死神の精度 (文春文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「短編集の見本のような優れた作品」「クールで愛嬌ある主人公の「死神」が遭遇する多様な人生模様!」「「死神」のキャラクターが素晴らしい」「さすが」「CDショップに集う死神たちを見れるのはこの本だけ。」
ゴールデンスランバー (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「過去を称えるやさしさにあふれている傑作」「新作は大作。伊坂幸太郎氏の作家人生における注目すべき一書!」「こんな作品を待ってました。」「伊坂ミステリーの妙を堪能しました」「伊坂ワールド堪能」
魔王 (講談社文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「人間の「思い込み」の危うさを描いた小説」「洗脳された」「で、どうしたのその後。。。。。」「伊坂氏の真摯な問いかけ」「結構、爽やかな読後感と感慨深さ」
モダンタイムス (Morning NOVELS) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「賛否両論でしょう」「「システム」の検証を論文じゃなくて小説で。。。」「メッセージを読み取る作品」「ネットワーク社会への警鐘」「奥深い」
重力ピエロ (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「良くて悪い、計画と結末」「シンプル」「自分の中の正義を信じるのなら」「伊坂さんらしい作品」「(月並みで恥ずかしいですが)傑作!」
文学・評論>ミステリー・サスペンス・ハードボイルド>日本の著者>あ行の著者>その他
Browse Refinements>Format (binding)>文庫
Browse Refinements>Label (feature_browse-bin)>文庫レーベル>文春文庫
Browse Refinements>Publisher Browse Refinement (feature_six_browse-bin)>は行>文藝春秋
Browse Refinements>Format (binding)>単行本
Browse Refinements>Publisher Browse Refinement (feature_six_browse-bin)>さ行>新潮社
Browse Refinements>Label (feature_browse-bin)>文庫レーベル>講談社文庫
Browse Refinements>Publisher Browse Refinement (feature_six_browse-bin)>か行>講談社
・「短編集の見本のような優れた作品」
すばらしい!優れた短編小説集の見本のような作品です。主人公は、死神。その死神はこれから死を向かえる人間の資格調査(?)のため7人の人間に出会う。
そこには、シンデレラ・スト−リ−、ロ−ド・ノベル、本格密室推理など、バラエティ-に富んだ展開が待っている。さらに、短編らしく意外性がありながら余韻を残した結末が、作者のセンスを物語っている。
そして、最終章では、はっとする展開やすがすがしいばかりの結末が・・・。
キャラ作りの天才である作者の真骨頂である、主人公のディテ−ルも、申し分なく音楽好きな死神がすこしKYなところがありながらも、作品の雰囲気をかもし出してくれている。
映画が楽しみな一冊でした。
・「クールで愛嬌ある主人公の「死神」が遭遇する多様な人生模様!」
美容院でいつもカットを担当している女性に本書を薦められた。そういえば映画のプロモーションを見た覚えがある。本書のような作品―ジャンルでいえば、やはり推理小説部門に入るのだろう―は私にとって実に新鮮というか、味わいに富んでいるという印象だ。
主人公の死神の「センス」もなかなか面白い。彼にとっては真剣な受け答えであっても、人間からすれば「馬鹿なこといいやがって!」と憤りを買うシーンが多い。コミカルな会話が、死神という取っ付きにくい対象を和ましてくれる。クールで愛嬌に富み、そして愉快な「死神」の存在感に惹かれた読者は、何の抵抗もなくすべての話を通読し終えるはずである。基本的には短編集でありながら、それらは意外にも繋がりをもっているので、それが分かると何となく嬉しくなる。
最終話「死神対老女」に登場するこの「老女」は、きっとそれ以前の作品に出てきたあの女性であろう。ミュージックに目がない「死神」が老女の店で骨董品のラジカセから流れてきた曲を歌っていたのはあの女性だなど、巧みにそしてさりげなく仕込まれた伏線にわれわれ読者はちょっとした感動を覚える。全編を読み終えてみて、なんだか心地よい落ち着いた佇まいに自分がなっていることに気がつく。
1971年生まれという若い伊坂氏の作風に、私自身がちょっと酔っているのかもしれない。「俺が仕事をする時はいつも雨なんだ」(290頁)とはいうものの、最終話では初の晴天に遭遇する。雨上がりの清々しさは心地よく、うっすらと虹がかかり空気も澄んでいる光景が思い浮かぶ。「心が洗われる」感覚なのだろう。全6話に登場する人間は実に多様性に富み、それが主人公である「死神」の存在感を高める要因にもなっている。私にとっての読後感はすこぶるよい。こうなると伊坂氏の他の作品にも手が伸びる可能性が強いが、しばらくは禁欲しよう。今は本書を薦めてくれた美容院の彼女にお礼をいいたい。
・「「死神」のキャラクターが素晴らしい」
「死神」を主人公にした連作短編集です。
それぞれが、ミステリーの短篇として読み応えのある作品になっています。探偵役の「死神」が人間社会の動静に関心がないだけに、より客観的な考え方をしており活きていると思います。
それと、この「死神」のキャラクターの造形が、雨男でミュージック好きということで、人間くさい面を持っており、しかも「情」を感じる面が強く、そのことが物語の登場人物に深みを与える結果になっています。 その一方で、住む世界が違うことから来る、やりとりのちぐはぐさもあって、ユーモラスな面も備えており、楽しく読むことが出来ます。
気楽に一気に読める楽しい本でした。
・「さすが」
今や、伊坂幸太郎と言えば押しも押されぬ作家です。今更ですが、うまいの一言です。
この死神の精度は特に、人の死を扱っているけれどお涙頂戴にならない淡々とした作品です。
どうしても、最近の多くの作品は劇的展開を望みがちですが、この作品読んでいると、そんなものはいらないと思います。
いかに、中に描かれている一人一人の人物を的確に描くかが大事なんだなーと思います。
そして、死神がむっちゃかっこいいです。映画化されるそうですが、果たして、この死神が描ききれるのか心配なくらいです。
決して押し付け出ない感動をもたらしてくれます。文庫版なんで、求めやすいはずなので、一読をおすすめします。
・「CDショップに集う死神たちを見れるのはこの本だけ。」
「死神」を題材にした小説。この作品の死神は死期の迫った人間の前に降り立ち生死を決めていく。7日間調査して死ぬべきかどうかを判断するのだが、本作の主人公・千葉(死神)はかなり適当に生死を決める。人の死に対して全く関心のない彼はCDショップの視聴機でミュージックを聴くのが至上の幸福。ラジオから流れるミュージック、喫茶店のミュージックなど音楽に眼がない死神。そんな千葉が出会った6つの物語と男女が描かれた小説である。
本作は「死神の精度」「死神と藤田」「吹雪に死神」「恋愛で死神」「旅路を死神」「死神対老女」というふうに6つの短編になっている。短編と言ってもどの話にも死神・千葉が登場しているのが特徴。ストーリーごとに登場人物やシチュエーションが異なっており、極道同士の抗争のまっただ中だったり吹雪で閉ざされた洋館で起きる惨劇だったりと、死神は時と場所を選ばない。千葉の担当する人間はみな死期が近いが、その人の悩みや境遇などを聞くことで「可」か「見送り」かを判断する。「可」だったらそのまま死に、「見送り」だったらそのまま生きることができる。生死を決める7日間は無情にも死神と人間との最後の交流の時なんです。
この本の最大の魅力は主人公の千葉です。物事に動じないクールな印象に反して世間に疎くて人の気持ちが理解できないでいる。しかし6つの話の6人に出会いそれぞれの心情に接していく内に、人間とはなにか、死とはなにかを考え始める。もちろん読み手の私も考えさせるものでした。また、テンポのイイ文体と死神ゆえの世間に対する純粋な疑問を述べるシーンは特筆すべきものがあります。
伊坂幸太郎は今まで社会にハズれた人物を描いてきたが本作はその最たる作品だと思います。最近の小説としてはかなり読みやすく、この小説から伊坂幸太郎作品に入るのもオススメです。とにかくCDショップに入ってしまう死神のユーモラスな描写がとっても親近感が湧く素敵な作品。
・「過去を称えるやさしさにあふれている傑作」
伊坂幸太郎の小説のすごさは、構成力だと思う。点と点がいつしか線となり、大きなうねりを持って迫ってくる。そんな文章力が、一番の魅力だと思っていた。でも、今回の作品は、そんなことがちっぽけになるくらいに愛に満ちあふれていた。くだらない時間を一緒に過ごした学生時代の友人、そして一度別れてしまえば最も遠い存在になってしまう“元カノ”が登場するわけだが、時を経てもなお彼らの間に流れる“信頼感”は、目の前のとんでもない状況を凌駕するくらいに深い。自分の軸の所在をきちんとわかっているというか、自分の中の優先順位にきちんとケリをつけられているというか、そういう潔さに胸が熱くなる。変わっていっても、同じように大事なもの――その深さに胸を打たれた。話の軸は首相暗殺事件なのに、変わっていくことや、過ぎてしまった時間を称えるような優しさにあふれている大傑作です。
・「新作は大作。伊坂幸太郎氏の作家人生における注目すべき一書!」
伊坂幸太郎氏の最新作だ。帯には「伊坂的娯楽小説突抜頂点」と明記されているが、たしかに彼自身の持ち味が十分に活かされた読み応えある作品だった。個人的にジョン・F・ケネディ暗殺事件には関心があったので、それをモチーフにした本作品の展開構成には最初から惹かれるものがあった。さまざまなシーン・会話が見事に繋がり、立派なオーケストラの演奏を味わっているような感覚に浸ることができるのは伊坂氏の筆力である。タイトルも印象的だった。
首相暗殺の濡れ衣を着せられたある男と彼を偶発的に応援するかつての友人達らとの触れ合いに多くのことを考えさせられた。しかも500頁を超える大作であるため、読了するまでに意外と時間がかかった。一気に読み終えた読者もいるかもしれないが、私には大変だった。興味深い作風・内容であるとは思いつつも、途中で頓挫してしまうのではないかと幾度も危惧した。今こうしたレビューを書いているのは、きちんと最後まで読み終えたからである。当然のことではあるが、今回ばかりはそれが何より嬉しい。
「第四部:事件」がとにかく長い。自分が「逃亡者」にでもなったスリリングな気分になるが、関心事は「最終的にはどうなるんだ?」という一点だ。十二分に読者を引っ張っておいて、「第五部:事件から三ヵ月後」のコンパクトな締めくくりがかえって心地よかったりする。最後にもらった「たいへんよくできました」というスタンプは一体どんな意味を持っているのか。このエンディングに私は安堵した。そして伊坂氏の人間らしさを何となく垣間見たように思うのである。伊坂的娯楽小説の貫徹ともいうべき本書のメッセージとは何か。本書を通じて作者は読者に何を感じ取ってほしかったのか。「娯楽=エンターテイメント」という単純な話ではないだろう。「現時点の集大成」というから、今度も彼の作品は進化を遂げてゆくということだろう。私なりに注目していきたい。
・「こんな作品を待ってました。」
とにかくノンストップで読みました。面白くて、途中で止めることが出来ませんでした。私も主人公・青柳と一緒に一気に走った感じです。
女二人の会話から入る第一部が、まずいいです。何とも平凡だけどどこか軽妙な会話に引き込まれる中、あっと驚く事件が起こります。そのあとは過去と現在を巧みに行き来して、ストーリーは展開します。ちょっとした会話の中にも伏線があり、あとあとそれが「なるほど!」と思わせるし、登場人物はそれぞれなんだか適当に喋っているようだけれども、すごく物事の本質を見抜いていて、ドキッとさせられることばかりでした。
読後感は、何故かデビュー作の「オーデュポンの祈り」を読んだときと似ていました。あの、初めて読む種類の小説!と感じた新鮮さです。更にパワーアップしたものですが。正直言うと、みんなあまりにも無条件に逃亡者・青柳に手を貸すし、うまい具合に話が進みすぎる(たった二日間なのに!)という感もあるのですが、それは許せるぐらいのおもしろさです。でも面白いだけじゃなく、ホロッとさせる部分もあるんですよね。わたしは3箇所でグッときました。そしてラストがまたいいんです!
う〜ん、書き切れません。とにかく、オススメです!
・「伊坂ミステリーの妙を堪能しました」
杜の都・仙台を舞台に、仕組まれた首相暗殺事件の犯人に仕立てられた男が、必死の逃亡者として逃げ切り、生き抜こうとするストーリー。
謀略者や警察、マスコミによって作り出された男のにせの姿が、男をよく知る親友たちと主人公が関わっていくなかで、真実の姿へと変わっていく。最初のうちは、虚像として映っていた絵をばらばらにして、あるべき場所にパズルのピースをはめこんでいくと、最初の像とは全く違う青柳雅春の実像が浮かび上がってくる、そんな感じ。ぱたり、ぱたりと、主人公・青柳雅春の虚像が引っくり返されていく展開が小気味よく、絶妙でしたね。
暗殺事件の真相は、事件当時のものとは違っていたことを明らかにした上で(事件から20年後の話を描いた後に)、黒い霧の中に葬られた事件を、カットバックを巧く使いながら描き出していく話の展開、伏線の生かし方も見事だったな。 殊に、青柳雅春の必死の逃避行を描いていく中に、彼と親友、恋人との思い出の光景が差し挟まれるところがよかった。容赦のない、冷酷無惨な謀略事件と比べると一層、彼らの脳裏に浮かぶ思い出の風景が、あたたかく輝いているように見えました。
久しぶりに読んだ伊坂ミステリー。これは面白かった!
・「伊坂ワールド堪能」
伊坂作品は、伊坂ワールドを楽しむためのエンターテイメントです。
★1つ評価の方のレビューにもうなずけるところはありました。確かにこれを「ミステリー」と捉えるのは、私も無理があると思います。
オーデュボンの祈り、モダンタイムスもそうでしたが、何が起こったのか?はこれから始まるショーのきっかけ=客寄せパンダ的な存在に過ぎず、そこで繰り広げられる人々が織り成す幾何学模様のような伏線の交錯が楽しいのです。
なので、音楽と同じでもはや「好き」or「嫌い」、自分に「合う」or「合わない」という感覚のものだと思います。
文学という芸術に属するのか?と考えれば、新ジャンルとして確立されつつあるのではないでしょうか。
とにかく今回も伊坂ワールドを存分に堪能できたので大変満足です。徐々に楽しませて、ふくらませて楽しませて、最後に向かってぎゅぅっと絞られ、ふわっと放たれる…あの感覚がたまりません。
・「人間の「思い込み」の危うさを描いた小説」
人は、世の中の流れに流される者も逆らう者も、その根拠があるにせよないにせよ、自ら「ある考え方」をどこからか選んできて、その考え方を自分のものにしてしまい、それをときには「信仰」して生きているのでしょう。
それが人の行動に影響を及ぼす事は言うまでもありません。
宗教、政治的観念、大小様々の思想、哲学、、、これらすべて個人的な信仰の対象です。そして、人はそれぞれ自分の信じた、選んだ、、、「主観的な真理」をなにかしら持ち歩いて生きているのだと思います。
伊坂幸太郎さんの「魔王/呼吸」という一対の小説は、超能力?による奇跡的な事柄や、政治的な問題を物語の前面に押し出しながらも、人間心理の脆さ、危うさ、「信仰、思い込み」によるその恐ろしい一面を、それこそ作家自身の超能力を駆使して登場人物に語らせ、行動させて表現しています。その危うさは、対決(反動)せざるおえないという人間の本性と同様、隠されていてなかなか見えないものです。
「魔王」とは、、、全体主義者や平和主義者や無関心な大衆のように決して目に見える存在ではないのだと思います。
このレビューを書いているおれも、危うい思い込みやろうのひとりです(^^)
・「洗脳された」
伊坂さんの作品には毎回影響されてるけど、この作品ほど自分に変化を与えた作品はないと思う。個人的に一番好きな作品。
情報って、メディアを通じて自分の耳や目に入ってくるわけだけど、メディアっていうフィルターを介すことで、どっかの偉いやつらに操作されてる感じがする。そんな情報を鵜呑みにしてる人達がたくさんいる。我々はある方向に束ねられている。お偉い様のご都合主義で。ボーっとしてたら時代に流されてしまう。俺達は考えなければいけない。常に考えなければいけない。自分の力で。インターネットが生まれて、検索が容易になったことで俺たちはなんでも調べるようになってしまった。考える力の欠如だ。また、時代に流されないためには、情報を遮断するというのも一つの手だ。お偉い様たちの情報操作の魔の手の範疇の外にいればいい。でも俺は職業柄、時代を誰よりも知る必要があるから後者の方法は選べない。でも時代に流されたくない。とにかく時代に流されたくない。自分の信念を貫き通したい。その結果、貧乏になろうともかまわない。人生にとって一番大事なことは自分を見失わない、ということだと俺は思う。
・「で、どうしたのその後。。。。。」
伊坂さんの魅力は投げっぱなしなところです。メインのストーリーは一応の完結はみるけど、あとは投げっぱなしです。だから、他の作品とリンクしてくるんだけど。漫画家に喩えると石川賢です。なので伊坂作品を最初によむのはこれです。間違っても「重力ピエロ」は読まないように。あっ駄作があったっていいでしょ。天才のうんこですよ。
・「伊坂氏の真摯な問いかけ」
以前からの伊坂氏のファンであった方ならばきっとハードカバー版をお持ちのことでしょう。そういった方も、小学館刊行の漫画で興味を持った方も、充分買う価値のある文庫版です。なぜなら、主人公たちの台詞等で幾つかの変更点があり、「エソラ」で発表されたときから四年近く経った氏の思想の変化を感じ取ることができるようになっているからです。私は漫画版からハードカバー版、そして文庫へと進んでいった人間ですが、ハードカバー版を読んでから文庫版を読むと、特に「呼吸」での潤也の最後の台詞が感慨深く感じます。詩織同様、不思議な安堵を覚え、こちらまで勇気を与えられる……そんな感じでしょうか。決して後味の良いだけの作品ではありません。「魔王」のラストなどはとても悲しいものです。それでも力強く爽やかで、心を震わせる感動がある。この力こそがまさに伊坂小説の魅力でしょう。文庫版あとがきで、氏は「特定のメッセージはない」と書かれています。しかし、安藤の迷いや潤也の生き方、犬養の言葉などは、皆、読者に対する「考えてください」という真摯なメッセージなのではないでしょうか。文庫版では330ページから333ページにおいて書かれている犬養の発言は、まさにそれです。説教臭さよりも何よりもまず、小説家・伊坂氏の真摯な考えを感じさせる台詞。2008年9月現在、日本のみならず世界中の政治が揺れている今だからこそ、普段、惰性で政治を眺めている人たちに読んでほしい傑作です。
・「結構、爽やかな読後感と感慨深さ」
本作品は少年サンデー連載の「魔王」の原作です。但し、根本に流れる思想はほぼ同一ですが、かなり違うものです。・表紙及びタイトルは悲壮感じみていますが、本書内容は「文学」的です・読後感も結構爽やかですし、サクサク読めます・自分でしっかり考え、周りに思考停止状態で追随しないようにしよう、と思います私はコミックを読んで、原作を読みました。どちらも良い作品だと思います。お勧めします!
・「賛否両論でしょう」
実験的な作品です?そしてある意味で現在までの伊坂幸太郎の集大成です。伊坂幸太郎のエッセンスはいたるところに散りばめられてます。しかし微妙なところをつきましたね。好きな人にはたまらないはず。姑息なのに姑息じゃない。そんな感じです。物語は破綻寸前かもしれないし、そうじゃないかもしれない。それでも絶妙のキャラクターに導かれて成立しています?私にはかなりツボでした。そういえば、井坂幸太郎が、こんなストレートな愛を表現するのは珍しいのではないでしょうか?「勇気は彼女が持っている。俺がなくしたりしないように」このセリフだけで私には充分です。ただし、魔王と呼吸を読んでいなければサッパリでしょう。そして伊坂幸太郎を好きでなければ最低の一冊になるでしょう。(伊坂幸太郎が好きでも最低の一冊になる人もいるかも。)
・「「システム」の検証を論文じゃなくて小説で。。。」
”ページターナー”伊坂、復活の一幕である
本屋大賞にまでなった「ゴールデンスランバー」には感心しなかったが、あれはあれでローカリティとナショナリティを繋ぐ語り部である伊坂の第一期集大成にはなっている。そして本作ではいよいよ伊坂は仙台を出て政治と産業経済の中心、東京に舞台を移した。これは大きなことだ。ついでに「魔王」の続編にするために時制を近未来にまで移した(これには疑問がある。近未来はもっとローカリティが重要視されるのだから)
ポイントは、「システム」と「スキン」の関係にある。日本のシステムは第二次世界大戦後、60余年をかけて構築されている。昨今、その「システム」の綻び、ズサンさが目に付くが抜本的な変更はない。現政権は所詮、60余年に渡って構築されたシステムのスキン(皮膚)に過ぎない。ついては「システム」が変わらなければ政権が交代しても、所詮はスキンが変わったに過ぎないということでもある。G民党だろうとMン主党だろうと何も変わらないだろう、という我々の直感はスキンが変わってもシステムは変わらないだろうという虚無感に他ならない
このシステムとスキンの関係を見事にエンタテインメントの領域で表したのが村上春樹の「羊たちを巡る冒険」「ダンス ダンス ダンス」「ねじまき鳥クロニクル」で、その後を継ぐことになったのが伊坂の「魔王」と本作であると言える。村上は「システム」への違和感を描いたが、伊坂の時代になればその違和感を、もっと具体的に異物感として描くことができた
また読み解くためのキーワードはいくらでもある。伊坂が本作での「五反田」という登場人物についての言い訳をしている(巻末)が、主人公「渡辺」「五反田」はいずれも村上作品の主要な役割を持っているし、兎男には当然、「羊男」を見てとることも出来る。本作にあるようにそれは「偶然であって、偶然ではない」ことを示すものだ(が、兎男は映画「ドニー・ダーゴ」のキャラクターでもある)。直接的にも間接的にも伊坂は村上とスティーブン・キングの方法論を獲得した新星として、やたら滅多らにキーワードを蒔いている。キーワードがそれぞれに芽を出し、意味を成す。それは本作にある劇中小説「苺畑さようなら」(タイトルは”ライ麦”であり、内容はチャンドラーだ)がそこにキーワードを散りばめることで謎を解く仕組みになっているように、「モダンタイムス」全体にも”検索”すべき語に枚挙の暇はない
そろそろ賛否が分かれてもいい時期だが、賛否を揶揄するには一読が肝要まずは読んでみることだ
僕は次の伊坂が、どこまで「システム」に切り込めるかを楽しみにしていよう
・「メッセージを読み取る作品」
最近の伊坂作品はパターン化してるのでは?というレビューには確かに否めない。1冊の本を通して物語が完結していない、ゴール地点にて複数の糸が手繰り寄せられる感じがないというレビューにも否定は出来ないが、それは読み手側が何に重きを置くかで異なる。
文章から、言葉から何かを得たい、考えたい人にとってはとてもお勧めの作品です。私はゴールデンスランバーより好きですね。
・「ネットワーク社会への警鐘」
とにかく面白い!ページをめくる手が止まらず,一気に読み進んでしまう.
個性豊かな登場人物により,ストーリーがさらに面白くなっている.特に著者の名前と同姓同名の好色作家・井坂好太郎には笑ってしまった.
ところで,物語の舞台は『魔王』から50年ほど未来の日本社会となっている.ウェブ検索で特定の単語の組合せを検索した人物には必ず不幸が訪れるという,ネットワーク社会への警鐘が込められている.
これは資本主義社会の在り方を痛切に皮肉った,1936年に制作されたチャールズ・チャップリンの代表作『モダンタイムス』をモチーフにしているものと思われる.
・「奥深い」
『魔王』の続編。*とあるネットのシステムの検索が要因となり監視。とある単語を羅列して検索するとある企業の監視下に入り、それを検索した人物達が恐ろしい目に遭遇してしまう。果たして、何が目的の監視なのか?その背後には、いかなる事件が隠されているのか?☆長かった…、そして伊坂ワールドでした^^;☆ネット社会だからこその怖さ。そして、何を信じたらいいのか分からなくなる怖さがあった。☆しかし、個人的に物語ウンムンよりもこのお話の中に出て来る蘊蓄が、結構心に残った。自分達では、システムを作り上げそれを巧く実社会に反映しているかのように思っているけれども…。大きな社会の歯車の中で踊らされているに過ぎない。それに気付いた所でどうしようもない(虚無にすぎない)。目の前の小さな事のために働くのだ…。伊坂先生の御言葉、なかなか深い!!
・「良くて悪い、計画と結末」
重力ピエロは伊坂幸太郎の初期の作品ですが私の中ではまだこれを超えるものは出てない。ミステリー的な謎解きや伏線に、それほど驚きはないし一気に読ませるようなストーリー構成のうまさでは最近の作品のが完成されていると思うしどんどん面白く進化しているとは思うのだけれど…でもこれが伊坂幸太郎の原点だ!と勝手に思っています。
兄である主人公と、弟の春。春は、母親がレイプされた結果身ごもった、半分だけ血のつながった弟だ。ある日主人公の会社が、最近起きていた連続放火の被害をうけ、放火現場の近くに必ず残されている落書きに気づいた春は、兄とともに調査を始める。たまたま身近で起きただけのはずの連続放火とグラフィックアートの関係の謎と許せない犯罪がなければ自分の存在がなかったという、矛盾を抱えた春の存在が次第に深く絡み合って…。
犯罪を憎む気持ちと、それがなければ存在しなかったという矛盾を抱えた家族。物語はすごく重いテーマをはらんでいるのだけれどその文章は、軽く、明るく、うつむくところがない。それはまさに物語の中で春がいう台詞通り。「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」これが伊坂幸太郎の文章の根っこの成分なんだろうな、と思います。
彼らの母親の選択も、父親の揺るがない信念も主人公がやろうとしたことも、物語の結末の、春の行為も正しくなかったことも、あるかもしれない。いや、はっきりと、してはいけないこともある。けれど、読み終わったあと、嫌な気持ちにはならない。
それは多分、彼らの決断が、自分の正しさを信じる一種の狂気のようなものではなく勧善懲悪のような、わかりやすい気持ちよさでもなくただ空中ブランコのピエロが、一瞬だけ重力を忘れさせてくれるようにすべてを越えてふわりと飛んでいくような、軽やかなすがすがしさを感じさせてくれるから。
まさにこれが伊坂作品の真骨頂、と思うのです。
・「シンプル」
在り来たり、と言ってしまえば其れまでなのですが、シンプルで読みやすいです。でも、決して単調な訳ではないですよ。
文章も非常に推敲されている気がするし、読んで得した気分に成ります。伊坂 幸太郎の本を読むのは初めてだったのですが、其れでも十分楽しめました。
是非、他の作品も読んでみたいと思わせる一冊です。
・「自分の中の正義を信じるのなら」
小説だから許されるラストなのだろうとは思います。これを是とするか、否とするかは人によって異なると思いますが、私は大変すがすがしいラストだと感じました。現実社会の理不尽な犯罪について憤りを感じている人も多いのではないでしょうか?それが法治国家だといわれても、「罪を憎んで人を憎まず…なんてキレイごといってられるかぁ!!」と思ってしまうことはありませんか?そんなときに、この小説は救いになると思います。私は大好きな1冊になりました。
ちょっと芝居がかった登場人物の台詞や行動も魅力的です。
・「伊坂さんらしい作品」
伊坂さんは一般的にミステリー作家ということになっているようですが、一口にミステリーと言っていいものかいつも迷います。なにか必ず人間臭さや救いがあり、あったかいものが読後に残ります。「重力ピエロ」もまた然り。この作品は自分のルーツについての問いがテーマなのですが、重い内容にも関わらず淡々と、時には格言を用いて冗談交じりに話が進みます。格言や哲学、映画好きには面白いのではないでしょうか。自分の中で葛藤がある人にもお薦めします。好きか嫌いかの真っ二つに意見が分かれるとは思いますが、私は今のところ伊坂氏の作品の中で一番の傑作だと思います。
・「(月並みで恥ずかしいですが)傑作!」
タイトルからして正にそうなのですが、微妙にズレているのにそれがいちいち快感で、細部のフレーズも感覚的に妙にしっくりくるものが多く、全体の枠組みも実はしっかり作り込まれており正にオリジナルな世界を確立しています。こうした特長を全て受け継ぎつつ、寓意のない寓話、騙し絵、エンタメに続く本作は私にとっては驚きの大感動作でもありました。
ワンコインで文庫を買えなくなって以降余りに馬鹿馬鹿しくて日本の小説を読まなくなって仕舞いましたが、久し振りに金を出して買う価値のある小説家に巡り会ったと断言出来ます。
ケータイからは、シンプル・アマゾン通販(モバイル版)をご覧下さい。
シンプル・アマゾン通販は、安心・安全のネットショッピングAmazon.co.jpの商品を紹介しています。
簡単アフィリエイト:あなたのAmazonアソシエイトIDをアドレスの最後に付けるだけで簡単キャッシュバック!(例:2sas.net/?yourid-22)一度IDを付ければ、シンプル・アマゾン通販内の全商品が紹介料の対象になります。アソシエイトIDはこちらから登録可。