Xの悲劇 (創元推理文庫) (詳細)
エラリー・クイーン(著), 鮎川 信夫(翻訳)
「推理小説界最初のダイイングメッセージ」「Yの悲劇に劣らぬ本格ミステリの傑作」「本格ミステリの傑作」「悲劇の最高傑作」「この物語は・・・」
火の粉 (幻冬舎文庫) (詳細)
雫井 脩介(著)
「徹夜本」「刻々と崩壊していく家族が克明に描かれている」「類まれなる筆力で読ませる、サスペンス小説の傑作!」「何気ない日常の恐怖を描く。」「喉が渇くくらいの緊張感!」
真犯人 (講談社文庫) (詳細)
パトリシア・コーンウェル(著), 相原 真理子(翻訳)
「コーンウェル・スタイルの完成度の高い作品」「「シリーズ」の醍醐味」「ケイの人間的魅力で読ませる、CWAゴールド・ダガー受賞作」
魔術はささやく (新潮文庫) (詳細)
宮部 みゆき(著)
「最後までドキドキ」「トリック重視では無いミステリ。」「大好きな作品です」「宮部みゆきを知るならここから」「道具立てを気にしなければ」
白夜行 (集英社文庫) (詳細)
東野 圭吾(著)
「なんとも形容しがたい」「じっくりと読ませる悲劇」「日の当たらない青春を生きた大河小説」「活字でこそ深く味わえる物語」「読み取ることが大切。」
ダ・ヴィンチ・コード〈上〉 (詳細)
ダン・ブラウン(著), 越前 敏弥(著)
「久々に文句無くおもしろい作品です」「コンピューターの前で読む本」「完璧に楽しめます!5冊買いました!」「今年のベスト」「面白い本が好きな人は買うべき」
法律事務所 (小学館文庫) (詳細)
ジョン グリシャム(著), John Grisham(原著), 白石 朗(翻訳)
「John Grishamの最高傑作。映画よりも原作の方がずっと面白い。」「とても面白いですよ」「グリシャムを一冊だけ読むならこれ!」「何回読んでも楽しめる一冊!」「英文小説に抵抗がある方にもお奨め!」
文学・評論>ミステリー・サスペンス・ハードボイルド>日本の著者>は行の著者>その他
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文学・評論>ミステリー・サスペンス・ハードボイルド>外国の著者>カ行の著者
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・「推理小説界最初のダイイングメッセージ」
バーナビー・ロス名義で発表したドルリー・レーン・シリーズの第一作。『論理』を重んじるプロットは実に爽快で、読後にその爽快感が渦を巻き続けるかのような快適な余韻がある。ヴァン・ダインを意識した演劇仕立てのチャプターはドルリー・レーン自身が役者であるが故により一層効果的であり、変装が随所に出てきてすばらしく視覚的だ。
そして、おそらくは推理小説で初めて『ダイイングメッセージ』というのを意図して使ったのは本作ではないかと思う(1932年!!)。あらゆる意味で現在の推理小説のあらゆるファクター(キャラクター・プロット・ダイイングメッセージ・・・etc)の萌芽を感じさせる作品だ。エラリー・クイーンの幅広い知識と教養に支えられた第一級の名作として推薦したい。
・「Yの悲劇に劣らぬ本格ミステリの傑作」
クィーンの代表作と言うと「Yの悲劇」がよく挙げられる(しばしば海外ミステリのベスト1に選ばれる)が、本作はそれに劣らぬ本格ミステリの傑作である。派手な事件が起こる訳ではないが、小刻みな事件・謎の積み重ね、次第に明らかになる過去の恩讐に起因する事件の全貌、巧みに散りばめられた伏線と真相のカギ。そして何と言っても鮮やかなのは、「X」の意味が最後の1行で明かされるという凝った趣向。ダイイング・メッセージの趣向を大々的に取り入れたのは本作が初めてではないか。このように全体の構成が非常に良くできていて、パズラー好きには堪らない作品である。探偵役の元シェークスピア俳優ドルリー・レーンは作品に重厚味を与えているが、彼について詳細を語るには「レーン最後の事件」を待たねばなるまい。
・「本格ミステリの傑作」
物理的な証拠から犯人を論理的に指摘するクイーンお馴染みの手法は実に鮮やか。疑問の余地のない見事な推理で、これぞ本格!と唸らせてくれます。また探偵ドルリー・レーン氏も非常に個性的で魅力的な人物です。
・「悲劇の最高傑作」
論理的推理という面では悲劇物の最高傑作ですなぜ、この人間が犯人なのかについてありとあらゆる面から納得できる作品です
・「この物語は・・・」
株式仲買人がミュージカル女優との婚約発表後にすし詰めの路面電車のなかで、ポケットに忍び込まされた高純度ニコチンを塗った針先に刺されてほとんど即死する事件が起こる話だったと思います。犯人も以外だったし、スピーディに読めました。元シェイクスピア俳優で現在は優秀な探偵であるレーン氏にも愛着がわきます。
確かに「Yの悲劇」のほうが有名な事は有名ですがこの物語も傑作ですので、本格推理モノがお好きな方は是非だまされたと思って読んでみてください。
・「徹夜本」
2004 このミス 56位。
裁判官・梶間は一家惨殺事件で起訴された武内に無罪を言い渡す。数年後、大学教授となった梶間の前に姿を現した武内は、隣家に引っ越して来る。果たして偶然か? 母親の介護を手伝うなど親切な武内は、徐々に家庭に入り込むが、それにつれ、家庭の崩壊が始まる。そこに惨殺事件の被害者の家族が現れて・・・。梶間一家は、「火の粉」を振り払うことができるのか。 読み始めは、「十三階段」の裁判官版を思わせるが、徐々に「黒い家」や「ミザリー」に似た、「次に何が起こるのか」という恐怖に支配され、ページを捲る手か止まらなくなる。ミステリーの中でもホラー色の強い作品である本作は、評判を呼んだ前作「虚貌」を遙かにしのぐできばえで、徹夜本となった。
・「刻々と崩壊していく家族が克明に描かれている」
「犯人に告ぐ」ど俄然注目株となった雫井修介さんですが、本作「火の粉」は私的には「犯人に告ぐ」よりも完成度は高いと思います。 自分が無罪判決を下した元裁判官梶間の隣家に越してくる男、武内。彼が越してきて少しづつ身の回りに異変がおき始める展開の描きこみが凄く自然で巧い。展開が凄く自然なので、リアリティに富んでおり、読む進めば進むほど本当に恐ろしくなる展開に目が話せません。 文庫版で600ページ近くありますが、雫井さんの筆力は高くとてもわかりやすくさくさく読めるので、あっという間に読める一冊です。 ただ家族劇なので、視点を一人に絞らずそのつど家族の一人の目線で物語が進むので、元裁判官が主人公ではないのでそこのところはチェックしておいてください。 この文庫のあとがきにも書かれていますが、雫井さんは女性心理の描きこみが巧い。この物語では尋恵、雪見の二人の心情が特に巧く描きこまれています。これを読んで共感できる女性は多いのではないでしょうか。
・「類まれなる筆力で読ませる、サスペンス小説の傑作!」
最高におもしろい。息つく暇もない。ページをくるのももどかしい。物語がどのように帰結するのか、気になって知りたくてジリジリしてしまう。
元裁判官・梶間勲の隣家に越してきた男・武内。二年前、勲は殺人で起訴された武内に、無罪の判決を下していた。恨みを買ういわれは何もない。だが梶間家の周辺で、次々と不可解な事件が起こり始める。にこやかで親切で情の厚い武内。それは彼の仮面なのか?本当の彼はどんな人間なのか?勲の下した判決は間違っていたのか?それとも?真実は??
武内のキャラが秀逸。人間の複雑さ、ひずみ、脆さ、危うさ、そして普遍性をこんなに体現した人物は今まで誰も書かなかったんじゃないかと思える。うまい。怖い。
梶間家の面々の人物も、深く掘り下げて描かれる。特に義母を介護する尋恵の心のわだかまりと、武内に対する不安と疑心を理解してもらえない雪見のじれったさには、ものすごく共感してしまう。その心理描写だけでも読みごたえがある。俊郎の脳天気なお気楽さには本気で腹が立つし。
・・・のトリックが暴かれるシーンがよい。情景が映像となって目に浮かぶ。開くふすま。パシーン、パシーンと響く音。俯瞰するカメラ。勲のセリフ。解ける謎。鳥肌がたつくらいうまい。感嘆する。
ラストはアメリカ映画的で、まあちょっと作りすぎの感は否めない。けれどよくぞここまで引っぱってくれた、とも思える。
登場人物のリアルさ、たくみな物語構成、奇抜ではないのにあっと驚くトリック、迫力のラストシーン、そして考えさせれるテーマ。傑作のあらゆる要素を満たしていると思う。
・「何気ない日常の恐怖を描く。」
男は、かつて、「ある男」を裁判によって無罪にした。男は、その時下した判決は、正しかったのだと思っていた。無罪のものに、無罪の判決を下す。それが、男のした最後の審判だった。
やがて、事件からしばらくたって、「ある男」が、自宅の隣に越してきた。人懐こい性格と大らかな笑顔で、次第に家族に溶け込んでいく、「ある男」。しかし、時間がたつに連れて「ある男」は違う顔も見せ始めるようになる。その、ごく僅かな変化に気づいたのは、男の息子の嫁だけだった。深まる「ある男:との関係と、それに伴って次々と起こる不可解な事件。『自分は、殺人鬼を解き放ってしまったのか・・・?』。男がそう思ったとき、事態は思わぬ方向へと走り始めていた・・・。
■■■■■■■■派手なアクションがあるわけではないのに、最後まで一気に読み通せる「押しの強さ」を持った作品だと思います。情景や人物の心情などの、丁寧な描写。設定の綿密さ。どれをとっても、かなりのレベルの高さです。ぜひ一読をオススメします。
・「喉が渇くくらいの緊張感!」
怖い。ものすごく怖い。そして面白い!すごいスピードで一気に読んだ。とにかく続きが気になって、ページをめくらずにはいられない。閑静な住宅街に住む元裁判官。ある日隣りに昔自分が受け持った裁判で無罪にした元被告人が引っ越してきた。再会を喜ぶ元被告人っだったが、それからというもの小さな問題は抱えてはいるが平穏だった家庭が、音もたてず、自分も気付かない内に静かに静かに崩れていく。手を打とうと思った時にはもう遅い。全てが狂った後だった。徐々に明らかになっていく隣人の素顔。気付いたときには・・・。とにかく隣人が怖い。得体の知れない恐怖がビシビシ伝わってくる。生唾飲みながら、ドキドキして読み進む。手がじっとりと汗ばんでくる。文章から目を離した時に、大きく息を吸い込む。緊張していたのがわかった。怪しい人物がたくさん出てくる。一体誰が嘘をついているのか。隣人の本当の素顔は?一時は頭がぐちゃぐちゃになる。しかし、待ち受けていた結末は・・・やっぱり恐怖?読み終わってすぐ、「これ面白い!」そう母に薦めた。次の日から家の食卓は手抜き料理で埋めつくされた・・・。
・「コーンウェル・スタイルの完成度の高い作品」
ケイ・スカルペッタ検死官シリーズはミステリーにしては珍しく何度も読み返したくなる作品だ。その中でも、この本は、これまでの中でコーンウェル・スタイルが一番確立して、花開いたものだと思う。
速い話の展開のために盛り込まれた溢れるばかりの問題の数々。死刑の倫理感に触れるかと思えば、ケイの姪ルーシーはUNIXをやさしく手ほどきしてくれ、10年前の事件と類似した事件が起きて、怪しげな知事や弁護士が乗り出してきたり、刑務所のモラルの問題が扱われながら、ケイの部下が殺害されケイの立場が危うくなったりと、とてもゆっくりなど読んでなどいられない。
こんな中にも絶えずケイの生活、人間関係、心の動きなどが描写されていて、ケイの息づきが聞こえてくるようだ。ケイの寸暇を惜し!んで働く仕事に対する姿勢は、読者のやる気をも呼び起こしてくれる。
そして一番驚くことは、これら盛りだくさんの内容が最後には一つの結末にすっきりと収まってしまうところだ。この作品は次への布石の意味もあり、楽しみはまだまだ続く。
・「「シリーズ」の醍醐味」
現在、続けてコーンウェルの作品を読み直しているので、前作がどのような状態で終わったのか、はっきり記憶している。シリーズを最初から読まないと分からない人物がいたり、また、「続き」の部分もある。
「サザ○さん」のように、時間が止まるわけでなく、前作との間に流れた「時間」が存在し、まるでケイやマリーノをはじめとする登場人物が、どこかで本当に存在しているのではないかと錯覚すら感じる。もちろん、前作での出来事は、随所にかいつまんで挿入されているので、一気読みには邪魔臭いが、「年末の恒例行事」の方には、願ってもない、親切だと感じる。
結局、真犯人は逮捕されなかった。その犯人はシリーズ・続編に記されることになる。
このシリーズをリアルタイムに年1回だけ読み進めている方もいらっしゃると思うが、それだけでも、かなりのストレスになるのではないかと考えてしまう。
ケイは、真実追求のため、仕事に責任を持ち、全うしていこうとする。そして、必ず登場するのが足を引っ張ろうとする上司や部下。現実の世界でそれほどいるのか?
そして、後半部。このシリーズに欠かせない人物が登場。アナ・ゼナー。Dr.ゼナーも登場早々、かなりの高齢のような気がする。
ケイのように、地位も知識も経験もある女性を主役とするときには、やはり、「検死官」での40歳の必要があったのだろうか?では、その当時、ルーシーが子供でなかってもよかったのではないか?なんて、勝手な想像をしてしまう。
・「ケイの人間的魅力で読ませる、CWAゴールド・ダガー受賞作」
ケイ・スカーペッタを主人公とする、日本でも大人気のパトリシア・コーンウェルの<検屍官>シリーズの4作目。
英国におけるミステリーの頂点、「CWA(英国推理作家協会)賞」の’93年度ゴールド・ダガー賞(最優秀長編賞)受賞作である。アメリカの作家がゴールド・ダガー賞を受けるのは極めてまれなことで、これは快挙らしい。
10年前、人気女性ニュースキャスターを惨殺した死刑囚ワデルが処刑され、検屍のため遺体がモルグに搬入される。その夜、グロテスクな傷を負った少年が瀕死の状態で発見されたのを皮切りに、一連の不可解な殺人事件が起こる。そして現場から、死んだはずのワデルの指紋が検出される。これらの殺人を犯したのはワデルなのか。では、処刑されたのはいったい誰なのか。読者は冒頭から圧倒的な迫力でストーリーの中に引きずりこまれてしまう。
また、検屍局の女性スタッフが殺害されるに及んでケイ自身に殺人の嫌疑がかかる。自らの身の潔白を証明するためにも、ケイは、姪のルーシー、FBI心理分析官ウェズリーや指紋の専門家バンダー、弁護士で学生時代の恩師グルーマンたちの助けを借りながら、10年前の事件からさかのぼって検証を始める。
終局の解決段階で、ある重要人物たちに容疑をかけるくだりは、やや強引な印象を受ける。また、ストーリー展開が、少々通俗スリラーっぽい感じは否めない。
しかし、それらを補って余りあるほど、本書は、緻密なIT技術・科学捜査の先進性・合理性とケイ自身の人間的魅力、そして不可解な謎と論理的な推理で読ませる、シリーズ屈指の傑作であった。
・「最後までドキドキ」
いまでこそ「クロスファイア」や「模倣犯」の映画化で有名になりすぎた感のあるみゆき氏ですが、初期の頃のこの作品がマイベストです。主人公の少年の描き方がいいのと、どの作品にも共通しますが、読み終えたあとに残る印象が決して不快にならないところが魅力。ほか「レベル7」と「鳩笛草」も自身の5つ星!
・「トリック重視では無いミステリ。」
ミステリファンには二種類いる。トリック重視な物を好むか、人間の心理描写が巧みな物を好むかだ。そして宮部みゆきは、松本清張と同様、間違いなく後者のミステリ作家だと思う。
宮部は、この作品で催眠術というものを扱って、人の復讐心を問う。作品のラストに疑問を持っている方もいるようだが、
それは、事件解決があまりにも単純な物を読みすぎているのでは無いか。
主人公の守少年は、復讐が出来るチャンスを犯人から貰う。少年は、犯人に心を試されるのだ。この内面の戦いこそが、この小説の最大のクライマックスであり、
そういった主人公の抱えている葛藤を理解しなければ、宮部作品は何を読んでも理解出来ないかも知れない。彼女の書く、事件解決方法の多くは、内面の戦いの結果なのだ。そして、ラスト、守少年の選択に、私自身は胸を打たれた。
トリック重視の方には物足りなさもあるだろうが楽しめる、という点で星は最高点。
・「大好きな作品です」
僕は宮部さんのファンで、宮部さんの作品をいろいろと読んで楽しませてもらっていますが、ある意味ではこの作品が個人的には一番好きです。でも、この作品は他の代表作に比べて、読者の評価はそれほど高くないようなので、レビューを書きたくなりました。宮部さんの作品が良いのは、その見事なストーリー構成もさることながら、世の中の不条理、そこから生まれる怒りや苦しみなどの現実的で深刻な問題を正面から描きながらも、最後はなんらかの「答え」を出そうと努力し(その意味で少し理屈っぽいと言えば理屈っぽいけれど)、そして自分なりの答えを提示するのだけれど、その答えがとても暖かくて、前向きで、ほっとできるものになっていることも大きな原因なのかなと思っています(現実に押しつぶされて終わる作品もたまにありますが)。そういう意味での現実との格闘が、「魔術はささやく」では大成功をおさめているように思います。この作品は「憎しみ」という感情と格闘していますが、その視点は暖かく、答えは劇的にもたらされ、読後感は爽やかです。現実的で誠実だからこそ傷ついて、後ろ向きになってしまう。でもできることなら前を向いて、全てを受け入れて生きていきたい。正しい答えはこんなふうにぼんやりと分かっているのだけれど、割り切れない思いが胸から離れず、前に進めなかったことのある全ての人に、この本をおすすめしたいです。
・「宮部みゆきを知るならここから」
単なる謎解きの推理小説だけではない。様々な謎が次から次へと迫ってくるそんな中ででも登場人物の人物描写がていねいに細かく表現されており,謎がとけなくても十分小説になっている。結末へ続く謎解きはこのミステリーをさらに深いものにしている。網の目のように複雑にからまる人間の生み出した暗い謎の奧にあったものが,これも人間らしい深い愛情であったというところが救われた気持ちになる。宮部みゆきを読むならまずここから読んで欲しい。
・「道具立てを気にしなければ」
宮部作品を読みたくて読みたくて、さて何を読もうかと迷っていた時にたまたま古本屋で見つけたのがこれで、私の記念すべき宮部みゆき初体験(笑)の作品。まず驚いたのが、主人公とその回りを固める脇役におけるキャラクター設定の見事さ! 登場人物全ての性格設定に奥深さがあり、全ての人物にそれぞれの魅力がある。普通は読み終われば、おぼろげなストーリーは反芻できても細かなシーンなど忘れてしまうものだが、この作品は読後数ヶ月経っているにもかかわらず、次々と印象的なシーンが思い浮かぶ。特に好きなのは、意地悪な同級生に主人公が蜂の一刺しを返すシーン。ここでは主人公が、ある意図を持って行動を起こす。しかし、読者にはその意図が分からない。だが、経過と共に意図が明らかになってきて、その章の終わりで大きなカタルシスが訪れる。つまり、このシーンひとつとっても一級のミステリーなのだ。全体の構成では事件が解決しても、その後に主人公の精神的な「成長譚」がドキドキのサスペンスを伴って挿入される。物語の根幹をなす「催眠術」という道具立てが荒唐無稽過ぎるとの批判もあるようだが、それはあくまでも道具立て。「催眠術って、そんなに上手く行くの?」という疑問さえ差し挟まずに読むことができたなら、きっと面白く読めるはずだ。私的には、ストーリー構成、物語の奥行き、登場人物設定、どれもがハイレベルで素晴らしい作品だと、自信をもってお勧めできる。
・「なんとも形容しがたい」
桐原亮司と西本雪穂。二人が小学生から大人になる十九年間の物語。高度成長末期からバブル経済の時代まで。彼らが歩む人生の周囲では、次々に不幸になる人々がいる。人々を絶望の泥沼に蹴落としながら、雪穂は睡蓮のように美しく咲き誇っていくのだ。 二人の主人公と読者の間には、レースのカーテンのような物が揺らめいていて、その姿ははっきり見えない。 特異な小説である。主人公二人の心だけが、一切描写されていないのだ。その周辺でもがく人々の主観を介してしか、亮司と雪穂に辿りつけない。
テレビドラマに引き込まれて、一気に読破した。過去にドラマ化不可能などという形容の小説は幾多もあった。しかし、本当に不可能な小説に出会ったのは初めてであった。 亮司と雪穂という主人公の人生には、殺人事件、レイプ、失踪、ハッカー犯罪などの事件が溢れている。最後のピースがはまった時、それらが純粋な魂から溢れ出た「果てしない悪意」だと読者は知る。 この小説と、放送が開始されたTVドラマとは、全てが違う作品になっていくだろう。小説だけの読者は、雪穂たちから、究極の悪意の快感を覚える。TVドラマだけの視聴者は、絶対的な純愛に感動するだろうからだ。そして両方を知った者は、鏡のように全てが正反対の、原作とTVドラマの特異なコントラストにくらくらと酔う。 小説とTVドラマが意図的に乖離せざるおえない作品。 昔、映画の「風と共に去りぬ」観た。その後に原作を読み、映画版のできの悪い模造品に感じた。これとは対照的に、百夜行は原作と映像作品が別個に独立した作品となっていた。両方とも鑑賞される事を強くお勧めします。
・「じっくりと読ませる悲劇」
仕事の合間を縫って、2日間ほどで読み終えました。最近この本を手にした多くの方と同様、私もドラマを見て、関心を持った一人です。 (売り切れの書店ばかりで大変でした)
読み終えて、真っ先に思ったのは、「ドラマを見る前に読めばよかった」という後悔でした。
ドラマの最初のシーンが本のラストにあたり、更に徐々に浮かび上がってくる二人の関係が、ドラマの初回で既に描かれてしまい、読みながら考えていく楽しみが減ってしまいました。また、読みながら俳優さんたちの顔が浮かんできて…(苦笑)
雪穂と亮司のふたりを決して同じ場面に出さず、出来事と周囲の人間の発言だけでつながりを浮かび出させていく…笹垣の口を通して描かれる解釈すら真実なのか?
あくまで最後は読者それぞれで彼らの人生を考えろ、というのが作者の狙いなのでしょうか。
確かに雪穂には人間の「情」というものが微塵も感じられません。心を失った彼女が、分身である亮司まで失ってしまった。美しいただの抜け殻であり、これから先の彼女の人生は、延々と続く悲劇でしかないでしょう。
全く救いがない物語ではありますが、救いのない悲劇をここまで描ききったことは見事としか言いようがないと思います。
最後に、この本とドラマは、全く別物として、それぞれ楽しんだほうがいいと思います。
・「日の当たらない青春を生きた大河小説」
2回読破しましたが、2回とも変わらず楽しめました。舞台が私の住居と近い東大阪であることもひとつの要因として、のめりこみました。二人の人生の中で描かれている社会現象も懐かしく、共に時間をすごしているような錯覚すら覚えます。
懺悔のためか、決して太陽の下に出られないような人生を選び、愛するがゆえに影から守る。決してハッピ―エンドにはならないと分かる半生を生きるには勇気、絶望どちらが必要なのでしょうか?
著者の最高傑作のひとつであるのみならず、日本のサスペンス小説の宝であります。
・「活字でこそ深く味わえる物語」
文庫版を解説している馳星周氏は本書をこう評している。「人間の暗い側面、邪な断面、人間のそうした性質を助長する矛盾した世界。それを描くのがノワールだと定義したならば、『白夜行』はもはや、ノワール以外の何ものでもない」そう、「白夜行」は紛れもなく上質のノワールなのである。暗黒街やマフィアが登場する作品ばかりがノワールではないのだ。
20年にもおよぶ亮司と雪穂のダークで沈鬱な物語。2人の人生には常に不気味な犯罪が見え隠れする。しかし、読者は2人の心の闇、心の傷をうかがい知る事はできない。小説には2人の内面はいっさい描かれていないのだ。冷たく、重い物語だ。出口がなく、救いのない物語だ。読後の爽快感はない。だが間違いなく後をひく傑作だ。
この名作がドラマ化されるという。小説では2人の内面描写がなく、余計な説明もないからこそ、深い読後感を味わえる構造になっているのだ。陳腐な純愛ドラマに貶められないか、非常に心配である。
この重い世界観は活字だからこそ味わえるものではないだろうか?表現手段が違うのだから、ベストセラー小説を何でも映像化するのは反対だ。活字だからこそ表現できるものもあれば、映像にしか表現できないものもある。「白夜行」は活字でこそ生きる物語だと思う。
・「読み取ることが大切。」
書評を読んでから小説を購入し、読みました。主人公の二人からの細かな視点は、この小説に必要では無い、と私は感じました。
なぜなら、たくさんの登場人物たちの複雑に絡み合った関係。過去の事件の真相を探る上で知りえる情報。二人の台詞。事細かに描かれており、たくさんの章があって大変だとは思いますがそれらをしっかり読み取ることで、二人の関係や想いを感じることは、できるからです。
この小説に、「雪穂はこう思った」「亮司は雪穂に対してこうこうこういう気持ちだった。」なんて視点があったら、野暮だしおもしろくはありません。
それから、ネタバレになるので詳しくは書けないけれど、二人がそれぞれ違うシチュエーションで、違う相手に向かって言う、同じ意味の言葉があります。それが唯一、二人の関係を示すものとなるのではないでしょうか。
この小説を読み終わったとき、私は村上龍氏の「コインロッカー・ベイビーズ」を読んだときと同じような気持ちになりました。生きるため、自分を守るため、誰かを守るためのエネルギー。様々な策略が感じさせるダークな部分。そういう点が共通してるのではないでしょうか。
素晴らしい小説だと思います。
小説の内容とは無関係だけど、文庫本は上下に分けて欲しかった。。。あのページ数の文庫本は手に持って読むのに向いてません。
・「久々に文句無くおもしろい作品です」
前作のAngels & Demons と同じ主人公が活躍するのですが、ストーリーは次の展開がどうなるんだろうと最後までわくわくさせられつつ軽快なテンポで進みます。
ダビンチと聞くと芸術に係わるストーリーだと思われるかもしれませんが、歴史、美術、宗教、科学、金融などそれぞれの分野で知的好奇心をそそられるようなディテールが上手くストーリーと組み合わされていて、もう次の作品が待ち遠しくなること間違いなし。
専門用語が出てきますが、全体としてはシンプルな読みやすい英語です。
・「コンピューターの前で読む本」
久しぶりに面白い本を読んだ。普通のサスペンスとどこが違うのか考えてみた。主人公のソフィーとランドンが各所で追われる。 本来ならすぐに逃げる方法を考えるものだが、この小説ではその時に限って二人は詳細な謎解きや調べものに熱中してしまう。逃げる方法は原則逃げてから始めて分かる仕組みになっている。 読むほうは、そんなことをしていないで早く逃げて欲しいと思い、ついつい4,5ページ先をぱらぱらとめくって助かったのかな?と、確認したくなってしまう。そのじらしかたが実にうまいと思う。
確かに聴きなれない単語もあるが、この本に限って言えば、辞典を引くより、いっそのこと、Google のイメージ検索をするとよい。たとえばcameo, やkeystoneなどの単語, モナリザ、最後の晩餐などの作品を、ネット上の画面をみながら読むと、ややこしそうに見える説明も案外はっきりと理解できる。これまではほとんど通勤途中で読んで来たが、この本は、コンピューターの前で大半を読みました。
・「完璧に楽しめます!5冊買いました!」
話題になっているこの本は気になっていたのですが、美術のことはあまり知らないので、読んでも理解できないのでは?と思っていたところ、OAZOにできた某大型書店でこの本を見てビックリ!なんと文章の横にすべての絵や写真が入っている!『これは美術書としても充分にたのしめる!』とりあえず、値段をチェックして帰宅。案の定アマゾンのほうが安値だったので、UNAbridgedのCDとともにオーダーしてワクワク到着を待つ(ちなみに○善書店ではAbridged版しか置いてなかった!残念!)翌日本が届いて、CDとともに読み始めたら、もう止まらない!絵や写真も合わせて見られるので楽しいし、話は軽いタッチで英語もやさしい!13枚のCDもあっという間に聞き終わり5日で読み終わってしまった!絵のきれいさもあり、英語に興味のある友人達のクリスマスプレゼントにすることに決めて5冊オーダーしました!
・「今年のベスト」
イギリスに住む友人が、一押しと教えてくれた。早速買って読み始めたが、いきなり引き込まれた。読み進むうちに、ダヴィンチの作品について、知識が必要になり図書館で美術全集を広げ、絵を見ながら読むという、一寸きざなこともしてみた。「最後の晩餐」の解釈などとても面白い。
現存するものについての記述はすべて真実、と前書きにあり、その隙間を作者の想像力と創造力がうめていく。キリスト教の歴史あり、ルーブル美術館の歴史あり、おもしろさはつきない。 舞台がパリからロンドン、スコットランドと移りながら、追いつ追われつの展開で、知識が増え、ハラハラドキドキしながらの何日間かであった。
年末になると自分のベストを作ってみるのだが、今年はこれがベストではないかと、今から思っている。
・「面白い本が好きな人は買うべき」
本作があまりにもリアリティに欠けるという厳しいレビューがありますが、私は「面白ければ、どうでもいい」と思います。歴史書や図鑑じゃあるまいし、細部にこだわって、「現実とここが違う」なんて1つひとつ報告しても、だれが喜ぶのでしょうか。
娯楽小説と考えれば、とても面白い話です。みんながよく知っている(と思っている)ダヴィンチや彼の作品に、これだけの謎をちりばめ、読者に「考えてみよう」と思わせる暗号も用いるなど、ワクワクする本です。
少年時代、明智小五郎やシャーロック・ホームズを読んだときのような楽しい気持ちで読めました。最近の作品だと、名探偵「コナン」に出てきそうな謎解きです。
繰り返しになりますが、美術とか宗教とかルーブルに精通しており、現実との細かな描写が気になる人には向いていません。「映画化を意識した」という批判も、逆に考えれば、それだけ映像が頭に浮かぶ作品ということです。分厚い本2冊ですが、一気に読めました。スリリングな娯楽作品が好きな人は、ぜひどうぞ。
・「John Grishamの最高傑作。映画よりも原作の方がずっと面白い。」
私は、John Grishamの作品をA Time To KillからBrethrenまですべて読んできたが、やはりこの作品が最高に面白い。新人弁護士が破格の待遇で、ある法律事務所に雇われるが、そこでは過去に何人も不審な死を遂げていた。そしてその真相を知った主人公は、マフィアとFBI双方から追われることに。最初から最後まで息詰まる展開の中、マフィアにもFBIにも屈しない主人公の知恵と行動力には胸躍らされるものがある。まさに読み出したらやめられない、スリル満点のサスペンスである。ところが、映画では、ストーリーの一部が改悪され、原作に比べつまらないものになってしまっている。マフィアの圧力でもあったのかと勘ぐりたくもなる。Grishamの作品の中では、このほかThe Pelican Briefがお勧めである。英語は平易で読みやすい。
・「とても面白いですよ」
映画で放映されているし、日本語の翻訳版もありますが、やはり原書で読むほうが臨場感があり、おもしろいです 一度洋書にチャレンジしようと思ってる方、最初は難しいかもしれませんが、この作家の本はとても面白いので、とっつきやすいですよ。個人的にはこの作家のこの作品が一番好きです。
・「グリシャムを一冊だけ読むならこれ!」
新刊当初、全米であっという間にブームになった本書は、ジョン・グリシャムの出世作でもあり、代表作というにふさわしい記念すべき一冊。希望に満ちた若き青年弁護士が、弁護士事務所という輝かしいエリート集団に入って初めて気づき始める暗い影…。正義の守り手のはずの弁護士たちをとりまく犯罪と、身の危険さえ感じさせる周囲の不気味な事態に、新人弁護士はどうするのか?テンポも展開も秀逸で、寸暇を惜しんで読んでしまいます。英語で読んでいるのに、負担に感じさせないのは、映像メディアにも引けをとらないグリシャムの流れるような文章ならでは。手に汗にぎる展開が、活劇さながらリアルに迫ります。読後感の爽やかさも魅力のひとつ。普段は洋書を読まない家族や知人にも薦めてみたらひっぱりだ!こになり、ペーパーバックがよれよれになりました。その後の作品や最新作を制覇するのも勿論楽しいものですが、やっぱりグリシャムの原点でまずは魅力を知って貰いたい!そんな気持ちになる一冊です。
・「何回読んでも楽しめる一冊!」
何回読んでも飽きないジョング・リシャムの最高傑作のうちのひとつだと思います(もうひとつの最高傑作は‘Time to Kill’だと思います)。英語で5回、スペイン語で3回読んだのですが毎回同じように楽しめました(スペイン語は訳が素晴らしく接続法を多用しているので、スペイン語の勉強には最適です)。
何が面白いのか?とにかく他のグリシャムの作品もそうなのですが、とにかく主人公が頭がよい!追い詰められた状況での読みと決断力。まるで一流のチェスプレーヤーのようです。それに今回は、主人公を追い詰めるマフィアやその仲間の弁護士達の読みの深さもストーリーを複雑で面白くしています!加えて、FBIも絡んで息詰まる逃走劇が繰り広げられます。
映画の中の、あくまででも合法さの中で限られた合法な手を使って生き延びるというエンディングもいいのですが、原作の合法違法にかかわらず、考えうるあらゆる最高の手を使って主人公のマクディアーが逃げ延びてゆくエンディングもとても魅力的です。
とにかく読んだら最後までとまらない一冊です。高校のときのリーディングの教科書もこれだったら、もっと早いうちに英語が上達しただろうなぁ。笑
・「英文小説に抵抗がある方にもお奨め!」
誰もが一度は憧れるエリート青年弁護士のストーリー、前半はその緻密でリアルな描写と、個性的な登場人物にグイグイ引き込まれていきす。後半は一転、主人公が追手から逃走するというスリリングな展開。多少全体のつながりに無理を感じる箇所もありますが、場面ごとに飛び出す主人公の知恵、駆け引き、そして危険な綱渡り的な行動は、それを忘れさせてくれるくらいドキドキさせてくれます!アメリカでは何かと弁護士が題材にされることが多いようですが、好きな人はすんなり本書の世界にのめり込んでいけると思います。英語も平易で、同じような言い回しが何回も使われる傾向にあるので、専門用語さえ覚えてしまえば、すいすい読めてしまうと思います。
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