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▼優しい日本の映画たち:セレクト商品

櫻の園 [DVD]櫻の園 [DVD] (詳細)
中原俊(監督), 中島ひろ子(俳優), つみきみほ(俳優)

「戻れないからこそ大切な日々」「光の射しかた。」「邦画の最高傑作の一つ」「"心の動き”の描写がすばらしい」「“かけがえのない時期”のたおやかな一瞬の空間が、画面一杯に拡がる懐かしさと心地良さ。」


二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD] (詳細)
木下惠介(監督), 高峰秀子(俳優), 月丘夢路(俳優), 小林トシ子(俳優), 井川邦子(俳優), 田村高廣(俳優), 笠智衆(俳優), 壺井栄(原著)

「邦画の最高傑作」「本当の『美しい日本』が、ここにある」「紛れも無い名画」「子供達の成長に関われるという幸せと苦悩。」「邦画もなかなかいい」


フラガールスタンダード・エディション [DVD]フラガールスタンダード・エディション [DVD] (詳細)
李相日(監督), 松雪泰子(俳優), 豊川悦司(俳優), 蒼井優(俳優), 山崎静代(俳優), 岸部一徳(俳優), 富司純子(俳優)

「勇気をもらえる映画」「ハワイが日本の町を救った?」「何度も観てみたいという映画」「ベタだっていいじゃないか」「あらゆる意味で「この映画は男が一人で見るもの!」と言いたいな。」


百万円と苦虫女 [DVD]百万円と苦虫女 [DVD] (詳細)
タナダユキ(監督), 蒼井優(俳優), 森山未來(俳優), ピエール瀧(俳優), 竹財輝之助(俳優), 齋藤隆成(俳優), 笹野高史(俳優), 嶋田久作(俳優)

「蒼井優ファンなら文句なしに買いの逸品。」「力強さと繊細さ、叙情性。蒼井優ならではの役。」「シリーズ化 希望!!」「主人公に非常に共感しました」「ほろ苦いロードムービー」


山の音 [DVD]山の音 [DVD] (詳細)
成瀬巳喜男(監督), 原節子(俳優), 上原謙(俳優), 山村聰(俳優), 川端康成(原著), 水木洋子(脚本)

「成瀬による「川端原作もの」映画の決定版」「成瀬巳喜男が描く川端文学の陰」「山村聰が素晴らしい!」「われ遂に富士に登らず老いにけり、」「当時の日本での男の傲慢さ、そして女の物悲しさがよく描かれている。」


めし [DVD]めし [DVD] (詳細)
成瀬巳喜男(監督), 上原謙(俳優), 原節子(俳優), 島崎雪子(俳優), 杉村春子(俳優), 小林桂樹(俳優), 林芙美子(原著)

「心にしみる日常風景」「昭和史、女の幸福とは、、、。」「原節子がひたすら美しい」「装いにだまされてはいけない」「黒澤・溝口よりもこっちを観るべき」


それから [DVD]それから [DVD] (詳細)
森田芳光(監督), 松田優作(俳優), 藤谷美和子(俳優), 小林薫(俳優), 美保純(俳優), 森尾由美(俳優), 中村嘉葎雄(俳優), 夏目漱石(原著)

「これぞ文芸作品の映画化の鑑」「やられちゃったまま今に至ってます」「藤谷美和子」「今なお新しい明治を描き出した映画」「せつなく美しい名作!」


たそがれ清兵衛 [DVD]たそがれ清兵衛 [DVD] (詳細)
山田洋次(監督), 真田広之(俳優), 宮沢りえ(俳優), 小林稔侍(俳優), 藤沢周平(原著), 朝間義隆(脚本)

「とてもよかったです」「『たそがれ清兵衛』という生き方」「癒し系サムライ真田広之」「主人公の名前通り、清らかな心にさせてくれる映画」「山田洋次監督。革命的な 『時代劇』を創りあげた!」


美しい夏 キリシマ [DVD]美しい夏 キリシマ [DVD] (詳細)
黒木和雄(監督), 柄本佑(俳優), 原田芳雄(俳優), 香川照之(俳優), 左時枝(俳優), 寺島進(俳優), 小田エリカ(俳優), 石田えり(俳優), 松田正隆(脚本)

「キリシマが隠した戦争のトラウマ 」「キリシマが美しいだけに戦争の悲惨さが伝わってきます」「それでも庶民は生き残る。」「戦下の日常性」「心に響く反戦映画」


父と暮せば プレミアム・エディション [DVD]父と暮せば プレミアム・エディション [DVD] (詳細)
黒木和雄(監督), 宮沢りえ(俳優), 原田芳雄(俳優), 浅野忠信(俳優), 井上ひさし(原著), 池田眞也(脚本)

「原作、キャスト、演出、撮影すべて素晴らしい」「死にぞこない。ピカドンので生き残った娘はどうなるの・・・」「すばらしい映画」「ひとつの「ヒロシマ」の表現」


晩春 [DVD] COS-021晩春 [DVD] COS-021 (詳細)
小津安二郎(監督), 笠智衆(俳優), 原節子(俳優), 月丘夢路(俳優), 杉村春子(俳優), 青木放屁(俳優), 宇佐美淳(俳優), 三宅邦子(俳優), 三島雅夫(俳優), 坪内美子(俳優), 桂木洋子(俳優)

「最高に輝いている原節子に接することのできる、お得な作品」「すべての映画ファン必見」「日本の聖女といわれた女優・原節子」「怪獣映画より面白いな!(^^)!」「小津的世界観の普遍性」


麦秋 [DVD] COS-022麦秋 [DVD] COS-022 (詳細)
小津安二郎(監督), 原節子(俳優), 笠智衆(俳優), 淡島千景(俳優), 三宅邦子(俳優), 菅井一郎(俳優), 東山千栄子(俳優), 杉村春子(俳優), 二本柳寛(俳優), 井川邦子(俳優), 高橋豊子(俳優)

「極め付きの叙情!!」「淡々としたホームドラマ」「笑い過ぎて顎が痛くなります(^^)/‾‾‾」「隠れたムフフ映画…」「抜き身の日本刀」


神童 [DVD]神童 [DVD] (詳細)
萩生田宏治(監督), 成海璃子.松山ケンイチ(俳優)

「「聞こえるよ。」ではなく (注:ネタばれレビューです。)」「悩める神童が救済される物語」「瑞々しさ」「恐るべき緊迫感に支配された映画」「才能を持つことの輝きと残酷さ」


おくりびと [DVD]おくりびと [DVD] (詳細)
滝田洋二郎(監督), 本木雅弘(俳優), 広末涼子(俳優), 余 貴美子(俳優), 吉行和子(俳優), 笹野高史(俳優), 山崎努(俳優), 山田辰夫(俳優)

「自分の中で映画の域を超えた特別な作品」「とてつもなく繊細で緻密な、日本を代表する美しい作品」「確かに賞を取らなければ」「死者と生きて見送る者の時間」「澄んでる」


麻雀放浪記 [DVD]麻雀放浪記 [DVD] (詳細)
和田誠(監督), 真田広之(俳優), 大竹しのぶ(俳優), 鹿賀丈史(俳優), 高品格(俳優), 阿佐田哲也(原著)

「見事な監督デビュー作」「名作よりも『傑作』」「原作が読みたくなるほどの傑作」「いろいろあるが」


椿三十郎 [DVD]椿三十郎 [DVD] (詳細)
三船敏郎(俳優), 仲代達矢(俳優), 加山雄三(俳優), 団令子(俳優), 志村喬(俳優), 黒澤明(俳優), 菊島隆三(俳優), 小国英雄(俳優), 山本周五郎(俳優), 小林桂樹(俳優), 入江たか子(俳優)

「優雅で上質な喜劇と壮絶な殺陣シーンの共存・・・」「黒澤娯楽時代劇の決定版」「時代劇の枠を超えた極上のアクション映画」「黒澤明の才能が最も感じられる一本」「迫力、緊張感とユーモアが融合した、痛快無比な時代劇」


シコふんじゃった。 [DVD]シコふんじゃった。 [DVD] (詳細)
周防正行(監督), 本木雅弘(俳優), 清水美砂(俳優), 柄本明(俳優), 竹中直人(俳優)

「大学生,サークル,80年代の夢」「着想が斬新。モッ君の俳優としての資質に驚いた。」「キャラクターの栄え具合」「何度見ても楽しめるお勧め作品」「見事 フンドシ精神」


ファンシイダンス [DVD]ファンシイダンス [DVD] (詳細)
周防正行(監督), 本木雅弘(俳優), 鈴木保奈美(俳優), 大沢健(俳優), 田口浩正(俳優), 岡野玲子(原著)

「面白い」「面白い。」「面白かったー。」「筋肉少女帯の大槻ケンヂが出ている」「『シコふんじゃった。』も観れば☆+a」


かもめ食堂 [DVD]かもめ食堂 [DVD] (詳細)
荻上直子(監督), 小林聡美(俳優), 片桐はいり(俳優), もたいまさこ(俳優), 群ようこ(原著)

「自分でコーヒーを淹れたくなる」「真の思いやりを感じる素敵な映画です」「ゆったりとした気分に包まれる、素敵な映画です」「大好きな映画」「構えない、作為のない、すばらしさ」


ワンダフルライフ [DVD]ワンダフルライフ [DVD] (詳細)
是枝裕和(監督), ARATA(俳優), 小田エリカ(俳優), 寺島進(俳優), 内藤剛志(俳優), 谷啓(俳優), 伊勢谷友介(俳優), 木村多江(俳優)

「死ぬために、生きていこうと思う私。」「自分が生きた証は残せないがそれでも…」「静かに染みてきます」「静謐な美しさ」「モノより思い出」


歩いても 歩いても [DVD]歩いても 歩いても [DVD] (詳細)
是枝裕和(監督), 阿部 寛(俳優), 夏川結衣(俳優), 樹木希林(俳優), 原田芳雄(俳優)

「さわやかな苦さが残る映画」「何も起こらない事の裏側にある愛おしさと痛切さ。」「だから家族って素晴らしい。」「夏の終わりの家族の再会、せつなく、心に沁みる、美しい日本映画」「ゴンチチのスコアも秀逸な「小津調映画」」


雨あがる [DVD]雨あがる [DVD] (詳細)
小泉堯史(監督), 寺尾聰(俳優), 宮崎美子(俳優), 仲代達矢(俳優), 原田美枝子(俳優), 山本周五郎(原著), 黒澤明(脚本)

「題名どおり晴れ晴れとした気持ちになる」「一服の清涼剤」「クラシックのような」「恥や誇りを主張しない自尊心、古き良き日本人を知る!」「麗しき師弟間のバトン・リレーを記録した特典映像が見逃せない。」


パッチギ! (特別価格版) [DVD]パッチギ! (特別価格版) [DVD] (詳細)
井筒和幸(監督), 塩谷瞬(俳優), 高岡蒼佑(俳優), 沢尻エリカ(俳優), 松山猛(原著), 羽原大介(脚本)

「ムズカシいことは考えんでええ!笑顔の裏の哀しさを!」「染み入ります・・・」「沢尻エリカの可愛さが光る、心熱き日本映画の傑作!!」「表現する勇気」「若き在日の溢れるパワー爆発!」


しゃべれども しゃべれども 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]しゃべれども しゃべれども 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD] (詳細)
平山秀幸(監督), 国分太一.香里奈.森永悠希.松重豊.八千草薫.伊東四朗(俳優)

「メイド・イン・ジャパン」「心温まるストーリー」「良い映画ですね。」「◎」「これは名作だと思う」


夢みるように眠りたい [DVD]夢みるように眠りたい [DVD] (詳細)
林海象(監督), 佳村萌(俳優), 佐野史郎(俳優)

「私の最も愛する映画です」「失ったもの」「サイレント日本映画の名作!」「実に古臭く新しい。」「いい雰囲気です」


▼クチコミ情報

櫻の園 [DVD]

・「戻れないからこそ大切な日々
ものすごく惹きつけられる映画です。自分も女子校出身なので、どうでもいいような仕草やおしゃべりが非常にリアルで懐しく、共感させられっぱなしでした。特にあの空気!ほんとはもっと適当だったりするんですが、あの空気はそのものだと思います。一つひとつのエピソードや人物、画面構成、そして感情が作り上げたあの空気。

女子校特有の匂いがあふれていて、健全さと色気が混じったなんとも言えない別世界。閉鎖的で他愛もなくて、淡く儚い愛すべき場所。感傷的かもしれませんが、そんな幸せな思春期を綴った傑作です。

・「光の射しかた。
この映画を見て何よりもまず思ったことは、光の射しかたが女子校そのものだということです。(もっと正確に言えば、光を透過させる空気に醸しだされる女子校という時空間の反射)女子校に通った経験のある人ならきっとわかってもらえると思います。

storyとしては思春期特有の同性への憧れが、毎年恒例の櫻の園を上演する朝から開演までの限られた時間の中に、不祥事から上演の危機に陥るという事件を軸として淡々と描かれています。

瑞々しい少女たちの楽園に降る静かで柔らかくて透明な光、この光に包まれて暮すほんの一瞬の少女たちの心の揺れ。それが静かに丁寧に描かれた傑作だと思います。

・「邦画の最高傑作の一つ
今後どれだけ名作映画が作られようと、必ず自分の中のベスト3に止めておきたい作品。青春映画の金字塔だ。4話構成だった吉田秋生の原作を、うまく一つにまとめ上げ、原作を越える深さを作り出している。

この映画の中で重要なのは、起きている事件の顛末ではなく、演劇部を構成する少女達の動き。高校生の頃、誰もが感じただろう将来への期待や不安、現在の自分との葛藤、それぞれの少女達の姿を通して、誰もが持つ「記憶の匂い」を呼び覚ましてくれる。

ただ一つ惜しいのは、冒頭部において、2年生部員城丸と、その彼氏らしきしょぼい男の演技が最低なこと。その直後に登場する、部長役の中島ひろ子の神業的な演技と、その他の少女達の自然な演技により映画は復活するので、冒頭だけを見て見切りをつけるようなことが無いようにしていただきたい。(仕切屋っぽい生意気な女子高生役の役作りも少しクドいが、まあ許せる範囲)

・「"心の動き”の描写がすばらしい
とある女子高の学園祭における演劇部の”櫻の園”上演までに少女たちに起こる出来事をやさしいタッチで描いた中原俊監督の傑作。原作はいわずと知れた吉田”河のようにゆるやかに”秋生。

学園祭当日の朝から上演までの2時間と時間を限定することで、その中での少女たちの心の動きが実にうまく描かれており、見た後で青春映画特有の甘酸っぱさが心地よく残ります。女優陣もこの年代特有の感情をそれぞれ非常にうまく表現されており、特につみきみほの演技は秀逸です。(amazon.co.jpのレビューの中島朋子というのは間違い。中島ひろ子さんです。)

派手さはありませんが、監督・脚本・出演者のすべてがそれぞれ持ち味を生かした”いい映画”だと思います。

ところで狂言回し役の2年生を演じた宮澤美保ちゃんはその後どうしたのでしょうか?(かなりかわいかったのですが。。)

・「“かけがえのない時期”のたおやかな一瞬の空間が、画面一杯に拡がる懐かしさと心地良さ。
 久しぶりに観直してみた。やっぱり面白かった。多感な少女から大人へ変貌していく年頃の女子高生たちの、高校生活最大のイベントである創立記念日での演目「櫻の園」に係わるという“特別な”1日をスケッチすることで、彼女たちの、心の揺れ動き、不安、恥じらい、毅然さ、微熱、成長をすくいとった傑作。少女たちの生態を映し出した縦横無尽に流れるカメラ・ワークの素晴らしさに、ロバート・アルトマンさながらの群集劇に於ける個々のキャラクターの捉え方とダイア・ローグの見事さ。正に、長い人生の中でも一度きりで決して戻ることが出来ない“ある時期”のたおやかな一瞬の空間が、画面一杯に拡がって心地良い。その年のキネ旬やヨコハマ映画祭でベスト1に輝いたのも頷ける。演じている女の子たちも皆印象的。つみきみほ以外その後活躍が聞かれないのが残念だが、彼女たちも又、映画の登場人物同様、今作でのかけがえのない経験を通して、きっと各々成長している事だろう。なお、助監督として、篠原哲雄、富樫 森の名前あり。

櫻の園 [DVD] (詳細)

二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]

・「邦画の最高傑作
一昨年レンタルで見て感銘を受け、昨年は映画館のデジタルリマスター版上映で再び涙し、今年は壺井栄の原作も読み直しました。そして、どうしても手元に置いておきたい衝動にかられて今回DVDを購入しました。木下作品の、いや、日本映画の最高傑作だと断言いたします。小豆島の美しい風景。郷愁を誘う唱歌。これほど心の琴線に触れる作品にはそうそう出会えません。高峰秀子ってホントうまいなあ。時代の波に翻弄されながらも力強く生きていく20〜40代の女性の姿を見事に演じきっています。子供たちもいい。戦闘シーンは全くありませんが優れた反戦映画でもあります。日本人ならこれを見て恩師や故郷を想い出しながらじっくりと感動に浸ることでしょう。

・「本当の『美しい日本』が、ここにある
 初めて観たのですが、最初のタイトルが出た瞬間、もう何故だか涙がこぼれました。 悲しい場面ばかりでなく、楽しそうな場面、日常の何気ない場面でも、涙が流れました。2時間36分、涙流しっ放し。 小豆島の自然。自然しかない懐かしい風景。いや、人工物であるはずの家等も、自然の一部となっている。 岬の生徒たちは、4年生までは、地元の分教場に通う。昭和3年、分教場に赴任して来たのは、洋服を着て自転車に乗った大石先生。 大石先生が受け持つことになった新1年生は、12人。自分を見上げる24の澄んだ瞳を見て、大石先生は思う。『この瞳を濁しちゃいけない』と。 しかし、戦争と貧困で、24の瞳は濁っていく……。 海の色も、山の姿も、そっくりそのまま、昨日につづく今日であったが……。 昭和3年の分教場時代、5年後の本校時代、その8年後の出征、さらにその4年後の終戦、そしてその1年後。 20年以上にわたる物語であるが、大石先生は、高峰秀子がひとりで演じている。20代の若若しい新任教師から、40代の(昔の40代である)お年寄りまで。 これが今さら私が言うまでもなく素晴らしい。 そして、私が驚いたのが、1年生のときの12人と、6年生になった12人が、そして、大人になった11人(1人は登場しない)までもが、まるで1人の役者さんを使って20年かけて撮影したかのように、繋がっていること。 クレジットで5年経ったことが表示され、6年生になった12人の子どもたちが、船に乗り、『荒城の月』を歌っている場面で、一人一人画面に登場するのですが、みんな『大きくなったなあ』と思える。『この子誰?』と思う顔がない。スゴイ。 これは、種明かしすると、まず、小学1年生と6年生の、顔の似ている兄弟姉妹をオーディションで選び、大人の俳優も、その子たちに似ている人をキャスティングしたとのことです。似ているという理由で、俳優でなくスタッフの中からも選ばれているそうです。 似ても似つかぬ人が、子ども時代と大人になってからを演じていると、結構興ざめしてしまいますが、似ている人を探してキャスティングする効果は、想像以上に大きいということを感じました。 戦争に押し流されていく人人の、貧困に悩まされていく人人の、日日の暮らしを決して激昂することなく描くことで、静かに反戦を主張しています。

・「紛れも無い名画
静かな、淡々とした画面の端々から、木下惠介監督の戦争に対するどうにもならない怒りを感じました。戦後10年と経たない時期にこの映画を撮りあげた事に只々敬服します。もう説得力が違います。戦争場面の一切無い、小豆島の美しい情景と、数々の懐かしい歌と音楽、老若男女の心のこもった演技に彩られた「究極の反戦映画」です。涙なしには観られません。多くの方がこの作品を観るのを願うばかりです。

・「子供達の成長に関われるという幸せと苦悩。
教師は、沢山の子の成長に立ち会える、貧乏だったり、裕福だったり、それぞれの夢を追ったり、家庭の事情で夢を諦めなくてはならなかったり、人生途中で死んでしまったり。小さな子ども達の成長や悩みに介在すると言う意味では、ある意味親と子の関係、しかし、やはり先生と教え子という他人の関係ゆえ、先生ができる事、してあげられることも限られている。そして戦争と言う状況下では、沢山の教え子の死に向き合わねばならない。二十四の澄んだ瞳の輝きを濁らせたくないという思いと、一方でどうにもならない他人の人生。この映画はどうにもならない他人の人生に、関われること、成長に立ち会えることの素晴らしさを教えてくれます。是非いろいろな人に見ていただきたい映画ですし、特に小学校の先生になる方には見ていただきたい映画です。これを見て先生になるような人が増えれば、日本も変わるのではないか、、。とも思ったりいたします。傑作です。

・「邦画もなかなかいい
教師ものは、あまり好きじゃない(特に○八先生)。邦画にも偏見があって、この作品も見たことが無かった。それが、最近見たある先生ドラマがよかったのと、主演女優のエッセイを昔読んだこともあり、見る気になった。そして、不覚にも涙がこぼれてしまった。「仰げば尊し」が何日も頭の中から離れなかった。この言葉は、大石先生−高峰秀子さんにこそふさわしい。日本映画を見なおした。

二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD] (詳細)

フラガールスタンダード・エディション [DVD]

・「勇気をもらえる映画
とっても感動しました!実話を元にしているだけあって、炭鉱の人々の必死さがリアルに伝わってきました。笑いを取るシーンがある中で、泣けるシーンも満載。脚本もしっかりしているし、俳優、女優がまたみんなハマリ役で感情移入できました。炭鉱の灰色な風景に色彩が増えていく様子など絵作りもよかった。でも何と言っても最高なのは、フラダンスシーン。全くの素人が特訓の末、舞台で踊る姿は圧巻!勇気をもらえる映画です。サントラも欲しくなりました。そしてハワイアンズにもまた行きたくなりました。(^^)

・「ハワイが日本の町を救った?
こちら(ハワイ)でもこの映画は話題になっています。当時の「常磐ハワイアンセンター」へハワイから本場のフラダンサーチームが興行してました。それから、いつのまにかギャラのせいかフィリピン人のフラダンサーに替わっていました。

でも、地元の女性も出演していたなんて知らなかった。

このような日本のある炭鉱の町での人間の絆の大切さをしみじみと実感し、フラを通じてハワイと日本の結びつきが多く生まれることを願っています。

今では、誰でも手軽にハワイへ来れる時代ですが、当時はハワイと言えば「常磐ハワイアンセンター」でしたよね。

やったね!日本アカデミー賞4部門受賞おめでとう!

・「何度も観てみたいという映画
今から40年前、福島県いわき市の「常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)」のオープンに伴うハワイアンダンサーチーム誕生物語である。

実話を元にした物語だけあって、現実味と迫力があった。出演者の大熱演と、汗と涙と笑いの感動ストーリーに、思わず笑ったり泣いたりしながら観ていて、あっという間の2時間だった。

この映画は、アメリカのアカデミー賞最優秀外国語映画賞部門の日本代表になったそうだが、なるほどとうなずける名作である。久しぶりに「何度も観てみたい」と思える映画に出会った。

・「ベタだっていいじゃないか
気持ちよく泣ける!炭鉱町にハワイを作り上げた実話をもとに、フラダンス・チームが舞台に立つまでの奮闘を描いた爽やかな感動作。

炭鉱町を舞台にしている本作は、日本版の『リトルダンサー』といったところか。最初はずぶの素人相手にやる気を失っていたまどかが、ダンスに熱中している少女たちの姿を見るうちに、熱血教師へと変貌していく姿。そして、ずぶの素人だった少女たちがプロダンサーとして通用するレベルにまで踊りを上達させる姿。教師と生徒の信頼関係が徐々に築かれ、お互いが成長していく姿を見ていると、思わず胸が熱くなってくる。

これはベタなサクセスストーリーだし、分かりやすいまでの泣きどころが用意されているあたりは、出来すぎたドラマなのかもしれない。でも、ベタはベタなりにいいじゃないか。蒼井優の抜きんでた演技力に助けられている部分は大きいけど、猛特訓を積んだ出演者たちのフラダンスが文句なしにいいわけだし。脂の乗った松雪泰子と、脇を固める個性派の岸部一徳の演技もいい。そして、炭鉱町の暗さとフラダンスの明るさの対比を鮮明に描いた映像がいい。

映画賞を総なめにした作品には、やっぱりわけがある。

・「あらゆる意味で「この映画は男が一人で見るもの!」と言いたいな。
昭和40年。 閉鎖の迫る炭鉱のまちを救うため、北国をハワイに変えるという、起死回生のプロジェクトが持ち上がる。 その目玉はフラダンスショー。 誰も見たことがないフラダンスを炭鉱娘に教えるため、東京からやってきたダンサーと炭鉱娘、炭鉱の人々の物語。2006年夏公開の作品で、観客動員125万人という結構なヒット作品。

まずもって、これは実話。 福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズ(Spa Resort Hawaiians、通称:SRH)ことのようです。

映画ではあまり詳しく語られていませんが、以下のような背景がある模様―1950年代後半、炭鉱の斜陽化により炭鉱事業は悪化、新事業への展開を余儀なくされた常磐炭鉱は『日本人が行ってみたい外国ナンバー1』だった「ハワイ」に着目する。地下から湧き出る豊富な温泉を利用して、「夢の島ハワイ」をイメージしたリゾート施設「常磐ハワイアンセンター」を建設、1966年にオープン。新たな収益源、炭鉱からの離職者の雇用先確保の対策として進められたもののどこまで持つかという悲観的な見方すらあった。最終的には当時の常磐湯本温泉観光社長の中村豊が押し切る形で事業を進めた。 常磐音楽舞踊学院を設立し、自前でフラダンス、ポリネシアンダンスの本格的なダンサーを養成。 南国ハワイに拘ったシチュエーションが評判を呼び、人気リゾート施設となり、この事業は成功を収めることになった―

これだけでも十分ドラマティックでありますが、さらに蒼井優ら演じるところの炭鉱娘たちが良いんですね。 ところどころで泣けるしね。 

家族で北海道夕張に引っ越していったあの娘は今どうしているんだろうか〜、なんて、考えると泣けてきました。

それにしても、蒼井優は天才だね。 

フラガールスタンダード・エディション [DVD] (詳細)

百万円と苦虫女 [DVD]

・「蒼井優ファンなら文句なしに買いの逸品。
蒼井優の魅力ってなんだろう。さらさらした透明感、ほんわかした温かさ、のほほんとした脱力感、うちに秘めた芯の強さ、うなじの美しさとほくろが素敵な日本的美人、ナチュラルな存在感、、、。それらの資質は私だけでなく、恐らく多くの人が感じている事だと思う。そして、意外にも3年ぶりの主演作は、正に金太郎飴の如く、そんな彼女の魅力が詰まった作品になっている。今作の主人公は、おとなしく、引っ込み思案で、友達もいない。これと言った特技も趣味もなく、“自分探し”と言われても、そんなの見つけたくないし、結局どの道自分は現実を生きていると感じている。その自信なさげで取り合えず百万円お金を貯めるとの目標以外、無為で淡々とした日常を過ごしている印象の不器用な女性なのだが、蒼井優が演じると、その仕草、表情、言い回し等が相変わらずの自然体で、それでいて、そのキャラクターが映画の中で脈々と生きているような感覚を覚える。彼女の場合、どの役柄を振られても、まず毅然として「蒼井優」が存在する。これはモチロン誉め言葉であって、演技派多いと言えども、こんな女優さんは滅多にいない。そんな彼女のきらめく才能を味わいながら、この生き方下手な女の子の成長の過程を、可笑しさと切なさを以って描いたファニーな逸品。結構へビィなお話なんだけど、なかなかどうして癒されるし、監督のタナダユキの才気も際立ってます。

・「力強さと繊細さ、叙情性。蒼井優ならではの役。
思いもよらなかった展開で、いきなり前科者になってしまった少女が、誰も自分を知らない町から町へと百万円を貯めるごとに流離ってゆきます。「自分探し?」そんなもの探したくない、探さなくても自分は今ここに在るがまま生きなければならないから。自分は逃げている。だけど、どこへ行っても人と交われば、そこに必ず何かの関係性ができてしまう。多かれ少なかれ、社会に対する現実不適応感みたいな隔意に共感する私には、とても素直に聞ける言葉でした。そんな鈴子は、多分、とても腹の据わったマイペースな強さと、精神的に線の細いものとをパラドキシカルに抱いて、社会の片隅で「やさぐれている」少女。そんな彼女の旅をエピソードを集めるようにして丁寧、繊細に描くこの映画はとても見ごたえがあり、面白かったです。たとえば、そんな彼女がある街で淡い恋をしたら?その行方は書きませんが、彼女は多分「フーテンの寅」よりも醒めていてクールです。この鈴子の役は、おそらく蒼井優以外には誰にもできないでしょうね。華奢で可愛らしいけど、何かを本能的に恐れて人を寄せ付けようとしない、人に距離を置こうとするような無愛想さ。しっかりした意思と裏腹の脆さと弱さ、そんな鈴子のすべてを、見事に演じきっています。そんな鈴子と並行するように、彼女の小学生の弟の生活が重ね合わせられ、それは最終場面でお互いが切り結ばれて、愛おしくて泣けるような静かな感動の山場をつくりだします。出演者も皆、それぞれに味のある好演ぶりです。特に桃農家に鈴子が居候する場面で、お人好しだけど、若い娘を前にどこか空気の読めない不器用な農家の息子を演じたピエール瀧、それに脇役ながらも同じ山の場面で渋い演技が光る笹野高史が個人的には好きです。あとは、いつもながらの脱力感が心地よい平岩紙がとても可愛い。

・「シリーズ化 希望!!
いよいよDVDの発売ですね。劇場で2度観て以来、再び鈴子に会えるのを楽しみにしています。蒼井優の魅力を十二分に発揮した本作は、彼女の代表作として後世に残ること間違なしです。

蒼井優さん本当に大好きな俳優です。名前だけで客を呼べる数少ない俳優。これからの日本映画を背負って立つ人。「蒼井優は天才である。実は彼女と時を同じうして生きている我々はたいへんな仕合せである」と、そんな言葉が口を衝いて出るほどです。

鈴子が旅先で出会う人たちも、それぞれが魅力的でいい味出しています。特に森山未来が演じた中島君いいですね〜。鈴子とのやりとりは思わず笑ってしまうシーンもありました。

ストーリーはどこか「男はつらいよ」の女版という雰囲気を醸し出していて、国民的映画シリーズとしてのポテンシャルを秘めていると感じました。是非、タナダ×蒼井コンビによるシリーズ化を望みます。

エンディングで流れる「やわらかくて きもちいい風」を聴いていると、またスクリーンに鈴子が帰ってくることを信じてやみません。

・「主人公に非常に共感しました
自分は主人公の行動に非常に共感することが多く、作品をとても楽しめました。今までバイト先や学校等にうまく馴染めてこなかった人には、主人公に非常に共感できる場面が多いんじゃないかと思っています。リアリティーを追求したというよりも、こうだったらどうなるんだろうというIFの世界を映像化した作品だと思ってます。

主人公は、人に深く関わると厄介なことが出てくるのでどんどん転居していくんですが、人間が持つ面倒くささに巻き込まれ、厄介な事態に直面し戸惑います。そんな主人公に感情移入していたらあっというまに映画が終わってしまいました。そこまで悪くないんだけど悪者になってしまう主人公や、それに立ち向かう蒼井優のたくしましい主人公像が自分にはとてもツボでした。あまり女の子らしい女の子じゃなく、不器用なんだけど素直なヒロイン像にとてもとても好感を持てました。

世の中にうまく馴染めない人や、居場所作りが苦手な人が見ると非常に共感できる作品だと思います。自分は年に一回くらい見直したいくらいツボな作品でした。

・「ほろ苦いロードムービー
肩の力を抜いたゆるさ加減が妙に心地いい。女版『寅さん』みたいな部分もあったりします。全編にただよう肩の力を抜いたゆるさ加減が妙に心地いいです。蒼井優演じる鈴子は、不器用で他人とも自分自身ともうまく距離をとれない。彼女は、「自分探しなんて、むしろしたくない」と言うが、実は、自分と向き合うしかないとわかっているんだよね。預金が百万円になったら次の場所に引っ越すというユニークなルールも、友人や知り合いのいない土地で自分と向き合い、納得できるペースで自己再生しようとしているから...。コミュニケーションの難しさ。

淡々とした人間スケッチは小味だがユーモラスで、とりわけ、「桃娘」というキャンペンガールにされそうになった鈴子が辞退するが、辞退報告の村民集会で桃村の住人たちが彼女の態度を糾弾するまでのスケッチが面白い。そして、ホームセンターでの淡い恋。その顛末がリアル。あと、頭はいいが、学校でイジメにあう「弟」を、ヒロインの心象を語るためのつなぎにしたフラッシュバック作劇は、ありがちではありますが上手いし感動させます。

蒼井優は、ボソボソしたセリフ廻しで内向した苦虫女キャラを好演しています。彼女、決して「美人」じゃないんだよね。でも、つくづく可愛いよね。インタビューでも監督がべた褒めしていますが、あの存在感は凄いです。

百万円と苦虫女 [DVD] (詳細)

山の音 [DVD]

・「成瀬による「川端原作もの」映画の決定版
川端康成の同名小説を水木洋子脚色・成瀬演出で映画化した本作。製作過程の細かいことは知らないのだが、小説の完結・刊行もこの映画の製作年と同じ1954年であることから、その連載の途中から同時進行で映画化の準備も進められてきたということになるであろう。そして、その取材は「もしかするとこれは成瀬による映画化を前提に書かれた小説ではないのか?」と錯覚するほど見事に的を射ており、完成した本作は、川端の小説の世界が成瀬の手腕によって精緻で美しい映像の中に焼き付けられた、まさしく“日本映画”の傑作として仕上がっている。

・「成瀬巳喜男が描く川端文学の陰
川端康成原作。古都鎌倉に住む倦怠期の夫婦と同居する老夫婦の人間模様。鎌倉の閑静な住宅街、まだ建物がほとんどない東海道線沿線、丸の内のレンガ街、まだ広い空が東京にあった頃の新宿御苑(らしい)といった風景が美しい。これが写されただけでも価値があるのではないか。

 気丈に生きる古い女を演じる原節子と、それを不憫に思いながら見守る山村聡の不思議な交歓が作品の肝。哀願するような目を持って、二人のただならぬ関係を表現する(何があるわけでもないが)。市川昆監督の「細雪」みたない質感といえばいいのか。暴力性を持て余す夫・修一の冷酷さがそれを際立たせる。心の通い合わないねじれた親子像が、家出してきた妹も含めて描かれている。そのなかで、姑の長岡輝子のコミカルな台詞回しが面白く、ほどよいテンポとアクセントを与えている。こういう脇役がいるかいないかで、映画の印象が断然違ってくる。

・「山村聰が素晴らしい!
山村聰の圧倒的な存在感と、大根役者といえばこの人!

上原謙が意外にもいい味を出していたのが印象的でした。

現代の家庭からは無くなっている主婦の細々とした家事仕事に関して

最近製作される時代劇などに登場する女優さんは、見ていて「板についていない」

感じがしてしまいますが、この映画では心地よく見ることができます。

・「われ遂に富士に登らず老いにけり、
昭和29年(1954)作品、白黒映画、ゴジラ第1作・七人の侍と同じ年の東宝映画である、

主人公夫婦に山村聰・長岡輝子、兄弟に上原謙・中北千栄子、上原の嫁に原節子、この配役でときめく人には必見のメロ・ドラマです、当時の邦画で評価が高く現在もなんとか見ることにできる作品におけるキャスティングの見事さには本当に目を見張らされます、不思議なもので同世代の山村・上原が見事に親子に見えます、

特に山村のたんたんとしながらも重厚さを失わない存在感は見事なもので「ゴッドファーザー」のマーロン・ブランドに伍していると評価しても過大ではないでしょう、

評者がもっとも驚かされるのが、中絶を決意した朝、台所で鼻血をだす原節子、成人女性が殴られたわけでもないのに鼻血を出す映画はほかに「エイリアン1」のシガニー・ウィーバーだけでしょう、物語の基幹に流れるエロチシズムがこの場面だけ表面に現れた印象を受けます、原作が川端康成、実は川端が「伊豆の踊り子」の印象とは遠いかなり危険な作家だったことも事実です、物語がどんどん都合よく進むことの多い成瀬作品ですが、原作小説がとても緻密に構成されたものなので脚色も破綻のない仕上がりとなっています、

仕事はきちんとこなしながらも嫁がうぶで性的魅力に欠けるからと女遊びを繰り返す道楽息子役の上原の悪役ぶりも良し、原のうぶさを強調するために愛人関連の女優の色気が強調されているのも成瀬作品らしい分かりやさ、

小津映画の高橋とよのポジションが成瀬映画では中北の役目、二人のキャラクターはだいぶ違うがどちらも、あー、いるいる、と現在でも誰もが納得してしまう日本女性の王道のキャラクターです、

ラスト・シーンの東京と現在の東京を比べればこれが50年の時間の経過なのかと別な感慨もわく逸品です、

・「当時の日本での男の傲慢さ、そして女の物悲しさがよく描かれている。
敗戦後、民主化が進み、男女平等が歌われながらも実情はまだまだ男尊女卑、男が本当の意味で思いやりの心を持つのは円熟期に入ってから、他に女を作り、純粋で幼い妻を顧みない身勝手な夫を上原謙が演じる、映画(めし)に続き女優、原節子の夫役だが、今回は脇役に近い、中心的な人物として描かれているのは美しく幼い印象の妻と義理の父親といえるだろう、当時、不評に終わった作品だが、それはハッピーエンドではない事が大きな理由といえるだろう、だが、1954年公開のこの作品には当時の日本の姿が色濃く描かれているといえる。

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めし [DVD]

・「心にしみる日常風景
こういう映画を見た後の、そこはかとない幸福感を何に譬えれば良いのか・・・まるで、気持のいい美しい夢を見て目覚めたような感じがした。

主演の原節子と上原謙のどことなく浮世離れした風貌、それにモノクロで映し出される1950年代前半の東京や大阪の風景の牧歌的な美しさに陶然と見入ってしまった。

ストーリーはごくありふれた日常のどこにでもあるような話だけど、それ故にかえって心に沁みる映画だ。男と女がいて愛があれば、どんな時代でもどこの世界でもこういう事はある。まさに永遠不変の人間の心情がそこに描かれている。

細やかで暗示に富んだ演出は成瀬巳喜男の真骨頂だが、この映画では特に、小津映画で見慣れている偶像化された原節子とは違って、細やかな演技をする彼女がとても良かった。

ただ、ひとつだけ難点を言えば、早坂文雄の音楽がドラマチックに過ぎて映像にそぐわないような気がした事だろうか。早坂文雄は夭折の天才作曲家として黒沢映画の数々の映画音楽で有名である。この映画のそれも、かなりユニークで重厚なものだけど、もう少し違ったもので良かったんじゃないかと思う。

・「昭和史、女の幸福とは、、、。
1951年公開作品、主演は原節子、上原謙(息子は加山雄三)、皆さん、書いていらっしゃいますが、日本の聖女とまでいわれた女優、原節子の変貌ぶりにとても驚きました、どこが違うかと言われても困るのですが、それまでも小津安二郎監督作品の清らかな偶像の様な美しさとは異なり、生身の生きた美女というか、妙に生々しい女の色気が充満している様に感じられるのです、不思議な事ですが、本当です、周囲の反対を押し切って激愛の末に結ばれた美男美女、けれど慣れない大阪での転勤生活、5年の月日の間に愛は薄れ、虚しい風を感じ始める妻、東京へ里帰りをするが、終戦間もない時期、苦労をする友人などを見る中、女の本当の幸福とは果たしてどの様なものなのかを考える様になる、題材がとても面白い作品でした。

・「原節子がひたすら美しい
「山の音」と同じ上原謙と原節子のコンビ。「山の音」は原節子が上原謙の不倫に抗議するために、自分の意志で妊娠中絶をしちゃうという、ちょっとした衝撃があったが、こちらはいたって平凡な夫婦。

それでもふたりにそれぞれ少しの波風が立ち、波紋が生ずるがその波紋もやがて収束し、元の平凡な生活に戻るという、完膚なきまでの成瀬映画。玉井正夫のキャメラと中古智の美術もスバラシイ(上原と原の夫婦が住む、大阪の長屋の通りはセットですよ!)。

見所はやっぱり原節子。家事にいそしむあまり、額に汗し髪が少し乱れるなんていう彼女の姿は小津作品では絶対に見られない艶かしさ。この二人の演出家による原節子の捕らえ方の相違は、二人の性に対する考え方の相違が微妙に表れているような気がします。邦画ファンの心理学者がいらしたら、その辺を研究してください。

何はともあれ「ガキ向け映画」しか作れない現在の邦画界にウンザリしている私にとって、本作はガキが立ち入ることの不可能な、本質的な意味での「成人映画」です。

嗚呼、昔はこんな映画がいっぱいありましたねえ。必見。

・「装いにだまされてはいけない
夫婦間でいざこざがあって、それが解決したりしなかったりするというのが成瀬映画に多いストーリーラインだが、これもそういう一本。

原節子が小津映画とはちょっと違っていたのでビックリしました。声がちょっと高く、若々しい。

夫婦の下に転がり込んでくるのが、夫(上原謙)の姪・里子(島崎雪子)。で、この二人の関係がちょっと艶っぽくみえる。これは脚本、演出、カメラワークの巧みさからくるが、成瀬映画はこういう艶っぽさが随所に見え隠れするので要注意。地味で倦怠でというイメージだけではない。

二人の住む長屋が朝を迎えるシーン、小津映画みたいな(晩春か)カット、音楽や演者のアンサンブルの巧みさなどを充分味わって欲しい。97分だが、もっと長い、ぎっしりした映画を観たという感じを受けると思います。

・「黒澤・溝口よりもこっちを観るべき
何故か四大巨匠のなかでは影の薄い成瀬巳喜男だが、私は最も才気があるのはこの人だと思っている。「生きる」や「西鶴一代女」は何度観ても心を動かされることはなかった。一方で成瀬巳喜男の作品は、毎回深い感銘をもたらしてくれる。日本映画界が本当に誇れるのは、受賞の数が多い黒澤・溝口よりも、庶民的で現実性のある小津・成瀬のほうではないだろうか。

逆に近年の場合は、青山真治や河瀬直美のようなタイプよりも、北野武や三池崇史のようなタイプのほうが才能に満ち溢れていると思う。

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それから [DVD]

・「これぞ文芸作品の映画化の鑑
百合の花、そして赤。これは原作「それから」で外せないアイテム。ともすれば森田監督の過剰演出と取られがちですが、実は原作通りの演出。しかしこの映画では表現の難しいこれらのアイテムを見事に表現しています。ATGとは違い、漱石文学のエッセンスをそのまま凝縮したストレートな表現と解釈。しかしそれを、現代の観客を飽きさせないように現代風に味付けした絶妙の匙加減。そして素晴らしい音楽。これぞ名作です。今までDVD化されなかったのが不可解です。「冬のソナタ」や「せかちゅう」、「赤いシリーズ」のリメイクが流行る今だから、また再評価されるべき作品です。ただ、松田優作BOXの単品化のせいでしょうか、パッケージデザインと「And Then」というタイトルが、ハードボイルドで、イメージが・・・。パッケージが藤谷美和子の儚い写真で、オリジナルの映画にも使われていた、原本通りのフォントだったら言うことなかったのに、それが残念です。でも、星は減らさない、それほど名作です。

・「やられちゃったまま今に至ってます
傑作はオープニングを見ただけで大体予感がするものですが、このときも藤谷美和子の写真が浮かんで来たところで”もうあきまへん”状態になってしまったのを覚えています。隣の女の子が「・・・きれい」って呟いてました。そのまま4回繰り返して観て深夜になってしまい、当時高校生だった私は家に帰ってえらいこと怒られてしまいました。以来、死ぬほど映画を観てきましたが、いまだに私の邦画ベストワンです。触れ合わないラブシーンがここまで濃密になりえるのを見ると、日本人でよかったと思いますです。

・「藤谷美和子
ただ藤谷美和子見たさに、これを買いました。藤谷美和子に限らず、映像が綺麗です。音楽も良かったです。しかし、なんと言っても一良かったのは夏目漱石の原作ではないでしょうか。これまでの中で一番ロマンッチクな日本文学、日本映画です。

・「今なお新しい明治を描き出した映画
 夏目漱石の映画化としては 本日現在では本作が最高峰だ。

 才人森田が 明治をポップに「切り取っている」。森田映画はレトリックを多用する臭みがあるが 本作では それが上手に押さえられており 逆に押さえられたレトリックが 古いながらも新しい独特の明治時代を描き出している。これは 甘みを抑えたお菓子が かえって甘みを鮮やかに思わせるのに似ている。

 藤谷美和子の美しさも比類がなく その後の彼女の迷走は本当に邦画にとって 損失であったと思う。 松田優作も 全くの新境地を開いている。本作と「陽炎座」とで 松田は 俳優としての無限の可能性を垣間見せたわけだが 夭折してしまった。これも大きな損失である。

 この作品を見ていて もう一つ 気がつくことは 要は夏目漱石が今に通じるという点だ。それに気がついた森田の慧眼は 20年後の今も舌を巻くしかない。夏目漱石が今なお読まれているという事実も重ね合わせると この明治の文豪の偉大さも分かるというものだ。 それを思い出させたのも 森田である。

・「せつなく美しい名作!
松田優作の三千代さんへの告白シーンは圧巻です。稀に見る長回しですが、ためといい、間といい素晴らしい出来です。三千代さん役の藤谷美和子が和服が似合うのに驚いた。そして日本髪も良く似合う。これほどせつなく美しい映画もありません。森田監督の最高傑作ですが、主人公の書生役が芳賀研二というのがマイナスです。芳賀研二問題を差し引いても☆5つになってしまう。それほど主役の2人が素晴らしい。

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たそがれ清兵衛 [DVD]

・「とてもよかったです
すばらしい映画でした。なんともこの一言につきます。作品の構成や映像、すべて良かったです。それから、私が常々知る武士とは、ちがうお侍を描いてくれたこともとてもよかった。特に期待して見た映画ではありませんでしたし、時代劇をわざわざ見ることもあまりありませんが、映画の世界に完全に引き込まれていました。私が受けた感動をどう言葉表していいかわかりません。

・「『たそがれ清兵衛』という生き方
2002年11月2日公開。藤沢周平の短編『たそがれ清兵衛』・『竹光始末』・『祝い人助八』を山田洋次のスタッフが仕上げた大傑作。日本アカデミー賞最優秀賞他12部門受賞、キネマ旬報ベスト・テン第1位、毎日映画コンクール日本映画大賞etc・・・・なにしろ日本映画の賞という賞を総なめにした作品。色調がダークで山形県庄内地方や長野県望月町、秋田県角館町など日本の『原風景』が一貫して背後にある中、真田広之・宮沢りえ・田中泯が素晴らしい演技を見せてくれる。『たそがれ清兵衛』という生き方、これは実に現代社会の荒野を徒手空拳で生きている男にはじんとくるものがある。多くは『平侍』であるところの僕らが、二人の娘と老婆という家族のために、『つきあい』もなく定時早々に帰る生き方というのをできるだろうか?それは実に『強い生き方』でなかなかできる人はいない。多くはただ漠然として曖昧模糊な『つきあい』をすることを専らとし、それができることが第一義のように何十年も過ごしているのが普通で、ある時急に会社に棄てられるのである。それを運がいいとか悪いとかで片づけておしまいである。しかし、『たそがれ清兵衛』は違う。自ら信ずるものを信じ生きて行く。朋江(宮沢りえ)への想いを打ち明け、余吾善右衛門(田中泯)の討手として出かけるシーンは、無理難題な社命を完遂すべく命ぜられた現代の『平侍』に通ずるものがある。最後の余吾善右衛門(田中泯)との一騎打ちのシーンは秀逸だ。これほどのシーンは久しぶりに見た気がする。

岸恵子のナレーションが吹き抜ける時代の風を見事に表現して行く。これほどの映画はそうは観られないぞ。

・「癒し系サムライ真田広之
静かな時間。温かな日常。優しいふれあい。そして、娘たちの成長を見守りながら心清からに過ごす清兵衛。彼には欲がない。一日一日を心豊かに過ごせればそれでいい。多くは望まない。もちろん誰だって貧乏は嫌だけど、できればお金持ちがいいけれど、生きていく上で必要なお金があればいい。

何気ない日々の大切さや、家族のふうわりとした温かさ、人と人とのコミュニケーションに癒される映画です。いつも真っ直ぐな瞳で相手を見つめる清兵衛の前では誰もが心を開いてしまいます。確かにあんなに男前な貧乏武士は存在しないのかも知れません。

映画はあくまでも映画です。娯楽のためにあるのです。そこに何を感じようと観た人の自由です。私はこの映画に「癒し」と「優しさ」を感じます。だから、ちょっと落ち込んだときや心がトゲトゲしてるなと思った時に何度も観ては真田広之の深い懐に癒されています。

・「主人公の名前通り、清らかな心にさせてくれる映画
 妻に先立たれて貧しい生活の中でも、幼い娘達の成長を楽しみに淡々と生きる主人公。そんな彼の静かな恋心と、逃げることが許されない命がけの果し合い−。(その相手も自分と同様、恵まれない境遇の剣豪なのが悲しい。)同時代・幕末の動乱がかすかにしか聞こえない北の山深い小藩を舞台にした、素晴らしい時代劇です。

 サラリーマンのような生活を送る小藩の平侍達、という設定は我々現代人への一番のアピール・ポイントですが、そこに「欲を持たない」「上に忠義を尽くす」「筋を通す」「剣を取らせたら強い」といった清廉な武士の生き様を加えることによって、見ていて非常に清らかな気持ちにさせてくれます。これはもちろん、原作者・藤沢周平の世界観に依るところが大きいのですが、一方で見事にそれを映像化してみせた山田洋次監督が素晴らしい作家だということを改めて教えてくれた映画でした。(なんか「寅さん」のイメージが強すぎて、ジジババ向きの映画作家として、若い頃は見もしないでバカにしていたのであった。反省。)このような作品が日本映画にしか作れないものであること、そして普遍的な感動を外国人にも与えることは、本作品がアカデミー賞外国作品賞にノミネートされたことからも明らかでしょう。

 小津安二郎に連なる松竹ヒューマニズム系正月映画の系譜に位置する作り手であり、また「男はつらいよ」で松竹の屋台骨を支え続けた「最後の大衆映画監督」が、この路線の時代劇に新たなベクトルを見出した記念碑的作品。冨田勲の音楽も完璧で、小さなスピーカーでも素晴らしい音で鳴っています。

 なお、5点を付けたものの、実は最後の岸恵子のシーンと主題歌は余計であります。果し合いの直後に清兵衛が別々の種類の涙を流すシーンが二つ繋がっており、ここが私としてはクライマックス。どっちの涙も僕はじんわり来ました。

・「山田洋次監督。革命的な 『時代劇』を創りあげた!
 『たそがれ清兵衛』は、全てが今までの時代劇とは異なる。山田洋次とその仲間達による創作である。時代劇はこうなるのかという驚きを与えた。藤沢周平の作品は見事に解体され、再構成された。過去の『時代劇』と異なる映像の中で私たちは 感動させられた。藤沢の世界が映像の世界で私たちに 原作と 映像の世界の差をまざまざと見せてくれたのである。多くの者は感動した。拍手喝采をした。藤沢周平も満足しているであろうとおもった。 役者もいい。真田広之、宮沢りえ、そして、田中泯。美しい。日本人の美意識をここまで賛美した作品は もう登場しないのではないかと思う。 とにかく 必見。そして買っとかないと後悔する作品だ!! つらいときには この作品を観よう。 救われるよ。

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美しい夏 キリシマ [DVD]

・「キリシマが隠した戦争のトラウマ
本作品は、故・黒木和雄監督青年期の実体験が元になって作られている。(DVDには黒木監督と本作品をテーマにしたドキュメンタリー番組が収録されている)

この映画の登場人物たちはみな戦争のトラウマに悩まされている。空爆の直撃を受けた友人を見捨てたことに悩み続ける主人公日高康夫、康夫の祖父・重徳(原田芳雄)もまたロシア革命の白軍を見捨てて帰還した過去を持っている。戦死した夫の仏前で、米軍本土侵攻を食い止めるべく派遣された兵卒の一人(香川照之)と情事を繰り返すイネ(石田えり)や、自分を幽霊と語る戦地で片足を失って帰還した秀行(寺島進)もまた、戦争のトラウマに悩む重症患者だ。

米軍の侵攻を受けた沖縄(本土にとってのトラウマ)の惨状が美しいキリシマによって隠されているように、登場人物を苦しめる残酷な戦禍のシーンは、本作品の中で直接描かれることはない。自分をキリストになぞる主人公や、入水自殺を図るイネなどの会話や行動から、観客はトラウマの原因を推察するしかないが、その悲しみの深さはスクリーンから痛いほど伝わってくる。

ラジオから玉音放送が流れる中、秀行が帰還してから晴れ続けていたキリシマに久々の雨が降る。それは、戦地で玉砕を続ける兵士たちを慮って張り詰めていたカラカラの空気に、人間らしい<湿り気>をもたらしたのかもしれない。ラスト米兵が空に向けて放った銃声によって、宮崎えびの市空爆から半世紀以上を経てようやく映画化できるほどに回復した黒木監督のトラウマがほんの少しでも癒されればと、観客はただ祈ることしかできないのである。

・「キリシマが美しいだけに戦争の悲惨さが伝わってきます
この映画を見て誰もが感じるのは戦争の悲惨さ、残酷さでしょう。監督の実体験にもとづいてはいても物語はフィクションとのことですが、監督は広島に原爆が落とされてから敗戦までの一週間のキリシマに住む人々の生活を淡々とディテールに最重点をおきながら描いています。「神は細部に宿る」という言葉を監督もメイキングで語っていますが、だからこそ、リアリティが伝わってきます。すでに戦後60年、あれだけのリアリティを出すのは並大抵ではなかったのではないかと思います。監督自身の14歳での悲惨な体験、そんな経験をしたら生涯心に大きな傷となるのは当然でしょう。ことさらに反戦を叫ばなくとも、一つ一つのエピソードが心に響きます。映画のなかで何度も映し出される田園風景のかなたに見えるキリシマは本当に美しい。美しいだけに、余計、戦争が人々にもたらす悲しみが際立ちます。残念ながら私はこの映画を映画館で観れなかったのですが、03年度のキネ旬一位の評価に納得しました。監督が60年代に制作した「龍馬暗殺」「祭りの準備」も名作ですが、「テロとの戦い」という空気が支配的な時代にきな臭いものを感じる監督の直感とこの映画は、時機を得たものと感じ、黒木監督、75才にして健在と思いました。

・「それでも庶民は生き残る。
 霧島が舞台。 黒木和雄監督の反戦映画3部作の第二作目。 今回は戦時中の庶民たちの日常生活が克明に描かれている。肺浸潤で自宅療養中の少年からみた当時の日本帝国の国民の姿。敗戦は間際だ! 真っ青な空を、敵のグラマンが悠々と飛び威嚇している。 庶民は戦死するかもしれない兵隊さんを大切に大切にあつかった。兵隊さんは、戦死の届けを持って行き、同僚の未亡人と肉体関係をもってしまった。それを健気に隠し続けている子どもたち。 戦死した兄を待っているのか、沖縄の少女は屋根に上がり遠くを見続け屋根から降りてこない。 「あんちゃんの仇を討ってください」と少女は叫ぶ。 大地主の祖父は強い影響力をもっている。戦場で家族を失った者、傷痍軍人なった者、様々な人がおりなす敗戦前の日本社会のエピソード。 そして皆は「アメリカ軍の上陸」を迎え撃つために、竹槍もち地上戦を戦う訓練をしている。 辛辣なまなざしをかんじる。 『TOMORROW 明日』(88)では、「日常の断絶」を描き、『父と暮らせば』(04)では「希望」を与えた。 庶民は強いのだ。そうありたい。

・「戦下の日常性
 『美しい夏キリシマ』は戦争を描いた映画だが、劇中に誰一人として死ななかったし、まして戦闘シーンは無い。また追憶の情景やそこに生きる人々の営みは詩のように美しい。にも関わらずスクリーンの隅から隅に漂っているのである、死臭が。紛れもなく反戦映画として括りつけられた一遍だ。あくまでも日常性(デテール)の描写にカメラを向けながら、その向こう側にある破滅(戦争)を僕に「想像させる」事で恐怖と云う稲を植えてゆくのだ。日本人である僕には『プライベート・ライアン』に増して『ディア・ハンター』に増して『シンドラーのリスト』にも増して「戦争」なる物を、知らせてくれたのではないか。

 宮崎の中学校から航空機工場に動員された少年(15才)が3羽のカラス(戦闘機)の爆撃を受けた。次に顔を上げた時すぐ隣にさっきまで一緒に岩波文庫を読んでいた学友が尻もちをついていた。頭が真ん中から割れてザクロのような脳味噌が溢れ出そうとしていた。目は中空を見つめ虚ろ、こちらに両手を差し伸べている。立上がるや否や後ずさりするとそのまま逃げ出した少年。この少年が黒木監督であり、その後、心的外傷ストレス障害に陥った御自身の少年期の実体験を基に映画化がなされてある。そして相変わらず監督の使う演技者は溜息が出る程に素晴らしい。

・「心に響く反戦映画
 キネマ旬報ベストワン。地主に支配されている農村の中で、庶民がそれぞれの立場で生きている。そして戦争と言う極限状況の中で、人間の強さ、弱さ、もろさ、醜さ、美しさが実に丁寧に情感豊かに描かれている。 戦争についていけない人間を描くことで、心に響く反戦映画になっている。康夫(柄本佑)が療養生活を送りながら、なつ(小田エリカ)に思いを寄せる。雨の中、素直になれなかった康夫の行動は、思春期の不安定さだけでは説明しきれない農村社会の階級社会の封建制を感じる。祖父(原田芳雄)と関係があったお手伝いさんのはる(中島ひろ子)が自分の気持ちとは全然別のところで嫁ぎ先を決められるが、戦地で足が不自由になってしまった秀行(寺島進)との出会いが、この先生活の苦労はあるだろうがきっと2人は幸せになってくれる、と希望の光を見せてくれる。貧しい小作人で戦争未亡人の石田えりとそこに入り浸る兵隊(香川照之)はハマリ役同士なのだが、香川照之のいやらしさ、狡さ、小心さの表現が見事なのに対して、石田えりの後半の女の強さを主張していく部分は多少のムリっぽさを感じさせた。終戦後、農地改革で階級社会は徐々になくなっていくが、ここは象徴的な場面にはならなかった。それよりもなつ(小田エリカ)の康夫(柄本佑)に対する平手打ちに新しい時代の到来を予感した。 素晴らしい風景描写、終戦一週間に絞った時代設定、各俳優陣の見事な存在感などなど。名作です。

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父と暮せば プレミアム・エディション [DVD]

・「原作、キャスト、演出、撮影すべて素晴らしい
登場人物は基本的に3人。物語のほとんどは、主人公の宮沢りえと、その父役の原田芳雄の会話劇となる。テーマは暗く重い。でも、ほぼ全編を占める父と娘のやり取りは時に激しく、時にユーモラスで、慈愛に満ちています。広島弁を駆使したセリフの巧みなこと。明るく楽しい雰囲気で、しかし、とてつもなく悲しい物語が紡がれてゆく。父親の登場は葛藤する主人公の分身であることを暗示している、と同時に、原爆の犠牲者の分身でもあるのだろう。主人公が「うちは、しあわせになってはいけんのや」「生きているのが申し訳のうて」という気持ちを持ってしまうのは、悲痛である。いじらしいばかりの生き様。彼女の分裂する気持ちの葛藤、娘の幸せを願う父親の激しい思い...。チラシやポスターにあるとおり、「おとったん、ありがとありました。」これは主人公の最後のセリフです。葛藤していた分身との整理がついて、もう、おとったんを必要としなくなったということなのだ。舞台劇の映画化ということもあってか「舞台の空気感」を意識して、映画らしい演出は極力少なくしていますが、これぞ映画という演出もちゃんと用意されています。強い反戦メッセージと共に...。

・「死にぞこない。ピカドンので生き残った娘はどうなるの・・・
キチンと襟を正してみたくなる作品。井上ひさし原作。黒木和雄監督。役者は宮沢りえと原田芳雄。スタッフは最高なのだ。宮沢も原田も最高の演技。

生き残った、死にぞこないとして悩み続ける娘を描いた作品はない。

広島からのメッセージだ。

生き残った娘は二十三歳。市の図書館司書をしている。岩手出身で東北大学を出て、原爆の資料を集め、研究しようとしている浅野忠信が登場。宮沢と浅野は一目惚れ。

父の幽霊が出てくる。「生き残っているのが不自然なんです」「私は幸せになってはいけないのです」「私はお父さんをほっといて逃げた娘です」そうではないと言い切るために父は幽霊として出てきたのだ。さあ、どうなるのか。自分もガンバロウと思うよ。

・「すばらしい映画
こういう映画はよほど緻密な計算がないと途中で飽きてしまうと思うのですが、この映画は役者さん達の演技、それをとらえるカメラ、ライテイング、そして編集とどれをとってもすばらしく、決して飽きるなどという事はありません。そして、もちろんすばらしい脚本。生きた言葉が見ている者の胸に突き刺さって、ある台詞をしばらく覚えている程です。見る人によって、その記憶に残る台詞は違うと思いますが、必ずあるはずです。それと、僕はじゃんけんのシーンが忘れられません。舞台を見たことのない僕が言うのはおかしいですが、あそこは舞台と映画が本当にうまい事融合したシーンなのではないでしょうか。そう思えてなりません。評判通り、本当にすばらしい映画でした。

・「ひとつの「ヒロシマ」の表現
神保町岩波ホールで観ました。宮沢りえの健気な娘ぶりに、原田芳雄の優しい「おとったん」の姿に、ほとほとと涙がこぼれました。

コドモの頃からわりと「ヒロシマ」を描く作品には縁があって、ファンタジックなお話、凄惨な光景、それぞれの原爆の姿をいくつかのドラマや映画、小説やマンガなどで垣間見てきました。この映画には、直接的な原爆被害の映像がありません。それを生ぬるいと評価する人もいるでしょう。けれど、心の問題を表現するためには、グロテスクな画は必ずしも必要ではないのだと、抑えた映像を観ながら感じました。

父と暮せば プレミアム・エディション [DVD] (詳細)

晩春 [DVD] COS-021

・「最高に輝いている原節子に接することのできる、お得な作品
小津安二郎の最高傑作といえば東京物語を挙げる人が多いでしょう。私も異論はありませんが、小津安二郎が原節子を起用した作品で一番好きなのはどれかと問われれば私は本作を選びます。父から離れたくないと心情を吐露する娘に、父が幸せは夫となる人とこれから作っていくのだ、それが歴史の順序だと諭す場面がハイライトとなる、縁談を巡る父と娘の物語。様々な本等で解説されているので私のやぼなレビューは短く切り上げますが、最初1/3ほどの原節子の笑顔がほとんど途切れない場面の連続に惹かれます。それと戦後すぐの人の少ない鎌倉の風景(特にサイクリングの場面最高!)等、高度成長期に突入して変貌をとげる前の古きよき日本の描写が魅力的です。

それにしても、この名画のDVDをこの低価格で入手できるとは! 著作権が切れた影響が大きいのでしょう。松竹が出していたDVDを観たことはありませんが、本作の画質は悪くありません(少なくとも昔に銀座並木座等で繰り返し観た画面より遥かにきれい)。音質はさすがに昔の映画故S/N比の点で仕方ない面もありますが、一応ドルビー・デジタルです。パッケージを開けるとディスクが1枚入っているだけの素っ気なさですが、お得な1枚であることは間違いないでしょう。

・「すべての映画ファン必見
 小津作品の系譜には、この「晩春」以前と「晩春」以後がある、と言っても過言ではない、昭和24年製作の金字塔。そしてこれ以降の小津作品の多くに「変奏曲」として奏でられるさまざまなパターンを確立する。そのパターンとは、1.鎌倉または東京山の手の「中の上」の人々が主人公になり、生活苦にあえぐ人々は主人公に はならなくなる。2.適齢期を迎えても嫁に行かない娘をかかえる家族の悩みが重要なモチーフとなる。3.東宝から原節子が初めて招かれ、以後小津組常連となる。4.笠智衆の「上品なフケ役」が確立する。5.文学座のエース杉村春子が初登場して円熟の演技をみせ、以後新劇系の芸達者たちが次々と 登場する(中村伸郎、東山千栄子、東野英治郎etc)。6.それと同時にそれまで小津組の常連だった、吉川満子、飯田蝶子、坂本武といったひとたちは出演しなくなる。

・「日本の聖女といわれた女優・原節子
ハリウット女優のイングリット バーグマンを思わせるその清らかな美しさに驚きました、1949年公開作品との事ですが、貞淑であれといわれたかつての日本の理想の女性像そのままな彼女は本当に可憐です、早くに妻を亡くし、一人娘ももう28歳、そろそろ嫁にやらなければならない、、、でも、娘はやもめな父親が大好きで心配で心配で、とてもじゃないけど、父を残してお嫁になど行く事は出来ない、父の想い、娘の想いの純粋さにただただ、感動しました、古きよき時代の日本人の素晴らしさをどうぞ、お楽しみ下さいませ。

・「怪獣映画より面白いな!(^^)!
こんな父娘が、いて こんな会話してたら、怪物君だ。演出さんも役者さんも異常ですよ。怖い怖い映画です。Cinema Scapeがとっても言いタイ放題でためになりますなぁ。http://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=1766

・「小津的世界観の普遍性
昭和24年といえば、敗戦からわずか4年しか経っていない。それにも関わらず、なんと品良く、きちんと暮らしているのかと愕然としました。美しく清純な原節子、友達役のモダンな月岡夢路(晩年も綺麗だったけど若い時はさらに綺麗)「お貰いになるの?」とか、「〜幸せになってみせますわ」などのセリフが現代では死語に等しいので驚きとともに、これは当時の日本人の習慣、気質を知る貴重な資料でもあります。ストーリーは、父と婚期を逃がした娘を嫁がせる小津的世界観の十八番。有名な能のシーンでの紀子(原節子)の表情の解釈は、色々言われてますがファザーコンプレックスのそれと感じました。結婚式から帰ってきた父(笠智衆)のあの何ともいえない寂しさ。小津作品の普遍性(テーマ)は、家族の愛情と孤独。最後は誰でも孤独(ひとり)になるんだよという無常観にあると思います。それが世界的にも評価される由縁だと。

晩春 [DVD] COS-021 (詳細)

麦秋 [DVD] COS-022

・「極め付きの叙情!!
 「晩春」、「東京物語」と並び称せられる小津の代表作。「晩春」の続編のようでいて、味わいは大いに異なる。すなわち原節子が嫁に行くことにより、一家が期せずして崩壊してゆくことを、ある種の諦念というより無常観をもってきわめて叙情的に描いている。そして小津作品における原節子の「嫁に行きそびれている」娘役はこれで終わり。

・「淡々としたホームドラマ
 小津の映画の中で 個人的に一番好きなのが本作だ。

 婚期を逃しかけていた娘(原節子)が結婚し、秋田に引っ越すことを機に 大家族が離散し核家族に分かれていく様を いつもの通り 淡々と描いている。原節子の結婚相手は 子連れの男やもめであるというような 若干の「事件性」は有るものの 基本的には ごくありふれた家族ドラマだ。

 そんなドラマなのだが 何べん見ても飽きない。

 原節子が結婚を決意した際に 姑になる 杉村春子が「あんぱん食べる?」という名高いシーン、 一家離散が決まった後に行う家族の集合写真撮影の場面、

 原節子が友人の淡島千景と結婚を決意した気持ちを伝える場面、



 ありふれていながら妙に心に残る場面が忘れがたい。中でも 僕は最後に 麦畑の中を歩いていく婚礼の行列の美しさには 毎回惚れ惚れとしてしまう。

 こういうホームドラマを 果たして今の僕らは作ることが出来るのだろうかと思ってしまう。そう おそらくとても難しいのだ。

・「笑い過ぎて顎が痛くなります(^^)/‾‾‾
役者さん達、ほんとに素でやってるんでしょうか。わしらは、酔っぱらってもあんな芸は、出来やしません。ねぇ〜ねぇ〜が移りそうで怖い。きっと、スタッフ全員が、何か得体の知れないモノを食らって創ったのかも知れません。これは、誰もリメイクしないように巧妙につくられた恐怖映画かとも思えます。不自然過ぎて、恐ろしいのであります。じゃんじゃん(T_T)

・「隠れたムフフ映画…
セーター姿の原節子の乳首のポチポチが妙に気になります。隠れたムフフ映画ですね。別の意味で男性ファンを引きつける小津作品です。

・「抜き身の日本刀
この映画は私にとってただの映画ではありません。

冒頭、父親役の菅井一郎が小鳥のエサをこしらえてる場面。何気ないあの場面を見ただけで、得体の知れない寒気が走り、背筋がピンと伸びる。あとはラストまでずっとそんな状態が続きます。

こんな特殊な緊張を強いられるのは、数多い小津作品の中でも「麦秋」だけです。「麦秋」は間違いなく、他の作品とどこかが違うと思います。。

一体どこが違うのか、技術的なことは私にはよくわかりません。ただ、見る度にいつも感じるのは、この映画には無駄なものがまるでないということ。セリフや俳優の演技はもちろん、小道具や背景に至るまで、画面に登場するありとあらゆるものから無駄という無駄を徹底的にそぎ落とし、鋭利な刃物の切れ味を持つまでに磨き上げている。そんな感じがしてならないのです。

切れすぎる刃物というのは、それだけで恐ろしいものです。抜き身の日本刀の上に素足で立たされているような緊張感と恐怖。そういうものを、「麦秋」を見る度私は感じているのかも知れません。

こんな感じを受けるのは私だけでしょうか。それとも、他の方も、得体の知れぬ寒気を覚え、身のすくむ思いをされるのでしょうか。それを確かめるためにも、未見の方は是非一度、この世紀の傑作にチャレンジしていただきたいと思います。

あなたは「麦秋」を愉快なホームドラマとして楽しめましたか。それとも私と同じような寒気を感じましたか。

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神童 [DVD]

・「「聞こえるよ。」ではなく (注:ネタばれレビューです。)
「聞こえたよ、、、。」と、ラストシーンでうたは答えています。うたが聞いたのは実際のピアノの音ではなく、鍵盤をたたくワオの指先を見て頭の中で鳴ったピアノの音だったのではないでしょうか。原作は知りませんが、この作品では、コンチェルトの途中からうたの耳は聞こえなくなってしまったという表現をしていると思います。

「大丈夫、私は、音楽だから。」

音楽そのものであるうたにとって聴覚の喪失は自我の喪失を意味する。(ということをトイレの鏡のシーンが表現していた様に思います。)

「父さんはずっと音楽のままでいたかったんだよ。」

父親と同じ運命を暗示する暗いピアノの墓場で失望とともにうずくまるうたに、差し込む光とともにそっと寄り添ったワオ。

ゆっくりと始まった連弾が徐々に生き生きとした美しい音を奏でるラストのシーンは、まだ音楽でいられる希望を見いだしたうたとそれをやさしく支えようとするワオの心情を見事に表現し、美しい映像と相まって静かな感動を与えてくれました。

「僕はねぇ、音楽は生きるためにあるものだと思っている、、、。」

この言葉が、ラストシーンを更に印象深いものにしています。私的には、展開の飛びも宙ぶらりんのエピソードもありませんでした。俳優陣もすばらしい演技です。観終わると無性に音楽を聞きたくなる作品です。

・「悩める神童が救済される物語
『リンダリンダリンダ』の向井康介独特のオフビートな感覚を堪能できる佳作です。

・「瑞々しさ
に溢れる映画です。原作を全く知らないので私は素直に楽しめました。『北京ヴァイオリン』ほどの傑作ではないかもしれないけれど、クラシック音楽を題材にした場合にありがちな気取りや衒いを感じさせず、地方都市の純粋な若者たちが等身大に描かれている佳作だと思います。出演時間の少ない「周りの大人たち」も繊細な演技によって多くを雄弁に物語り、物語全体を本当にありそうな話として観客に提示することに成功していると思います。

・「恐るべき緊迫感に支配された映画
 神童という言葉には一種の危うさを感じる。神童が、その才能を持ったまますんなり大人になることが少ないからだ。神童の代表格といっていいモーツァルトは若くして死んでしまったし、神童として名高かったメニューインは大人になって凄まじいスランプを経験した。20世紀の音楽家だけでも、ディヌ・リパッティやマイケル・レビン、渡辺茂夫などが若くして亡くなったり才能が破壊されたりした。

 そのような先入観があったことによるのかもしれないが、この映画には神童が思春期を迎えることの怖さが残酷なほどリアルに表現されていた。主人公・成瀬うたは13歳の少女である。多感な時期を迎えた神童の置かれた環境は過酷だった。彼女は経済的に逼迫する母子家庭に育った。ピアニストだった父親は難聴に悩んで自殺したことが示唆される。母は家計を支えるために余裕がなく、母子の会話はない。学校では孤立して友達ができない。そして父親を自殺に追いやった耳の病気が彼女を襲う。

 最も危うく感じられたのは、耳の病気が一層悪化した後に放浪したときだった。彼女の愛用していたピアノは、生活窮乏のため母によって売り飛ばされ、「ピアノの墓場」へ送られていた。耳の聞こえなくなった彼女がそれを探す姿は、まるで死に場所を求めて当て所なくさまようかのようだった。神童を救ったものが何だったのかは分からない。彼女の放浪は孤独ではなく、いじめっ子の同級生が跡をつけて助けてくれた。また、(おそらく)音が聞こえないのを恐れて、自分の鍵盤をたたけないでいるときに、ワオがふと横から表れて鍵盤を叩いてくれた。

 神童のピンチは「死」と隣り合わせである。そういう認識に立って鑑賞すると、この一連のシーンは恐るべき緊張感に支配されながら進んでいったように思えてならなかった。

・「才能を持つことの輝きと残酷さ
 璃子ちゃんが天才少女を演じると、本当にリアリティがありますね。だって本物の天才だから。普通の女の子の役の方がかえって違和感があるかも(笑)。 後半の展開で、賛否両論あるみたいですが、私はそれほど違和感はなかったな。来日した老ピアニストが一目で主人公の才能を見抜いたのも、互いが本物の天才同士だったら、あり得る話だと思います。 主人公のうたが言う「私は音楽だから」という台詞が、この映画の主題を一言で表現していると思います。彼女の求める「音楽」とは、どこにあったのか。周囲の期待とか評価とかには関わりなく、純粋に音楽に向き合える場が欲しかった、ということでしょう。 後半、もっと説明的な場面を加えたらわかりやすくはなったかもしれませんが、それでは余韻が失われる。璃子ちゃんの表情と音楽にすべてを語らせたのだと思います。 

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おくりびと [DVD]

・「自分の中で映画の域を超えた特別な作品
オーケストラでのチェロ演奏を夢見た男性が運命のいたずらで納棺師への道を進む物語。

良い話だがストーリーが出来過ぎ、と感じながら観ていたのだが、ラスト10分間程で印象が180度変わった。

ラスト10分間、映画を観ている様で観ていなかったかも知れない。自分の父のことが頭に浮かび、やがて自分の生きる意味は何だろう、と感じていた。死を観ながら生を感じていた。とても重たいテーマだが、何とも気持ち良く、感覚的にそれを感じていた。考えていたのとは違うと思う。ラスト10分間はもっと長くても構わない。

観終わって、ストーリー云々などどうでもよい、何度でも観たい、感じたい、と思った。こんな感想をもった作品は他にない。

様々なマイナス要因があるにしても,それを差し引いても、自分の中で映画の域を超えた特別な作品。

・「とてつもなく繊細で緻密な、日本を代表する美しい作品
壬生義士伝の滝田洋二郎監督の作品。主人公の男性(本木雅弘)はプロのチェロ奏者になる夢に挫折したため、亡き母が残した実家に戻り職を探す。若い妻(広末涼子)に内緒でしかたなく遺体を棺桶に移す納棺師の職につくが、納棺師は忌み嫌う者が多い職業であった。最初はいやいや仕事をしていたが、上司(山崎努)の真摯な姿勢や、多くの死者とその家族に接しながら、納棺師という仕事のすばらしさに気づく。しかし、妻や友人がその職に気づくあたりから人間関係が壊れていくが、意外な展開ですべてがクライマックスに終結する。

非常に美しい映画で、時間内に登場する出来事や台詞に全く無駄がないどころか、あらゆるものが複雑に連携し、見るたびに多くのメッセージに気づかされる。主人公がこよなく愛するチェロは、子供の頃に家を捨てていった憎むべき父親が買い与えたものであり、父に対してはきわめて複雑な感情を抱いている。また、食事のシーンは生物の屍体を『いただいている』という強烈なジレンマを感じさせる。仕事の美しさや家族の愛情とは何なのかを、納棺師という特殊な職業を通じてみんなで学ぶ作品であった。また、涙あり、笑いありで最初から最後まで休みなく心が揺すぶられる作品であった。

間違いなく2008年で最も美しい作品で、今までに見たすべての映画の中でも五指に入る秀作。アカデミー賞外国語映画部門での評価に期待できる、日本を代表する作品と思う。チェロが奏でるメロディーも秀逸で、既にCDを購入した。きわめて完成度が高く、文句なく星5つ。

・「確かに賞を取らなければ
絶対観なかったが、良い映画だった。 私は両手分程の人を見送ったが、同じ納棺師でも化粧の段階で故人の顔を生前の面影なく変えられてしまいガッカリした事や、逆に故人に一番親身にしてくれたケアの人が施した綺麗な化粧を「どうかこのまま変えないで。故人もそれを望むはず」と斎場の人に頼んだ事などを思い出した。で私もやはり「死化粧はこういう人達にして貰いたい」と映画観て感じた。 確かに納棺の儀は伝統ではない。本来するのは身内、現に母は曽祖母の死化粧をしたし映画でもそれは説明している。でも「病院で湯灌させる場合もあるが難しい。普通の風呂の温度では傷むし、硬直してるし」と一緒に観た病院勤務の友人が言った。死は時期予測が出来ない。若い人が突然亡くなったりすれば家族は現実を受け入れるのが精一杯。核家族化し畳の上での往生が普通でない今、隙間産業として納棺師は大切な仕事だと思う。 一方その職種への世間の偏見も分からないではない。私も重度知的障害児の保育士だが常にご理解頂ける訳ではない。「派遣村の人も職種を選ばなければ」その職種に納棺師も介護士も私の就く職種も入る。驚くに値しない。音楽や雰囲気も暖かく、夜観るに相応しい。あとフグの白子が非常に美味しそうだった、困った事に。

・「死者と生きて見送る者の時間
シナリオ段階で、原作者としてのクレジットを拒否することになる青木さんは、「送られてきたシナリオを見るとね、親を思ったり、家族を思ったり、人間の死の尊厳について描かれているのは、伝わってきて、すばらしいんです。ただ、最後がヒューマニズム、人間中心主義で終わっている。私が強調した宗教とか永遠が描かれていない。着地点が違うから、では原作という文字をタイトルからはずしてくれって、身を引いたんです。」(2009年の毎日新聞)と述べている。

このはなしは意味深く、たしかにうなづくしかないものだ。しかし、「宗教と永遠を描く着地点」を描くとすれば、これは可能なのかどうか、また違う映画である必要もあったかもしれない。それでも映画「おくりびと」は、いままで描かれなかった「死」と「生」との交流を感じさせているものとは思える。

舞台となる山形の地方のもつ独特の緩やかな時間感覚。少数の登場人物。派手な動きをすることもなく、ユーモアはあるものの、全体とても地味だ。それはもう一つの主役、死者たちの寝姿の存在が,生きてあるもとの均質にさえ感じられる。それは「死の尊厳」を感じさせ、映画全体が持つ静かな大気のなかのような清々しさでさえある。「静謐」。この言葉は、この映画の感想にもよく使われているが、たぶんそれはこの映画で描かれた目に映るものとしての映像のより奥、その見えない領域を感じ取れた人が思わずにはいられない言葉でもあるだろう。経験的に、納棺された死者を見る度に、その「静謐」を感じる。生は喧噪と欲望と飾ることの楽園でもあるが、だれもが辿り着く死の静寂は、そこからは謎である。

納棺師として、死者を旅立たせるための丁寧な所作を行うときの主役の本木雅弘はすばらしい。この映画の性格そのものを集約した場面であるだろう。彼は劇中で、その死者を扱う仕事への多くの偏見,差別に会う。それは身近な妻からでさえだ。しかし、そのいざ納棺の場面に立ち合うことをとおし、どんな説明も必要のない価値を目の当たりにする。

ぼくなどは個人的には葬式無用というか、お墓無用というか、ばちあたりものだが、それでもこの映画の納棺師が、死者の旅立ちの準備をさせるその行為のなかの意味はとても尊い美しいものだと感じる。身近な死者と生きて見送るものとが互いの気持ちを確認するための時間なのだ。映画の終わりのエピソードになる、子供のころ忘れた父親の「顔」が浮かび上がるシーンは、この映画が最後となった峰岸さんの、なんともいえない穏やかな表情。今になると、胸が熱くなる奇跡的な画面。

・「澄んでる
日本の美しい風景と情緒的な音楽と、静かな中にしっかり芯のある俳優陣の演技全体にとても澄んだ空間

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麻雀放浪記 [DVD]

・「見事な監督デビュー作
 和田誠の監督デビュー作だが、彼の膨大な映画的体験からすればSF大作でもアクションでも平均点以上のレベルの作品が作れそうだが、このような小品をセレクトしたのは好感が持てる。思えばクリント・イーストウッドやロバート・レッドフォードの監督第一作が地味な作品であったし、派手な仕掛けのない分、ある意味で本当の実力の見せ所である。驚くようなカメラワークや自己満足的な変則的アングルなどはなく、手堅い演出で観客に過剰なテクニックを意識させないのがよい。(和田誠ならば、やろうと思えばいくらでも凝った演出ができるのに) キャストもゲスト出演や友情出演による大スターの動員はせず、若い真田広之と大竹しのぶを中心に、高品格、鹿賀丈史、加賀まり子、名古屋章、加藤健一など手堅い共演陣で、この脇のキャラクターの描き方が秀逸で、期待に応えた俳優たちの演技も見事だった。

・「名作よりも『傑作』
大傑作というより『中』傑作だと思う。そしてそれは恐らく、この映画を大仰な作りにはしたくないという、和田誠さんのコンセプトだったのではないか。その粋が、随所にセンスを光らせている。 真田広之の舌足らずな喋り方や大竹しのぶのかまととな演技に失笑を覚える向きはあるだろう。 だが居並ぶ俳優陣のいぶし銀の切れ味が、脚本の良さに加味して冴える。 高品格や加賀丈史が良いのはもちろんだが、何と言っても女衒(ぜげん)役の加藤健一が秀逸だ。鼻の形やきりりとした眉、抑えた芝居のかっこ良さ。個人的には一番感服した。

そして、邦画ではもう体験しにくい鬼気迫る臨場感に触れることも出来る。(↓以下3行は具体的な描写になるかもしれないので、ご鑑賞前の方はご注意を)小料理屋でのドサ健の無茶苦茶な啖呵、その際大竹しのぶが目に宿す一瞬の狂気。或いは預かった『品物』に対する女衒の所作…。自転車をこぐとき軽く頭を上下させるドサ健の姿にも、何故か安堵を覚えた。

大黒澤の娯楽主義をも連想させる、つまりは世界レベルに照らしても間違いなく『傑作!』の部類に入る、痛快博打活劇だと記しておきたい。

・「原作が読みたくなるほどの傑作
冒頭で「東京の花売り娘」が流れてきた時点で、一気にモノクロの世界観に引き込まれてしまった。戦後間もない時代の雰囲気がよく出ている。あからさまに冷たくあしらう事はないが、なあなあにはならず、勝負事には容赦のない、玄人(バイニン)達の奇妙な人間関係や、闘牌シーンが面白い。麻雀物といっても、麻雀を知らない人でも楽しめるくらい、人間ドラマが中心。特に、高品格が演ずる出目徳が魅力的。逆に言えば、「近代麻雀」を読んでるような、バリバリの麻雀好きには物足りないかもしれない。

坊や哲&出目徳対ドサ健と、ラストの坊や哲・出目徳・ドサ健・女衒の達の対決は何度観ても面白い。

音声は日本語DD(モノラル)のみだが、特にセリフが聞こえにくいということもないし、日本語字幕つき。

・「いろいろあるが
加賀まりこの牌さばきがおぼつかない。後ろに人がいるのにバイニンが積み込むのはナンセンス。後ろに人がいるのなら伏せパイで打ってほしい。リーチリーチとまるで学生麻雀みたいなルール。美術の細部の仕上げがわるい(セットくさい。屋外シーンでは風も霧も雲のかげりもない)DVDのせいかもしれないが白黒フィルムのラチチュードが狭くて平板(ライティングのせいかもしれない)。いろいろな意味で演出が素人くさい。

が、ドサ健が格好いい。出目徳は一世一代の名演。真田もわるくない。色川武大の若い頃は細身の二枚目だったらしいが、真田のように青っぽくて純情な文学好きの青年だったのかも。女衒の加藤健一がなにげなくいい。

勝負は負けだしてからがおもしろい。昭和時代には麻雀が基礎教養だったことをなつかしく思い出す。

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椿三十郎 [DVD]

・「優雅で上質な喜劇と壮絶な殺陣シーンの共存・・・
 黒澤作品の中でどれか一作だけを選ぶとなると、僕は随分迷った末に『椿三十郎』をあげることにしています。  この頃の三船敏郎さんの格好良さと存在感は群を抜いていて、それはこの映画においてもそうです。特に居合抜きのような殺陣シーンは壮絶で必見です。  しかし、この映画の魅力は孤高のヒーローとしての椿三十郎(三船敏郎)の格好良さにあるのではなく、全篇を通して漂う何とも言えないほんわかとした、優雅でおかし味のある雰囲気にあります。  三十郎もついそれに巻き込まれていき、「なんだか調子が狂っちまうぜ」と苦笑いしているような空気が漂ってくるのが、上質な喜劇を観ているようで楽しいです。  何度観ても飽きのこないエンターテーメント映画の代表のような作品ですね。

・「黒澤娯楽時代劇の決定版
 「用心棒」に続く、黒澤娯楽時代劇の名作。「用心棒」よりもユーモアが強調され、キャスティングも小林桂樹、入江たか子、伊藤雄之助、田中邦衛など少しとぼけた面々が適材適所で配役されています。三船の豪快さ、仲代の冷徹ぶりも健在です。「用心棒」の続編ではなく姉妹編なので、この作品だけ独立して観ても十分面白い。むしろ始めての黒澤映画だったらこちらの方が面白いかもしれません。織田裕二主演でリメイクされていますが、スチール写真を見るかぎり、今の若手俳優特有の前髪を下ろしたおかしなマゲ(若くではなく幼く見える)を見ただけで、ゲンナリです。三船敏郎の男臭い豪快さは表現できないでしょうね。この価格で出るなら絶対に買いです。少なくともリメイクのロードショーにお金を払うよりは有意義だと思います。

・「時代劇の枠を超えた極上のアクション映画
森田芳光監督、織田裕二主演で、この黒澤映画のリメイクを作るらしい。森田監督も随分思い切ったことをするものだ。普通の基準で相当に素晴らしい映画になったとしても、この黒澤オリジナルと比べられたら、「やっぱりオリジナル版の足元にも及ばない」と評価されるではないか。それくらいこのオリジナル版はスゴい映画なのだ。

この映画、数ある黒澤映画の中ではある意味異端と言ってよい。上映時間が短く、スケールが大きい大作と言うわけでなく、社会的なテーマを扱ったり、心に響くメッセージを持っているわけでもない。腕の立つ浪人が勧善懲悪で悪者たちを懲らしめると言った、あらすじだけから言うと、ごくごく普通のチャンバラ時代劇だ。

だが、そのような「普通のチャンバラ」だからこそ、黒澤の映画監督としてのずば抜けた技量が表れている。アクションはもちろん、笑いあり、ハラハラドキドキあり、どんでん返しのトリックあり、悪が倒れる爽快感あり、そして目に焼きついて絶対忘れられないラストシーン。

ここまで書いて、リメイク版を作る森田監督の気持ちを邪推した。森田監督は、ひとりの映画ファンとして、1人でも多くの人に、オリジナル版椿三十郎を見て欲しいと思ったのではないか。そのために、自らの作品に悪評がついてでも「オリジナルを見直すためのリメイク」を作ったのではないかと。

ひとつ注意。リメイク版を見たい人は、先にオリジナル版は見ないように。オリジナルを先にみると、非常に高い確率でリメイクにがっかりする。でも、リメイク版を先に見れば、ある程度リメイク版を楽しんだ上で、さらにオリジナルで極上の楽しみが得られるはずだ。

・「黒澤明の才能が最も感じられる一本
 黒澤作品の中でも親しみと笑いをもって楽しめ、最も親しみを感じられる作品。

 若者達の拙速さと、人付き合いに不器用な大人の主人公がお互いを引き立たせながら、豊かな感情表現を織り交ぜて物語が展開していく。物語自体はそれ程内容が濃くないのに、時間を忘れて楽しめる作品に仕上がったのは、配役、カメラワーク、音楽、効果音に至るまで計算され尽くした結果だと思う。また、本当の意味での悪人が登場しないことも、この映画を軽快たらしめているのではないだろうか。

 随所にちりばめられたユーモアがこの作品を明るく楽しいものにし、緊迫した殺陣シーンとのコントラストも示すことで、物語がテンポよく展開している。メリハリのある映画が面白い事を証明する一本。

・「迫力、緊張感とユーモアが融合した、痛快無比な時代劇
黒澤監督が娯楽に徹して作った痛快無比なチャンバラ時代劇。96分に凝縮された映画のどのカットからも目が離せない。若侍達を助けることになった三船敏郎演じる椿三十郎の腰の座った殺陣は見事。腕だけでなく頭のきれる、口は悪いが人はいい善を助けるヒーローだが、お城勤めなんぞ面倒くさくてできない一匹狼であり続け、城代家老の奥方から、鞘に入っていない抜き身の刀であり、本当によい刀は鞘に入っているもんですよ、とズバリ評される。桁外れの切れ者だが世をすねた本作のヒーローを演じられるのは油ののりきったこの時期の三船敏郎以外には考えられない。

他の俳優では敵役の室戸半兵衛を演じた若き日の仲代達矢が圧倒的にいい。三十郎と同じ抜き身の刀のような存在。ギラギラした悪の切れ者ぶりがかっこよい。黒澤映画における仲代達矢は、「影武者」や「乱」の大仰な演技よりも、本作や「用心棒」の悪役の方が断然いいと思うのは私だけだろうか。この二人が室内で対峙する場面、夜道を並んで歩く場面、そしてラストの雌雄を決する超リアルで超有名な決闘場面の緊張感は並々ならない。

脚本も息つく暇を与えぬ展開でサスペンスフル。1点指摘したいのは、緊張だけでなく緩和も用意されていること。代表的なのは、城代家老の奥方の、三十郎のペースを狂わすが憎めないのんびりぶり。そして小林桂樹演じる敵方の見張りが若侍に捕まって押入れに閉じ込められた後、いつの間にか若侍側の味方をするようになり、貴重な意見を言う時には押入れから勝手に出て、言い終わると自発的に押入れに引っ込む様子。そして城代家老の馬面。ユーモラスこの上ない。黒澤映画に欠かせない花は本作では当然椿だが、白黒映画での見事な使い方は見てのお楽しみ。迫力、サスペンス、ユーモアが融合した超一級の娯楽作品である本作は貴方の期待を決して裏切らないでしょう。

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シコふんじゃった。 [DVD]

・「大学生,サークル,80年代の夢
 この映画は正確に言うと相撲の映画ではない。この映画は,今や失われつつある,日本の「大学生」を活写した作品と言えるだろう。 日本ではある時期まで,大学生でいることにある種の独特な位置づけがあり,大学での生活は自由で気楽で,なんでも有りの楽しい生活が保証される場として成立していた。この世界は,やりたいことのために何年も留年したり,授業に全く出席しないまま単位をとることを許されるような,欧米とも全く異なる,非常に母性的な世界であった。 80年代後期から90年代前半は,学問(特に文系)に対するロマンティシズムもまだ存在しており,一方で経済的な爛熟期に至る社会状況の中で,大学のもつ幻想がある意味で頂点に達していた時代であったと捉えられる。 当時のこの雰囲気を,この作品は非常にうまくすくいあげ,上質なエンターテインメントに仕上げている点で,出色の出来。 それにつけても,今や大学という「生き物」は残念ながら瀕死の状態にあるようだ。

・「着想が斬新。モッ君の俳優としての資質に驚いた。
13年前の作品ですが、同好会全盛期の時期の相撲部をネタにしたスポーツもののコメディ、という着想が素晴らしかった。タイトルがセンスのよさを表してます。メンバーが足りず対抗戦にも出場できないような弱小相撲部に無理やりかき集められた白人留学生含む個性豊なメンバー、それぞれのキャラクターが面白かった。唯一の古参メンバーの竹中直人の演技が秀逸でした。上質なコメディとして仕上がっており、監督の才能を感じました。90年代は、日本映画の低迷期だったと思いますが、90年代前半、大いに気を吐いたのが周防監督でしょう。それに、この映画モッくんこと、本木雅弘の俳優としての優れた資質に驚きました。その後の彼の活躍はご存知の通り。とにかく楽しい。ちょうどバブルがはじけた頃、暗さが微塵も感じられない、青春映画の秀作でしょう。いまとなっては、懐かしい感じさえ感じさせられる映画です。

・「キャラクターの栄え具合
日本映画の傑作の中のひとつですね。笑えますし、手に汗にぎります。竹中直人はじめ、キャラクターが本当に生きています。このキャラクターの生き具合は、少林サッカーに(が)匹敵するほどです。シャル・ウィ・ダンスよりも、キャラクターの栄え具合は、いいですね。ファンシー・ダンスとともに、お勧めです。

・「何度見ても楽しめるお勧め作品
周防監督の作品としては、個人的には、一番好きなもの。何度見ても楽しめる傑作といっていいだろう。

映画は総合芸術というが、この映画は、まさにストーリー、脚本、演出、出演者、BGMすべてにわたって優れている。特に、カットやせりふの「間」がいい。そのため、次のシーンのネタがわかっていても、おもわず笑いを誘われてしまう。落語にも通じる、日本の芸の風情が伝わってくる。

LDも持っているが、是非ともDVDでも持っていたい、さわやかな作品である。

・「見事 フンドシ精神
センスの良いユーモアの連続。何度見ても、気持ち良く笑える。

個性溢れる部員達は、絶品。清水美砂も良い味、チャーミング。

Shall We スモウ?

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ファンシイダンス [DVD]

・「面白い
寺というあまり知られていない世界を若者を中心にコミカルに、かつ美しく描いた作品。シコふんじゃった。と似ているような部分もありますが、それをふまえて見ても全然面白いですね。オススメです。

・「面白い。
なかなか知ることのないお坊さんの修行という興味深い内容。この宗の修行は、非常に厳しいらしいがこの作品では面白おかしくコミカルに描かれていて終始笑って見てしまった。

・「面白かったー。
自分は岡野玲子さんの原作を見てしばらくしてからこの作品を見た。原作の雰囲気がよく再現されている。本木さんと鈴木さんの陽平くんと真朱さんもぴったりだったし、他の俳優さんたちも個性派揃い。お寺の修行シーンの笑えるところも原作に忠実。面白かったー。

・「筋肉少女帯の大槻ケンヂが出ている
周防正行監督の一般映画デビュー作、彼の作品の中では一番好きです。この監督は、以降、HOWTOものの作品を多く作りましたが私は、『ファンシーダンス』が一番好きです。登場人物もかなり変わった人が出ていて、たとえば、坊さん修行にでる主人公陽平(本木雅弘)と筋肉少女帯の大槻ケンヂのからみで、大槻ケンヂがわけのわからない造語を喋るあたりも好きです。主人公と仲間達がお寺での厳しい修行の中で人間として成長し浮ついた青年から大人へと変貌していく過程をコミカルに描かれていて、文句なしに楽しい作品です。修行の成果をためされる問答の時、婚約者にキスされ醜態をさらしてしまいますが、修行とはなったと思ったときが始まりなのかもしれません。一般の人には知りえないお寺の生活にとても興味が引かれる作品です。

・「『シコふんじゃった。』も観れば☆+a
山深い寺で修行する若者達の織り成す「お坊さんコメディー」。本来のお寺のイメージといえば「厳格な修行の場」という感じでしたが、この作品を観ると、お寺って本当は面白い所なんだな~なんて思わされてしまう。

修行のために寺に行くのにウォークマンを持っていく若者を演ずる、本木雅弘のシュールでばかばかしい演技がとてもよかった。

このレビューのタイトルにある『シコふんじゃった。』は同じく周防監督の作品で、主要人物を演ずる俳優がほとんどそのまま受け継がれている。そちらの方も観ると、より一層周防監督のノリにひたれるので、余裕があれば両方共に購入することをおすすめします。

ファンシイダンス [DVD] (詳細)

かもめ食堂 [DVD]

・「自分でコーヒーを淹れたくなる
細やかに日常を描いているように見えるが、実は非日常的な映画。実生活にはホコリもたまるし、人をねたむこともあり、決して美しいだけの世界ではない。

けれど、時にはそんな現実から抜け出し少しだけ時間を止めて、ホッとしたい人にはめちゃくちゃイイ!

優しく凛とした店主サチエが手際よく作り出す、和食ご飯やコーヒー。見ているだけで、喉がゴクリと鳴る。店内のインテリアも、店主同様、明るく清潔感あふれシンプルだけれど美しい。人気の北欧雑貨も、さりげなく、でも様々なシーンに出てきて雑貨ファンなら、それだけで楽しめる。

これは決して、舞台が日本だったら作り出せなかったものでありフィンランドであるから、醸し出される不思議で切ない空気感。

けれど、一番この映画のすごいところは…

 自分で丁寧にコーヒーを淹れたくなる。

 おにぎりを握って食べたくなる。

 部屋をきれいに片付けたくなる。

 そして、そんな小さな幸福に喜びを感じさせてくれる。

…そんな変化を与えてくれるところ!

・「真の思いやりを感じる素敵な映画です
 出演者が織り成す雰囲気、BGM、インテリア、洋服、食、フィンランドの風景そして俳優陣、全てが素敵で癒されます。

 淡々とすすむ映画。その中に色んなことを考えさせられます。全く背景のわからない登場人物たち。なぜフィンランドにいるのかもわからない。きっと深い傷をおっているのかもしれない、重い過去を抱えているのかもしれないけれど、映画の中では誰もお互いを深くは詮索しない。慰めたり綺麗事をならべたりしない、そっとしておいてあげる優しさや思いやりに胸が熱くなりました。 みどりがサチエの作ったご飯を一口食べて涙したときも、何も聞かずさりげなくティシュを差し出すシーン。無関心を装ったミドリへの思いやりにジンときました。

 マルック・ペルトラがサチエにコーヒーを淹れ、「コーヒーは人に淹れてもらったほうが美味しいんだよ。」ていう台詞があります。人に淹れてもらったコーヒーは作り手の愛情を感じるから。思いやりのエッセンスがプラスされます。それは、サチエが「おにぎり」を看板メニューにしている理由ともリンクします。

 無関係なようで繋がりのある登場人物たち。みんな様々な形で愛や癒しをもたらしてくれます。ストレートに言葉や態度で表現しない優しさや思いやりにほっとします。

のんびり流れる空気。凛とした佇まいのサチエ、なぜかチャーミングなミドリ、不思議なマサコ、かわいいフィンランド人の男の子トンミが最高の癒しをもたらしてくれます。傷をおったり、不安を抱えたり、重荷を背負ったりしている人、辛い経験をした人は、心が軽くなり、前向きになれる映画です。真の優しさを感じます。

・「ゆったりとした気分に包まれる、素敵な映画です
 北欧はフィンランドの港町。その街で「かもめ食堂」を開いた小林聡美の店を、最初は片桐はいりが、次にもたいまさこが手伝うようになります。ソロだった音楽がデュエットになり、いつの間にかトリオになって、静かだけれど凛とした調べを奏でている、みたいな・・・。そんなハーモニー、生まれてくる三人の雰囲気、異国の食堂として次第に馴染んでくるお店の雰囲気が、とてもとてもよかったです。

 不思議に心地よく、リラックスしたたたずまいの音楽が、またいいんですよね。ゆったりとしたフィンランドの空気にしっくり溶け込んでいる、そんな音楽による作品との絶妙なブレンド。美味いコーヒーのような、静かな風味の中に、深みとコクのある味わいをたたえているみたいな。見ている間、「この作品のたたずまい、空気感はいいなあ」と、心からくつろぐことができました。

 そうそう、いくつかのシーンで、しゃけとおかかとこんぶのおにぎりを食べたくなったなあ。「おにぎりは、日本のソウル・フード」って台詞に、確かにそうだよなあ、うんうんとうなずいておりました。

 見終えて、また最初からのんびり、ゆっくりと見返したくなった映画。私の心のツボのど真ん中にすこーんと、乾いたいい響きを立てて収まった一本。これはもう、すっかり気に入ってしまった。

・「大好きな映画
小林聡美さんが可愛いです。かもめ食堂の清潔感。もたいさんや片桐はいりさんも素敵です。

お客様が来なくて聡美さんがはいりさんに「シナモロールでも作りますかね」そうして2人で手際よくシナモンロールを作るシーン。んな訳はないのに甘いシナモンの香りが漂ってきた気がして画面にむかってクンクン(^_^)vこれといった盛り上がりはなくただただ淡々と進んで行く映画。だから勿論もの凄く面白い訳でも、感動する訳でもない。だけどなんだか良い。ほっとけない。また観たくなる。例えば家事をしながらでも、日常的にただかもめ食堂が画面にうつってくれてれば、なんだか安心する。私にとってかもめ食堂はそんな映画です。

・「構えない、作為のない、すばらしさ
ヘルシンキに開店した「かもめ食堂」が客がまったく来ない日々から、満席になるまでの、ただそれだけを綴った映画。なのに、すごくいいと感じてしまうのはなぜなんだろう。見終わって数ヶ月経っても、強い印象が残っているのはなぜなんだろう。

小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ・・・フツーの演技をする彼女たちの「優しさ」が出ているからだろうか。それとも、昼でも平行な日差しのヘルシンキの、ゆっくりと過ぎていく「時間」を感じ取ってしまうからだろうか。

未だにわからない。

エンディングに流れる井上陽水の「クレージーラブ」がまたいい。

監督、原作、脚本とも女性だから出る味なのだろう。今年の映画「さくらん」もそうであった。もっと女性監督、原作者、脚本家の作品を、僕は観たい!

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ワンダフルライフ [DVD]

・「死ぬために、生きていこうと思う私。
まるで夢のような、現実のような。懐かしさを感じさせる建物の中の一週間。自分自身と向き合わせてくれる作品だと思います。映画を見ながら、私だったらどの思い出を選ぶんだろう、と考えていました。その場面を撮影している皆さんの顔は、どの人もみんなすごく幸せな顔をしています。自分の大切な記億、それを映像として作り上げていく喜び。そして、その大切な時に自分自身が戻った瞬間の気持ちのまま、天国へと旅立っていく。もしかしたら、ほんとにそうなのかも知れません。だとしたら、私はこの先の死を迎えるためにこれからも生きていかなくちゃ、と思います。本当に、一番の思い出を選ぶためにも。そう思うと、死は決して終わりではないのかな。そんなふうに思えるくらい、あたたかい映画でした。見ている途中で、つうっと涙が落ちてきます。だけど、やっぱりあたたかい涙です。ARATAくんはとても素敵でした。やわらかい、優しい声がとても心地よく、そして最後は少し切なくて。別れって悲しいけど、出会って良かった、と思える別れはいいものなんですね。きっと。すごく素敵な映画でした。

・「自分が生きた証は残せないがそれでも…
自分がこの世界に生きた証を残したいと誰でも一度は思うかもしれないが、杉江(内藤剛志)が言うようにそんなことはほとんどの人にはできっこないのである。それでも思い出の中に、自分が生きていたという実感が何か見つけ出せるような人生ならば、それはなかなかよい人生なのではないかと思う。そしてまた他人の思い出の中に生きることができるような関係が持てる人生もやはり素晴らしいだろう。重すぎず、暗すぎず、生き方と生きるということについて考えさせてくれる作品。また、内藤剛志、寺島進、伊勢谷友介ら個性的な役者によって味わい深い作品となっている。

・「静かに染みてきます
人は死ぬとまずある施設へ行く。そして、そこで働く職員にこう言われる。「あなたは昨日、お亡くなりになりました。あなたにとって一番大切な思い出を一つ選んで下さい」と。一番大切な思い出・・・。映画を見ながら、考えてしまう一番大切な思い出。映画は淡々と静かに進み、半分は役者さんで半分は一般人の死者たちが思い出を話し始める。静かに心に入ってきて生きてるって素晴らしいどんな人生もと思わされる。DVDの特典にはARATAのインタビューやおまけの映像も。死者役の由利徹の芝居に心ほっと笑ってしまいました。映画の後に本も読んでみました。映像が時々、頭の中に浮かんできて忘れた頃にまたひっぱりだしてはまた読みたくなる大切な本になっています。

・「静謐な美しさ
とても静謐で美しく、風変わりな映画。死後の世界で死者達がたった一つだけ思い出を選び、それを映画化するという不思議なお話なのだが、これが邦画にありがちな甘くて安っぽいファンタジーにならなかったのは、ひとえに是枝監督の非凡な手法と映像センスにあると思う。何とこの人はこんなに非現実的なストーリーをドキュメンタリータッチでやってしまうのだ。素人を大勢起用し、インタヴューのクリップをつなぎ、役者が芝居している部分もそれらしく演出しているが、それがこのストーリーの不思議さに完璧に調和している。こんな風にファンタジーを撮った映画が他にあるだろうか。ちゃちなSFXなど一切ない。それが非常にリアルであり、かつ繊細な光溢れる映像とあいまって独特の詩情を醸し出している㡊

登場人物達の服装、部屋のインテリア、仕事場の雰囲気もちょっと昔の日本のアンティークなテイストがあって、やはり『幻の光』の是枝監督だなと思わせる。あくまで日本的、その中にぴんとはりつめた美意識が息づいている。淡々としたエピソードの隅々にまで、監督の静謐な感性が沁み通っている。いかようにでもドラマティックに持っていける話なのにあえてそれをせず、最初から最後まで見事に抑制した演出がなされている。甘ったるさ過剰、ドラマ過剰の邦画制作者は見習って欲しい。SFXなんか一切なくてもこんなに美しいファンタジー映画ができるじゃないか。

たった一つの記憶に人生のすべてが集約される時、人間は何を思い、何を語るのか。この掴みどころのないテーマを、是枝監督は静謐な映像と斬新な手法、過剰を排したきわめて巧緻なプロットで見事に描き出した。傑作。

・「モノより思い出
私がこの映画を最初に見たのは海外でした。英語でのタイトルは“After Life”。でも邦題の『ワンダフル・ライフ』に見終わった後、感慨が深まります。死後、本当にこんな七日間があったらいい。登場人物が選ぶ思い出にも、「ああ、そういった些細なことも幸せなんだよな」と自分に欠けてた視点に、はっとさせられます。

悲喜こもごも、どんな人生も「ワンダフル」なのだと切ない気分と共に勇気づけられる作品です。

ちなみに某CMの「モノより思い出」シリーズは'99~'01、是枝監督が手がけていらっしゃったようですよ。

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歩いても 歩いても [DVD]

・「さわやかな苦さが残る映画
歩いても、歩いてもは苦い映画である。しかし、その苦さは小気味よい。家督を継ぐべき息子を失った上、次男に出奔された親と、親の期待に応えられなかった子の、決して理想的とはいえない、しかしそれでいて濃密な関係が、姉一家や兄の死と関わった人間とを巻き込んで繰り広げられる。決して喜劇ではない。かといって悲劇でもない。ひとつには自分の両親と姉一家を通して、またひとつには妻と妻の連れ子を通して経験する、他人ではない家族だからこそ味わねばならない心理の機微。ユーモアとペーソス、時には残酷。この機微がもたらす主人公の心の揺れは、喜怒哀楽という感情とはまた別の次元で我々の心を揺らす。家族の中では正論というものは通用しない。あくまでも当人らの「普通」の感覚がすべてを支配してしまう家族の濃さ。自分の親が健在なら健在なりに、もし故人であれば、残された子としてさらに深い感慨を持って見ることができるだろう。そして自分なりの感慨を抱くことができることこそがどれだけ幸せなことであるかに、はたと気づく映画でもある。

・「何も起こらない事の裏側にある愛おしさと痛切さ。
ある男の、ある夏の帰省の1日半。取り立てて、何か大きな出来事が起こる訳ではない。物語が進むにつれ、例えば、男と連れ添って帰省する母子が、彼の妻とその死別した前夫との連れ子である事、男は父親との確執がある事、実兄が若くして事故死しており、その墓参りも兼ねている事、そして何かと世話をやく口うるさい母親を疎ましく思っている事、などから帰省するのを億劫に感じているのが見えてくるが、だからといって、それらの事柄が劇的な展開を生む事はなく、淡々と“セレモニー”は過ぎていく。些細なエピソードを積み重ねながら、むしろ何も起こらない事の凄さ、その奥底にある愛おしさを感じさせる映画だ。樹木希林とYOUの、料理を支度しながらぐだぐだと続く家族の話であったり、阿部寛と夏川結衣の、帰省時の気の重さであったり、誰彼となく当り散らす原田芳雄の焦燥感であったり、とにかく、登場人物たちにより語られる会話や仕草のリアル感と辛辣さの裏側にある切なさに瞠目させられる。小津映画を意識したような茶の間の語らいシーンや、映画のリズムと一体化したゴンチチの美しく叙情的なギターの旋律が魅力的。樹木が絶妙。彼女は松岡錠司版「東京タワー」でも母親役を好演していたが、これは是枝裕和による亡き母親への思いの丈を綴った作品でもある。いつしか観る者誰もが、自らの帰省、強いては両親への想いを照らし合わせ、ある種の感傷と痛切さを共有化してしまう映画。終盤近く、石畳の階段を上がっていく原田と樹木の後ろ姿に、すっかり小さくなってしまった我が両親の姿が重なり、胸を衝かれた。秀作です。お薦め!

・「だから家族って素晴らしい。
題名は,いしだあゆみさんが歌ったヒット曲“ブルーライトヨコハマ”の一節です。従ってご覧になる対象はこの歌を良くご存知の方たちの世代ということになるでしょう。ある夏の日,兄の15回目の命日に次男の良多(阿部寛)一家が久々に帰郷します。実家には元開業医の父,横山恭平(原田芳雄)と妻のとし子(樹木希林)がいて,そこにはすでに長女のちなみ(YOU)一家も来ていました。是枝裕和監督は,何事かが無いと集まらない実家を舞台に,家族たちが交わす言葉の端々に過去の記憶を甦らせ,今の思いを語らせていきます。ある夏の日の24時間を114分に凝縮した人間模様は,俳優たちの演技と思わせない名演によって,映画を見ている者もその場に同席しているような気分になり,自分の家族のことを考えさせられます。映画の魅力の一つである“役者を自分に置き換える”という点からいえば,あの「おくりびと」よりも本作の方が優れているのではないかと思います。お金をかけて圧倒的な迫力で見るものを押さえ込んでしまうか,映画を通じて何かを考える機会とするか,映画には様々な魅力があって,それぞれに楽しめるから良いんですね。久々に“ハートに染みる”日本映画を楽しませていただきました。感謝です。

・「夏の終わりの家族の再会、せつなく、心に沁みる、美しい日本映画
丘から見下ろす陽の差す風光明媚な街並。電車や海のみえる光景。緑の繁る石段。坂の上のよく陽のあたる墓地から、日傘差して降りる女性の姿。ひたすら美しい日本映画の絵柄。そんな自然に囲まれた美しい情景の中、再会した家族3代の夏の終りの2日間。

夏の日に再会した家族の光景がごくごく自然に、こころにはいってくる。良多(阿部寛)は兄の命日のため、妻とその連れ子を連れ、久しぶりに帰郷。料理しながら良多たちを待つ、母(樹木希林)と、姉(YOU)の掛け合い。威厳を保ちたいのだが、いかにも老いて保ちきれない、元医師の父。丘から見降ろす街並み、青い海を背景とした、3代での墓参りシーンが、夏らしく、美しく、なんともいとおしく、心に刻み込まれる景観だ。

そしてこの映画は、この再会を回顧しつつ、数年後に、良多たちが再び墓参りをする、限りなく美しい、別の夏休みの日のシーンで、心に沁みいるような深い余韻を残しつつ、幕を閉じる。。。

タイトルは挿入歌にひっかけてだけど、人生は代替えしながらも、延々と続いてゆく旅、ということかとおもう。いつの時代も、親たちは老い、子たちもやがて、親たちと同じように老いながら、懸命にそれぞれの人生を歩いてゆく。この映画、日本のどこか懐かしくも、せつなく美しい夏の終わりを背景に、家族ゆえのぎこちなさと、ほんのりとしたやさしさが、心にじ〜んと、まるで夏の終わりのセミの声のように、沁みてくるような気がしました。家族の景色を暖かな視線でみつめた一作。家族映画の、そして“日本の懐かしく美しい夏休みの情景”を描いた秀作とおもいます。

陽光に恵まれた、とても懐かしい、夏休みの、2日間。「夏休み」のじんわりとくるような光景がたまらなかったです。。。いい日本映画をみたい、というかたにおススメです。星5つです。

・「ゴンチチのスコアも秀逸な「小津調映画」
シネカノンは、質の面において、いまや日本のメジャー5社の遥かに上をいく配給会社である。この会社が送り出す珠玉の作品群が、日本映画再生にどれだけ貢献してきたことか・・・。今回も是枝組の静かな、そして力強い作品を世に出してきた。大船時代ならば松竹が手掛けたであろうテーマだが、映画をビジネスと割り切る大手は、儲からない作品は配給しない。舞台も小津映画の風情に近い、横須賀の野比(三浦半島)だ。是枝監督はドキュメンタリー出身だから、元来こういう作風なのだろうが、今回はそこに小津テイストを盛り込んでいる。夏の暑さ、日本家屋、畳、縁側、家族、長男を失った二男の立場、子連れ再婚の妻、建前だけよくていいかげんな娘、青い海。これだけ「和風」なシャシンは本当に久しぶりだ。そして何と心地よい作品なのだろう。また樹木希林、原田芳雄の圧倒的な芝居や、子供・孫たちの抑えた演技の対比も見事であった。またゴンチチのスコアも最高だ。最近はこういう「家族の絆」を描いた作品は本当に少ない。日本人は全員、この映画を観るべきである。「幸福な食卓」は「現代の東京物語」だが、本作は「正統な東京物語の続編」なのである。文句なしの5つ星。傑作です。

歩いても 歩いても [DVD] (詳細)

雨あがる [DVD]

・「題名どおり晴れ晴れとした気持ちになる
題名どおり晴れ晴れとした気持ちになりました。 主演の寺尾聡さんは、思いやりがあって剣の腕も確かだが不器用な浪人を 宮崎美子さんはそれを支える妻をうまく演じています。

私はこの映画と椿三十朗を見てからその他の黒澤作品を見るようになりました。今回の廉価版の発売によって多くの方に見ていただきたいと思います。

・「一服の清涼剤
 味わい深い小品というのがぴったりの映画。大作ではないけれど一服の清涼剤のような映画で、今の邦画ではこういう後味の爽やかさはなかなか望めない。全体に黒澤明の持ち味を失わないように配慮されており、キャストも後期の黒澤組の面々で固められています。寺尾聡と宮崎美子は抑えた演技ながら好演でしたが、三船史郎が意外に良かった。お世辞にも演技が上手いとはいえないけど豪快なキャラクターの殿様にぴったりで、この人にもっと映画に出てもらいたいと思いました。

・「クラシックのような
静かで穏やかな風景、その場面だけで世界に入ってしまう感覚、剣の腕の確かさを伝えるシーンでは、本格的に居合を使い、細かいところをやけに主張したりするところが、かなりマニアックな作品です。クラシックて聞き慣れないと、同じような感じで退屈になりがちですが、聞き慣れてくるとそりゃあ奥深いものですよね。この作品は僕にとって、クラシックのような作品です。間隔を開けて何回でも見てしまいます。時代劇でこういう作品て多くはないと思います。ちなみに僕は時代劇大好きで、忍法 剣豪 大名 座頭市 必殺 なんでも見てます。これからもたくさんの名作に出会うため、時代劇を見続けて行きたいです。

・「恥や誇りを主張しない自尊心、古き良き日本人を知る!
山本周五郎の原作に黒澤明の脚本という、誰が訊いても「最後の黒澤作品」という印象を拭えない作品ですが、最近「博士の愛した数式」まで観て、小泉堯史監督の作風を理解してみると、意外にも当時観たときには、処女作として黒澤明へのレクイエムでありオマージュであると感じていた、全体に漂う静かでゆったりとした時間の演出や、丹念に記録されたリアルな雨の描写や繊細な山河の映像は、黒澤明へのそれではなく小泉堯史監督自身の作風であることに気が付きます。つまり、この作品は話題性としてのビックネームやキャッチフレーズで翻弄されてしまいがちですが、処女作にして今なお貫かれている、自然の流れに逆らわない、人間の機微をみごとに映像に定着させている精緻な作品である。これをゆったりとした気持ちで眺めていると、ここに登場する様々な立場の人々、不自由だらけで決して幸福ではないけれど、その思いは説明などなくても理解しあえる情緒で繋がっているという安心感。人情を押付けない謙虚な自尊心の在り様など、古き良き日本人を見て、少々嬉しくなってきます。

・「麗しき師弟間のバトン・リレーを記録した特典映像が見逃せない。
ご存知、故黒澤監督の遺稿となった脚本に基づいて、黒澤監督の一番弟子とも言うべき小泉監督が完成させて、黒澤監督の1周忌にヴェネチア映画祭でワールド・プレミアを行った作品。内容自体は、題名の如く心が晴れ上がる思いがする傑作。理想的な夫婦像、主人公の浪人と庶民たち、武士たちの心の通いあいが91分という長すぎない時間で丹念に描かれている。時代劇らしく刀を交える場面も適度に取り入れられて映画のアクセントとなる。緑滴る自然の描写やいたわり合う夫婦の姿は次作「阿弥陀堂だより」に発展していくものを感じさせ、小泉監督の指向する所はこのデビュー作からも窺える。だが、本作は、黒澤監督ゆかりの製作スタッフ(監督補が野上照代さん)、俳優に祝福され、成功した師弟間のバトン・リレーの作品と捉えるべきだろう。雨のシーンや照明、美術、そしてカメラ・ワーク等ある意味黒澤流撮影の真髄を再現して黒澤監督的な映画が作られる過程をじっくり記録したメイキング映像、それに野上照代さんと小泉監督の対談が抜群に面白い。そして、映画のために国宝彦根城内に川(画面には登場しない)を作ったり、大井川の支流を作ったりする奮闘振りの中から、小泉監督のリーダーシップが発揮され、小泉組・小泉流(典型的には準備に時間をかけるが、撮影は短い日数で終えること)が誕生していく。1級のドキュメンタリーと言ってよいだろう。黒澤監督が残した絵コンテや創作ノートをたっぷり見ることができるのも感涙ものである。1点減点したのは、ラストは黒澤監督の遺稿通りに終わる方が良かったのでは、と考えるからだが、本作のラストも味わいがある。単に好みの問題です。

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パッチギ! (特別価格版) [DVD]

・「ムズカシいことは考えんでええ!笑顔の裏の哀しさを!
 僕自身の初めての在日コリアンの友人が、キョンジャのような可愛い女性ではなかったもんな・・・。僕も初めは戸惑ったが、彼のお陰で色んなことを勉強でけたもんや。僕の友人はハングルがでけへんかったし、何でか僕と一緒に勉強した。そんな、個人的な多くの在日コリアンの友人との出来事の懐かしさも感じながら鑑賞した。

 まず、この映画で良かったと思ったのが、舞台設定に京都が選ばれたことやな。京都という街は、古の都であり、日本を代表する観光都市であるが故に、都市のキャラクターを表面だけの印象を持ってはる方が多かったのとちゃいますやろ?なんぼ、詳しゅうお方でも、ハイテク・ベンチャー企業が多い街というイメージでっしゃろか? 京都という街にも様々な人々がおますんでっせ!その中でも、(修学旅行生を含む)学生が多いというのが特徴の一つ。ある意味、社会における若者の複雑な時代背景を見事に描いてはる。僕はまだ生まれてへんけど、オトンから聞いてたとおりや!しかし、「丸物百貨店」には、大いに笑わしてもろうた!

 次ぎには、「カワ」。 『イムジン河』、鴨川、○○○等と色んな意味でのキーワードになっとるが、ネタばれになるから詳しくは書かんとこ。

 最後に、京都人としては、「あの頃の京都市内は『市電』もあったし、鴨川河畔には京阪電車も地上を走っていたんやけど・・・」と、ツッコミを入れとうなるが、ムッチャおもろい映画やったんで減点せずに忘れまひょ。

 偶然にも仕事でこの映画の舞台となった地区を担当することになりました。街を歩くと住宅・道路・図書館等の行政が必死でインフラ整備に努めているのが窺える。 しかし、京都の中でも繁華街の間近だというのに寂しい。康介がギターを叩き付けた橋を渡ると何故だか涙が止まらない。現実に、バラックのような住まいも残っている。 さらに最近になって、戦前・戦中に周辺に大きな軍需工場や旧日本軍陸軍基地があったことも知った。自分自身、京都に生まれ育って今の今まで、この街のことをホンマに解っとったんかいなという自問自答を繰り返している。 『パッチギ!』・・・。この映画は、とても楽しい映画である。しかし、その笑顔の裏側の哀しみがあることを胸にこの街を歩いている。このレビューは参考になりましたか?

・「染み入ります・・・
私的には井筒監督が、この題材を扱ったという事実にまず心からの、敬意と表彰を捧げます。日本人の監督がこんな、深くダークなテーマを扱うということが、勇気があり、在日の人にたいする愛を感じました。

・「沢尻エリカの可愛さが光る、心熱き日本映画の傑作!!
何かと酷評の多い井筒和幸監督作品の中で、このパッチギ!だけは素晴らしい出来だと思います。確かに血みどろのケンカ暴力シーンが多いです。目を背けたくなる場面もあります。しかし、それらがコメディカラーで描かれているためか、思ったほどの嫌悪感はありません。最後の乱闘シーンで、跳び蹴りを入れる真木よう子が最高にカッコよかったです。その後、腰を引きずる姿が笑えました。登場人物も、みんな熱いセリフで弾け飛んでいます。いつもはおとなしい脇役の多い笹野さんが、涙ながらに朝鮮人の苦悩を語るシーンは見事でした。いつもながら硬派な役柄の高岡蒼佑アンソン熱演は引き込まれますね。桃子とのからみのシーンは、井筒監督らしさが100%発揮されていたと思います。物語後半の展開によって、そのシーンも必然性があることがわかります。さて、そんなヤクザな血なまぐさいストーリー展開の中で、ひとり清純を貫く沢尻エリカ(キョンジャ)の可愛さは、最高でした。康介に、「朝鮮人になれる?」と問いかけるシーンは胸を打ちます。正しく掃き溜めに咲く一輪の花、この作品の沢尻エリカにときめかない男はいないでしょう。そして、この作品の少々重いテーマを払拭するのがエンディングの素晴らしさですね。とりあえず全てがハッピーエンド。康介、アンソン、桃子、キョンジャらのその後がダイジェストに流れ、BGMが「あの素晴らしい愛をもう一度」なんですね。この演出、鳥肌物です!!感動がこみ上げます!!途中からいなくなった小出恵介は学生運動に、康介は実家のお寺を継いで…。思わぬ小ネタに最後まで泣き笑いが耐えませんでした。名曲「イムジン河」に乗って、最高の青春ストーリーが展開します。泣いて笑って、考えさせられて、人権問題をベースにした日本映画の最高傑作だと思います。

・「表現する勇気
「パッチギ」とは何のことかと思ったら「パチキ」(大阪では一般にこう発音されている)=「頭突き」のことだった。

1968年の京都を舞台にした朝鮮高校と日本の高校生たちとの対立の日々と、その中で芽生える在日朝鮮人の少女と日本人高校生と淡いラブストーリーが交錯する物語である。コメディーでありながら、日本と朝鮮半島の不幸な歴史が日常の生活からにじみ出るように感じさせる映画の作りにうまさを感じる。

また、配役がすばらしく、それぞれのキャラクターを見事に体現している。特にヒロイン役の「キョンジャ」を演じる沢尻エリカの宝石のような初々しい輝きは、今となっては貴重な映像だろう。もちろん、このような配役のハマりすぎは、あまりに類型的な人物造形だとも言えるが、そこはあえてそれをねらったコメディーというジャンルの強みだろう。物語の中で何度も歌われる「イムジン河」は朝鮮半島の南北分断を悲しむ歌だが、日本と朝鮮の間にも見えない「イムジン河」が流れていることを、この映画は静かに訴える。

誰もが知っていて、しかし誰もきちんと表現しようとしなかったアンタッチャブルな題材に、敢えて挑んだスタッフの勇気にも拍手を送りたい。日本の映画が自らの足元をしっかりと見つめてようとしたとき、そこに語るべき必然性をもったテーマがあることを、この映画は教えてくれているように思う。

・「若き在日の溢れるパワー爆発!
今まで井筒監督はテレビに出過ぎで言いたい放題のオッサンだと想っていたが、この映画で私の認識は名監督になった。

在日を扱った映画は「血と骨」だったが、あっさりとトップを交代してしまった。若手俳優を起用した配役が大成功で、若さの持つ勢いが画面から溢れている。また話題作りに韓流の人気俳優を起用するような軟弱なマネはしてないのも、演技指導がきちんと伝わることを第一に考えた映画作りのこだわりだろう。

メイキング映像では井筒監督の鬼のようなダメだしが、若い俳優たちをしおれされていたが、彼らにとってはいい勉強になったはず。オダギリジョーはその井筒学校の若手を観て「うらやましい」と言っていた(しかしオダギリのヒッピー姿似合いすぎ、笑)。

日本のマイノリティの現実がその背景からリアルに描れていて、一見ただの乱暴者に見える彼らが抱え得る気持ちに共感し、イタイほど訴えかけてくる。観ている間ずっと涙が止まらなかった。こんな文章ではこの映画の良さの百分の一も伝えられない。ぜひみてください。

パッチギ! (特別価格版) [DVD] (詳細)

しゃべれども しゃべれども 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]

・「メイド・イン・ジャパン
 この映画は、劇場で観たいと思っていましたが、機会を逃してしまい、DVDを購入しての鑑賞です。

 一人前の落語家になろうと日々精進していた男が、ひょんなことから訳アリの3人に話し方教室を開くことになる。

 訳アリな3人に刺激され、落語家自身も成長していくストーリー展開がホロ苦くも温かいです。

 国分太一がハマリ役。そして関西弁の子役がいい味を出してます!ワキを固める八千草薫の存在感も素晴らしいし、香里奈、松重豊もナイス・キャラでしたよ。

 セリフや、落語での笑いは通じないかもしてませんが、下町の風景は確実に海外にも受けがいいと思います。

 アメリカにはハリウッド映画があるように、日本にもこのような作品があることを誇りに思いました。

 これからの未来に残したい日本の姿を見たような気がします。

・「心温まるストーリー
ど派手なアクションやラブストーリーでもないため少し物足りなさを感じる方もいらっしゃると思いますが、日常の中にある悩み、努力、恋…を題材にしているためとても親近感が感じられます。エンディングを迎えたとき少しやさしい気持ちになれることと思います。

・「良い映画ですね。
原作が良かったので見てみました。東京の下町、江戸の文化の粋さが伝わってくる良い映画です。見ていて心が温まりますよ。香里奈さん、かわいいです。

・「
綺麗な作品でした。三つ葉も含めて四人とも繊細だから前へ進めない。進め方が分からないけど何とかしたい。

落語教室を開いて試行錯誤する三人に対して、十河とのやり取りではじめて一番何もできてないのは三つ葉自身だと気づかされる。

それがよくわかるのが三つ葉の映画前半の噺と後半での噺でした。

そんな三つ葉の落語をようやく好きになれた十河。 強い宮田と勝負できた村林。自分勝手が誰かのためにと思えるようになった湯河原。

それぞれ一歩前進する情緒が綺麗に伝わってきました。 海外の人にもぜひ観てほしい作品ですね。

・「これは名作だと思う
結論から言って、僕は原作のほうが好き。特にラストは原作のほうが絶対にいい。でも、この映画のおかげで、原作の世界が2倍にも、3倍にも広がる。原作を読み返すたびに、映画の三葉が、十河が、村林が、湯河原がその世界を大きくしてくれる。何度も、何度も見たい。だからDVDを買った。ほかのキャストは考えられない。間違いなく、これは名作といっていいと思う作品だ。

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・「私の最も愛する映画です
自分がレトロ調の時代設定が大好きということもあって、全般的に私の好みだったということもありますが、何よりも胸を熱くする切なさ、繊細さに滅茶苦茶に揺さぶられました。

笑えるシーンも有り、謎解きも有り、娯楽作品なのですが、ラストの桜吹雪を見、美しい佳村萌さんの切ない笑顔を見たらもう涙涙涙です。是非たくさんの人に見ていただいて、胸を熱くして欲しい作品です。

・「失ったもの
  大学4年生の夏に観た映画である。もう20年以上前だ。  白黒で無声映画という 意欲的というか奇をてらった作品であるが話の筋は 素直なものである。そう安心して観ていると 映像の美しさにも素直に感心してしまう。東京を入念にロケした手作りの良さが本作の味噌である。

・「サイレント日本映画の名作!
サイレントのようでサイレントではない、世にも摩訶不思議な明治、大正時期のお伽話。林海象氏の最初にして最高傑作!こんな映画は世界中探してもありません。日本映画ファンだけではなく、映画が大好きな方々、特に無声映画はちょっとダメ、という人にお勧め。

・「実に古臭く新しい。
初めてこの映画を観た時、林海象監督を知らなかったのですが見始めてすぐこの監督は良い!と思ったものです。完全モノクロ。無声映画。微かに聴こえる音楽。全体に漂うゆっくりとした怪しい空気。まさに映画で遊んだ映画。そしてなにより浅草。モノクロで浅草舞台なんてじつに昭和くさい。仁丹塔に花やしき。。たまらないです。観終わればひとつの夢をみたような気分になれる映画です。

・「いい雰囲気です
虚構と現実が入り混じったような構成に、レトロ感覚が郷愁を誘う。トーキースタイルで白黒だが、極彩色の映像を見たような錯覚さえ覚える。見事だ。仁丹塔から望む東京の遠景がちょっと現代風だったのはご愛嬌だ。アートなメルヘンである。

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