?」と思っていたら、それこそ物語の伏線だったとは・・・
しかも鑑賞後の心地よさ。いや、内容はけっこうシビアなんだけど。
仙台が舞台、ということもあり、東北に住む私にとってはとっても親近感を覚えつつ、こういう物語って、凄いな、と素直に思いました。
「アフタースクール」といい、この作品といい、立て続けに見事に騙されました。
あまり前知識なしで見たから、余計よかった。
これは凄い映画だ、と断言できますね。本当によかった!
・「心にくる映画です…」
この映画の予告編を見ていて欲しくなって購入した者の一人です。原作は読んでません。ですからストーリーの展開に驚きを隠せないでいます。激しい映像やCGがあるわけでもないのにする思わず笑い、映画にひきこまれ結末に心がせつなくなるはずです。脚本もホントに最高なんですが濱田岳くんや瑛太くんといった素晴らしい俳優さんたちが映画の魅力をよりいっそう深めています。一緒についてくるメイキング映像のDVDを見てより一層この映画を好きになるはずです。2007年で一番の作品だと思います。ぜひお金に余裕がある人は…ではなくお金に余裕がなくても手元に置いておいてください。
・「別物で考えよう。」
どうしても、最初は原作を意識して見てしまうので、素直に見れないのですが。途中からは引き込まれます。皆さんが述べられてるように俳優陣が抜群です。余分なエクスキューズを持たないように、映画の後に原作の順番がいいかも。どちらも名作です。
・「深まり行く秋の東京の景観に、人間模様が切なく心にしみてくる」
オダジョー演じる法学部”8年生”フミヤと、コワオモテの借金取り福原の長い”散歩”。福原は奥さんを殺しているのだが、フミヤとの道中で人間的なユーモアと、奥深い人情味をみせてゆく。東京の秋、散歩ならではの景観をぽ〜っと見ているうちに引き込まれ、そしてラストが近づくにつれ、なんともいえない切なさが胸にこみ上げて来る。。。
福原の散歩は重荷を降ろしていく儀式のようだ。そしてこれは吉祥寺から霞が関まで転々と歩くふたりの、失われた家族の物語でもある。福原の自首前日、二人はスナックのママ麻紀子 (小泉今日子さん)の家で、その姪と4人で、あたかもホンモノの家族のようにカレーライスを食べる。ここでのオダジョーの泣きのシーンがじ〜んとくる。ひとは孤島でありえないということばをおもいだす。終盤、彼らが訪れる遊園地の場面はただ切なく、こころに沁みてくる。ラストは。。。書いてはいけないでしょう、この佳作にふさわしい、心に残る名場面とおもいます。
エンディングテーマは70年代人気のあったムーンライダーズ。この映画、今の東京を描いているのだが、どこか70年代のひとびとの情景を眺めているような、ノスタルジックな雰囲気でした。笑えて、泣けて、ゆったりと時間が流れてゆくような、そしてしみじみとできる良作。東京の秋の散歩気分でどうぞ。星5つです。
・「長い夜にひとりで見る映画。」
実は邦画独特の『間』が嫌いで邦画自体を余り観ない。しかしこの作品に限って言えば今回ばかりはその食わず嫌いが勿体ないかも。正直、エディターレビューを読んだ上でさして期待もせず鑑賞した。「ただ東京の下町を歩くだけ」の内容にこれといった興味をそそられなかったからだ。しかし意に反してなかなか良かった。確かに『間』はあるが他の邦画に見受けられるダレて無駄な『間』では無く、あるべくしてある『間』である。つまり『間』の使い方が絶妙。そして東京の風景。路地裏、児童公園、寂れた夜の時計屋、東京の狭い空しか見えない狭いビルの狭い屋上。
なぜこんなにも捉え方がうまいのかと思う。なぜか懐かしく思えてしかたなかった。東京生まれでもないのに。日本人が置き忘れてきた、と言うと言い過ぎかもしれないがバブルと供に消えていった(正確には消えてしまったのではなく時と供にどこかに潜んでしまった)なにかがこの作品にはある。最初、欝陶しく思えた三浦友和の長い後ろ髪でさえ最後にはしっくり見えてくるから不思議だ。
深夜ドラマ「時効警察」の雰囲気が好きだった人には勿論、日常の些細なことに苛々し疲れきっている現代人に特にお勧めしたい逸品。
・「せつない東京。」
もしも『図鑑に載ってない虫』が最新作であったら、三木ワールドは意外と果てがあったかもしれない。正直、飽きが来ていたかもしれない。
ところが、『転々』である。
いつもの三木節が、あの愛おしい小ネタたちが、実は見た目の何倍もの力を持っていたことを知る。
『ダメジン』の終盤、『亀は・・・』でスパイが地下世界に戻ってしまうシーン、『時効警察』の最終回の終盤のバスでの会話、『帰・時効警察』最終回のおじさんの家、地震直前のふたりの会話・・・
思えば、実はこういう手法はちゃんと確信犯的に持っていたのだ。三木監督は。ジーンとするシーンを、思いっきりミニマムにする独特の手法。
この『転々』では、それらの手法を(三木監督独自のテクニックだと思う。)チクチクと使ってくれるから、観ているこちらは大変である。
ラストはそのミニマム演出の完成形を味わうことができる。
最後は、全国区な、"はっぴいえんど"に比較して、東京ローカルな"ムーンライダーズ"だもんなあ。
せつない東京。
何度でも鑑賞できる傑作中の傑作です。
・「オススメ」
これは、とにかくオススメ。見たら「あぁ見てよかった」と思える暖かい映画。
・「三木監督の中で」
三木監督の中で、一番良い映画でした。笑えて切なく、そして暖かい・・・・・・
今後の作品も期待できそうです。
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・「そわそわする展開」
冤罪って誰にでも起こりうることなんだと思います。何もしてないんだから、話せばきっと分かってくれるはず・・・という普通の感覚が通用しない世界。普段当たり前に享受している自由な日常が、権力によって奪われてしまう。マイナスをゼロに戻すために、どれだけの労力が必要か、また、家族をも巻き込んで、どれだけの人を悲しませるか。非常にていねいに作られた作品で、そわそわしながら最後まで見ました。
・「娯楽性を犠牲にしないみごとなつくり」
周防正行監督は、すごくプロな人だなあと思った。観客をスクリーンに引きずり込む力のある娯楽性、それをまったく犠牲にしていないつくりで、監督の映画の話法はたいしたもの。
観終ると、のちのち登場した人物たちの印象的なシーンが眼に焼き付いているのに気づく。ほんの短い映像だが、ぜったいに見逃しては勿体無い、そういう各役者たちの演出時におけるその場での完璧に計算されたような表情の、ある捜された角度で映されたシーンが網膜に残っている。いくつものシーンを夢うつつに思い出しながら、ぼくは明け方、目蓋に上映して反芻してしまった。
法廷内に集中する後半、冷徹に、無表情に書類に目を通す裁判官が映されるカットと、その表情を計りかねる弁護士の表情などまさに完璧。そのシーン、裁判官の眼鏡の奥にある眼の表情が伺えない。役にある裁判官の演技を映すそのカメラからの角度たるや、弁護士から見る裁判官の角度なのだが、監督は最上の構図を掴まえている。それは他にもあるのだが、周防正行という人は演出家として、職人的な意味でも相当実力のある人だ。
「痴漢冤罪事件」への関心の発端から、取材と裁判傍聴などの体験となどの熟成で練りに練ったリアルなドラマ。しかし時折、脇役に存在する人たちの、それもリアルがゆえにユーモラスに映るようなエピソードが、ちよっと息抜きをさせてくれる。
だが、日本の刑事裁判への監督が込めた思いは、ハピ-エンドにしない現実性をどうしても選ばねばならなかった。そういう意味では後味の良い娯楽性ではないが、多くの観客は、はらはらし、希望し、がく然とし、落胆し、と主人公の行く末をともに案じながら、まったく疎いといわざるをえない刑事裁判における現場にある世界に目を開かされる。
「内容は全部僕が驚いたことで、そういうことだけをリアルに積み重ねただけなんです」という監督の驚きはぼくらの驚きになった。
・「怖いです」
ムカムカしながら最後まで一気に観ました。私は女性ですが女子学生の勘違いという選択はどこにも出てきません。むしゃくしゃしてやったという昨今のニュースを見ていてもしこれが狂言だったら?と思うとゾッとします。これが現実という事があまりにも怖い。無防備で平和な私たちに投げかけられたものは重い。
あまりにも適材適所の配役すぎて誰も目立っていないくらい。映画としても十分満足。
・「こんなに恐い映画だったなんて。」
裁判は真相を明らかにするところだと思ってました。てっきり無罪を勝ち取ってハッピーエンドになるかと思いながら見ていた。しかしラストは…。無罪を言い渡す事が検察に楯突く事で決して裁判官には有益にならないのだと。観終わった後、恐くなりました。裁判官とは被告人を有罪にすることが仕事なのだと知ってとても恐ろしく思いました。あの留置場でも人間として最低の扱いでしかない。あんなとこに入れられたら例え無罪でもここから早く出れるなら、と考えてしまう。 瀬戸朝香の弁護士も最初はいやいや引き受けたが、ある時は女性の視点としてある時は司法を見る視点として新米弁護士役を好演してる。 鹿児島でも富山でも実際に冤罪事件は報じられている。現実に痴漢をデッチ上げ和解金を騙し取ろうとした事件も起きてしまった。もし共犯の女が自首しなければ…。一方で「体臭」で有罪判決の決め手となったり真実は闇の中です。現実には冤罪事件で戦っている人達はもっとたくさんいるのでしょう。日本の現在の司法制度と警察の調べ方に疑問と恐怖を感じました。「疑わしきは罰せず」と教えられたのに。
・「リアルに司法の実体を表現している」
この映画は、今まで見た中では最も忠実に刑事司法の実体を表現している。第一回後半の短さに呆気に取られる人もいるだろうが、実際はあんな感じだ。
何が最もリアルであるかといえば、判決の理由である。裁判所のご都合主義がよく表されている。例えばこんなシーンがある。裁判所が検察に対し、警察の取調べで行われていた痴漢の現場を再現するためにされた実験の記録の証拠提出命令を、検察は「不見当」(見当たりませんという意味)としたにも関わらず、判決理由を聞く限り、裁判所の心証になんら影響を与えていない。普通、見つからないのであれば、いい加減な捜査をしていたと判断されるだろうし、実際はあるが出したくないから「不見当」と答えたならば、不都合なことがあるのだろうと推測されるはずである。
このような点は、判決の理由中、さらには審理中にさえ数多く散見される。
これは、刑事裁判というものは、内容を審理するのではなく、起訴後有罪確定率が99.9%である現状が、裁判所はどうやって被告人を有罪にすべきかということになっているためである。
役所さんの台詞でも、このことは指摘されている。
この映画の素晴らしい点は、この部分をよくぞ再現した、という点である。他にも、やや脚色している部分はあるものの、刑事司法の実体をほぼ忠実に再現している。
この映画を観て、つまらないと感じる人もいるだろう。しかし、この映画には深い意味があり、そのように感じた人は以下のキーワードについて少し考えてもらえれば、この映画の面白さが理解できると、私は思う。
「人質司法」「精密司法」「証拠の女王」「自白」「取調べの可視化」「証拠資料の偏在」「冤罪」
・「少女、臆病、切な、懐かし」
軽くないけど、暗くない。みずみずしい今を生きる。『花とアリス』よりリアルで、『ラブ&ポップ』より現代的な少女たちの物語。お前は嘘がうまいから、行いだけでもよくなさい――太宰治『晩秋』からの引用が印象的。
・「本当の自分に気づいてください。 」
いじめられっこがいる。彼女が言う「わたしはこの役を演じているの」「いじめられているわたし」と「そうでないわたし」「そうでない私が本当のわたし」
いじめられるのが怖くて自分を演じ、家の中でも気持ちを抑えて良い子を演じている子がいる。
ふたりは、互いに似たものどおしと気づく。「ひなとことり」ひょんなことから始まったメールストーリーの中に理想の役がある。自分がこうなりたいと思う理想の女の子がいる。
しかし、ストーリーが終わるとき現実の自分に引き戻されたとき、ひなとことりは何を思うのだろうか。
すごーくよかった。今現実にありそうなテーマで、ドラマに引きこまれていく。あなたは、本当の自分を見つめているだろうか・・
・「「今」を活かした作品であり、「今」を伝える作品」
昔同じ中学校でハブになってしまっていた日南子に対して、寿梨は何年かたってからメールを送る。『ヒナとコトリの物語』と題して、「上手に学校生活をいきぬいていくための極意」を。「まかせて、まかせて」と笑顔で寿梨はメールを打つ。順調に生活を送ってた、寿梨と日南子。だけどやっぱり、「本当の自分ってどれなの?」という気持ちはお互い、消えなくて…。
誰もが必ず通る、学校という第一の社会。時間を越えて、携帯という道具によって遠く離れた二人の少女たちの心が再び「繋がる」。
映画という媒体の特性を活かして、なおかつその魅力を引き立てた、監督の市川準さんと脚本家細谷まどかさんの技量は必見。目に新しい構成画面がつぎつぎと視聴者を引き込む。
短編小説が好きな方には向いているように思います。見やすく、伝わりやすい映画です。学生に特にオススメです。
・「ハートフルな作品です」
成海璃子の完成度はすごいと思う。
他の人が沢山書いているからあえて書かないが、これこそまさに神童(笑)ですね。
日南子の前田敦子さんは、確かに成海璃子には全然およばないが、この役に限っては、結構頑張っていたんじゃないかなと思う。
AKB48というアイドルユニットで活動していることもあり、色眼鏡で見られてしまうことは仕方がないと思うが・・・。
日南子のお母さん役の奥貫薫さんは、今やキレイなお母さんや幸薄の女性などを演じさせたらピッタリの存在感のある名バイプレーヤーだ。
彼女も20年前に「エンジェルス」というマイナーアイドルユニットで活動していた。
奥チンと呼ばれて、前田さんのように笑顔が可愛いグループの中心の子だった記憶がある。
ぜひ、前田さんもキャリアを積んで、存在感のある役者さんになってもらいたいものである。
がんばれ!だーまえ!
・「きっと多くの人が共感することが出来ると思う映画」
タイトルに書いた通り、きっと多くの人が共感する映画だと思います。
「嘘の私と本当の私、どっちが私なんだろう」
このフレーズは誰もが考えたことの在るものだと思います。
職場などで演じることに疲れた人にオススメしたいです。
・「きらりと光る小品」
少女の短すぎる人生最後の夏を1枚の写真のごとく切り取った作品。したがって必要性のない前後のストーリーは余命3ヶ月の状況説明以外カットされている。
「私(かつてこの故郷であなたに)恋した」事実が彼女の生きていた証であることを求め、少女は初恋の人に会うため旅に出る。時の流れに戸惑いながらも、過酷な運命を背負わされた自分自身を見つめ続けて行く。そして…
最後のバスの中で少女は初恋の彼に自分の”思いの丈”を伝え17才の短い生涯を閉じる。
一幅の絵画、一遍の俳句を垣間見るような作品だと思います。堀北真希のバスでの長い語りは感動的です。一度御覧あれ!
・「一人で泣きながら見たい」
この映画は、必ずしも映画館の大スクリーンで観なければならない、と言う物ではありません。したがって映画を見逃した方、DVDでもじゅうぶん楽しめます。いや、むしろ一人でDVDで観たほうが、リアリティがあるのではないかと思いました。
物語は余命3ヶ月の女子高生が、初恋の人に会いに行く話しなのですが、「死」を生々しく描いていない分、重くなり過ぎていないところが、好感がもてました。 淡々と「人生最後の夏休み」を描いているだけ、と思いきや、ちょっとした事件が起こります。その結末は・・・
最後のバスの中のシーンは、DVDで繰り返し観て、セリフを全部丸暗記したい・・・と思ったのは私だけでしょうか。
・「見る価値はある」
いかにも低予算の自主映画っぽい作り。カット割りが少なく、長回しが目立つカメラワーク。多分手持ちカメラで撮影しているのか、時々画面がぶれる。それから、全体に照明が不足していて、登場人物の顔が暗く沈んで表情が読み取りにくい。ドキュメンタリーっぽいといえば聞こえはいいが、そういうアマチュアっぽいところが印象を悪くしているかもしれない。 それでも、見る価値はある。それはもちろん主演の堀北真希の演技だ。母を亡くし、自分も余命3ヶ月と宣告された17歳の少女が、初恋の人に会うために旅に出る。残酷な運命の中に置かれた主人公だが、大げさな感情表現は抑えて終始淡々とした演技。それでもその横顔に静かな切迫感をにじませているところに、堀北真希の演技の真骨頂がある。最後のバスの中での泣き笑いの演技は、17歳の少女の生きたいという思いと、その一方で奈落の底に引きずり込まれていくような絶望感がない交ぜになった絶妙なものだ。単純に泣き叫ぶだけの演技なら他の女優にもできる。しかしこのような微妙で繊細な演技は堀北真希だからできた。 こういう地味な作品でもきっちりと演技をしているのは彼女の女優としてのキャリアの中でも、決して無駄ではないと思う。
・「ホリキタの演技力に星4つ。」
廣木組の醍醐味は「いかに女優を綺麗に撮るか」ということにある。本作も堀北真希を魅力的に撮り上げていたので、それは満足だ。しかし、それだけなのである。犬吠埼の風景と、ホリキタの演技。以上!といった感じで・・・(笑)。丹羽プロデューサーは「ホリキタには難しい役をやって欲しい」と、あえてこの役を振ったのだという。その甲斐あって、長廻しの多いシーンで、かつダイエットをしてまで臨んだホリキタの演技力には、本当に魅せられた。特に、バスの中での涙の芝居は圧巻だった。ここまで「ピン」での主演は初めてだが、見事に大役は果たしたといえよう。それだけに、内容の乏しい脚本が残念だった。高岡早紀や吹越満という幅のある役者も起用しているのに、彼らも立ち位置に困ってしまったのではないか。ホリキタ以外の俳優の感情など全く排除している感じで、オンナゴコロを捉えることでは定評のある渡辺千穂のホンとは思えないぞ、これ。作品は星1つレベルだが、ホリキタの芝居に+3つ。
・「悲しいよなぁ…・。」
余命いくばくのない少女が、 最後に会いたい人の元へ行く。 少し年上の幼馴染。 しかし、彼にはすでに好きな女性が。
誰もがうまく生きていて、 誰もがみんな幸せなんてことなくて、 少しのずれが、みんなを取り囲んでいる。 好きな気持も、形もいろいろだし、 引き合う心の強さも違う。
死に向かう少女にとって、 あまりにも重い現実と、 あまりにも尊い最後の時間。 それでも、 一緒にいるのは、 たぶん…とっても大切で、 とっても好きな人で、 それは、思う側の気持が大切だと、 知ったことで、 少し大人になって旅立つことができたのは、 せめてもの救いなのだろうか…。
・「とても良かったです」
何の先入観もなく見ましたが、予想以上に大変おもしろかったです。心が折れそうになることが良くある昨今ですが、娘さんのガンバリズムや、アルゼンチンばばあさんのこころなど大変泣かされ、癒された映画でした。ということは自分は逃げていたお父さんの視点から見ていたのかもしれませんね。
他の方の評価が意外と低いことに驚きましたが、自分が原作を見ていないからかもしれませんね。原作を知らない人には最高なのかも知れません。
・「映像もストーリーも癒し系☆」
まず、堀北さんは制服姿が素晴らしくハマってかわいいのでファンならずとも必見と言えるでしょう。
映像全般は、明るく見やすく、自然でしかし印象的な場面によって、しっとりとした映像美が堪能できます。主人公「みつこ」と、すぐに「ヤラせろ」という同年代の親戚の少年や、バイト先の鍼灸師(byココリコ田中)その他のサブキャラとをうまく絡めて、ひとりひとりが「カブる」ことなく丁寧に描写されており、母親を亡くし父親が失踪して親戚のうちにやっかいになっているという微妙な立場の主人公のうつうつとした内面がうまく表現されています。
父親との再会にかかるアルゼンチンババアとの出会いと反発と交流のてんまつを中心に、過不足ないエピソードがちょうどよく連関されており、役所広司さんや鈴木京香さんの抑えた演技もあいまって、「映像に語らせる」押しつけがましさのない作り方でゆったりと物語世界にひたることが出来ました。ストーリーは、ほどよいユーモアを基調にしながら、地方都市郊外の田園っぽい風景から海中シーンにいたるまで、意外に起伏に富んだ構成で、飽きずに安心して見ていられました。
あとで原作小説を読みましたが、どちらかといえば心の大きなうねりや動きについては抑え気味の描写で、ふわっとした仕上がりという感じでした。これに対して映画のほうは、エピソードやキャラクターを増やし、言わば、もっと「詳しい」感じになっています。原作ファンの方にとっては、勝手に変えて不快だと思われる点もあるでしょうが、この脚色によってこそこの映画独自の雰囲気や流れが作られたと言えると思いますので、小説と映画とではテンションが違うという点に着目し、それぞれ別な楽しみ方をするのが正解なのかなと思います。
・「ババアは ないじゃろ ^^」
人の死はつらい。 まして、自分の妻のしにゆくさまに立ち会うことができない父。 妻の死を受け入れることのできない父を、 年齢不詳のアルゼンチンババアがあたたかくつつむ。 その場所にいることに、唯一こころの安らぎを得る父。 そしてそんな父をなかなか理解できず、自分を捨てていった父に悩む娘。 このお話のテーマは奥深い。
人は人の死をどんな形で受けいれるのだろうか。 このお話は、自分の悲しみを乗り越えて、 人を愛し、人を受け入れることができたとき 乗り越えることができる。 と、言っているのだろう。
曼荼羅や仏教、カトリックのお祈りも出てくるが、 人はどんな形であれ、自分の形を見つけていく。 そして、いき続けていくことが・・ 死んでいった人の願い。 そんな思いも感じる。
父と娘が、母の墓標のいるかを抱えて 海に落ちていく。 墓標はそのまま遺跡(笑)となり、 生きている人は、生き続けるために墓標を手放す。 こんなシーンに作者の思いを感じたのは 私だけではないだろう。
こころの苦しみを癒す場所、アルゼンチンババアの家は そんな場所。 そして、その心は、娘に続いていく。
・「よしもとばななワールド?」
なんか不思議な空気感。鈴木京香のババア姿は必見。でも全然キレイだし。髪型と衣装はそれっぽいけど。あんなキレイなババアなら恋しても納得できちゃう。作者の意図的に、それでよかったのかな?あと、堀北真希好きにはたまらんでしょう。内容的にはわかったようなわからないような・・・「よしもとばなな」ワールドというのか?まだ原作を読んでいないけれど、逆に原作を読みたくなった。原作では上手いこと表現されているんだろうか?なんとなくスッキリしない気もするが、映像化するには厳しい内容だったという事かもしれない。
・「原作ファンからの見地」
原作を読んでから、堀北真希とばなな氏の対談も読んで、そして映画を見てみた。対談の中でもばなな氏はキャラがぴったりだと絶賛していたが、確かに堀北真希が演じるみつこはよかったと思うし、他のキャストも良かったと思う。ただ、堀北真希はもっと体を張った演技をしなければ、憧れの菅野美穂のレベルまでは到達できないであろうと思わされた。
やけくそになってビールを飲むシーンでは、え、なんでそこでビールがぶ飲み?っていう不自然さが際立っていたし、あのような不良少女の役は実際にそういった行為をしたことが無いのだろうか、いかにもといった演技だった。また本来は性犯罪者のように描かれている従兄との関係もいいかげんだ。やらせろ、やらせないという押し問答からも緊迫した感じが伝わって来ない。あれでは、ただのお互いに気がある若い男女の関係になってしまっている。そう言う所でまだ一流とは呼べない構成と演技だった。
それにアルゼンチンビルは原作では、もっとずっと汚くて臭い場所であるはずなのに映画ではそれがただ単に「居心地の良い場所」となってしまっていたのは残念だった。あれではドラマのだめカンタービレの野田恵の部屋の方がずっと良い。スタッフは堀北真希が本気で嫌がるくらいのセットを用意するべきだったと思う。
それにしても原作も良いし、全体的には良い映画のはずなのにどうもブラーがかかっている気がする。単調というかつまらない雰囲気である。もっとスパイスを加えて、下妻物語くらいの映像や音楽の効果も加えたらきっと映画の主題である「生と死」についての考え方というのもはっきりしてくるのだと思う。
宮崎駿とジブリがこの原作をアニメ化したらきっと凄い大作になってしまうのだろうなと思えるのが残念で仕方が無い。それくらいこの実写映画は平凡である。
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・「写真で結ばれ、写真で別れる。」
私は高校時代は写真部にいたので、写真好きの二人の恋愛映画という説明に促されて買ってみた。
正直、最近の映画で純愛?と訝りながら観たのだが・・・。家族の前では観れなくなった。涙が止まらないのだ。同じ大学で皮膚病を持つ写真好きの青年と、子供のように浮いている地味なクッキー娘。浮いていることが共通点だが、人の親切や優しさを求めることでは一致。やがて、清々しい湖のある森で、二人だけの時間が経過して、そして自然に愛し合い、途中でやきもち騒ぎはあるものの、二人の絆はいっそう固いものに変化して行く。
当然に同棲生活が始まり、しかし二人は互いの身体を求めることなく、そばに居てくれるだけで幸せだということが当たり前と自然に分かり合う。いつもの森でキスするシーンも、終止ぎこちなく、それがかえって新鮮に思えた。そして静流は何の断りもなく大学からも消えた・・・・。
アメリカで最後の命を好きなことに使って、永遠の別れを告げた静流。事実を知って、静流の個展にあった、最後のキスの写真。
私はここで涙が止まらなくなった。静流が同棲に訪れたこと。写真に熱中したこと。キスしたこと。突然消えたこと。全ては、その一枚のキスの写真に凝縮されていた。
故人に拘り過ぎることは良くないことだ。しかし、愛した人を心の中で育むことは、決して否定すべきことではない。例え他の人と結婚したとしても、心の中の恋人は、それを許してくれるからだ。「私が長生きできなくて、ごめんね」と。
私にも忘れられない恋人が心の中に居る。家内も娘も知らないことだが・・・。宮崎あおいの眼鏡をとった素顔を見て驚いた。私のかつての恋人とそっくりなのだ。森でキスするシーンで見せたあの素顔。私には衝撃そのものだった。
切ない。苦しい。胸が痛む。etc・・・あらゆる感情が吹き出した。こういう場合、共通している唯一の感情は、「また会いたい」だけだ。不可能なことではあるが、裏を返せば「いつでも会えるところに行った」のだから、寂しさはほんの一時。
会いたければ、天国へ行けるように、真面目に生きればいいのだ。私は近い将来、この映画を娘に観せようと思う。ただ問題は、どれだけのものを学べるかどうかだ。
私には、悲しみを乗り越えて、人に恥じない生き方をする命題がある。私はこの映画から、キスの写真からどれだけのものを得られるか。それが人格のリトマス紙になると思う。そして若者も年寄りも、拒否できないことが見えるはずだ。それから逃げないで欲しい。
・「人の優しい気持ちだけでできあがったファンタジー」
家内のリクエストで買って観た。元来映画は冒険活劇しかみない。そこにもってきてラブストーリーである。しかも主人公は大学生の若者、こっちは中年のおっさんである。まったく期待せず、つきあいのつもりでみた。
ところが、この1年でみた映画で、いちばんよかった。いや、いままで観た映画のなかでも、もっとも好きな映画のひとつかもしれない。
いったいどこがいいのだろう。確かに緑を基調とした広角映像は美しい。ポートレート写真のような構図もいい。しかしストーリーらしいストーリーもなければ、季節感もない。時間もない。怒鳴る人もいない、声をあげて泣く人もいない。生涯ただ一度のキス、なんてサブタイトルにあるように、性愛もない。いまどきの若者を主人公に、リアリティのないこと甚だしい。
それでもなぜ、筆者はこの映画が好きなのだろう。
ありえない話なのである。現実感、生活感が全くない。しかし主人公のふたりにきちんと感情が入っていく。
現実の恋愛はもっと熱くて、もっと激しくて、そしてもっと自己中心的だ。恋愛は人の優しい気持ちを何倍にもするが、ずるさや醜さをも増幅させる。しかしこの作品は、恋愛から「人の優しい気持ち」だけを抽出したかった。そのために、他は捨てた。まず、恋愛でいちばん素晴らしくて、いちばんの揉め事のタネでもある性愛を除外した。次に4年も一緒にいればなんやかやとあるから、季節もなくした。時間もなくした。だからリアリティがない。しかしそのかわりに、もっとも純粋なものが残った。
玉木宏と宮崎あおいが、いい。人に勧められるかどうかはわからない。が、この映画が自分のなかにすっとはいってきたことが筆者にとっていちばんの驚きであった。
・「最高です!」
始まってすぐの映像の綺麗さと音楽の良さにびっくりしました。
・「さわやかな感動と自然に出てくる涙。。。」
久々の当たり映画。さわやかな感動と自然に出てくる涙。。。こういうの私は好きです。純愛物語。場面場面で、出演者ひとりひとりの本当の素直な感情が伝わってきて感動します。画像のひとコマひとコマに大きな意味を持たせてるのも、映画表現として非常に上手だと思います。恋愛ってすばらしいと改めて思いました。もちろん、宮崎あおいのキスシーンの写真は最高の出来です。ファンになってしまいました。まだ見てないラブストーリー好きの方がいたらぜひ見てください!!
主題歌「恋愛写真」大塚愛主演:宮崎あおい他
・「いい涙が流せました。ありがとう」
ラブストーリーの映画はあまり観ない方だが、大好きな女優「宮崎あおい」が主演というのでDVDを手に入れさっそく観させてもらいました。…少し切ない、心地よい涙を流させてもらいました。主演の玉木宏、宮崎あおいの2人が息も合っていてすごく良かった! 玉木宏はドラマ「のだめカンタービレ」で天才的な才能を持つ音大生、千秋役をコミカルに時にはエキセントリックに熱演していたが、本作の誠人役の様な身体的なコンプレックスを持つナイーブな役も違和感なく演じていて感心しました。 他の出演者も素晴らしく、中でも黒木メイサの凛とした美しさと、後半の演技はこれからを期待しても良い女優の一人だと思います。そして宮崎あおい…彼女なくしてこの作品は成立しなかったと言っても良いぐらいに圧倒的な存在感を観せてくれます! 屈託なく笑い、他人の話や誠人の事で涙する静流のなんと魅力的なことか‥! そしてキスシーンの時の、眼鏡を外した静流の少しあどけなさが残る生き生きとした輝くばかりのあの表情!眼鏡を外してびっくりしたのは誠人ではなく観ているこっちの方だった!…誠人から姿を消した静流は自分がしたいと思う事を誠人への想いを胸に精一杯やり遂げそして生きた!‥観終えた時に心の中に大切な何かを教えてくれた様な素晴らしい作品でした‥!
・「主題歌との完璧なコラボ。」
良い映画でした!
映画初挑戦という主演のYUIの演技がナチュラルで「普通の女の子の初恋」を見事に表現していましたし、岸谷吾朗・麻木久仁子演じる両親も素敵でした。
やさしく娘を思いやる母と、誰よりも娘を愛しているんだけども口では乱暴な言葉を言ってしまう不器用な父、絶妙のバランスでした。
そしてこの映画の全てを凝縮したYUI本人が劇中で歌う主題歌「GOOD-BYE DAYS」は涙を流さずにはいられません・・・。
見終わった後、さわやかな感動と生きる勇気を与えられたような気がします☆
・「ずっと見ていたい映画」
この作品は映画館で2回見ましたが本当に素敵な映画でした! YUIの主題歌と映画がベストにあってます! YUIの演技には正直見る前は不安でしたが初々しい感じがすごいよく出ていてとても素敵な演技でしたし塚本さんのストレートな演技もよかったです! 久しぶりに映画館で泣いたな〜 ほんとにお勧めできる素敵な作品です! はやくDVDほしいです!
・「すごく自然な展開と透き通った歌、いい作品です。」
ストーリー展開に無理がなく、自然に作品に感情移入ができます。なぜ残り少ない人生はこんなにも輝きを放つのでしょう?一瞬たりとも無駄なシーンがなく少しづつ上り詰めていきます。ラストシーン前の最後の海辺の彼と家族との楽しい時間が涙を誘います。彼女にとってはもう限界の中での精一杯の笑いと強がり。その瞬間を経験したことのある人も、そうでない人も自然と涙が出るでしょう。恋愛も純粋、歌も透き通っていて素敵な作品です。
・「ぐぉぉぉぉ!!!可愛いっ!」
なんつーか、心洗われるという子というのは、YUIみたいな子のことを言うのでしょうか?この映画って、この子のために作られた映画って感じだよね。最近流行のピュア系映画で、「いま、会いにゆきます」とか「セカちゅー」とかみても、やっぱり、プロの役者さん達の演技だし、普通に楽しめましたが、このYUIの飾りっ気のない自然体な演技がスンごく新鮮で、オジさんは感動して泣いてしまった。なんつーか、あまりにもスゴすぎる!!
彼氏役の塚本高史とのキスシーンで顔をつねられるシーン、ありゃ〜メッチャクチャ可愛いですよ。バイクのヘルメットを不器用にかぶるシーンもエエですよね。YUIの魅力を引き出した、監督さんやカメラさんもスゴいと思う。
歌の説得力も抜群だし、天才って、こういう子のことを言うんだろうなー。自分も同じ制作の仕事を何年もやってるけど、逆に教えられること沢山あるね。やっぱね、ひた向きさと純粋さを失っちゃーいかんですよ。ホント。ホント。
・「感動しました」
映画を見に行くことができなくて、やっとDVDで見ることができました☆ホントに買ってよかったと思います!!すごく内容を話したいのですが、みんなに見てほしいので控えさせていただきます;でもこれだけは伝えたいです。相手を思う気持ちは大切だな、と。
・「すきだなあ」
原作を読んで、山崎ナオコーラさんの文章のなんとも言えない空気感がおもしろかったし、映画の主演は大ファンの永作さんだしということで、公開終了ギリギリのところで無理矢理時間をつくり見にいきました。おそらく、今年度公開の映画の中で一番楽しみだった本作。
あーーーおもしろかった!です。大人の女、ほとんどスッピンで色気の無い下着を身につけた、アホ毛のたった30後半女の永作さん演じるユリ。(永作さんのスッピンは神々しいです)同年代の女の子から好かれている朴訥な優しさをもった不器用な青年、松山君演じる19歳のみるめ。(松山ケンイチ君かっこよすぎです・・・)この二人のシーンのなまめかしさは、本当にどきどきします。変なAVとかより、ずっと、色っぽいし、観客を思わずはにかませてしまう何かがあります。特にユリがみるめにヌードモデルを頼むところなどもう・・・。原作もそうですけど、題名の割に、何かすごいエロシーンがあるわけじゃないんですよ。そんな刺激的な映画じゃない。淡々と日常が流れ出しているような映画です。耳元でそっとやさいいメロディを流し続けているような映画です。それで、確かにシーンが冗長なところはありましたが、日常ってそんなもんでしょう?くだらない間の繰り返しです。
なんか、すごくこう、恋をしたくさせます。頬が熱くなって、体の温度が上がります。テンションも上がります。
甘酸っぱいフルーツを頬張ったような、すごくキュンとなる可愛い映画。是非見てみてください。
・「個人的には大傑作と言い切りたい。」
どうも、評価が分かれているようだけど、個人的には何度も繰り返し見たくなるような映画的な刺激に満ちた快作。すっとぼけていながら、独特のムードと類まれなユーモアを持ち、観終わった後の浮遊感と心地良さは格別だ。とにかく、ミディアム・ショットで被写体を凝視する長廻しの、切なさと艶めかしさとリアル感が凄い。永作博美によれば、監督はシーンの撮影が終わった後も、「カット」の声を掛けずにフィルムを廻し続けたと言う。カメラを固定し、即興で演出(演じ)続けたと見間違う、役者たちの生理的なリズムに任せたような感覚。例えば、ひとり部屋で「Angel」を聴きながら自堕落に服を脱ぎ椅子に腰掛ける永作であったり、リトグラフ刷りを黙々と続ける永作と松山ケンイチであったり、あるいは松山に1枚ずつ服を脱がせていく永作や、ベットインをした後ビニルのエアマットを膨らませる事に興じるふたり、ラブホテルのベット上での何度も何度も繰り返される蒼井優のジャンプに、ラストの校舎の屋上シーンまで、そのワンショット、ワンショットのインパクトの強さと面白さはどうだ!!どうにも好きになってしまった人を忘れられない、あるいは思慕を抱く人に想いが届かない心の揺れ動きを、映像のリズムで見せ切ってしまった事に感心する。主演3人の見事なコラボ、中でも永作の、「腑抜けども」とはまるで違う役柄だが、相変わらずの圧倒的存在感が良い。
・「恋愛に真剣に悩んでいた頃を思い出させる映画」
小生は40代後半で、恋愛は昔の話になってしまっています。この映画を見て、自分が恋をしていた時の思いが蘇ってきました。ゆりちゃんに逢いたくて逢いたくて、その想いが強すぎて爆発しそうだから、反対に携帯電話に出られないように針金でグルグル巻きにしてしまうみるめの思い。どうあがいても相手に振り向いてもらえないことを痛感しながら、「みるめくん、あそぼ!」と声を張り上げるえんちゃんの思い。想像を膨らませれば、奔放な妻を優しく支えることに徹する猪熊さんの思いも。いずれの思いも自分の恋愛の経験のどこかにあてはまり、切なく、いとおしい気持ちになりました。恋愛ドラマや映画はたくさんあっても、多くは嘘っぽくて感情移入できませんが、この映画は違いました。
・「自然な二人に胸キュン」
永作さん演じるユリと松山ケンイチさん演じるみるめがじゃれあっているシーンがとっても好きです!!二人の空気感がとても自然で実際こうゆう会話しながらじゃれあったりってあるよなーと思いながら二人の会話&行動に思わず笑っていました!!みるめがすごく可愛くてあまりにも自然過ぎて・・この映画をみて松山ケンイチさんが好きになりました!!!蒼井ゆうさん演じるえんちゃんと忍成さん演じる堂本君もみんな自然で、見ていて癒されました・・恋してるってとても素敵な事なんだなーって思わせてくれるとてもいい映画です!!!
・「さりげなくこだわっている作品!!」
悪い評価をされている方もいますが、私は大好きで何度も見たくなる作品\(^o^)/
私は"お涙ちょーだい"な映画とかがわりと苦手で…この作品は押し付けがましくないのに、さりげなくこだわりが見える作品です!だから逆に"もっと見たいなぁ"と思わされました!
映画でユリが口ずさんでいる"angel"は、この映画オリジナルに作った曲だそうで…歌詞の意味はユリに恋するみるめの気持ちだそうです!
Let me fly like an angel〜♪
ちなみに私はサントラも買いました(>_<)!
えんちゃんが、ライバルのユリに嫉妬を感じながらもみるめと同様にユリの魅力にどこか惹かれていってしまうところ…
私も恋敵がユリだったら、ユリに惹かれて好きになってしまうだろうなと思いました!!!
どの役もすごく自然体で爽やかで…見ていて心地いいです★
そしてキャストもすごくいい!!私が好きな役者さんばかりだし!笑
ユリのような女性になりたいなとつくづく思わされました(^^ゞ
せつなくて、おしゃれで…素敵な作品です!!!
・「確かに虹の女神がそこにいた」
久しぶりにDVDで観ましたが、映画館で感じたあの感情が色あせることなくよみがえってきました。『好き』と言うたった2文字を言いだせない、あおいの不器用さ。『本当に大切な存在』が誰か気付けない、智也の若さゆえの鈍さや弱さ。…でも、もしかしてなんとなく気付いても二人共 近くなりすぎて今の関係を壊したくないと思ってしまう、そんな気持ちもすごく分かる。そんな二人の姿は、観ていてはがゆく、いじらしくして。そして、あおいをとても愛しく感じました。ひたむきに生きるあおいを演じた上野樹里さん。確かにこの作品の中で『佐藤あおい』が存在していました。上野さんとあおいが同化している、と思えるほど。智也演じる市原隼人さんは『受け』の芝居を好演してくれたと思います。(この智也の役は実はすごく難しいと思います)小日向さん蒼井優さん佐々木蔵之介さんら脇役の皆さんもあおいや智也とのつながり、絆を演技でしっかり表現してくれています。主人公達と同世代の方にはもちろんおすすめの作品だと思いますが、学生時代が少し昔になってしまって、あの頃の感情を忘れてしまって、あくせくと仕事をしている世代の方にも観てほしい作品。仕事で疲れきった心にしみます。心にしみわたったあと、虹を観たときのような透き通った気持ちになります。大切にしたい作品の一つです。
・「こんなに不器用でみっともなくて、でも切なくて愛おしい“愛の告白”は滅多にない。秀作。」
いいなぁ、この映画。観終った後、こんなに余韻を残す恋愛映画は久しぶりだ。 透明感ある繊細さと脆弱さと沈痛さに溢れていながら、それでいて、何ともユーモラスなリズムと、妙に日常的でリアルなセリフ廻しの見事な融合。文学的なチャプターで綴られた中、明らかに意識しているであろう岩井俊二「LOVE LETTER」への類似性と思い入れの深さ。“一万円札のリング”をはめ込むふたりを捉えたカメラが足元から地面にパンすると水溜りに虹が写っているシーンや、屋根の上でふたりがただ佇むシーン等での、まるで映画青年が撮ったかのような良い意味で気恥ずかしくなる映画愛に溢れた映像テクニックの懐かしさ。上野樹里&市原隼人の主演ふたりの、出会いと再会から始まる各パートでの思わず微笑んでしまいたくなるようなその掛け合いの楽しさと、出番は少ないものの、蒼井優の相変わらずのその演技の暖かさ。どれも魅力的だ。そして、映画の中盤「失恋」のチャプターで語られる智也とあおいの“互いの気持ちを素直に出せない”ふたりの“愛”の告白と言ったら、、、。本当に、こんなにも不器用でみっともなくて、でも切なくて愛おしい告白シーンは滅多にない。他のレビュアーの方も述べられている通り、主演ふたりの名演と共に、もっと話題、評価されて良い秀作。
・「もう一度あなたに会いたい」
予告で流れる智也のセリフ、「もう一度あなたに会いたい。」よく聞くセリフですが本編を見終わったあと見たらこのセリフに込められてる思いが溢れてきました。切ない、苦いそんな映画です。
あ、終わった。そう思った直後流れるエンディング。本編では涙が目に溜まるくらいでしたがエンドロールで涙がポロポロでました。見終わったあと何か足りないような焦燥感。きっとこの気持ちは智也が感じてる気持ちなのかなと思いました。
お互い不器用ですれ違っていた二人。お祭りのときからあおいの気持ちを読み取っていた妹、かな。見終わってからもう一度見るとあのときのセリフはこういう意味だったんだと分かります。何度も見て一本の線が繋がります。
主演の市原隼人、上野樹里の演技力だからこそ良い映画ができたのだと思います。妹役の蒼井優さんの演技も素晴らしかったです。また、相田翔子さんの登場によりこの物語に深みがでてきています。予測不可能の雰囲気がとても良いです。
この映画は賛否両論だと思います。伝わってくるものがある人もいれば何も感じず終わる人もいると思います。
ぜひ地上波でやって欲しいです。
・「悲しいまでの繊細さで丁寧に作りこまれた名作」
昨年見た映画のなかでは最高の一篇だったと思います。単純といえば単純な物語なのに、多くのことを考えたり、妙なところで自分自身と心通わせるものに驚かされたりして、ついつい四回も映画館へ足を運んでしまいました。なんといっても上野樹里さんの演技が素晴らしい。このヒロインの素直な映画にかける夢と情熱、「大人」としての「夢」への不安。身近なところにいる智也との、微妙な距離感を乗り越えられない不器用さともどかしさ。そんな複雑で繊細、そして「あおい」という一人のヒロインの切なく、多層的な感情をほんとうに丁寧に作り込んで、静かな感動を与える力量の凄さにはただただ脱帽!そんなすべてが「夢に向かって進む」などという陳腐な言葉には言い尽くせない深くて、豊かなニュアンスを醸し出しています。とくに、智也と取材で言ったクイックデート・カフェからの帰り道、智也の鈍感なうえにも、これまた不器用で偽悪的で気まぐれ、且つ間の悪いプロポーズの言葉に激しく泣き出して感情を爆発させるシーンの悲しさ、それに続く会社の屋上での二人のやりとりのやりきれない切なさなど、ほんとうに引き込まれてしまいました。二十歳にして、天真爛漫で破天荒な「のだめ」から、このしっとりして神経の行き届いた繊細な大人の演技まで、幅広く役柄をこなす上野樹里さんの努力と才能にはひたらすら頭が下がるとしか言えません。多くの方にご覧頂きたい、お勧めの一篇です
・「映画を愛するひとのための映画。。。秀作です」
ていねいに、本当に、ていねいに作られた映画です。懐かしいような大学のキャンパスの光景、映画研究部の部室、どこかセンチメンタルなBGM、そしてぎこちなくて不器用な若者たちの恋。。。
「不完全な若者たちの、不完全な愛の物語」。。。そしてまるで映画を愛するひとのためにつくられたような映画です。ここ何年かでもっともすぐれた、秀逸な青春映画、とおもいます。
死んでしまうヒロインがとった劇中劇ならぬ映画中映画の”The end of the world ”が重要なパートをしめてきます。このいかにも映画を愛する学生たちが渾身の情熱でつくったような小作品と、そのテーマ音楽のホルストの惑星が、せつなく、しみじみと、叙情感をもって、みるものの心をゆさぶり、そして感動的に、迫ってきます。
映画好きのひとにいちどは見てほしい映画です。わたしたちが日常何気なく出会うひとたちとの偶然さのもつ完璧さを深く考えさせられました。しみじみと、感動しました。
市原隼人さん、上野樹里さん、ともにベストの熱演!です。蒼井優さんが演じる、ヒロインの、盲目の妹さんは重要なアクセントになっています。彼女が盲目であることが、限りなくせつなく、心に響くラストシーンを演出しているのです。3人ともおみごとです。
06年の日本映画は佳作が多いが、唯一、「虹の女神」だけを5回繰り返してみた。毎回、すばらしい映画とおもった。青春愛、映画愛に満ちたような、永遠に忘れることのできない映画。。。秀作です。
・「蒼井優ファンなら文句なしに買いの逸品。」
蒼井優の魅力ってなんだろう。さらさらした透明感、ほんわかした温かさ、のほほんとした脱力感、うちに秘めた芯の強さ、うなじの美しさとほくろが素敵な日本的美人、ナチュラルな存在感、、、。それらの資質は私だけでなく、恐らく多くの人が感じている事だと思う。そして、意外にも3年ぶりの主演作は、正に金太郎飴の如く、そんな彼女の魅力が詰まった作品になっている。今作の主人公は、おとなしく、引っ込み思案で、友達もいない。これと言った特技も趣味もなく、“自分探し”と言われても、そんなの見つけたくないし、結局どの道自分は現実を生きていると感じている。その自信なさげで取り合えず百万円お金を貯めるとの目標以外、無為で淡々とした日常を過ごしている印象の不器用な女性なのだが、蒼井優が演じると、その仕草、表情、言い回し等が相変わらずの自然体で、それでいて、そのキャラクターが映画の中で脈々と生きているような感覚を覚える。彼女の場合、どの役柄を振られても、まず毅然として「蒼井優」が存在する。これはモチロン誉め言葉であって、演技派多いと言えども、こんな女優さんは滅多にいない。そんな彼女のきらめく才能を味わいながら、この生き方下手な女の子の成長の過程を、可笑しさと切なさを以って描いたファニーな逸品。結構へビィなお話なんだけど、なかなかどうして癒されるし、監督のタナダユキの才気も際立ってます。
・「シリーズ化 希望!!」
いよいよDVDの発売ですね。劇場で2度観て以来、再び鈴子に会えるのを楽しみにしています。蒼井優の魅力を十二分に発揮した本作は、彼女の代表作として後世に残ること間違なしです。
蒼井優さん本当に大好きな俳優です。名前だけで客を呼べる数少ない俳優。これからの日本映画を背負って立つ人。「蒼井優は天才である。実は彼女と時を同じうして生きている我々はたいへんな仕合せである」と、そんな言葉が口を衝いて出るほどです。
鈴子が旅先で出会う人たちも、それぞれが魅力的でいい味出しています。特に森山未来が演じた中島君いいですね〜。鈴子とのやりとりは思わず笑ってしまうシーンもありました。
ストーリーはどこか「男はつらいよ」の女版という雰囲気を醸し出していて、国民的映画シリーズとしてのポテンシャルを秘めていると感じました。是非、タナダ×蒼井コンビによるシリーズ化を望みます。
エンディングで流れる「やわらかくて きもちいい風」を聴いていると、またスクリーンに鈴子が帰ってくることを信じてやみません。
・「力強さと繊細さ、叙情性。蒼井優ならではの役。」
思いもよらなかった展開で、いきなり前科者になってしまった少女が、誰も自分を知らない町から町へと百万円を貯めるごとに流離ってゆきます。「自分探し?」そんなもの探したくない、探さなくても自分は今ここに在るがまま生きなければならないから。自分は逃げている。だけど、どこへ行っても人と交われば、そこに必ず何かの関係性ができてしまう。多かれ少なかれ、社会に対する現実不適応感みたいな隔意に共感する私には、とても素直に聞ける言葉でした。そんな鈴子は、多分、とても腹の据わったマイペースな強さと、精神的に線の細いものとをパラドキシカルに抱いて、社会の片隅で「やさぐれている」少女。そんな彼女の旅をエピソードを集めるようにして丁寧、繊細に描くこの映画はとても見ごたえがあり、面白かったです。たとえば、そんな彼女がある街で淡い恋をしたら?その行方は書きませんが、彼女は多分「フーテンの寅」よりも醒めていてクールです。この鈴子の役は、おそらく蒼井優以外には誰にもできないでしょうね。華奢で可愛らしいけど、何かを本能的に恐れて人を寄せ付けようとしない、人に距離を置こうとするような無愛想さ。しっかりした意思と裏腹の脆さと弱さ、そんな鈴子のすべてを、見事に演じきっています。そんな鈴子と並行するように、彼女の小学生の弟の生活が重ね合わせられ、それは最終場面でお互いが切り結ばれて、愛おしくて泣けるような静かな感動の山場をつくりだします。出演者も皆、それぞれに味のある好演ぶりです。特に桃農家に鈴子が居候する場面で、お人好しだけど、若い娘を前にどこか空気の読めない不器用な農家の息子を演じたピエール瀧、それに脇役ながらも同じ山の場面で渋い演技が光る笹野高史が個人的には好きです。あとは、いつもながらの脱力感が心地よい平岩紙がとても可愛い。
・「ほろ苦いロードムービー」
肩の力を抜いたゆるさ加減が妙に心地いい。女版『寅さん』みたいな部分もあったりします。全編にただよう肩の力を抜いたゆるさ加減が妙に心地いいです。蒼井優演じる鈴子は、不器用で他人とも自分自身ともうまく距離をとれない。彼女は、「自分探しなんて、むしろしたくない」と言うが、実は、自分と向き合うしかないとわかっているんだよね。預金が百万円になったら次の場所に引っ越すというユニークなルールも、友人や知り合いのいない土地で自分と向き合い、納得できるペースで自己再生しようとしているから...。コミュニケーションの難しさ。
淡々とした人間スケッチは小味だがユーモラスで、とりわけ、「桃娘」というキャンペンガールにされそうになった鈴子が辞退するが、辞退報告の村民集会で桃村の住人たちが彼女の態度を糾弾するまでのスケッチが面白い。そして、ホームセンターでの淡い恋。その顛末がリアル。あと、頭はいいが、学校でイジメにあう「弟」を、ヒロインの心象を語るためのつなぎにしたフラッシュバック作劇は、ありがちではありますが上手いし感動させます。
蒼井優は、ボソボソしたセリフ廻しで内向した苦虫女キャラを好演しています。彼女、決して「美人」じゃないんだよね。でも、つくづく可愛いよね。インタビューでも監督がべた褒めしていますが、あの存在感は凄いです。
・「困った顔で笑う」
蒼井優さんは、ほんとに演技が上手い。どんな役に当たっても、その人物になりきる最初からその人だったかのようにセリフを言い、あまりにも自然な振る舞いをする。本作で演じる鈴子もそうだ。 災難に巻き込まれやすいのかなんのか、ある理由で前科持ちになった鈴子は、家を出る決意をする「通帳の貯金額が百万円になったら引っ越しをする」そんなルールを決め、あちこちの街へ村へ。人とつるまない鈴子だが、行く先々で男性から好意を持たれ、ある男性と親密な関係に。しかし、たくさんの誤解をしたまま彼女はまた違う場所へ自分を探さない旅に出たのだ! 両親はとんでもない人たちだが、不仲と思われる弟との和解はちょっぴり泣ける。
ぜひ見て欲しい1本です。
●Sweet Rain 死神の精度 スタンダード・エディション [DVD]
・「2008年度邦画No.1の傑作映画」
原作が小説だと 小説版を読んでしまうと、映画とのギャップに悩まされる事は多いのですが これは原作を邪魔していません。
原作者の伊坂幸太郎さんも 「金城さんなら」と快諾したそうですが キャスティングが奇跡のように素晴らしい。 そして、脚本も素晴らしい。
元々監督の筧 昌也さんが脚本を書いていたようですが、 原作の伊坂先生にNG出され行き詰まっていた所を L change the WorLdの小林弘利さんが引き継いで完成したらしい。(「キネマ旬報」情報) 原作のセリフをできるだけ引用するかわりに 設定を大幅にいじってます。
これが、相乗効果で良くしてます。 原作小説を邪魔してないのは、この設定変更によるものも大きい。
まず、死神に指令を送る「謎の上司」が黒い犬(ディア)という目に見える存在に変更されてわかりやい存在になっています。
で、死神「千葉」を演じる金城 武さんが素晴らしい。 流暢な日本語なのにどこか違和感のある独特の存在感。
原作は6編の短編集ですが 映画版は3編を使っています。
VFX(CG合成)が嫌味なく自然に使われています。 ファンタジックな映像は見事。 そして、音楽も素晴らしい。とっても効果的に使われています。
スタッフ全員がいい方向に意見を出し合い 相乗効果で良くなった好例ですね。 全ての謎が解けるエンディングは原作にも無い名シーンです。
「止まない雨は無い」のだと。
・「メジャー邦画界に「本物」の新鋭が出てきた。」
一部映画批評家には酷評された本作。しかし「映画の文で飯を食っている輩が、一体どこに目ェつけてるんだ!?」と、俺は声を大にして言いたい。
自己流の色を明確に持つエンターテインメント性に徹した筧監督という新鋭は、今をときめく井坂作品に対しても物怖じせず、大胆な脚色をやってのけ、結果「アジアンスター」金城の新しい持ち味を引き出した。
筧監督の全く破綻のない演出術は、今後の邦画界の希望になる。それもインディーズではなく「メジャー」に出てきたことが、まさに「大いなる希望」だ。
これを批判した批評家、猛省せよ。批評に騙されて劇場に足を運ばなかった貴方、この映画がそんなにダメなのかは、自分の目と耳で、きちんと判断して欲しい。これはれっきとした「魅力ある邦画」である。バカやキワモノでは、ない。
・「■「死」を特別なものにしないということ。」
■人は、人の「死」を、特別なものにしたがる。この映画は、こうした呪縛を、すっと取り除いてくれる清涼剤のような物語です。
■今生きている人が、遠からず死を意識しても、それは、今を生きることの意味、目的を際立たせるためのもの。死神が、それを示唆するのだから、なんとも素敵なお話です。
■一つ一つの人生の現実は、痛々しくささくれたようなものであっても、それがその人の人生として織り上がったときに、例外なく、美しいと感じられる織物になっている。そのようなことを、短い時間に堪能できる、そんな映画でした。
・「“精度”の意味」
死神というのは、生きようとする人の足をやたら引っ張って生を終わらせよう、地獄に引き込もうとする存在という印象がありましたが、それを違う視点でとらえて、人間が生きることの意味合いについて考えさせてくれる作品だと思います。この作品で出てくる死神はそもそも複数居て、担当した人の死について、死なせるか生かすかの判定をする存在。金城武さん演じる死神が判定を担当した人というのが・・・。最後まで観ると、そのつながりがわかって、先に書いたようなことに気付かされ、感動してしまうという、そういう作品です。
・「この監督はイイ」
映画は2008年3月22日公開。伊坂幸太郎の作品をこの時若干29才だった筧昌也がメガホンを取っている。これが長編の初監督作品であるが、それが見事に成功し伊坂幸太郎の世界をほぼ忠実に映像化している。配役もピッタリで特に金城武の死神・千葉はイメージそのもののすばらしさだ。本作の映画化は映画化を断り続けてきた伊坂が、スタッフ側から金城が主演である条件を呈示された事で了承し実現したのも頷ける。
原作のうちの3作、『死神の精度』・『死神と藤田』・『死神と老女』を選び、相関的な繋がりをみせる脚色を施しているが、頭の中の小説のイメージそのままに映像化されたものを観ることがいかに幸せな経験かを感じることができる秀作だ。まさに監督の力量をここに感じる。
作家が1971年生まれ、監督が1977年生まれ。今後の映像化も大いに期待できるコンビの誕生ではないか、とぼくは思った。
・「瑞々しい感性キラリ」
この作品を観ずして、岩井作品ファンを語るなかれ。配役は勿論のこと、音楽の使い方、映像の撮り方に至るまで、岩井俊二の世界が凝縮されている作品。サントラもかなりお勧めです!小学生の頃ってこんな感性で生きてたなぁ、ととても懐かしく、温かく、ほろ苦く、思い出させてくれる名作。
“セ~ラ~ム~~ン!”“観月ありさぁぁ~~!”にクスっと笑った人も多いはず。
・「さよなら追憶の日々」
僕が中学生の頃の嵐の夜、この『打ち上げ花火』が放送されるのを偶然見た。記憶が定かでないが、たしか台風のせいで他の番組が休止になり、急遽代替番組として『ifもしも』が放送され、その枠でこの作品が放送されたのだった(もともと劇場用でなくTV用だった)。後日談によると、本当はお蔵入り寸前だったのを、台風による差し替えのため偶然に放送されることになったらしい。
それを偶然見た僕は、その後人生で最も好きな映画になるということに当時は気が付かなかったが、しかし夢中で観ていた。
岩井監督特有の美しい色使いの画面。短い放送時間に合うようにコンパクトにまとめられているが決して過不足のない、よく練られた優秀なシナリオ。少年少女時代特有の「ある雰囲気」を見事に演じて醸し出す役者たち。作品制作当時の「時代性」を示すさまざまな小ネタ。
この作品は、特に現在20代~30代の男性にとっては、自分にとっての「なずな」(ヒロインの名前)を思い出せてくれることだろう。
純愛系、ノスタルジック系が好きな人にはオススメ。最近の関連キーワードは、「電車男」「ぼくのなつやすみ」「セカチュー」など。
個人的には★5個どころではなく、★10000個くらい付けたい。
・「さわやかな初恋のイメージ」
誰もが経験する初恋の時代を不思議な郷愁感で描いている。このての話は、安っぽくていやになるのが多いが、この映画にはそんなところが少しもない。 なずな(主人公がほんのりと恋心を感じるヒロイン。奥菜恵)が大人っぽいような少女のような不思議な感じですばらしい。 夏の日の輝きやうつろい、なずなへのとまどい、夜の灯台までの道のり、などなど、ふりかえればせつない、あの頃に誰もが感じたことのあるいろいろな思いやイメージがよみがえります。
・「とにかく良い!」
岩井監督の作品が好きで観てみたのですが、これがいい!岩井監督らしい、子供達のリアルな描写や映像の美しさも去ることながら、子供達(実際は私より年上ですが、敢えてこう呼びます)の演技がすごい。みんなすごく自然に役のキャラクターを表現している。とくに山崎裕太君。すごい!小学生とは思えません。さすがですね。
岩井作品には大きく分けて2種類あって、それは「Love Letter」や「四月物語」に代表される、少女漫画のような淡い、胸がキュンとするようなものと「リリイ・シュシュのすべて」や「スワロウテイル」などの、クセのある、好みが二分されるようなものです。この作品は、丁度その中間地点にあるような気がします。
前者のように思う人が多いでしょうが、優しいシーンは大体が主人公の想像の部分であり、現実ではやはり「なずな」は遠くへ行ってしまうのです。彼女が母親に引き戻されるシーンは、後者の要素を思い起こさせます。
何だかよくわからないことを書き綴ってしまいましたが、少年達の無邪気さ、ナイーブさが切なく、懐かしい作品です。
やっぱり夏休みに観るのが1番だと思います。今から観て、過ぎ去る夏を惜しむのもいいのでは・・・?私はこれを観て、お祭りの花火に行ったので結構感慨・・・というか、何だか嬉しかったです。時間も短いので、さっと観れるけれどとても心に残る作品です。
・「岩井俊二の最高傑作!」
映像も脚本も子供達の演技もなにもかもすばらしい!切なくて懐かしくて・・・どういったらいいのか言葉では表現できませんが、なんかいいんです。たまたまドラマで観た時から一目ぼれしてしまいました。
子供達がこんなに自然に生き生きしてる映画もめずらしいんじゃないかな。会話が生きてるんですよね。短いけれど物足りないと思うことはありません。逆に何度でも観れてしまいますので、ほしいと思ってる方は絶対買い!ですよ。しかも、奥菜恵が輝いている最初で最後の作品です(笑)。
元々はドラマ用ですが、ワイドスクリーンではないということ意外は、映像や音楽、すべてが映画として通用します。というか、俺的には映画のなかでもベスト3に入りますね。お金を出してでも観る価値があるくらいの作品を、ドラマで流したというのが今となっては驚きです。
●クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]
・「絶望の描けない人に希望は描けない」
松尾スズキさんの舞台が好きでよく観にいっていました。初監督作「恋の門」も面白かったけれど、やっぱり原作も松尾さんのこちらの方が私にはしっくり感動できました。
松尾さんの舞台を観たときにいつも感じた、絶望とか人間のどうしようもない悲しさのなかのどうしようもない可笑しさの中で光り輝く、かすかな希望のようなもの。
いつも舞台を観るとそのかすかな希望に感動し、生きていくことに励まされました。この映画を観終わったときも、それと同じ感触で感動し、嬉しかったです。2007年の個人的NO.1です。笑いのツボもクドカンのリアクションとか、舞台観ているときと同じ感じで笑えました。
もっと松尾さん原作の映画を観てみたいです。過去の舞台のものとか。もちろん松尾さん監督で。「悪霊」とか。「マシーン日記」とか。「キレイ」も観たいけれど、映画化となると難しいかな・・
それにしても蒼井優!単にやせただけではあのオーラはでないはず!ゾクゾクしました。でも、せつなかったです。雰囲気かわいいよねみたいに言ってる蒼井優の実力をいまだ知らない人たちに送り付けたい!あぁテレビ放送してくれないかなぁ!
そして「黒い家」で観た以来の衝撃でした。大竹しのぶ。気迫、というのでしょうか。このはっちゃけキャラをここまで自分のモノにしてることにただ恐れ入ります。でも蒼井優はきっと将来大竹しのぶのような女優になるのではと一人で確信しました。
あと妻夫木くんの良さに初めて気づきました。やっぱり松尾さんの演出はすごい。
・「オススメ」
小説で読んだときはなんとなく小品という感じがしたのだが、それがこれだけのふくらみがある大きな作品になるとは。主人公の内田有紀はまさしくはまり役で、原作でイメージしたのとまるで同じ。ふつうっぽい感じだけどちょっと躁っぽいところもあって、よくよくみていくと、精神科病院に入る必然性もみえてきて、病院に入る人もまったく異質な人たちというわけではないと思わせるに足るリアリティを出す役割としてじつに自然に思えた。それでいて、ちょっと漫画っぽいキャラクターで、過度に深刻にならない感じもよい。精神科病院の先生たちのキャラクターを誇張している部分もあるので、一見、彼らを「モンスター」として描いたステレオタイプな映画のようにも見えるのだが、本質的なところでは精神科病院(と医者)を誠実にとらえていると思った。また、クドカンが天性の「面白い世界の住人」で、内田有紀のほうは、根はそうじゃないというのも、なんとなくうなずける。エンディングも、ただのハッピーエンディングではなく、あえてこうした題材を扱った映画だけあり、一筋縄でいかないこの病気の問題を示してすばらしく思った。他には蒼井優がすばらしかったが、例によって大竹しのぶの怪演もさすが。一見の価値ある映画かと思います。
・「吹っ切れた内田有紀の演技が最高」
「大人計画」の面々の映画などは何度か目にしていましたが、本家本元の松尾スズキ氏監督のこの映画は本当に面白かった。素直にそう感じました。
冒頭からのテンションを保ったまま、中盤の周辺描写、そしてラストへと、起承転結も見事。
そして意表をつく配役。りょうも最高ですが、映画監督同士が出演したり、一つで何度もおいしい映画。
その中でも、とりわけやはり内田有紀、大竹しのぶ、蒼井優、この三人の病棟内の演技がよかったですね。
宮藤官九郎はいつものテンションですが、やはり3人の女優が揃うと画面が締まる。
物語も一見ドタバタコメディ、っぽくみせていつつも、実は20代、30代の男女が感じる葛藤や不安を描いている。なかなか秀逸な作品に仕上げた松尾監督は素晴らしい。満点です。
・「一言では絶対に説明不可能な、松尾ワールド全開。」
ファーストシーンからもう目が離せない。最初のクワイエットルームのシーンから怒濤のごとく物語が転がりだす。でも、全体的にゆっくり流れている、ある特殊な空気。一言では絶対に説明不可能な、松尾ワールド全開。「恋の門」よりこちらの方がとっつきやすい方は多いのでは?内田有紀は捨て身のヨゴレ感、蒼井優ちゃんは存在感、大竹しのぶは経験が生み出すリアル感で迫ってきます。役者としてのクドカンは、やっぱりイイ!妻夫木君も、やっぱり上手い!
・「大竹しのぶ恐るべし」
地を這うようにのたうちまわっている人たちの映画です。 そういう人たちを、変に同情したり、変に美化したりせず、ある意味シビアに、でも温かく描いています。 自分は個人的な理由もあって、泣きました。
にしても、大竹しのぶ、久しぶりに見たけど、すげえな。 あの人が出ると、他の役者がダイコンに見えるから、まずいんじゃないか。 個人的には、蒼井優とか、「リリー・シュシュ…」以来のファンで、かなり高く評価してるのですが、残念ながら格が違いました。まさに「舞台荒らし」!!
・「耳をすまし、凝視する世界の「夢」」
この映画の「ファンタジー」という言葉に誤解が生じるとすれば、それは観客側の固定観念としての「ファンタジー」を見つめ直すという意味で、もっぱら自らに挑戦すべきものであるものだからだ。幾多の映画を観て、登場する主人公に寄り添い、展開される場面、心情を、疑似体験して楽しむことを期待しても提供されない欲求不満でもあるだろう。しかしこの映画を幸いに体験する観客にとって、それは映画を見るという意味の問い直し、習慣化した姿勢、概念の解体でもある。
たとえば映画を観て、楽しみ、おもしろがり、興奮し、映画館を出て行楽地から帰る時のようにぐったりし、ぼんやりし、現実の日常が色褪せて見えるなら、それはぼくらが娯楽と言う麻薬を味わったのである。
しかし「埋もれ木」を観終った後、日常の光景、できごとが、たとえば台所で皿を洗う時、皿のぶつかりあう音は生き生きと聴こえ、自身の手の動きを不思議に思うかもしれない。または蛇口から流れる水の音に耳をすますかもしれない。そこに生活の細部に気づかれずに眠っている驚きがあることを。それはなんと、ふだんの日常のなかに「ファンタジー」は埋もれていたということに気づかされる瞬間だ。デコレートされた魅力的な作り物を与えられ、物語「ファンタジー」を掘り出す力を失ったぼくらには、自らの現在の地層から、それを能動的に掘り起こす作業、決意が必要なのだろう。
この映画は「ファンタジー」を創造する能動的な力を誘発しようと働きかけるが、かといって襟をただし緊張して観なくちゃいけないということではない。それは、たとえば河合隼雄さんがクライアントに対するときの聴き手としての姿勢のように、「いわば、ぼーっと・ただ聴く・しかし身体ごと聴いている」とも表現される受動的な状態で、観客はいたってくつろいで鑑賞すべきものであり、耳をすまし静かに見つめることがただただ必要とされることなのだ。
・「「眠る男」から深化した作品」
人によってかなり意見が分かれる映画。それほど、観ている側の感覚に委ねられていると同時に、観る者のあり方を容赦なく問われる。エンターテイメント・娯楽という言葉だけが先走り、ストーリーだけでなく、そこで受ける感覚すらもコントロールしようとする映画が多く、かつそれら全てを与えられることに慣れてしまっている観衆もまた多い昨今だからこそ、とても貴重な映画である。我々の日常は決してドラマティックではなく、むしろ淡々と過ぎてゆく。この映画も、そんな日常が淡々と描かれており、それを究極ともいうべき映像美でまとめている。「眠る男」から深化したと言えるこの映像世界は、もはや他の追随を許さない。映画とは一元的に語れるものではなく、もっと広く、そして深いものだということを語りかけられているようでもある。幼稚なまでの分かりやすさが行き過ぎて、単純化・短絡化の中に映画の深さが失われていく中、こんな映画があっていい。
・「鯨が飛ぶ」
初夏の自宅で一人でゆっくり見た。クーラーをつけず 窓を開けて 網戸から送り込まれる風を楽しみながら。
「眠る男」という 筋がほとんどない映画が小栗の前作だが 本作では 更に筋が無い。一つ一つの挿話は美しいが 小栗は説明することを拒む。 但し そんなばらばらだった挿話が 最後の祭りの場面に集約されていくシーンは息を呑むような 鮮やかさである。個人的には 鯨の風船が おそらくは家具職人の亡くなった娘のハンカチを乗せて ふわりと浮き上がる場面で ちょっと目頭が熱くなった。
登場人物は皆 正しく「埋もれ木」のような人生を送っている。そんな「埋もれ木」の中を カーニバルのごとく 駱駝が歩き 鯨が空を舞う場面は 小栗が言っている「ファンタジー」そのものだと思う。
こういう映画を創っている邦画というジャンルは 世界に誇ってよいと思う。
・「傑作ファンタジー映画」
綺麗な風景の描写 映像が徹底的に美しく映画からもれでる独特の空気に圧倒されます音楽と風景がマッチしていてとても心地が良い 浅野忠信の演技もとても良かった 日本映画の素晴らしい傑作だと思います
・「ずっと見続けたい作品」
映画館で見て、あまりにも良かったのであらためて見て、結局3回見て、それでも足りずにDVDを注文しました。単に「美しい」というだけでは言い足りない、夢のように豊かな映像表現、総合芸術です。ありがちな「ハラハラドキドキ」もないし、村で事件が起きても、抑制された表現が淡々と過ぎていくだけです。なのに、ここまで心が打ちのめされる不思議。感動としか言いようがありません。
・「壁の意味するもの・・・。」
『犬童一心』監督の『メゾン・ド・ヒミコ』。 前作『ジョゼと虎と魚たち』が非常に良かったので、 昨年末にDVDで観て、すっかり気に入ってしまいました。
・「あなたが好きよ。。」
映画館で観たときに感情に身を任せて泣くことが出来なかったので、DVDを購入いたしました。
色んな評がありますが、私は好きな映画です。
「ゲイの老人ホーム」ってところにこだわらずに観て欲しいですね。誰でも人生の最期の時を理解しあえるもの同士、良い環境の中で過ごしたい。そしてここは今まで世間の風当たりを強く受けた者たちが肩を寄せ合って仲良く暮らしている彼らの最期の楽園。
オダギリ演じるハルヒコの台詞は心に響きました。愛する人が少しづつ死んでいくのを看るつらさ、苦しさ。愛する人が死んだ後も生きていかなくてはならない不条理としか言いようの無いむごさ。一人で背負うに耐え切れないから巻き添えに彼の娘を呼び寄せたのでしょうね。しかし、その娘は今自分のおかれている状況はこの父のせいだと怨みこそすれ愛していない。目の当たりにした現実が極限だったから許しや理解を超えて触れ合う親子。
・・・後は本編でご覧下さい。
観終わって、優しくなろうと思いました。いろんな人に優しくなろう、と。理解なんてできるの待ってたら手遅れになっちゃうから。
・「特典DISCがお勧めです。」
たくさんのパズルのピースをちりばめたような作品だと感じました。
つかみ所がないようで、それでいてどこか芯が通っている、そんな感じです。
きっと観た人の数だけ解釈の仕方があるんじゃないでしょうか。
オダギリさんの芝居は初見でしたが、そこに立っているだけで画になる人ですね。
雰囲気が違う。
柴咲さんは好演でした。
物語の前半から後半にかけて柴咲さん演じるサオリは明らかに変化していく様は見事でした。
一番印象に残ったのがダンスホール(?)でのシーンです。
それまでは毛嫌いしていたゲイの人の為に柴咲さんが本気で怒るシーンはグッとくるものがありました。
それにオダギリさんと柴咲さんの息のあったコミカルな踊りは必見です(笑)
特典DISCは主演二人のインタビューを含め裏話も充実しているのでお勧めです!
・「犬童一心監督、渡辺あやコンビまたしても傑作を」
一見スキャンダラスな題材、老後問題、死というシリアスな問題も含めながら、独特のエロスと温もり、そして、哀しいけど『がんばろう』という気持ちにさせてくれる。
ゲイとして家族を捨てた男、その若き愛人、そして、父への憎悪を消せない娘。この三者が、相手に対する反発と、その裏に潜む孤独を共有しながら、「いつか、分かり合いたい」と試行錯誤する...。それぞれの登場人物が自分なりに一生懸命に生きている。そうした人々に対する優しいまなざしが感じられます。
オダギリジョーは、ほんと美しい。男の私(ゲイではない)でも惚れてしまえる魅力がある。彼だからこそ、映画として成立している部分も少なくない。柴咲コウは、彼女の性格ブス(?)をそのまま活かし、色気を消す為にノーメイクどころか、ソバカスを付けたりしてブスメイクで、出演している。その仏頂面がたまりません。(笑) そういう役作りが功を奏していて、魔法少女の振り付けを披露する場面やクラブでハジける彼女が、実にイイ。(笑)
・「可笑しいけど哀しい、切ないけど心優しい傑作。」
素敵な映画である。 可笑しいけど、哀しい。切ないけど、心優しい、独特なムード漂う傑作だ。 社会の規範から逸脱した同性愛者たちが集うホーム「メゾン・ド・ヒミコ」。南欧風の洋館にシャンソンが流れ、洒落モノが溢れるその空間で、感受性強く、自らの“性”に正直な老人たちが、片寄せあって生きるその姿は、滑稽ながらも胸を打つ。 ヒミコを愛し、献身的に尽くすオダギリ・ジョーの凛々しさと、沙織を愛撫する際のそのぎこちなさから来るナイーブさ。 田中眠の、全編ベットに横たわっているか、ソファに座っているだけにも拘らず、その強靭な存在感。 そして、自らの性的嗜好で自分たちを捨てた父を嫌悪し、老人たちに微妙な感情を抱く、柴咲コウの物帳面とジレンマ感。 どれも素晴らしい。 ダンス・ホールでの、“山崎”が昔の部下たちに卑下された後、「また逢う日まで」と共に、異性、同姓問わず、長々と続けられるダンス・シーンは感動的だ。 犬童一心、名監督になったなぁ。
・「またまた記録は塗り替えられる」
例えば、箱根駅伝で二年連続快走した柏原選手が、初マラソンを走るとなると期待が高まらざるを得ないが、果たしていきなり日本最高記録を打ち立ててくれた、という感がある西川美和監督の快進撃である。
脚本の素晴らしさは言うまでもない。医療の本質に迫ろうとするだけでなく、あまり話題にならないが、鶴瓶・瑛太・八千草それぞれの微妙な親子の機敏も描かれている。俳優陣の演技もエキストラに至るまで良い。ラストシーンもほっとする。
あら探しの様で恐縮だが、敢えて減点箇所を言おう。手術直後、中村勘三郎扮する執刀医が、「危なかった、もう少しで御陀仏になるところだった。」と拝むポーズで言うシーンがある。歌舞伎の所作としては問題ないのだろう。しかし、医師が患者の家族も待つ手術室出たところで、そんなしぐさでそんなセリフを言うかな?と思った。
西川も気付いたが大役者を前に言えなかったのかも知れない。大体これ程リアリティのある映画で、歌舞伎の名優がワンポイント登場する意義を私は感じない。勘三郎は、阪本順治監督の名作「顔」でも強姦男で登場するという同様の愚を冒している。
まあ、これは100点満点が2点減点されたレベルの話だ。☆5つは微動だにしない作品である。 ▲ ページトップへ
・「西川美和おそるべし」
結論から言うと、やっぱり西川美和はすごい監督だ。脚本も自身で手がけ、揺れ動く心の奥底を鋭く描く。若干34歳の女性監督とは思えません。デビュー作「蛇いちご」は。口から出任せで生きている詐欺師とその周辺にいる人々の物語で、最後は詐欺師が逃走して終わる話でしたが、本作はヒューマンドラマであるものの、詐欺師(?)の話ではありますし、人間の善悪どちらともつかない内側を描いていますが、笑いを誘うシーンも多く、前作よりソフトな作りになっています。
回想シーンはすべて、最初に起きた失踪の謎解きとして配置されており、どんなに些細な出来事にも観客は過剰反応する仕組み。地味な人間ドラマを、エンタテイメントに変換するシナリオ構成は凄いです。そこに、人間を見る目の確かさ、女性らしい優しい視線が加わるわけで、ゆったりしたテンポだが、警察の調査などを話の間に挿む工夫もあって、2時間余はあっと言う間に過ぎます。
伊野を演じた笑福亭鶴瓶は、柔和な笑みを満面にたたえているのに、目だけは感情が欠落している。その暗黒の深淵は、全能感と不安、だましているという良心の呵責が混在しているわけで、複雑な胸中を目だけで演じる存在感が圧倒的です。研修医を演じた瑛太は、伊野の医療に畏敬の念をいつしか抱くようになるが、その本質を見抜けなかった自分の愚かさや突然の裏切りに狼狽しながら、その反面何事もなかったかのように刑事の前で淡々と話す姿とその複雑な表情は見事。余貴美子の迫力(伊野に胸の空気を抜く手術を指示する目の凄さ!)、香川照之の狡猾さはいまさらながらですが、『上手い!』と唸らされます。そして八千草薫さん。存在感だけで凛としたものがありますが、ある意味女の色気すら感じさせられた。最後の微笑みは意味深な、いわばモナリザの微笑みですかね。「責めない」ことと、「ゆるす」こととは大きく違います。それが、そのことだと思います。
・「そろそろ…」
12月に入り、そろそろ今年のベスト10を決めようかなと勝手に思って書きます。去年は「ぐるりのこと。」がダントツの1位で、2位の「おくりびと」とは大きな差がありました。そして今年、文句無しで邦画の1位は「ディア・ドクター」です。ぶっちぎりです。正直他に良い邦画はあまりなかった。結局2位はオーソドックスな話を上手に見せてくれた「カフーを待ちわびて」かな。ワーストだったら迷わず選べるんですけどね。「なんとかの花嫁」とか「るーきーず」とか。「むう」もなかなかひどかったな…
・「まさに「ディアドクター」」
抜群に良かったです…。べた褒めたいです。西川監督一生ついていきます(笑)
あーだこーだ言われてる失踪理由ですが、伊野は本来「人の命を助ける」ことが目的であったのに、娘さんが嘘を信じたことで、「人の死を助ける」ことになってしまい逃げ出したのではないかと私は思います。
祖父のことを思い出してしまったので、思いっきり感情移入してしまいました…
DVDずっと大切にします。
・「素晴らしい」
こういう素晴らしい映画を観た後というのは本当に清々しい気持ちになります。
まず、なんといっても笑福亭鶴瓶さんの表現力の豊かさには驚かされました。何種類もの笑顔を使い分けて、悪人とも善人とも思える奥深い眼差しは、この映画になくてはならないものでした。脇を固める余貴美子さんや香川照之さん、笹野高史さんもただうまいだけで無く、何気ないシーンですら印象に残るものにしてしまうような、そういう心のこもった演技だったと思います。キャスティング完ぺきです。
また、演出・構成が巧妙だなと思いました。最初の人物描写・背景・状況説明部分はぎゅっと短い時間でまとめられていて、メインストーリーへの入り方も自然で、過去と現在を頻繁に行き来しつつも混乱させることなく、謎解きのような要素を盛り込んで観る者を飽きさせないという。田舎ののどかな風景描写も実に効果的で。
西川美和さんの今後の作品にも期待したいです。
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