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▼読ん得?:セレクト商品

レヴォリューションNo.3レヴォリューションNo.3 (詳細)
金城 一紀(著)

「高校万歳」「とにかく真っ直ぐに!」「男に生まれたかった!!」「くだらない事に夢中になる素晴らしさ!」「男に生まれたっかたぜ!」


フライ,ダディ,フライフライ,ダディ,フライ (詳細)
金城 一紀(著)

「かっこいいぜっ!おやじ‾(;;)」「「肩書きなんか、くそくらえ!」と、この本は語っている」「金城サン作品大好きv」「真実の強さ」「痛快&爽快!」


SPEED (The zombies series)SPEED (The zombies series) (詳細)
金城 一紀(著)

「気分爽快!!」「久々に燃えました!」「引き込まれるキャラクター達」「いっきに読める」「岡本さんって呼びなさい!」


竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「☆5つ」「竜馬に惚れます!」「日本中を元気にした「坂本竜馬」」「坂本竜馬に対する日本人のイメージを定着させた名著」「男になりな!」


ネバーランド (集英社文庫)ネバーランド (集英社文庫) (詳細)
恩田 陸(著)

「ちょっと珍しいかも」「もう一度高校生活がしたくなる一冊」「面白かった~!!」「夢見がちなあなたへ・・・。」「高校生に戻りたい!」


ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) (詳細)
辻村 深月(著)

「現代の罪と罰とは?」「ボクハミタサレル?」「これが感性が若い作家さんの感性か....」「罪とは。罰とは。」「健気でせつない、でも愛おしい」


子どもたちは夜と遊ぶ(上)子どもたちは夜と遊ぶ(上) (詳細)
辻村 深月(著)

「これはこれは・・・」「心の内側にある大事なもの」「人物描写の裏と表に妙味あり!」「ファンはくじけず!(笑)」「上巻は我慢!」


子どもたちは夜と遊ぶ (下)子どもたちは夜と遊ぶ (下) (詳細)
辻村 深月(著)

「ただ切ないだけじゃない」「一気読み」「犯罪者の側の目線で読みました。」「やっぱりだけどセツナイ」「物語としては凄い」


冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫) (詳細)
辻村 深月(著)

「いつの間にか眠る時間が削られている」「え?処女作なの??と思える作品」「爽やかだけど少し切ない学園ファンタジー」「漂流教室と思いきや。」「やめられない止まらない。そして最後の美しき崩壊。お見事。」


冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫) (詳細)
辻村 深月(著)

「怖さと切なさと」「24歳の処女作とは思えない完成度」「そのエピソードに出会えた喜び」「いい。」「パーフェクト!」


凍りのくじら (講談社文庫)凍りのくじら (講談社文庫) (詳細)
辻村 深月(著)

「文章が上手」「新しいミステリー」「これからも楽しみ」「とにかく「イタイ」」「特別な言葉は必要なし!!」


名前探しの放課後(上)名前探しの放課後(上) (詳細)
辻村 深月(著)

「やめられない」「さすがです」「救いの在処」「すごく良かったです!!」「この作者の…」


名前探しの放課後(下)名前探しの放課後(下) (詳細)
辻村 深月(著)

「好きだからかもしれないけど・・・」「辻村さんの作品はなぜか懐かしさを感じさせる」「ミステリーの楽しさを教えてもらいました」「また?」


スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス) (詳細)
辻村 深月(著)

「丁寧な人間ドラマ」「最高傑作」「予想していたのとはちょっと違うけれど」「BEAUTIFUL」「おだやかな物語」


スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス) (詳細)
辻村 深月(著)

「恐るべし才能」「いきてる」「サスペンスのない(ちょっとだけ?)おだやかなミステリー」「初めて」「またもや一気読み」


ロードムービーロードムービー (詳細)
辻村 深月(著)

「懐かしい、同じことを考えた、と思えれば五つ星でしょう」「『冷たい校舎の時は止まる』を読み返したくなる短編集」「コンキチ&ナターシャの絵本ナビ」「いつまでたっても」「キューンと切ない」


太陽の坐る場所太陽の坐る場所 (詳細)
辻村 深月(著)

「和解を描いていると思いました。」「キョウコ」「怖い!すごい迫力でした。」「またか【ネタばれ】」「辻村さんのファンにおすすめ」


アイスマン。ゆれるアイスマン。ゆれる (詳細)
梶尾 真治(著)

「おじさま作家が描く30代女性たち(笑)」「恋まじない、熊本にて」


▼クチコミ情報

レヴォリューションNo.3

・「高校万歳
「お前、なんで高校なんかに来てんだよ」「お前みたいな友達が欲しかったからだよ」この台詞に惚れた。本気で高校に行きたくなった。

・「とにかく真っ直ぐに!
「GO」を購入しようと思ったが運悪く品切れ中。本を1冊購入せねばならない(笑)使命を持っていたのでこの本を購入。予算もGOより安くすんで、場所も取らないしまぁ、良かった?

私は本を読むのが凄く苦手ですが、この本はちょっと読む気を持てば2時間あればすべて読破出来る。それに、豊富なキャラクター達の割に何も混乱が無かった。

キャラのふり仮名は忘れるのだが、個性的な名前で凄く憶え易い。キャラも濃い。

但し、読者層を選ぶと思う。学生(特に高校生)や、進路に悩む人に読んで欲しい。私も頭が悪い方なのでかなり同調した。上記の層の人が読めば絶対面白い。女の子は、この世界に憧れるかも。

ブックデザイン(装丁)もいいので、私は凄くオススメ。

・「男に生まれたかった!!
読んでそう思いましたー!!とてもおもしろくて、一気に読んでしまいました!!毎日を面白おかしく、そして一生懸命に生きている!そんな感じがしました。

自分達の置かれている状況なんてなんのその、とにかくやってみる!そして努力!オチコボレなんて何処にも居ない! もしも男に生まれていたら、こんな風に高校生活をしてみたかった(^^)

早速、次の「フライ、ダディ、フライ」を買いに行こうと思います。

・「くだらない事に夢中になる素晴らしさ!
最高に面白かった!熱くなった!

人は大人になるにつれ、損得勘定を覚え、功利的な判断でしか行動しなくなる。不条理だと思っている事でも、世間体や損得関係を考え、黙ってしまい、何も行動しない。

本書に登場するザ・ゾンビーズはそうした事なかれ主義とは全く無縁の高校生だ。仲間のために馬鹿みたいに体をはる。さめた大人の視点で考えると「くだらない事にエネルギー使ってバカじゃないのか?」って事なのだろうが、くだらない事に夢中になれる事こそ10代の特権だろう。女子高の文化祭に潜り込むために命をかけている。友人が恐喝された金を取り戻すために全員で犯人を捜して襲撃する。最高じゃないか!

くだらない事に馬鹿みたいに夢中になれた10代に戻りたいと思った。「君たち、世界を変えてみたくはないか?」この言葉を愚直に実行できるパワーが羨ましい!

家と学校と塾の往復しかしていない秀才の中高校生!この本を読め!勉強ができずオチコボレだと言われている中高校生!この本を読め!

・「男に生まれたっかたぜ!
気分爽快!BUT少しほろっと、する時もあり全体的によかった~。私は、フライ ダディ フライから読んでしまったので逆に朴君以外のキャラにスッポトがあたっていた、レボリューション、よかったです。女世界にはない、いい友情関係が感じよく描かれていて、男に生まれてきて優等生じゃないけど、こんな友達にめぐり合いたかったです!!

レヴォリューションNo.3 (詳細)

フライ,ダディ,フライ

・「かっこいいぜっ!おやじ‾(;;)
文句無く笑って泣いて厳かとも言える清清しさを与えてくれる作品!そもそも字数も少なくとても読み安いのだが、そんなこと以上にこんなにピュアな高揚感に包まれながら一気に読破したのは本当に久方ぶり。

読み始めは何だかイライラとさせられるんだが、その後のおやじな主人公の変貌っぷりとかなりなステキに小粋な奴等とのなんとも言えない絡み具合!

心憎いばかりのセリフまわしとぐいぐい引き込むストーリー展開はさすが金城一紀氏!ひとつ難を言えばもっと続きが読みたかった!

とにもかくにも面白い!の一言につきる!ちょっとめげて気落ち気味のあなたっ!ぜひ読んでみてください。忘れかけてた熱いものが喉のあたりにグッと込み上げてくること間違いなし!

・「「肩書きなんか、くそくらえ!」と、この本は語っている
 è'-è€...の作å"ãŒå¥½ããªã®ã§è³¼å...¥ã-たが、飯もトイレもそã"そã"に、ほぼ1æ-¥ã§èª­ç 'ã-てã-まった。 前作のコミック的なスãƒ"ード感、現代風の軽妙な表現はそのままに、今回の作å"ã¯ã€å¹'齢がより上の層にもå...±æ„Ÿã§ãã‚‹å†...容に仕上がっている。

 物語の大筋は父親が娘の仇ã‚'うつ「ç-›å¿«ãªå¾©è®åŠ‡ã€ãªã®ã ãŒã€ç­†è€...が表現ã-たい、伝えたいのは、そã"ではないように思われるのだ。

 肩書きや、それまで培ってきた経é¨"è«-が通じない、人ç"Ÿã®ã‚¤ãƒ¬ã‚®ãƒ¥ãƒ©ãƒ¼ãƒã‚¦ãƒ³ãƒ‰ã«é­é‡ã-たとき、人は(特にç"·ã¯ã€çˆ¶è¦ªã¯ï¼‰ã€ãã®å•é¡Œã«ã©ã®ã‚ˆã†ã«ç«‹ã¡å'かい、解決ã‚'目指すのか。ã"の物語が描く「決é-˜ã€ã«ã€ãã®ç­"えã‚'求めるのは単ç'"すぎるが、ã"の主人å...¬ã®å§¿å‹¢ã«ã€ãã®ç­"えは確実にある。

 「あã‚"た、ç"·ã¨ã-て、いくつになってもã€!è!!‚©æ›¸ãã®é€šç"¨ã-ない自分の知らないä¸-界で勝負できる?....」といった、筆è€...らã-いやã‚"ちゃで、クールで、æŒ'発的なメッセージã‚'感じå-ったのは私だã'だろうか.....

 ...と、ã"難ã-いへ理屈ã‚'語ってã-まったが、ã"の本が単ç'"にç¬'えて、泣ã'る、一ç'šã®ã‚¨ãƒ³ã‚¿ãƒ¼ãƒ†ã‚¤ãƒ¡ãƒ³ãƒˆä½œå"ã§ã‚ã‚‹ã"とはé-"違いない。特に決戦前夜の妻とのやりとりは号泣å¿...至!(私などは何度そã"ã‚'読みè¿"ã-ても泣ã'る)

 私と同胞のç"·æ€§ã®æ-¹ã€...には、いま、お読みのãƒ"ジネス書ã‚'一時横に追いやってでも、ぜひとも読ã‚"でいただきたい。タイトルの「FRY」の意å'³ã‚'理解すれば、å¿...ずや人ç"Ÿã«ã¨ã£ã¦ã€å¤§åˆ‡ãªã‚‚のが見つかるはずだから。

 

・「金城サン作品大好きv
金城サンの作品が大好きで今回も見つけてすぐに購入してしまいました。この本は同じく金城サン作品の「レヴォリューションNo3」の続きでもあります。もちろんこの本だけ、レボ3だけ、と単独でも読めますが両方読んでこそ新たな世界が広がって楽しいのです。

金城サンの作品はいつも痛快。読んでいて心地が良い。今回も読後スッキリで買ってよかったナと思える作品でした。

・「真実の強さ
私は、本を買うなんて読書感想文を書くときぐらいでした。だけどこの本に出逢ったとき、他の何か違う!!読んでみよう、読まなきゃ!!と手が勝手に本を取っていました。ペラペラとページをめくる度に広がる世界。真実の強さ。勝利の先にあるもの。大切なことをたくさん教えてくれた本です。本を買って家に帰った後、一度も休みを入れずに読み続けました。

時間が過ぎていくのも忘れるくらい、本当に素晴らしい作品でした。心に残る言葉もたくさんありました。私は朴舜臣の言葉一つ一つに力を感じたし、感動しました。もちろん、鈴木一の憎めないキャラクターもすごく好きです。この作品は、絶対見るべきです。自信を持ってオススメします。

映画化されると聞いて、非常に嬉しく思っております。

朴舜臣がV6の岡田准一さん、鈴木一が堤真一さん。私は、この2人がピッタリだと思います。すごく楽しみです。あと個人的には、山下君を金子貴俊さんにやって欲しいものです(笑)

・「痛快&爽快!
 どこにでもいるような仕事一筋のサラリーマンの日常がある日踏みにじられた。彼の愛する娘が見るも無残なほどに殴られたのである。 サラリーマンは愛する娘を救うために仕事を放りだす。そして、ひょんなことから、娘を痛め付けた男子高校生へ復讐をするためにトレーニングを開始することになる。 それをサポートするのが在日の朴舜臣を始めとしたおちこぼれ高校生グループ。 彼らの力を借りながらも、サラリーマンは自分の力で飛ぶことができるのか…

 本書は第123回直木賞を受賞し、受賞作品の中で歴代2位の売り上げを記録したデビュー作『GO』以来、第2作目の長編です。 私は本書を読んで『GO』と同様に物語の幹が極太の印象を受けました。情景描写や心理描写をもっと膨らませることができるのですが、そういうことをせずに、あえて物語の幹だけを綴っている印象です。 しかし、それで物足りなく感じるどころか、余分なところがないため、かえってストレートに自分の中に入ってくるとさえ思えてきます。

 読み始めると、どっぷりと『FLY,DADDY,FLY』の世界に入り込んで、読破後に痛快&爽快な気持ちを味わえること請け合いです。

 ソレデハ…

フライ,ダディ,フライ (詳細)

SPEED (The zombies series)

・「気分爽快!!
 待ちに待ったゾンビーズシリーズ第3弾!! 私は普段ほとんど読書をしない、いわゆる『漫画専門』の人間なのですが、金城一紀さんの作品だけは面白くて一気に読めてしまいます! 現実にありそうでないストーリーがテンポよくかかれていて読者をひきつけます。そして何といっても読み終わった後の爽快感がたまりません!!前作『フライ、ダディ、フライ』でもかなりの爽快感がありましたが、今回は『SPEED』というタイトル通り疾走感溢れる内容で、さらにスカッとさせてくれます!! ゾンビーズに初めて(?)のピンチが訪れたりもして、ゾンビーズファンが楽しめることは間違いないですが、初めて読む人も十分この世界に入っていけると思います。 毎日を平凡に過ごしている人、必読!!!

・「久々に燃えました!
金城さんの新作、首を長~くして待ってました。買って一気に読んで待った甲斐以上の物を感じました。今作は初の女性主人公でやはりそっち担当(!)のアギーが多めに登場します。ゾンビーズと女の子主役って絡みづらそうと思ってたけどそこは金城さん、圧倒的な文章力と爽快感で見事描ききってました。「燃えよドラゴン」と同じくらい血が震えました!!読まなきゃ絶対損ですよ!!

・「引き込まれるキャラクター達
最初から最後までスピード感ある展開で、一気に読んでしまった。自分はこの「ゾンビーズシリーズ」は第一弾である「レヴォリューションNo.3」を読んでいなかったのだが、この第三弾「スピード」はこれだけで読んでも充分楽しめる作品であると思う。特に南方を中心とした個性あふれるキャラクター達によって繰り広げられる、独特であり、かつ愉快な世界が、読んでいて心地よかった。

また、クライマックスでは、(ページをめくらずにはいられないっ!)っというくらい盛り上がる。是非一度手にとって読んで欲しい作品だ。

・「いっきに読める
金城一紀さんの作品はどれもすらすら読んでいけるものばかりでこれもいっきに読みました。 楽しく読めたのでこの評価。でも、楽しいだけじゃなく伝えたいメッセージもどの作品でも一貫していて、読む度に自分もただ決められたつまらない常識に縛られてちゃいけないと反省させられます。

・「岡本さんって呼びなさい!
頼りにしていた舜臣は倒れている。くやしい初の女主人公。そこで、舜臣は立ち上がる。だが、敵は次の武器を取り出そうとしていた。そんなとき、彼女の頭に浮かんだのは、”もうこれ以上舜臣を傷つけさせはしない!”そして、拳二つ分の穴を埋めることが出来る。この瞬間のために、この小説は感涙へ。女主人公としての秀逸さも多分に出ている。必読! おすすめです。

SPEED (The zombies series) (詳細)

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)

・「☆5つ
『燃えよ剣』『峠』と並ぶ、司馬幕末小説3トップの一角。自身の生き方、新選組の在り方を「刀」に例え、そこに見出す美学の為に戦い抜いた『燃えよ剣』の土方歳三。封建制の弊害を知り抜き、武士社会の終焉を見通しながら、長岡藩士であり家老であるという立場を踏み外さなかった『峠』の河井継之助。本作『竜馬がゆく』の坂本竜馬が彼ら二人と大きく異なると感じるのは、自身の器というものを明確に把握していなかった点かと思う。自分がどういう人間であるか、何が出来るのかを模索し続け、「立場」からも脱却し、さらにその広がった視野から自分が為すべきことを考える。

自分がどう生きるかをなかなか見出せない現代。『竜馬がゆく』は再び世に望まれる作品になってきたように思います。読み出しさえすれば、あっという間の全八巻。ページ数、巻数に気圧されることなく、是非読んでいただきたい。

・「竜馬に惚れます!
幕末の歴史が好きで読み始めましたが坂本竜馬に本当に惚れちゃいました。長いですが引き込まれてすぐに読めてしまいます。竜馬や歴史に関するエピソードも豊富で竜馬の人柄の良さを十二分に知れる上に歴史もよく分かるようになります。竜馬ファンはもちろん歴史好き、単に小説好きの方々にも強くオススメしたい本(シリーズ)です。

・「日本中を元気にした「坂本竜馬」
この本が初めて出たとき、日本中が元気になったといわれた本である。小生の先輩などは、自分の経営する店に入れ替わり立ち替わり来るバイトの子に未だに読ませているほどである。

司馬遼太郎自身が、この小説の中で「書いているうちに竜馬が好きになってしまった」といっているが、本当にここに描かれる竜馬は、魅力に満ちあふれている。

「寺の鐘みたいだ、大きく打てば大きく鳴り、小さく打てば小さく鳴る」と、竜馬がその人物を評して勝海舟を喜ばせた、西郷隆盛。

幕末、その西郷隆盛が竜馬に維新後の閣僚名簿の作成を依頼したが、竜馬が完成させた名簿には彼自身の名前がなく、西郷が「おはんの名前がごわせんな」という場面は有名だ。西郷に答えた竜馬のセリフが素晴らしい。「おれは世界の海援隊をやるぜよ」

明治維新の悲劇は、一流の人材が維新までに死去してしまったところにある。そのあたりに、維新後の西郷の不思議な行動の原因があるのかもしれないと常々考えている。

日本も世界も行き詰まった。今こそ、坂本竜馬のような人材が求められている時代はない。

・「坂本竜馬に対する日本人のイメージを定着させた名著
 わが国の歴史上の人物評価で絶えず上位の人気を誇るのが坂本竜馬である。竜馬没後140年近く過ぎ去った今でも、京都霊山に眠る竜馬と盟友、中岡慎太郎の墓を訪れる人は絶えないと聞く。

 司馬遼太郎は、「あとがき二」において書いているように、竜馬という天真爛漫な青年像をかき表すことによって、未曾有の歴史の緊張期にあった幕末の青春像を見事に描ききっているが、竜馬人気をこれほどまでに不動のものにさせた最大の功労者が司馬のこの作品であることは自明である。

 読書に対する熱情をかくも燃え立たせ、社会観や人生観に決定的な影響を及ぼしたこの作品を「奇跡の本」と呼びたい衝動に駆られるのは私一人だけではあるまい。

 竜馬や勝海舟らが過ごした旧幕府海軍操練所跡近くに住む私は、通勤途上、彼らも見たであろう六甲の山々を見つめながら、この本に出会えた至福にしばし浸っている。

・「男になりな!
この本を読んで「日本を変えよう」と真剣に思った若者は数知れず。こんなかっこいい男が日本にいたのか!と思うはずです。この長大な物語も、少しも苦にならず、読書の習慣がない人でさえきっと読みきれます。

中学高校でこの本を出会った人は幸せです。ぜひ若い人に読んでもらいたい。この魂を感じていただきたい。

時代背景が細かく書かれているので、歴史の勉強にもなります。私は高校時代に日本史が嫌いだったのですが、この本のおかげで幕末だけは異常に詳しくなりました(笑)。

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫) (詳細)

ネバーランド (集英社文庫)

・「ちょっと珍しいかも
恩田さんの作品としては、あっさりというか、ライトな感じなこの作品。温かさを感じる。恩田さん本人も言うように、今では書けない作品、実にそんな感じがする。

舞台はとある男子校の寮である松籟館。冬休みに各々の理由を持ち、寮に残る居残り組となった美国、光浩に寛治。そして通学組である統。お互い"嘘"を1つ含めた告白大会。互いに干渉しあうことなく、馴れ合うことなく過ごす術を知っているはずの4人の本音に隠してたこと。町外れの男子校の寮。松籟の音。白い服の人。赤い爪。消えた幽霊。開け放たれた扉。いくつかミステリー要素がちりばめられている、そんな作品。

いくつかミステリー要素があるわりには、ミステリーな感じはしない。心理戦がたくさんあるわけでもない、だけど少年たちの洞察力の良さは恩田作品ならではという感じもする。いつもと違う雰囲気もたまにはいいなって思えた。

完全なるミステリーを求めてる人にはおすすめできないが、そうでないのなら、これからは生まれることのないこの作品の雰囲気、世界観をぜひ味わって欲しい。

・「もう一度高校生活がしたくなる一冊
冬休みのそれぞれの理由をもって残った男子生徒4人の7日間の寮生活をする。ドラマ化されたこともあって恩田陸さんの作品とは知らなくても作品としては知っている方が多いと思われる作品です。

恩田陸さんの学園ものというとミステリーホラーが多いですがネバーランドはその雰囲気は後ろに隠れておりはじめて恩田作品を読む人も他の作品を読んだことがある人もこんな学園小説があるんだと感じられます。

そして、ドラマはみていないのですが読んでいてドラマになる作品だなぁ。と感じました。スピード感もあり凄く一日一日に色々なことが凝縮されていって7日間の話を書いているのにもっと長い間の話を書いたかのようです。また、主要な登場人物の4人の性格が違うのでその性格の違いも読んでいて面白いです。読み終わった後高校という限られた時にこの本のような体験をしたい!と、感じさせてくれました。

・「面白かった~!!
有名男子校に通う4人の生徒が主人公で、まず4人ともとても魅力的な人物です。4人にはそれぞれ事情があり、他の生徒は帰省する冬休みに寮に残ります・・。徐々にそれぞれの事情や秘密が明かされていくのですが・・それがとてもドキドキして面白い。いつも表面に出してる顔とは別の一面をそれぞれが持っていて、そのギャップにも秘密が関係していてなおさら先が気になるぅ~という感じです。最初は仲は良いけどお互いに一定の距離を置いている4人の間に、最後の方では連帯感が生まれお互いを守りたいという友情が生まれていったところも素敵な物語だなぁと思いました。

・「夢見がちなあなたへ・・・。
今、このレビューを見てくださっているあなた。この本をぜひ読んでみてください。この本の中に出てくる少年たちのつらい過去を知るにつれて、きっとこの少年たちに引き込まれていくはずです。本当にすばらしい一冊です。そこの夢見がちなあなた。恩田さんのすばらしい世界へ、ぜひ引き込まれていってくださいっっ!!

・「高校生に戻りたい!
4人全員に恋をしました。書き方が甘すぎる、という人もいるかもしれないけどやっぱり学園ものはこうでなくちゃ。青くて、とがってて、切なくて、自分は経験してないはずの寮生活がひどく懐かしく思えます。この「郷愁」、他ではちょっと味わえませんよ。

ネバーランド (集英社文庫) (詳細)

ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)

・「現代の罪と罰とは?
不思議な力を持った男の子と,事件に巻き込まれてPSTDになった仲良しの女の子を取り巻くファンタジー,という仕立てになっているが,扱われているテーマは現代的な愉快犯への「罪と罰」である.

自分で反省するはずのない犯罪者に何を持って償わせるのがふさわしいのか?難しい命題を少年らしい視点から描いていて,みずみずしい純粋さ,ナイーブさが伝わってくる.単純な感動というだけでない,なつかしさや忘れていたひたむきさを呼び起こされるような読後感.こういう小説に出会うことはなかなかない.

これを,少年と年長者の単なる禅問答にしてしまったら退屈極まりない小説になっていただろうが,「不思議な力」の謎解きとして進めるところに,ストーリーテラーとしてのうまさを感じる.さりげなく張られた伏線も最終章で見事にまとめられていて,ジュブナイル的な予定調和だけでないハッピーエンドを作り上げている.

作者の作品は「冷たい校舎〜」,「凍りのくじら」と読んできたが,小説の構成力が急速に成長していてびっくりした.文句なしの傑作.

・「ボクハミタサレル?
この人の作風がキレイすぎて若干引き気味だったところに本作は、さらに小学生が主人公と知り、まったく期待はしなかった。「大事な幼なじみが大切にしていた兎が死んだ。死んだんじゃない、殺されたんだ。単に暇つぶしをして楽しむためだけに。犯人の大学生が笑いながら退屈しのぎに奪ったのは、兎の命と幼なじみのふみちゃんの言葉と心。僕は決意する、僕が復讐するんだ、チャンスは一回・・」なははは。こりゃー無理だわ、こんな純情可憐なスイート話、読めませんって。なになに、小学生のボウヤが何をするんだって?

しかし、紹介のつたなさが、意図的ではないかと思われる程に内容はかなりシリアス。兎の惨殺シーンしかり、犯人の医学生が第一発見者であるふみちゃんを見て、「第一発見者、君?マジかよ。うっわ、萌えねぇー」と嘲笑しながら携帯で撮影するシーン、その前後のネットでのやりとり・・嫌になるくらい、この軽薄な描写がうまい。

そしてぼくには、「条件付」で相手に行為を強制する能力があることが明かされる。相手に対して心を込めて、ある行為を強制できるのだ。「・・・しなくちゃだめだよ、そうしないと・・になるよ」というように。ぼくは、その力のなんたるかを学び、医学生に対峙するための修行を始める。与えられた期間は1週間。何を条件にして何を罰にすれば、ぼくは心から満たされるのか、相手がどうなることをぼくは、望んでいるのか。

最終的にぼくが出した答えと、犯人の末路はここでは明かさない。

まだこの本を読んだことがないのであればあなたは幸せだ。読み終わった後のカタルシスを読了してしまった私は羨ましく思う。そうしてこの本の前にでも後にでも、もう一度前作、「子供たちは夜と遊ぶ」を読むと良いと思う。あえて伏せられている登場人物が誰なのか、秋先生の後悔はなんだったのか、まだお楽しみは、残っている。

・「これが感性が若い作家さんの感性か....
内容は他の方のレヴューのとおりです。少年とマスターのような教授とのやりとりが中心の小説なのですが・反省しない犯罪者に対していかに罰を加えるか?・どの程度の犯罪にどの程度の罰が適切か?など、裁判員制度も始まったことだし、他人事ではないと思いました。

とはいえ、もちろんエンターテイメントとしても十分楽しめます。久しぶりに泣ける本です。星6つ。

(以下読まれた方でないとわからないと思います。すいません)少女が少年が自分のことを「友達って言ってくれた」と大喜びするシーン少年が加害者に会いに教室に入るシーン最後に、少女が少年のもとへ向かうシーン感動ものです。・・・こうしてみると僕は少年よりむしろ少女に感情移入していたのかな?・・・

一点だけ?なとこ。こんな賢い小学生がいるのか〜?(いるんだろうな、やっぱし)わが子と比べ別の意味で泣けてきました(微苦笑)

・「罪とは。罰とは。
初めて読んだ辻村作品がこの『メジャースプーン』だったことを感謝します。これは10歳の男の子に語らせているだけであって、誰でもが考えなくてはいけない「罪」と「罰」の物語。その中に少しクラスメイトより大人になってしまった10歳の少女の心境、そしてこれからの10代の苦悩を予感させる物語。秋先生によって説明される罪と罰。これは大人である私にも答えが出ない深い問題です。そして子供だから出来る大胆な行動。思わず12歳の娘、17歳の息子にもこの本を勧めてしまいました。この作品が他の辻村作品とリンクしているのがわかって、他の作品も読みましたが、この『メジャースプーン』を超えているとは思えませんでした。でもリンクは面白くて好き。伊坂氏のようにさりげなさがないから、どちらかというとリンクというより連続作品という感じかな。秋先生の今後の活躍を期待しつつ、でもこの辺でもっと違うタイプの本になって欲しいな...。10代の解説ももうそろそろ終わりでもいいかも。新たな飛躍を期待しています。

・「健気でせつない、でも愛おしい
こどもたちは夜と遊ぶから入った辻村作品、秋山先生が登場すると知って、急いで読んだらラストは涙が止まりませんでした。ふみちゃんと僕を襲った悲しい事件。復讐とは?罪とは?罰とは?小学四年生の僕が出した答えは、確かに正解とは言えないものだったかもしれない。けれど、それを選択した僕の心情に涙が止まりませんでした。僕から語られるふみちゃんの優しさ、ふみちゃんのことが本当は大好きなのに、ある事情からそれを認めることができない僕。どちらも切なくなるくらいに愛おしかったです。

ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) (詳細)

子どもたちは夜と遊ぶ(上)

・「これはこれは・・・
この著者は登場人物、一人一人に対しての背景を書くので物語に入り込みやすい。今回は余計に主人公(?)の過去については心締め付けられるものがあり、上下巻一気読みしてしまいました。ネタバレを書いてしまいそうなので率直に書かせていただきます。すごいっ!すごすぎる・・・。ミステリィとしても人間模様としてもどちらの観点から見てもよくできてる作品だなと感じました。是非一読あれ。最近のメフィスト賞受賞作家では一番じゃないかな。

・「心の内側にある大事なもの
 辻村深月さんの作品はデビュー作の「冷たい校舎の時は止まる」と「ぼくのメジャースプーン」を読んで3冊目。「ぼくのメジャースプーン」のレビューにこの作品との関連性が書かれていたので続けて読了。

 上下巻に分かれていたので、今まで手を出さなかったのですがもったいなかったですね。「ぼくのメジャースプーン」に負けず劣らずの良作だと感じました。 特に感じたのは個々のキャラクターの心理描写の掘り下げ具合。小説で登場人物のそれぞれを掘り下げていくとどうしても冗長になってしまうのですが、辻村さんの作品ではそれが実に巧みに描かれます。それぞれの感情の揺らぎと行動を残酷なまでの強いタッチで書きつづっていて、時に心にぐさりと刺され、時にじんわりとしみこんできます。

・「人物描写の裏と表に妙味あり!
同じ大学に通う、孤塚と月子のカップル、孤塚とルームシェアしている恭司、同じ研究室の同級生浅葱らの周囲に起こる事件を描いたミステリー長編です。メフィスト賞を受賞したデビュー作「冷たい校舎の時は止まる」は、高校生八人の学校生活、プライベートの両面から、周囲に認識されているステレオタイプな高校生像と、実際には傷ついたり、臆病だったりする一人一人を内と外から描いて人物描写を立体的にした作品でしたが、本作品は、その立体性をさらに徹底しているのが印象的です。特に秀才肌の主人公孤塚に対して、天才肌として描かれる浅葱が気に掛かります。例えば、難解な曲を弾きこなす天才ピアニストの努力というのは、演奏を聴いている素人には解りづらいし、解ってしまったらその演奏は失敗だと思いますが、この長編ミステリーで天才を演じる浅葱はどうなのでしょうか。工学の分野で陽の当たる道を突き進む天才に隠された影が気になりつつ、上巻を読み終えました。

・「ファンはくじけず!(笑)
前作「冷たい校舎の時は止まる」よりは1冊少ない上下巻発行。大学に通う月子・弧塚・浅葱。秀才といわれてきた弧塚と浅葱が挑んだ論文コンクール。最優秀はどちらかの手に渡ると思われていたが、なんと選ばれたのは「i(アイ)」という謎の人物。「i」の正体を突き止めるうち、浅葱は「i」が昔生き別れた兄の「藍」だと知る。そして兄に会うために始まった残酷で悲しい殺人ゲーム。浅葱は兄に会うことが出来るのか。

とても繊細に描かれています。ただ、上巻で飽き始めてしまうかもしれません。色々な人が出てくるし、この作品でも過去と現実を行ったり来たりします。辻村先生だなぁ・・・と思わせる箇所も多々ありますが、やはり注目すべきは浅葱君の過去。心理的描写がとても丁寧なので読んでてつい感情移入してしまいます。下巻では驚くべき事実と涙を誘うシーンが盛り込まれています。ただの殺人劇ではない、悲しい恋愛物語を是非読んでください!!

・「上巻は我慢!
物語の途中で、殺伐とした描写が多く見られるので、そこで投げ出したくなる人もいるかもしれません(特に上巻)。出来れば、そこでめげずに読みすすめて欲しいと思います(その部分だけ読み飛ばしても、余り問題はないように思います)。下巻に入ると、今まで散りばめていたエピソードの意味が少しずつ明らかになって一気に読み上げる事が出来ます。

子どもたちは夜と遊ぶ(上) (詳細)

子どもたちは夜と遊ぶ (下)

・「ただ切ないだけじゃない
(最初に述べておきますが、「θ」の正体は作中ですぐに明らかになります。)上巻で長い殺人ゲームを読んできたが後半では犯人の心情の揺らぎがリアルに描かれています。何故か「i」の指定してくる人間は「θ」の周囲の人間ばかりだった。戸惑い次第に憔悴しきる「θ」。そんな彼が次第に心引かれていった女性・・・それは月子だった。『暗闇に蹲る僕を救ってくれるのはあなたの手のひらだけ・・・』だけど月子に思いは届かない。好きなのに。ようやく欲しいと・・・思ったのに。悲しいすれ違いが事件を結末へ導きます。切なすぎる恋の錯誤は涙モノで、「冷たい~」もそうでしたが、読んだあとも話の世界から暫く抜け出せません。最終的にハッピーとは言えないかもしれません。心温まる話ともいえないでしょう。ですがやがてじんわり、ゆっくりと浸透し、心の中に残る作品です。

・「一気読み
前作でも感じたことだが、登場人物一人一人の心理描写が本当に上手い。あっというまにひきこまれ、一気に読み終えてしまった。ストーリーも面白かった。ただ、時々描写が残酷で痛いので、抵抗感がある人もいるかも知れない。次回はぜひ「雪の降る道」のような読後に心温まる作品を書いて欲しいと思う。

・「犯罪者の側の目線で読みました。
第31回メフィスト賞受賞したデビュー作「冷たい校舎の時は止まる」に続く辻村深月の受賞後初作品、上下二巻の下巻です。

最初に読んだときには、著者が本作に仕掛けたトリックに翻弄されてしまいましたので、その後冷静に読み返しました。冷静に読み返したつもりだったのですが、やはり木村浅葱を操り、翻弄する「i」とは誰なのか? ともどかしく思い、月子に「彼を救って!」と叫びながら読み終えました。

下巻では、ほぼすべての謎が解けてストーリーは完結します。前作に引き続き「こんなに惜しみなくネタを使ってしまって、大丈夫なの?」と思いましたが、実際には、その後順調にミステリーの分野以外にもリアリティー小説として「スロウハイツの神様」などの傑作を書いているので、その点は安心です。

この小説は、連続殺人事件を犯罪者と被害者の近親者の両面の立場から描いています。僕は、どちらかというと一方の犯罪者、殺人を犯す浅葱の立場から読みました。犯罪モノと言えば、被害者か、それを追う刑事の立場から読むものだと思っていた僕にとって、これは我ながら意外な読書となりました。これが、辻村深月作品共通の独特な味わいであり、この小説の特色と言えると思います。「月子が浅葱を救うことは出来ないのかな。」と思いながら読んでいた僕は、実のところ僕も「誰かに救ってほしい。」と思っていることに思い当たりました。

話は逸れますが、童話の残酷な場面(たとえばオオカミが赤ずきんちゃんを食べる、とか)を子供がどう読むかが話題になったとき、短絡的に「子供には聞かせるべきではない」と言う意見がある一方、「子供は、助けてもらえる赤ずきんちゃんの立場に立って話を聞くから大丈夫。」「怖いお話を聞いても、現実世界では大丈夫であることを学ぶ機会になるから必要だ。」などの意見があることを知りました。舞い戻って「子どもたちは夜と遊ぶ」では、僕は殺人を犯す浅葱の立場に立って読みましたが、僕は、実際にこんな殺人を犯すわけではありません。その前提に立った上で、救いを見いだすこの作品は、大人のための童話と言う側面があるように思いました。

・「やっぱりだけどセツナイ
勘のいい人なら上巻でiがだれかが、なんとなくわかると思うのだけど、わかったらわかったなりに読み進めるごとにせつなくなる。予想を裏切ってほしい気持ち半分、当たっていてほしい気持ち半分で。やや原因が物語としていかにもすぎるけど、それも悪くないと思わされる一冊。

・「物語としては凄い
上巻以上に下巻の展開は激しく、引き込まれて一気に読みました。伏線の張り方は凄い。そこそこ推理小説を読み慣れている人には、犯人やその他細々としたネタが上巻でばれてしまうかもしれませんが、3個分かっても4個分からない・・・くらいには、色んな伏線が、あっと思うところで回収されていて鮮やか。

ただちょっとうーんと思ったのは、分かり易い悲劇と、登場人物のキャラクター的な所。悲劇の中にも救いがある・・・それはとてもいいメッセージだと思うのですが、些か主人公(犯人?)よりで、劇中の被害者に対する配慮があまりなかったかなぁと思います。罪を償ってこその救いだと思うので、途中面白かっただけに、結末はちょっと足りない感じがしました。子供が抱えている苦しみや葛藤には、よく同調した作品だと思います。だからこそ、小説である上のキャラっぽさや、酔いやすい悲劇、悲劇があるから仕方無かったと安易に思ってしまうような結末は、避けて欲しかったな、と。子供が求める、可哀そうで悲劇でかっこよくて、同調するわ。という部分に、それ以外の答えを見つけてほしかった。

でもまぁ、推理小説としてはとても面白かったです。一気に読みたくなると思うので、時間を持って、出来れば夜に、じっくりと読んでみてください。

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (詳細)

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

・「いつの間にか眠る時間が削られている
 この作者さんの文章には『子どもたちは夜と遊ぶ』で初めて出会いましたが、デビュー作もさすがでした。見事です。もっと片手間に、だらだらと読むつもりだったのに、うっかり睡眠時間を削られてしまいました。

 閉鎖的な空間はとても薄気味悪く、奇妙で、上巻を読んでいるときはとにかく空寒い感じがしていました。夜中に読むとちょっと怖いですね。純粋なミステリというよりはファンタジーに近いですが、しんしんとした寒さのせいもあってか非常に静かな恐怖が紙面を通して伝わってくるかのようです。

 8人の主要登場人物はどこか見覚えのある人ばかり。思わず自分の高校時代や中学時代を振り返ってしまいます。 中には自分にものすごく近い人もいて、ほろりと来てしまう場面も。感情をたっぷり入れて読める小説は意外と少ないので、これは貴重な作品です。

 読後感は解説にあるように非常によかったですね。青春ものとしてまとまっていましたし。

 でも、個人的には読んでいる最中が一番良かったかな。はらはらしつつ、うるうるしつつ、「どうなったの??」と純粋に先が気になる。こんなに分厚いのにあっという間に読み終えてしまうからストーリーの魅力には頭が下がりますね。  他の作品も手に取ってみなければ!と思わせる小説でした。

  

・「え?処女作なの??と思える作品
とりあえず言える事は、買ってよかったなと純粋に思える作品ということです。文章の構成も上手いですね。場面の情景を手に取るように感じることができ、かつスラスラ読めるのはよいです。最近読んだ評判のライトノベルと比べると「ああ、小説を読んだんだなぁ」としみじみと思うことが出来ました。ただ、難点を挙げるならやはり冗長に過ぎる、ということは感じます。主要登場人物八人の話の掘り下げ方など特にこれが、作者と同名の登場人物としていなければまた違った感想になりそうですが(深月は好きですよ?)。

しかし、まぁ自分の高校生活を思い出しながらどっぷりと物語に引き込まれますね。伏線も私は一個くらいしか予想が当たらなかったくらいには驚けました。それでも物語の構成には若干甘さもみられますが、著者が高校、大学生時代に執筆した作品と言うことも考慮すると文句無く☆5付けることができます。

・「爽やかだけど少し切ない学園ファンタジー
級友の自殺から2ヶ月、季節には早い雪の降った日に、8人の高校生が、他に誰もいない学校に集められます。外に出ることもできず、時間の止まってしまった校舎の中、色々と調べていくうちに、自殺した級友のことを、誰も覚えていないことが分かります。

事件後に撮った写真に写っているのは7人、止まった時計の指している時間は自殺のあった時刻。この中の誰かが自殺した級友なのか?だとすると、誰が自殺したのか?どうして級友は自殺をしなければならなかったのか?そして、みんなを集めた理由は何なのか?

記憶にカスミがかかったような状態で、謎を解くため、8人は、それぞれの視点で、事件を振り返ります。その過程で語られる彼らの過去や本音に、思わず、読んでいて、胸が熱くなります。

ただ、設定がファンタジックなので、謎解き部分が、人によっては、ルール違反に感じるかもしれません。ミステリー部分は脇に置いて、軽めの青春群像劇として読むなら、秀逸な作品だと思います。

・「漂流教室と思いきや。
いえいえ、もう少し精神世界を描いた凄い小説でした。記憶がないなんてものすごい事が8人の上に起こってさすがのメフイスト賞!と妙に納得しました。ミステリーというよりも、ホラーファンタジーですね。これは。

・「やめられない止まらない。そして最後の美しき崩壊。お見事。
大雪の中、校舎に閉じこめられた8人の高校生。学園祭最終日に校舎の屋上から飛び降りたのは誰?重要な「あの日」の記憶がすっぽりと抜け落ち、現在から過去へ、そしてまた現在へと時間が錯綜する中、仲間が一人ずつ消えていく・・・。この恐ろしくも不可思議な “事件” の “犯人” はいったい誰なのか!?

本作品は、第31回メフィスト賞を受賞した正統派ホラーミステリです。キャラの作り込み、読者を引き込む文章、ミステリとしての意外性、どれをとっても高レベル。満足のいく一冊に仕上がっています。この手のホラーミステリ(ホラーファンタジー)は、人によってかなり好みが分かれる場合が多いのですが、本作品はその中でも珍しく万人受けする readability の高い作品だといえるでしょう。

また最後の “謎解き” に関しては、「やられた!」と叫んでしまうこと間違いなし。上下巻とも分厚く結構長い作品ですが、その長さを十分に生かした大規模なカタルシスが最後に待っています。期待して最後まで一気に読み通すべし。

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫) (詳細)

冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

・「怖さと切なさと
 上巻同様、600ページ近いページ数に良くも悪くも圧倒されてしまいます。上巻で投げ出さない方たちが手に取るのですから、きっと最後まで行き着くことと思いますが…。

 終幕に向かって物語が加速度的に展開されていくので、閉塞感漂う上巻で息苦しい思いをした読者を一気に解放してくれます。もっとも下巻も中盤までは上巻までと同じような展開が繰り返されますので、そこまで我慢できれるかが勝負。

 終幕は高校時代を経験した者なら皆、ふと昔を思い返させるようなそんな切なさがあります。小説としての完成度はいまいち(デビュー作ですから…)ですが、読ませる作品であったことは確か。

・「24歳の処女作とは思えない完成度
「凍りのくじら」があまりに素晴らしかったので、辻村さんの作品を順番にと思いこの作品を。途中までの印象はバイオハザードのような閉塞感。上巻を読み終わった後で、ここまで話しに片がついて、まだまるまる下巻が残っている。途中で本を閉じて寝てしまうと、嫌な夢を見そうなそんな印象。かといって残りを一気に読むには中身が重過ぎる。そんなジレンマ。長い小説は大好きだし、先の読めない展開は少しも退屈させないけれど、こうも緊張感が続くと少々疲れるかもしれない。登場人物8人の過去が各章でひとつひとつ明かされていくという展開なのだが、8人誰も進学校の生徒会関係者で、何かのトラウマを抱えるできる子という共通点があるだけに、キャラもかぶるところがあるのが否めない。しかし一人だけ違った印象の○○さんのお話になって急にトーンが明るくなる。これが下巻の半ばくらい。これが読むほうにとっては大きな救いとなり、物語的にも結末への伏線の一つとなって、大団円となだれ込む。作者の名前と、登場人物の一人の名前が一致していることについて、違和感を感じているコメントもあるが、少なくとも本作に関しては、作品の伏線の一つとして読めると思う。謎解きが終わってからのエピローグは少々長すぎな印象だけれど、これは処女作品に対する作者の思い入れの深さを表しているのだろうし、素直に最後までつきあおう。読みながら「何か変だなあ」と感じていたところは、謎ときですべて解決する。そういう意味で伏線の張り方は本当に見事だし、アイディアをこれだけの長編の作品として破綻なく完成させた作者の力量には舌を巻く。読み終わっての読後感は、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に近いものがある。メタフィクション的なところは、フィクションの意味を考え続けた人の作品だなあと感じさせられる。

・「そのエピソードに出会えた喜び
全てはあのエピソードと出会うためにあったなと。長いし、どうなるんだろうなぁと多少うんざりもしたけれども、あいつのエピソードにはやられた。そしてそれだけでこの物語を読む価値があったと思った。物語の全てはあのキャラクターを作り出すための仕掛け。他のキャラはある意味捨てキャラ。読み終わったときに誰のことが一番心に強く残ったのか。その人がこの物語の主役です。

・「いい。
途中から誰が。。。というのが分かったけれどそれでも涙が止まらなかった。

人には誰でもひとつ位苦しみを背負っているものだと思う。

だけど雪がふる冬の校舎はなんとも美しいと思う。。

きれいな本だった。

・「パーフェクト!
第三一回メフィスト賞受賞作全三巻の第三巻。完結編。冷たい校舎に八人の生徒を閉じ込めたのは誰なのか?

ミステリーの謎解きよりも、心理描写を楽しむのが僕の読書嗜好です。第三巻でも八人の生徒が一人一人消されてゆく毎に語られる、彼らが学校では見せない素顔、等身大の高校生が抱えるそれぞれの複雑な思いに期待を寄せて読み進みました。

この下巻ではクールな生徒会副会長が失恋で受ける痛み-心の痛み、そのものよりもクールな自分が傷ついている事に気付く衝撃-に、思春期から歩を進めて青春の入り口に立つ、多感な時期の記憶を呼び覚まされた新鮮さを感じました。

そして、謎が解かれてゆくわけですが・・・、

トリックが明かされた時に感じた僕の感情は、驚きでした。上巻、中巻で構築された世界観が巧みにこのトリックに説得力を持たせており、僕が惹き付けられた八人の真剣さも、謎を解く鍵に用いられています。ミステリーとファンタジーの要素に加え、高校生たちの生との格闘までをも完璧に融合した、斬新な小説でした。

冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫) (詳細)

凍りのくじら (講談社文庫)

・「文章が上手
この本の読了後、真っ先に思ったのは文章の上手さに驚きを覚えました。作者はまだ若い女性(1980/02/29生まれ)で、それがこれだけの文章が書けるとは先が楽しみです。藤子・F・不二雄作『ドラえもん』の道具が章タイトルにつけられているのですが、その道具が章と全体の話に結びついて主人公・理帆子の心理やその取り巻く人物たちのとの距離感を上手く演出している。最初は現代のどこか無気力な若者たちを描いた小説かと思っていましたが、いい意味で裏切られた作品です。別所あきらという“少し不思議”な少年との出会いが周囲の友人・知人との関係、そして何より家族との関係を理帆子に見つめ直させるきっかけを与え、そこから成長していく過程がなんとも言えない優しい味わいがあります。歌い文句の通り“少し不思議”な物語でした。

・「新しいミステリー
家族の形と藤子・F・不二雄の世界がとても上手く絡んでいます。主人公・理帆子の幼い頃からの趣味・・・人の性格をSFで現すんですが、実に様々なSFを持つ人が現れます。(辻村先生の描く主人公キャラは少し理屈っぽい子が多い気が・・・)でも読むに連れてどっぷり辻村ワールドにはまっていきます。理帆子の元彼が徐々に壊れ始めていく様子がとても怖く、この作品が3作品の中で一番怖いように思えました。2作目「子どもたちは夜と遊ぶ」でも泣かされましたが、今回もまた泣かされました。最後まで読んでようやく「SFな(少し不思議な)家族の物語」と言うキャッチフレーズの意味が分かります。後半に出てくる母親の夫と娘へのラブレターそして最後の父親の言葉儚い残酷さと感動を秘めた異色のミステリーです!

・「これからも楽しみ
前作より半年で新作が発表され嬉しい。今回もやはり心理描写がすばらしく、作者の大きな特徴と言えるだろう。また、何度も読み返したくなるのも特徴だと思う。読み返したとき、あちらこちら自然に張られた伏線を見つけるのが楽しい。これからもどんどん書いて欲しい、本当に楽しみな作家である。

・「とにかく「イタイ」
 読み進めていくと恐ろしいくらいに「イタイ」。 ウチがもう少し若い時分に捨ててしまった……いや、今も隠しているだけかもしれない……本質が描かれていて本当に「イタイ」。辻村深月さんの作品はとにかく感情表現、心の機微の表現が深くて豊かなので読むと心の奥底まで揺さぶられてしまう。

 主人公の高校生・理帆子の性格や考え方が嫌いだという意見があるのも当然。一見して分かる理帆子の元彼・若尾の「イタイ」所よりも理帆子の方が質の悪い「イタイ」所を抱えている。

 それだけにラストのカタルシスは強烈。鬱屈としていた心が一気に開放されて、目の前にぱっと広い空間が広がったような気持ちを感じさせる。 すごいですよ、これ。下手すると自分自身の鬱屈を吐露するだけの自慰小説になってしまいかねない作品……参りました。 藤子・F・不二雄さんの「ドラえもん」に登場する道具をそれぞれの章のタイトルにしていたり、それぞれの道具の説明とストーリーが微妙にリンクしていたり、SF(Sukoshi Fushigi)小説として、大事な人に「読んでみて」と薦めたい小説。……薦めたい人は大体鬱屈としているだろうから読み進めるのはウチと同じで「イタイ」だろうけどね。

・「特別な言葉は必要なし!!
人生で初めて、読んで泣く、とゆう経験をした本。怖くて二度目が読めない、というのも初めて。 つーか、泣くの確実。おそらく、評価は二つに分かれると思います。最高と、これはちょっと、みたいな感じで。それを聞いてみるのも僕は楽しーけど。

他の人に薦めるのがちょっともったいない気もするけど、全力でお薦めします!!

凍りのくじら (講談社文庫) (詳細)

名前探しの放課後(上)

・「やめられない
辻村深月はすごい。デビュー作品からずっと読み続けていた私が、この本を読んで改めて思ったのだ。設定はもちろん、構成がとてもよかった。下巻に入ってから、一気に読んでしまった。途中で止められなくなった。無事にアノ日が過ぎた、と思ってからの展開は本当にジェットコースターに乗っているようだった。そして、エピローグでまた驚きがあるなんて。とても満足した本でした。これだから辻村作品はやめられない。

・「さすがです
よかったです。価格が高いので、躊躇しましたが購入してよかった。前作までを読んでいる人、絶対に読むべきです。ぼくの名前がわかります。

・「救いの在処
本著者初の単行本作品。それだけに値段が高くて手にしにくい、という人も多いだろうが、それを補って余りある魅力を持つ作品。同著者のほかの作品を読んでいるとさらに楽しめるかも・・・

・「すごく良かったです!!
緻密な情景や人物の感情が丁寧に描かれていて、読み始めてすぐに作品の中へ引き込まれてしまいました。それから、青春時代の友情について考えさせられた作品でした。

・「この作者の…
 この作者の本は全部読んでいて、どれも面白かったので今回は値段が高かったですが、迷わず購入しました。 「自殺」「学校」「友達」と「恋愛」…この作者を読んだことある人にはお馴染みのワードを中心に物語が進んできます。 気の置けない友達同士の会話は面白く、考え方や、想いなんかも十代の頃に誰もが感じるもので共感ももてます。話のテンポも良く結構楽に読み進めることもできました。 結末も「やられた」と感じる、辻村マジックは健在で面白かったのですが、前の作品を読んでいない、この作品からの読者にはこの「…あぁ!」という感覚があまり感じられないのでは…? と思ったので星4つとなりました。 今までの作品を全部読まれた方は、色々な所に散りばめられた今までの登場人物を見つけてニヤニヤするのがいいと思いますw

名前探しの放課後(上) (詳細)

名前探しの放課後(下)

・「好きだからかもしれないけど・・・
最後まで読んで,すべて納得できました.途中のある人物のスポットの違和感,解決してすっきり.この作家さんの書く物語が大好きです.

上巻のレビューにもありますが,ファンとしてあの人物たち(知っていればなんとなく気づくけれど)の今が見れてとてもうれしくなりました.

作品が続いても,文章が丁寧なままでとてもよいです.今後もがんばってほしいです.もっと注目されてもよいのになぁ・・・

・「辻村さんの作品はなぜか懐かしさを感じさせる
 ミステリーというよりは青春もの。ミステリー的謎解き部分は『冷たい校舎の時は止まる』ほどの驚きはなかったですが、ぎゅっと切なくなるような描写がいくつもありました。読後感も非常にさわやかで良いです。

 まず、主人公・いつかくんがいい。イマドキの高校生って感じで、刹那的でちょっとバカっぽいところがあるんだけど、夢に対する迷いとか、あすなに対する想いとか、とても素直で子どもらしくてよかったと思います。 あすなには個人的に結構感情入ってしまいました。「そうそう!」「わかるわかる!」という部分がすごく多い。そういえば私もこんなこと考えていたなぁ……と懐かしくなりました。高校時代のことって意外と忘れていますね。思いだすきっかけになるかもしれません。

 他のキャラも相変わらず魅力的。 特にいじめられキャラの彼が気に入りました。変なしゃべり方が面白くてちょっと笑ってしまった。

(今だって広いとは言えないけど)高校生の時ってこんなに狭い世界で生きていたんだなと、改めて思いました。  またこういう高校生ものを読んでみたいなぁ。 辻村さんの作品には必ずといっていいほど恋愛描写が入っているので、ミステリーも味わってラブも味わってと、すごくお得な気分です。

・「ミステリーの楽しさを教えてもらいました
僕はミステリー作品を専門に読む者ではないので、辻村深月作品にも、ミステリーのおもしろさは求めていませんでした。登場人物の心理描写や、関わり方の推移だけで、充分買った値段分楽しめていました。

でも、この作品では「ミステリーって面白いなぁ。」と思いました。僕にミステリーの楽しさを教えてくれたように思います。

偉そうな感じになりますが、僕は、この作品を読んで、大変満足しました。

辻村深月作品って面白いね。もう、次回作が待ち遠しいです。

・「また?
この著者の作品は多分全作読んでいます。探してまで読みたいと思ったのは、やはり人物の描写が優れていたり、文章が上手だったりという色々な要因があるんです。ですが、この作品を読みながら思っていたのは「また?」という言葉でした。この著者は「自殺」であったり「頭の良さ」であったり、なんだか世界観が偏っている気がしてならないんです。「冷たい校舎の時は止まる」と酷似している。もちろんそれを違った読み方で読ませる筆力はすごいと思う。だけど・・・特に「頭の良さ」には異常なほどのだわりがあるのでは?と気になって仕方ないんです。よほど自分の学力に自信があるのかはたまたコンプレックスがあるのか・・・余計な想像をして本に入り込めないほどに。舞台になっているのが「学校」だから、と言われればそうかもしれない。だけど、引き出し少なすぎないですか?私はちょっと飽きてしまいました。あと気になったのは、他の方もレビューで書かれているように、この著者の他の作品を読んでいないと消化しきれない結末はいかがなものかと思いました。余計なお世話だと思いますが、今から読者を狭めてどうするんですか?と心配になってしまいます。私はメジャースプーンを過去に読んでいましたが、たまたまこの「名前探しの放課後」を辻村作品の中で初めて読んだ人にはなんだか反則のように感じられるのでは。この作品はちょっと期待外れだったかも。

名前探しの放課後(下) (詳細)

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)

・「丁寧な人間ドラマ
辻村深月さんの他の作品をずっと読んでいたので、ちょっと不思議なミステリーものを期待して読み始めました。なので、正直少し驚くくらいに、現実的で正統派な人間ドラマでびっくり…というのが最初に抱いた感想。

私は、辻村さんの小説の、設定の巧みさだとかミステリとしての面白さ以上に人間描写の丁寧さと登場人物たちの人間味に惚れ込んでいたので十分に、…十二分に楽しめました。

相変わらず、伏線回収と読後感の良さも素敵で、最後のタネあかし的な章を読んでいる時は、思わず泣いてしまいました。

私は現在26歳。今でもクロスメディア展開でアニメ・小説・漫画…と広いメディアで活躍されている某ライトノベル作家さんのデビューの時期に、ちょうど思春期、まさに彼の作品に熱中した中高生だった事もあり、コウちゃんと他の登場人物たちの関係性に、共感出来た事も、この作品をより身近な存在として楽しめた要因な気もします。チヨダ・コーキと彼が似てる…って事ではなくて、かつての私にもチヨダ・コーキ的存在は実在して今の私は環たちと同年代で、間違いなく、思春期の頃に触れたいくつかの作品をきっかけに人生が変わったな…という経験を持っている、という部分での淡い共感です。

スロウハイツで登場人物たちと一緒に過ごすような気分でのんびりと週末の2日間をかけて読み、本を閉じた瞬間から、現実の、自分の進むべき道へ向かってひとまずはこの一週間を頑張ってみるか、なんて前向きな気分になれました。

おもしろかったです。興味のあるかたは、是非ご一読いただく価値のある小説だと、私は思います。

・「最高傑作
辻村深月の作品の中で群を抜いていい!随所に複線が張り巡らされていて話が繋がった時の読み応えがたまらないです!

・「予想していたのとはちょっと違うけれど
脚本家の赤羽環が管理人のアパート・スロウハイツ。そこに、漫画家の卵の狩野、画家志望のスー、小説家の千代田光輝、映画監督志望の長野、あと編集者の黒田が生活している。お互いがお互いを刺激しあうようなクリエイティブな空間なのだが、だんだんその人間関係が変化していく。 はじめての辻村さんの作品だからどうなのだろうと思っていたけど、読後感の良さは保障できる。ひとつ屋根の下で、クリエイティブな人間同士が切磋琢磨するお話、ということなのでもっとギスギスした感じになるのだろうか、と思っていたけど、案外そんなこともなく、むしろ最終章で明かされる事実に圧倒された。というか泣いた。あんまり人間同士がいがみあって進行していく話は好きではないのだが、そういうのとはちょっと違う。圧迫感を与えずに読みすすめられるわりに、最終章で泣かせるその技量には脱帽である。一気にファンになった。

・「BEAUTIFUL
美しい。最後のページを読み終えたとき、完璧な世界が現れます。少々長いですが、読む価値あります。

チヨダコーキとL@DEATH NOTEがダブるんですが、作者のイメージとはズレてるんでしょうね。

・「おだやかな物語
トキワ荘をオマージュした作品。人気作家チヨダ・コーキ、売れっ子脚本家・赤羽環とともに、その友人、クリエイターの卵が暮らしている。彼らは日常悩み、苦悩し、切磋琢磨している。ゆえに、作品全体がなにか創造に対する熱に満ちている。

毎日を懸命に生きている。それゆえに衝突と修復を繰り返す。

しかしみな平和に、幸せに暮らしている。

いいですね。このような平和な、おだやかな小説大好きです。

序盤は設定付け、そんな平和な様子、過去の思い出が続く。そしてその中に伏線張りまくり。たった一言のセリフにすら意味がある。

この作品には一応核となる大きな謎が2つある。「コーキの天使ちゃん」は結局誰なのか?「幹永舞」は誰なのか?

このなぞが気にならないほど、小さな事件、衝突などの他の要素が面白い。そしてそこには伏線が張られている。そして忘れたような頃に、その伏線が明かされる。もう飽きさせない。

そして、「派手な事件を起こして、死んでしまわなけば、声を届けてはもらえませんか。生きているだけでは、ニュースになりませんか。」コーキの天使ちゃんによる手紙。感動的でした。

小説などで、創り手側のことをここまで書いている作品は珍しいのではないかと思う。どのキャラも創造にかける想いは同じでも、それに対するスタンスは違う。こんなことを考えて創っているか、とそれを垣間見ることができるのも面白い。中でも、自分の経験をどこまで使うか生かすかの議論はなかなか興味深い。

そしてその分、著者の考え方、価値観が生に出ている作品ではないかと思います。

やや斜に構えた文で、合わない人もいるかもしれませんが、この作品は比較的その癖が薄いと思います。このような平和な、おだやかな小説大好きです。

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス) (詳細)

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

・「恐るべし才能
 まあ新作ということですが、何か芸術家が芸術家について書くとろくなことにならないのでは?と思っていたのですが、これはすごくミステリーの部分が上手く、「人が書けている」、つまりは人物設定が上手く感じてしまいました。 あの「久しぶりです」のところは伏線?かもとはちらっと思っていましたが不覚にも泣けてきました。創作に対する辻村さんの愛とかが滅茶苦茶そこらじゅうに溢れています。 辻村さんは綾辻行人さんの著作に救われたとの発言がありましたが、そこからこう来るとは。 本に救われるっていうのをファンタジー以外でここまで形にできる本作は自分の中ではある種の金字塔です。

・「いきてる
非常に読みやすく、満足度の高い上下2巻です。出勤途中に上巻、帰途に下巻を買い求め、夜には読み終わるという実に充実した1日でした。下巻の途中からカタカタと歯車が噛み合って、過去のストーリーが回りだす、それが非常に心地好く誰かにおススメしたくてたまらなくなった読後を味わった本です。

登場人物の意思や感情がそれぞれすごく生ものっぽくて面白かったし、私には久しぶりのアタリの本でした。

・「サスペンスのない(ちょっとだけ?)おだやかなミステリー
これまでのところ、辻村さんの小説は2タイプに分類できますが、これは「凍りのくじら」系。謎が提示されて、その謎が結末で明かされるというタイプの正統派ミステリーに対し、こちらは謎だと思ってなかったことのなかに謎が隠されていて、伏線として語られる部分的な事実がラストで新たな光をあてられて、一つに結実するというタイプのミステリー。特にこの作品は全体的な雰囲気がとてものんびりしていて、おだやかな気持ちで楽しめます。ラストはいつもどおり、あひる=うさぎ絵のように、語られてきたエピソードが違った文脈におかれその意味を180度変えます。

斎藤孝が自身の教育論を「あこがれへのあこがれ」として語っていますが、この小説はその精神の最良の部分をそのまま物語にしたような内容です。そしてまた例によって、小説を書くことの意味を小説の中で考えるというメタ小説的な営みが続けられています。

・「初めて
失礼な話、辻村さんのことは知りませんでした。この話を読み終わったいまでも覚えているのか危ういです。でも、素敵だと思いました。元からそんなに本は読まないんですが、これは体の芯からなにかが込み上げてきました。伏線という伏線が至る所にたくさんあって、伏線だなんて思えない細かいところまでに仕組まれてます。読んでいる最中、何回も泣きそうになりました。環とすみれのことだったり、コウちゃんとのことだったり…。読んで損はないです!

ただ、描写や時間の移り変わり?が少し分かりずらいところがあるので…。そこはとにかく慣れ、だと思います。

・「またもや一気読み
出版社の新刊案内のあらすじを見たときは、今回はあまり興味を引かれないなと思っていた。が、帰宅途上で本を開いたが最後、気付けば乗り過ごしそうになり、食事も寝る間も惜しく、前回に引き続きまたも一気読みしてしまった。今は、2週目じっくり読み直している。章または段落ごとに登場人物の視点を交代させて話を進めるから、一人の登場人物に縛られず読みやすい。ある作品の登場人物も出てきてちょっと嬉しい。

今作は、割と展開がよめて意表をつかれることもなく、また、ちょっとご都合主義だなと感じる点もいくつかあった。しかし、登場人物がみな魅力的であること、心理描写の上手さは相変わらずで、やっぱりこの作者が好きだなあ!と改めて実感。

次回作も絶対に買うだろうし、待ち遠しく感じるのだろうと思う。

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス) (詳細)

ロードムービー

・「懐かしい、同じことを考えた、と思えれば五つ星でしょう
「冷たい校舎〜」から生まれた短編集。いつも通り(良い意味で)、寂しさと温かさがひしひしと伝わる作品でした。辻村さんの作品を多く読んでいる人ならば、当然『再登場』に意識が向いてしまうわけです。期待してもいいです。ですが、やはり本筋の物語が良い!!誰もが感じたでしょう、先が見えない人生への漠然とした不安・無力感を見事に描いています。短編ですから、そこまで大掛かりなクライマックスは無いわけですが、何と言うのでしょうか、一話目の子供達を気づけば見守ってしまってる自分に驚きました。三篇あるから、三日はかけて読もうとしたのに・・・気づけば読み切っており、「冷たい校舎〜」を部分的に読み直す始末(笑

きっと、この人の作品を読んで何も感じなくなったら、何かを失ってるんだろうなぁ

そう思わざるを得ません。

・「『冷たい校舎の時は止まる』を読み返したくなる短編集
 懐かしさやいとしさを感じるストーリーでした。全体的にふんわりしている感じ。大きな仕掛けはないけど、満足の出来です。

 思わず『冷たい校舎の時は止まる』を最初から読み返したくなる。あれって長いから読むの大変なんだけど、読みたくなってしまいますね。すでに読んでいる人なら「ニヤリ」とできるところが多々あってうれしい。大人になってからの彼らの物語も読んでみたい気もするけど。

 基本的に全部子どもたちのお話なので、『冷たい校舎の時は止まる』を読んでいない人でもすんなり読めると思います。これを読んで興味を持ったら、ぜひ、『冷たい校舎〜』を手に取ってもらいたい。

 温かい物語を語ってくれる作者さんだなぁと読むたびに思います。 

・「コンキチ&ナターシャの絵本ナビ
コンキチ :あえて今回は次男のタクにも登場してもらい鼎談で始めましょう。      短編3話で構成されていますがあえて表題のロードムービーだけの      感想にしましょう、3人ともこの作品が大好きなんです。

ナターシャ:この作品はクラスの人気者トシが、ある仕掛けでいじめられる存在まで      凋落し、ひ弱なワタルくんの存在によって八方塞がりだった時間の      歯車が動き出し、感動のラストまで突っ走ります、最後泣けちゃった!

タクタク :辻村深月さんの本が大好きなんで、お父さんも好きになってくれて      素直に嬉しいです、ぼくのメジャースプーンも好きだし、スロウハイツ      の神様も大好き、ワタルの応援演説が素敵です・・・

コンキチ :トシとワタルの深い友情と小さな正義が辛く美しかったです。      私はワタルの演説前から号泣でした 笑

・「いつまでたっても
辻村深月さんの作品は今迄のものはすべて読破してます。辻村さんの作品にはしかけがたくさんあって、もうそろそろ学習しなよ、自分・・・と思うほど辻村さんのしかけにはまります。(笑

それは多分、辻村さんの作品は先を予測する暇もないほど物語の中にのめりこんでいるからなのだと私は思います。

今回の作品も、辻村さんの得意技とも思えるどんでん返しがひとつめのロードームービーにはあって、残り2作はほっこりと心が温かくなります。感じたことのある焦燥感、虚無感、でもそれだけではなくそれを包み込む埋めて満たしてくれる救いの手が嬉しいです。ハッピーエンドとわかっているのに、不安になる。でもハッピーエンドとわかって安心する。

必ず、「冷たい校舎の時は止まる」を読んでからの方が、この作品の重さもわかるのではないかと思います。

・「キューンと切ない
表題作を始めとする短編3話が収録されています。どのお話も大人になる一歩手前の切ないお話です。☆『ロードムービー』。今までは、学校でも人気者であった主人公のトシが仲間外れに…。唯一の友達は、ワタル君。いじめにも負けず闘い続ける2人に更なる試練が…!どこにもであるお話だけにギューッと胸が痛んだ。それは、ワタル君の言葉の力。常にトシちゃんに遅れをとりがちなワタル君のそのひたむきな気持ちに泣けてしまった。そして、ずっとトシ君だと思って読んでいたらラストでまさかのトシちゃん(笑)。意外でした!! ☆『道の先』。塾ではリーダシップを取っている少女千晶。そして彼女が好きなった相手は、大学生の塾のバイト教師だった!こちらもありがちな設定です。しかし、この世代の少女の気持ちが、とても良く描かれています。大人のようでいて実は、まだ心は大人になりきれず…。受け止めてくれる人がいるだけで気持ちは、やっぱり違う…。

☆『雪の降る道』大切な友を亡くしてしまい深い傷を追った少年。そんな少年を健気に元気付ける少女。そんな少女の明るさそしてひたむきさに素直になれない少年だが…!とにかくひたむきな女の子が、なんとも可愛らしい…。一心に大好きな少年のために尽くす少女。いつも一緒にいるからその存在の大切さに気付かない少年だけれども…。やっと自分の気持ちに素直に向き合う事が出来るようになる。好きだからこそつい甘えそして気付かないふりをしてしまう…。切ない。

ロードムービー (詳細)

太陽の坐る場所

・「和解を描いていると思いました。
頻繁にクラス会を開くF県立藤見高校旧三年二組の十年後。女優となって大ブレイクした同級生のキョウコをいかにしてクラス会に引っ張り出すか。五人のクラスメイトの視点で順番に語られていきます。

「反抗期もなく育った。」と、無邪気に語る人を除けば、誰しも思い出したくない過去や、語る事の出来ないエピソードがあり、会う事が出来ない人がいるものだと思います。この物語でも、学年の女王として生きた響子を巡り、何かのトラブルがあり、彼女や、彼女の周辺には負の思い出が残っている様子です。それが何なのか、物語が進むにつれ、その内容が徐々に明かされていきます。傷ついたのは誰なのか。傷つけられたのは誰なのか。

傷を無かったことにするのも一つの生き方ですし、他人の傷と比較して「軽かった。」と気にしないようにするのも一つの生き方だと思いますが、この小説で語られる向き合い方は、傷を背負ってなお、前向きです。その前向きに生きる自分と、それを理解する友人の心情がエンディングで一つになります。

最後まで読み終えて、僕は思いました。順風満帆に生きているように見えても、または、平凡に生きていても、挫折の中にいても、こんなふうに生きていくことが出来、それを理解する人がいるのだと思えば、生きて行くことはおもしろいことですね。

・「キョウコ
キョウコという女とその同級生たちの物語です。同窓会というキーワードを軸に、彼らが過去と現在を五人が語っていきます。

古事記の天照のエピソードを引き合いに太陽は誰なのか。輝いているのは誰か?という問いかけがあります。劣等感や見栄といったものにも踏み込んで書かれていて、リアルで怖いなと感じました。作者の著作「名前探しの放課後」にもでてきた「地方と都会」の格差やギャップを含めた問題や「名前」という記号に対する考察もあります。この名前というのがポイントにもなっています。ミステリ的な仕掛けです。

この人の作品は青春というか学生時代もしくは十代から二十代前半の時期の主人公が多いので、誰もが過ぎ去った、もしくはこれから通り抜ける経験なので共感できる部分が多いのではないかと。しかし、この作者の視線はすごい。誰もが知っているのに、誰も書いていない。この青春の、人間の部分を書き出す力は本当にすごい。経験したはずなのに完全に忘れたことを思い出します。

本文の、「どんな些細なことであろうとも私は覚えている」、といった言葉と「どれだけつらくても、戦線恐怖していたとしても通り過ぎてしまえば完全に忘れてしまう」という2つの逆の意味の文章が2つとも本当にその通りだなと。

あと、穿ちすぎかもしれませんが、文芸春秋ということで桜庭一樹さんのように文学賞の射程に入れば、多くの人に読まれる機会が増えて嬉しいなとも思いました。

・「怖い!すごい迫力でした。
とにかく、怖かったです。人間が!いや、みんな考えすぎなんじゃないの、裏読みすぎと思って読んでいたら、それ以上に裏があったりして。恐ろしい。でも、思えば教室って、たぶん、そうだった。通過した多くの人にとっては、今となっては、なんでそんなことに囚われてるの?と思うような、昔の出来事かもしれない。でも、何ものにも全く囚われてない人っているんだろうか。気づいていないだけで、きっと今もそれに代わる何か、一歩外の世界から眺めればちっぽけで些細な何かに、やっぱり囚われてるんじゃないかと思う。その息苦しさが、生々しくて、本当に怖かったです。ミステリと呼べるかどうかとか、専門家じゃないのでわからないですが、わたしはとてもドキドキハラハラしましたよ。

・「またか【ネタばれ】
登場する女が全員悪意むき出しすぎてひいた。たしかに悪意を含めた心理描写を売りにしている作品も多いが、これは読んでいてやや不快になった。

なんだか誇張しすぎではないだろうか。女の裏側はこういうものだ、と決めつけて書いている印象を受けた。そのためすべての登場人物がみな悪意むき出しで、全員同じような性格をしている感じがした。こう感じるのは、私が男だからだろうか。

そしてこの作者の作品の、主人公のひとり語りがどうも好きになれない。意味のわからない比喩が多すぎて、周りくどすぎる。文章に歪みを感じる。

締めはお得意の「名前」のトリック。見事だ。伏線はしつこいくらい張っていた。キョウコ、リンちゃん、倫子、みっちゃん、里見、聡美。鳥肌が立った。読みかえしてみると、いかに丁寧に設定を作ったかがよくわかる。最後はハッピーエンドに落ち着くものよかった。

だが、またこのパターンか、と感じたのも確か。もっとほかのテイストの作品を期待したい。

・「辻村さんのファンにおすすめ
この作品は、5人の視点を通して描かれているのですが、個々の登場人物の描写が大変秀逸です。元々人物のかき分けが上手な作家さんだなと思っていましたが、作品を経るごとにキャラクターの幅や心理描写に厚みが出ています。また、伏線の張り方も毎度の事ながら丁寧です。種明かしをしたときに改めて「なるほど!」と驚ける。辻村さんらしい仕掛けのある作品に仕上がっているのではないでしょうか。

ただ今回の作品に限って言えば、それぞれの心理描写が巧みであるために、かえって登場人物がみな同じに見えてしまうところがある気がします。語り手のほとんどが女性なのですが、多少の性格の差はあっても、結局気にしていることや価値基準が同じところに行き着いているように思えました。一人二人ならまだしも、はたして語り手の全員が似たような価値基準というのはどうなのだろう。きわめて個人的な欲を言えば、もっと違う価値観で動いているキャラクターを出してもよかったのかもしれないと思います。私は女性読者ですが、上記の部分に関して共感のしづらさを覚えました。(という理由で、☆をひとつ減らしました)

『子どもたちは夜と遊ぶ』や『凍りのくじら』にあるような、読後感のさわやかさなどはあまり期待できないかもしれません。辻村さんのファンで、辻村さんの作品ならどんなものが来ても好き! という人にはおすすめできる本だと思います。

太陽の坐る場所 (詳細)

アイスマン。ゆれる

・「おじさま作家が描く30代女性たち(笑)
仕事、結婚、病気の親…などに想いが揺れる30代の女性たちを中心に描いた梶尾作品ではちょっと異色の作品かも。 友情か愛情か、自分の人生か病身の親か…など誰しも抱えうる葛藤がSF要素をスパイスして絡み合ってます。

120%甘めのハッピーエンドではなく、切なさやほろ苦さの残る読後感です。

☆を5つにしなかったのは、過去作品で自分の中の「ピカイチ!!」がいくつかあるから(笑) それと、女性たちの描き方としてファッションや小物の描写に物足りなさを感じる人もいるかな〜と思ったので

お酒と食べ物の描写が細かいのは作者の趣味が出てるな〜とも思いますよ(笑)

・「恋まじない、熊本にて
アイスマンとは、主人公の女性に与えられた、ニックネームだ。ファンタジックな話ではあるが、まじないにより、男女の恋を成就させたりする。

主人公は、三十歳を少し過ぎるが、病気の母の看病、友人との約束、そして、かなわぬ恋?と、悩みは尽きない。しかし、この主人公って、人情味あふれる人だけど、少々押しが弱いのが、難点か?

テンポ良く読み進む事の出来る文体、そして、恋愛感情も絡んだ、楽しい内容。また、何より楽しみなのは、著者の作品の常である、意外な結末だ。

物語には、紆余曲折は多いが、終盤に至るまで、少々平凡な結末に収束するものと、思われた。ところが、最終部分は、全く想像出来なかった内容となっている。やはり、「意外な結末」という予想は、裏切られなかった。

本書には、友情や親子の情愛、恋愛などがぎっしりと詰まっている。それらは、終始、熊本を舞台に描かれる。

焼肉屋で肉を注文する下りでは、カルビ、ロースなどに混じって、馬という文字も見える。食べ物の話題も豊富で、そこにも、熊本を感じさせてくれる。

余韻は、けっして悪くは無いので、ご安心を。

アイスマン。ゆれる (詳細)
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