秋のソナタ [DVD] (詳細)
イングマール・ベルイマン(監督), イングリッド・バーグマン(俳優)
「感動した映画の1つ」「映画女優バーグマンの遺作」「感心した。」「母と娘、知られざる確執」「とにかくリヴ・ウルマンがスゴイ!」
叫びとささやき [DVD] (詳細)
イングマール・ベルイマン(監督), ハリエット・アンデルセン(俳優), イングリッド・チューリン(俳優), リヴ・ウルマン(俳優)
「赤い幻想」「神の息が聞こえる様な静寂」
ファニーとアレクサンデル [DVD] (詳細)
イングマール・ベルイマン(監督), グン・ヴォールグレーン(俳優)
「悩むより楽しめ」「映画作りの面白さ」「命の輝きと欺瞞の曇りを見事に対比した生きることについての物語」「5時間バージョンの発売望む」「完全版でDVD化を」
インテリア [DVD] (詳細)
ウディ・アレン(監督), ダイアン・キートン(俳優)
「アレンの別の一面」「アレンと海」「思い出の金色の海、狂暴な灰色の海。」「とても重い作品」
セプテンバー [DVD] (詳細)
ウディ・アレン(監督), ミア・ファロー(俳優), ダイアン・ウィースト(俳優), イレイン・ストリッチ(俳優), ジャック・ウォーデン(俳優), サム・ウォーターストン(俳優), デンホルム・エリオット(俳優)
私の中のもうひとりの私 [DVD] (詳細)
ウディ・アレン(監督), ジーナ・ローランズ(俳優), ミア・ファロー(俳優), イアン・ホルム(俳優), ブライス・ダナー(俳優), ジーン・ハックマン(俳優), ベティ・バックリー(俳優), マーサ・プリンプトン(俳優), ジョン・ハウスマン(俳優)
普通の人々 [DVD] (詳細)
ロバート・レッドフォード(監督), ドナルド・サザーランド(俳優), メリー・タイラー・ムーア(俳優), エリザベス・マクガヴァン(俳優), ティモシー・ハットン(俳優), ジャド・ハーシュ(俳優)
「崩壊していく中流家庭の悲劇を静かに見据えた名作」「感情障害と家族の関係を描いた映画」「何度観ても感動します。」「親が万能と思った時代」「僕は けっこう母親に同情的なんです。」
フェイシズ [DVD] (詳細)
ジョン・カサヴェテス(監督), ジョン・マーリー(俳優), ジーナ・ローランズ(俳優), リン・カーリン(俳優), シーモア・カッセル(俳優)
こわれゆく女 [DVD] (詳細)
ジョン・カサヴェテス(監督), ピーター・フォーク(俳優), ジーナ・ローランズ(俳優), マシュー・カッセル(俳優)
「男と女が生きること」「主義主張はありません。演技と映像を堪能しましょう。」
パリ、テキサス デジタルニューマスター版 [DVD] (詳細)
ハリー・ディーン・スタントン(俳優), ヴィム・ヴェンダース(俳優)
「真摯で、痛切で、深遠な“愛”の神話。スタッフ&キャストとも完璧な映画史に残る傑作。」「どこまでも美しい映画」「静かなる映画」「空を眺めているだけでも満足」「やっぱり涙がでる」
● 赤川次郎の映画館(三毛猫ホームズの映画館ではありません。)
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● スヴェン・ニクヴィスト Sven Nykvist が撮影した映画 (動画あり)
● Ingrid Bergman(イングリッド・バーグマン)
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・「感動した映画の1つ」
この映画は教育TVで観ましたが涙がでるほど感動しました。そしてこの監督をこの映画で初めて知り興味を持ちました。母と娘の辛い話ですが、涙を流しながら観ました。私はこの映画をお薦めします。
・「映画女優バーグマンの遺作」
バーグマンが母国スウェーデンの巨匠ベルイマンと組んだ遺作。映画女優として、スウェーデン、アメリカ、イタリアで活躍した彼女が、最後に母国で主演したというのは感慨深いものがある。
母(バーグマン)と娘(ウルマン)の緊張に満ちた愛憎関係が、さざなみのようなものから次第に激浪へと変化する様を描いている。
どこまでも静かで穏やかな語り口によって(画面の構図もスタティックで、きわめてシンプルだ)、かえって饒舌に彼女たちの複雑で深い感情の高まりを表現しているのは、さすがベルイマンである。彼女たちの語り(というか対決というべきかもしれない)は、クロース・アップの切り返しで描かれ、かすかな心理的動揺が顔の表情に出るのを逃さない。それは、
サスペンス映画のようにスリリングですらある。バーグマンが、眼の動き、口もとのゆがみ…など、さりげない表情の変化だけで、心理的動揺、感情的高まりを表現しているのが何と言っても素晴らしい。また、劇中、バーグマンが娘と夫を捨て、別の男に走ったことを話すシーンは、いやでも、「ロッセリーニ事件」を連想させ、彼女の実生活での懺悔を聞いて
いるような錯覚に陥り、胸が締め付けられる。
ベルイマンの盟友、スヴェン・ニクヴィストによる、文字通り「秋」を感じさせる、柔らかい、しかし寂しい暖色を定着させた素晴らしい撮影も忘れてはならないだろう。
・「感心した。」
非情・冷徹なベルイマン作品の中でも、特に厳しい作品の一つです。見所は、やはり、娘(リヴウルマン)が母(バーグマン)に対し、怒りを大爆発させたウルマンの憎悪の凄まじさです。ウルマンのカミソリのような演技にバーグマンは押され気味でしたが、あの「カサブランカ」等でエレガントを体現していた人が、最後の作品でベルイマン作品に出演して、渾身の演技を見せた女優魂は立派だと思いました。
・「母と娘、知られざる確執」
ハリウッドの黄金期を代表する女優イングリッド・バーグマンの最後の映画作品。しかし、強調する点は本当にそこなのか。 映画の中で発せられる台詞のどれもが、まさに現実の母と娘のやりとりのようで心に突き刺さります。血が繋がっているとはいえ、深いところで起こっている確執が時にあふれんばかりに吹き出し、とめどもない涙に変わります。 ベルイマン映画の女優L.ウルマンの長い台詞は、見る方を捉えて離しません。圧巻でした。台詞でここまでものを言わせる映画はこれが初めてです。 90分弱の小さな作品ですが、見応えはたっぷりです。必見としましょう。
・「とにかくリヴ・ウルマンがスゴイ!」
高校生の時にはじめてこの作品を映画館で見てショックを受けたのは、ストーリーよりも、むしろその内容に有り余るほどの説得力を持たせたリヴ・ウルマンの演技でした。志の低い俳優ならばシッポを巻いて逃出しかねないようなシンプルなストーリーと演出の中で、彼女はそれをまったくもろともせずに、観客を一気に作品世界に引きずり込んでしまう、そしてそれでいてイヤミが全くない自然な演技を飽きることなく展開します。母親役のイングリット・バーグマンが、かなり頑張ってはいるものの、基本的にウルマンの演技を受け止めるのが精一杯で、ときに気圧されているようにさえ見えるほどです。この作品での彼女の演技に較べたらメリル・ストリープあたりの自称演技派の演技なんて子供のようだといってもいいでしょう。カメラの動きも恐ろしくナチュラルで、ベルイマン組が築き上げた確かなワザが作品全体に静かに息づいています。
・「赤い幻想」
赤い部屋で繰り広げられる心理ドラマは観ているときはリアルでも、観終わった後には、幻想を見ていたかのようです。 ひじょうにシビアな人間の捉え方ですが、エゴや偽善や虚栄心や孤独を静かに丁重に綴った傑作だと思います。 ベルイマンの映画の中でも際立っていると思います。 映像も大変美しいと思います。
ヨーロッパの映画が好きな方は是非観て下さい。固唾を呑むこと間違い無しです。
・「神の息が聞こえる様な静寂」
ベルイマンの作品においては、静寂が重要な役割を演じて居る。黒澤明監督の作品において、雨や風が、重要な役割を演じる様に、ベルイマンの作品では静寂が、重要な役割を演じるのである。−−その静寂の中に、或る者は、神の存在を感じるかも知れないし、或る者は神の不在を感じるかも知れない。 この作品であるが、正直言って、良く分からない部分が有る。だが、そんな事はどうでも良い気がする。分かるとか分からないとか言ふ事ではなく、何かを感じる事が大切な映画なのではないだろうか。特筆すべきは、色彩の美しさで、赤を基調にしたカラー映像が素晴らしい。ベルイマンは、これも黒澤明と並んで、白黒作品で傑作を残した巨匠であったが、黒澤監督が、カラー作品に移行した際、作風が大きく変はったのと対照的に、カラー作品に移行しても、白黒作品での作風を維持し続けた監督であった様に思はれる。そして、もう一度言ふが、ベルイマンの他の作品と同様、この作品に溢れる静けさが忘れられない。−−神の息が聞こえる様な静けさが。
(西岡昌紀・内科医)
・「悩むより楽しめ」
ベルイマン映画の集大成のような作品だ。監督自身が編集した3時間の短縮版を鑑賞したのだが、映画冒頭延々と続く幸福な大家族のクリスマスパーティシーンは、『夏の夜は3たび微笑む』などの初期の頃の明るいコメディを想起させる。『仮面』が顔にめりこんではがれなくなった神父の姿は神の存在を問い続けた中期の作品群を、夫と女中の浮気を平然と見逃す妻のシークエンスは、夫婦関係の内面に深く切り込んだベルイマン後期作品を脳裏に鮮やかによみがえらせてくれた。
「悪が世にはびこるのは運命で誰もさけることはできない。だからこそ広い心を持ち小さな幸福を喜ぶのは何ら恥じることではない」二人の赤子を前に幸福感に満たされたグスタフ(ヤール・キューレ)が大家族に演説をふるう。〔悩むより楽しめ〕バブル世代の薄っぺらな享楽主義とは180度異なる、人生のすいも甘いも知り尽くしたベルイマンならではの深い含蓄を感ぜずにはいられない。
以前、『サラバンド』撮影風景のBBCドキュメンタリー番組をTVで見たことがある。インタビュアーの質問に答えて「どうか若い人たちが、自分が今やってることは無駄であるなどとはけっして思わないでほしい」とベルイマンが語っていたのを思い出した。この映画は<小さな幸福>にも喜びを感じる広い心をもった巨匠の嘘偽りのない若者(子供)たちへのメッセージだったように思えるのである。
・「映画作りの面白さ」
この作品の凄さは観てもらわないと、中々届かないと思います。ウディ・アレンの影響で観始めたのですが、彼がベルイマンに熱狂するのが良くわかります。
・「命の輝きと欺瞞の曇りを見事に対比した生きることについての物語」
20世紀初頭、スウェーデンの上流一家エークダール家の豪華絢爛なクリスマスパーティから物語は始まり、それぞれが苦悩を抱えながらも楽しい宴を通して家族の絆が描かれます。しかし、家業の劇場を主宰する長男の健康状態の悪化が一族の幸せに不安の影を落としていきます。やがて長男を失ったエークダール家は長男の遺児であるアレクサンデルとファニーをも手放さなくてはならない羽目に。これは、そんな家族の激動の時を少年アレクサンデルの目を通して描いた、華麗かつ憂いに満ちた一家の物語。
さすがに一貫して生きることの意味を問うてきた映像作家ベルイマン監督らしい構成。アレクサンデルとファニーが満喫した実家での幸せなクリスマスと、母親の再婚先である厳しく傲慢な司教宅での暗い生活を鋭く対比させ、人生の多様性を幼い視点を通して浮き彫りにします。どんなに問題を抱えようと明るく前向きに生きようとする実家の祖母と、猜疑心から自分の価値観を押し付けることでしか他と交流することのできない義父のおろかさもしっかりと比較されて、観る者の心と価値観を揺さぶります。前者には命の輝きと、後者には欺瞞の曇りとをそれぞれ見ることができます。
ベルイマン監督はこうした多様な人間の心のありようを、いささかのファンタジーを加えて幻想的に描いていますが、その手法はまさに“ちょうどよい塩梅”の一言につきます。アレキサンデルが時折見る父親の亡霊、サイコメトリーを少年に施す中性的な若者、逃げたはずの子供たちの残像が見えてしまう司教・・・。幻想的なシーンが現実のシーンとほどよい調和を見せて、生きることを問う人間の姿、命の輝きと欺瞞の悲しさがひしひしと伝わってくるあたりは圧巻。近年『パンズ・ラビリンス』を発表し現実とファンタジーが融合した独自の世界観を作り上げたギレルモ・デル・トロ監督も、もしかしたら本編に影響を受けたのではないでしょうか。また祖母が住まう館のたたずまいは筆舌しがたいほど調和に満ちた上品さをかもし出して、一家の主としての祖母のほどよい精神的バランスを見事に表象しています。
まさにこれは豪華絢爛であることから、また現実とファンタジーの融合であることから、さらに生と死の問題にいやというほど切り込んでいることから、ベルイマン映画の一つの集大成とも呼べる作品に仕上がっています。色々な言葉を並べましたが、このフィルムだけが持つ独自の雰囲気は、やはり観た者にしかわからないのではないかと思います。
・「5時間バージョンの発売望む」
本作はベルイマンの集大成的作品で、アカデミー賞受賞作のわりにはあまり注目されないのが残念です。3時間バージョンのDVDですら既に価格高騰で入手困難ですが、日本で上映された5時間バージョンで是非DVDを発売してほしい映画です。出たら予約して買います。
・「完全版でDVD化を」
イングマール・ベルイマン監督の大作。スウェーデンの古い大学町を舞台に、三世代にわたる大家族の人間関係を、息子のアレンクサンデルの視点から描く。アレクサンデルは「幻視」のできる感受性に富んだ少年。新しい父となった主教の偽善をも見抜く。そんなアレンクサンデルを、「夢見る黒い瞳」のバッティル・ギューヴェ少年が好演。彼はある種のエロティシズムさえ発散していて、この映画に独特の趣を添えている。ただし、編集された短いバージョンなので星4つとした。
・「アレンの別の一面」
この作品の前年、アレンは「アニー・ホール」でアカデミー賞監督賞・オリジナル脚本賞を受賞(「アニー・ホール」は他に作品賞・主演女優賞を獲得」)、誰もが前作を上回るコメディを期待していたが、アレンが次作に選んだのは、コメディとは対極にあるヒューマン・ドラマだった。この映画をみた当時、アメリカの観客及び批評家からは賛否両論が巻き起こっていたが、厳しい批評のほとんどは、アレンがヒューマン・ドラマを作った事に対する落胆によるものだった。 確かに、この作品はアメリカ人が好む題材では無い。イングマール・ベルイマンばりの、重い作品である。しかしながら、中流インテリ家庭の心の闇をよく捉えており、情感深い作品に仕上がっている。
この作品の見所は、二人の女優の対比で!!あると思う。一人は、全てにおいて完璧主義を貫く、ジェラルディン・ペイジ演じる母親と、おおらかで、完璧ではないけれど、人なつっこいモーリン・ステイプルトンである。共に、後にオスカーを獲得する女優だが、このどちらかというと地味だが力強い演技力を持っている女優を使う事で、抑圧と開放を上手く表現しているのだ。 ちょうど、この作品と同一年に、イングマール・ベルイマンが「秋のソナタ」という作品を完成させた。「インテリア」と「秋のソナタ」、、どちらも母と娘の関係を描いたものだが、この2作品を見比べれば、アレンの作品が、ベルイマンのそれと同一の質を保っている事がわかる。アレンは、ヒューマンドラマの才能もあるのだ。
・「アレンと海」
メランコリックな海の沿いに建つ高級住宅で、アメリカのプチブルの芸術家家庭がインテリアデザイナーである母・イブを軸に家庭崩壊していくプロセスを描く、ウディアレン自身の既成のヒューマン・コメディと音楽の感動を一切排除したシリアスなドラマ。三姉妹と、その恋人達が才能を巡って潜在的な葛藤を起こしている中、自殺未遂をした母・イブに、離婚を告げた父・アーサーは、再婚相手のエネルギッシュな未亡人パールを家に連れてくる。そこから、三姉妹の葛藤のベースである歪んだ内面が浮き彫りになり、崩壊は加速していく。メランコリックに撮影された海が、その崩壊を美しくする。まさに、このドラマはメランコリックな海の産物であろう。
・「思い出の金色の海、狂暴な灰色の海。」
これまでに何本かWAの映画は見たが、どれを見ても(いったいこの人、何をやりたいんだろう?)とピンとこなかった。でも『インテリア』は、まったく迷いのない映画だ。小津作品のような完璧さを備えている。最初にクレジットされているのがフィルム編集者。たしかに絶妙のつなぎ具合。 冒頭、家の中の数分のシークエンスが、すさまじいほどの美しさと静けさをたたえている。北欧のような灰色の冷えた画面。そこにインサートされる、3人の女の子が、金色に光る波打ち際で戯れる映像。この導入部だけでも映画一本分の価値がある。 映画の中で物語られるのは、日常生活の悲劇。小津もそうだが、ひたひたと家族の中に「哀しみ」がしみ込んでいく。時間とともに淡々と悲劇が進むので、必然的に斜めの構図の中に映画自体が現れる。冒頭シークエンスでも、海岸線や、室内の家具のラインなど、斜めの構図がとても印象的だ。 登場人物は最小人数で、まるで演劇を見ているように、彼等の演技と会話がスリリング。 それから海の描写が素晴らしい。海にカメラを向けた瞬間に、その監督の力量が分かってしまうが、『インテリア』でのW・Aの海の演出と撮影は群を抜いている。 海の不気味さを短いカットで見事に捉えた『ソナチネ』を思い出す。
・「とても重い作品」
芸術家の心を上手く描いていると思います。芸術家というのは世間から見れば奇人・変人に見えるのかもしれませんが映画の中で娘が母親に言っていたようにこの世界には完璧すぎて合わないだけなのかもしれません。芸術家とは儚いものです。いくら才能があってもその時代の流れにあっていなければ認められなくて貧乏生活をしながら生きていかなくてはいけない。そして好評を得たとたんにメディアは大げさに書き立て周りからちやほやされたりする。普通の人間ならお金が入ってきて喜ばしいことだが芸術家にとってはこんなはずではなかったと考えるようになったり自虐的になったり悲観主義者のようになってしまいそれはそれで苦しいと思う。無駄な音楽を使わずにドラマチックに描けるのはウディアレンだからなせる業なのです。語りがとても深く、語りを楽しめる映画です。ウディアレンは映画監督としても優秀だと思いますが脚本もしっかりしているので小説家としてでもやっていけそうなくらい作家性を感じます。
・「崩壊していく中流家庭の悲劇を静かに見据えた名作」
ロマンティックな正統派2枚目スターのロバート・レッドフォードの初監督作品は以外にも地味な家庭劇で、この作品で彼はアカデミー賞の監督賞を受賞しています。 話の内容は、長男をヨットの事故で亡くした家族3人の物語で、次男(ティモシーハットン)は長男の死に対する自責の念から逃れられず精神的のバランスを失いかけている。父親(ドナルド・サダーランド)は平凡なサラリーマンで、次男が気になるが接し方がわからず悩む、母親(メアリー・タイラー・ムーア)は溺愛していた長男の死から立ち直れず次男に冷たく当たってしまう一方で、社交的で世間体を気にすることは忘れない。 冒頭の朝食の場面で、食欲がないと訴える次男の食べ物をサッと捨ててしまう母親と、その冷たさにとまどう父親。この有名なシーンにこの映画の登場人物である家族3人の関係が見事に表現されていた。回想で出てくる長男の死以外には大きな事件もなく、淡々とした描写で見事に家族の崩壊していく様子を描いている。 この家族を演じる俳優達の演技が素晴らしい。アカデミー賞受賞のティモシー・ハットンはもちろんのこと、母親を演じるメアリー・タイラー・ムーアも一歩間違えれば観客に反感のみを抱かせてしまうような人物を見事に演じきり、次男に抱きしめられた後の戸惑いの後姿も見事であった。また次男の精神科医を演じるジャード・ハッシュも名演だった。しかし最大の驚きはドナルド・サザーランドであろう。「マッシュ」「赤い影」「1900年」「カサノバ」とエキセントリックな役柄を演じてきた彼の抑えた演技の素晴らしさは、同じアメリカの中流家庭の崩壊を描いた「アメリカン・ビューティー」のケビン・スペイシーも足元に及ばないほどだった。
・「感情障害と家族の関係を描いた映画」
兄の死によって感情障害(うつ病)となった弟、兄を溺愛するあまりか苦しむ弟を愛せない母、母を愛せなくなった父。うつ病で苦しむ弟の知人の死などのエピソードを交えながらその家庭の姿が淡々と描かれていきます。感情障害の理解、また、映画とは何かを考える上でよい作品と思います。
・「何度観ても感動します。」
とても昔の映画ですが、今観ても感動します。この映画を映画館で当時観た時は、「あまり良くわからない」といった感想でした。当時、ロバートレッドフォードが監督だったのと、それまでの映画のテーマから随分外れた映画で(普通の人々の生活を描いているから)ここまで人々の話題になった映画がなかったので、大いに期待して観に行ったのに、良く理解できなかったので、失望したのを覚えています。でも、今では大変素晴らしい映画だとわかります。長男が生きている時にかろうじてバランスが取れていた家庭が長男の死によって、残された3人の人間関係がいかに危ういものかが明らかになってしまったのです。しかし、ここで素晴らしいのは父親の選択です。次男の心の葛藤を理解しようとし、大いに手を差し伸べます。裕福なアメリカの家庭の物語ですが、幸福とは何かを考えさせられる映画だと思うので、是非、観てほしい。
・「親が万能と思った時代」
まだ“うつ”という病名があまり知られていなかった時代の映画です。 母に愛されない多感な頃の自分を救ってくれた映画です。 現代でもまだ日本では、親の悪口をいうものは「育ててもらってるのに」と一言で終わります。 値段もお買い得になりましたし、そんな人に見てほしいです。
・「僕は けっこう母親に同情的なんです。」
僕は けっこう母親に同情的なんです。 あの母親は、長男を亡くしています。 母親にとって最初の男の子(長男)は、もの凄く可愛いんだと思います。
父親も大変だと思いますが、愛する妻の為にカウンセラーになったつもりで、彼女の感情を共感してあげたら良かったんじゃないかなぁ、と思いました。 彼女にしたら「私の事なんか、誰も分かってくれない!」、彼女は孤独だったんだ、と思います。
共に泣いてくれる人がいれば、人間 孤独でなくなる、と言います。
劇中、分析医も次男に向かって言ってます。
「ママは愛情表現がヘタなんだ」
カウンセリングのプロは相手の訴えを聴く際に、「受容」「共感」「支持」「保証」「説得」と云う「聞く技術」をもって対応する。 このプロセスのうち、特に重要したいのが「受容」「共感」「支持」の三つ。 頭ごなしに相手の主張を否定してはいけない。 まず聞く耳を持ち(受容)、相手の立場を理解し(共感)、それを可能な限りサポートする(支持)と云う姿勢を見せるといいだろう。 なかでも女性の話を聞く際には「共感」することを大切にするべきだ。 女性は共感能力が大変発達している。 だから、「それは、大変だったねえ」「その気持ち、よくわかるよ」と云うように、相手の立場を理解し、共感の意思を鮮明に打ち出すことが必要なのだ。 これは「フリ」でもかまわない。 とにかく最初に「この人ならわかってくれそう」「なかなか話せるじゃない」と云う印象を抱かせることが必要なのだ。
医学博士/心療内科医 姫野友美 著 「女はなぜ 突然怒り出すのか?」より
女にとって、理想の男は自分専属のカウンセラーになってくれるような男だと思います。
男性諸君 大変だけど頑張ろうゼ!
・「男と女が生きること」
気軽に何度も観られるものではない。
カサヴェテスは、男の、女の、ダメなとこ全部を容赦なく見せつける。そのなかでも「こわれゆく女」は、難しい問題に踏み込みながらも尚、そのカサヴェテスの命題を充分に見せる。まとめることもなく、ごまかすこともなく。すさまじい。
・「主義主張はありません。演技と映像を堪能しましょう。」
この映画の意義は、俳優の演技と映像を味わうことだ。他の映画でも、この二つは味わうわけだが、この映画での味わいは、そこらの映画とは全く違う性質のものである。シーンは大きく分けて、aオープニング〜妻への電話 b妻の外出c徹夜仕事の後の家への同僚のもてなし d子供の学校へのお迎えと他の家の子供を預かるところ e医師の来訪 f妻の帰宅、となる。それぞれのシーンが(長いからということもあるが)印象深く記憶に刻まれる。記憶に刻まれるのは、緊張感あふれる演技と映像の効果だ。
ところで、邦題はミスリードな気がする。原題は"A Woman Under the Influence"で、この後に"of" があり、her husbandなりher father's(something)が来るということではないかと思う。「壊れて」いるのは「女」だけではない。
・「真摯で、痛切で、深遠な“愛”の神話。スタッフ&キャストとも完璧な映画史に残る傑作。」
言うまでもなく、ロード・ムービーの先駆者ヴィム・ヴェンダースの最高傑作にして、映画史に永遠に語り継がれるべき傑作。既存のBOX集からの待望の単品セールスだ。4年もの間、何かに取り憑かれたごとく荒野を彷徨し続けた中年男トラヴィス。行き倒れ状態で病院に担ぎ込まれた男は、何事にも答えず、唯一持参していたのは、1枚の古びたポラロイド写真、即ち、自己のアイデンティティと愛の原点であるパリ、テキサスの風景写真だけだった、、、。果てしなく続く西部の荒涼で乾いた原風景が、“かけがえのないもの”を失い、魂が空洞化してしまった主人公の心象を表している。以下、トラヴィスが弟夫婦に引き取られている我が子と再会、確執と和解の後、別れた妻を捜しに行く、ただそれだけの物語であるにも拘らず、146分間一分の隙もなく、ストイックかつエモーショナルな雰囲気に心底酔わされる。観る者全てが一度観たら決して忘れられない、それまで寡黙であったトラヴィスが一転赤裸々に心情を吐露するマジック・ミラー越しの妻とのモノローグは、サスペンスと苛酷さを持ち併せつつ、かって、これほど“痛切”で“深遠”な“愛”の告白があったであろうか、と思わせる名シーンだ。70年代、コッポラ、ペキンパー、ミリアスら名監督に重宝がられたハリー・ディーン・スタントンの初主演にして圧倒的な名演と、最も美しかった頃のナスターシャ・キンスキーの2人の、セリフを極力拝した中での表情だけの感情表現が素晴らしい。特典のトラヴィスのかけがえのない至福の瞬間を切り取った8mmホーム・ムーヴィーは必見もの。脚本は俳優でもある作家のサム・シェパード(「ライト・スタッフ」!)、音楽はライ・クーダー(「ストリート・オブ・ファイヤー」!)とスタッフも超クール。
・「どこまでも美しい映画」
ストーリーや内容については、他の多くの方が既にレビューを書かれていますので、そういう情報を一切抜きに、ただ私のこの映画についての想いを・・・。
一言で表すなら、『どこまでも美しい映画』です。青い空も、果てしなく続く乾いた砂漠も、よれよれになって放浪する主人公トラヴィスの立ちすくんでいる姿でさえも。
どのシーンを切り取ってみても、そのまま絵葉書にして誰かに届けたくなるような、そんな映像がひたすら続きます。映画とは本来「観る」ものだということを、あらためて感じられたのがこの作品です。
しかしながら、映像の美しさだけではない、真の美しさをもっているのがこの作品の本当の素晴らしさです。登場人物たちの心の深いところでひっそりと放つ魂の輝きを、彼らの淡々とした静かな振る舞いと絵葉書的風景のなかに溶け込ませているところが、この映画の醸し出す品格につながっているように思います。
まさに上質、珠玉の一本。
・「静かなる映画」
本作品のこれまでソフト化されてきたものとの比較ですが、いずれもスクリーンサイズ(ヴィスタ)は変わらず、輪郭・色調・明暗がかなり異なっています。個人的には最初の80年代のSONYのVC/LD版(ジャケ最高!)も捨てがたいのですが、新版に慣れると画面が暗いかも…。90年代に出たLD-BOX版(「アメリカの友人」「ニックス・ムーヴィー」)は輪郭はかなり鮮明になったものの逆に明るすぎる印象を受けました。初のDVD化となったCinefil版は基本的にはLD-BOX版と同じだと思いますが、字幕のon/offの切替が出来ない点とジャケのデザインが満足度としては今一つでした。今回の最新版DVDは、まずジャケがなかなか良いし、画質(色調・輪郭・明暗)・音声は最高ですし(修復の跡がわかるのはご愛嬌)、特典も納得できる内容であり、本作品を家庭で鑑賞するには最高のクオリティーと言えます。個人的には80年代アメリカ映画のベスト3(「シャイニング」「ブレードランナー」「パリ、テキサス」)の一本でもあり、今回のリリースは大歓迎です。
・「空を眺めているだけでも満足」
「最初の1時間は眠らないように我慢しろ!!」
この映画を私に薦めた友人は、私に警告しました。
「後半から、一気にストーリーが動き出すから、
それまで我慢。絶対に観て後悔しないから・・・」
半ば強制的に私にこの映画を観させた友人に感謝。
前半一時間・・・眠るどころか、目がスクリーンに
釘付けになる美しさ。
生涯でベスト5に入るお気に入り映画です。
様々な時間帯、天候によって色を変える
アメリカの空を眺めているだけでも幸せな気分に
なります。
夕立、雷などもいいです。
・「やっぱり涙がでる」
サムシェパードという人がいかにアメリカの狂気を正確に伝えることのできる有能な作家であるかがこの映画の脚本で発揮されているように思う。もちろんベンダースの表現力があって初めて映像と言う形で結実することは言うまでもないのだが。おる日突然帰ってくる兄。弟夫婦が我が子同然として面倒をみている息子。別れた妻。息子が父に馴染まないところから、徐々に関係を取り戻すように慣れてくる様子が実によく描かれている。飛行機に乗れないで車で移動するというエピソードはサムシェパードの実話である。実にアメリカ的な状況をベンダースというドイツ人監督が正確に表現している映画である。
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