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▼私だけが好き♪だったらいいな(2):セレクト商品

テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX I (旅芸人の記録/狩人/1936年の日々)テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX I (旅芸人の記録/狩人/1936年の日々) (詳細)
テオ・アンゲロプロス(監督), エヴァ・コタマニドゥ(俳優), コスタス・パウロウ(俳優), ヴァンゲリス・カザン(俳優)

「遂に、ようやく、やっと。。。」「長回しの芸術」「満を持して最も理想的な形で登場。」「ジグソーパズルを堪能する」「ワンシーンワンカット」


テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX II (ユリシーズの瞳/こうのとり、たちずさんで/シテール島の船出)テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX II (ユリシーズの瞳/こうのとり、たちずさんで/シテール島の船出) (詳細)
テオ・アンゲロプロス(監督), ハーヴェイ・カイテル(俳優), マルチェロ・マストロヤンニ(俳優), アキス・カレグリス(俳優)

「幻のフィルム」


ストーカー [DVD]ストーカー [DVD] (詳細)
アレクサンドル・カイダノフスキー(俳優), アナトーリー・ソロニーツィン(俳優), ニコライ・グリニコ(俳優), アリーサ・フレインドリフ(俳優), ナターシャ・アブラモヴァ(俳優), アンドレイ・タルコフスキー(俳優), アルカージー・ストルガツキー(原著), ボリス・ストルガツキー(原著)

「BEST」「内的宇宙の思索、内にいる己との対面」「難解でも眠くもない」「表層願望か深層願望か。」「たったひとつだけできること」


ダスト [DVD]ダスト [DVD] (詳細)
ミルチョ・マンチェフスキー(監督), ジョセフ・ファインズ(俳優), デヴィッド・ウェンハム(俳優), エイドリアン・レスター(俳優), アンヌ・ブロシェ(俳優), ニコリーナ・クジャカ(俳優)

「100年に及ぶ壮大な物語」「名作です。」「初めてのキスのような、映画!」「デヴィッド・ウェンハム万歳!」「寡作家の傑作」


イレイザーヘッド 完全版 [DVD]イレイザーヘッド 完全版 [DVD] (詳細)
ジャック・ナンス(俳優), デヴィッド・リンチ(俳優)

「ビザールな世界へようこそ」「サイコスのみんな!あつまれ〜!」「監督の意識の集中力がすごいです」「胃もたれが・・・」「誰か教えてください」


マルホランド・ドライブ [DVD]マルホランド・ドライブ [DVD] (詳細)
デイヴィッド・リンチ(監督), ナオミ・ワッツ(俳優), ローラ・エレナ・ハリング(俳優), ジャスティン・セロウ(俳優)

「 リンチワールドに夢中! 」「何度もリピートすれば、その深みにはまれる作品」「映画とは」「謎がとけないまけおしみ」「文句なしに楽しめる」


π(パイ) [DVD]π(パイ) [DVD] (詳細)
ダーレン・アロノフスキー(監督), ショーン・ガレット(俳優), マーク・マーゴリス(俳優), スティーヴン・パールマン(俳優), ベン・シェンクマン(俳優), サミア・ショアイブ(俳優)

「万物は数学で解釈しうる、とは」「テーマは好きです」「数字ってかっこいい」「フィボナッチ」「狂気の世界を垣間見る」


友だちのうちはどこ? [DVD]友だちのうちはどこ? [DVD] (詳細)
アッバス・キアロスタミ(監督), ババク・アハマッドプール(俳優), アハマッド・アハマッドプール(俳優), イラン・オタリ(俳優), ホダバフシュ・デファイ(俳優)

「手に汗握る「小事件」」「凄いですね」「映画とは何か?」「映画の真髄」「少年の想い」


セントラル・ステーション [DVD]セントラル・ステーション [DVD] (詳細)
バルテル・サレス(監督), フェルナンダ・モンテネグロ(俳優), マリリア・ペーラ(俳優), ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ(俳優)

「心を揺さぶる」「こんな映画をマイ・ライブラリーに加えて下さい」「めっけもんな映画」「超おすすめ。」「泣ける映画」


イゴールの約束 [DVD]イゴールの約束 [DVD] (詳細)
リュック・ダルデンヌ(監督), ジャン=ピエール・ダルデンヌ(監督), ジェレミー・レニエ(俳優), オリヴィエ・グルメ(俳優), アシタ・ウエドラオゴ(俳優), ラスマネ・ウエドラオゴ(俳優), レオン・ミショー(脚本), アルフォンス・バドロ(脚本)

「すごく面白いわけでもないのに、なぜか心に残る不思議な映画」「北の地獄のハイエナ親子」「イゴールの約束」


フル・モンティ [DVD]フル・モンティ [DVD] (詳細)
ピーター・カッタオネ(監督), ロバート・カーライル(俳優), トム・ウィルキンソン(俳優), マーク・アディ(俳優), サイモン・ボーフォイ(脚本)

「あのロバートカーライル」「★楽しくなってくる★」「落ち込んでいるときにとても元気が出る映画」「感動間違いなしの男性ストリップ」「問題解決・自己成長型、涙と笑いのストリップストーリー」


ストレンジ・ワールド [DVD]ストレンジ・ワールド [DVD] (詳細)
フィリップ・オシェア(監督), リドリー・スコット(監督), ジュード・ロウ(俳優), トニー・スコット(俳優), サマンサ・モートン(俳優), ロバート・カーライル(俳優), デヴィッド・ジャクソン(監督), ジョナス・グリマス(監督)

「まったりと不思議な味わいの小品たち」「Jude Lawのデビュー作!」


ベンゴ [DVD]ベンゴ [DVD] (詳細)
トニー・ガトリフ(監督), アントニオ・カナーレス(俳優), トマティート(俳優), ラ・パケーラ・デ・ヘレス(俳優), ベルナルド・パリージャ(俳優)

「これ本物」「映画観て泣いたのは何年ぶりだろう」「これぞフラメンコ!」「映画的な映画」「vengo」


ヤン・シュヴァンクマイエル 「ドン・ファン」その他の短編 [DVD]ヤン・シュヴァンクマイエル 「ドン・ファン」その他の短編 [DVD] (詳細)
ヤン・シュヴァンクマイエル(監督)

「ブルトンに見て欲しかった」「★コストニツェが印象深い★」


レザボア・ドッグス [DVD]レザボア・ドッグス [DVD] (詳細)
クエンティン・タランティーノ(監督), ハーヴェイ・カイテル(俳優), ティム・ロス(俳優), スティーブ・ブシェーミ(俳優)

「バイオレンス映画の新しい原点!」「ライク ア チェリー ボーイ」「タランティーノ最高!!」「ツボにはまる映画」「なんなんだろうw」


夢の旅路 [DVD]夢の旅路 [DVD] (詳細)
マイケル・ディ・ジャコモ(監督), ティム・ロス(俳優), ジョン・タトゥーロ(俳優), ミッキー・ルーニー(俳優), ロッド・スタイガー(俳優)

「完璧すぎるデビュー作」「つまらん・・・」


薔薇の名前 特別版 [DVD]薔薇の名前 特別版 [DVD] (詳細)
ジャン=ジャック・アノー(監督), ショーン・コネリー(俳優), クリスチャン・スレーター(俳優), F・マーレイ・エイブラハム(俳優), ウンベルト・エーコ(原著)

「鬱々とした中世の閉塞感が漂います」「とても雰囲気のあるミステリ映画」「中世の迷宮を垣間見る」「この傑作映画の高画質DVDが1500円で買える時代なんですね」「買って損は無いです」


アンドレイ・ルブリョフ [DVD]アンドレイ・ルブリョフ [DVD] (詳細)
アンドレイ・タルコフスキー(監督), アナトリー・ソロニーツィン(俳優)

「傑作」「芸術作品の背後に佇む「沈黙」」「なんちゅう完成度。」「深い感動に包まれました」「単純な祈り」


ミツバチのささやき [DVD]ミツバチのささやき [DVD] (詳細)
ビクトル・エリセ(監督), アナ・トレント(俳優), イザベル・テレリア(俳優), フェルナンド・フェルナン・ゴメス(俳優), テレザ・ジンペラ(俳優)

「再販しないメーカーは文化を理解していません」「Amazon.co.ukからの購入」「スペイン内戦を静かに告発する映画」「再販してください・・・・」「一刻も早く再発売するべき映画」


去年マリエンバートで  HDニューマスター版 [DVD]去年マリエンバートで HDニューマスター版 [DVD] (詳細)
アラン・レネ(監督), デルフィーヌ・セイリグ(俳優), ジョルジョ・アルベルタッツィ(俳優), サシャ・ピトエフ(俳優), フランソワーズ・ベルタン(俳優)

「この上ない映像美、独自性に酔いしれる」「やっと出た!」「幻想的な映画」「クライテリオンは5月に・・・」「ヒッチコック・ファン必見!」


ブルース・ブラザース [DVD]ブルース・ブラザース [DVD] (詳細)
ジョン・ランディス(監督), ジョン・ベルーシ(俳優), ダン・エイクロイド(俳優), キャリー・フィッシャー(俳優), ジェイムズ・ブラウン(俳優), キャブ・キャロウェイ(俳優)

「おバカ映画の至高」「前向きに生きる為の薬。」「スピルバーグもカメオ出演!」「気付いた人います?」「One night only」


モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD] (詳細)
ウォルター・サレス(監督), ガエル・ガルシア・ベルナル(俳優), ロドリゴ・デ・ラ・セルナ(俳優), ミア・マエストロ(俳優), ホセ・リベラ(脚本)

「自分自身の生き方を見つめ直すきっかけに・・」「一見は百聞にしかず」「距離と孤独に目を向けてみる」「静かに、心がざわつかされる映画」「爽やかで清々しい名作」


8人の女たち デラックス版 [DVD]8人の女たち デラックス版 [DVD] (詳細)
フランソワ・オゾン(監督), カトリーヌ・ドヌーヴ(俳優), エマニュエル・ベアール(俳優), イザベル・ユペール(俳優), ファニー・アルダン(俳優), ヴィルジニー・ルドワイヤン(俳優), リュディヴィーヌ・サニエ(俳優), ダニエル・ダリュー(俳優), フィルミーヌ・リシャール(俳優)

「まさに事件」「香り立つファム・ファタール~朽ち果てぬ美しさ」「女の美しさ、残酷さ」「日本的2時間ドラマの、超上質版」「個性豊かな女優たち」


太陽 [DVD]太陽 [DVD] (詳細)
アレクサンドル・ソクーロフ(監督), イッセー尾形(俳優), ロバート・ドーソン(俳優), 桃井かおり(俳優), 佐野史郎(俳優), 田村泰二郎(俳優), ゲオルギイ・ピツケラウリ(俳優), ユーリ・アラボフ(脚本)

「イッセー尾形に最大限の賛辞を」「今ひとたびの僥倖」「昭和天皇にお会いしました」「天皇裕仁の愛すべき人間像を表現している秀作」「昭和天皇の人間性に迫った、必見の傑作」


パッチギ ! スタンダード・エディション [DVD]パッチギ ! スタンダード・エディション [DVD] (詳細)
井筒和幸(監督), 塩谷瞬(俳優), 高岡蒼佑(俳優), 沢尻エリカ(俳優), 松山猛(原著), 羽原大介(脚本)

「泣くまいと思ったけど泣いてしまった」「いきなりのオックスにびびった!!! (改訂版)」「ムズカシいことは考えんでええ!(修正)笑顔の裏の哀しさを!」「いやいやいやいや」「どうしようもない世界の中にもときおり奇跡が起こる」


▼クチコミ情報

テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX I (旅芸人の記録/狩人/1936年の日々)

・「遂に、ようやく、やっと。。。
ともかく出てくれただけで奇跡。 いや、何故これだけ色々なDVDがあってアンゲロプロスだけ出ないのかと身をよじっていたものとしてはまさしく僥倖。 一時はあきらめかけて中古LDボックスをオークションで手に入れようとまで考えた(プレーヤーも一緒に)が、止めておいてよかった。今は全てが感謝で満ち溢れている。ちなみに収録作品は「旅芸人の記録」「1936年の日々」「狩人」の3作品。

・「長回しの芸術
旅芸人の記録の映像の美しさは、息詰まらんばかりの長回しである。撮影現場は大変な緊張感があったろう。それだけに時代背景を抉り出している。フィルムではリバイバルのたびに見たので、3回くらい観ているが、手許におけるのは実に嬉しい。他の作品がリリースされるのも楽しみだ。霧の中の風景、などなど。

・「満を持して最も理想的な形で登場。
ヘーゲルの著作全集やバッハの教会カンタータ全集みたいなもので、売れる売れない関係無しに出版されるべきものでしょうね。とはいえ、その登場を長年待ち望んでいたファンにとって、全集という最も理想的な形でのリリースが実現したことはまさしく快挙。ありがたいことです。

・「ジグソーパズルを堪能する
「旅芸人の記録」は新作「エレニの旅」を発表したアンゲロプロス監督が、70年代に発表したギリシャ現代史3部作の1つ。カンヌ映画祭で寺山修司の「田園に死す」と競い、国際映画批評家賞を受賞しました。「エレニの旅」では個人史的色合いが強くなっていますが、「旅芸人の記録」を観れば、この監督がもともとは、歴史とそれに巻き込まれる人民の関係をダイナミックに描く映像作家であることがわかります。劇中劇でのエレクトラ神話と現実との相似構造、同じ場所で年代差のある複数の事件が継ぎ目なく現れるなどの複雑なカットバックが今見ても斬新です。映像美、スケールの大きさからみて劇場で鑑賞したかったところですが、今回のように、こうしたジグソーパズルのような構成に謎解きを挑むつもりで、自宅で冷静に鑑賞するというスタンスでも充分堪能できました。(1975ギリシャ/80-02-11 新宿文化シネマ1)

・「ワンシーンワンカット
アランレネやゴダールが使っていたワンシーンワンカットを、引き画にして時空までもいじくってしまったテオ・アンゲロプロス。有名な俳優を使わずに、縦の演出で俳優の動きを自由に動かし、素晴らしい映画となった。近年主人公を描く様になったが、やはり初期の作品に魅力を感じる。「エレニの旅」は失敗だろう?

テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX I (旅芸人の記録/狩人/1936年の日々) (詳細)

テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX II (ユリシーズの瞳/こうのとり、たちずさんで/シテール島の船出)

・「幻のフィルム
ユリシーズの瞳。それは幻のフィルムを求めての旅。そしてフィルムは希求としての始まりの世界、つまりはこの世界の再誕を錯覚させる虚構としての20世紀の開始であるのかもしれない。かつて故郷を逃れたひとりの旅人は長いときを隔てて帰還する。変り果てた土地。開始される遡行と探索。凍てつくバルカン半島は悲痛である。ひとも建物も河もすべてが閉ざされている。あらゆる外界が静かな拒絶をもって、あるいは無視を装うかのように他者の眼差しでそこに佇む。歴史の夢が、記憶が、そして祈りがゆるやかに交錯する。民族、宗教、イデオロギー。ひとは多くの衣を纏っては次々と脱ぎ捨てていく。希望はいまだ宙吊りのまま冬景色のなかで凍結している。そのフィルムに果たして写っていたのは、原初の光であるのか、わたしたちは未だその答えを見出せないまま映画を観終わらねばならないのである。

テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX II (ユリシーズの瞳/こうのとり、たちずさんで/シテール島の船出) (詳細)

ストーカー [DVD]

・「BEST
タルコフスキー監督の映画を見てると何時も睡魔がおそってきます。ゾーンに行くまでのシーンでねむくなりなした。しかしゾーンに入ってからの緊張感はいったいなんでしょうか。この迫力、切迫感、焦り。 ラストがやはり凄いですね奇跡は本当に起きたのだ。タルコフスキー監督作品の中で一番だと思います。

・「内的宇宙の思索、内にいる己との対面
 ロシアの巨匠、アンドレイ・タルコフスキー監督が、「惑星ソラリス」につづき、東欧・ロシアSF小説の金字塔の映画化に挑んだ本作は、水のイメージと音、ロケのみで映し出された異様な異空間、数少ないが詩的で思想的な台詞、そしてゆっくりゆったり人物たちの心状の動きに合わせるようにして動きつづけるカメラなど完成された彼の映画美学を徹底的に貫くことに成功した作品。映画版「ストーカー」はストルガツキー兄弟による原作小説とは全く違うといってよかろうが、二人が脚本に参加しているように、タルコフスキーとの創作の過程と、そのあまりに自然なお互いを啓発しあう関係に限りない感嘆と羨望を覚える。原作小説の方が映画的、映画のほうが小説的というのも何かおもしろいところだ。 これは設定はいわゆる「ファースト・コンタクト」もののSF映画(「未知との遭遇」、「コンタクト」など)であるものの、作品としてはその類ではない。「ゾーン」と呼ばれる異空間、それはこの星の外から来た何者かが残していった痕跡である。その空間自体がこの世界と構造も原理も全てを異にしているため、「ゾーン」は人を拒み、人を迷わし、しかし魅了しつづける。そこは人が願った事が現実になる場所…夢のような場所。しかし「ゾーン」はただそこにあるだけであるがゆえに、そちらからは一切歩み寄ってこないがゆえに、訪れる人々を深みにはまらせ、彼らの深層心理をえぐり出し、内にあるもう一人の自己との対面を迫る。表層の自分がどれだけ欺瞞・偽善・私利私欲にまみれた汚いものであるか、それをまざまざと見せ付けられることになるのだ。 「内面の自己との対面」---それこそが常に人間たちの前にそびえる大きな壁である。それを乗り越えること、その過程で啓発・愛・信頼・絆を得ること---またこれこそが、その高い壁を超えてでも人間たちが手に入れようとするものなのである。

・「難解でも眠くもない
タルコフスキーの映画の中でも、もっとも主題がストレートに表現されている映画と言えるだろう。と同時に「鏡」などと異なり、他の見方や解釈を殆ど許さない映画であるともいえる。タルコフスキーの映画は極端にカット数が少ないため、多くの人から眠くなる映画と言われているが、これは現代人があまりにもカット数の多い映画を見慣れているからである。実際に、まじめに見ていけば、この映画は長いにもかかわらず退屈もしないし、ちっとも眠くならない。表現方法は映画的だが、きわめて明確であり、難解な部分は全くない(聖書や音楽に対する基本知識が必要ではあるが、殆どの人にとってわかりやすい表現形式となっている)。この映画は知ったふうの他の芸術映画とは全く異なった、きわめて真摯な映画なのである。ひとつひとつのショットに細心の注意を払っており、どのショットも十分に鑑賞に値するものになっているし、せりふの意味を十分に考える時間もある。考えるという行為を忘れた人間には、この映画は確かに退屈かもしれないが、実際には普通のアクション映画よりはるかに楽しめる作品になっている。アクションを細かいショットの積み重ねで表現する、現在のハリウッド映画の手法を確立したといえる、黒澤明が賞賛を惜しまなかったのもそんな理由からなのだろう。

ストーリ的にいえば、この映画の結末は映画史上最も希望にみちたもののひとつといえよう。これほど感動し希望を持てる映画は他に殆どない。だから、これを観るひとには少しももらさず、断念もせずに最後まで見てもらいたいと思う。生きていてよかったといえる一品である。

・「表層願望か深層願望か。
荒筋は他のレビューを見ていただいて、、、。テーマについて書きたいと思います。願いが叶うというゾーンの部屋にあなたは行きますか?僕も最初は行きたいなぁと思っていましたが、もしそれが自分の無意識下の本性を満足させるものだったらどうでしょう?この映画の中で、主人公とは別のストーカーのヤマアラシが、弟をゾーンに案内している途中にその弟を事故で無くし、ヤマアラシは弟を返してほしいという願いを持ってゾーンの部屋に入り、なぜか金持ちになってしまって、自殺したというエピソードが語られています。我々が思う望みとは多分表層的なものであり、現実に自分の身に起こったものに対する現実対処的なものなのかもしれません。例えば、金がないから金が欲しい、テストがあるから受かりたいといった、そういった現実対処的な表層願望と、意識下の本性が望む深層願望は違うものなのだということなのでしょう。だから、主人公のストーカーはゾーンにいろいろな人を案内してきましたが、誰ひとりとして、その部屋に入らないと嘆いています。誰ひとりとして「信用しない。」と。つまり、自分は何なのか?自分の望みは何なのか?自分は何を望んでいないのか?それさえも。自分自身で分からない。自分を信用していないということなのでしょう。僕自身もいろいろな欲望がありますが、深層願望はいったいなんなのか?それが叶ったとして幸せになれるのか?さっぱり分からなくなりました。例えば、金持ちになりたいという願いを持って部屋に入っても、ひょっとしたら自由に空を飛ぶ鳥になっていたりして、、怖いよー。つまり、私自身も自分を信用できなくなったのです。そして幸せとは深層願望を満たすことではなく、たぶん、表層願望を満たそうとしてつまづいたり、近づいたり、日々のご飯を食べたり、家族と語らったりというそんなところにあるのでしょうね。内宇宙を見せてくれるSF傑作ですね。最後のシーンは神秘的でした。ちなみにこの映画はタルコフスキー自身が美術を担当しています。凄い才能ですね。脚本はソラリスと同じスタニワムレムです。

・「たったひとつだけできること
私にとっては『惑星ソラリス』に続いてタルコフスキー作品の2本目。

ちょっとでも道を外れるとそこには未知の危険が待っているという不思議な空間。死んでしまったり、消えてしまったり。何が起こるかわからないというのは、まるで神様か悪魔のいたずらのよう。しかし人々は色々な思いを持って真剣にそれに挑む。“なんでも叶う”というその噂の真偽もわからないのに。

SFに分類されるのだろうが、そしてあらすじから冒険話と思って観ると裏切られる。とても静かな作品。説明もないし多分監督が描きたいのは、そこに辿り着いたら何があるのでしょう、っていうことじゃないから。(これは原作を読んでもそうだったけれど)深く深く自分の中に潜っていくような散策場面。トロッコの単調な音、湿った匂いがしてきそうな画面が延々と続く。どんな力が生じてか、大きな車がぺしゃんこになっていたり、音がかき消されたり、その“ゾーン”の描き方が感覚に異質なざわざわ感を与える。途中画面に不思議な色処理がされていて観ている側も長い旅をしている感覚になってくる。

依頼人が望まなければストーカーはその場所に行くことが許されないらしい。なぜ“ゾーン”の危険を察知できる能力があるのか説明はない。ストーカーは本当にただの男だ。妻と娘と細々と生きている。愛する娘は足が悪くて歩くことが出来ない。

誰も辿り着いたことのなかったその“ゾーン”へ、男は辿り着く。ストーカーである、ということだけのその男が得たものは何だったのか…私にはまだうまく言葉にすることができない。誰でも何かひとつだけ、できることがある。そういうことだろうか。

わからない。わからないけど、私の胸はいっぱいになった。

部屋の中に雨が突然降るシーンは素晴らしかった。

ストーカー [DVD] (詳細)

ダスト [DVD]

・「100年に及ぶ壮大な物語
1900年代初頭のマケドニアから現代のニューヨークまで、老婆を通して語られる真実に、ぐっと引きつけられる。

ユーモアを交えての黒人青年と老婆とのふれあい(友情もしくは親子愛)がなんとも言えない、暖かさを醸し出している。

過激な戦闘シーンもあるが、歴史を語る上で不可欠な要素を持っていると思う。

「ロード・オブ・ザ・リング~二つの塔」にも出演しているデビット・ウェンヘムの名演は、古き西部劇を彷彿とさせる。今後の活躍に注目の俳優だ。

・「名作です。
名作です。でも娯楽映画が好きな私には、つらい映画でした。見る前に、ある程度覚悟してから見た方がいいでしょう。激動のマケドニアで、人々があまりにも無惨に残酷に死んで行きます。そこには英雄も美学も何もありません。殺し屋であるルークにすら理解できない、あまりにも無益な殺戮が、こんなにも美しく穏やかな地で繰り広げられます。

ルーク役のデヴィッド・ウェンハムの冷たい青い瞳が哀しく美しい。そして彼の圧倒的な存在感と強烈な魅力で、最後までこの物語を牽引していきます。老婆が語る伝承を、一人の青年が受け継いで紡ぎ出す終章の明るさと力強さに救われる物語です。

・「初めてのキスのような、映画!
賛否両論分かれるのも頷ける作品です。万人受けするよりも、わかってくれる人だけわかってくれればいい、俺達が伝えたい事を詰め込んだ映画なんだ!というテイストの作品です。時代の流れの中に名もなく意味もなく消え去ってゆく登場人物達。灰は灰に。塵は塵に。でもその中にこそ語るに足る何かがあるんだと言う監督の気持ちがガンガン伝わって来ました。ルークをはじめ登場人物が万人に愛され理解されるとは到底言えないキャラクターとして描かれている事も、人が食肉処理並みの扱いで簡単に死んでいく描写も監督にしてみれば狙ってのものだったのでは?決してヒーローの物語などではなく、今ここに生きる名もなき私達一人一人の物語だというメッセージを感じました。音楽や撮影の方法、ストーリーの運び方など、ふざけているとか意味がわからないと言う評価もありますが、作り手の映画に対する愛情があふれていて、初めてのキスのような熱のこもった不器用さは逆に強烈で忘れがたい感覚を残してくれました。

・「デヴィッド・ウェンハム万歳!
 「ムーラン・ルージュ」の冒頭数分間で国際デビューしたデヴィッド・ウェンハムが主演する、実質的な国際デビュー作。正に魅力全開という感じで、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで彼の魅力に開眼したファンにも十分満足できる内容。主演だから出ずっぱりなのはもちろん、これまで「オーストラリアいちセクシーな男」と呼ばれてきた彼にふさわしいセクシーな難役。既に名が知られていたジョゼフ・ファインズが最初にクレジットされますが、この映画はデヴィッドの映画です。

 彼の中で最も印象深いもの、それが両の冷たい蒼い眼なのですがアメリカからパリ、そして動乱のマケドニアで血みどろの宿命に翻弄される哀しいガンマンのすべてを、この眼で演じきっている。(「ロード~」シリーズでも出番はカットされまくって非常に短い出演時間なのにとにかく印象に残る演技をしています!)

 理由がなければ人は殺さないが、人を愛するよりも人を殺す方に長けた男、ルーク。愛用の銃の名は「ルカの福音」。「己の生を生き、己の死を死ね。」この「福音」がつきまとう彼の一生の意味を、映像を前にした者はずっと考えつづけることになる。

 (当時のマケドニアは本当に銃でドンパチ撃ち合う戦場なので、生々しい戦闘シーンが苦手な方はご注意下さい)。そんな彼がアンジェラに言わせると何故「本物の男」なのか?アンジェラとルークの関係は?宿命の兄弟の行く手は? 全てが、最後まで見ないとわからない。

 素晴らしい脚本、そして、まだまだ国際的には無名だったデヴィッドを主演に据えたマンチョフスキー監督にひたすら感謝! そして、今後も彼の出演作品がドンドン見られることを期待します!

・「寡作家の傑作
確か前作の「Before The Rain」もVHSでしか見たことはなく今は廃盤?ダストの後の新作の噂も聞かない?多分大掛かりなネタを練ってるのかもしれないが、期待してまっせ。この映画はまさにありえない寓話。世界あるいは地域の情勢に翻弄される民族や個人をまことしやかではない「ありえない!」設定で、目いっぱいに演技させ、泣かせる? そういう設定のドラマと思い、かつ、バルカン情勢という歴史認識が基本にあれば、これは傑作だよ。シリアスを排除した真摯な姿勢に脱帽かな? 

ダスト [DVD] (詳細)

イレイザーヘッド 完全版 [DVD]

・「ビザールな世界へようこそ
シュールで不条理なリンチ・ワールドが延々と続く、彼のエッセンスがとりわけ濃く、純粋に抽出されている映画です。彼の映画を性格づける独特の音響はすでにここから始まっていて、シュールな異次元、異空間への導入部として、驚くほど効果をあげています。耳に届くか届かないぐらいの微妙な音までもが映画の雰囲気を盛り上げているのです。これほど人の聴覚を刺激する映画を作る監督は他にいないといっていいでしょう。悪夢のような映像やブラックなユーモアもリンチらしく、作品そのものがまるでイマジネーションの爆発のようですが、頭の中の妄想を面白く映像化できるのは、ごくひと握りの才能だけだと思います。この後、彼の強烈なエッセンスは、より映画的になることでだんだん溶かされ、薄くなっていきますが、デヴィッド・リンチの作家性を好む人はこの映画の中に彼のすべての魅力を見いだすことができるでしょう。あらゆる方向から脳髄を直撃する凄い映画です。

・「サイコスのみんな!あつまれ〜!
不可解だ不可解だといいますが不可解は美徳です。純血のシュールレアリスティックなメディアが衰退の一途を辿る現代において、TUTAYAにさえこういうものが置いてあるというのは喜ばしいことです。「気持ち悪い」「意味わからない」そういった意識の下層の下層、夢だとかを司る部分で見るべき映画であり、だからこそ、人間の原的な恐怖を煽るようにうまく作られていると思います。人間が「怖い」と思うのにはゾンビも幽霊もいらない、ということです。ここに初期リンチの卓越した才能を見ることが出来ます。ただ怖いのが心底苦手な人はほんとに見ない方がいいかも。。

・「監督の意識の集中力がすごいです
人間を口と肛門を結ぶ円筒形の蛆虫と表象すること、この映画はシンプルなメタファのバリエーションですが、ラストの母胎との合一まで全く無駄がない、凝縮された、閉じた神話世界を創造する事に成功しています。サルトルの「嘔吐」なんかを読むよりこの映画の方がお勧めです。私が感心するのはこの監督の意識の集中力の凄さです。特に音響ですが、それぞれの映像にこれよりないというほど完璧な音当てている事に大変驚きました。映画が他の芸術と違う特長は、動く映像と音ですが、映画の特長をこれ程十全に発揮し得ている作品を私は他に知りません。芸術としての映画の完成形の一つの姿をこの映画に見るような想いがします。

・「胃もたれが・・・
 観ている間も悪夢。 観終わった後も悪夢。 とんでもないものを食べてしまったあとの、胃もたれが、半端じゃない、悪趣味な晩餐のような映画。 さらに副作用は、このモノクロ映画が、5年たった今でも、脳裏から離れてくれないこと。 私の記憶はイレイザーしてくれないようです。 しかし、ここまで悪趣味な食事は一生に数回だと思いますので、星5つです。

・「誰か教えてください
この映画の中身は前編これ悪夢。 ストーリーについていまさら語ることもない。しかし、どうしても分からない事がひとつだけある。あの奇形の赤ん坊。 あれはどうやって撮ったのですか?何回見ても、作り物ではなくて、生きているようにしか見えないのですが。

イレイザーヘッド 完全版 [DVD] (詳細)

マルホランド・ドライブ [DVD]

・「 リンチワールドに夢中! 
ツインピークス(TV版)以来 リンチの世界にはまりっぱなしですが、この作品はリンチ映画のなかでも一番のお気に入りです。 最高のリンチワールド(謎めいたストーリーと幻想的な映像美)に加え、美しい二人の女優の共演(競演?!)がとても素晴らしい。 ナオミ・ワッツの可憐さと演技力、ローラの妖艶な存在感 には本当に驚かされます。DVD購入以来 何度となく観ているのですが、先日もまた「あー!」と思うような発見があり、(リンチの悪戯? 私的にはリンチが描きたい本質を確信できたような気がして)よりシンパシーを感じました。少し深読み好きな私ですが、 リンチ映画はストーリーやメッセージ性以上に、人それぞれに何かを感じさせてくれる 不思議で魅惑的な映画です。 ぜひあなたも体験してみませんか?

 

・「何度もリピートすれば、その深みにはまれる作品
正攻法な場面構成を無視した複雑なストーリー展開に話題が集中した、デイヴィッド・リンチ監督の現時点での最高傑作。その難解さは半端ではなく、1度や2度見たくらいでは完全な解釈など到底不可能だ。これほど「繰り返し何度も見たい」という衝動に駆られる作品は、そうお目にはかかれない。

巷では、「"現実"と"夢"の2部構成の作品だ」「いや、"現実"と"夢"と"夢の夢"の3部構成だ」など、場面構成を巡って様々な解釈が飛び交っているが、監督自身は「見る者それぞれが答えを出してくれればよい」と公言している。

我々、見る側としては、見るたびに新たな発見をしていけばよいのではないか、また、それがこの作品の正しい楽しみ方だと思われてならない。優㡊??ているのは、複雑なストーリー展開だけではない。

各シーンの美しさ、先を期待せずにはいられない見事な演出、俳優陣の優れた演技、そして完成度の高い脚本など、傑出した部分が多々あり、見応えのある出来となっている。何よりもストーリーそのものが非常によい。成就することのない愛に苦しむナオミ・ワッツ演じるダイアンの哀しみが、痛切に観客に伝わってくる。

悲しい女の嫉妬と情念にハリウッドにおける映画制作の暗部が絡み、まさに出色の出来だ。ナオミ・ワッツとローラ・エレナ・ハリングには、惜しみなく拍手を送りたい。

・「映画とは
話と構成、脚本で良くも悪くもなるものだ。この作品はもちろん前者。

話の途中まで全く訳が分からず混乱しながら見ていたが、あるシーンを境にほんとに夢から醒めたように話が一本に繋がるから面白い。あとからじわじわくる作品。解釈は色々だ、そしてそれこそがこの映画の素晴らしさではないだろうか。

全てのシーンに意味がある。そう言っても差し障りは無いだろう。

映画とは常に受動的であるが見る側は能動的であるべきだ。

映像の垂れ流しでは意味が無い。エンドロールで余韻に浸れないような作品は、おれはいい映画とは思えない。

ド派手なCGで固められた中身の無い映画に飽きてしまったという人には特にオススメ。もちろんCG映画にもそれなりのよさはある。「あぁ~楽しかった」そんな!感想だけで終わる映画も必要だろう。楽しみなんてものは人それぞれで普遍的な価値観などありはしないのだから。その一方で、そういった類のものは受け付けないと言う人もいるだろう。

この作品はそういった人に是非見て欲しい一本だ。

・「謎がとけないまけおしみ
わかりそうなんだけどすっきりしねえ。

観賞後に沸く暴発寸前のそんな気分こそ、この映画の醍醐味だと思います。たしかに普通はそんな映画つまらんですよ。観終わってからブーイングですよ。ところがこれの場合、1シーン1シーンがすてきすぎてついうっかり最後まで楽しんでしまうんです。うまく騙された気分。でも極上のマジックにひっかかっている間って快感ですよね。まさにそんな映画です。「わかんなーい、でもおもしろーい、なにこれー」と言いながら、サービス精神に溢れたこのリンチ映画を是非観てみてください。耐用年数も長いですよ。ちなみに最高のサービスはナオミ・ワッツです。うますぎてびっくり。

・「文句なしに楽しめる
デビッドリンチの集大成ともいうべき作品。まるで、ジグソーパズルを完成させていくような面白さがある。スリリングでもあり最後まで目を釘付けにして離さない。最後のシーンですべてが明らかになってリンチの呪縛から解かれる。その瞬間までわからないリンチワールドは流石としかいいようがない。

下積みの長かったナオミ・ワッツも生き生きと好演している。ワッツの代表作になるだろう。

マルホランド・ドライブ [DVD] (詳細)

π(パイ) [DVD]

・「万物は数学で解釈しうる、とは
全編白黒。毎日金融機関で数字の世界で生きている人間にはとってもインパクトのある作品だった。とってもシュールで妥協がない。こういう作品にであえるところがDVDのいいところだなと思う。万物は数学で解釈しうる、確かにそうなのだろう。数を予知できるという事は、まさに金融工学の究極の世界だ。そしてそれは最強の能力だ。傑作!!

・「テーマは好きです
ちょっと前まで科学が大好きで科学万能主義だった私は、今でも社会科学に法則を求めるという考えに少しだけ興味を覚える。この映画はそんなことがテーマではないかと思う。科学を究極的に抽象化した概念つまり数学によって森羅万象に隠された法則が解明できるとするのはニュートン以来の決定論であり、線形モデルから複雑系などの非線形モデルに移行してきているとはいえ、未だに多くの自然科学や社会科学において原因と結果を求める法則探しは重要な位置をしめているのではないか?この映画では西洋社会を代表する主人公の数学者と脇役で登場する東洋文化の対比により、自然・社会現象に隠された法則を解明できるのか、もし仮に解明できるとしても、そもそも解明することに意味があるのか、ということに焦点があてられている。ニューエイジ的偏見(過大評価)も少し感じられるが、この映画の監督は自然と共存する東洋社会がお気に入りのようだ。公園で太極拳をする中国人の姿には自然との調和を求める東洋的考えを示しているように感じられるし、単純な法則によって複雑な現象が生じるという複雑系の概念は囲碁によって表現されている。この映画のところどころ(特に後半)はほとんど理解できていないので定かではないが、最後のシーンでは主人公も自然の偉大さに気がついて、法則を求める科学的思考よりも、葉っぱをきれいといいながら数字遊びに興じるアジア系少女のような自然に対して分をわきまえた生き方に共感するようになっているような気がする。と、いうことでテーマは面白いと思う。数学の細かい部分は陳腐というか何が言いたいのかはわからないし、数学者でない私はコメントできるほど数学に精通しているわけでもないので何も言えないが、おそらく数学が専門の人は不満が残るかもしれない。もう一つ見る前に知っておくべきことは、この映画は少し気分を害する映像があるので注意したほうがいいということである。私は昔、体の調子が悪いときにこの映画を見たのだが、体の調子がさらに悪くなった。またご飯を食べながら見たら大抵の人はご飯がまずくなるのではないかと思う。

・「数字ってかっこいい
この映画の見所は映像のすばらしさと、それを盛り上げる奇妙な物語と豪華アーティストの音楽です。画面はモノクロだし、主人公の俳優見たことないし、NYCなのにチャイナタウンだから変な感じがするし、時代もはっきりしないしで自分が見た中で変な映画TOP3に入るくらい強烈でした。必見です。

・「フィボナッチ
本作品はこの「フィボナッチ」に魅了された”数学者”と”神”をめぐるストーリーだが、予測不可能なストーリー展開と映像手法は逆に見るものを魅了することとになること必至です。モノクロは予算削減のためらしいけどそれが逆に新鮮さを出し、映像にひきつけられる効果を出しています。

・「狂気の世界を垣間見る
脳内世界の反映される、映像美を誇る秀作です。

白黒であるのに、強烈なフラッシュバックを感じさせます。印象的な画像の数々と、淡々と語られるストーリー。横に流れていく数字の羅列。つまるところ「π」という割り切れない、永遠的な命題がそのまま、人の脳内の無限な世界を感じさせます。

日常に宿る独特のけだるさを感じさせてくれます。非常に感覚的な映像の連続なのが、異常気質の主人公の張り詰めた感情をこちらに伝えます。効果音の使い方も、本当に独特。観客に「頭痛」を感じさせるような映像がこれまでにあったかというと、この作品以外に知りません。

感情を司る神経に訴える作品です。魅了されます。そして残るのは、強烈なフラッシュバック。

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友だちのうちはどこ? [DVD]

・「手に汗握る「小事件」
 小学生のアハマッドの住む日常では、先生も親も、とにかく毅然としていて厳格である。その中で、子ども達はなんとか自分なりの主張をし、工夫をし、子どもなりに友達への義理を立ててがんばるのだ。とても現実的である。

 明日、宿題をノートに書いていかないと隣の席の友達は退学になってしまう。そして何と!ここにはうっかりカバンに入れてきてしまった友達のノートがあるのだ。今日のうちに返しに行かなくては。アハマッドにとっては何より大事で緊急な用事である。だがお母さんは聞いてくれない。どうしよう...そしてアハマッドは決意する。

 子どもたちも大人もとにかく自然である。お母さんに、なぜノートを返しに行かなければならないか繰り返し説明を試みるアハマッドの声が、洗濯に忙しいお母さんには一度では聞こえず、2度3度と同じことを言わなければならない。実生活の中では、確かに「映画のように」一度言って全てが伝わることばかりではない。おそらくキアロスタミ監督は計算しつくしていると思われるけれども、そのじれったさが極めて自然なのである。そう、じれったいのだ。思わず手伝ってやりたくなる。それが手に汗握る現実感となって身に迫るのだ。

 話の筋にあんまり関係ない?じいさんが出てきたり、当惑するアハマッドがただぼうっと座っている場面が長く続き、表情によらずその当惑の程度が伝わってきたり、これもおそらく計算されたある種の「ゆるみ」が、生活の空気のように現実的なのである。

 叱る先生と叱られる友達を交互に見つめるアハマッドの目が何とも言えずかわいらしく純粋で、その場でアハマッドが感じているであろう当惑を我が事のように感じさせる。私はアハマッドにも、叱られて泣く友だちにも、DVDの画面に向かって思わず「よしよし.......」と声をかけてしまった。ラストの解決も見物。

・「凄いですね
ã"れまたç' æ™'らã-い映ç"»ã§ã™ã€‚イラン映ç"»ã€‚アッバス・キアロスタミの作å"ã¯ã"れã-か観たã"とないã‚"ですがä»-にも名作ã‚'沢山作ってるらã-いã‚"でどã‚"どã‚"観ていã"うと思います。友é"とノートã‚'é-"違えて持って帰った子がè¿"ã-に行くというå†...容だã'なã‚"ですがそのæƒ...ç·'が凄い。最初に母親に友é"の家まで行くのã‚'説明するやりå-り、

中盤でのばあさã‚"とのやりå-り、終盤のじいさã‚"ã‚'置いていって犬に吠えられるエãƒ"ソード、クライマックスの母親の出ã-た御飯ã‚'ひねくれて食べないといったæ¼"出など、どれも一ç'šå"ã ã¨æ€ã„まã-た。最後に風でドアがé-‹ãã‚·ãƒ¼ãƒ³ã¯ä¸€ä½"何ã‚'象å¾'ã-てるのかなと思いまã-たが恐らく大人のä¸-界と子供のä¸-界とのéš"たりか何かã‚'象å¾'ã-てるã‚"だと思います。

å...¨ç·¨é€šã-ã!¦å­ä¾›ã‚'描いているようでいて、イランの大人ã‚'批判ã-ているような映ç"»ã§ã™ã€‚ラストの終わりæ-¹ã‚‚あっさりã-ていて良いですね。

・「映画とは何か?
映画とは何か?この問いに答えてくれる映画である。黒澤明監督は「映画はホン」だと言った。で、多くの人がこれをストーリーの事だと勘違いした。間違いである。ストーリーであるのなら黒澤監督は「映画はスジ」だと言うだろう。黒澤監督の言った「ホン」というのは「脚本」のことである。これは各シーン、各カット、いわゆる「画」積み重ね「映画」を構築していくための設計図のことだ。で、この映画。その「画」の構築が実にうまい。ストーリーは他愛もない話。小説にしたらそんなに面白い話ではないだろう。なのに「画」にすると主人公の少年のサスペンスが手に取るように観客に伝わってくるのだ。それだけではなくイランという国の生活風景も。そして何よりもすばらしいのはラストカット。少年の心情が伝わってくる何ともおしゃれなラストカットが素晴らしい。映画的表現が凝縮されているラストカット。この監督のセンスの良さがわかるカットである。映画って金をかけなくても凝ったストーリーじゃなくても監督のセンス一つで何気ない日常を見事な映画にできるということを証明した傑作。

・「映画の真髄
初めて観たイラン映画。いきなり、見たこともない生活空間が広がりこれこそ映画の醍醐味。景色や、言葉や、風習を見ているだけでもとても興味深い。

映画は、タイトルの通り、友だちのうちを探す物語。そういえば、こないだまで、日本にも携帯はなかった。その前は電話だってなかった。もちろんインターネットだってない。何かを知ろうとするときは、人に聞くしかなかった時代が自分にもあった。そう、子供時代だ。

聞くことが不安な子供時代。大人が別の人間に見えた子供時代。その大人の理不尽さ。習慣という規則。芥川龍之介「トロッコ」にも似たような不安な感情。

子供の表情があまりにも上手で、「早く早く!」って思ってしまった。

映画とは、知らない世界を知ること、知らない町を垣間見ること。数時間だけでも、体験できることができる。本当に素晴らしい。

・「少年の想い
イランが世界に誇る巨匠アッバス・キアロスタミの代表作。イラン北部の小さな村を舞台に繰り広げられる牧歌的であり大人の世界を少し覗いてしまう少年による成長の一日。友達のノートを誤って持って帰ってしまった少年が、そのノートを返そうと友達の家まで右往左往する様子をドキュメンタリータッチで淡々と進ませていく。道ににたむろするおじいさんおばあさん。忙しく家の仕事をするおばさん。突然路地から現れる大きな牛。数々の困難から少年は成長してゆく。子供からの視点でカメラはそれらの出来事を克明にとらえる。右へ左へ折れるジグザグな丘に開かれた道をひたすら友の為に走る、あの少年の姿が目に焼きついて離れない。

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セントラル・ステーション [DVD]

・「心を揺さぶる
数年前に観たときもずいぶん泣いたのですが、改めて観ても、嗚咽が出るほど泣いてしましました。私が歳を取ったせいなのかもしれません。

この映画を、出来すぎた、ありがちなお涙頂戴の感動作と受け取る人がいたとしたら、その人はきっと、あまり苦労することなく、恵まれた環境の中で、豊かな人生を歩んできたのではないかと思います。

豊かな日本で育った私たちの想像力の欠如。

映画のような生活が当たり前の国々に暮らす人々にとって、この映画は、出来すぎた話ではあっても、その場で泣いて「いい話だったね」で済まされるような話ではなく、彼らがこの作品から汲み取るのは郷愁であり、父や母や兄弟への想いであり、彼らの歩んできた人生と重なるのではないでしょうか。

ドーラが「いつかあなたが私を忘れるのが怖い」、「私も父に会いたいわ。やり直したいのよ。」と言うシーン、堪えられませんでした。親というものは、いくつになっても、自分は家を飛び出したつもりでも、自分は親を超えたと思っていても、自分は愛されていなかったのかもしれないという疑念があっても、やはり、やはり、愛しい・・・。

・「こんな映画をマイ・ライブラリーに加えて下さい
皆さん、ブラジルの映画を鑑賞したことがありますか?見たことのない方は、初めの一本目にこの「セントラル・ステーション」をお勧めします。この映画は、母親を亡くして一人ぼっちになってしまった少年と、リオの中央駅で代書屋をしながら細々と暮らす独身の老女性の物語です。遠くで暮らしている父親に会いに行こうとする少年と、行きがかり上付き合うことになってしまった老女性。そんな2人は旅の過程で次第に心を通わせていく… ベタな設定の「ロードムービー」と思うかもしれませんが、ベタでもいいじゃないですか。そんなことも問題としないほど、この映画には真心が詰まっています。人間がとても暖かいのです。ぜひこんな映画をあなたのお気に入りの一本に加えて下さい。

・「めっけもんな映画
モンテネグロ演じる代筆屋のババアが最初とてつもなく悪い女なんですが母を亡くした男の子との旅を通じて心をひらき変わっていく課程がとても素敵で巧い。だんだんと顔まで素敵に見えてしまうから不思議です。孤児の子供を人身売買してしまうという悲しいブラジルの現状も見えてしまいますが、最後には何だかすがすがしく、いい涙を流したって感じになります。子供を使って泣かせますという感じが全然ないのがいいんですよ。

・「超おすすめ。
ブラジル映画で初めてベルリン映画祭金熊賞を受賞したというのに惹かれて見たのですが、本当に本当にいい映画です。雑然としたブラジルの都市、ブラジルの広大な原野を背景に流れるようにストーリーが進んでいきます。ポルトガル語の響きも素敵です。   なんだか乾いた心に水が染み入ってくるような映画です。

・「泣ける映画
この映画の泣かせどころは2カ所。しかし、それについて語ることはどちらもネタバレにつながるので書くことができない。ただ、どちらについても言えることは人間は辛くて泣くのではなくて人間の善意に触れた時に泣くのだと言うこと。うーむ、これだけでは何ともだから、もう少し書くと、私が号泣した二つのシーンはどちらも主人公の仕事(代書人)に関係ある場面と言っておこう。

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イゴールの約束 [DVD]

・「すごく面白いわけでもないのに、なぜか心に残る不思議な映画
映画とはお国柄が出やすいものだ。この映画の舞台、ベルギーへの日本人の印象といえば、王室やチョコレート、ワッフルくらいしかないのではないか。

この映画の舞台は、そんなベルギーのスラム街。主人公のイゴールは、不法入国者の斡旋(もちろん違法)を仕事にしている父親と2人暮らし。仕事場で客の財布を盗む、お世辞にも「良い子」とは言えない15歳の少年だ。

しかし、その不法入国者の1人が事故に遭い、「妻子を頼む」とイゴールに遺言を残して死んでしまう。父親は違法が発覚するのを恐れて彼の死を隠すのだが、イゴールは葛藤し、自分のやり方で遺言を守ろうとするのだった。

かなり淡々とした話で、それほど盛り上がり所もなく、「えっ?」って所で終わりもするが、観終わった後、なぜかじいんと心に残ってしまった。リバー・フェニックスにちょっと似た主人公のイゴールが、何だか哀しくて切なくてならない。父親に反抗したその後、彼がどうなったかや、なぜそんなにもあの遺言を守ろうとしたのか、とても考えてしまう。

「ああ、面白かった!」というわけでもないのに、主人公のことを真剣に思ってしまう、そんな不思議な映画だった。

・「北の地獄のハイエナ親子
自分は自転車ロードレースが好きでよく海外のレースをCATVで観戦するのですが、この映画の舞台となっているベルギーのレースは、舗装状況が大変悪く、天候不順な悪条件で行われることが多いので「北の地獄」とあだ名されるほど。

そんなベルギーのスラムで、密入国者に住む場所と仕事を与えて金をむしりとるハイエナ親子。その息子イゴールは、見習中の自動車修理工場で窃盗をくりかえしても何とも思わないすさんだ心を持つ少年だ。建設現場で墜落死したアフリカ系の密入国者から、死ぬ間際、残された妻と子供のことを託されるイゴール。そこから彼の心に微妙な変化がはじまっていく。

この映画に登場するベルギーの街はひたすら薄汚く寒そうで、とても海外旅行に行こうなどとは思えない殺伐とした風景がひたすら映し出されます。その<北の地獄>で、<灼熱の大地>アフリカから夫に会うためにやってきた母と子は、イゴールの心の中に人間らしい暖かさを呼びさまさせたのかもしれません。

・「イゴールの約束
「妻と子供を頼む・・」

父に支配されていたイゴール少年の内側で何かが変化してからが興味深い。

彼が子供だったころは盲目的に父親を受け入れたのに、成長した今は違う。

何かに気がついて、父親に距離をおき、父の支配から抜けようと必死だった。

彼の心の揺れがリアルで飽きないし、お揃いの指輪を売る場面が象徴的だ。

父はまだ息子を支配したいと思っている。でも少年は成長して自我に目覚めた。

いつしか生きる価値観が変わっていた。そんなところが面白かった。

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フル・モンティ [DVD]

・「あのロバートカーライル
失業というつらい背景があるものの、元気ずけられてしまう。映画会社とは「この作品一回きりという契約」でスッポンポンになることを決心したというロバートカーライル。ストーリーの中では、彼が一人最後の最後まで舞台にたつ事を逡巡する。思えばこの映画に出演をするしないを考えた時に、すでに「逡巡」は経験済みのはず。そう考えると楽しい。音楽はどれも懐かしいヒット作ばかりというのもうれしい。ここの彼とは似ても似付かぬ役柄を自由自在にこなす彼。この作品に出演して以降、結構シリアスな作品で「あのロバートカーライル」という言い方をされているのをよく見かける。彼のこんな一面を知っていると、他の作品の彼に必ず感服してしまうはず。お勧め。

・「★楽しくなってくる★
失業中のダメオヤジたちが、ストリップショーを開いてお金儲けをしよう!というお話。見た目も全然格好よくないし、ちょっとなさけなかったりする6人だけど、みんなでダンスの特訓をしたり、体を鍛えたり?、警察に捕まったり・・・そんな姿を見ていると、最初はストリップ?フルモンティ(全裸)??なんて思っていましたが、絶対成功させて欲しい!!と応援してしまいます。個人的に、おデブのデイブと嫁のジーンのやりとりに、感動しました。笑いアリ、感動アリ。面白いし、元気が出てくるし、楽しくなってきます。オススメです!

・「落ち込んでいるときにとても元気が出る映画
トラブルを抱えたおっさんたちの一攫千金のアイデアそれは男性ストリップ!!爆笑あり涙ありの傑作コメディです。最後にはこのおっさんたちを応援せずにはいられない。これを見ると元気が出ます。

・「感動間違いなしの男性ストリップ
下ネタをこれほど感動的に描いた作品もめずらしいでしょう。崖っぷちの登場人物たちが最後の手段で男性ストリップを決行。皆が家族を思い、一生懸命取り組んでるので、ラストシーンではなんともいえない感動を味わうことができました。「帽子をとらないで」と繰り返すあの歌と踊りはなんとも気に入りました。

・「問題解決・自己成長型、涙と笑いのストリップストーリー
 まさか、こういう形で自己実現していくとはね。問題を解決するための苦肉の策、自分を見つめ直し、仲間を見つけ、困難に立ち向かい、不可能とも思える「ミッション」に集中・没頭していく様は、行動療法的カウンセリングを伴った自己実現型の成長、自己表現ストーリーになっていたなあ。結構奥が深いぞ。ある意味、家族参加で家庭全体を見直していくんだから、家族療法的な側面もあるわけだ。 そう、ステイタスにこだわる事、ペルソナに固執する事、その役割に耐え切れなくなり、期待に応えられなくなり、自分が信じられなくなり、自信喪失していく過程、そしてやけになり、破滅や喪失や崩壊の後、再建していくための道のり。そういうものを、こういう形で映像にして一つのストーリーにまとめ挙げているというところに感動する。 男達のストーリーと思っていたけれど、行き着くところ家族の、人間の問題を扱っていたなあ。まさにすっぽんぽんになって開き直る所から、活路が見出されるのでしょうねえ。

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ストレンジ・ワールド [DVD]

・「まったりと不思議な味わいの小品たち
= まったりと不思議な味わいの小品たちレビュアー: 菅坡真樹   東京都 Japan「空の誘惑」、、まだニキビ跡が残っているようなジュード・ロウのデビュー作。スケッチ風に切り取った日常生活、どう取るかは自分次第。「未来の始まり」・・・ドラッグと無軌道な生活に危険はつきもの。それでいいと思っている主人公たち。でも、本当にそう?

ショートながら、皮肉たっぷりの乾いた味わい。

そして「置き去られた空間」これは本当に洒落ていて、人間のあらゆる感情が交錯している小粒の名作。主人公の演技と抑え目のセリフ、そしてラストシーンがたまらない。

「少年と自転車」、考えるのをやめて心をモノローグに委ねると、

忘れていた子供の頃の気持ち、あの頃の「ものの見方」がよみがえる。ラストあたり、ぐさりとくるセリフ。子供の頃の自分の何パーセントが、今の自分に残っているだろう。

・・・「よし、見るぞ!!」と気負って見る映画ではないですが、不思議と心にひっかかるものばかり。分かりやすい笑いや派手な展開が好みの人には向かないかも。

万人におすすめはできないので☆三つですが、私は好きでした。

・「Jude Lawのデビュー作!
Jude Lawのデビュー作とのことで、Judeファンの私は楽しみにして見ました。ん~・・・・話の内容はわからなかった(笑)日本でいう「世にも奇妙な物語」的な構成で、短編のフィルムが4つくらいこのDVDには収録されています。タダ単にかっこいいJudeに会いたい♪っていうファンの方にはヨダレが出るほどのレア(?)物ですが、そうでない人にはあまりお勧めはしません(笑)若かりし頃のJudeの美しさに星みっつという感じです。

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ベンゴ [DVD]

・「これ本物
南部にいくほど収入は少なく物騒、しかし人間味には溢れるという傾向は南ヨーロッパでは共通だと思う。ヴェンゴもまさにアンダルシアの人間臭さを描ききっていると思う。まさに物騒で人間の生命がギラギラしてる感じ。日本のマスコミが作り出した妙なフラメンコのイメージをいとも簡単にうち砕いているところがいい。本物の強さにただ脱帽。

地理的な意味でも、ジプシー文化という意味でも北アフリカとの繋がりを取り上げている点が興味深い。アンダルシアはジブラルタル海峡でモロッコとの交流は盛んであるし、北アフリカ経由は最終的にアンダルシアに流れ着いたジプシー達の旅の経路のひとつでもあるから。このへんは同監督のラッチョ・ドロームとリンクしてくるテーマでもある。

音楽のほうも素晴らしく豪華メンバーで充実しており、毛色は違うもののブルースブラザースを観たときのような満足感もかねそなえている。

・「映画観て泣いたのは何年ぶりだろう
ã"の映ç"»ã¯ã™ã"い。

私はジャズとかサルサとかサンバとか色ã€...な音楽ã‚'è'くが、ã"の映ç"»ã‚'観るまで、フラメンコなã‚"て露ほども興å'³ã¯ãªã‹ã£ãŸã€‚フラメンコが、実はスペインのロマの音楽だとはå...¨ãçŸ¥ã‚‰ãªã‹ã£ãŸã€‚

é-˜ç‰›å£«ã¿ãŸã„な高そうな衣è£...ã‚'着て、ダンススタジオで踊っているフラメンコからは、

現在、æ-¥æœ¬èªžã§â€™ãƒ©ãƒ†ãƒ³éŸ³æ¥½â€™ã¨ã„われる様ã€...な音楽のルーツã‚'見る事はできない。å-åŒ-アメリカに伝わる様ã€...な’ラテン音楽’のルーツとã-て、アフリカ西海岸の様ã€...な音楽の影響はよく知られているが、æ"¯é...è€...であったヨーロッãƒ'人たちが伝えた音楽的影響について声高に語られる事はå°'ない。ã-かã-、私は、ã"の映ç"»ã‚'見て、

西インド諸島や、å-米など各地に伝わる’ラテン音æ¥!½â€™ã«ã¯ã€ç¢ºã‹ã«ã€ãƒ¨ãƒ¼ãƒ­ãƒƒãƒ'のロマたちの心が息づいていると感じた。

’有色人種’は、æ-°å¤§é™¸åˆ°é"よりはるか以前からヨーロッãƒ'各地に数多く住ã‚"でいたのだ。ロマとå'¼ã°ã‚Œã‚‹å½¼ã‚‰ã®å‰å¤§ãªæ-‡åŒ-はæ­'史に記されるã"とはなかったが、æˆ'ã€...は、各地のロマ音楽という形でその一部に触れるã"とができる。

衝æ'ƒçš„なまでにæƒ...熱あふれる歌声。ãƒ'ーティの席で、ラ・カイータが歌う。主人å...¬ãŒã€äº¡ãå¨˜ã¸ã®æ‡ºæ‚"ã‚'込めて溺愛するç"¥ã®ç‚ºã«ã€æ¯Žå¤œã®ã"とくé-‹ããƒ'ーティー。ç"¥ã¯è„³æ€§éº»ç-ºã§ä½"の自ç"±ã‚‚ほとã‚"ど効かない。そのç"¥ãŒè¸Šã‚‹ã€‚ラ・カイータが歌う。

æ°-が付くと、涙が止まらなくなっていた。

悪ã-き心ã‚'もつè€...にもå'ªã‚ã‚ŒãŸäººç"Ÿã«çµ¶æœ›ã™ã‚‹ã‚‚のにも

今æ-¥ã‚'ç"ŸãæŠœããŸã‚ã«ç›®ã®å‰ã®äººé-"!ã‚'殺さねばならないè€...にも愛ã-いè€...の為にå'½ã‚'落とすè€...にも音楽の神は平等に真実の瞬é-"ã‚'ç'„束する。

真実の瞬é-"。たとえそれが、ふと通り過ぎる微風のような錯覚であったとã-ても、クレジットが流れて幕がé-‰ã˜ãŸã¨ãŸã‚"に跡形もなく忘れてã-まうものであったとã-ても、それがあれば、人é-"はç"Ÿãã¦ã‚†ã'る。

・「これぞフラメンコ!
フラメンコの踊りを教室で習っているだけではわからない、劇場やタブラオで見るだけではわからない、本当の「フラメンコ」がこの映画には存在しています。去年の夏、大阪の映画館で上映されたのをみて鳥肌がたち、それ以来このDVD発売を待ちに待ってました。CDは昨春買いましたが、いまだにお気に入りでずっと聞いています。曲はほとんどが最高です。ストーリーはちょっと単純に思えましたが、フラメンコを知るには十分おつりがでる作品と思います。

・「映画的な映画
 家族を失う痛みをよく知る男が、また新たな家族の喪失を回避するためにギャング・ファミリー間の抗争に終止符を打とうとする。そのために彼がみずからに下した苦渋の決断とは…。

 開巻から印象深いヒターノの音楽とイスラム音楽の競演が繰り広げられます。スペイン南部アンダルシアの乾いた大地に脈打ってきた民族伝統の音楽は、限りない力強さで観る者に迫ってきます。そうした魅力的な音楽をたっぷりと余すところなく随所に織り込みながら、娘を失った心の傷にいまも打ちひしがれたままの男・カコの静かでやさしく哀しい物語が展開されていきます。

 撮影に際して手持ちカメラを徹底して多用することで、乾いたドキュメンタリー的で(実際は計算しつくしているはずなのに効果としては)即興的な絵作りを進めるトニー・ガトリフ監督の手腕はなかなかのものです。

 また主人公カコが横たわっている「あるシーン」では、全体像を見せる俯瞰ショットを意図的に排除し、クロース・アップのショットを畳み掛けることで観る者の心を不安へと駆り立てる映像演出をとっています。水際立ったお見事な演出といわざるをえません。

 突き抜けたかのような音楽とこだわりを込めた映像。この二つを総合しながら観る者の心を強く打ち震わせる。これは極めて映画的な映画といえる作品です。

 なお、スペイン語では「venir」(来る)と「vengar」(復讐する)という二つの動詞の一人称単数・直説法現在形が同じ「vengo」となります。タイトルの「Vengo」とは「私は来る(この場合は「来た」という完了の意味もあります)」と!「私は復讐する」という二つの意味をかけています。

・「vengo
フラメンコ音楽とアラブの音楽との融合で始まる”VENGO" !何回みても、常に新しいおもしろさ、感情を得ることができます。フラメンコのDVDというわけではなく、スペイン人の歴史と人間関係、アラブ音楽とフラメンコ音楽、興味深いないようです。特に、音楽は一度聞くと耳から離れません。何度見ても、あきないDVDです。

ベンゴ [DVD] (詳細)

ヤン・シュヴァンクマイエル 「ドン・ファン」その他の短編 [DVD]

・「ブルトンに見て欲しかった
とんでもない映像センスを感じる。映像のツボを知り尽くしているというか、どう撮ったら、どう映るかを、ここまでイメージを緻密に再現できるってのはスゲぇ。CGなぞ使わずとも、映像はここまで出来ちゃうのだ。あらゆる特撮物やアニメーションやドキュメンターの美術的な部分だけを凝縮して、さらにそれを培養させたような内容だ。日常的な風景と、お決まりの視覚的美術効果に収まっている一般人をその外側へと導いて、あらためて網膜の無限の可能性という物を感じさせてくれる。

シュルレアリストとしても段違いに上等で、「桶の家」の装飾美や、「エトセトラ」の夢遊的な世界観に、普段使っていない神経系が目を覚ますような独特の快楽を感じる。「エトセトラ」はまるで20年前のTVゲームを見ているような無機物的な美しさで堪らない。そして「レオナルドの日記」は、単純にスーパークールで、ダヴィンチのデッサンと白黒のドキュメントが交互に相走行して、ジェットコースターとコーヒーカップに同時に乗っているような爽快な混乱を味わえる。

ブラケージやパイクと並んで世界最大の映像アーティストとして、その世界観を絶賛しちゃえるシュヴァンクマイエルは、それでいて遊び心やブラック・コメディ満載で、ピエロの高笑いに囲まれているような酩酊状態に陥ってしまうことは必須。音楽もスゴイいい。映像サーカスといった感じです。

・「★コストニツェが印象深い★
いつもの人形アニメーションも含まれていますが、一番印象深かったのは、コストニツェ。フス戦争の死者等、何万人もの人骨で作ったシャンデリゼ等々・・・で飾られた納骨堂のドキュメンタリ。歴史的背景を知らないのでイマイチよく分からない点もあるのですが、すごい量の人骨に圧倒されるとともに、これってどうなん??と思いました。表題作のドンファンは、期待してましたがちょっと長くて退屈してしまいました。特典として、イジー・トルンカのお話2話、さわりだけ入っています。すごく参考になりました。

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レザボア・ドッグス [DVD]

・「バイオレンス映画の新しい原点!
初めてこの映画を観たとき、これを日本人が撮ったんじゃないことがすごく悔しかった。友情と仁義、プライドと意地の微妙な差異を、アメリカ人がここまでカッコよく描けるなんて…悔しいけど、私にとっての映画の原点でもあります。

・「ライク ア チェリー ボーイ
登場人物の服装を真似したくなる。つまり、そこからわかる。かっこいい映画であるということが。

銀行強盗のシーンをズッポリとカットしたことが、この映画のおもしろさをうんだといってよい。シチュエーション・コメディ好きの人なら、毒のあるコメディとしてこの映画を楽しむことができるはず。

「いぬは誰だ」系の映画ということもできる。裏切り者は誰だ?と観ているものもわくわくできるから、途中までは。

「耳が痛い、痛いよ~」シーンも、暴力描写であると認識するのではなく、ハドソンの子ども的狂気をみせる場面だと思ってみると、いとしくなる。

ラスト近くのあの有名なシーンが、ある香港映画のパクリ(いい意味でいえば引用。かっこよくいえばサンプリング)であることは有名なはなし。大勢でみれば、確実に「俺は何色が好きだ」という会話がかわされるはず。ちなみに私は「ホワイト」です。カイテルの苦悩顔は、美しい。

・「タランティーノ最高!!
この作品を見ずしでタランティーノは語れない。 タランティーノが「仁義なき戦い」の大ファンで影響を受けていることがよく分かる。 タランティーノ自身も出演し必殺の早口も炸裂する。 (ここがポイント!!)

・「ツボにはまる映画
友人に勧められて、最初は「え~、バイオレンス系?」と思いつつ見始めたら、はまってしまった。画面に釘付け状態。『パルプ・フィクション』にも通じるが、二転・三転(映画自体と言うより、人間関係が特に)がある割には、基本ラインはしっかりしていて、単なるバイオレンスでは終わらないところがすごい。そして、映画と同時にすごいのは、この映画のサントラ。タランティーノは一体どこでこんなに「映画にしっくりはまる音楽」を探してくるんだろう?と思わせるぐらい、どんぴしゃり。映画のために作られる音楽ではなく、音楽が映画を引き寄せたのか、映画が音楽を引き寄せたと言う感じで、あまりにも映画にはまってしまうので、映画・音楽すべてにおいて大満足できる映画です。

・「なんなんだろうw
この監督はパルプフィクションで知ったんですが構成センスがただものではないです。構成の壊し所を知っているというか回想シーンと現在との物語と時間の組み合わせセンスが尋常ではありません。ただ残念だったのが銀行の強奪シーンが省かれていたこと。ワクワクしていたらあっけなく終わってしまいました。

クライマックスにそれを持ってきて、多角的時間軸のオンパレードで幕を閉じればもっと面白い作品になったのでは・・・。

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夢の旅路 [DVD]

・「完璧すぎるデビュー作
ティム ロス主演の映画といえば一筋縄ではいかない,平凡な映画ではないということをこの俳優のファンだったらお気付きのことだと思う。彼はあの超名作「シンドラーのリスト」のオファーも蹴ったほど自分の出演する映画にはこだわる超個性派俳優である。

そして,この「夢の旅路」も普通の映画ではない。主人公の持つ感情はなまなましいほどに現実的なのだが,映画のほうはまさに「夢」の世界のように象徴的。ストーリーの奇抜さもさることながら映像のほうも文句がの付けようがないほど完璧に美しい。すべての場面が「絵」になる美しさを持っている。「これがデビュー作なのか?!!」と疑いたくなるくらいに表現力を持った映画監督だ。

今後が楽しみな「マイケル.ディ.ジャコモ」に大拍手!!!!

・「つまらん・・・
TIM ROTHファンだったのでレンタルで借りて見ました。彼のよさも全然出せてないし、ストーリーも筋がないし、映像が美しいって話だったけど、このくらいならざらにあって特に感動するものもなーもなかった。監督、製作の手抜きか、完全実力不足じゃないでしょうか。他のティム映画はみな買い揃えましたがこれはお金を払う価値が感じられない。

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薔薇の名前 特別版 [DVD]

・「鬱々とした中世の閉塞感が漂います
小説だけでは再現しがたい中世ヨーロッパの鬱々とした空気が表現されていると思います。血、泥、垢、黄色く汚れた歯、ろうそくに灯りにひかる女性の裸体、石造りの重々しい修道院などが効果的に映画のテーマ(神への信仰は時として独善的で殺人まで生じさせる異常さを秘めているということ、かな?)を彩っています。

原作の小説からはだいぶ省略されてサスペンスの要素が強調されていますが、これはこれで別の作品として楽しむことができます。

最期まで「薔薇の名前」とは何を示すのかはっきりとさせないところもミソだと思います。映画では最期に主人公を見送る少女のことかとも思い、小説を読むとどれだけ信じても愛しても近づくことのできない「神」のことをさしているのかとも思い、難解だけれど何度も味わいたくなる作品だと思います、映画も小説も。

キリスト教徒でなくとも、思想を独り占めして優位性を保ちたいという社会的に上位の保守的な人間に対する批判としても見ることができて面白いと思います。

とにかく私はすっごく好きです!

・「とても雰囲気のあるミステリ映画
 中世のヨーロッパ、北イタリアの山奥の修道院で起きた連続殺人事件を、バスカヴィルの僧ウィリアムと弟子のアドソが解明していくミステリ。誰が犯人なのか、どうやって殺していったのか、といった謎の妙味はあまり感じられませんでした。何よりもまず、中世の僧院内の雰囲気に引き込まれましたね。殊に、迷路になっている図書館めぐりと、「本」というものへの畏怖と敬意がよく伝わってきたところ、そこにぞくぞくする魅力を覚えました。 キャストでは、バスカヴィルの僧ウィリアムを演じたショーン・コネリーがさすがの存在感で見せてくれました。中世のシャーロック・ホームズといった印象を受けましたね。 ヨーロッパ中世の歴史の雰囲気が好きな方には、猫にまたたびのような映画でしょう。図書館とか本とか迷路とかに惹かれるわたしには、上述した修道院内の図書館めぐりのシーンが忘れられません。

・「中世の迷宮を垣間見る
イタリアの記号論の覇者ウンベルト・エーコのデビュー作を見事に映画化したもの。たったひとりの女性を除いて、登場するのはすべて男性それも修道士、中世北イタリアの山深く雪に閉ざされた修道院内で起こる殺人事件。ショーンコネリー扮する英国人修道士ウィリアムは、会議で訪れたその修道院での事件の捜査を依頼され、見習い修練士である弟子とともに謎解きに挑むことになる・・・原作のエッセンスを抽出した演出、美術、ロケ地など一見の価値がある。とくに中世・修道院・人々の価値観、キリスト教の矛盾など、高度な原作の知識を持たなくてもすんなり理解して愉しむことができる。 鑑賞後は中世修道院通になれること必至。

・「この傑作映画の高画質DVDが1500円で買える時代なんですね
内容、ストーリー、作りについては他の方の評を参照していただければ十分と思います。監督自身による詳細なメイキング解説もはいってますし。いずれにせよ傑作映画のひとつだと思います。配役と演技もすみずみまで素晴らしいものです。で、DVDとしての映像についてですが、これ私の所ではDVDプレーヤ(一応10年ほど前の某メーカーのフラッグシップ製品)では深々としたコントラストや微妙な色合いの変化などがどう調整しても出にくいのですが....ところが、動画再生支援機能を持ったグラフィックカード内臓のPCでガンマ値など適切に調整して再生すると、SD映像とは思えないような精細感と色彩/コントラストの見事なグラデーションが出てきます。DVDは物によって画質はそれこそピンキリですが、この一枚は手持ちの中でもトップクラスのものです。音声も撮影当時としてはめずらしいオリジナルからのサラウンド多チャンネル収録とのことで、臨場感たっぷりの好録音です。今は1500円程度で買える訳ですが...いい時代になったと思います。これはブルーレイで出てきても買い換える必要は感じないなー。

・「買って損は無いです
細部に拘りを感じさせるこの作品がこのお値段。買って損は無いです。特典もたっぷり楽しめます。

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アンドレイ・ルブリョフ [DVD]

・「傑作
涙をこらえたけど、こらえきれなかった。よくこんなすばらしい映画を作ってくれたと思った。味のあるさりげない台詞。そしてあの場面。あれが答えたったのか。そして「答え」はそのまま「問い」へとなっていく。実に味がある。 私が今までの人生で見た映画の中で間違いなくベスト。 さりげない場面の、味わいや、感覚や、意味や、深さが、

わかる人も、わからないような人も、ともに感動できる。 これが本当の映画だと思った。とにかく強烈だった。

・「芸術作品の背後に佇む「沈黙」
アンドレイ・ルブリョフは殺人を犯したため自ら無言の業に自ら入る。画家の道を絶ち、僧侶として過誤の償いをすることを使命として生きている。最終部『鐘』での、教会の鐘を自分自身の力で完成した棟梁の息子がルブリョフに胸中を吐露する場面が印象的である。名匠である父から何も教わることなく、教えられもしないで鐘創りの後継ぎをした少年もまた、心に「沈黙」を抱えていたのだ。ルブリョフは彼の懐で咽び泣く少年に感化され、イコン画を描くことを自分の再び使命とする。 イコン画の歴史に名を留める実在した、アンドレイ・ルブリョフの生涯をフィクションとして描いた本作は十分に宗教的な主題をテーマとして扱っている。けれども全く難解ではなく、むしろ本作品を通じて信仰というあらゆる宗教にも先立つ事項について学ぶことも出来る。イコン画についての知識は多少あったほうが良い。そうすれば、フィナーレの感動もまた異なったものになるだろう。筆者も平凡社ライブラリー収録の本で、おさらいをしてみようと思う。

・「なんちゅう完成度。
正直映画という物にこれほど可能性があるとは思いもよらなかった。一人の非凡な芸術家の半生をしんしんとカメラが追い続けるそのスタイルには、普通の映画なら余裕でカットされてしまうシーンがテンコ盛り、ゆえに長い、不可思議、そして意味深、かつ段違いに静か。

イノセントであることを求めるがゆえに狂気の域にまで達してしまう人間芸術アンドレイの神に対する不器用な問いかけから、有神論者、無神論者とわず究極の人生に対する切実さを揺さぶられるそんな作品で、たぶんこういう作品にお金を出す人というのは、そうとうに真剣な人たちなんだろうと思われます。この作品が当時の映画界において相当な問題作であり、カンヌから返却され、ソ連政府から睨まれた理由は一見ですが、しかし無論そんなことは分かった上でタルコフスキーは創ったんだろうし、そこまでしても描く必要があったのでしょう。僕にはちっと重過ぎる、少なくても楽しむ映画ではないですね。

後年に「ノスタルジア」や「サクリファイス」を創ったタルコフスキーの芸術観や神秘感がこの時点でここまで高まっていたとは驚きを越えて唖然です。ロシアという究極に切実な土地柄の中でもっとも真剣な一人の表現者の超不器用で必死なマスターピース。愛も平和も、暴力や不正以上に危険なのかもしれません。同時に一生で一度でも一瞬でもこのぐらい本気になれる人ってたしかにいるのかもしれません。

1つ不平を言わせていただくなら、DVDとしての出来があまりよくない。これは他のタルコフスキーDVD集にも共通していることだが、本編以外に楽しめる映像がぜんぜん挿入されていない。これはちょっと異常だと思います。これほどの大作、これほどの表現者の珠玉の一品に対してあまりに手抜きな作りなのには怒りすら感じます。ゆえに、そういう物も含めて楽しみたいという人には、さきにビデオ屋で本編のみをレンタルしてからのお買い上げをお薦めします。まあ本編だけでも十二分に永久保存ではありますが...。

・「深い感動に包まれました
永遠に傑作と呼ばれる芸術作品はいかにして生みだされるのかを教えて貰った映画です。ものづくりに携わる人すべてに必見の映画ではないでしょうか。永遠に自らのもの造りの姿勢にたいする戒めとなる映画です。ラストシーンは感動にふるえました。

・「単純な祈り
 13世紀初頭のロシアが舞台。ルブリョフという当時すでにイコン画家として著名だった修道者が主人公で、映画のはじめのほうで脇役修道士の口を借りて、ルブリョフはたしかに腕がいいけれど、「虚飾を廃する単純さ」に欠けている、と評される。 その単純さに欠けて、いわば複雑な、ドロドロした情念から自由ではないルブリョフが、歴史にさらされ、さまざまの出来事に巻き込まれて、削られ砕かれてながら、単純さを有するにいたる過程が、連作オムニバス形式に描かれている。

 見終わって思い出すのは、暗い顔してイコンを描く絵描きたち(修道者たち)の姿。描いたイコンを異教徒の暴徒に壊され燃やされてしまう絵描きたちの姿。異教徒の軍隊に殺されそうになり、縛られ転がされる絵描きたちの姿。雨と泥にまみれながら次の仕事場へと旅をつづける絵描きたちの姿。腕のいい同僚への嫉妬に苦しみ、よい腕を持ってもなお魂の平安には遠い絵描きたちの姿。重たいのだけれど、不思議なすがすがしさをも感じるのはなぜだろう。

 ルブリョフがついついほうっておけずに構ってしまう相手として、知的障害をもつ、ほとんど口の利けない娘が登場する。異教徒たちが嘲笑しながら馬肉などなげてよこすと、大喜びで食べたりするあわれな娘である。ルブリョフ自身は、映画の後半で、みずからを罰して沈黙の行にいそしむ。『鏡』や『サクリファイス』でも言語障害の子どもが登場するが、「口がきけない」「言葉を失っている」というのは、タルコフスキーの作品の何か重要なモチーフを表しているようだ。

 この映画はほとんど全編が白黒映像で、ただ最後にルブリョフが描いた有名なイコンのいくつかが、カラーで映されている。「虚飾を廃する単純さ」を感じる、厳粛な祈りのようなイコンであった。

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ミツバチのささやき [DVD]

・「再販しないメーカーは文化を理解していません
度を超したマーケットプレイス価格をご覧下さい.再販しないのは,文化に貢献すべきメーカーとして不備だと言わざるを得ません.もちろん日本語字幕はありませんが,イギリス版が販売されています.リージョンフリーのプレーヤーをお持ちの方には救いでしょうか.

・「Amazon.co.ukからの購入
この作品が日本で入手できないのは日本の恥だと思いますが、ここに出ている販売元にもいろいろ事情はあるのだろうと思います。有志によるプロジェクトに期待したいと思います。ヨーロッパのものを購入しても、ヨーロッパと日本はリージョンコードが同じ2ですので、日本でも再生できます。PALですが、日本のDVDプレーヤーは、PALをNTSCに変換して再生する機能またはそのまま再生する機能を持っているものが多いと思います。私の家の普通に日本で購入したDVDプレーヤー数台はいずれも大丈夫でした。これまで、この作品は映画館やLDで何度見たか分かりませんが、いつも新しい発見があります。今回も、改めて思うところが多く、ぜひ見て欲しい作品と思います。

・「スペイン内戦を静かに告発する映画
 極限までセリフを削ぎ落とした脚本の上に撮られた映画ですが、それはこの映画の主題が言葉で語らずともスペイン人にとっては大変なじみのあるものだからでしょう。導入部でこの映画の時代設定が<1940年頃>と一言だけ説明されますが、この年はフランコの反乱軍によって人民戦線内閣が崩壊し、マドリッドが陥落した1939年の翌年という大きな意味があります。

 同朋同士が血で血を洗う殺し合いを繰り広げたスペイン内戦は、いくら考えても納得のいかない悲しい出来事としてスペイン人たちの胸に重くのしかかっています。

 もちろんアナは幼すぎてスペイン内戦の理屈どころかそんな事件があったことすら知らないはずです。足をケガしたまま自分の前から姿を消した若い男が共和派の敗走兵であることや、フランコ派の村人たちに射殺されたことなども当然理解できていないでしょう。

 しかし「フランケンシュタインの映画の中でどうして少女は殺されてしまったの?」と純粋に問いかけを続けるアナには、村に漂うフランコ独裁の重苦しい空気を見分ける心の目があったようです。そしてその結果大人の世界のありかたに激しい拒絶反応を抱くことになるのです。

 人々の絆を切り裂いていったスペイン内戦を子供の心を通してこの映画はとても静かにささやくように告発しているのです。

・「再販してください・・・・
再販してください・・・どうかよろしくお願いします。

・「一刻も早く再発売するべき映画
他のレビュアーの方々も書いているように、この映画『ミツバチのささやき』のDVDは現在入手困難の状況にあります。こんな傑作映画が入手困難…意味がわかりません。メーカーさんには一刻も早く再発売してほしいと思います。レンタルという手もありますが、この映画を手元に置いておきたいと思う人が多いと思うので、ぜひもう一度手軽な値段で購入できるよう再発売してほしいです。

映画の内容自体はたくさんの方々が触れていることなので僕はあえて触れません。ただ、映像美だけではなく映画全体に溢れる「言葉」の力には注目して欲しいです。この映画に出会えて本当によかった。

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去年マリエンバートで HDニューマスター版 [DVD]

・「この上ない映像美、独自性に酔いしれる
かつてこれほどまでに美しく、かつショッキングな映像体験があったでしょうか。物語性はありません。しかし怪物のように不気味にそびえる館と生気が抜けた彼岸のように横たわる庭園をめぐりめぐっていくうち、物語の中心人物たる男女の関係はおろか人間の意識の曖昧さがあからさまに露呈していくさまは圧巻。

登場人物の立ち位置から動きまでが完璧に計算しつくされた画面構成は見事というほかはありません。また背景、借景の使い方といったら、かつて見たことの無いモノクロ映像究極の様相を呈しているといっても差し支えないほど鮮烈で優美。難解すぎるプロットからしてもアラン・レネ監督が商業用フィルムをまったく意識しなかったことが伝わってきて、そこがまた痛快。

たとえ難解であっても映像芸術としてはパーフェクトに近い、これは人間思考の複雑な独自性と際立つ映像美に酔いしれるヨーロッパ映画の逸品。

・「やっと出た!
待ちに待った再発ですね。馬鹿みたいなプレミアが着いて、そんな業者から買うの止めましょう。 そして旧盤はPALマスターからの変換した4%の早回しなので注意。 詩的、観念的でありながら、映像表現を変えた作品です。勅使河原宏や吉田喜重に影響を与えました。楽しみです。アメリカではクライテリオンからブルーレイが出ています。英語字幕しかありませんが、映像はこのDVDに比べて、数倍解像度が高く思えました。

・「幻想的な映画
 前の方も書いていらっしゃいますが、プレミアがついて高価な価格で販売されていました。今回の発売はニューマスター版で、画像が良くなっている上、割引で購入できるので未見の方は是非購入することをお勧めします。

・「クライテリオンは5月に・・・
HDニューマスターで再発とのこと・・・驚きましたが、もしや・・と思いクライテリオンのサイトを見てみたら・・なんと5月にDVDとBlu-rayがリリースされるそうです。

・「ヒッチコック・ファン必見!
アラン・レネの作風からはヒッチコックと接点がないように思われるかもしれませんが、ロメール、トリュフォー、ゴダール、シャブロルといったフランスの作家たちがそうであったように、レネもまたヒッチコック作品に魅了された一人でした。この「去年マリエンバートで」には何とヒッチコック本人が、彼の作品のようにワンカット出演しています。映画の最初の方に、まるでゴシック風の調度品のように横向きで立っています。こんなことはトリュフォーの作品にもなかったことです!

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ブルース・ブラザース [DVD]

・「おバカ映画の至高
超一流のミュージシャンに、おバカな役柄の演技をさせつつも最高のミュージックパフォーマンスをさせたらどうなるのか?この映画がまさにそれなのだが、それはもう凄まじくスゴいことになる。

超一流のミュージシャンであるから、普段通りに演奏しても十分感動的な音楽が聴ける。ところが徹底的に「おバカ」でありながら演奏が超一流だと、意外性もあってか、聴き手は完全にノックアウトされてしまうのだ。

ジェームス・ブラウンのプッツン牧師、アレサ・フランクリンの肝っ玉母ちゃん、レイ・チャールズの発砲楽器店主、これら「ゲスト」達の登場シーンは、何度見てもぞれが涙が出るくらいに笑え、そして感動できる。

ゲストにしてこれだから、主役のブルース・ブラザーズはもっとハチャメチャ。あらゆる行動がもう徹底的におバカなのだ。

なぜ行く先々で何度も「爆破」が起きるのだ?なぜクルマが走るたびに徹底的にモノをブチ壊すのだ?なぜたかだかクルマ1台捕まえるのにあれほどのパトカーがいるのか?そのあまりの徹底ぶりに、突っ込むどころかかえって清々しいくらいだ。

この映画は、私も含めた一部の人には圧倒的な人気を誇るカルト映画だが、「誰もが知る名画」と言うわけではない。この値段でDVDが買えるのもひょっとしたら今だけかもしれない。私のレビューを読んだあなた、ぐずぐずせずにすぐに注文したほうがよいですよ。

・「前向きに生きる為の薬。
学生のころ。 動くJohn Lee Hooker見たさに、生まれて初めてビデオを「購入」したのがこの映画。 でもこの映画を観るとき、R&Bの知識なんて全く必要ありません。 小難しい理屈も、映画知識も必要ありません。 映画とか音楽とかっていう以前に、

これは、「ポジティブ」 の塊なんです。

近年買ったDVD版も合わせて数え切れないほど観てるけど、未だにパワーもらってる。 まだ飽きません。 ひょっとしたら一生観続けるのかもしんない。

精神的に疲れたら、試しにこの映画観てください。

・「スピルバーグもカメオ出演!
いやー懐かしい!けど、今観ても「COOL!」って感じです。

・「気付いた人います?
実は隠れキャラが潜んでる事を!教会のシーンに出てくる女性の聖歌隊のリード・ヴォーカリストはチャカ・カーンだって事を。

・「One night only
With Jake's release from Joliet the two brothers, Jake (John Belushi) and Elwood (Dan Aykroyd) Blues, are back together again. After visiting “The Penguin” (Kathleen Freeman), a nun at their old orphanage, they have a quest to save their old orphanage which requires the reformation of the Blues Band. We follow them on their quest, kibitzing when we can as they come across many of the musical greats from the past such as Ray Charles, Aretha Franklin, Cab Calloway, James Brown etc.

Toss in some Chicago neo-Nazis (Henry Gibson), Twiggy, Carry Fisher, and the entire Cook County police force in an intense chase scene.

Will the band get together? Will the escape the revenge of Carry Fisher? Will they be caught by the Real “Good Old Boys?” Will they be caught by the Cook County Police force? Will they be able to save the orphanage? Will we have fun and lots of good music? (YES)

ブルース・ブラザース [DVD] (詳細)

モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]

・「自分自身の生き方を見つめ直すきっかけに・・
「チェ 28歳の革命」の試写会を見た影響で、「モーターサイクル・ダイアリーズ」を見ました。この映画では、チェがキューバ革命を起こした「根本的な要因」を学ぶことができます。

弁護士一家に生まれ、医大に通うエリートであったエルネスト・ゲバラ。彼は『本だけで知っていた、南米諸国を見て回りたい』と、南米大陸横断の旅を決意します。書籍を読んでいないため詳細は分かりませんが、この時点でゲバラは「貧しい人々を救う」という意識を持ち得ていたのかも知れません。

バイクに、寝袋や食料を詰め込んだものの、ほぼ体一つで南米の旅へ。便利な生活に慣れている私は、「夏服と冬服はどうするんだ?」「風呂は?洗顔は?」「体調を崩したら?」などと心配をしてしまいました。

道中では、チリの寒い雪山やら、牛が歩く田舎道など、想像もつかない環境が現れます。何回もバイクで転倒しながら、それでも突き進む2人。詳しい描写は映画に譲りますが、この体験が、体一つでメキシコからキューバに乗り込み、ゲリラ戦を展開する発想を生み出したのかもしれません。

映画の前半では、旅の辛さや、2人の人間関係にスポットが当てられていました。そして、ペルーに入国する後半からは描写も急展開し、「貧しい人々への共感」がテーマとなっていきます。象徴的なのは、「地上げ屋に自らの土地を追い出され、共産主義だからと警察に追われ、やむなく銅山での危険な労働に飛び込む夫婦」との出会いです。やや、突然現れた感はありましたが、ゲバラの意識変化がひしひしと伝わった瞬間でした。その夫婦、正確には夫は、銅山での仕事を手にするのですが、その雇用者の態度があまりに横柄。彼にに対してゲバラは怒りをぶつけます。『喉が渇いているのだから、水くらいあげたらどうだ!』。そして彼は、自らの全財産(彼女から買い物を頼まれたお金、しかし彼女には別れを告げられたはず)である15ドルを手渡します。(後に判明)

その後の道中では、地上げ屋に土地を追い出された貧しい人々と「これでもか」というくらい遭遇します。彼らが共通して言うことは、『私達は団結している。少数だからこそ団結する。』キューバ革命への伏線として用意された発言でしょうか。他にも伏線はありました。マチュ・ピチュにて、『革命を起こしたい』・『銃がない革命は無理だ』と口にするのです。ペルーの貧しい、哀れな人々が、ゲバラに対して「体制打破への想い」と「武力闘争という現実的な選択肢」を与えたのでしょうか。共産主義への是非は別として、人々の為にここまで震え上がることの出来るゲバラを、本当に尊敬した瞬間でした。(私は今まで「自分の為に」「自分の成功を」とばかり考え、近視眼的に自分のメリットを追求して生きてきました。そんな私の人生には、「人々のために、誰かのために」という視点が欠落している。時代が違うとはいえ、どうしてここまで考えが及ぶのでしょうか。)

続いて、ペルー市街での知り合いの医師を経由して、ハンセン病の人々が療養する地域へと足を運びます。この頃のゲバラは既に、「貧しい人々を何とかして救いたい思想家」となっていました。ここも実際の描写を見て頂きたいのですが、「手袋をつけないシーン」や「アマゾン河を渡るシーン」に表れています。特に、誕生祝いの席での発言は、「革命家チェ・ゲバラ」そのものでした。

『意味なく分断されているが、南米大陸は一つの多民族国家だ。皆さんの代弁者ではないが、何か出来ることがあると思う。』(フレーズがうる覚えですが、趣旨はこういったものでした)

この時点で既に、「貧しい人(労働者階級)vs富める人(資本家階級)」、「貧しい国(南米諸国)vs富める国(欧米諸国)」という図式は描かれていたのでしょう。恐らくゲバラは【1】「富める人で、貧しい国」に生まれたからこそ、ゲバラ足りえたのだと思います。【2】「貧しい人で貧しい国」なら何も出来ません。【3】「富める人で富める国」なら問題意識を持たないでしょう。【4】「貧しい人で富める国」ならば、自分の成功を目指して突き進むのではないでしょうか。そう、それが「アメリカン・ドリーム」です。自分の生活はそれなりに豊かである。それは家庭環境もあるし、高い教育を受けたおかげで、自分も豊かな生活が送れそうである。しかし周りを見渡してみると、教育すら受けられず、生まれながらにして貧しい人生を決定付けられた人がいる。『人の役に立ちたい』と何度も口にするゲバラからしたら、不甲斐無くて仕方がないのでしょう。

自分の人生について、本気で考えさせられる映画でした。チェ28歳の革命・チェ39歳別れの手紙も、是非鑑賞してください!

・「一見は百聞にしかず
何事も自分自身で体験しないとすまないタイプであったチェがこの映画を通じて見えてきた。

当時のアメリカと中南米諸国間の政治的、経済的な腐敗と陰謀に対し、チェが求めていたものは何であったのか?現在でいうアメリカイズムが本当に正しいことなのか?

チェは自分の正義を実際に実行しただけであれば、革命家は単なる政府を転覆させるテロリストにすぎない。

このバイクでの南米旅行は彼の思想の正しさを試す試練の旅であったに違いない。

・「距離と孤独に目を向けてみる
私自身も喘息を持っている。喘息は嘘つき病と言われることがある。深夜に発作が起こり、孤独の中で苦しみ、夜明けとともに開放される。故に傍からは何がそれほど苦しいの分かってもらえない。美しい景色と写真、感情をむき出しにせず、静かに流れていく映画。そんな中に、当時の南米の悲しさと魅力的な2人の青年像が、映し出される。普通に流して見ても、自然に感動すると思う。もう少し突っ込んで見るなら、ゲバラが人と接するときに感じている「距離」に注目してもいいかもしれない。例えば、ハンセン氏病施設での修道女…ゴム手袋をし、規則を守らない者には食事を与えない…に対し、自分とどんな隔たりを感じているのか。彼女たちを何の象徴として見ているのか。隔離され、他者の慈悲と資本の中にしか生きられない「向こう岸の患者」に何を連想しているのか。さらに、別れの手紙を手にしたシーンですら、ほとんど押し殺される感情。信念を曲げられない故にクールになってしまう、人とのふれあい。夜、ひとりのゲバラが、孤独の中で味わったであろう悲しみを想像しながら見ると、また違った重みを感じると思う。そう思うと、特別な時代の特別な若者の話ではないように思えてくる。今も南米で、世界のあちこち、自分たちの近所で起こっていることに、気づく人と目をつぶる人がいるだけのように思えてならない。

・「静かに、心がざわつかされる映画
23歳の若きチェ・ゲバラ(エルネスト)は、親友アルベルトと共に南米横断の旅に出る。中古のバイクで大陸を突っ切るつもりなのだ。

突然の雷雨にとまどい、 バイクが故障するも修理する金がない。

砂漠を歩く。 マチュピチュの遺跡を目にする。 アマゾン川を越える。

宿も金もない壮大な旅路で触れ合い、心通わせたのは 常に、貧しさの中で必死に生きる人々だった。 土地を奪われ、夫婦で放浪する炭鉱労働者。 農地を警察に奪われた原住民。 裁縫で生計を立てるインディオの人々。

旅は予想以上にエルネストを変えていった。医者になることが進むべき道なのか?

そしてハンセン病患者を収容する病院で、彼は24歳の誕生日を迎え、スピーチをするが、、、。

若き日のチェ・ゲバラの優しい視線を、情熱と共に感じる事のできる映画だった。 そして、まだ社会を知らぬ大学生が初めて目にする社会の持たざる人々とのふれあいに、観る人は自分の青春期を重ねるのではないだろうか?

ロケは相当大変だったと予想する。 しかし、それだけ丹念に風景と行程が描かれている。その、だんだんに変化する風景と静謐で美しいギターの音が上手く溶け合っている。

清々しさでいっぱいだった。

・「爽やかで清々しい名作
久々に、本当に良い映画を観たと思います。

歴史的な背景を抜きに、何の知識も持たずに観ても十分に楽しめる作品でしょう。

2人の旅の厳しさ、その一方で垣間見ることのできる若くて奔放な一面。エルネストと友人とのやり取りもまたユーモアに溢れ、話の節々で思わず微笑ましい気持ちになります。

また南米を旅する中で映し出される風景もそれぞれ美しく、無駄なBGMなどがほとんどないシンプルな作りにも好感が持てます。また、スペイン語の独特のリズムと、旅のリズムが、ちょうど歴史の重厚さと絶妙なバランスを保っているように思います。

もちろん、チェ・ゲバラという革命家についてある程度基礎知識をつけて観ればより楽しめるはず。いずれにしても、清々しい気持ちになれる秀逸の作品と言えるでしょう。

モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD] (詳細)

8人の女たち デラックス版 [DVD]

・「まさに事件
個性的でキュートでまさに女優へのオマージュ。役柄に合わせたお衣装が靴までトータルにコーディネイトされた完璧さ。ヴィンテージのバービーが着てるようなクラシカル且つ可愛らしさもあって洗練されています。さまざまな世代のフランス大女優たちの火花散るぶつかり合いとコミカルな推理劇という作り方も良かったと思います。

大好きなドヌーブやエマニュエル・ベアールも出ていて女優好きな私にはたまりませんでした。そして本来歌手ではない彼女たちが1曲ずつシャンソンを歌うんですね。それがまた何とも言えない可愛らしさがあるんです。フランスでは誰でも知っている曲なのかな。私は1曲しかわかりませんでしたけど。

それから男優が1人も出てきません。父親役はいるのですが最後まで顔は見えないまま。限られた時間と場所、そこに集まった8人の女たち。グランドホテル形式の展開で彼女たちの過去が暴かれていく。。

・「香り立つファム・ファタール~朽ち果てぬ美しさ
オープニングシーンからして花々(またはactrice)の香りが溢れでてくるような作品でした。オゾン監督作品の特徴ともいえる“密室劇”を、リメイクされた歌によるミュージカル仕立てに演出され、ウイットの効いたブラックユーモアの会話で展開されていく。ラストシーンの意外な結末に辿り着くまで艶演に目が離せませんでした。8人の女たちは、それぞれに美しい花々に(イメージを)譬えられているんですが、真紅のバラをイメージしたファニー・アルダンの妖艶な演技と歌(A quoi sert de vivre libre )や、カトレアの花?を意識したカトリーヌ・ドヌーヴの華やかな魅力にも魅了され、濃厚な香りのブーケに包まれたような印象をいだきました。

・「女の美しさ、残酷さ
女の美しい面と残酷な面を見事に表現できる監督、フランソワ・オゾン。この後の作品、「スイミングプール」でその印象は更に強くなりましたが、この作品も正に題名からして「女」が主役なのです。

まず、8人の女のメンツが超豪華。殺された男マルセルの妻(ブルジョワ)にカトリーヌ・ドヌーヴ、2人の娘には長女にヴィルジニー・ルドワイヨン、次女にリディヴィーヌ・サニエ。妻の妹にはイザベル・ユペール。一家に仕えるメイドにエマニュエル・べアールとフィルミーヌ・リシャール。それに加えて、マルセルの妹にファニー・アルダン、イザベルとドヌーヴの母親にダニエル・ダリュー。若手からベテランまでよく集まったもんですね~。個人的にはベアールのファンなので観にいった映画です。メイド姿も絶品!40とは思えない!

キャストが豪華だと得てしてつまらない映画になりがちですが、これはいい意味で期待を裏切ってくれました。DVDで何回も鑑賞するに堪える作品。知名度の高いフランスを代表する女優を同時起用していることがむしろポイントになるくらいです。(この女優達を全く知らないよりは知ってる方が楽しめると思います)個性が存分に発揮されており、彼女達のガチンコ勝負が熱い!!ハリウッド女優とは違ったフランス女優の魅力が満載です!

8人の女たちの誰がマルセルを殺したのか・・・サスペンス・推理要素を含んだ物語展開のなかに、皮肉たっぷりのユーモアやミュージカル要素まで盛り込まれています。元々舞台劇だけあって演出が面白く、女優さん一人一人の歌やダンスは必見。これはなかなか観れないと思いますよ。この舞台的な部分がダメだと感じてしまう人には面白くない映画かも。

画面的にも色鮮やかでフランスっぽい色彩が楽しめます。8人の女たちにもそれぞれテーマカラーやイメージする人物像(例えば、ヴィルジニーはオードリーとか)があり、洋服や髪型などがそれを表しています。レトロなお洒落感が乙女心をくすぐります。そういう意味でも女受け映画かな?男性が観たら女性不信になりそうです(笑)ストーリーの結末は意外でもあり、想像できたものでもあり・・・って感じでしょうか。ただ、底知れぬ女の怖さと空しさを感じました。

お勧めは裏で観ること。よくある特典ですが、監督や脚本家・女優などが裏話などをしながら映画が進んでいくヤツです。キャストについてや気付かなかった細かい演技なども話にでてきたりするので面白かったです。むしろ裏で観る方が面白いかも(笑)?

あ、レズシーン?がでてきたのには吃驚&笑いました。

・「日本的2時間ドラマの、超上質版
田舎の、雪で閉ざされた大邸宅でのだんな様殺人事件。雪で警察を呼べない、警察に行けない、という状況での、女8人の、愛・謎・秘密・暴露・ゴタゴタ・疑心暗鬼。次から次へと、疑惑・驚きが出るわ出るわ。大変におもしろうございました。

時々、なぜか、ミュージカル仕立てになっちゃって、きっと公開当時、賛否両論があったでしょう。

ハリウッド映画と違って、こじんまりした感じで、私としては、日本的2時間ドラマの、超上質版、という感じ。これ、誉め言葉のつもりです。

・「個性豊かな女優たち
1950年代のフランス。クリスマス・イブの朝、雪に閉ざされた大邸宅で一家の主が殺された。集まっていた家族は一転、全員が容疑者に・・・・ お互いが疑心暗鬼に陥るなか、怪しくも美しき8人の女たちの秘密がつぎつぎと明かされる。 犯人は、誰・・・・・?

映画というよりは舞台劇(ミュージカル?)をフィルムで撮影しているという感じでした。あれだけ個性が全く違うキャラを揃えて破綻しないというのもフランス映画のいいところ。

ギャビー(カトリーヌ・ドヌーブ)の妹オーギュスティーヌ(イザベル・ユベール)すごく危ないひとで可笑しかったです。次女カトリーヌ役のリュディヴィーヌ・サニエ初々しくて可愛くてでも大物に混じって全然負けてません。

個人的には殺された主人マルセルの妹ピレット(ファニー・アルダン)が存在感たっぷりの女っぷりで、これぞフランスの大人の女!という感じで良かったです。

8人の女たち デラックス版 [DVD] (詳細)

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・「イッセー尾形に最大限の賛辞を
廃墟となった東京の描写以外は、とても外国人が撮った作品とは思えぬほど違和感のない『洋画』である。多くの資料に当たっているであろう点は安い典型的日本イメージに溢れたエキゾチック映画に比し高い評価に値する。日本人が撮れないという点も含めて。

映画前半部、退避壕の中での息詰まる生活描写は『ヒトラー〜最後の12日間〜』を彷彿とさせるがセピア色の映像から来る印象は遥かに淡いものである。怒鳴り散らすヒトラーの最期に比べるとカニを覗くヒロヒトの姿に、彼を知らぬ外国人はまた別の狂気を感じたのだろう。

俳優にとって、この作品への出演は社会生活を送る上のリスクであったろう。ブルーノ・ガンツと同じリスクを背負ったイッセー尾形には最大限の賛辞が捧げられるべきだ。

・「今ひとたびの僥倖
この作品では、戦後に制定された「日本国憲法」に規定された「象徴天皇」をまさしく先取りしているような、「主体」を生まれながらにして剥奪されているとも言える存在として描かれているように思う。「皇国史観」という虚構によって、「現人神」― そこには自らのレゾン・デートル(=存在理由)を「神格」でしか引き受けることのできなかった悲(喜)劇的な人間像が浮かび上がる。象徴としての 「愚者」― つまり、真の賢者とは、まさしく幼子のように無垢であるということ・・・であろうか ― とさえ思ってしまうほどである。 そのイノセントとも言える苦悩 ― これは、もしかすると純粋無垢でアルカイックな苦悩 ― キリスト者、特にパウロの説く「原罪」の苦悩に通ずるかもしれない。中空 ― 「うつろ」なることを日本的な「帝王学」として身に着けてきた稀有なる存在。それは、ユーモラスで愛らしく、美しくさえある。 劇中で最も印象深かったのは、米国からやってきた従軍カメラマンたちの前で、自らをあたかも喜劇王チャップリン に真似て演じてみせるかのような仕草をするシーンである。それを傍観する侍従の苦渋の眼差し。そして、車で走り去るカメラマンたちから投げかけられる「サンキュー、チャーリー」「またな、チャーリー」という言葉が投げかけられる。常識的に受け止めれば、この状況はあきらかに屈辱的である。しかし、彼にはいささかの恥じらいも屈折もない。ただ幼子のような無邪気さだけがある。 作者ソクーロフは、学生時代に歴史学を学んだ。その上でさらに日本文化の深層を直覚的に掴んでいる。その深い透徹した歴史認識から、この「美しい」寓話(おとぎ話)のような「物語」をつむいだ。これは日本人には絶対に作り得ない、むしろ、ロシア人であるからこそ作り得た芸術作品である。それは、政治的な意味というよりも、ロシア文化の深層にある、言わば、神秘主義的とも言える感性から立ち上ってくる表現ではなかろうか。 久々に深みのある味わい深い映画を堪能した。

・「昭和天皇にお会いしました
 もう平成に代わってから20年近くたち、我々の記憶も薄れかけているところだが、テレビを通して見た昭和天皇はまさしくこのイッセー尾形が好演したこういう方だったと思う。話の切り出し方や仕草、誰が演技を指導したのか分からないがとても似ている。ブルーノ・ガンツのヒトラー以上である。 一方、我々は様々な記録から、実は昭和天皇は癇の鋭い天皇であったことを知ることができる。はっきりと怒ったり、苦悩したりする天皇は『木戸日記』『(いわゆる)昭和天皇独白録』などに現れる。この映画ではそういう昭和天皇の一面が、今度はテレビなどを通じては見たことがない姿で出て来る。それに天皇は実に狭い空間でのみ、生活している。そういう言わば「天皇の私生活」が描かれている。 私は25年前に、国体で来県された天皇にお会いした事がある。一瞬の出来事であったが、まさにこの映画を見ることで感じる「天皇のいる空間」とでも言うべき空気感が確かにあった。この映画の時間感覚(ちなみに史実に基づくエピソードは年代がごちゃ混ぜだったりするが、大意は合っている)は余りにも浮世離れしているが、それが間延びしたように感じないのは物静かだが実は強烈な存在感で場を支配する天皇がいるからに他ならない。この作品が日本映画でないところが凄い。傑作。

<追伸>先日元侍従による戦中日誌が某紙で公開された。この映画の中の昭和天皇は似てはいるが多少デフォルメされていないだろうかという疑問が残ってた。しかしこの徹底した浮世離れと強大な「大権」が入り混じった複雑な人間像は、ますますこの通りであったように感じる。日誌でも内閣の報告に一喜一憂する天皇は、翌日は御用邸で水泳に興じる切り替えの早さがあった。結果オーライもあるかもしれないが、この公私入り乱れた描写はまさに正しいと言えるだろう。

・「天皇裕仁の愛すべき人間像を表現している秀作
昭和20年8月15日、神から人間に降下した唯一の日本人。天皇裕仁像とは、戦中の「大元帥」としての地位と、戦後の戦争責任の訴追免除とが、どうしても納得いかない国民感情がある中で、この映画は、その不連続面を、しっかりと繋げてくれるもの。軍服で身を包み、白馬に跨り閲兵をする大元帥は、天皇の職務としての一面であり、御前会議に対する憤懣などを見るにつけ、昭和天皇御自身は、戦前戦後を通じて、大きく豹変したわけでもなく、極めて人間的であり、ユーモアもストレスもあり、愛すべき人間像として描かれている。政治的な意味での「人間宣言」とは違った意味で、実生活での「天皇の人間らしさ」を表現したもので、日本国民にとっては、はじめて、天皇というものを身近に感じられた作品であった。 この作品は、上映中止にはならなかったが、現今の、偏狭なナショナリズムが勢いづく状況にあって、果たしてクレームがつかなかったか心配ではある。それほど時代は逆行しているといえる。心ある人々は、戦いの覚悟と準備を怠るな。

・「昭和天皇の人間性に迫った、必見の傑作
2006年は、どちらも日本人俳優による日本語映画でありながら、外国人が監督した外国制作の、太平洋戦争に関係する優れた映画2本が日本で劇場公開された年として記憶されるでしょう。1本は「硫黄島からの手紙」、そしてもう1本が本作です。私は戦後生まれですが、昭和の元号の下で人生の半分以上を過ごした者として、昭和天皇の動作やしゃべり方は鮮明に記憶に残っています。それを見事に再現したイッセー尾形は、さらに形態模写の範囲を超えて、神とされた人間の苦悩、悲しさ、そして時に見せるお茶目っぽさを見事に示しています。これから先、昭和天皇を真正面から描く映画が作られるか不明ですが、イッセー尾形の本作での演技を超えるのは難しいのではないでしょうか。そしてそのような演技を見事に引き出した、そして史実とは異なる部分も含めて昭和天皇の生活はこうだっただろうと秀逸な脚本を作った外国人スタッフの努力には感服します。

本作は個々の場面はすばらしいのですが、話がいきなり終戦後にとんだりします。また作品の終わり方にあっけにとられる人もいるかもしれません。そして全編(私の記憶が正しければ)セピア調のトーンで映像が展開し、カラフルな映画ではありません。そういった映画の文法もあり、ということに慣れていない人は、もしかしたら本作は面白くないかもしれません。実際、映画館で私の隣の席の人は映画が始まって5分で寝息をたてていました。しかし、カラフルな映画ではないだけにランプがついたり天皇がローソクを消していくシーンなど、光が明滅する場面は強烈な印象を残します。また、天皇がみる悪夢の中でB29が魚となって空を飛び回るという、悲惨だが映像としてはその美しさに圧倒される場面もあります。映像美の点でも優れており、かつ終戦前後の昭和天皇の人間性に焦点を合わせた本作は、必見の傑作であると断言します。

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・「泣くまいと思ったけど泣いてしまった
あまり日本映画が好きじゃないので泣いてたまるかと思っていたけれど、思わず泣いてしまいました。自己責任論がはびこる世の中で、自分はどちらかというと自己責任派だったし、「貧しい人は環境のせいにせず自分でなんとかすべし、なぜなら貧しくても努力して何とかした人もいるからだ」という論理だったが、この映画を見て全く同じ台詞を今吐くことはできない。「どうしようもない」ことだってあるからだ。在日外国人に関しては、アジア人には日本語を話し日本と同化することを求めるのにただ英語を話せるというだけで欧米人(特に白人)をちやほやする傾向があると以前から思っていました。すべての外国人をあるがままに受け入れられるほど成熟するには日本はまだまだ時間がかかりそうだと思います。左翼右翼、日本の戦争責任の範囲、そしてこの映画に関して思いつきでイデオロギー的賛否を述べる前に、私も含め一人一人がまずよく歴史を勉強すべきです。

前半ちょっと間延びしている感じもあると思いました。朝鮮学校の高校生の描き方は賛否両論ですが、見る人が見ればびっくりしてしまうかも。ただ、当時の彼らの様子を美化しても仕方ないので、何事も一般化せず、ああいうこともあったんだとして見るとよいと思います。安成が朝鮮人の集まりで礼儀正しく振舞っていた姿、また僧侶(?)がクライマックスの葬式で康介に言った言葉は普段日本に対してためてきた鬱憤の裏返しなのだろう。それにしても康介は本当によくやったと思う。あの時代の日本人なら特に、なかなかできることではないのでは。

俳優女優もよかった。特に安成=高岡蒼佑は◎。すごく男らしい俳優さんだと思います。そしてなんといっても沢尻エリカ。すばらしかったです。

・「いきなりのオックスにびびった!!! (改訂版)
冒頭いきなり登場するオックスのステージ場面にびびる。'68年京都のジャズ喫茶「Eden」でのステージという場面、メンバーの顔がよく似ているのには感心。(京都のザ・サイクロンズというバンドが演してるそうです)ステージ衣装、もちろん楽器、はては失神ポーズまでよく再現しているが、歌はなぜかかなり下手。こんなに下手だったの? 当時のオックス。かなりあり得る話だが、井筒監督ならそこまで知っていての仕業?「ダンシング・セブンティーン」「スワンの涙」の2曲が演奏されているが、2枚目のシングル「ダンシング・セブンティーン」が'68年9月5日発売、3枚目「スワンの涙」12月10日発売だが、映画では夏のシーンだったからこのへんは微妙。ちなみにオックスのメンバーがその初期に出演していた京都のジャズ喫茶は「田園」。ともあれこの冒頭のオックスのシーンだけでも見る価値十二分!! そして、もちろんこの映画の主題となるのが、ザ・フォーク・クルセダーズの「イムジン河」。映画の随所で流れるが、なかでも主演の康介(塩谷 瞬)が歌う新録ヴァージョンは真摯な歌い方が好感もてるなかなかの出来。クライマックスの勝ち抜きフォーク合戦での場面は感動的。当時、「イムジン河」のシングルは発売中止にはなったが、ラジオではけっこう聴けた記憶がある。おそらく発売前の事であろうが。なので、ディレクター役の大友康平の演技が少々臭く感じてしまったが・・・ それにしても、主演の塩谷 瞬の存在感は光っている、本当にこんな若者居そうだもんな当時の京都には。楽器店でのシーンなんかでは、ゴールデン・カップス時代の加部正義にも似ていた。それからオダギリ・ジョー。これもホントに居そうだあの頃の京都には。あと、京大西部講堂のシーンも印象的、意外と小さいなと感じた。なにしろ村八分のライヴ盤のジャケで見ていただけだったから。ラストの「あの素晴らしい愛をもう一度」は、やはりオリジナル・ヴァージョンでいって欲しかったが。

・「ムズカシいことは考えんでええ!(修正)笑顔の裏の哀しさを!
 まず、主人公の康介に妬みを感じましたわ。 僕自身の初めての在日コリアンの友人が、キョンジャのような可愛い女性ではなかったもんな・・・。僕も初めは戸惑ったが、彼のお陰で色んなことを勉強でけたもんや。僕の友人はハングルがでけへんかったし、何でか僕と一緒に勉強した。そんな、個人的な多くの在日コリアンの友人との出来事の懐かしさも感じながら鑑賞した。

 まず、この映画で良かったと思ったのが、舞台設定に京都が選ばれたことやな。京都という街は、古の都であり、日本を代表する観光都市であるが故に、都市のキャラクターを表面だけの印象を持ってはる方が多かったのとちゃいますやろ?なんぼ、詳しゅうお方でも、ハイテク・ベンチャー企業が多い街というイメージでっしゃろか? 京都という街にも様々な人々がおますんでっせ!その中でも、(修学旅行生を含む)学生が多いというのが特徴の一つ。ある意味、社会における若者の複雑な時代背景を見事に描いてはる。僕はまだ生まれてへんけど、オトンから聞いてたとおりや!しかし、「丸物百貨店」には、大いに笑わしてもろうた!

 次ぎには、「カワ」。 『イムジン河』、鴨川、○○○等と色んな意味でのキーワードになっとるが、ネタばれになるから詳しくは書かんとこ。

 最後に、京都人としては、「あの頃の京都市内は『市電』もあったし、鴨川河畔には京阪電車も地上を走っていたんやけど・・・」と、ツッコミを入れとうなるが、ムッチャおもろい映画やったんで減点せずに忘れまひょ。

 追加です。

 このレビューを最初に書いてから後に、偶然にも仕事でこの映画の舞台となった地区を担当することになりました。街を歩くと住宅・道路・図書館等の行政が必死でインフラ整備に努めているのが窺える。 しかし、京都の中でも繁華街の間近だというのに寂しい。康介がギターを叩き付けた橋を渡ると何故だか涙が止まらない。現実に、バラックのような住まいも残っている。 さらに最近になって、戦前・戦中に周辺に大きな軍需工場や旧日本軍陸軍基地があったことも知った。自分自身、京都に生まれ育って今の今まで、この街のことをホンマに解っとったんかいなという自問自答を繰り返している。 『パッチギ!』・・・。この映画は、とても楽しい映画である。しかし、その笑顔の裏側の哀しみがあることを胸にこの街を歩いている。

・「いやいやいやいや
コレが井筒イズムでしょ。理屈ばっかり並べて何が面白いん?考えずに感じろ。痛いものは痛く描く。リアリズムでしょ。傑作ですよ。

・「どうしようもない世界の中にもときおり奇跡が起こる
例えば2007年に日本に生まれた子供はそれから数年間の未来の記憶と、それ以前の記憶を持たない。しかし、その子供は生まれながらにして過去連綿と続いてきた「日本人」という歴史を背負っている。物理的にはひとつの体だが、集団的な記憶としての「日本人」の構成要素の一部としてこの世の中に生まれてくる。これはどうしようもない。

そういう既に決まっているたくさんの約束事の中に僕らは生まれてくるのである。当然、その中では個人としての独立性というものはほとんどない。集団的な記憶の中で成長してゆくからである。既に対立している場合、対立し続ける。自分の意思とは関係なく(考える前に意思が存在してしまう)そういう世界だからだ。

物語は京都で生きる在日朝鮮人学校の生徒と日本の高校生の抗争が舞台になっている。過去侵略者だった日本と朝鮮の代理戦争のような形で京都の町を舞台に戦いが繰り広げられる。主人公は日本の高校生だ。高校生は朝鮮人学校の生徒に恋をして次第に朝鮮に興味を持つようになる。朝鮮分断の不幸な歴史を歌った「イムジン河」がとても切ない。

どうしようもない過去の記憶と若さという衝動の中で繰り広げられる生のドラマをとてもよく描いている。高校生と朝鮮人学校の生徒の間で生まれてくる友情の切なさがとても繊細で心に響く。

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