ゴジラ [DVD] (詳細)
本多猪四郎(監督), 宝田明(俳優), 河内桃子(俳優), 平田昭彦(俳優)
「ゴジラ映画唯一の痛みのある映画」「怪獣映画の枠を超えた歴史的名作。」「「ゴジラに光を当ててはいけません!」「いまさらそんな事言われても困ります!」確かに」「歴史的名作」「名作中の名作!」
椿三十郎 [DVD] (詳細)
三船敏郎(俳優), 仲代達矢(俳優), 加山雄三(俳優), 団令子(俳優), 志村喬(俳優), 黒澤明(俳優), 菊島隆三(俳優), 小国英雄(俳優), 山本周五郎(俳優), 小林桂樹(俳優), 入江たか子(俳優)
「優雅で上質な喜劇と壮絶な殺陣シーンの共存・・・」「望遠レンズの二作目?」「黒澤明の才能が最も感じられる一本」「極上の娯楽作品」「真剣」
仁義なき戦い [DVD] (詳細)
深作欣二(監督), 菅原文太(俳優), 飯干晃一(原著)
「ヤクザ映画の金字塔」「究極のリアリズム!」「文太さんが一番カッコよくでてる作品です☆」「記念すべき第一作」「迫力が凄い。人間の生々しい欲望を描いたヤクザ映画の傑作」
野獣死すべし [DVD] (詳細)
村川透(監督), 松田優作(俳優), 小林麻美(俳優), 鹿賀丈史(俳優), 室田日出男(俳優), 大藪春彦(原著)
「ベストパフォーマンス。」「異様な緊迫感とナルシスチックな狂気が充満するカルトな傑作。」「たけしサイコー!!」「松田優作の役者魂」「ロシアンルーレットのシーンはイイ」
しとやかな獣 [DVD] (詳細)
川島雄三(監督), 若尾文子(俳優), 伊藤雄之助(俳優), 山岡久乃(俳優), 浜田ゆう子(俳優), 新藤兼人(原著)
「天才・川島雄三の最高傑作」「その縦横無尽なカメラ・アングルを駆使しての、悪党どもの絡み合いを堪能しよう。」「川島雄三からの挑戦かも」「金欲に潜む光と影。」「本当の映画が好きな人に」
復讐するは我にあり デジタルリマスター版 [DVD] (詳細)
今村昌平(監督), 緒形拳(俳優), 小川真由美(俳優), 倍賞美津子(俳優), フランキー堺(俳優), ミヤコ蝶々(俳優), 清川虹子(俳優), 三國連太郎(俳優), 馬場当(脚本)
「名演、名演出!」「「惜しくない。俺の人生こんなもの」」「緒方拳の悪役が凄い・・・。」「おどろ、おどろした圧倒的な存在感とリアリティ。」「荒ぶる魂の行方」
白い巨塔 劇場版 [DVD] (詳細)
山本薩夫(監督), 田宮二郎(俳優), 東野英治郎(俳優), 滝沢修(俳優), 船越英二(俳優), 山崎豊子(原著)
「時代の差!」「何年・何十年過ぎようと」「財前のシャープさ」「日本映画史に永遠に残る傑作です」「二度と作れない傑作」
その男、凶暴につき [DVD] (詳細)
北野武(監督), ビートたけし(俳優), 白竜(俳優), 芦川まこと(俳優), 川上麻衣子(俳優), 野沢尚(脚本)
「正義とは暴力である」「もっとも北野武的な作品といいたい作品」「最高!!」「暴力映画の楽しみ方」「キタノマニア」
仁義の墓場 [DVD] (詳細)
深作欣二(監督), 渡哲也(俳優), 梅宮辰夫(俳優), 安藤昇(俳優), 藤田五郎(原著), 鴨井達比古(脚本)
「実録路線の極北!!」「暴力と狂乱、しかし信じたものは「仁義」!」「田中邦衛を見よ」「最凶の和製アナーキー映画!」「破滅型ヤクザの半生を描いたヤクザ映画の幕引きともいえる傑作」
新幹線大爆破 [DVD] (詳細)
佐藤純弥(監督), 高倉健(俳優), 千葉真一(俳優), 宇津井健(俳優), 山本圭(俳優)
「隠れた?名作なのか」「speedよりも、こちらの方が先なのですね。」「父親必見の作品」「新幹線は棺桶と化した!」「個人的には邦画の最高傑作!」
天国と地獄 [DVD] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎(俳優), 山崎努(俳優), 香川京子(俳優), 仲代達矢(俳優), 小国英雄(脚本), 菊島隆三(脚本), 久板栄二郎(脚本)
「前半の室内シーンも退屈させない」「山崎演じる犯人像が凄い。サスペンス映画として緊迫度ある傑作。」「「俺はこれからがいよいよ本当の俺なんだ」」「綿密に仕込まれた犯罪と映画」「超一流 」
飢餓海峡 [DVD] (詳細)
三國連太郎(俳優), 高倉健(俳優), 伴淳三郎(俳優), 左幸子(俳優), 内田吐夢(俳優), 水上勉(俳優), 三井弘次(俳優), 加藤嘉(俳優)
「はじめの30分だけでも買う価値見る価値あり!!」「サスペンス映画の最高傑作」「こんな作品も日本にはあった 」「こわ〜・・・。」「人間の欲望や哀しい性を描いた重厚な人間ドラマ。」
女囚701号 さそり [DVD] (詳細)
伊藤俊也(監督), 梶芽衣子(俳優), 横山リエ(俳優), 渡辺やよい(俳優), 夏八木勲(俳優)
「梶芽衣子の美しさ」「モーレツ」「続編発売決定!」「色褪せない 面白さ!」「観るべし」
絞死刑 [DVD] (詳細)
大島渚(監督), 佐藤慶(俳優), 渡辺文雄(俳優), 小山明子(俳優)
「68年という時代に生まれた極めつきの“反国家”映画。」「面白い」「ブラック!」「こんな映画はちょっとない」「悲惨な事件の続く現在だから・・・」
悪い奴ほどよく眠る [DVD] (詳細)
三船敏郎(俳優), 加藤武(俳優), 森雅之(俳優), 志村喬(俳優), 黒澤明(俳優), 小国英雄(俳優), 久板栄二郎(俳優), 菊島隆三(俳優), 橋本忍(俳優), 香川京子(俳優), 三橋達也(俳優)
「いつの日のどの世界でも悪い奴こそ、よく眠る」「眠れない悪い奴らは、まだ下っ端だ。」「凄い!」「ユニークな汚職告発劇です」「巨大すぎる悪」
戦争と人間 DVD-BOX (初回限定生産) (詳細)
山本薩夫(監督), 滝沢修(俳優), 芦田伸介(俳優), 浅丘ルリ子(俳優), 吉永小百合(俳優), 北大路欣也(俳優), 五味川純平(原著), 山田信夫(脚本), 武田敦(脚本)
「豪華なセット」「ようやくDVD化」「待望のDVD」「戦争はどうやって起きるのか」「当時の左翼パワーに改めてひれ伏します」
皇帝のいない八月 [DVD] (詳細)
山本薩夫(監督), 渡瀬恒彦(俳優), 吉永小百合(俳優), 山本圭(俳優), 三國連太郎(俳優), 小林久三(原著), 佐藤勝(その他)
「本作品を観たことのない方たちへ」「いいです」「オールスター勢揃い。」「小林久三の最高傑作の映画化!」「もう少しで傑作の誕生だったのに」
血を吸う箱 DVD-BOX (詳細)
山本迪夫(監督), 松尾嘉代(俳優), 藤田みどり(俳優), 黒沢年男(俳優)
「怪奇骨董玉手箱」「ジャケ買い 後悔無し」「血を吸うシリーズがDVDになるなんて」「特典とディスクを収めた箱とを分けたアイディアを買いたい」「買う価値あり」
吸血鬼ゴケミドロ [DVD] (詳細)
佐藤肇(監督), 吉田輝雄(俳優), 佐藤友美(俳優), 楠侑子(俳優), 高橋昌也(俳優), 金子信雄(俳優), 高英男(俳優), 菊池俊輔(その他), 高久進(脚本), 小林久三(脚本)
「子供には見せるな」「Q・タランティーノもオマージュを捧げた日本が誇るSF怪奇映画の傑作。」「ゴケミドロよりも怖いのは?」「コレはすごい。」
柳生一族の陰謀 [DVD] (詳細)
深作欣二(監督), 萬屋錦之介(俳優), 松方弘樹(俳優), 千葉真一(俳優)
「時代劇の最高傑作!」「怪獣総進撃!」「まちゃれ、まちゃれ」「何度見ても熱くなる傑作」「深作演出の迫力」
魔界転生 [DVD] (詳細)
深作欣二(監督), 千葉真一(俳優), 沢田研二(俳優), 緒形拳(俳優), 佳那晃子(俳優), 山田風太郎(原著)
「ダークな世界観!」「とにかく妖艶」「綺麗! 妖艶! 」「極めて真面目に作られた、東映伝奇ファンタジー娯楽時代劇の傑作です。」「パーフェクト」
八つ墓村 [DVD] (詳細)
野村芳太郎(監督), 萩原健一(俳優), 渥美清(俳優), 小川真由美(俳優), 山崎努(俳優), 山本陽子(俳優), 市原悦子(俳優), 横溝正史(原著), 橋本忍(脚本)
「市川・石坂コンビを凌ぐ出来映えに◎」「小川真由美が美しい。渥美清金田一もいい味ですが出番短すぎ。」「萩原健一の一見ぶっきらぼうのような演技とそれを囲む脇役に注目したい。」「横溝物最高傑作。」「寅さんの金田一。」
事件 [DVD] (詳細)
野村芳太郎(監督), 松坂慶子(俳優), 永島敏行(俳優), 大竹しのぶ(俳優), 山本圭(俳優), 夏純子(俳優), 渡瀬恒彦(俳優), 丹波哲郎(俳優), 大岡昇平(原著), 新藤兼人(脚本)
「野村芳太郎監督の名作です。」「流石、野村芳太郎監督」「邦画史上に残る傑作。」
TATTOO「刺青」あり [DVD] (詳細)
高橋伴明(監督), 宇崎竜童(俳優), 関根恵子(俳優), 渡辺美佐子(俳優), 西岡琢也(脚本)
「ぶった切る勇気が本物を生んだ」「異常犯罪者をするどく描写」「日本一きれいな「おばあちゃん(孫にはあーちゃんと呼ばせているとか)」の代表作の一つ」「検視医師の台詞」
太陽を盗んだ男 [DVD] (詳細)
長谷川和彦(監督), 沢田研二(俳優), 菅原文太(俳優), 池上季実子(俳優), 北村和夫(俳優)
「長谷川和彦という映像作家の資質 生きる証をつかむため」「同時代的に共感出来たシラケ世代のピカレスク・ロマンの大傑作!」「黙って観りゃあ、それでいいのさ。」「お前が殺したがっているのは」「原爆製造の場面が面白い」
● SFな夜
● 好きなもの所感2
● 本気で好きな映画
● 映画 #5
● 仁義のススメ
● 赤川次郎の映画館2(三毛猫ホームズの映画館ではありません。)
● カルトな日本映画
● 日本の特撮映画
・「ゴジラ映画唯一の痛みのある映画」
最初に見たゴジラ映画は怪獣大戦争だった。はずだが、その当時の記憶はほとんどない。リアルタイムで記憶があるのは南海の大決闘。そのときゴジラはすでに「シェー」していた。のちにテレビで「ゴジラ」を観たときはとても興奮した。とともに、子供ながらにとても痛みを感じた。母と子供がビルの影で「もうすぐお父ちゃんのところに行くのよ」というシーンや、病院で息を引き取った母親に子供が泣き叫ぶシーン。戦争が終わってまだ9年めの公開時にこんなシーンのある映画を観ていた人たちはもっと痛みを感じたことでしょう。日本という国がどういう歴史を歩んできたのかを振り返りながら観るといっそう感じるものがあるでしょう。
・「怪獣映画の枠を超えた歴史的名作。」
説明不要の歴史的名作です。画質、音響も問題ありません。特典映像は、伊福部昭のインタビュー(50分)があり、『ゴジラ』の製作秘話以外にも、他の映画人との交流の話が聴けます。オーディオコメンタリーのゲストは宝田明です。「オイ、このスケベおやじ」とツッコミ入れたくなる等なかなか話が面白いです。
・「「ゴジラに光を当ててはいけません!」「いまさらそんな事言われても困ります!」確かに」
私が生まれて初めて映画館へ映画を見に行ったとき(おそらく5~6歳)、見たのがこのゴジラ第一作だった。とある駅前の映画館でリバイバル上映されていたのを親に連れられ見に行ったのだ。
山の上からヌッと顔を出すシーンなど部分的には、未だ鮮明にあの時の記憶が残っている。最後、骨と化して消えていくゴジラには子供ながらに哀れみを感じてしまったものだ。
年を重ねてようやく、この映画にこめられた、製作者達の切羽詰ったような非常に強いメッセージ性を読み取ることができるようになったわけだが。怪獣映画等というジャンルさえ(少なくとも邦画界では)存在しなかった当時、これほどの作品を作り上げた意気込みは驚嘆に値する。それに対しいくら賛辞を送ってもそれを惜しむことはない。
ともすれば単なる“ゲテモノ”に堕してしまう性質の作品だが、監督と俳優達の非常に真摯な演出と演技は、物語の重厚さを保ち軽薄さの微塵も感じさせない。今の怪獣映画にこんなレベルは到底望むべくもない。
そうした本田監督、円谷英二氏らの挑戦は間違いなく映画の歴史を変えた。昭和29年、同時期に公開された黒澤明の「七人の侍」を抑え、常識外れの大ヒットを記録。そして現在に到る映画史に偉大な足跡を残したのである。この度この名作を改めて見直して思ったこと。ゴジラは白黒、そして暴れるのは夜に限る…。私の持論です。
・「歴史的名作」
後に数多の怪獣映画が濫作される元となる、世界的に見てもエポックメイキング的な名作としか言い様がない映画。「ゴジラ」の名前が付く映画は多いが、この第一作は、ある意味完全に切り離して考えたほうが良いような気もする。「もし、ようやく戦後から抜け出した状況の東京に、50mの大怪獣が現れた
ら?」・・・内包する反戦テーマ・シミュレーション・演出・ストーリー・映像・音楽・効果音etc.最初にして最高の完成形を作り出してしまった事は、良くも悪くもその後の日本SF映画の方向性を決定付けてしまった。海外映画界への影響力も計り知れない、日本のサブカルチャーの歴史上からも永遠に語り継がれるべき名作。
・「名作中の名作!」
すでにレーザーディスクをお持ちの方、御心配なく。このディスクを買っても損はしません! 10年前発売されたLDもかなりの高画質、高音質(50年代の映画にしては)でしたが、これはそれをはるかに凌ぐ高品質! 伊福部明の音楽、宝田明の解説を聞くだけでも、これは¥6000円の価値はあります。(もう少し安くてもいいと思うが.....)
・「優雅で上質な喜劇と壮絶な殺陣シーンの共存・・・」
黒澤作品の中でどれか一作だけを選ぶとなると、僕は随分迷った末に『椿三十郎』をあげることにしています。 この頃の三船敏郎さんの格好良さと存在感は群を抜いていて、それはこの映画においてもそうです。特に居合抜きのような殺陣シーンは壮絶で必見です。 しかし、この映画の魅力は孤高のヒーローとしての椿三十郎(三船敏郎)の格好良さにあるのではなく、全篇を通して漂う何とも言えないほんわかとした、優雅でおかし味のある雰囲気にあります。 三十郎もついそれに巻き込まれていき、「なんだか調子が狂っちまうぜ」と苦笑いしているような空気が漂ってくるのが、上質な喜劇を観ているようで楽しいです。 何度観ても飽きのこないエンターテーメント映画の代表のような作品ですね。
・「望遠レンズの二作目?」
私の個人的見解はでは「用心棒」が良くできていると思う、ラストは三船敏郎の居合い抜きがあり、子供の頃玩具で、何回も練習しました。又、化けネコ女優として評価のひくかった、入江たか子を復活させた、黒澤は偉い。
・「黒澤明の才能が最も感じられる一本」
黒澤作品の中でも親しみと笑いをもって楽しめ、最も親しみを感じられる作品。
若者達の拙速さと、人付き合いに不器用な大人の主人公がお互いを引き立たせながら、豊かな感情表現を織り交ぜて物語が展開していく。物語自体はそれ程内容が濃くないのに、時間を忘れて楽しめる作品に仕上がったのは、配役、カメラワーク、音楽、効果音に至るまで計算され尽くした結果だと思う。また、本当の意味での悪人が登場しないことも、この映画を軽快たらしめているのではないだろうか。
随所にちりばめられたユーモアがこの作品を明るく楽しいものにし、緊迫した殺陣シーンとのコントラストも示すことで、物語がテンポよく展開している。メリハリのある映画が面白い事を証明する一本。
・「極上の娯楽作品」
用心棒の続編となるこの作品は、前作の中盤から終盤にかけての悲壮感を取り除き、人が何人も斬られていながら喜劇要素の濃い作品に仕上がっている。ついつい構えてしまう黒澤映画の中でもこれほど単純に楽しめる作品はかなり異色といえる。山本周五郎原作だが、この作品の脚本、とくに台詞回しが秀逸で、役者から発する言葉ひとつひとつが含蓄に富んでいて小国、菊島、黒澤の尋常ではないセンスを感じる。また、「小林桂樹」(捕らわれた見張り役)のユーモアあふれる演技と存在感は必見で、後で知った話だが、彼には台本にはないアドリブ要素が許されていたのには驚いた。私はこのシリーズの「三十郎」が大好きで肝っ玉、技量、知恵、そして優しさが理想としている人間像にこれ程近いキャラクターを他に知りません。そして、三船さんが最も輝いて観えるのは私だけではないと思います。気楽に映画を楽しみたい時などに打って付けの作品。そして、単にアクション映画を観終えた時とは比べ物にならない充実感が得られる事を約束します。
・「真剣」
黒澤作品の中では娯楽性に富んだ作品だと思います。物語の展開、若者達のいかにも純粋な考え方、三十郎の軍師?ぶり、その三十郎を翻弄する奥方の存在等々、観ていてわくわくします。劇中しばしば真剣が使われますが、私には普段身近でないだけに背筋が寒くなるような迫力を感じました。「用心棒」の荒涼としたハードな面に対し「椿 三十郎」は、どこと無く笑いもありソフトな一面があると感じます。それは作品のおそらく時代背景にある貧富の差が有るからでしょう。私がこの作品を観た時代は今に比べ娯楽が少なく映画は数少ない楽しみでした。しかし、今これだけ色々な娯楽が有る時代ですが、黒澤作品は時代に影響されること無く斬新です。
・「ヤクザ映画の金字塔」
初期仁義なき戦いシリーズの第1作目。戦後の混乱期から始まり、ヤクザの世界でお互いの命を狙いあうにまで至ってしまった男たちの姿を描いています。
手持ちカメラを使って荒々しさや臨場感を出し、いわゆる「任侠物」に見られたような殺陣の要素も排除して、もっと生々しい徹底したリアリズムを追及しているのが特徴です。また、次々と若者が散っていく一方、狡猾な山守組長は憎たらしいながらも強い存在感を見せています。
出演者は当時の東映の豪華メンバーが揃っており、それだけ力を入れた作品だったといえるでしょう。
・「究極のリアリズム!」
この映画を母と観た時、母は思わず目を背けてしまいました。オープニングのシーンが余りにもリアルで、昔の戦後間もない頃の東京(映画では関西ですが)を思い出さずにいられなかったのです。しかしその世代とは全くかけ離れた自分にとっては、この映画は歴史的な観点だけではなく、その映像表現にしても一時も目をはなせない、息を呑む映像体験でした。徹底して手持ちのカメラでリアリティを追求し、その撮影に応えるような熱の入った俳優達の演技.....昨今の日本映画にはない迫力です。
・「文太さんが一番カッコよくでてる作品です☆」
男なら誰しもが一度は憧れるであろう「暴力」の世界をリアルに描いた作品。
鬼才、深作欣二監督の最大の名作。主演・菅原文太のカッコよさ思う存分にやられて下さい。梅宮辰夫・松方弘樹・金子信雄・渡瀬恒彦・田中邦衛等名俳優達を世に送り出した作品とも言えると思う。
戦後当時の広島ヤクザ社会における人間関係や組織の構造、
暴力社会の秩序、そして老獪で残忍な親・山守(金子 信夫)に対する主人公・広能(菅原 文太)の心の葛藤や、それでも筋を通そうとする男の生き様を見事に表現しています。男社会のいろんな立場における「人間臭さ」や「男気」がプンプン漂ってきます。それはとてもリアルに。当時(1973年)の映画にしては(却ってかもしれないが)暴力表現や
出血・殺人シーンがリアルなので、そういうの弱い人には、少し不快かもしれない。
2003年、いまでも最高に楽しめる映画のひとつです。まだ見たこと無い人は、是非どうぞ。
・「記念すべき第一作」
シリーズで一番好きなのは「〜広島死闘篇」、次に好きなのは「〜代理戦争」。理由は簡単、我が敬愛する成田三樹夫が出ているから。でも、一番面白いのはこの第一部だと思う。今までの任侠映画を全否定、リアリティを追及し、シリーズ最強にして最高、これがなければこの後の7作品(新仁義なき〜をふくむ)は存在しなかった!当たり前だけど・・。それだけをとってみてもこの作品のデカさがわかると思う。観ればわかります。
・「迫力が凄い。人間の生々しい欲望を描いたヤクザ映画の傑作」
戦後60年目の夏、70年代に夢中になった映画をシリーズで最近見ました。あらためてこの映画の持つ、力、迫力に驚かされます。60年代のやくざ映画は義理人情を描いたある種様式美の世界、これも日本人の世界です。そして、もっと生々しく、リアルに、人間の強欲と醜いヤクザの世界を戦後史とからませながら新しい世界を故・深作欣二と笠原和男がつくってれました。惜しくも二人とも比較的若くしてすでに他界しましたが、この「仁義なき戦い」というシリーズ映画は不滅でしょう。仁侠道や仁義などといっても所詮、ご都合主義、節操なく己の強欲のままに生きる、醜く、滑稽ですらあります。私も広島出身、敗戦直後に生まれ、子供の時、何回か抗争シーンを目にしています。恐ろしかった。こうした映画に広島弁はピッタリ。出演者の広島弁も聞いていてあまり抵抗は感じません。とりわけ故・金子信男が演じた狡猾な山守役は絶品でした。この第一作は占領下のヤミ市から物語が始まります。食い詰めた若者が徒党を組み、ヤクザになっていく。そして、その抗争は30年近く続いていく。広能のモデルとなった人の手記がもとになっているだけにリアリティは抜群。マフィア映画の傑作「ゴッド・ファーザー」と比較して、その違いを見るのも面白い。やはり、日本は「村社会」がいまでも残っているのではないでしょうか。政治の世界も含めて。とまれ、70年代の日本を代表する作品のひとつと断言できます。
・「ベストパフォーマンス。」
どの映画の松田優作の演技がすごいかと聞かれればやはりこの映画に尽きるでしょう。死人のような表情から醸し出される内に秘めた暴力の衝動。狂気という簡単な言葉でかたずけることのできない人間凶器。当時流行っていたデイアハンターや帰郷、ドッグソルジャーなどのベトナム後遺症映画に対する日本からのリアルタイムでの返礼。素晴らしいです。大藪小説の行間を映画化したような凄みがあります。
・「異様な緊迫感とナルシスチックな狂気が充満するカルトな傑作。」
ラストの大破綻が口惜しいものの、全編を醸し出す異様な緊迫感と、大都会の静寂にひっそりと佇む狂気を活写させた、村川透(監督)、丸山昇一(脚本)、仙元誠三(撮影)、松田優作(主演)の“遊戯”シリーズの最強カルテットによる、角川映画屈指のカルトな傑作。俯瞰のワン・カットでの青木義明と優作との雨中の死闘から、カジノ・バーでの現金強奪(真っ先に射殺されるのは、GUNマニアでテクニカル・アドバイザーのトビー門口)へと続く魅惑のオープニング・シークエンス、自慰行為で絶叫する女性を眺めながら、平然と朔太郎を暗誦する優作の冷たい眼差し、雷鳴轟く中、踊り続けられる根岸季衣のフラメンコ、そして、列車内での優作と室田日出男による、文字通り手に汗握る息詰まる対決と、観念的で、ナルシスチックなまでに研ぎ澄まされたその映像感覚は、今、見直しても、かなりイケテマス。大藪春彦の原作を、今日風に大胆にアレンジした丸山昇一の脚本が見事で、確か、公開時のパンフに記載されていた、丸山創作による“伊達邦彦の経歴書”が大層面白く、映画を観る上で参考になった気がする。今回の廉価版に、出来る事なら、是非とも添付して戴きたい資料だが、著作権の関係で無理だろうな。劇中、伊達の東大時代の同窓会に登場する友人たちの面々に、岩城コウイチ、阿藤海、林ゆたか、風間杜夫ら。どう見ても、頭良さそうに見えない(失礼!)のが笑える。
・「たけしサイコー!!」
大藪晴彦原作のこの映画は色んな俳優が主人公をやっている(仲代達也、藤岡弘、木村一八とか)けど優作バージョンは原作からかけ離れてて異色な作品になっている。はじめてみたのは中学くらいやけどその時はこの映画の魅力に気づかず優作の演技いつもとちゃうなあ、わけがわからん!くらいに思っててそのすごさをわかったのはだいぶ後になってからだった。
優作が役作りのため減量したり奥歯抜いたり演技中まばたきをしなかったりというような優作自身のすごい話はよく聞いたりするのでカットします。色んな俳優が出演してるけど優作以外ですごい役者が二人います。一人は今さっき副音声で太田光の解説を聞いて急遽ランキング入りした故・室田日出男!犯人の優作を追う刑事役の室田は終盤優作を夜行列車の中で追い詰める。そう、リップ・ヴァン・ウインクルの話をしながらロシアンルーレットする超有名なシーンです。優作の狂気の演技もすごいけど五発目の引き金を引き終わった後の室田がさらにすごい!びくっとした後に額に冷や汗がドッと流れる!多分本物の汗のように思うけど演技でそこまで出来るんか!?室ちゃんすげえ!!太田光もよう見てるな〜
もう一人のMVPはダントツの存在感を示した鹿賀丈史!もっこもこのアフロヘアーで優作の相棒のどチンピラ役を見事に演じてました。初登場シーンから飛ばしまくり!・・・ぜひ1回みてほしいです!確実に自分の中の鹿賀丈史観が変わります!確実にしびれます。
・「松田優作の役者魂」
松田優作の狂気が画面から溢れています。冷めた狂気、それにしてもあの目はなんなんでしょう。本当に人間も目ではありません。人間を超越してます。暴力でない、なんていうか、「頭で考えている狂気」が一番怖いです。その怖さは、松田優作だからこそ表現できたのだと思います。減量し、奥歯を抜いた優作の役者魂をひしひしと感じることができます。それにしてもここまで、人間は狂気になれるのでしょうか。本当の狂気とは、この作品に提示されたものなのでしょうか。うーん、考えさせられます。
・「ロシアンルーレットのシーンはイイ」
「蘇る金狼」の黄金トリオ 大藪原作、村川監督、優作主演なのだが やはり「金狼」のテンションは超えられなかったか。
優作よりも鹿賀丈史のイカレっぷりの方が キラメいています。 特にレストランでの初登場時。
1カットが非常に長い。 長回しを多用しているためテンポに欠ける。 効果的な長回しは沢山あるんですが・・・。
・「天才・川島雄三の最高傑作」
川島雄三監督。昭和37年の作品。若尾文子主演。
団地の一室を写した画面とはおよそ似つかわしくない出囃子で幕を開ける。のっけから期待大。
女衒まがいの元海軍中佐の父親、面従腹背従順な妻、詐欺師の息子と作家の愛人の娘。この煮ても焼いても食えない家族のもとで起こる騒動を、彼らの住む団地のみを舞台に描く。
狭っくるしい団地を、ベランダの格子から、茶箪笥の上から、覗き窓から、ひしめきを縫うようにカメラが入り込んでいく。その「のぞき」の視点が面白い。撮影した宗川信夫を川島が絶賛したというのもうなづける凝りに凝った、ヒッチ的な唐突さと周到さを持ったカメラワーク。 この舞台劇に適した脚本を、映画にしかできない手法で見せている。
狭い団地では、隠し事もできない。例えば、息子とその不倫相手の三谷(若尾文子)とのいざこざを撮るときも、画面に隠れる姉や母が入り込んでくる。姉の不倫相手の作家が家にやってくるときも、画面には隠れる姉の姿が映し出される。
そして、団地の一室がまるでひとつのアジールと化したかのように、若尾を中心にして、彼女を慕う男達が恥も外聞もなく醜態を繰り広げる。剥き出しの欲望がぶつかりあう。そのなかで、あくまで冷静に状況を分析し、主導権を渡さず、論破していく。近づく男を実は利用していて、自分は決して罪を被らないで財を成した若尾文子のピカレスクぶり、かっこよすぎです。
徹頭徹尾、金をめぐる人間のグロテスクな争いを描いているのに、笑いを忘れない川島雄三のセンスはすごい。そして、新藤兼人が創造した登場人物達の節回しに聞き惚れる。セックスを連呼する息子に、「ものごとをむきだしにしてはいけません」と諭す母親の粋(実はこの人物が一番イッちゃってると思う)。言葉の隅々にまで気が配られている。
ブラックユーモアの大傑作である。
・「その縦横無尽なカメラ・アングルを駆使しての、悪党どもの絡み合いを堪能しよう。」
巧い!上手過ぎる!!と、思わず感嘆してしまう、早逝で伝説の映画作家川島雄三の、とびきり奇妙で、ブラックな味わいの大傑作。団地の一世帯の限られた空間の中、縦横無尽なカメラ・アングルを駆使して、悪党どもの、人間臭く、濃厚なドラマが、スリリングに展開する。とにかく、たかだか3DKとおぼしきスペースでの、伊藤雄之助やら、若尾文子やら、高松英郎やら、山岡久乃やら、小沢昭一やら、ミヤコ蝶々やら、船越英二やらの右往左往、虚虚実実の絡み合いは、圧巻の一言だ。男たちを翻弄し、したたかに悪事を重ねる若尾文子もコワイが、貞淑そうに見える山岡久乃が、瞬時に見せる表情こそ、この映画のタイトル通り“しとやかな”獣振りを窺わせる。それにしても、川島雄三のリスペクトとして、「幕末太陽伝」や「雁の寺」のみならず、「洲崎パラダイス・赤信号」や「愛のお荷物」までもDVD化とは、角川エンタテイメントもやるじゃない!!
・「川島雄三からの挑戦かも」
観ている間にこんなにも興奮させる映画はそうそうない。役者、カメラ、脚本が一流であることはもちろんだが、なにより川島雄三の探究心が素晴らしい。今の日本から、こんな作品が生まれるとはちょっと思えない。映画人口がどんどん減っていた時代だ。戦後の復興と、映画界の危機と、新技術に対する情熱などが渦巻いた結果生まれた傑作なのだろう。駄作も大量にあった中で、何らかの点で優れた作品だけを何十年先にもこうして観られるわけだが、この映画が生まれた時代に立ち会いたかったとすら思う。スコープ・サイズでのチマチマとした密室劇…凄い毒である。スクリーンという枠の中にさらに障子やら壁やらドアやらで枠を作って枠だらけにして、上から下から思いも掛けないアングルで覗き込み、人物を追う。特に玄関のドアののぞき窓を使った演出は素晴らしかった。悪党しか出てこないというストーリーは観客を選ぶだろうが、一度はこんな嫌な思いをしても良いかも知れない。神谷役の船越英二が出色の出来。最後、悪党達はひとりの善人(凡人)の死によってどうなるのだろうか。
・「金欲に潜む光と影。」
物語は、ほぼ公団住宅の一室に限られ、煮ても焼いても食えない、曲者揃いの会話劇が繰り広げられる。伊藤雄之助、山岡久乃、小沢昭一、若尾文子などの怪演振りは見事で、可笑しくて、笑いが止らない。会話の命題は、兎に角、金、金、金である。金欲裏に常に貧乏への恐怖がある。ラストで山岡久乃の氷のような視線が我々の心を射抜く。
・「本当の映画が好きな人に」
執拗なリアリティやラストシーンに説明的で判りやすいものを望むタイプではないならこの映画は見る価値にあふれている川島雄三という監督の映像の結集とも云えるかもしれない
まず全体にドライでクールなブラックユーモアに満ちて居ることは最初の数分で理解できる団地の一室という限られた空間で真っ当に働くことをしないで生活をし続けようとする家族を中心に騙す者、騙される者が交錯し、シュールで洗練された映像が見るほどに愛着の湧く怪優たちの快演技に運ばれてまったく見るものを飽きさせない
昨今の海外の映画の手法を後追いする邦画に対して不満な若い世代や映画好きではあるものの、この映画を見落としていた大人の方には是非一度見ることをお勧めしたい
個人的には大映三部作のうちでは一番のお気に入りである
・「名演、名演出!」
「復讐するは我にあり」とは聖書の言葉ですが、緒形拳扮する連続殺人者の父親が三国連太郎扮する神父ということで、まさに人間存在の原罪をテーマに見事な作品に作り上げました。今村昌平監督としては、傑作「神々の深き欲望」以来10年ぶりの本格的な映画作品で、前作をも凌ぐ気合の入った作品になりました。相手を務める女優陣(小川真由美・倍賞美津子)がとても魅力的で、小川真由美は年齢とは別にとてもかわいらしいし、倍賞美津子は義父さんとの入浴シーンが素晴らしいです。ラストは骨になっても空から2人を見張るように、空に舞う遺骨のストップモーションで終わりますが、最後まで見る者を圧倒する演技と映像で迫ってきます。今村昌平監督、日本映画の真の巨匠でありました。
・「「惜しくない。俺の人生こんなもの」」
「どかーんと冷えちょるじゃろうねぇ、留置場は・・・」
「貴様においは殺せん。恨みのなか人しか殺せん種類たい」
「殺すなよ、榎津」
「とぉくへ・・・」「・・・はる」
20年以上たっても子供の頃の悪夢のように脳裏に鮮明に残っている場面の数々。さしたる深い動機がある訳でもなく男は罪を重ねていく。深層にあるものは父への憎しみかも知れないが、監督・今村昌平は決して断言はしようとはしていない。人間の心の暗黒部分を同じ人間が判るわけが無い、と突き放すかのように。魂の救いの手を差し伸べる慈母のような女と、その中に宿った我が子を男は自らの手で抹殺する。まるで天使の降臨を拒否するかのように。男の魂は死刑になった後も救われる事無くまさしく「どかーんと冷えた」永遠の煉獄を彷徨うのだろうか?それが神にすがっても救われない父と幸せとは無縁の妻に永遠の呪いを残す事の代償だったのか?恐るべき映画だ。「人間の業」をここまで描ききった作品は他に見た事がない。
総じて今村作品に相対するには体力がいりますが、本作はその最たるもの。未見の方は心してください。ちなみに劇中で事件当時のの映画館、と言う設定で在りし日の池袋文芸座が使われています。すげぇ、懐かしいですよ。
・「緒方拳の悪役が凄い・・・。」
公開された時に観ましたが、今回何年かぶりに観ました。この前の作品「鬼畜」で初めて悪役に挑戦した緒方拳さんは2作目のこの「復讐するは我にあり」で悪役の演じ方をモノにしたと私は感じてます。ストーリーは殺人を犯し逃亡中の犯人の76日間の東京、浜松での人間模様を描いた作品です。観察と性の深淵を描いて定評のある今村監督の実力と緒方拳、小川真由美、清川虹子、倍償美津子、父を演じる・三国連太郎。 この人達が素晴らしい演技を四つに組んで魅せてくれます。検閲でかなりカットされた場面があるそうですが、被害者の心情を慮れば相当でしょうから。当時は上映を禁止する県もあったということです。はたと気付けば2時間半近い長編なのに全然疲れないし眠たくならない濃い映画でした。 もし、完全版が出るなら観てみたい作品の1つです。
・「おどろ、おどろした圧倒的な存在感とリアリティ。」
実際に起きた事件をもとにした原作の映画化。この事件、リアルタイムで記憶しています。犯人はなぜああも必要のない、自暴自棄ともとれる犯行を重ねたのか。何度見てもよくわからない、というか想像の域を超えません。昨今と違い、この事件は当時きわめて日本社会では異質な事件だった。それはかれの家が五島列島(たしか)の切支丹で、戦後、補償金で本土に移り、温泉旅館をはじめた。父親との確執が遠因なのだろうが、それにしても突然の凶行、そして、逃亡しながら犯行を重ねていく、最後は、自分の味方で子供まで身ごもった女性を母親ともども殺害する。きわめてウエットな犯罪という意味では日本的、しかし、犯行数と手口は日本人ばなれしている。とにかく、密度の濃い映画で体力、気力を要する。映画公開時、映画を見終わったあと、どっと疲れたことを思いだす。とにかく今村昌平監督の代表作のひとつであり、傑作と言える。
・「荒ぶる魂の行方」
実在の連続殺人者を本歌取りとした、佐木隆三氏のノンフクションを今村昌平がとことん掘り下げ、人間を描ききったドラマ。幼少の頃からの非行、青年期には何度も前科を背負い、最後には何人もの人間を殺しながら逃亡を続けた人物の光と影を描く。殺人を犯しながら詐欺を続ける主人公を緒形拳が、圧倒的な迫力で演じ、その周辺を固める父親役の三國連太郎、ミヤコ蝶々、小川真由美、清川虹子、倍賞美津子らとの複雑で不条理な人間関係が濃密に描かれる。日本映画でも類を見ない重厚なストーリーの中で、あぶりだされる「生きる事の業」は観るものを圧倒する。このすさまじき世界と卓越した完成度は今の日本映画にはすっかり無くなってしまった。~居場所をなくした荒ぶる魂の咆哮。一観の価値あり。
・「時代の差!」
なんと、財前先生も、里見先生も、なんと、佐枝子さん(字あってるかな?)まで、みんな大阪弁です。これが、新しいテレビ版との大きな差です。でも、浪速大学ですから、当然大阪弁ですわな。今のテレビ版は、財前又一さんだけ、大阪弁にして、金の亡者みたいな演出を出してますが・・・。大阪弁のイメージって・・・。それから、時代の差が歴然!
財前先生の愛人役の住まいが、新しいテレビ版は、ものすごく立派なマンションで、クラゲなんか飼っていますが、こちらでは、あみだ池荘というぼろアパート。しかも大阪のおばちゃんって感じ。浪速大学附属病院は、古くて、天井低くて、昔こんな病院あったよね。手術中の患者がかぶっている帽子も、手ぬぐいだし、患者はみな着物。
財前産婦人科も、昔の産院という感じ。先生はランニング一丁だし。40年前はこんなのだったのかとちょっとしたショックを受けます。そういえば、約30年前、うちの近所の整形外科の先生もランニング一丁で診察してました。日本も裕福になったものです。時代の差を見るだけでも充分に面白い。
ストーリーは、前半のみで終了。もともと小説でも、第一審までしか、かかれていなかったのです。ここでストーリーを書くわけに行きませんが、その結果に苦情が来て、後半が書かれたのです。その前半部分のみにおいては、時間の関係で多少のカットがありますが、ほぼ、小説どおり、映画としても、傑作に属すると思います。☆5つに値します。
・「何年・何十年過ぎようと」
原作に忠実な作品。役者も然り、原作の数行の直接的な人物描写と共に、話の中で培われるそれぞれの登場人物から滲み出る匂いのようなものを、役者達に感じることができる。
財前は、教授になるまでは医局内の雑務に追われる日々。表に裏にと網を仕掛け、巧妙に立ち回っているようで、まだまだ若造、失敗もすれば若い女にも騙され、しかし余りうる外科医としての才能とチャンスに恵まれた、まさに昭和の男という感じだが、若い方にはこのあたりがギャップかもしれない。レトロでポップな昭和は現在のもので、実は汗臭く貧しかったということが。ただこの匂いこそ、この作品の魅力のひとつ。結末に満足した人もそうでない人も、観終えたら原作続編(続白い巨塔は文庫版の4・5巻です)にすすみ、もうひとつの結末も見届けて欲しい。財前が最後に選んだ道を。人がどのようにその人生を歩むべきか、何年経っても考えさせられる作品である。
・「財前のシャープさ」
東教授役の東野栄次郎に違和感を感じてしまうのは、水戸黄門のせいであろうか。田宮二郎のドラマ版に比して、財前(田宮)のシャープさ、大胆さは、ディフォルメされている。密度の濃い分、映画版の価値は高い。
・「日本映画史に永遠に残る傑作です」
これは凄い映画です。が、興行的には大失敗!これで大映は倒産へ!しかしこの映画は日本映画史に永遠に残る傑作です。なぜ?この映画がヒットしなかったのか???田宮二郎=(清二あにぃ)が大映の宣伝&スタッフに全く人気が無かったからなのです。良い役者=少なくともその映画関係者の間では良い人物ではないのです。ですから大映が命運を賭けたこの大作に無常にも田宮本人への反発から宣伝活動はほとんど行われず結果的に大失敗になってしまい、その後田宮本人も5年間という長きに渡り映画界からほされることになったのでした。じゃ~~ん!その後タイムショックでタレント復帰以降クールなイメージでこの白い巨塔もリメイクされていますがここにはあのギラギラした財前五郎はすでに消えて無くなっていました。とは言っても最近のリメイクの財前君とは比較にもならないけどね!現在ではタレント大活躍の時代で本当の意味での映画スター、このときの田宮二郎みたいな役者はほとんどいなくなってしまいました。
ヴィヴィアン・リー以外のスカーレット・オハラが、ショーン・コネリー以外のジェームス・ボンド?ゲーリー・クーパー以外のフランク・フラニガンが今では想像できないように、財前といえば田宮二郎、田宮二郎といえば財前というようにここまで文芸作品の主人公と実在の役者が一体化した例は、日本では他にないのでは?映画に戻ると、ここでは役者についてですが、競演、共演者もそうそうたる顔ぶれで滝沢修、加藤嘉、東野英治郎、田村高広、石山健二郎、小川真由美、藤村志保、下條正巳、信斤蔵etc...しかしもの凄い!
この映画は間違いなくあの「12人の怒れる男」を凌駕する日本映画の傑作です。ちなみになぜ宣伝をしなかったかって?スタッフ達の間では宇津井OO(とても良い人らしい)が非常に人気があってみんな彼を財前に押したのです。でも人のいい健さんは財前五郎のキャラではなかったのでワンマン大社長が田宮で押し切り宣伝部の反発を受けたのです。
・「二度と作れない傑作」
山本豊子の小説をうまく150分の映画にまとめている。田宮二郎、東野英治郎、小沢栄太郎、滝沢修、加藤ヨシなど、これ以上ない豪華演技陣。今の日本では、残念ながら、これだけのキャラクタを揃えることはできない。何度見ても、うなってしまう巧みな脚本は見事というほかない。
小説に沿った詳細な内容を求めるならテレビの連続ドラマ版がお勧め。しかし、田宮二郎の若さあふれる演技なら、このDVDがお勧め。
・「正義とは暴力である」
普通の刑事モノは「正義VS悪人」の構図で描かれるものだが、この映画ではそうではない。たけし演ずる刑事も白竜演ずる殺し屋も、一見、正義と悪の対決にみえるが実のところは似たもの同士である。理性で暴力を抑えることが出来ない刑事はやがて警察を去らざるをえなくなり、殺人に喜びを見出す殺し屋もその行き過ぎた行為のために犯罪組織を追われる。そして避けることのできない対決の時、元刑事をつきうごかすのは正義なのか、暴力への欲望なのか?いや、そもそも正義というものは暴力的なものなのではないだろうか?正義とは、自分が百パーセント正しいと思いこんだ状態であり、それゆえに悪ときめつけた相手には懲罰を与えることが許される、そのように考える精神状態ではないのか?それは今のアメリカとイスラム過激派の対立をみれば明らかではないだろうか。しかし暴力で「悪人」は倒せても「悪」そのものを葬り去ることはできない。やがて正義もまた悪に報復をうけるのだ、同じく暴力によって・・・・
・「もっとも北野武的な作品といいたい作品」
交通事故以前、以後で北野武の映画は雰囲気がかわっている。生臭い血の匂いのする暴力がでてくるのが事故以前の作品の特徴である。本作に見られる刑事、我妻の頻繁な暴力嗜好は、映画監督、北野武がまず取り組んだものこそリアルな暴力の描写であることの証左となる。 私は基本的にそんな枠組みで作られた本作と「ソナチネ」が好きなのだけども、とくに本作では、心に問題を抱えた妹を守る暴力刑事というキャラクターの配置が好きで、北野武は暴力を描く反面でそんなプラトニックな愛情も描くというズレに不思議な好感を持った。そのズレをうまく調和させるのに、久米大作のつくる哀愁漂う音楽も大きな役割を果たしている。 「暴力の崖っぷちに愛がつっ立っている」このキャッチコピーほど本作を的確に表現した言葉はないだろう。ビートたけし演じる我妻諒介という獣の、暴力と友情と愛。三つのテーマを感じさせられた。
・「最高!!」
北野映画はほとんどみましたが、これは1、2を争う出来です!!「人生」って無常で切ないもの。そんなモチーフです。本当に普通にありそうなストーリーが淡々と進んでいきます。
・「暴力映画の楽しみ方」
バイオレンス映画はあくまでバイオレンスなのであってアクションではない。もちろんグロテスクでもハードボイルドでもない。バイオレンス映画とは結局ヒューマンドラマなのである。登場人物が泣くところを殴っているだけだ。そのニュアンスの違いがわからず、カッコいい映画だと思ってこれを観たら失敗するだろう。なぜラストがあそこまでショッキングに成りうるかわからないだろう。そして最大の間違いはこの映画からハードボイルドを読み取ろうとすることだ。
この映画はヒューマンドラマなのだ。そこを勘違いしてはいけない。暴力は愛情以上にピュアな感情、だからこそ描く価値があるのだ。
・「キタノマニア」
ひき殺したはずの犯人が唐突に金属バットで殴りかかってきたり、犯人に向けて撃った銃弾が外れて主婦の頭を貫通したりとたけし節満載で休む毒の暇がありません。のっけからホームレスのリンチで始まりアップテンポで話が進んでいき、例によって後半から人物が一切しゃべらなくなって最後は綺麗に破滅します(笑
武映画の典型的なパターンなのですがすでに一作目からこのスタイルが確立されています。特筆に価するシーンもかなりあり、例えば、たけしが先輩の刑事にヤクザとのつながりを追求するシーンなど、会話が一切なく、二人の喫茶店での対面した絵をポンと一枚見せているだけという、そのクールな演出には凄いものがあります。
キタノマニアというものが海外に存在するというのもうなづけます。
・「実録路線の極北!!」
本作は東映実録路線の中でも暴力描写が突出して凄い。基本的に群像劇の趣がある同シリーズにあって、ひとりの若者がやくざ社会でのしあがって、破滅するまでを描いている点においては「仁義なき戦い 広島死闘編」に似ている。そしてこの二作は実録路線の中で双璧をなす異色作かつアナーキーな傑作である。
何かに取り憑かれたかのように暴力に身をまかせる、石川力夫を演ずる渡哲也が凄い。渡に無理やり犯されて、最後は病魔に冒されボロボロになっても尽して滅びていく多岐川裕美もひたすら美しい。ラスト近くでシャブを打って恍惚とする渡を、結核に冒されて死ぬ寸前の多岐川が布団の中から見つめるショットは実録路線の中でも最高に悲しくも美しく、そして破滅的なショットであろう。さらに多岐川の死後、遺骨を入れた骨壷を持って彷徨い歩き、挙句の果てに骨を取り出してポリポリ齧る渡の演技は、まさに鬼気迫るものがある。
渡が親分のハナ肇を刺して大阪に逃げたときに知り合い、以後行動を共にする田中邦衛演ずるシャブ中の尾崎も、セリフこそ少ないが最高の名演。渡にシャブを伝授する大阪の売春婦は田中登の「(秘)色情めす市場」の芹明香。相変わらずの貫禄の安藤昇や、不気味な墓石職人の三谷昇など見所実に多いです。必見!!
・「暴力と狂乱、しかし信じたものは「仁義」!」
狂犬と恐れられた実在のヤクザ、石川力夫を渡哲也が熱演した深作欣二監督の傑作映画です。
親分に刃を向け、疑心暗鬼の果てに今度は兄弟の盃を交わした兄貴分の梅宮辰夫を殺す。それも一回じゃ殺しきれなくて、ご丁寧にもう一回訪れて梅宮を再度殺す。強姦してその後無理矢理自分の情婦にした多岐川裕美と麻薬中毒地獄に陥って、多岐川は自殺。すると多岐川の骨壷を抱いて親分のハナ肇を訪れ、「おやっさん、俺に金をくれよ。組も持たしてくれ」とせがみながら、多岐川の遺骨をボリボリかじる狂気。絶対速度で破滅に突っ走る狂ったヤクザの生き様にはただただ唖然。
完全に生まれる時代を間違えてしまったヤクザは、自分の墓に仁義の二文字を彫り、風船のように高みを目指すが、その果てには転落しかなかったという皮肉に、深作欣二が自身の生き様を重ねて活写します。「仁義なき戦い」が和製ゴッドファーザーならこちらは和製「グッド・フェローズ」。これぞ深作欣二の最高傑作です。
・「田中邦衛を見よ」
この映画のすばらしさは、他の方々も仰っているとおり。付け加えるならば、ヤク中を演じた田中邦衛の不気味さ。のんきなドラマで朴訥男を演じて悦にいるのもいいが、ここでの邦衛はそんな甘っちょろさが微塵もない。仁義なきシリーズの調子で見ていたらぶっとんだ。
・「最凶の和製アナーキー映画!」
とにかく、物凄い迫力!バイオレンス!!一度見れば二度と忘れ得ない、いや死ぬまで忘れ得ないであろう、深作監督の天才的なカメラワークと出演者の度肝を抜く迫真の演技でどこまでもリアルに迫る衝撃のノン・フィクション映画である。 この映画で描かれる、実在の戦後最凶のヤクザ、石川力夫の生き様とは、かつて高倉健や鶴田浩二が演じた仁義を重んじる任侠道の世界とは180°を回りまわって540°ぐらい正反対の仁義も義理もへったくれも無い世界。 殺人、強姦、強盗、放火、覚せい剤…この映画の中で彼が犯していない犯罪を探す方が大変であり、更に自らの親分に刃を向け重傷を負わせ、自らの身を案じてくれる心優しい兄弟分まで逆恨みで殺害してしまう始末である。彼にとっては表社会の法などもちろんアウト・オブ・眼中。裏社会の掟やルールにも背を向ける、文字通り“アウトロー・オブ・アウトロー”。そのパンク度合と破滅への超特急のカウントダウンはかのシド・ヴィシャスも真っ青であろう。まさしくこの映画は真の意味でのパンク映画である! しかし、そんな裏社会からも疎まれる位の悪行ざんまいを繰り返した石川力夫が何故、最後に自らの墓に彼の人生とは全くもって無縁であった「仁義」の二文字を彫らせたのか?―深作監督は最後に大きな疑問と課題を我々に突きつけるのである。
・「破滅型ヤクザの半生を描いたヤクザ映画の幕引きともいえる傑作」
鶴田浩二、高倉健が東映を去り、深作の「仁義なき戦い」が新しいヤクザ映画の世界を切り開いたが、そのなかにあって、この「仁義の墓場」は、文字通り、正統派東映ヤクザ映画が終幕に向かう記念碑的な幕引きとなった作品のように私は感じる。実在の人物をモデルにしているが、義理も人情もなく、あるのはニヒリズムであり、アナキズムだった。その自暴自棄、破滅的ともいえる生き様を演じた渡哲也の代表作と私はいまでも思っている。渡哲也は決して上手い俳優とはいえないが、この映画での渡は鬼気迫る迫力があり、その存在感が凄かった。それだけに忘れられない。ラストシーンも壮絶だった。やくざ映画が好きな方には欠かせない一本といえます。
・「隠れた?名作なのか」
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・「speedよりも、こちらの方が先なのですね。」
とても見応えのある映画です。邦画の傑作と言っていいです.speedに真似されるぐらい、いいアイデアだったわけです。もっと、邦画が評価されていいと思います。
・「父親必見の作品」
邦画のパニック作品として珠玉の作品だろう。特に男性にお勧め。見所はまず宇津井健の「泣き」の演技。 司令室統括として、現場と捜査本部の間で板ばさみになりながらも熱く職務をまっとうするのは、(自分も含めて)組織に勤めるものとして感情移入できて、最高の配役だろう。
高倉健は全編を通じて渋くきまっているが、特に妻の回想シーンから妻子を養う立場からぐっと感情移入した。自分も15億円奪って高飛びしたいと思ったものの、最後の空港ゲートのシーンで思わず涙ぐんでしまった。 山本圭の演技も70年代の空気をほうふつとさせて今となっては懐かしい。 残酷シーンや性的シーンもないのでもちろん、家族全員で楽しめる名作なのだが、パニック映画としてとらえると、やはり90年代のアメリカ映画のテンポや構成になれたものにとっては、すこし展開が遅く、詰めが甘く思えるので、その辺は製作された時期を考慮して見るのが妥当だろう。
・「新幹線は棺桶と化した!」
乗客1500人を乗せた東京発博多行き新幹線109号に、時速80km以下になると爆発する爆弾が仕掛けられた!この映画の面白い点は、パニック映画というジャンルに入れられながら、車内のパニック描写が淡泊だという点。
何せ警察が丹波哲郎・鈴木瑞穂、国鉄が志村喬・宇津井健・千葉真一・竜雷太・志穂美悦子(笑)、犯人が高倉健・山本圭・織田あきらといった濃すぎるキャスティングに対し,乗客は藤田弓子と田坂都が筆頭という点が象徴している。もっとも実際に新幹線が爆破されるという最悪の事態を避けるために右往左往するのは乗客でなく外部の人間、そして製作がヤクザ映画の東映なのだから、犯人側と国鉄・警察側の攻防戦にドラマがシフトしていくのは必然か。
とはいえ、当時の社会世相を反映した犯人!の喜怒哀楽が描き込まれ、この辺はさすが日本映画と思わせる。娯楽映画ながら、骨太な物語性を貫いた脚本の出来が出色。この点を勘違いして、パニック描写に絞り込んでドラマ部分を削り落としたフランス公開版「スーパーエクスプレス109」が今ひとつなのは当然か(これも映像特典として収録して欲しかったねぇ)。
この後東映はSFやオカルトブームの取り込みに失敗するが、少なくとも本作に限ってはパニック映画というジャンルを日本映画にきれいに取り込んでいる。悲しく、そして余韻のある犯人達の最後は一度観たら心に残り続けるでしょう。
・「個人的には邦画の最高傑作!」
かなり昔に、深夜TVで見たときの興奮を今でも忘れません。昭和50年で、ここまでの作品を作れた日本映画界は、今日、映像技術は進歩したとは言え、内容の方は、この作品から進歩がないと感じ取れます。ホントに素晴らしい作品です。是非ご覧ください!!
・「前半の室内シーンも退屈させない」
特急こだまの車内シーンが有名ですが、実はこのシーンに切り替わる前の室内シーンが結構長く、カメラが権藤邸からほとんど出ないにもかかわらず、画面に引き込まれてしまいます。いつもは動きで魅せる演技の三船敏郎の本品での静の芝居は素晴らしい。株購入資金と身代金を巡る会社重役や三橋達矢、そして香川京子演じる奥さんとの丁々発止のやりとりもサスペンスを感じさせる。 後半の犯人追跡の部分は、仲代達矢の切れ者警部と山崎努の犯人役の存在感に圧倒されるが、多くの指摘があるように後で冷静に考えると、犯人逮捕のためとはいえ警部の捜査方法はやややりすぎなのですが、観ている最中はそんなことが気にならないほど夢中になってしまう。 この当時、仲代達矢はまだ30歳代のはずですが完全に「男」の顔付きになっている。今の俳優は若く見えるが、逆に40歳すぎてもなんとなく子供っぽい顔付きで幼くみえてしまうため、実年齢の役を演じることが難しくなっており、特に時代劇や歴史ドラマでは違和感が大きく落ち着いて鑑賞できず、最近、邦画は古い作品を観ている時の方が何かホッとする。
・「山崎演じる犯人像が凄い。サスペンス映画として緊迫度ある傑作。」
天国と地獄、言うまでもなく金持ちと貧乏人の世界を比喩しているが、幼児誘拐事件の犯人と被害者、そして、警察との息詰まる心理劇を描いたサスペンス映画の傑作だが、営利誘拐事件で、もっとも犯人にとってリスクが高く、警察にとって逮捕するチャンスは身代金の受け渡し時なのだが、この映画の犯人は知能犯で捜査陣も予期できない方法でまんまと身代金をせしめる。特急こだま号をつかった犯人の手口は、捜査陣だけでなく、映画を見る観客をもあっと驚かす。この映画が制作されたのは1963年、東京オリンピック、新幹線ができる前年だった。いまと比べれば、まだ貧しかった。自家用車、冷房、海外旅行、そんなことは金持ちか芸能人の世界で庶民には関係ない、そんな感じだった。いろんな見方ができるが、私はこの作品で犯人役でデビューした山崎努に強烈な印象を抱くとともに、この素晴らしいキャラクターの俳優のフアンになった。犯人は街病院の勤務医だが、被害者と目と鼻のところに住んでいる。高台にある被害者の豪邸と湿気の多い低地の粗末な木賃アパート(これも死語になりつつあるのかな)に住む犯人。動機はなんなんだろう。いずれにしろ、犯人は確信犯で、逮捕後も強がりを見せる。しかし、最後にはやはり彼も弱い人間の1人であることをあらわにして、彼は号泣する。とにかく、この映画での山崎努の演技は素晴らしかった。サスペンス映画として優れているというだけでなく、黒澤監督らしく、人間を描く、とくに犯人の描き方に感心もし、それがこの映画をより魅力的なものにしている。
・「「俺はこれからがいよいよ本当の俺なんだ」」
なんと、すばらしい台詞だろう。「俺はこれからがいよいよ俺なんだ。」黒澤映画の中の三船敏郎はいつだって、とびっきりかっこよい。時代劇でも、現代劇でも、まさに男がほれる男である。私も、自分がピンチに陥った時、人生の壁にぶつかった時、この三船の台詞を思い出し、自分に言い聞かせるようにしている。そして苦境を乗り越え、再度自分らしく歩いていこうという気持ちになる。そういう意味で、本当に見終わった後に人生が変わるかもしれないほどの影響力を持った、黒澤明監督の傑作サスペンス映画。始まって1分目からもうおもしろい!尋常ではない。
・「綿密に仕込まれた犯罪と映画」
黒澤明という監督は愛や人情を主題に物語を創ると、「わが青春に悔いなし」、「赤ひげ」、「まあだだよ」などなど、単なる紋切り型のLOVEPOPな努力論やら農本主義に終始してしまう。それでも人間愛を描き続けたということは評価したいが、どうしても黒澤監督は人情を描いて小津監督の様にスンナリ観客を感動させるタイプではなかったように思う。
そんな黒澤監督だが、人間の苦悩や恐ろしさ悪知恵や天才的な遊び心を備えた超人などを描かせると右に出るものはいない。「羅生門」、「七人の侍」、「椿三十郎」、「隠し砦の三悪人」などと同様に、いやむしろ秀でて本作ではその強烈さやキメ細かさ、大胆さ、男のカッコよさ厭らしさが物の見事に描かれている。
首謀者は山崎努、ターゲットは三船敏郎、捜査隊長は仲代達矢、そしてそれらを取りか囲む実に芸達者な面々のさり気ない怪演。そして黒澤監督の鬼気迫る物語の運びや、大胆なカメラワークにて、2時間20分という長篇をまったく退屈することなく釘付け状態で終始することが出来た。黒澤明は本作の原作をアメリカの小説から引っ張ってきたらしいが、この上なく上等に演出し切っている。
久しぶりに文句無しにパワフルな傑作を観たという感で、とっても嬉しい気分になってしまった。また60年代の横浜をはじめ、湘南海岸線の景色が悠々と写し出されていて感動だった。例の如く、三船敏郎も仲代達矢も、そして若かりし頃の山崎努もカッコいいしね。香川京子もとっても綺麗。
余談ですが、警察の事件の捜査方法をここまで詳細に描いた日本映画は稀ではないでしょうか。
・「超一流 」
銃撃戦とカーチェイスばかりの昨今の刑事物とは大違いの本格派。犯罪は時代を映す鏡であり、時代の色を決めるのは人間だから、真剣に取り組めばこの「天国と地獄」のような鬼気迫る人間ドラマになる、のは考えてみればあたりまえだろう。この映画で山崎努を初めて見た時、日本にもこういう屈折した役者がでたか、と驚いた。そのエリート意識と綯い交ぜになった劣等感、鬱屈した青春像は欧米の映画ではよく見られたが、日本ではなかなかお目にかからないものだった。この山崎努をはじめとして、黒澤さんのスタッフえらびの慧眼には驚く。この人の作品でミスキャストだと思った記憶がない。カメラも黒澤さんの第2の目のようだ。この映画を見ると、映画自体の出来のよさはもちろんのこと、超一流のスタッフが火花を散らしながら働いている現場の熱気までもが伝わってくるようで、ぐぐっと感極まってしまうのだ。
・「はじめの30分だけでも買う価値見る価値あり!!」
開巻から30分、あなたは、目を疑う凄まじい映像に目を見張るだろう。これが映画?と思うような、圧倒的な迫力。きっと、あなたにとって永遠に忘れられないビジュアルショックになるだろう。
題名が地味だからって侮っていると、絶対損するぞ!!「戦争と人間」(山本薩夫)とともに、もっと語られて欲しい日本映画の力作だ。
・「サスペンス映画の最高傑作」
素晴らしいです台風が津軽海峡を襲い連絡船が沈没しかし収容した死体が乗客名簿より二名多かったことから始まる大サスペンス こういう話を思いつく所自体が素晴らしい話の展開もとてもリアルで3時間もあるんですけど話が面白くてどんどん引き込まれます時間をまったく感じないし古臭さも全く感じない 正にサスペンス映画の最高傑作
・「こんな作品も日本にはあった 」
久々に見て圧倒されました。八重が犬飼に感じた気持ちは、およそ女が男に持ちうるもっとも強い感情でしょう。その感情には大金をもらって苦界から一時的とはいえ救ってもらった感謝と、男という性を持つ犬飼への動物的な執着と、そしてこの男の身を案じる姉のような愛がある。この三種類の感情は10年の間、彼女を一時も去ることはなかったと思います。そしてそれはいつの間にか彼女の生きる証しのようなものになっていったと察せられます。おそらく八重はたとえ自分が地獄の業火で焼かれることになっても、犬飼を「売る」などということは金輪際なかったに違いない。悲しいかな、犬飼にはたった一度の関係で女というものがそこまでの気持ちを持つことができるなど想像だに出来ないことだったのでしょう。彼女が「犬飼さん」といって現れたとき、犬飼の目にはこの無垢な女の顔が地獄からの使者のように見えたことでしょう。 この作品は「人間の業」を描いた名作として名高いですが、私が今回感じたのは強烈な女の性です。そしてそれを描ききった水上氏、内田氏、そして左幸子には畏敬の念すら覚えました。 それにしても本物の人間が登場する邦画を見るには、昔の作品をチェックしなければならないことが多い現状。寂しいかぎりです。
・「こわ〜・・・。」
とにかく怖い!「やっぱり犬養さんだっ!!」のシーンで鳥肌が立ち、ラストシーンでは思わずのけぞっちゃう。ある意味、凡百のホラー映画が、束になってもかなわない怖さ。もちろん恐怖映画ではありませんが、人間の業・弱さ等が絡み合った、おぞましいまでの展開が頭に残って離れません。また、伴淳さんの名演も光り、まさに日本映画史上屈指の名作と言えるでしょう。後に残る映画って以外と少ないもんですが、この映画はいつまでも心に残ります。いい意味でも悪い意味でも(笑)
・「人間の欲望や哀しい性を描いた重厚な人間ドラマ。」
私はリアルタイムで観た世代とは程遠いのだが、現在でも見応え十分の傑作。何と云っても、左幸子がいい。あの時代、女一人が生き抜いて行くには「何かに縋らずには居れない」という悲しい娼婦役を見事に演じている。“爪”でもだえてるシーンは、鳥肌もの。ただ後半、主人公(三國連太郎)を刑事役の伴淳三郎が追い詰めてゆくのだが、ここの緊迫感が足りない。また、迷宮入りになりかけていた事件に対して、わずかな推測のみでを強引に解決してしまった印象を受けた。前半が凄く良かっただけに残念。しかし、3時間をものともしない作品をつっくた事に敬意を表して★5つ。
・「梶芽衣子の美しさ」
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・「モーレツ」
執念凄みの一本、確かに年代もので、大道具なんかも少しさめてみてしまう場面もあるが、なにせ梶さんの女優魂ここのありとしらしめた最高傑作です。台詞があまりないが目で語っている・・・ビューティーお宅の私もお墨付きな最後の装いがグッドですね
・「続編発売決定!」
待ってました!
待望の続編。第41雑居房が発売されますね。早速予約です。
・「色褪せない 面白さ!」
さそり 第一作目。梶芽衣子の魅力と舞台をミックスした伊藤俊也監督の演出が 大成功した作品。食わず嫌いせず、観てみてください。万人向けの面白さです。
・「観るべし」
梶芽衣子のあの冷たい感じの美貌が最高です。彼女の鋭い睨みにもうクラクラです。是非観るべし! 同じタイトルのリメーク版の女囚さそりとは比べ物にならないナミの妖艶さ。斬新な映像手法もすばらしい。女囚さそりシリーズのすべてがDVD化されることを切に願っております。
・「68年という時代に生まれた極めつきの“反国家”映画。」
デビュー作の「愛と希望の街」以来、一貫して“国家”を撃ち続けてきた闘う映画作家大島渚の作品群の中でも、極めつきの反国家映画。絞首刑ならぬ、絞死刑というタイトル名が示すように、実際に起こった事件をモチーフに、「死刑制度」、「在日」、「想像力と犯罪」、「性」そして「天皇制」にまで踏み込んだ尖鋭的な作品だ。死刑場から受刑者が刑を執行されるまでの“最期の一時”をルポルタージュ風に追った冒頭の導入部が凄い。以下、大島映画らしい観念的、論理的、官能的なイメージが蔓延するが、今作が極めて魅力的なのは、刑を執行したものの失敗、心神喪失状態の死刑囚を正常な罪の意識を持った状態にしてから、再度刑を執行しようと右往左往する立会いの役人たちによるブレヒト的なブラック・コメディの部分であって、哄笑しながらも、作品のテーマに向かい合わされ、喉元に刃を突きつけられた気分になる。一方で、小山明子扮するジャーナリストが語る左翼教条主義的な部分は退屈この上ないが、、、。ATG1000万映画(ATGと製作側が折半して資金を出しあう方式)の第一作として、低予算を逆手にとった美術監督戸田重昌のアバンギャルドなセットも見事。自己を取り戻したRが、国家の象徴である検事の小松方正と対峙するラストでの、「人を殺す事が絶対悪なら、法の名の下に人を殺す(死刑)のも、国家の為に人々を殺す(戦争)のも、絶対悪だ」との論理は、強引ながらも、68年という“変革と喧騒の時代”当時の作り手たちの熱い高揚が感じられる。なお、特典で観られる、本編より直截的に国家を糾弾、挑発する過激な予告編を撮ったのは、本編でも刑務課長役で出演していた映画監督足立正生。彼は、後に日本赤軍に身を投じた。<br />
・「面白い」
最初、死刑場がBGM無しで、延々と紹介され、静かに恐怖感が迫ってきます。そして死刑・・・
その後が面白い。吉本新喜劇でも見てる気分になる。ブラックユーモアとはまさにこの作品ではないだろうか。
・「ブラック!」
こう言う作品はメジャー五社では決して作れ無い傑作です。朝鮮民族差別、死刑制度問題、官僚などの無知、無責任ぶりなどが、寸劇的にブラックユーモアたっぷりに描かれています。これは、現在の社会にも通用する問題。大島渚は封建制度の日本が、アメリカ民主主義が浸透して行く過程で起こる矛盾、そして民主主義さえも何の解決もせず、崩壊するであろう事を提言しています。
・「こんな映画はちょっとない」
タイトルの印象から観るとまったく違った感想を抱く。国家という制度に、そして罪と罰について鋭く差し込んだ映画だが、ブラックユーモアに包まれた見せ方が演劇的娯楽性を持っていて単純におもしろい。映画でこんなアプローチをするのは絶後ではないかな?二十歳くらいに観て、友人に「おもしろいから!」と連発していたのを思い出す傑作。
・「悲惨な事件の続く現在だから・・・」
実際はかなりのブラックユーモア。
映画後半、主人公の姉役と主人公との会話のシーンはバーチャルな世界と現実の狭間で悲惨な事件が起きている現在の状況や、韓国・中国との歴史認識の問題等、それらを解く鍵を充分に提示していると思う。
こういう現在だからこそ再認識して、もっと取り上げて欲しい作品。
・「いつの日のどの世界でも悪い奴こそ、よく眠る」
善と悪、どのそしていつの時代の社会にもある、悪い=巧みな奴。癒着、共謀、自己保全、策略、得意な奴はいつの日にもいるものだ。政治にしてもローマ時代からすでに腐敗との共存共栄関係だった。悪い奴は時代が変わろうが、結局なくなりはしないのだし、いつも善と悪は隣り合わせにあるものなのだろう。しかし、本作品の結末は悲しいすぎるものだ。これが宿命なのか。黒沢の世界観とはこれなのか。それとも、善とは追い求めることであり、いつもほんの少しの距離で手の届かないものなのだろうか。または、それに向けて手を伸ばそうとする営みが、善そのものなのだろうか。明らかなのは、悪があるから善があり、善があるから悪があることではないか。この映画の素晴らしいのは、エッジが立ちすぎるほどの登場人物の”立ち方”や、突き刺さるようなストーリー、迫真の描写と息を飲む展開であろう。画像の質やら映画自体が古いことなど、全く評価の圏外になってしまう。すぐれたコンテンツは画像の質ではない事の証明だ。まさに時代を超えて視聴されるべき映画で、ハリウッドの本場、アメリカでは評価が抜群に高いのであるが、日本ではなぜか過小評価にとどまっている。残念だが、宣伝広告の有無が日本の消費者の評価に影響を与えているのは、疑いがないだろう。広告に踊らされず、本当の価値のある作品を評価する風潮が高まり、本物の作品ほどよく眠る、ことがないことを願いたいものだ。
・「眠れない悪い奴らは、まだ下っ端だ。」
昭和35年、40年以上も前の現代劇ですが、今でもそのまま通用しそうな内容です。 悪い奴らには、階級があり、下の方ほど、夜眠る暇がなく、上の方ほど、よく眠れる。 後始末の為に、夜を徹して動き回っていた悪い奴が、朝になって親玉に電話報告し、つい『おやすみなさい』と言ってしまう。そんな象徴的な場面が、最後にあります。
悪と闘う為に、悪になろうとして、悪になりきれず、利用しようとした女に惚れてしまった主人公。自分の娘を利用して、身を守った悪。 勧善懲悪ではない、現実の世界を描いた作品で、カタルシスも感じられないので、ご注意を。 DVDを買うなら、『生きる』や『隠し砦の三悪人』など、他の7作品とセットになった『黒澤明 : THE MASTERWORKS 3 DVD BOXSET』の方が、割安なのでオススメです。
・「凄い!」
今、自分の中で黒澤さんブームが起こっていますが、これも上位に挙げていい作品だと思います。これは、驚きました。監督さんがこんな映画も創られていたとは。日本映画にこんな凄い人がいたんですね。いや~声にもなりません。魂消た。これが芸術作品、離れ業…、形容しがたい。 まず、その演出力です。監督も出演人も玄人の域に達したのか、その演技が流れるほど完璧です。カメラも計算されつくしたようで…、当時かなり余裕たっぷりに撮ったと思います。完璧です。振り返れば、これだけのものが創れるのも黒澤監督の黄金期。この創りのよさはなるほどなぁ~と妙に感心してしまう。 このような黒幕を暴くような映画は過去にもありますし、ストーリーにそれ程驚かされることはありませんでしたが、これほどのテーマにしてぎこちなさが全くない。自然に撮影して、こうなったよ、というか全身の力が抜けてくるような感じがします。これは相当の力がないと描ける代物ではありませんね。 人間、嫌な者でどこか変なとこを突きたくなるのも心情。しかし、この映画には見当たらない。完璧だ。 こんな映画、ハリウッドでありましたか?いえ、この手の話によるものは多い。しかし、この演出力には到底及ばない代物ですよ。こんな凄いものを観てしまうと、ハリウッドの所謂告発物と呼ばれる作品が、オーケストラの大音量ばかりに頼っているちんけな代物にしか思えなくなるぐらい完璧です。 現代の作家やジャーナリズムが少なくとも黒澤映画の影響を受けているとここで確信するほど。黒澤さんの作品って、『七人の侍』『用心棒』『生きる』が代表的ですが、こんな地味目の作品も、こうも淡々と描かれているとは、開いた口が塞がらない(サスペンス物は本来地味だが)。もしかしたら、駄作がないのではないか?全く持って奥が深すぎる。しばらく考えてしまいますね。 誰しも持つ皮肉な運命の恐ろしさ。これは第1級のサスペンス。誰が本当に悪いんですか?
・「ユニークな汚職告発劇です」
汚職を告発する映画なのですが、主人公の復讐を軸に展開するストーリーが凄くユニーク(独創的)で面白い。水爆実験に対する意義申立「生きものの記録」もそうですが、黒澤組は一般人とは何か発想が違うようです。映画の構成・撮り方もいろいろと工夫が凝らされていて面白い。本作は黒澤映画としてはあまり人気がないようですが、面白い娯楽作としては、もっと上位にきてもいいのではと思います。徹底して純粋無垢なキャラクターの香川京子さんが可愛く哀れで涙を誘います。あと特典映像の出演者たちの話が面白く、西村晃さんの話(音声のみですが)には爆笑必至です。
・「巨大すぎる悪」
この映画には悪という存在がとても忠実に表現されています。巨大な企業のトップに君臨する男は、まるでそれがひとつの仕事かの様に、自分にとって不利な者たちを次から次へと死に追い詰める。しかもそれを自分の部下にやらせ遠回しにプレッシャーをかけて、確実に実行させる。この映画を見るとまるで善良な人間は上へはいけないのかと、錯覚してしまいます。「悪い事をして夜眠れなくなるのは、まだ半端な悪だからだよ」と悪を悪と認識しなくなった時、人はぐっすり眠っていくのでしょうか
・「豪華なセット」
値段が高かったので、正直買うのはかなり躊躇したが、商品が到着して驚いた。資料やインタビュー満載の分厚いブックレット、内容盛り沢山の特典ディスク。しっかりデザインされたジャケット。LD-BOXからの転載も多いみたいだが、手抜きのない重装備ぶりに、発売する側の、仕事以上の熱意のようなものを感じた。さらには、サントラCD付きと聞いて、てっきり、劇場公開時に発売され、現在CD化されていない「LP」の復刻盤がついているものと思っていたら(それはそれで聴きたかったが)、なんと3部作の主要なBGMを網羅した特製のサントラCDだった。モノラルだが、音質はクリアで各管弦楽のパートまで良く聞き取れる。計5つの劇場予告編(特報なども入っていて貴重)は、めったに見られないし、2005年に収録した1時間以上の出演者インタビュー(高橋英樹のロシアロケ話やカットされたシーンの話、幻の旧3部の台本話、三国連太郎の監督の絵コンテを現場で破いた話など、撮影現場エピソード満載)や、出演者・関係者の寄稿文やコメントは興味深い。またVHSビデオでは見づらかった字幕が、今回デジタルリマスターによって鮮明に見えるし、表示位置も違って見やすい。休憩時間の黒味も、フィルムの傷がチラチラ見える所をそのまま収録してくれていて映写機をかたかた回しているみたいでうれしい。デジタルリマスターといっても、オリジナルのフィルムは退色しはじめているが、音質はかなりクリアである。欲を言えば、公開当事のプログラムやポスターの写真(イラスト)も収録してもらえれば記録としては完璧だったのではないだろうか。外国語字幕ON/OFF機能付き。
・「ようやくDVD化」
BOX化という事で初回限定生産。LD-BOXも豪華な感触がありましたが、やはり、調法なDVD化を待ち望んでいた一人であります。今更、映画解説など必要もないので、ひとつだけ・・第二部、言わずと知れた地井武男の出世作であり、当時、この人をあまり知っていなかった人たちは、ほんまもんの朝鮮人じゃないかと思ったはず。第三部終了ですが、実際は五代家の崩壊を東京裁判まで描く予定だったらしいですが、それ思うと残念ですね。
この初回版には、佐藤勝先生の「戦争と人間」のサントラCDが付いているらしいです。(凄いね)オークションで取りそこねた方には、うれしい限りでしょうね。それと、何やら興味の沸く地図なども付いているらしいです。
・「待望のDVD」
ついに山本薩夫監督の「戦争と人間」がDVDになる。そのキャストを見ると、豪華さに驚く。 滝沢修(伍代由介)、芦田伸介(伍代喬介)、高橋悦史(伍代英介)、浅丘ルリ子(伍代由紀子)、中村勘九郎、北大路欣也(伍代俊介)、吉永小百合(伍代順子)、二谷英明(矢次憔夫)、高橋英樹(柘植進太郎)、三國連太郎(鴨田駒次郎)、高橋幸治(高畠正典)、松原智恵子(高畠素子)、石原裕次郎(篠崎書記官)、田村高廣(不破学)、加藤剛(服部医師)、山本学(白氷祥)、地井武男(徐在林)、岸田今日子(鴻珊子)、栗原小巻(趙瑞芳)、丹波哲郎(大頭目)、山本圭(標耕平)・・・。 日活は、石原裕次郎や吉永小百合の主演する映画で稼ぎ、そのお金をこのような大作の製作に注ぎ込んだ。監督も、俳優も、その情熱に応えた。日本の映画界が、健全だった頃の作品だ。 第一部は、芦田伸介と三國連太郎が中国で暗躍する中、日本と中国が決定的に対立するまでを描く。第二部は、浅丘ルリ子と高橋英樹のロマンス等をはさみながら、戦争が人間を切り裂く様を描く。第三部は、北大路欣也の親友山本圭と吉永小百合の命をかけたロマンスの一方で、芦田伸介は関東軍に利用されるだけの存在となり、戦争が泥沼に突入する様を描く。 「公益」と「私益」を比べれば、公益が優先される。それが日本の昔からかかっている呪縛だ。その呪縛は、今なお続くのではないか。そして、関東軍は、「数字ではなく精神だ」と言い放つ。 私は、随分、長い間、この作品がDVD化されることを待っていた。待望、という言葉がふさわしい。
・「戦争はどうやって起きるのか」
戦争と人間がDVD化されていたとは、驚きと喜びで一杯です。大体どこのレンタルビデオ店にもあるこの作品、1部につきビデオ2巻全部で計6巻もあることや、タイトルが堅苦しく内容が難しそうなことなども手伝って、手に取る人も少なかったのではないでしょうか?私自身、面白いという噂を聞いて恐る恐る第1部だけ借りて見た所、キャスティングの豪華さ、ストーリーの面白さ、テンポが速く無駄のない演出、、、と一気に魅了され、すぐに続編を借りに店へ走りました。山本薩夫監督は意外と知られていないようですが、実は戦後のキネマ旬報ベストテンに20作品も入選させている歴代第5位の巨匠です。最近のユルイ映画を見慣れている人は、彼の作品のスピード感(と台詞回しの早さ!)に始めは驚くはず。しかし、これに慣れるともうやみつきです。
山本監督の自伝に確かこのようなことが書いてありました。「戦争映画と呼ばれている米映画など殆どの作品は『戦場映画』である。私は『戦場映画』ではなく、戦争とは如何なるものかを問う映画を撮りたかったのだ」(抜粋ではありません。詳しくはお近くの市立図書館で山本薩夫『私の映画人生』をお読み下さい)
唯一残念なのは、第3部の最後で尻切れトンボ感が否めないこと。というのも、この映画は元々第5部で完結させる予定だったのが、映画会社の予算の問題で急遽第3部完結にせざるを得なかったのです。なので、悔しいですが続きが気になる人は五味川氏の原作を読みましょう。
ちなみに、第2部は山本圭+吉永小百合、高橋英樹+浅丘ルリ子、北大路欣也+佐久間良子、加藤剛+栗原小巻ら、戦争下の恋愛もサブテーマにしています。
この映画を観て、戦争とは何かを今一度深く考えてみてはいかがでしょうか?私はこの映画で知ったことが沢山ありました。(注意:本当にスピード感があるので、この頃の歴史に疎い人は『新しい歴史教科書』以外の歴史教科書必携です。)
・「当時の左翼パワーに改めてひれ伏します」
山本圭さんが演じる登場人物は獄中で、高熱に倒れた同士の熱を冷ますために自分の手をコンクリートの壁で冷やしては同士の頭に当てることを繰り返します。その壁には「反帝」の落書きが書き殴られています。圭さんは徴兵で大陸に行き、上司の命令で中国人を銃剣で指すように命じられますが、殴られても殴られてもそれを拒否します……。心ある批評家は公開当時からすでに、「こんなきれい事は、あの戦争当時はあり得なかった」と書いていました。それはそうでしょう。当の山本薩夫監督でさえ、戦時中はPCL(東宝の前身)で戦意高揚映画を作らされていたのですから。しかしその反省があったからこそ、戦後は徹底した反戦・反帝・反権力の姿勢を貫いたのだ、ということも忘れてはならないでしょう。倒産直前の旧日活から、日活労組と左翼独立プロ系映画人ががっぷり四つに組んで生み出したのが、この歴史的な3部作です。第3作目は旧ソ連軍の全面協力を得て、実物の戦車と飛行機を動員したノモンハン事件の一大再現も慣行されました。未だ、大資本がよってたかっても、このスケールとパワーを超える戦争映画は日本からは登場していませんし、それほどまでに当時の左翼パワーのすごさをかいま見せられる映画です。そして何より、今日ほど右傾化した世の中になってくると、戦争総体を(細部の間違いはこの際、あまり重要ではないでしょう)この映画ほど批判的に分析した戦争映画は、残念ながら日本ではもう金輪際、作られることはないのだと思います。
・「本作品を観たことのない方たちへ」
10数年前に初めて観て以来、本作品の何とも言えない魅力にとりつかれ、DVD化を待ち望んでいました。本作品は上映当時興行成績こそ振るわなかったらしいがその後、豪華キャスティング、演出力の水準の高さからカルト的な人気に火がつき、一部のファンからは絶大な支持を得ている作品です。(私もその1人です)主人公の屈折した愛国心、内なる狂気が迸る様、政界・官界・財界の闇の部分などを独自の視点で緻密に描写しており、気づかぬうちに作品の世界に引き込まれていくことでしょう。近頃の技術に頼りすぎで演出力に欠けており、欠伸が止まらない映画に飽きている方にはぜひともお奨めしたい作品です。
・「いいです」
クーデターの首謀者の男がとてもかっこいいし怖いぐらい説得力がある。平和や国家についていろいろ考えさせられると思う。まあ軍事政権になってしまったら少し怖いのでクーデターを肯定するつもりはないのだが、少なくとも命はって日本を守ってくれている自衛隊の皆さんには日ごろから感謝しましょう。と思う今日この頃。
あと、映画後半の、藤崎の奥さんの元彼氏のリベラルっぽい雑誌記者?の男の台詞が結構私は気に入っている。彼いわく、国家のためには命をかけない、愛するもののために命をかけるとかなんとか(元彼女の影に隠れながら)タンカをきっていたような気がするのだが、なぜか一分後には元彼女を盾にしながら後ずさって逃げていた。まあ、そのあたりが勇ましくってとってもキュートだった。初めて見たときは、私は彼が嘘つきの最低男だと思っていたのだが、この前この映画をもう一度見てみたら、彼は嘘は言っていなかった。女のために命をかけるんじゃなくて、女のために生きるんだそうだ。まあ、要するに自分が一番!!!なんですね。私はあんまり人に自慢できる人生は送っていないが、少なくともこんな人間だけにはなるまいと、ふと思った。
あ、そういえば80年代の福岡や博多駅の様子が少し見れます。
・「オールスター勢揃い。」
とにかく、オールスター勢揃いのサスペンス映画です。渡瀬恒彦、吉永小百合、高橋悦史、山本圭、丹波哲郎、三國連太郎、山崎努などが揃っております。『東京湾炎上』、『新幹線大爆破』、『君よ憤怒の河を渉れ』など70年代の大作があった時代です。
・「小林久三の最高傑作の映画化!」
江戸川乱歩賞受賞作家で、松竹のプロデューサーでもあった小林久三の最高傑作の映画化作品、憂国の自衛隊員がクーデターをもくろむが、発覚、寝台列車にて上京中の自衛隊員のグループは・・というもの。主人公は、クーデター首謀者渡瀬恒彦の妻(吉永)のもと恋人でたまたま電車に乗り合わせ、その計画をしった(山本)であり、山本の活躍と政府の対策、渡瀬の三者からのストーリーが展開される。「新幹線大爆破」などと同様70年代の学生運動が引きずられている雰囲気で展開し、主人公山本も元学生運動家の設定である。当時は、このような設定が受けたのかもしれないが、現在の視点から見ると、渡瀬の論理や行動の方が山本の身勝手で自分だけが正義だという主張に比べれば遙かに立派(だし、ルックスも上)。その点、主人公に肩入れしにくいのが難点か。特撮はいまの水準から見るとあらも目立つが、実物大の寝台列車のセットを作成して撮影した列車のシーンは秀逸。ただ、他の論者も指摘しているが吉永の存在がとってつけたようであり、浮いている。いっそ、「男のドラマ」にしてしまっても良かったのでは。
・「もう少しで傑作の誕生だったのに」
現在はカルト的な人気のある作品だが、公開当時は山本薩夫監督にしては珍しく失敗作といわれ、興行的にもヒットしなかったと記憶している。 1978年の雑誌「シナリオ」に掲載されている脚本を読むと映画とは全く異なっている。山崎努の役は脚本段階では計画段階から登場し、渡瀬恒彦の相棒としてもっと重要な役だったし、三国連太郎は吉永小百合とは関係なく、最後はロボトミー手術はされないことになっている。吉永小百合の役は脚本でも映画でも不要だと思うが、脚本の方が純粋に政治サスペンスになっていたように思う。脚本のいい部分を殺して余計なエピソードや説明を入れすぎなんだと思う。作りようによっては新しいタイプの政治サスペンスの傑作が誕生した可能性もあったのに惜しい。 ただし映画の内閣情報室長・利倉を演じた高橋悦史は良かった。高橋悦史は山本監督の映画では、いつも印象的な役を演ずることが多い。吉永小百合の恋愛ざたや渥美清の特別出演(松竹の悪い癖)で緩んでしまった列車内の描写とは対照的に、政治家やフィクサーたちのドロドロぶりは面白かった。
・「怪奇骨董玉手箱」
子供の頃、近くの映画館で「血を吸う人形」をやっていたのですごく興味をそそられて忘れられなかった記憶がある。それから何度となくTVで「血を吸う人形」と「血を吸う薔薇」の2作は観た。今回のDVD-BOXで「血を吸う眼」も含めた3部作をあらためて観たが、やっぱり文句なしに面白い。そしてこの「血を吸う箱」というDVD-BOXはジャケットのイラストが映画を忠実に再現したセンスの良いものであること(これだけでも価値あり)、特典映像の予告編も含めて画質が良いこと、メニューの背景の映像(洋館の窓に映る人影が徐々に鮮明になっていったり、白い薔薇が徐々に赤く染まっていったり)が凝っていることと文句なしだった。
「血を吸う人形」いつ観ても何故「人形」なのか戸惑ってしまうが、ヒッチコックの「サイコ」にも似た設定と展開にイギリスのクラシックホラーの要素を交えた作りは秀逸で、何度でもあきずに楽しめる逸品。また、貴重な松尾嘉代のミニスカート姿も観ることができる。これが若い松尾嘉代に似合っていて、かわいくセクシーで良い。「血を吸う眼」少女時代の恐ろしい体験を悪夢の形で封印した女性に忍び寄る吸血鬼の魔の手を描いた作品でこの作品から岸田森が吸血鬼として現れる。個人的にはこの作品がストーリーも凝っていてシリーズ最高傑作だと思う。「血を吸う薔薇」シリーズのなかでは最もお色気シーンが多い作品。「血を吸う眼」よりも岸田森の吸血鬼が暴れまくる。吸血鬼が人の体に乗り移り生き続ける設定はドラマ「ケイゾク」の元ネタかとも思わせる。特に顔を手に入れるシーンは背筋が凍る。
ともあれ、文句なしに楽しめるまるで怪奇骨董玉手箱のようなDVD-BOXだ。
・「ジャケ買い 後悔無し」
めちゃくちゃカッコイいジャケットだ!本編は、最近の映画に慣れてしまった輩には、テンポがかったるいかも知れないが、名優岸田森の吸血鬼姿に惚れた方が買うはずなので、全く問題無し!
・「血を吸うシリーズがDVDになるなんて」
過去何度か、ビデオで発売されたことはありますが、LDでの発売は無く、この名作が、DVDになるとは、狂気乱舞です。世間では、岸田森の、後半2作が有名ですが、どうして第一作の血を吸う人形も見せます。ドラキュラにとらわれず、(十字架や、にんにく)独自の視点から、吸血鬼を捉えなおしており、(ただし、エドガーアランポーの作品を原案にしたそうですが)中々見せます。又、この3作には、太陽にほえろの脚本で有名な、小川英氏もかかわっているので、そちらのフアンの方もどうぞ。
・「特典とディスクを収めた箱とを分けたアイディアを買いたい」
単品3タイトルを揃えるよりも価格的にはちょっと得な商品。BOXセットにしてはブックレットなどの特典物が入っていないのが惜しいが、単品それぞれに解説書が封入されているので、それで良しとしたい。外箱は、単品ディスク同様に往年の怪奇映画のポスター・アートを想起させるレトロテイストなイラストで、それがまたこの作品の雰囲気にマッチしていて良い装丁だ。
また近年のDVDボックスは、大きくてかさばる特典物を含めた箱にディスクを収めるデザインになっているものが多く、それらは同梱特典を取り出すと箱がスカスカになるという弱点があったのだが(結果的に同梱特典はずっとボックスに収納したままにしておかないければ見栄えが悪いという事態になる)、この“血を吸う箱”はDVDを収めた化粧箱と、特典のカンオケバンクを別々の箱に入れるというアイディアで、前述の扱い辛さを解消している。これは些細な事だが、BOXモノの買い物が多いユーザーにとっては親切な設計だと思う。(★単品の『血を吸う』シリーズ3作は、それぞれ個別にレビューを書いているので、そちらを参照して下さい)
・「買う価値あり」
3作ともオールナイト上映で観たし、セルビデオで発売された折に購入し、今でも所有している。それでもDVDを買ってみたが、買って良かった。しかし、どうせならこの機会に山本迪夫監督作品「悪魔が呼んでいる」(封切時「血を吸う人形」と併映。角田喜久雄原作のサスペンス・ミステリ映画の佳作だった)「雨は知っていた」(封切時「血を吸う眼」と併映)もDVD化して欲しかったという無いものねだりの未練も残る。
・「子供には見せるな」
東宝の「マタンゴ」と並び当時の子供にトラウマを植えつけた真のカルト映画。しかし着ぐるみの造型がファニーといえなくもない「マタンゴ」に比べ、こちらの特撮〜不定形の地球外生物が人体をジャックするシーン〜は不気味そのもの。しかし何よりグロテスクなのは生き残るために魑魅魍魎と化した登場人物たちの醜さ。とりわけシャンソン歌手の高英男の鬼気迫る演技は特筆すべき。共同脚本にのちの乱歩賞作家 小林久三が参加。とにかく絶望的な結末はショッキングの一言で日本のSF〜特撮映画史上最も陰鬱な映画。
・「Q・タランティーノもオマージュを捧げた日本が誇るSF怪奇映画の傑作。」
子供時代に観た怪奇映画というのは、その“恐怖のイメージ”が増幅され、記憶されている事が多い。この映画を観たのは10歳くらいの時、町内会の納涼野外映画鑑賞会であったが、とにかくスゴク怖かった印象がある。真っ赤な空に(タランティーノも「キル・ビル」でオマージュを捧げてました)、鳥が次々と機体の窓にぶつかり、鮮血が飛び散るオープニングから、殺し屋に異性人がボディ・スナッチャーする際の眉間がザックリ割れるシーンの痛さと気色悪さ、脱出不能の極限状況の中で吸血鬼が襲ってくる恐怖、高橋昌也、金子信雄、加藤和夫、楠 侑子ら新劇俳優たちのケレン味たっぷりの大芝居、金髪美女がいたぶられるお色気シーン、そして、どうしようもなくぺシミステックな結末と、当時TV「ザ・ガードマン」の納涼怪奇シリーズを観るだけでも大層怖い思いをしていたのに(笑)、と、観たことを後悔した反面、大人の映画の面白さが少し分かった気がしたものだ。今観ても、全編を流れるその異様なムードと緊迫感は相変わらずだし、ゴケミドロ役の高 英男が、犠牲者の生血を吸う時のカメラ・アングルは素晴らしい。時代を反映して、ベトナム反戦のメッセージが語られていたのは驚きだが。その一方でツッコミ処も満載だが、そんなお楽しみ(笑)も全部ひっくるめて、やはり、今作は、怪奇映画の名手として佐藤 肇の名前を記憶させただけでなく、その後のSF怪奇映画に影響を与えた傑作として、映画ファンなら一見の価値あり。
・「ゴケミドロよりも怖いのは?」
カルト的人気を誇る、日本のSFホラー映画の傑作をCSで鑑賞しました。クエンティン・タランティーノが、本作の大ファンだそうです。怖かったですね〜。ゴケミドロ以上に、極限状態に追い込まれた人間たちが見せるドロドロした人間ドラマが怖かった。ゴケミドロによって登場人物たちが殺されていくと、むしろホッとしたものです。そして迎える、驚愕の結末。SFホラーとしても傑作ですが、人間ドラマとしても傑作です。
・「コレはすごい。」
リメイクしてもいいくらいの傑作でしょう。当時少年誌に掲載されていた漫画もありましたが特典でそれも載せてほしかったです。けっこうトラウマものだったので。プラ消しゴムを人形にからめてゴケミドロごっこやってました。
・「時代劇の最高傑作!」
この作品がとうとうDVD化されるという事で嬉しいです。この作品はとにかく萬屋錦之助さん演じる、頭脳明晰、冷静沈着な「策士」柳生但馬は圧倒的存在感。さすが!と唸らせられます。徳川内紛の争いは今観ても駆け引きの妙、罠の嵌め合いといい見応えは最高で思わず引き込まれます、千葉真一の柳生、成田 三樹夫さん演ずる異色のキャラもいい味出てます。衝撃のラストは賛否両論あるとは思いますが、超オールスターキャストによる時代劇の最高傑作には違いありません。真田広之(本作がデビュー)、志穂美悦子JAC若手コンビも出ています。
・「怪獣総進撃!」
もうそういって差し支えないだろう、恐るべきオールスターキャストによる一大チャンバラ絵巻!あまりの面白さに血が沸騰した、数少ない映画の一つ。とにかく一世一代の当たり役と言える千葉真一の柳生十兵衛、そして成田三樹夫扮する剣豪の公家(超怪演!)など、怪しげで濃いキャラがこれでもかと出てくる。
世界の三船も、萬屋錦之介すらも、一人も中心になって目立ってない、ある意味集団劇になっていることが一番凄いのかも知れない。柳生の地位向上のためなら何だってする錦之介扮する但馬守の非道なやり口も凄けりゃ、義と人情に生きる十兵衛のラストシーンのイっちゃいぶりも物凄い。武士道の時代にこれってありなの?のまさに究極の切り返しだろう。
もうとにかくケレン味たっぷりの!大仰なチャンバラシーンがガツンガツンの、大ラスまでテンション最高潮という、楽しませるためなら何でもするぞ!の超大傑作だ!
・「まちゃれ、まちゃれ」
言うまでもなく、超娯楽豪華時代劇である。だので、僕が言いたいのは、敬愛する成田三樹夫氏について。甲高い声、麻呂言葉を使い、だが腕はめっぽう立つ烏丸少将文麿を怪演し、千葉真一など豪華キャストのなか、一歩も引けを取らない存在感と圧倒的アクト力を見せ付けている。それまで、ニヒルな役や、やくざのイメージが強かった三樹夫氏にこの様なキワモノをやらせた深作もすごいがそれに応え、あまりあるアクトを見せつけた三樹夫氏もすごい。唯一無二、成田三樹夫のかわりは成田三樹夫にしかできない、そんな役者だと思う。日本映画界は惜しい逸材を亡くした。彼の芝居を見るだけでも、僕にとって見る価値のある作品だ。
・「何度見ても熱くなる傑作」
豪華キャスト総出演のゴージャスな時代劇。それぞれの役者がそれぞれの持ち味を存分に発揮して、少々やりすぎくらいに高いテンションが最高!!熱い演技、熱い台詞の数々に、思わず目頭が熱くなること間違いなし。もう何回繰り返して観たか分からない。まさに大傑作です。
・「深作演出の迫力」
萬屋錦之介の演技が強烈。歌舞伎の話術を用いた堂々たる台詞回しと豪快な殺陣が素晴らしい。あの口跡豊かな台詞と華麗な立ち回りは、大スクリーンで鑑賞するのが一番理想的だが。
千葉真一の十兵衛も気迫がみなぎった熱演で、この役を当たり役にする原点が本作の演技である。
山田五十鈴の崇源院が、窮地に陥った愛息忠長(西郷輝彦)を何とか助けたい、と願う心に泣ける。
・「ダークな世界観!」
若山富三郎、沢田研二をはじめとした豪華キャストは当然、見応えありますが特筆すべきは、映画全体に立ち込める何ともいえない妖気漂う陰惨でダークな世界観と映像!タイトルのとおり魔界という世界観を豪華キャストに異様なメイクを施し、見事な照明でとても巧く再現していると思います。数ある邦画でこれほど見事な世界観とダークな映像美は少ないと思える程の傑作です。
・「とにかく妖艶」
天草四郎(沢田研二)と細川ガラシャ(佳那晃子)の壮絶な程の妖艶な美しさに絶句。忍者役の若かりし真田広之もまたしかり。あまりの美しさゆえ、男同士のキスシーンもほとんど芸術的。その他の配役・俳優陣も演技派主役級の人達がたくさん出ていて、映画自体がとても引き締まっています。原作よりすっきりまとめてありますが、ストーリーはしっかりしています。まずはレンタルでもいいので一度見てみて頂きたい傑作だと思います。燃えさかる炎の中、一人佇む柳生十兵衛(千葉真一)を映し出すラストシーンに流れる音楽も非常に印象深いです。
・「綺麗! 妖艶! 」
この映画が公開されたのが昭和53年。私は昭和52年生まれでこの映画を知りませんでした(当たり前だけど)だけど沢田研二が自分の頭を持つシーンは何かのテレビで何度か拝見しました。ずっとなんの映画か知らなくて最近魔界転生だってことを知りました。
実際はリメイクも公開され、深作作品ということもあって大して期待しないで見たんですけどとにかく驚きました。話の内容もそうですが、演出が凄いんですよね。ラストの炎の中のシーンは必見。殺陣も今の時代劇の殺陣と違い迫力満点!
この映画のもうひとつの見所はやっぱり『エロス』でしょうね。
佳那晃子エロティックなしぐさや眼差し、そして肌。惜しみなく見せていて素晴らしいです。今まで沢田研二のことをあまり知らなかったんですが、こんなに綺麗な男の人を私は初めて見ました。どこか中性的で妖艶。こんなに艶っぽい男性いたんですね。
時代劇が苦手な人でも楽しめると思います。実際私は時代劇が苦手でしたから。
・「極めて真面目に作られた、東映伝奇ファンタジー娯楽時代劇の傑作です。」
今の日本映画界で、まだこんなに面白い娯楽時代劇が作れるんだ――1981年夏の公開当時、真っ先に抱いた感想です。荒唐無稽で奇想天外で余りに現実離れした設定だけに、ともすれば奇衒いの化物映画だの、子ども騙しの絵空事だのと一絡げにされて、変に偏った評価しか与えられない可能性も孕む作品でありながら、『柳生一族の陰謀』や『赤穂城断絶』などにも決して引けを取らない堂々たる大作に仕上がっているのは、どんな作品に対しても常に平等かつ真摯な情熱をもって制作に臨む、スタッフ・俳優各氏の意気込みが見事な成果となって表われた結果だと思います。今でも本当に大好きな邦画の一つです。 構成・設定・脚色の巧みさにも唸らされます。魔界衆の首魁を天草四郎一人に集約させ、原作では十人も登場する魔界衆を敢えて半数の五人に絞り、更にその内の二人を女性である「細川ガラシャ」とオリジナルの「伊賀の霧丸」に置き換えることで、魔界衆それぞれの個性をより鮮明に際立たせ、各人が魔界転生を決意するに至る動機や背景も一層に掘り下げられて、ひときわ印象深く劇的な作品にまとめ上げられています。 辻村ジュサブローさんデザインの衣装をまとった沢田研二さんの、あの独特の凄絶な妖気と艶めきに満ちた天草四郎も、渾身の力でバットを振るうような豪快さで殺陣を決める千葉真一さんの、野性味と力強さと人間味に溢れる柳生十兵衛も、いずれもこれ以上はまず考えられない位のはまり役だと断言出来ます。他にも、緒方拳さん、室田日出男さん、佳那晃子さん、真田広之さん、若山富三郎さん、成田三樹夫さん、神崎愛さん、丹波哲郎さん、など、個性溢れる実力派演技陣が勢揃いした、極めて贅沢な伝奇娯楽大作です。 音楽もまた素敵です。特に、赤尾三千子さんの奏でる篠笛の響きが、時に激しく時に哀切極まりなく、作品世界により一層の幻想味溢れる独特の彩りを添えていて印象的です。
・「パーフェクト」
私が学生時代に観に行った映画です。ストーリーも、キャスティングも完璧な作品だと思います。武蔵やガラシャなど生き返らせ、それぞれの果たせなかった夢や怨念を叶えていく所などは夢があって楽しい。キャスティングも皆適役で、最高です。当時の角川さんのこぼれ話で、監督にこの映画をやりたいと持ちかけたとき
監督と角川さんは「主役は沢田研二でいきたい!!」と同じ考えだったそうです。私も天草四郎は、沢田研二じゃなければ、全く違うイメージ(幼稚)な感じの映画になっていた気がします。当時歌を唄っている時も、普通にしているより奇抜な方が、似合っていた。オープニングの熱演と、途中途中の「ニヤリ」と笑うカメラ目線は見ものです。
・「市川・石坂コンビを凌ぐ出来映えに◎」
金田一シリーズの映画化作品は好きなジャンルであり、市川・石坂コンビの「悪魔の手鞠唄」「獄門島」などを堪能してきたが、この「八つ墓村」の出来映えは素晴らしいの一言である。
まずは「脚本」。原作は萩原健一演じる主人公(寺田辰弥)の回想で物語が進むが、これをテンポ良く映画用に書き換えた完成度が素晴らしく、151分に納めた力量に感服する。
次は「音楽」。作家・芥川龍之介の三男である、作曲家・芥川也寸志が担当している。もの悲しいテーマ曲が味わいを醸しだし、落ち武者のなれの果てを奏でている。また、田治見要蔵の村人32人虐殺のシーンは、まるでゴジラが暴れ回っているような低音とリズムで力強く、まるで殺人者に追いかけられるような恐ろしさを与えてくれる。
そして「キャスト」。ショーケン、渥美清、山崎努、市原悦子など、主演、助演、脇役など、全てに渡り味のある俳優陣で固められ、お互いの良さを引き出している演技が素晴らしい。特に小川真由美の存在感はピカイチ。この女優のフェロモン溢れるオーラ、演技、そしてラストシーンの壮絶さ。個人的には八つ墓村をショーケンと2人で眺め下ろす時、風でスカートがめくれるシーンがとても艶やかで印象的。
他レビュアーにもあった通り、落ち武者8人の惨殺シーンが今ひとつ惜しかったものの、とても満足のいく作品だと思う。
・「小川真由美が美しい。渥美清金田一もいい味ですが出番短すぎ。」
「犬神家の一族」以上の大ヒットを記録した、松竹「砂の器」スタッフ+渥美清金田一による作品。時代を現代に移し、血縁をめぐる因果の話に、見世物小屋的要素をとり入れ、独特の世界を作っています。渥美清は、原作者横溝氏の想像していた金田一だそうで、いい味を出していますが、出演場面が少なすぎます。それよりも、小川真由美、山本陽子の美しさが素晴らしい。特に、小川真由美の最高にのっていた時期の、はりのある美しさ、強さ、存在感は突出しています。洞窟シーン、家屋炎上、山野・滝の風景や、情感豊かな音楽も素晴らしい。
ドラマ的には、恐怖映画っぽく、結局は落ち武者のたたりだったという話として観ることもできますが、このスタッフで、あのチープな落ち武者惨殺の場面を撮ったのが信じられない。詳しく書きませんが、ラスト、終わり方は非常に好きです。(落ち武者に感情移入してしまう)
・「萩原健一の一見ぶっきらぼうのような演技とそれを囲む脇役に注目したい。」
寅さんの渥美清にとってはまさに晩年の傑作と言っていいと思います。また、数奇な運命の役どころの萩原健一。自分に最初にあった人が、あった途端に死んでしまうとは・・・そんなこんなで、八つ墓村に到着した途端に、いやがられる。けなされる。殺されようとする。じっと見入ってしまいます。また、八人の落ち武者にも手を抜いておられない。以外に他の演技ではひょうきんなところも見せている、田中邦衛。いい味出してます。しかし、後の北国の立派な作品の伏線になっているような気がしてなりません。渥美もそうです。コメディの「男はつらいよ」シリーズの上にこのシリヤスな金田一。などなど。監督の意図は、コメディとシリヤスは、表裏一体と言いたかったんでしょう。その意味で、深いつながりのあるこの作品は、横溝ファンには是非是非、お勧めしたい一品です。
・「横溝物最高傑作。」
全体に漂う大作感。現代と因習にとらわれる山里との比較。忌まわしい事件の恐ろしさ。生理感に訴えてくる日本の風土に根ざした怖さは近年のジェイホラーの比ではない。そして観客の分身としてのショーケンのかっこよさ。渥美清扮する金田一が出てくると心底ホッとします。パーフェクトな日本映画です。
・「寅さんの金田一。」
●ショーケンが良いですね。市川監督バージョンに比べ、金田一(渥美清!)の活躍を控えめにしてショーケン映画にした点が決定的に違います。◆個人的には、市川バージョンで蝋燭を頭に巻き、叫びながら村人を斬りまくる岸辺一徳に大爆笑してしまい好きでしたが...
・「野村芳太郎監督の名作です。」
今朝、届きました。届くのを待って、早速観てみました。私はこの作品は野村芳太郎監督の数ある作品の中でも「砂の器」と並ぶ名作の双璧だと思います。ストーリーもさることながら、姉妹を演じる「松坂慶子」と「大竹しのぶ」、検事と弁護士の「芦田伸介」と「丹波哲郎」のぶつかり合う演技には、観ていて、身が震える位、感動します。
さらに、裁判官の佐分利信が真実が明らかにされていく上で、心理描写を上手く演じているのではないでしょうか。また、姉のヒモを演じる渡瀬恒彦が憎めないチンピラ役をいい味です。今でも活躍されている俳優が20数年前にこんな演技をしていたと思うだけでも価値在る作品だと思います。
NHKでもドラマ化されていますが、どちらも甲乙付けがたい出来です。見比べても良いのではないでしょうか?私としては絶対のお勧めです。
・「流石、野村芳太郎監督」
この映画は今観ても新鮮で、野村芳太郎監督の作品の中では「砂の器」と並び双璧ではないかと思います。「松坂慶子・大竹しのぶ」(姉妹)、「芦田伸介・丹波哲郎」(検察・弁護士)の四つに組んだぶつかり合いと脇を固める佐分利信の裁判官、渡瀬恒彦のヤクザの演技に何度観ても身震いが来ます、「凄い」の一言です。
もう既に鬼籍に入られた方もいますが、現役で好い味を出している俳優さんが20年も前にこんな演技をされいる事を認識する事になると思います。ストーリー的には最後に事件の真相が究明され、その真相が劇的ですが、それまでの周辺の人々の心理描写が際立ってます。絶対にお勧めできる映画です。
・「邦画史上に残る傑作。」
脚本、監督の演出、役者たちの熱い演技のぶつかり合い、何もかもが素晴らしい。 殺人事件を取り扱ってはいるものの、単純な勧善懲悪や、推理もの、サスペンスにはとどまらず、成り行きや運命に翻弄されてしまう人間達の哀しさが存分に表現されている。 含みを持たせたラストがまた心憎いばかりで、全く非の打ち所のない作品である。
・「ぶった切る勇気が本物を生んだ」
実際の事件を題材にした場合、犯行の一部始終を描く事で活劇としての価値を見いだす事が多いけどこの作品ではその犯行そのものを一切描かないという割り切りの良さで、主人公の人間像を浮き彫りにできたし、ある種の風格を生み出している。いろんな条件が生んだ産物かもしれないけど「ならば一切描かない」という英断は高橋伴明の才能だと思う。
それとこの作品が好きなのは決して犯人をヒロイックに扱っていない点です落ちて行く男の傍観に徹し、彼の環境と哀れに歪んだ情熱を爆発させる道程をまざまざと見せつける。犯人に同情の余地は無い。しかしこの映画の哀れな男の哀しみやいらだちには「痛み」は感じる身に覚えのある痛みだけにどうして彼はああいう手段しか取れなかったのか…その部分はやはり共感はできない、それだけにとても哀れで惨めだ。
ラストでかかる宇崎竜童の「ハッシャバイ・シーガル」は、哀れな男の最後にふさわしい名曲。肩を落として駅に佇む渡辺美佐子さんの諦めのような、耐えているような演技にも凄みがある。そのシーンで実際立てこもった犯人に宛てた母親が書いたのと同じ内容の手紙が紹介されるが人質を「ゆるしてあげて」というのがいかにもこの母親と息子の関係を表している気がした
・「異常犯罪者をするどく描写」
最近、異常な犯罪が多すぎて、ニュースを見るのもウンザリですが、そんな一連の事件の元祖とも言える実話の映画化です。当時、活気があったピンク映画界の才能が集結し、今や日本映画界を支える蒼々たる顔ぶれが数多くクレジットされています。事件そのものを描くというよりも、犯人の人間像を掘り下げて描写した高橋伴明監督の演出は、事件の異常さがより深く浮き彫りにされ、考えさせられずにはいられません。人権の問題もあり、現代ではこうした映画の製作は難しいでしょう。
・「日本一きれいな「おばあちゃん(孫にはあーちゃんと呼ばせているとか)」の代表作の一つ」
三菱銀行・北畠支店事件をモデルにしているが、同じ素材を扱ったノンフィクション作品と比べると、犯罪にいたるまでのプロセスや動機に重点をおいて描いているところが大きな違い。関根恵子さん演じる女性をよりストーリーの前面に出したことが大きな成功の要因だろうか。また、モデルになった事件について本を書いた人達が篭城中の猟奇的な出来事に引きずられているのとは対照的。そこらへんの作り手側のこだわりというか意思がこの映画をよいものにしていると思う。高橋恵子さんが監督の高橋伴明さんと結婚するきっかけとなり、女優としても転機となった作品。
・「検視医師の台詞」
さて、この映画のタイトルであるが、主人公が射殺された後に検視を行った医師の台詞だ。
・「長谷川和彦という映像作家の資質 生きる証をつかむため」
廉価版が出ました。私はデラックス版を隅々まで堪能した者ですが、ファンの裾野が広がるという点においてきわめて喜ばしいことです。特に若い世代に見て欲しいです。勢いに任せて作品世界すらぶち破ってしまう演出。1人孤独に原爆作りに打ち込み、しかしそれを利用しようとした時にパッとしたアイデアが出てこない。等々、今の若い世代にこそこの映画の世界がアピールすると思うのです。 当時の沢田研二はTVをつけたら必ずどこかに出演していたような大スターでしたが、何やらもろさ・危うさを感じさせて、ピカレスクな役柄も魅力的です。そして明らかに犯罪者なのにも関わらず、どういう訳か私を含め皆沢田研二演ずる主人公に共感し、爽やかさまで感じてしまうのです。それはこの映画が「生きる証をつかむために」道ならぬ道に邁進していくという、青春の彷徨ストーリーであるという点に起因していると思われます。今現在誰かがこの『太陽を盗んだ男』の骨子を使ってリメイクすると、きっと孤独なパラノイアの不気味な犯罪・テロルを描く映画になってしまうのではないかと思えます(あたかもシュレイダー兄の脚本による『タクシー・ドライバー』の如く)。更にテーマが原爆なだけに、『ゴジラ』の様に全編緊迫感に満ちた映画になった可能性もあります。しかしそうならなかったのはひとえに長谷川和彦という人の持つ資質でしょう。彼が映画を撮らなくなって20数年、もはやかつての様な映画は撮れないかもしれませんが、今現在の我々の心の根幹を揺るがすような痛快な作品を是非作って欲しいものです。〈追伸〉ある夏、札幌大通公園の納涼ビアガーデンでミニFM局が出ていたので「俺原爆持ってるんだけど何したらいいだろう?」と投稿しようかと考えました(賢明にも思いとどまる)。その代わりこの映画のテーマソングをリクエストしました。群衆の中でのひそかなたくらみ。ちょっと城戸誠的気分でした。
・「同時代的に共感出来たシラケ世代のピカレスク・ロマンの大傑作!」
日本映画が、その“反社会性”を以って、映画館の暗闇の中で、観客たちに、ピカレスクで反公序良俗的な“夢”と“浪漫”を与えてくれていた時代の痛快作にして、シラケ世代の“焦燥感”と“喪失感”と“鬱屈感”を見事に照射した、正に同時代的に共感出来た生涯忘れえぬ大傑作。久しぶりに見直してみても、公開当時荒唐無稽で破天荒、劇画チックと評されたパートも含めて、全編を醸し出すへビィな重量感とダイナミックな活劇性に心底感服してしまう。極めてエンタテインメント性が強い作品であるが、「皇居・バスジャック・天皇」、「原発のプルトニウム強奪」、「原爆の製造」、「日の丸・君が代」、「連続企業爆破犯の手配ポスター」と社会性を感じさせる記号も垣間見られ、全共闘世代のゴジらしいこだわりが感じられる。前述した城戸誠の感情は、今日でも通底するテーマだと思うが、正直、こんな映画、二度と作れないだろうな。そして、ゴジ。80年代から90年代に掛け、本当に多くの人々がその次回作を待望した。井上ひさしの「吉里吉里人」や筒井康隆の「禁煙狂時代」のシナリオを書いたとの話を随分前に聞いたが、その後どうなっているのか。今作から26年が経過した。以前ある雑誌でラブ・コールを送った者として、彼の新作が是非とも観たい!
・「黙って観りゃあ、それでいいのさ。」
とにかくナンセンス!ぶっ飛びまくってる。たったひとりでプルトニウムを盗みだし、アパートの一室で原子爆弾を作り出し、日本国家を脅しまくる!これをナンセンスといわずして何と言おう!このサイコーのアンチヒーローをジュリー、彼を執拗に追う刑事をブンニィ(ヤクザにしかみえねぇ)、水谷豊に西田敏行、キャストもブッ飛んでラストまで失速せずに飛ばしまくる!!!今観てもめちゃめちゃ新しく、カッコいい!コレを観ないと人生ちょっとだけ損をする。
・「お前が殺したがっているのは」
主人公は、硬派な面とモラトリアムな面を併せ持つアンバランスな人物です。旧世代にようやく数本毛が生えた程度の初期型新人類といいますか。彼は何の大義もなく、個の問題として原爆を作った訳です。理工系に通じる者としてのチャレンジ、体制をおちょくるゲームとして…しかしそれらはいずれも動機の表面でしかありません。むしろそういった動機を装う事で、彼は原爆を作った真意から目を背け見てみぬふりをしています。だから原爆を持て余してしまう羽目になります。では結局、彼にはなぜ原爆が必要だったのか。この答を、クライマックスで菅原文太演じる刑事がズバリと指摘するのですがこの場面が実に衝撃的で悲しい。全編に渡って描かれてきた、肯定的で漫画的とも言える主人公の破天荒さがひとりの早すぎたオタクの悲劇だったと知らされる瞬間です。そしてあのセリフは、やがて始まるオタク世代へあらかじめ向けられた告別…そんな風にも聞こえます。私が今まで見た中で最も印象的な「爆発オチ」映画です。
・「原爆製造の場面が面白い」
邦画では考えられないバイタリティを持った映画。迫力のカーチェイスや沢田研二の女装の国会議事堂進入(ゲリラ撮影らしく、入るとすぐに守衛に声をかけられそうになっている)、プルトニウム強奪場面のテンポもよかったが、なんといっても沢田研二が原爆を作っている工程を丁寧に見せてくれたのが面白かった。途中の原爆を取り戻す場面でターザンのようにガラスを突き破って表れる場面(ロープはどこからさがっているの?)など強引で無茶な展開も多く欠点もあるのだが、日本映画では10年に一度の傑作であろう。不死身の菅原文太も凄かった。池上季実子の役だけが意味不明ではあったが。 この後、長谷川和彦監督はメガホンを取っていない。若松孝二監督が「実録・連合赤軍」をつくってしまった今、ゴジの次回作はあるのだろうか。
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