シンプル・アマゾン通販:セレクトリスト

[Simple Amazon]

-CD-DVD-ゲーム-おもちゃ-ホビー-PC&電子機器-PCソフト-家電&雑貨-アパレル&シューズ-ジュエリー-時計&バッグ-スポーツ&アウトドア-コスメ-ヘルス&ビューティ-ベビー&マタニティ-食品&飲料-アダルト | モバイル版(ケータイ)

▼アメリカン・フィルム・ノワール傑作選:セレクト商品

黒い罠【ユニバーサル・セレクション1,500円キャンペーン2009WAVE.1】 [DVD]黒い罠【ユニバーサル・セレクション1,500円キャンペーン2009WAVE.1】 [DVD] (詳細)
オーソン・ウェルズ(監督), ジャネット・リー(俳優), ヴィクター・ミラン(俳優), ジョゼフ・キャレイア(俳優), レイ・コレインズ(俳優), ジャ・ジャ・ガボール(俳優), エイキム・タミロフ(俳優), モート・ミルス(俳優), ジョアンナ・ムーア(俳優), マレーネ・ディートリッヒ(俳優), チャールトン・ヘストン(俳優), デニス・ウィーパー(俳優)


過去を逃れて [DVD] FRT-258過去を逃れて [DVD] FRT-258 (詳細)
ジャック・ターナー(監督), ロバート・ミッチャム/ジェーン・グリア/カーク・ダグラス/ロンダ・フレミング/リチャード・ウェッブ/スティーヴ・ブロディ/ヴァージニア・ヒューストン/ポール・ヴァレンタイン/ディッキー・ムーア(俳優)

「たくらむ女、堕ちる男、フィルム・ノワールの典型。」「男性憎悪的な美しき悪女」「安い」「すごく面白かった!」


罠 [DVD]罠 [DVD] (詳細)
ロバート・ワイズ(監督), ロバート・ライアン(俳優), オードリー・トッター(俳優), ジョージ・トビアス(俳優), アート・コーン(脚本)

「単なるボクシング映画以上のマスターピース。」「ボクシング映画の古典」


ローラ殺人事件 <特別編> [DVD]ローラ殺人事件 <特別編> [DVD] (詳細)
オットー・プレミンジャー(監督), ジーン・ティアニー(俳優), ダナ・アンドリュース(俳優), クリフトン・ウェブ(俳優), ビンセント・プライス(俳優)

「「恋愛とは妄執である」 そしてあなたもローラに心奪われていく」「スムーズでロマンティックなフィルム・ノワール。」


三つ数えろ 特別版 [DVD]三つ数えろ 特別版 [DVD] (詳細)
ハワード・ホークス(監督), ハンフリー・ボガート(俳優), ローレン・バコール(俳優), マーサ・ビッカーズ(俳優), レイモンド・チャンドラー(原著)

「ボガートとバコールの息がぴったり」「これぞハードボイルド」


拳銃魔 [DVD]拳銃魔 [DVD] (詳細)
ジョゼフ・H・リュイス(監督), ペギー・カミングス(俳優), ジョン・ドール(俳優), ベリー・クローガー(俳優), マッキンレイ・カンター(脚本)

「B級ながら、一級!」「約4分間の長廻し」「佳作」


街の野獣 [DVD]街の野獣 [DVD] (詳細)
ジュールス・ダッシン(監督), リチャード・ウィドマーク(俳優), ジーン・ティアニー(俳優)

「闇と光、動きと表情を駆使した快作。」「男たちの運命を突き放した感覚で描くところが魅力的」「ジュールス・ダッシン『街の野獣』を見た」


東京暗黒街・竹の家 [DVD]東京暗黒街・竹の家 [DVD] (詳細)
サミュエル・フラー(監督), ロバート・ライアン(俳優), ロバート・スタック(俳優), 山口淑子(俳優), 早川雪洲(俳優), キャメロン・ミッチェル(俳優)

「日本を舞台にした犯罪映画の記念碑」「サミュエル・フラーこそイチバン!」「最高ですFOXさん」「YOKOSOニッポン番外編」「マニアはもう米国盤を持っている。値段安くしてくれ」


ビッグ・コンボ [DVD]ビッグ・コンボ [DVD] (詳細)
ジョセフ・H.ルイス(監督), デヴィッド・ラクシン(アーティスト), コーネル・ワイルド(出演・声の出演), ブライアン・ドンレヴィ(出演・声の出演), ロバート・ミドルトン(出演・声の出演), リー・ヴァン・クリーフ(出演・声の出演), アール・ホリマン(出演・声の出演), ジョン・ホイト(出演・声の出演), リチャード・コンテ(出演・声の出演), ジーン・ウォレス(出演・声の出演), ヘレン・ウォーカー(出演・声の出演), ジェイ・アドラー(出演・声の出演), テッド・ディ・コーシア(出演・声の出演), ヘレン・スタントン(出演・声の出演), フィリップ・ヨーダン(その他), ジョン・アルトン(その他), シドニー・ハーモン(その他)

「ピュアなフィルム・ノワール。」


ハイ・シェラ 特別版 [DVD]ハイ・シェラ 特別版 [DVD] (詳細)
ラオール・ウォルシュ(監督), ハンフリー・ボガート(俳優), アイダ・ルピノ(俳優), ジョン・ヒューストン(脚本)


深夜の告白 [DVD] FRT-118深夜の告白 [DVD] FRT-118 (詳細)
ビリー・ワイルダー(監督), トム・パワーズ/ジーン・ヘザー/フレッド・マクマレイ/バーバラ・スタンウィック/エドワード・G・ロビンソン(俳優)

「バーバラ・スタンウィックの迫力が光る傑作」「フィルム・ノワールの歴史的名作の地位は揺らがず」「自殺か事故か殺人か?」「ちょっと杜撰な犯罪計画」「当時は相当リスキーな映画」


キー・ラーゴ [DVD]キー・ラーゴ [DVD] (詳細)
ジョン・ヒューストン(監督), ハンフリー・ボガート(俳優), エドワード・G・ロビンソン(俳優), ローレン・バコール(俳優), リチャード・ブルックス(脚本)

「エキサイティングなギャング映画」「KEY LARGO」


死の接吻 [DVD]死の接吻 [DVD] (詳細)
ヘンリー・ハサウェイ(監督), ヴィクター・マチュア(俳優), リチャード・ウィドマーク(俳優), ブライアン・ドンレヴィ(俳優), ベン・ヘクト(脚本), チャールズ・レデラー(脚本)

「シリアスなフィルム・ノワールの傑作」「身の破滅を招くもの」「R・ウィドマークのニヒルな笑いが印象的過ぎであり作品的には観れば観るほど味のある映画」


マルタの鷹 特別版 [DVD]マルタの鷹 特別版 [DVD] (詳細)
ジョン・ヒューストン(監督), ハンフリー・ボガート(俳優), メアリー・アスター(俳優), グラディス・ジョージ(俳優)

「ハードボイルド映画の基本形」「スムーズだが、少し説明的すぎるかも・・・」


十字砲火 [DVD]十字砲火 [DVD] (詳細)
エドワード・ドミトリク(監督), ロバート・ヤング(俳優)

「ロバート・ライアンの偏執的な演技が超リアルで怖い」「孤高にして堕ちた名作。」「会話で展開する映画」「米国人好みのテーマ」


飾窓の女 [DVD]飾窓の女 [DVD] (詳細)
フリッツ・ラング(監督), エドワード・G・ロビンソン(俳優), ジョーン・ベネット(俳優), ナナリー・ジョンソン(脚本)

「重苦しさとウィットを兼ね備えたフィルムノワールの快作」「コメディではありません。サスペンスです。」「待望の名作、必見!」「E・G・ロビンソンの適役と巧さに尽きる作品」


上海から来た女 [DVD]上海から来た女 [DVD] (詳細)
オーソン・ウェルズ(監督), リタ・ヘイワース(俳優)

「限りなく無意味であっても価値のあるスリラー」「不完全版しか見ることのできない不幸な名作ですっ!」


フィルム・ノワール セレクション キッスで殺せ! [DVD]フィルム・ノワール セレクション キッスで殺せ! [DVD] (詳細)
ロバート・オルドリッチ(監督), ラルフ・ミーカー(俳優), アルバート・デッカー(俳優), ポール・スチュワート(俳優), ギャビー・ロジャーズ(俳優), A・I・ベゼリデス(脚本)

「唖然とするような力作。」「R・オルドリッチ監督の初期の作品で後の名作を生み出す片鱗が随所に観られ作品。」「最初の路上シーンと最後のSF風味に尽きますね」


歩道の終わる所 [DVD]歩道の終わる所 [DVD] (詳細)
オットー・プレミンジャー(監督), デイナ・アンドルーズ(俳優), ジーン・ティアニー(俳優), ゲアリー・メリル(俳優), バート・フリード(俳優), ベン・ヘクト(脚本)

「力強い堕ちた法の番人。」


魅せられて [DVD]魅せられて [DVD] (詳細)
マックス・オフュルス(監督), ジェイムズ・メイスン(俳優), バーバラ・ベル・ゲデス(俳優), ロバート・ライアン(俳優), アーサー・ローレンツ(脚本)

「メロドラマとフィルム・ノワールの魅惑溢れるブレンド」


孤独な場所で [DVD]孤独な場所で [DVD] (詳細)
ニコラス・レイ(監督), ハンフリー・ボガート(俳優), グロリア・グラハム(俳優), アート・スミス(俳優)

「愛と破局の不安定なノワール。」「ストーリーと役者の力演、演出で怖さを表現したサスペンスの佳作」「あれほどまでに愛し合った二人に「宿業」の如く訪れる破局 男と女が帰って行く場所、それは孤独な魂 A Lonely Place」「良い」


恐怖の岬 (ユニバーサル・セレクション2008年第7弾) 【初回生産限定】 [DVD]恐怖の岬 (ユニバーサル・セレクション2008年第7弾) 【初回生産限定】 [DVD] (詳細)
J・リー・トンプソン(監督), グレゴリー・ペック(俳優), ロバート・ミッチャム(俳優), マーティン・バルサム(俳優), ホリー・バーゲン(俳優), ロリ・マーティン(俳優), ジャック・クラスチェン(俳優), テリー・サヴァラス(俳優), バリーチェイス(俳優)

「「ブレード・ランナー」を彷彿させる終盤の展開」「ペックははまり役。ミッチャムは多少違和感あるけど、Remakeのデニーロと違って、抑えた演技で好演」


殺人者 [DVD]殺人者 [DVD] (詳細)
ロバート・シオドマク(監督), ミクロス・ローザ(アーティスト), エヴァ・ガードナー(出演・声の出演), バート・ランカスター(出演・声の出演), エドモンド・オブライエン(出演・声の出演), アルバート・デッカー(出演・声の出演), ジョン・ヒューストン(その他), ウディ・ブレデル(その他)

「ヘミングウェイの短篇小説をかなり想像力豊かに映画化した名作」「ムーディでシャープなヘミングウェイ文学の映画化」


浜辺の女〈ニューマスター版〉 [DVD]浜辺の女〈ニューマスター版〉 [DVD] (詳細)
ジャン・ルノワール(監督), ジョーン・ベネット(俳優), チャールズ・ビックフォード(俳優), ロバート・ライアン(俳優), ナン・レスリー(俳優)

「ただ一度観ただけではその素晴らしさが伝わってこない傑作」


▼クチコミ情報

過去を逃れて [DVD] FRT-258

・「たくらむ女、堕ちる男、フィルム・ノワールの典型。
アメリカの40年代。人々はかつての夢物語ではなく、より現実的でペシミスティックな雰囲気を持つ犯罪ドラマや異常な心理をあつかう映画を求め始めていました。フィルム・ノワール。フランス語で「黒いフィルム」と形容された数々の作品がきら星のように生まれては消えていきました。その影響力はギャング映画、犯罪映画、捕り物、恋愛ドラマ、戦争映画、西部劇とさまざまなジャンルに波及していきましたが、この『過去を逃れて』は最も純粋なフィルム・ノワールのエッセンスを湛えた名作中の名作。

ロバート・ミッチャム。一度見たら忘れられない風貌と雰囲気を持った男。その我関せずという一環した態度がタフなノワール・ヒーローにこそ似つかわしかった役者。だから、彼には計算高い巧妙な演技こそ必要なかった。「Baby, I don't care・・・」と眠たい眼をしばたかせて言い放ってしまえばあとは皆彼の虜。そんなわけでスターダムには昇り詰めたのですが、それも我関せずだったのか逸品になかなかめぐり合えなかったのが悔やまれます。しかし彼には『GIジョー』がある、『追跡』がある、『恐怖の岬』がある、そして『さらば愛しき女よ』がある。そしてこの『過去を逃れて』があるからそんなことは我関せず。それほどミッチャムはこの映画にはまっています。

気にしない男、ミッチャム扮するジェフ・ベイリーはそれでも堕ちていく。ジェーン・グリア扮する女豹の爪の餌食とならんとして・・・。でもグリアは美しい。男なら誰でも一度は彼女の餌食になってしまいたい。こうした退廃的なプロットが思わせぶりかつシャープな脚本、陰影の濃いムーディーな映像、そしてヨーロッパ出身のジャック・ターナー監督の滑らかな演出によって違和感無くプレゼンされていく感じは絶妙。このフィルムのすべての情景からいつまでも観ていたいという錯覚に陥ってしまうような“けだるさ”が立ちのぼっていく、これぞノワール美学の真髄。また悪徳ボスに扮したカーク・ダグラスのどこか悲しささえ感じさせる強力な演技も印象に残ります。そしてそんな堕落と悲しみの退廃的オーラは物語の背景である田舎町、湖上の館、アカプルコを見事に均等に覆い隠します。

今でこそ、ほぼ万人に認められた作品となりましたが「技巧的には優れているかも知れないが、内容の無い作品」と一部で評されてきた本編。しかし、これは私たちに一つの芸術ジャンルであるフィルム・ノワールの定義を示してあまりある古典。「Baby, I don't care・・・」と言われても、「Yes, we love this film!」なのです。

・「男性憎悪的な美しき悪女
暗黒街のボスを撃って、金を持ち逃げしたボスの女(ジェーン・グリア)を捜すよう命じられた探偵(ロバート・ミッチャム)の彼女と知り合ったばかりにおちいる探偵の運命を描いたフィルム・ノワールの傑作。この作品のヒロインであるジェーン・グリアは関係が深まれば深まるほど男の存在がうとましくなるのか、ボス(カーク・ダグラス)を含め、関係する男を殺害していく情無用な女。男性不信というか、ある種男性憎悪的な精神状態の美しき女。こんな悪女は昨今の作品ではなかなかおめにかかれない(でも、魅力的で悪女と知りながらも男は彼女を離せない))。前半は、回想的にボスの女と彼女を追う探偵のラブストーリーを甘く描くが、後半は一転サスペンス色いっぱいに悪女ぶりをみせ、いっきに悲劇的な展開を描ききるのはさすが。1940年代の作品だが、今観てものめりこめるファムファタール色いっぱいの傑作フィルム・ノワールだ。

・「安い
これは画質も字幕も良好で、かなりお買い得だと思います。この『過去を逃れて』に関しては、どうせ、ツタヤなどの半額レンタルでビデオ版を見るよりは、手元に置いておく方が断然賢いと思います。素晴らしい照明、撮影に支えられたジェーン・グリアのまぶしい悪女ぶりは何度も見る価値のあるものです。それから、ミッチャムのノワールは、『天使の顔』(オットー・プレミンジャー 53’)の国内初ソフト化を期待したいです。女性に車のハンドルを握られて大変な目にあうミッチャムを2本立てで見る贅沢。

・「すごく面白かった!
初めはジョセフ・コットンの旅愁みたいな感じかなと思ってたらガラリと変わってサスペンス調になって衝撃のラストへといくとても面白かったです。この作品がワンコインなら絶対に買いの一枚です。!こういう当たりに出会えるから、映画ファンはやめられません。!

過去を逃れて [DVD] FRT-258 (詳細)

罠 [DVD]

・「単なるボクシング映画以上のマスターピース。
『ウエストサイド物語』や『サウンド・オブ・ミュージック』などの大作ミュージカルで知られる名匠ロバート・ワイズ監督。しかし、彼本来の持ち味は、それ以前に撮った『地球の静止する日』、『重役室』、『私は死にたくない』、『拳銃の報酬』などのジャンルを飛び越えてはいるものの、一貫して社会性を重視したリアリズムを踏まえた一連の作品でこそ堪能できるというものです。(『地球の静止する日』はSF映画の中でも下手なギミックを極力廃したリアリズムに富んだ作品だと思います。)1949年に発表された『罠』はボクシング界の裏側に潜むリアリティある負の部分を提示しているという意味でこうした作品の前触れとなったフィルムです。

オーソン・ウェルズ監督作品『市民ケーン』や『偉大なるアンバーソン家の人々』の編集にも携わったワイズはその技量をいかんなく自作にも発揮します。この『罠」あるいは死刑制度の問題に一石を投じた『私は死にたくない』、犯罪心理と人種偏見を緻密に描いた『拳銃の報酬』あたりがワイズならではのシャープな編集スキルを駆使した好例でしょう。特にこの『罠』では物語の進行時間と上映時間をぴったり一時間十三分にあわせるといった編集の妙技をみせているのです。後にフレッド・ジンネマン監督の『真昼の決闘』でも同じ編集様式が試みられています。

主人公のうらぶれたボクサー、ストーカー・トンプソンに後年『拳銃の報酬』でも名演をみせたロバート・ライアン。絶妙なコントロールを効かせたリアリティある熱演を披露しています。アメリカの映画評論家レオナルド・マルティンは「この上ないロバート・ライアン」と本編における彼の演技を絶賛。かのケイリー・グラントもライアンの演技に深く感銘をうけたという逸話が残ります。まさしくこの作品は、『十字砲火』、『危険な場所で』、『最前線』、『神の小さな土地』、『拳銃の報酬』、『ワイルドバンチ』などの名作と並ぶ名優ロバート・ライアンの代表作と断言できるでしょう。

拳闘シーンの力動感あふれる迫力も素晴らしい。一部にはこうしたシーンが長くて残酷すぎるという批判があるようですが、逆にそれほどリアリティのある場面に仕上がっているということなのでしょう。またこの拳闘シーン、様々な思惑を持つ観客のリアクションが巧みなカットバックによって組み込まれていて、コンパクトな人生劇場となっているあたりも見応えがあります。また暗い控え室で出番を待つしがないファイターたちのしみじみとした会話にも実にいい味が出ていて忘れがたいものになっています。

哀愁ただよう主人公と彼をとりまく人々が短い時間の中で味わう葛藤や欲望、またその末にかみしめる悲哀やささやかな希望を、ワイズ監督はミルトン・クラスナーによる巧みなカメラワークのアシストを得て、鋭いカッティングを駆使しながらテイストある深い演出でとらえていきます。弾むような語り口と滑らかな物語展開、そんな中で明確にプレゼンされるキャラクターや場のわかりやすいディテール。文字通りワイズならではの技巧の粋を凝らした演出術はこのフィルムに始まり、その後の作品に受け継がれていったといっても過言ではありません。

『RADIO TIMES FILM GUIDE』に「RKOスタジオが偉大だったころの作品」と讃えられ、ロンドンの『TIME OUT』紙は「ベストテンの中の一編」としてこれまた高い評価を本編に下しています。また『NEW YORK TIMES』紙も「これまで作られたフィルムベスト1000」の一つに『罠』を選出しています。かのマーチン・スコセッシも『罠』の愛好者の一人であり、『レイジング・ブル』を撮るさい大いに本編に触発されたことを認めています。加えて、スコセッシはワイズを「極めて音や音楽に敏感な映像作家」であるとして、そんな音に対する緻密な計算がこの『罠』でもフルに活かされていると述べています。そういえば、『私は死にたくない』、『拳銃の報酬』、『ウェストサイド物語』の音楽も素晴らしいものでしたし、『地球の静止する日』、『重役室』、『深く静かに潜行せよ』も効果音にこだわった作品でした。こうしたこだわりが『罠』のどんなところに発揮されているのかは観ての、そして聴いてのお楽しみ。

その一見地味なイメージからか、『ボディ・アンド・ソウル』、『チャンピオン』、これもワイズ監督作品の『傷だらけの栄光』、そして『ロッキー』や『レイジング・ブル』など他の名作ボクシング映画の影に隠れがちな『罠』。しかし、これほど技巧の粋を凝らし、これほど残酷な世界を描きながらも豊かな情感に溢れる拳闘映画がかつてあったでしょうか。巨匠ビリー・ワイルダー監督に「もし『罠』がアメリカではなくヨーロッパで制作されたとしたら、一層高く評価されただろう」と言わしめた本編。しかし、そんなワイルダー監督の心配をよそに、実はこのフィルムが誇る「史上最高のボクシング映画の一つ」、「40年代シネマの傑作の一つ」、「最も優れたフィルム・ノワールの一つ」といった評価は昨今揺ぎ無いものとなっています。細部にまで映画文法のテクニックを極めたロバート・ワイズ監督自身が生涯愛し続けたという本編は、単なるボクシング映画の枠ではおさまりきらないマスターピースとして映画史にその名を刻んでいます。

2009年に映画批評ウエブサイト「They Shoot Pictures, Don't They?」が発表した厳選2001作品からなる「古典フィルムリスト」へのエントリーを果たしました。

・「ボクシング映画の古典
あっという間の72分!

フィルム・ノワール独特の流れがボクシングを通して魅了します。4Rの壮絶な試合シーンは、『レイジング・ブル』『ロッキー』に匹敵。

ボクサー控え室でのやり取りは、この作品の見どころの一つで、緊張感で一杯の狭い空間がなんとも言えない味を出している。

それと、ストーカー(ライアン)の妻ジュリー(トッタアー)の行動がどこか内助の功を醸し出し、試合を観戦したいのを堪えている姿が妙に意地らしかった。

最後は組織の力に負けてしまうが、試合には勝ったとジュリーに伝えるストーカーに拍手。

流石は名監督ロバート・ワイズと言わせる一品だ。

それから、1962年アンソニー・クイン主演『Requiem for Heavywight』も過激なボクシングシーンはないが、お薦めです。

罠 [DVD] (詳細)

ローラ殺人事件 <特別編> [DVD]

・「「恋愛とは妄執である」 そしてあなたもローラに心奪われていく
初めて見てからもう十数年経ったでしょうか。しびれるような、そして情感をかき立てる見事な映画です。88分と短い中に様々な要素が凝縮され、珠玉の一品に仕上がりました。ニューロティック・サスペンスの名品です。廉価になってもなお素晴らしい特典ディスクが付いてきてこれは絶対に買いです。 今この映画を改めて振り返ると、他の映画でも見事な存在感を果たした名優が勢揃いしていたんですね。1人だけ例をあげると、ヒッチコックの『レベッカ』で壮絶な迫力を示したダンヴァース婦人=J.アンダーソンがここでも実に物語を引き締め、味わい深いものにしています。その様に他作とのダブル・イメージで物語の世界観を輻輳していくという楽しさもあります。 そして何といっても魅惑的なのは、ローラを愛する三人の男達の妄執と業とその行く末です。自らが育て上げたローラに逆に虜となってしまうピグマリオンのようなウォルド、打算と口八丁手八丁でローラに接近するシェルビー、そしてもはや帰らぬローラに恋心を抱き、肖像画の彼女に焦がれるマーク(これはあたかもネクロファリアの趣さえ感じます)…。果たして生身の彼女を愛していたのは一体誰なのか、恋愛というものは相手への「自己イメージ」を愛しているのに過ぎないのではないか、等々。ストーカー映画の最も早い例であるとも考え得るこの映画、語り尽くせぬほどの含み・哲学的設定がちりばめられていて、いにしえのハリウッドの底力の凄さに感嘆するのです。 本当はもっと作品のテーマについてレビューしたいのですが、もうそうなるとネタばらしというこの映画に対しての最大の冒涜を犯してしまうことになります。この辺りがギリギリの線でしょう。有名なテーマ曲とともに、夢幻的でほろ苦く切ない愛のサスペンスを鑑賞してください。そしてあなたもローラに心奪われ、物語に巻き込まれていくのです。

・「スムーズでロマンティックなフィルム・ノワール。
俳優に対してすごく厳しいといわれたオットー・プレミンジャー監督作品です。もし、それが本当ならばこの映画の中の俳優さんたちの寸部の狂いも無い演技と表現力も監督の指導の賜物なのでしょうか。ぶっきらぼうながら優しさを垣間見せる刑事役のダナ・アンドリュース、美しくも野心に満ちたタイトルロールのローラに扮したジーン・ティアニー、紳士然とした誇り高き放送作家を演じたクリフトン・ウェブら主演陣の仕事は素晴らしいの一言です。言ってみればビロードのように滑らかな場面展開、流れるような台詞まわしと総てに意味がこめられた沈黙の間合いが、効果的に散りばめられたムーディーな主題曲と溶け合って極めてロマンティックな雰囲気を全体に渡ってかもし出しています。推理ドラマのかたちをとったグランド・ホテル形式の人間ドラマを、プレミンジャー監督は室内の空間構成から登場人物の立ち位置にいたるまでのディテールにこだわって見事に表現しています。こうした洗練された手腕のおかげで、少し間違えばどろどろした愛憎劇になりがちなプロットが上品な魅惑にあふれる極上のフィルム・ノワールに料理されているところが大いに評価できます。怪奇映画の大スター、ビンセント・プライスも偽りに塗り固められた紳士をうまく表現して心に残ります。

ローラ殺人事件 <特別編> [DVD] (詳細)

三つ数えろ 特別版 [DVD]

・「ボガートとバコールの息がぴったり
1944年『脱出』に続く、ホークス監督、ボガート、バコール主演の爽快ハードボイルド映画です。バコールはデビュー作のボガートとの共演が縁で翌年結婚。今作では2人は夫婦ということを考えて観ると、2人の演技に何か余裕があるように思えた。

・「これぞハードボイルド
おそらく、ボギーことハンフリー・ボガートの俳優としての魅力が最大限に活かされた作品の一つに間違いないでしょう。レイモンド・チャンドラー原作小説『大いなる眠り』の映画化で、その複雑なストーリーをほとんどありのままスクリーンに投影した作品として知られています。それは、この映画の監督ハワード・ホークスの強い主張であったとのこと。スタジオの丸め込みに屈せず、独自の面白みがある企画に積極的に取り組もうとしたホークス監督の肝いりの作品らしく、「こんなことをやって当時受けたのか?」とも思われるほど複雑怪奇で入り組んだ語り口がこの作品をいっそう印象深く刺激的なものにしています。

名家の主、スターンウッド将軍に呼び出された私立探偵フィリップ・マーロウは、同家の次女で不良少女のカルメンをゆすり続けるガイガーなる人物の駆除を依頼されるが、出戻りの長女ヴィヴィアンはなぜかマーロウのスターンウッド家への出入りを面白く思っていない・・・。将軍もヴィヴィアンも、数ヶ月前に姿を消してしまったスターンウッド家の顧問弁護士ショーン・リーガンの行方が何故か気になっているようす。いよいよ仕事を始めたマーロウは予期もしなかった殺人事件に遭遇し、その背後に怪しき人物らの影がちらつき始める・・・。スターンウッド家と、これら怪しい人々らとの関係は?ヴィヴィアンはなぜマーロウを邪魔者あつかいするのか?リーガン弁護士の行方は?マーロウは数々の謎の解明に己の身を深くゆだねていきます。

複雑怪奇な難事件解決に没頭するボギーがかっこいい。周囲の人物を虜にする茶目っ気のある軽妙さと、いざとなれば決死の覚悟で大切なものを護り切る男気の双方を表してクールな快演。『カサブランカ』もいいのですが、この『三つ数えろ』も相当にいいのです。撮影当時、すでにボギーの妻であったローレン・バコールがスターンウッド家の長女ヴィヴィアンに扮してボギーと丁々発止やりあいます。流麗な美しさに加えて、本編ではハスキーな歌声も披露してくれていますので嬉しい限り。私生活のイメージも手伝って、二人の意気はばっちり合っているように感じられます。二つの物質が完璧な化学反応により一つになっているような感じというか、それほど無駄がなくシンプルでいて、かつ強い説得力のある二人のコラボレーションの見事さが銀幕から伝わってきます。

ホークス監督の演出は緻密極まりなく、複雑なストーリーをスピーディーな展開をふまえつつスクリーン上にあますことなく投影させているのは見事。またお家芸ともいえる特徴的なシークエンスを繰り返し盛り込むことで作品に強い個性を伏すことにも成功しています。本編の場合、カルメンを脅していたゆすり屋ガイガーの陰気臭い自宅をたびたび鍵となる舞台として登場させているあたりにそんな工夫が垣間見えます。また、フィリップ・マーロウというキャラクターは監督が生涯テーマとして追い求めた「困難に直面しながら、信念を持ってやり遂げる人間の姿」を体現する存在。長い間ただの娯楽映画を撮り続けたB級監督と揶揄されてきたホークス監督。しかし実は、たとえ万人受けしなくとも独自の信念を持って創意工夫の限りを尽くした娯楽映画作りに没頭した“作家”がハワード・ホークスという人でした。この『三つ数えろ』はまさにそんな彼の作家魂の証です。それに加え、映画音楽の巨人マックス・スタイナー作曲によるユニークなスコアも謎深まる展開にマッチして極めて印象的です。

ハードボイルドとはこれ。人生の困難に立ち向かう男とはこれ。どんなときでも優しさを忘れない男とはこれ。「いったいどうなっているのか?」何度でも観たくなってしまう刺激的なストーリーになぜか病み付きになってしまう稀有な娯楽映画がこれ。ホークス監督のパワフルな作家性に満ちたかっこいい要素が全編につまった、これは永遠のハードボイルドの逸品。

三つ数えろ 特別版 [DVD] (詳細)

拳銃魔 [DVD]

・「B級ながら、一級!
数々の隠れた佳作を撮り、後にTV界で活躍したジョセフ・H・ルイス監督の力作です。なぜか拳銃に幼少のころから魅せられ続けた男と、快楽のためには人を殺すこともいとわない女がひょんなことから意気投合し、逃避行を続けるというのが本編の内容。

随所にスピーディな展開とキャラクターたちの重い息遣いを盛り込み、低予算作品ながら新鮮な力強さに溢れるフィルムです。特に小道具としての車の使い方にクリエイティブなものを感じます。逃避行を続ける二人が別れようとしてそれぞれ車で立ち去ろうとするのですが再び合流してしまうシーンや、強盗を働いたあとの逃亡を車の後部座席にカメラをすえて長回しでとらえたショットなど、思わず「これは!」と興奮してしまうほどのうまさ、美しさ。

題名にもある『拳銃魔』の女に扮したペギー・カミンズの憎らしいのか、愛らしいのかわからない複雑な個性と演技も、この作品を記憶に残るフィルムノワールに仕立て上げている要因の一つ。そしてなによりも、低予算にめげずに自分の色を出しきろうとしたジョゼフ・H・ルイス監督の独創性には本当に頭が下がります。

・「約4分間の長廻し
予想よりも格段に画質がよかったのでうれしかったです。気付いたところでは、字幕に一ケ所誤植があったのは興醒めで残念でした。『ジョルスン物語』の監督でもあるジョゼフ・H・ルイスのフィルム・ノワ-ル。もっとスタイリッシュな作品と思っていましたが主人公の生い立ちから始まり、そこが何となくもたもたする印象ですが、結末の伏線となるので、仕方ありません。長廻しで有名な『黒い罠』より以前に作られた本作の約4分間の長廻しは期待したよりはあっさりしたものですが、主人公が一度画面から退場することで、異様な緊張感があります。ヒロインにあまり説得力は感じられませんでした。しかし、犯罪映画の好きな方なら見る価値のある映画だと思います。

・「佳作
 一部でカルト的評価を受ける作品。低予算の制限の中で工夫を凝らし、見せる、という良い意味でのB級精神たくましい佳作です。「拳銃狂」(「魔」ではないと思います)の少年が成人して、拳銃そのもののような女と恋に落ち、やがて強盗となって悲惨な末路を迎える、という物語のほうは、2人が出会ってから最初の強盗を行うまでの展開が淡々と進んでしまうので、主人公の運命の悲劇性が今ひとつ盛り上がりません。ただ、見せ場となる2回の強盗シーンは良いです。特に、自動車の後部座席にキャメラを据えてワンカットで撮った1つ目のシーンは臨場感があって素晴らしい。 なお、本作の封切り時の原題は“Deadly Is the Female ”で、“Gun Crazy”は再公開時に新たに付けられたものだそうです。また、タイトルには名前は出ていませんが、脚本にはダルトン・トランボが参加していたという話もあります。

拳銃魔 [DVD] (詳細)

街の野獣 [DVD]

・「闇と光、動きと表情を駆使した快作。
ジュルス・ダッシン監督を敬愛する人々の手で後日ロバート・デ・ニーロ主演で再映画化された物語のオリジナル版です。そしてやはり、このオリジナル版のほうがクオリティ、雰囲気ともに断然いいですね。

フィルム・ノワールの立役者の一人、リチャード・ウィドマーク扮するハリー・ファビアンがロンドン狭しと逃げ回るシーンが力強くて印象的です。何から逃げているのかは映画を観てのお楽しみですが、複雑な事情をわかりやすくスピーディに説明していくダッシン監督の話術は自作『裸の町』に匹敵するくらいお見事。またハリーの恋人メリーに扮したジーン・ティアニーもあいかわらずのクールビューティーぶりをいかんなく発揮して物語に彩を添えています。

陰影濃いモノクロ画面に埋め込まれた陰鬱な空間の中で光をあびて浮かび上がる登場人物の顔、顔、顔のかもし出すインパクト。動き回る肉体に波長を合わせるかのように進んでいくテンポの良いストーリー展開。人の表情と動きが台詞よりも物語を語るさまに思わずひきこまれていくのです。ロンドンの裏社会、プロレスリングビジネスの風景などもリアリズムたっぷりに描写されているあたりも緻密です。

まだまだ再評価されつくされていない感のある本編に『ニューヨーカー』誌のパウリーナ・カエル女史は「おそらくはリチャード・ウィドマークの代表作」と太鼓判を押しています。ウィドマークはその言葉にたがわぬ名演を台詞まわしだけではなく、体のすべてを使い切って見せてくれます。『ノックは無用』や『拾った女』で見せたスタイリッシュで軽妙な伊達男ぶりはもちろん、本編ではより人間臭い汚さや脆さを惜しげもなくさらしてくれます。そんな弱くもエネルギッシュな男っぷりに思わず手に汗をにぎり応援したくなってしまうのです。ハリー・ファビアン、いや名優リチャード・ウィドマークはこの快作とともに永遠に語り継がれるでしょう。

・「男たちの運命を突き放した感覚で描くところが魅力的
アメリカで赤狩りにあいヨーロッパへと逃れたジュールス・ダッシンのイギリスでの快作。後にロバート・デニーロ主演で原題の「ナイト・アンド・ザ・シティ」としてリメイクさている。一攫千金を夢見るチンピラのハリー(リチャード・ウィドマーク)がレスリングのプロモーターになり街の顔役を相手に回し、自信満々に事業を進めていく光景のスピーディな演出やハリーの自信に満ちた笑みに危うさを秘めたウィドマークの演技は素晴らしい。大物レスラーのグレゴリアスの死をきっかけに追われる身になるハリーの形相は前半の自信に満ちた笑みとは真反対の緊迫感に満ちている。この落差とハリーに絡む男たちの非情な末路をキャメラは突き放した感じで最後まで追っていく感覚がこの作品の魅力だろう。運命をかけたグレゴリウスと街の顔役(グレゴリウスの息子)のおかかえレスラーとの対決は音楽もなく坦々と進められるが異様な迫力があり運命を決する試合としての緊張感は十分伝わる(ジュールス・ダッシン監督の「男の争い」の会話も音楽もなく進められる金庫破りのシーンに近い感覚)。ただ、私の好きなジーン・ティアニーのメアリー役は誰でも演じられる男にすがりつく女の役でいまひとつの存在感。それとは逆に野心的なキャバレーの女主人ヘレンを演じるグーギー・ウィザーズは悪女としての魅力たっぷり。でも、ラストのメアリーとハリーの賭け引きとハリーの彼女への想いからでた決死の行動はフィルム・ノワールにふさわしい重みがある。さすが、ジュールス・ダッシンと言いたくなる快作だ。

・「ジュールス・ダッシン『街の野獣』を見た
『裸の町』(ニューヨーク)『男の争い』(パリ)につづいてついに『街の野獣』(ロンドン)をきょう見た。…ダッシン監督の映画を見ていると行ったことがないのに行った気になれるのがうれしい。

街の野獣 [DVD] (詳細)

東京暗黒街・竹の家 [DVD]

・「日本を舞台にした犯罪映画の記念碑
アメリカ人の目で見た日本でありながら、パチンコ利権に群がる外国人ギャングとか終戦後も厳然として残っていた地域差別など生々しい題材を盛り込み、最後には今では考えられないというか当時ですら危険という認識はなかったんだろうかと不思議に思う松屋デパート屋上の斜めに傾いた地球儀型観覧車のアクションシーンで締めくくるサミュエル・フラーの日本観察記的映画。畳の上に置かれた檜風呂というキッチュな造形が登場するけれど、そこで裏切者の手下を殺したロバート・ライアンが、浴槽に顔を沈めて死んでいる男の濡れた髪をつかむシーンは、凡百のゲイ映画などよりずっと倒錯的でドキドキする官能性に満ち溢れている。『暗黒街の顔役』から『白熱』に至るギャング映画史の記憶をショウケース的に散りばめ、『白熱』から『インタナル・アフェア』や『ディパーテッド』に至るアンダーカバーものの原点に位置するという意味で、歴史的に重要な映画でもあります。その犯罪映画史の記念碑ともなるべき作品が日本を舞台に作られたのが、日本人としてはちょっと誇らしい。

・「サミュエル・フラーこそイチバン!
いよいよ出ましたという感じです。国辱映画の大傑作とおぼしき伝説の一本です。1950年代半ばの日本のとらえ方に多少なりともいい加減さが垣間見えるからなのですが、監督であるサミュエル・フラー氏からすれば、「それがどうした?!」というところなのでしょう。「映画は戦場だ!」と公言してはばからなかった同氏ですから、好き勝手してしまうのは枝葉のごときことだったのでしょう。それにしてもこれは面白い。

ギャングのアジトの珍妙な設え、お手軽な折りたたみ収納型布団セットの唐突さ、着物を脱ぎ捨て洋装に早変わりする踊り子たち、障子が張り巡らされたパチンコ店の変な舞台裏、おかしな日本語などなど、リアリズムにかける描写は数多いけれど、それらは本物のフジヤマ、本物の銀座、本物の松屋デパートとすっかり溶け合って、妙に力強い。ドキュメンタリーと勝手な創作物がこれほどナチュラルに融合するケースも少ないのでは。このなんともいえないシュールなオリエンタリズムがこのフィルムの魅力の一つ。

もう一つの魅力は大胆でパワフルなサミュエル・フラー監督の演出。溝口健二ばりのダイナミックなクレーンショット、小津安二郎ばりの畳目線ショットがメリハリのある総天然色のシネマスコープ画面を満たしているさまは圧巻。フラー監督が日本のことを馬鹿にしていたのではなく、むしろわが国の文化を尊重していたことがうかがえます。そして何よりも日本の風景自体の美しさをとらえてくれているのが嬉しい。あらためて母国の麗しさを教えてもらったかのようです。その美しい風景のただ中に響き渡る銃声と悲鳴。そして平安を切り裂くギャングたちの荒々しい所業。美しいものと物騒なものとのコントラストの妙。麗しいものと生々しく対比させられる張りつめたような男たちの緊張感。これはもうアートです。風呂場で決行されるショッキングな殺しの場面で漂うデカダンス。美しい背景でこのような残虐行為がなされるからこそ効果的なのです。フラー、あっぱれ!

李香蘭こと山口淑子の大和撫子ぶりといったら、チャーミングこの上ない。彼女の口からだから「日本の女は殿方に尽くすよう教育されます」という台詞も何故か許せてしまいます。(しかし、西洋の殿方、だからといって勘違いしないでいただきたい!)冷酷ながら、どこかカリスマ的魅力のあるギャングのボスをロバート・ライアンが好演。頼りにしていた男に裏切られ黙りこくってビリヤードのボールをもてあそぶシーンでは、「隣にいる裏切り者の頭をいつかち割ってしまうのか」といった緊迫感がみなぎります。さすがフラー、キャスティングの妙も心得ています。名優早川雪洲の存在も嬉しいかぎり。

日米多くの批評家に「くだらないB級映画」、「取るに足りない国辱映画」などと酷評され、未だに一部で十分な再評価が成されていない本編ですが、棄てる神あれば拾う神あり。公開当時、辛口批評で有名だった『ニューヨークタイムズ』紙のボズウェル・クロージャーは本編を完成度が高い作品であるとして高評価を下しています。また、批評家時代のジャン=リュック・ゴダールはこのフィルムをサミュエル・フラーの最高作の一本に数えています。全編にみなぎる創意工夫、力強さ、映画としての面白さが忘れがたい50年前の作品とは思えないほどスタイリッシュなフィルム・ノワールはサミュエル・フラーがイチバンだったことを如実に後世に語りかけてくれているのです。

・「最高ですFOXさん
この作品はロバート・ライアンファンの僕にとって非常に観たい作品の一つでした。その意味でも今回のDVD化は非常に嬉しくて発売日が待ち遠しいです。他の方が書かれている価格についてですが、もちろん安いのにこしたことはありませんが、日本という限られた市場で継続的に旧作品のDVD化をして頂くためにこの価格設定が必要ということであれば僕は許容範囲と考えます

・「YOKOSOニッポン番外編
素晴らしい!まずは復刻発売感謝です。名は聞けども未見でした。いやーさすがフラー節怒髪天を突く爆発でいいです。まずアメリカ帝国主義的な視線が全編つかれこのいい加減さがたりません。昭和30年代の東京の地の記録的な側面も見逃せず、これは比較人類学的な価値があります。定番のよくわからないニホンゴーやら、時に中国美術との編集されたアート舞台背景など非常にアメージングであります。しかしてこのあと日本舞台にした映画はほとんどこの映画を参考にしたのではなかろうかと睨みます。ザヤクザやブラックレインなどにも相応の影響をあたえている共通項を見いだせます。しかしてその後のサユリやらラストサムライまではかり知れぬ影響をつくったのではないでしょうか。ともあれなぜかこの映画の後、あの大傑作サイジングサンのSコネリー変なニホンゴやら、涙なくしては見れないリトルトーキョー殺人事件(故ブランドンリーもでてます)など続けてみたいものです。おそらく日本人としての発音が他人には妙に聞こえる日々が来るかもしれません。しかしさすがフラーだな、と思ったのは初めの殺人からタイトルまでギャーと流す演出、富士山マンティーニヤ構成(グリーナウェイがくらしがるかと)、あとこまかいところでちゃんとしてます。後半の松屋舞台の決戦で屋上から撮影した路上の群衆にちゃんと被害者(動き)いれているのはさすが映画をしりつくしたじいさんです。さあ、東京見物にいきましょう!

ちなみに復刻された他の作品に「スクワーム」とか「地獄のモーテル」とかあってフォクスさんやるな、とおもいんですが上記の作品等一体どういう反応すればいいのかちと困りうれしくあり微妙ですがこのデフレに勇気感謝。

・「マニアはもう米国盤を持っている。値段安くしてくれ
1955年製作、シネマスコープ・カラー撮影で初めて日本を舞台にオールロケーションを行ったハリウッド映画(すなわち「八月十五夜の茶屋」「青い目の蝶々さん」「歩け走るな!」「007は二度死ぬ」より先)としては記念碑的映画。だがその題材により日本では“国辱映画”として長く封印されてきた。80年代に入るまでフラーの日本での評価が著しく低かったのも正にこの映画のお陰だ。フラーは既にその前年に「地獄と高潮」でカラー・シネマスコープ画面に日本の当時の雰囲気を収めていたが、本作はその延長にあると考えてもいい。日本では劇場未公開(一部自主上映済み)の「クリムゾン・キモノ」を含め、戦中派フラーが異文化・日系社会を見る眼は、勘違いも含め、単なる薄っぺらなエキゾチズムを通り越した地点にあった。でなければ今日までこれほどの支持を得られるわけがない。その視点には常に人間愛に基づくいた鋭い洞察があったことは忘れてはならない。晩年の反人種差別プロパガンダの最高傑作「ホワイト・ドッグ」を見てもそれは明らかだ。蛇足だが、日本のDVDは値段が高すぎる。ほとんどのマニアはもう米国盤を持っているだろう。これほど円高なのに少しは安くしようというお考えはないのか。

東京暗黒街・竹の家 [DVD] (詳細)

ビッグ・コンボ [DVD]

・「ピュアなフィルム・ノワール。
長きにわたって一部のファンの間で崇拝されてきたB級映画の名匠、ジョセフ・H・ルイス監督の力作です。彼は『拳銃魔』という、これまた傑作を撮っていますね。主人公なのにどこか邪念にとりつかれたコーネル・ワイルドふんする刑事。悪役なのに紳士のようにふるまうリチャード・コンティ扮するギャングのボス。二人の間を浮遊するかのように行きかうジーン・ウォレス演じる疲れ切った女・・・。完璧なノワール・ワールドの登場人物たちがコントラストの強い画面の中で暗躍するといった雰囲気作りは逸品。特にコンティ演ずるミスター・ブラウンの行う冷酷な拷問や粛清のシーンは、本来ならば目を背けたくなるコンテンツなのにも関わらず、そのあまりに衝撃的なノワール的映像美に酔わされてしまうのです。このあまりにも純粋でいて、そのくせ官能的な作品は幸いなことにアレキサンダー・バリンジャーとダニー・グライドンの二人のノワール通によって『過去を逃れて』や『黒い罠』などのフィルムとともに「フィルム・ノワールベスト10」内にランキングを果たしています。

ビッグ・コンボ [DVD] (詳細)

深夜の告白 [DVD] FRT-118

・「バーバラ・スタンウィックの迫力が光る傑作
フィルム・ノワールの傑作中の傑作ですが、それは主演のB.スタンウィックの魅力と真相を追究するE.G.ロビンソンの名演に大きく起因すると思います。特に、スタンウィックは「大人の綺麗な女性」の中に悪女の雰囲気を忍ばせ、それが凄い迫力に感じ、彼女が登場しない場面でこれに対抗するかのように存在感を見せるE.G.ロビンソンの老練な貫禄も印象的でした。今ではスタンウィックのように容姿は綺麗で奥に潜む残酷性を表現できる女優さんはいなく、このような作品も必然的に少なくなったと感じる次第です。

・「フィルム・ノワールの歴史的名作の地位は揺らがず
コメディからサスペンスと対極のジャンルにも肌理の細かな面白さを同様に与えることのできた巨匠ビリー・ワイルダー監督のフィルム・ノワールです。

・「自殺か事故か殺人か?
40年代前半はヒッチコック映画が話題になったこともあり、サスペンス物が人気を呼んだ時代だ。そんな中、『マルタの鷹』と共にノワールの代表作となったのが今作だ。ハリウッド映画3本目のまだ新人と言ってもいいワイルダー監督が、初のアカデミー監督賞ノミネートになった記念すべき一品でもある。ワイルダーは脚本家としてはすでに名が通っていたのは承知のとおりで、監督としての評価は今作によって証明されたことになった。

・「ちょっと杜撰な犯罪計画
 犯罪映画にはひきつけられる。度胸がないから自分ではなにもできない。危ない橋を渡ることもない映画は、犯罪の気分を味わうにはもってこいである。そして、不道徳かもしれないが、たいていの映画で、完全犯罪が成立して犯人が逃げのびてほしいと願っている。 保険会社の営業マンのウォルター(フレッド・マクマレー)の前に悪女のフィリス(バーバラ・スタンウィック)があらわれて、夫に保険をかけて殺す相談をもちかける。この計画から実行までの前半は、計画も精緻とはいえないし都合がよすぎるけれど、まあまあおもしろい。 さて後半は、死体が見つかって結論は一応事故ということになるが、自殺説と他殺説の両方がでてきたり、フィリスの正体が徐々にあかるみにでてくる。そして、ウォルターにも観客にも意外な事実を聞かされる。 しかし、惜しいことには、これらがみんな流れの中でわかってくるのでなく、こうだった、ああだったと、説明されてしまうので、緊迫感がうすくなったし、リアリティもとぼしくなった。映画はフィリスの計画と行動がうまく説明できていないのである。素人考えだが、脚本の練り方が十分ではなかった、とおもう。

・「当時は相当リスキーな映画
 陰影をことさら強調した映像、すなわちほとんどのシーンは夜、夜と言えばファム・ファタール(悪女)、だから男は裏切られる、男は暴発、よって完全犯罪なんて有り得ない。フィルム・ノワール(犯罪映画)というジャンルの提示する世界観は、連想ゲームのようなものです。良く言えば一貫としていて完結的、悪く言えば愚直。「深夜の告白」はその先駆けと呼ばれるにふさわしく、これらすべての材料が大皿に盛りつけられたサスペンスです。

 そしてタイトルにもあるように、この映画は主人公の「犯行の自供」から始まるわけです。それは、物語を哀れな幕切れを前提に語り始めなければならない、一種の陰鬱なトーンを与え、また、分かり切った「結末」よりもそれに至る「過程」こそ重要なのだと宣言することでもあります。 また、そこからの物語は、主人公の独白に沿って時系列順にフラッシュバックされる形式を採っています。そうすることで、自嘲的な主人公のナレーションと、野心がギラギラいきり立っているかつての主人公とのシニカルな対比を生み出していました。これは今では凡庸な手法ですが、当時は相当リスキーで画期的だったに違いありません。

深夜の告白 [DVD] FRT-118 (詳細)

キー・ラーゴ [DVD]

・「エキサイティングなギャング映画
骨太な作品を多く発表して、男性映画ファンを魅了し続けてきたジョン・ヒューストン監督の手腕はさずが。緊迫感に満ちたハードボイルド作品に仕上がっています。

ヒーローを演じたハンフリー・ボガートより、悪役を演じたエドワード・G・ロビンソンの存在感が際立ったせいか、同じくヒューストン監督でボギー主演の『マルタの鷹』ほど市場の評価は高くないのですが、個人的にはこちらのほうが断然楽しめました。ボギーは中盤、ロビンソンの怪演に押されぎみで受身になっているのですが、それはまさにこの物語の主題を明確に打ち出している展開であり、効果的です。なぜならば、このフィルムの主題がへこんだ男の魂の再生にあったからなのです。

フロリダ半島周辺の島、キー・ラーゴに戦争から復員してきたボギー扮するキャラクターが到着。戦死した戦友の家族を見舞うためにおとずれたホテルで事件はおこります。ロビンソン扮する親分の率いるギャング団が怪しげな取引を成立させ、キューバに落ちのびるためにこのホテルに逗留していたのですが、ついに顔が割れホテルをジャック。このあたりがロビンソンの板についたギャングの親玉ぶりが効果を上げてスリルを盛り上げます。実に楽しそうに、また憎らしく悪党を演じているので、観ているこちらも大満足!そんななか強烈なハリケーンが来襲し、それぞれの思惑が思わぬところに展開していくところが大変面白くできています。

我らのボギーは『マルタの鷹』や『三つ数えろ』などとは一風異なる控えめで受身のキャラクターを演じていますが、そこがまた彼の新境地ともいえる好演。弱さを隠さないキャラクター造形は、逆にしみじみとした人間らしさと成熟した魅力を感じさせます。嬉しいのは親分の愛人に扮したクレア・トレヴァーが好演していることで、人生の歩調が狂ってしまった悲しい女の存在が物語に厚みを加えています。また、清楚な魅力を発するローレン・バコールの健気な優しさも忘れられません。

犯罪映画の二代巨頭であるボギーとロビンソンが持ち味を最大限に発揮して渡り合うという、今となっては夢の競演が忘れがたい、これは大いに再評価に値するエキサイティングなギャング映画の至宝。

・「KEY LARGO
マイアミの南方、キー・ウエストへ点在するKEYと呼ばれる珊瑚でできた小島、その一番半島よりの付け根にあるキー・ラーゴが今回の舞台です。

ボガートとバコール共演4作目の話題作。と言っても2人は夫婦で共演ということで、あまり盛り上がりに欠けるところがあるのは仕方ないが、そこは当時の最高の助演役者達の好演技が良かった。

特にマフィアのボスを演じるE・ロビンソンの怖さが光った作品でした。それに、この作品で見事アカデミー助演女優賞に輝いたC・トレヴァーはもちろん、1931年“A FREE SOUL"でアカデミー主演男優賞を獲得した名優L・バリーモアの車椅子での演技もお見事でした。

それにしても、ボガートとバコールのキスシーンは無く、逆にマフィアのボスに唇を奪われるという設定はヒューストン監督とボガートの仲だからできたのかな?なんたって目の前だからね。。。。

キー・ラーゴ [DVD] (詳細)

死の接吻 [DVD]

・「シリアスなフィルム・ノワールの傑作
「フェッ、フェッ、フェッ!」ハイエナのような笑い声が響きます。『死の接吻』の代名詞、殺し屋トミー・ユドの笑い声です。このシーンでにんまりしてしまう以外、どこも笑うところの無いシリアスな展開のフィルムノワール。そして、これはシリアスな犯罪映画としては一級の出来栄えです。

・「身の破滅を招くもの
「死の接吻」の原題は「Kiss of Death」。これは「死の接吻」だけでなく「身の破滅招くもの」、「災いの種」という意味がある。この作品まさに身の破滅を招いた過程を描いた傑作。宝石強盗に失敗したニック(ヴィクター・マチュア)が仲間の裏切りによる妻の自殺をきっかけに密告者となる。その結果、娘や新たに結ばれた女性にも身の危険がおよんで行くといったサスペンス。宝石強盗を行ったビルから逃れようとする一味のエレベーター内の心理状況を途中で止まるエレベーター内の様子と非常ベルに向かっていく宝石商を相互に映して描いたシーンは緊張感満点。殺し屋トミー(リチャード・ウィドマーク)に狙われることになるニックが眠れぬ一夜を過ごすシーンやトニーと対決するレストランで狭いカーテンの隙間から表れるトミーの顔など今観ても背筋がゾクッとする名シーンが満載。この作品の主題である接吻も恋人とのキス、愛する娘とのキス等様々な形で表現されている。しかし、その愛する者を密告という形で危険にさらすことになり、その身の破滅を招いた根源が自分の行った宝石強盗であるという因果は恐ろしいほど見事に描かれている。この作品の主人公はヴィクター・マチュアだが、殺し屋トミーを演じたリチャード・ウィドマークのイカレっぷりは最高で完全に主役を喰っている(特に彼の大胆不敵な笑い声は恐ろしい)。彼のデビュー作であるとともにアカデミー助演男優賞ノミネートの作品でもある。1994年にデヴィッド・カルーソとニコラス・ケイジでリメイクされているが、やはりオリジナルのセンセーショナルな印象は超えられなかった。ヘンリー・ハサウェイ監督のノワールの傑作だ。

・「R・ウィドマークのニヒルな笑いが印象的過ぎであり作品的には観れば観るほど味のある映画
本作はR・ウィドマークの悪役ぶりが有名な作品で確かにその通りで、最初観たときはウィドマークしか注目していなかったせいか、全体としての印象は普通でしたが、改めて観ると、ウィドマークの悪がいかに真性の悪か、主演のV・マチュアの苦悩との絡みが綿密にドキュメンタリー・タッチで描かれ、改めて観たとき、見方も変わり、何の情報もなく観れば、犯罪映画の傑作の部類と感じました。その他、B・ドンレヴィも好演で、R・ウィドマークのニヒルな笑いが印象的過ぎて、その評判に惑わされた感じで、観れば観るほど味のある映画と思いました。

死の接吻 [DVD] (詳細)

マルタの鷹 特別版 [DVD]

・「ハードボイルド映画の基本形
 ハワード・ホークスのスピーディーな演出とボガード生涯のはまり役フィリップ・マーロウのかっこよさ。ウディ・アレンならずともその存在感だけで充分満足してしまうが、個人的ハイライトは別のところにある。

なんといってもマーロウが捜査途上で立ち寄る書店店員のアグネス(ドロシー・マローン)がメガネをはずすシーン。「メガネを外したら実は美人」というのは、すでに1930年代(!)には使い古された手法とのことだが、何度繰り返されてもいいものはいい。不滅の方程式。ヒロインのローレン・バコールよりも断然魅力的である。流し目でマーロウとブランデーを飲み交わすシーンもいい。現代なら当然ここからベットシーンなのだが、残念ながら時は46年。

・「スムーズだが、少し説明的すぎるかも・・・
骨っぽい娯楽作品を得意としたジョン・ヒューストン監督。実は推理探偵物も得意な分野でした。そんなヒューストン監督がハンフリー・ボガートという最高の役者を得て撮った作品。

後年、フレッド・ジンネマン監督の『暴力行為』などでアンニュイで疲れきった女を演じたメリー・アスターや地獄コンビといわれたピーター・ローレとシドニー・グリーンストリート、ノワールの名脇役イライジャ・クックJr.らがそろい踏みで暗いハードボイルドの雰囲気を一応は盛り上げます。しかし、個人的にはメリー・アスターは今ひとつ魅力に乏しく思われ、残念。男性の登場人物が「彼女、美人だな」とささやきあうことに異議あり。また、チャーミングさやカリスマ性など内面的な魅力が感じられないのが難点。映画が終わると、彼女のキャラクターを思い出すことさえ困難になる状態。この手の映画では、女優の魅力は大切な要素であることを痛感します。その代わりと言ってはなんですが、ふてぶてしい闇の商人をグリーンストリートが好演。

ボギーこと、ハンフリー・ボガートは素晴らしい。スピーディーなストーリー展開が彼の絶妙な台詞まわしでさらに活力に満ちたものになっています。しかし、これはボギーのせいではないのですが、後半彼の雄弁さがあだとなります。特にいよいよお宝である「マルタの鷹」がお目見えし、登場人物皆の視線がこれに集中するあたり。都会的なハードボイルド劇にはいささか場違いと思われる壮大な歴史的背景を持つこのお宝についていささか説明的になりすぎてしまっている感あり。ダシル・ハメットの原作はこのへんをどう扱っているのかたいへん興味があります。フィルムのほうでは、話の焦点がグリーンストリート、ローレ、クックら面白みのある登場人物の性格描写からそれてしまい、現実味に欠ける大げさなお宝「マルタの鷹」をめぐるストーリーのつじつまを合わせるための注釈がながながと続くという印象が残ってしまうことに。言ってみれば、ハードボイルドものとしては台詞が多すぎるのです。

このように残念な部分はあるものの、全体的にボギーやグリーンストリートの好演、スピーディな展開、ヒューストン監督の迫力のある演出によって水準以上の作品に仕上がっていることは確かであり、フィルム・ノワールの一古典として名が通っていることはうなずけます。

マルタの鷹 特別版 [DVD] (詳細)

十字砲火 [DVD]

・「ロバート・ライアンの偏執的な演技が超リアルで怖い
この作品のタイトルCROSSFIRE(十字砲火)は戦況において最悪の状況であることを意味する。まさに本作で殺人事件の容疑者となる人物は、物証や本人の記憶の曖昧さにより最悪の状況に陥ってしまう。そして容疑者をめぐって3人の男たち(殺人事件を追う刑事部長(ロバート・ヤング)、容疑者の無実を立証しようとするキーリー軍曹(ロバート・ミッチャム)、ユダヤ人に異常な偏見を持つモンゴメリー軍曹(ロバート・ライアン))の駆け引きスリリングに展開するところがこの作品の魅力。クレジットでは主役はロバート・ヤングになっているが、この作品の本当の主役はロバート・ライアンといっても過言でない。彼の異常なまでのユダヤ人に対する嫌悪を表す演技は観ている者が恐ろしくなるほどのものだった。人種に対する偏見は刑事部長の祖父がアイルランド出身であるがために殺害された過去を語るシーンにも表れるが、これはアメリカのマイノリティを差別、迫害してきた過去の闇の歴史を表現する部分(アメリカはあまりこの点を表現したがらない)でもあり、この歴史を知らずに観ると何故殺されなければならないのかという部分がわかりにくいかもしれない。そして、もうひとつの魅力は光と影を自由に扱ったフィルム・ノワール独特の映像。映画が始まってすぐの乱闘シーンはほとんど影と音だけで表されており、むしろそれがリアルに見えた。また、階段の手すりの影やキッチンでコーヒーを入れる男の影等ノワールの雰囲気は十分醸し出されている。人種の差別、偏見を扱った殺人事件という社会派的ところはエドワード・ドミトリク監督らしい。このような人間の差別を扱ったテーマならノワールでなくてもと思うかもしれないが、かえってその恐ろしさは十分伝わってくる作品だと思う。

・「孤高にして堕ちた名作。
「センセーショナル?いや、この作品はダイナマイト級だ!」本国アメリカで公開された当時の『十字砲火』の宣伝文句だそうです。過大広告であることには違いないのですが、たしかに人種偏見に満ちた敵意と凶行をあからさまに描いたこの作品は1947年の公開当時かなり衝撃的だったと思われます。

もちろん、社会的メッセージを秘めた映画ですので、そこは賛否両論の渦が必ずおこります。「社会派ドラマ?それともB級フィルム・ノワール?」この曖昧さが長きにわたって本編にまとわりつくようになります。そして「社会派ドラマとしてはリアリティに欠けるのではないか?」、「メッセージ性を強調するのに映像的にここまで凝る必要はなかったのではないか?」などという批判がおきます。私見ですが、『十字砲火』の価値はむしろその社会性を、高度に洗練された映像美によって印象深く表出した点にあるのだと思います。2007年にアメリカで出された名匠映画監督を掘り下げた研究本『ROUGH GUIDE TO FILM』は本編をエドワード・ドミトリク監督の代表作の一つに挙げ、「40年代における最も勇気あるスリラーの一つ」と評しているところからも、この映画が“スリラー仕立てのフィルム・ノワールのかたちをとった社会派ドラマ”を意図したものであったことが浮かび上がってきます。

物語の要は人種偏見による凶行をまざまざと描き出すこと。そこでその凶行におよぶモントゴメリー軍曹に扮したロバート・ライアンの演技が光ります。『暴力行為』、『危険な場所で』、『日本人の勲章』、『拳銃の報酬』など、彼の出演した代表的フィルム・ノワール作品はどれも社会のひずみを浮き彫りにするものばかり。その中でライアンは誰よりも巧みに奥深くそのひずみに苛まれ、もがき、闇に陥る人物を体現しています。この『十字砲火』でもその恐ろしいまでにリアルな存在感が際立っています。いっぽう、頭脳明晰なフィンレイ警部に扮したロバート・ヤングも知性あふれる好演を見せ、フィルムに強いメッセージ性を付すことに大いに貢献しています。このフィンレイに協力する軍曹にロバート・ミッチャッムが扮し、戦争の後遺症と娑婆でのトラブルに疲れ果てた感じをよく出しています。フィルム・ノワールのカリスマ女優グロリア・グレアムも端役ではありますが、フィルムにふさわしいムーディさを全身から発散させて効果的です。面白いのは、グレアムのひもを演じたポール・ケリーのリアルでユーモラスな演技です。何をしたいかわからない、そんな元軍人ならではの社会復帰に対する不安をうまく表現しています。

ドミトリク監督の演出は無駄が無く、こだわりすぎれば長尺になってしまうコンテンツをかっちり一時間半内に収めていて観る者を飽きさせません。その上で彼は戦後のペシミスティックな雰囲気、くたびれた人々の焦燥を肌理細やかかつダークに描ききっています。途中挿入されたフラッシュバックも、うまい具合に戦後という混乱期のアメリカにおける退廃的な街の雰囲気をとらえていてステージとしての面白みがあります。ロイ・J・ハントの陰影濃い実験的カメラワークも大いに見応えがあります。鏡の巧みな使い方、ゆがんだショット、恐ろしいほどの顔のクローズアップ、美しいコンポジションなど百聞は一見にしかずです。

このようにすべての要素がうまくいき過ぎたため、本編は注目され過ぎるほど注目され、不幸なことにリベラリズムを極度に嫌悪する赤狩りの餌食となってしまったのです。製作者エイドリアン・スコットとエドワード・ドミトリク監督はこの映画のせいで国家の裏切り者のレッテルを貼られてしまうことに。 恐るべきアメリカがこのフィルムの表裏に潜んでいる。しかし、そんな悲劇も今は昔。歴史の重みを感じながらこの名作を堪能しましょう。アメリカ版のDVDはより映像が美しいように感じました。日本でもこのプリントのバージョンが観られれば嬉しい限りです。

・「会話で展開する映画
原題のCrossfireには「はげしいやりとり」という意味があるようです。その名のとおり、この映画は殺人事件と捜査を扱っていながら、全編ほとんどが、事件を見せるのではなく会話で展開しています。まるで室内劇を見ているような印象です。圧巻は犯人の同僚であり、面倒なことに巻き込まれたくない逃げ腰のルロイを、ロバート・ヤング扮する刑事が「囮捜査」に協力させるところ。被害者はユダヤ人であるという理由で殺された、アイルランドから移住してきた自分の祖父の話を出して、ルロイにうんと言わせる、このシーンは感動的です。そしてラスト…、ここの切れ味がもっとよければ、星5つでした。

・「米国人好みのテーマ
 地味ながら意外と面白い。いわゆるB級映画です。ユダヤ人差別をテーマにした先駆性は買えます。そのような映画史的価値はあると思います。映画史に興味がある人なら観ておかないと話しになりません。しかし、一映画ファンが高いお金を出してわざわざ観るほどでもありません。しかし、中古でお値打ちに入手できるならおすすめ。「夜の大捜査線」が続編が作られたり、TVシリーズ化されたことからも、米国人好みのテーマといえましょう。

十字砲火 [DVD] (詳細)

飾窓の女 [DVD]

・「重苦しさとウィットを兼ね備えたフィルムノワールの快作
ドイツ表現主義の巨匠フリッツ・ラング監督のアメリカ時代の一本。当時はやっていた暗いサスペンス仕立てのドラマ形式に忠実な作品ですが、じっくりと落ち着いた語り口や「あぁ?!」と思わず声をたててしまいそうな仰天の顛末などがうまく混ざり合って一筋縄ではいかない面白さを感じさせます。そのあたりが少し変わった趣向を持ったラング監督らしいところ。

ありきたりの生活に行き詰まりを感じている誠実な初老の大学教授にエドワード・G・ロビンソン。怖くいかついギャング役のイメージが彼にはありますが、ここでは知性と落ち着きに富んだ人物を抑えた演技で好演。実はロビンソン、普段は温厚で芸術肌のインテリだったそうで、まさしくこの役は適役。そういえば、ビリー・ワイルダー監督の傑作『深夜の告白』でも機知に富むベテラン保険調査員をいきいきと演じていたことを思い出します。タフガイもいいですが、個人的には落ち着いた演技の素晴らしさにエドワード・G・ロビンソンの名優たる所以があるのだと思います。

『深夜の告白』では犯罪者を追う立場だったロビンソンもこの本編では追われる立場となりますが、そのあたりの描写が相当面白い。「あぁ、なんでそんなこといっちゃうの!」、「そんなつっこみに対して真顔で答えるんじゃない!」なんて思わず手に汗握る展開が待っています。この大学教授、罪は犯してしまっているのですが好感が持てる人物なのでおもわず応援したくなってしまうのです。このあたりラング監督はたいへんうまいですし、善意ある小市民をリアルに演じたロビンソンの名演のおかげといえるでしょう。

ロビンソン扮する教授と運命の出会いをする訳ありの美女にジョーン・ベネット。ジャン・ルノワール監督の『浜辺の女』での彼女とは違い、本編では演技面ではとりたててどうということは無いのですが、あまりの美しさにみとれてしまいます。このキャラクターも悪い女になりきれないので、フィルムノワールの代名詞でもあるファムファタールではありません。そのかわりここでは悪い男、すなわちオムファタールが登場します。このゆすりぐせのある人物に数々のフィルムノワールで印象深いチンピラを演じてきたダン・デュリエが扮し、飄々とした憎らしさをふりまきます。このあたりはキャスティングの妙。

大いにひねったエンディングが公開当時賛否両論だったといいますが、個人的には大満足。どのように満足だったのかはここでは申せませんが、楽しんでいただけると思いますよ。まずはラング監督の絶妙の語り口を、エドワード・G・ロビンソンの素晴らしい腹芸を、ジョーン・ベネットのため息がでるような美しさを、ダン・デュリエのいらいらするような憎らしさをとくとご堪能あれ。

・「コメディではありません。サスペンスです。
本作は,1962年に公開されたフランス映画の同名作品(DVD化されていないと思います。)とは全く内容が異なり,俗に言う飾り窓の女(アムステルダムの娼婦街の女性)は登場しません。

ドラマの構成は犯罪サスペンスで,妻子のある犯罪心理学者のリチャード(エドワード・G・ロビンソン)が,不思議な美女(ジョーン・ベネット)と意気投合し,後ろめたさを感じつつもドキドキしていると,お約束で殺人事件に巻き込まれてしまう,という感じですね。60年以上も前の作品ですから複雑なトリックシーンがあるわけでもなく,今となっては平凡な展開といえるでしょうが,とんでもないオチが待っています。そのオチは見てからのお楽しみですが,大ドンデン返しとかじゃなく,“エ〜そんなのアリ?”みたいな感じのオチで,賛否両論あるようです。因みに私は,こういう形のサスペンス,決して嫌いじゃありません。

それにしてもロビンソン先生,犯罪心理学を専攻しているはずなのに,自分がその立場になると証拠は残しまくるし,検事の前では余計なことを口走るし,なかなか笑わせてくれますね。★一つ差し上げます。そして,ドラマの筋とは関係ありませんが,ジョーン・ベネットは素敵です。黒のドレスで髪をブルネットと全身は黒で統一されています。コートを脱ぐとこのドレスは上半身が黒のシースルーでインナーが白で,ちょっと見だと全部透けて見えるような感じになっています。このセンスは十分現在でも通用しますね。★一つ差し上げます。

・「待望の名作、必見!
ラングのアメリカ時代の代表作の一つ。ふとした出来心から、謎めいた美女の住まいに赴いた真面目一徹の主人公が、思わぬことから殺人を犯してしまい、精神的に追いつめられていく過程は迫力満点。どちらかと言えば善良な、普通の人が犯罪に手を染めてしまい、それを隠そうとしてかえって追いつめられていくという主題は、少し前に出た『ブルー・ガーディニア』と同様。不安と絶望に追い立てられ、苦悶する主人公の状況を描くラングの演出は、見事!の一言。人間の愚かさ、弱さをこれでもかと炙り出すラングの辛辣さは、本作でも絶好調である。主人公の表情、仕草、何気ない会話、そして小道具による暗示等、絶妙に計算されたシークエンスが見事なテンポ感で繋がれ、観ている方はぐいぐい引き込まれ、目を離すことができない。主役のE.G.ロビンソンが、繊細この上ない素晴らしい名演! 主人公を恐喝するチンピラのダン・デュリエが、ねちねちと嫌らしい凄みを漂わせる怪演。そして何と言ってもファム・ファタルのジョーン・ベネットがあるいは謎めき、あるいは妖艶に美しく、あるいは覚悟を決めた女の恐ろしさを見事に見せてくれる。セットや小道具のこだわりも含めて、かなり完成度の高い作品。これは必見!

・「E・G・ロビンソンの適役と巧さに尽きる作品
ラストのオチには評価が分かれるところですが、E・G・ロビンソンの適役と巧さに尽きる作品です。堅物な大学教授には教養と知性が感じられ、ふとした心の欲望と不注意から事件に巻き込まれていく辺りの心理描写や緊張感がよくでた佳作。

飾窓の女 [DVD] (詳細)

上海から来た女 [DVD]

・「限りなく無意味であっても価値のあるスリラー
鬼才オーソン・ウェルズの作品は『市民ケーン』にしろ、『偉大なるアンバーソン家の人々』にしろ、『黒い罠』にしろ雰囲気作りや見せ方に面白みがあり、そのユニークな力強さが映画に限りない魅力を与えているのですが、どれも内容的には虚無感が全体を支配する無意味なものであるとの印象をぬぐえません。人間ドラマとしての重みを示唆するでもなく、かといって社会性のある主張があるわけでもないのですが、だからこそ『上海から来た女』はそんな意味でウェルズ・フィルムを代表する作品とも呼べるでしょう。

まず物語の背景そのものはたいへん変化に富んでいて面白い。富豪夫人としがない船乗りがひょんなことから出会うニューヨークにはじまり、カリブ海への船旅、浜辺のパーティ、法廷でのやりとり、チャイニーズ・オペラ・ハウスでの潜伏、そして名高い遊園地でのラストと、互いに全く関係の無い背景がシュールかつ効果的に結びついていくあたり、はやりウェルズ監督のただならぬ独創性に感心してしまいます。

カメラはときに大胆な平行移動をみせながら、人物の表情を「こんな近くでとってもよいのか」というぐらいの至近距離からアップでおさめます。これが妙な緊迫感を生んでいます。特に富豪夫人を演じたリタ・ヘイワースのアップは彼女の美しさを際立たせているのと同時に、彼女が抱え持つ複雑な心理をも巧みに演出しています。そして、やはりクライマックスの遊園地のアトラクションでの映像は魔法と見紛うばかりの奇抜な面白さに満ちていて興奮させられます。

むろん、船乗りマイクに扮したウェルズ本人や富豪夫人エルザを演じたヘイワースの存在感は絶大なのですが、フィルムに独自の力強さを加えたのは利己主義な富豪アーサーを演じたエヴァレット・スローンと不気味でいやらしい彼の右腕ジョージを演じたグレン・アンダースでしょう。彼らの老獪さと訳のわからなさにウェルズもヘイワースも終始翻弄され続けるわけですから。

深い内容はなくとも、スリラーとしての面白さ、ストーリー展開の巧みさ、またその見せ方は一級であり、あらためてオーソン・ウェルズという人の個性豊かな才能をまざまざと見せつけられた感じです。結論として、「映画は本来内容よりも面白さが重視されるべきである」というのがウェルズ本人の持論だったのではないでしょうか。そんなことを思わせる快作がこの『上海から来た女』であると思うのです。

・「不完全版しか見ることのできない不幸な名作ですっ!
 オーソン・ウェルズ製作・監督・脚本・主演のフィルムノワールの名作です。 もちろん、評価は人それぞれでしょうが、好みに合えばくりかえし観たくなる、凝った映像のディテールがてんこ盛りの白黒映画。 特に最後のびっくりハウスの鏡の間の場面があまりに有名で、いろんな娯楽映画でさんざんパクられている元ネタ。 ここだけでも観る価値はあるとおもいます。 でも、残念なことに、現行版は映画会社の独断で公開前に約60分もカットされたせいで、ストーリーに飛躍が生じて、もどかしさを感じてしまう。 残念なことですが、復元不能だとか。 ハヤカワ・ポケット・ミステリから同じ題名で原作小説が出ていますが、映画とは微妙に異なっていて一興。 DVDの映像特典のP・ボグダノヴィッチの解説が撮影時のエピソードや技術面の詳細に触れていて、理解の助けになった。 こういう内容のある特典は歓迎したい。 画質は、以前のビデオ版よりも良好。 おまけに日本語吹替版もついていて、お徳ですよ。 クラシック映画ファン限定でなら、お勧めできそう。 

上海から来た女 [DVD] (詳細)

フィルム・ノワール セレクション キッスで殺せ! [DVD]

・「唖然とするような力作。
ロバート・アルドリッチ監督の娯楽作品の名手としての評判は『ヴェラクルス』、『特効大作戦』、『北国の帝王』などで知っていましたが、これはユニークです。プロットの難解さからして娯楽色だけを狙ったものではないことはたしか。マイク・ハマー登場の探偵ものに極力自分なりの演出の妙を加えようとした成果がよく表れています。そこでストーリーラインとしてもお決まりのミステリーのそれではなく、その行方にはおよそ皆目見当もつかない暴力的破天荒さが用意されています。このラストへの強引ななだれ込みかたには唖然の一言。でも否めないのです。雰囲気がいい。写真のおさめかたや動き方がいい。ラルフ・ミーカーの善だか悪だかわからないあいまいさもいい。なにより、アルドリッチが商業主義を無視して入魂の映像を作り上げようとしたことに拍手を贈りたいのです。

・「R・オルドリッチ監督の初期の作品で後の名作を生み出す片鱗が随所に観られ作品。
R・オルドリッチ監督作は骨太のハードボイルドやサスペンスですが、本作はその初期の作品で後の名作を生み出す片鱗が随所に観られ見応えがありました。難をいえば、主人公のハマー役が往年のH・ボガートなどカリスマ性ある名優なら言うこと無しでした。

・「最初の路上シーンと最後のSF風味に尽きますね
10年ぶりに見返しましたが、最初の路上シーンと最後のSF風味に尽きますね、この作品は。その間の数十分はまあまあです。配役しょぼすぎます。もう少し何とかならなかったのでしょうか。

フィルム・ノワール セレクション キッスで殺せ! [DVD] (詳細)

歩道の終わる所 [DVD]

・「力強い堕ちた法の番人。
クールな視点と熱く押しまくるパワフルな演出力が一つの映画の中で同居しているのはオットー・プレミンジャー監督ならではのものでしょうか。それは主演のダナ・アンドリュースの熱くも抑えた演技にも反映されているかのようです。強くなりきれず、かといって弱くなりきれず・・・。プレミンジャーは人間らしさを決して否定しない堕ちた法の番人の生き様を淡々と描きます。複雑な主人公の心を唯一癒すことができるのは麗しく優しいジーン・ティアニー扮する美女のみ。こちらも可憐なクールビューティーぶりが際立っています。このカップルの淡々と冷めたオーラに影響されてか、フィルムも全体的にドライな雰囲気の中で進行し、ドラマティックな抑揚を一部欠いています。が、この“力強い無機質さ”がこの過小評価され続けてきたフィルム・ノワールの本当の魅力なのかもしれません。

歩道の終わる所 [DVD] (詳細)

魅せられて [DVD]

・「メロドラマとフィルム・ノワールの魅惑溢れるブレンド
『忘れじの面影』、『輪舞』などを撮りあげた女性映画の巨匠マックス・オフュルス監督のアメリカ時代最後の作品がこの『魅せられて』です。公開当時は「コマーシャリズムに染まった軽薄な夢見る少女」を中心としたストーリーが批判され、真剣に取り上げられることはありませんでした。しかし、オフュルス特有の流れるようなストーリー展開とリー・ガームスによる流麗なカメラワークに加えて癖のあるサイコドラマとしてのクオリティーの高さからフランスの映画評論誌『カイエ・デュ・シネマ』の評論家たちには好評を博しました。また『ニューヨーカー』誌の名映画評論家パウリーン・カエル女史に「興行的には失敗作であったが、複雑な感情の起伏を有し、それが水面下で力強いうねりとなって感じられる作品」と言わしめたフィルムです。

たしかに、ストーリー自体は冒頭からシンデレラ症候群にかかった薄っぺらいヒロイン、レオノラのミーハーさを強調していて、感情挿入がしにくい部分があります。しかし、やがてこの少女がその未熟さゆえに複雑な状況に巻き込まれていくにつれて心理ドラマとしての面白みががぜん増してきます。そのあたりの心境の変化をレオノラに扮したバーバラ・ベル・ゲデスがみずみずしく表現していきます。

レオノラを翻弄する心の捻じ曲がった大富豪オーリグにロバート・ライアンが扮し、支配欲に塗り固められた恐ろしくも孤独な人物を巧妙に表現。嫌悪すべきこの男はなぜか不思議な魅力とカリスマ性を備えていて、この物語の要的な存在となっています。一説によるとこのキャラクターは当時多くの映画関係者をその権力とわがままで悩ませた大富豪ハワード・ヒューズをモデルにしたものだったとか。とにかく力演です。

いっぽう、レオノラを暖かく見守る良心的なクゥワナダ医師にはジェームズ・メイソン。思慮深く常識ある紳士をメイソン独自の品格を活かしての好演。悪意の象徴オーリグと善意の象徴クゥワナダ医師の競り合いが本編にフィルム・ノワールとしての強烈な緊張感を与えています。またクルト・ボワ演じるオーリグの執事フランツィもじめじめしたいやらしさをかもし出してフィルムの暗黒面を強調し、味があります。

オーリグとクゥワナダ、二人の男の狭間で揺れる哀れな乙女レオノラの心の動向がこのフィルムのエッセンスであり、オフュルス監督はリー・ガームス操るカメラを通してそれを極めて美しく、時にゴシック的な不気味さを加味して映し出します。特にオーリグの薄気味悪い大邸宅中の描写など素晴らしい。こうした監督の手馴れた雰囲気作りのお陰で、『魅せられて』は単なるメロドラマでは味わうことのできない一種恥美的な暗い麗しさに満ちています。そんなわけで、これはメロドラマとフィルム・ノワールの魅惑溢れるブレンドであり、戦後というペシミズムに支配された時代の極めて独自な雰囲気を今に伝えるフィルムとして大いに記憶に残ります。

魅せられて [DVD] (詳細)

孤独な場所で [DVD]

・「愛と破局の不安定なノワール。
『夜の人々』、『危険な場所で』そして本編と、鬼才ニコラス・レイ監督はやはりフィルム・ノワールに力量を発揮するようです。

本編はハンフリー・ボガートのもう一つの側面、すなわち後年『ケイン号の反乱』や『必死の逃亡者』でみせたような不安定で危ういキャラクターを前面に押し出し、全体的に緊迫感に満ちた不安定さが漂います。そんな不安定さに強弱が巧みにつけられていて、弱いところはあくまでも甘美に、強いところは衝撃的に感じられるところが絶妙です。これは人間の暗黒部分をまざまざと見せつける映像ジャンルであるフィルム・ノワールにこそ似つかわしい特徴で、レイ監督はよくそのツボを心得ています。

ボガートの相手役に、これもまたフィルム・ノワールの女神ともおぼしきグロリア・グレアムが扮しています。けだるく退廃的な印象を数々のフィルムで残している彼女ですが、その中にもどこか女性らしい愛らしさを持つ不思議な魅力の人です。ここでは彼女にこそ似つかわしい破滅を予感しながらも愛に生きようとするヒロインを堂々と演じています。そこはやはりグレアム。運命に翻弄される女の複雑な心情を見事に表しています。そしてその意味でこれは、彼女の最高傑作。

切れるボギー、心さいなまれるグロリア。愛と破局の不安定なフィルム・ノワールこそ異端児ニコラス・レイの愛した刺激的な題材だったのであり、本編はそれをあまねく表現しきった傑作であるといえるでしょう。

・「ストーリーと役者の力演、演出で怖さを表現したサスペンスの佳作
ヒッチコックの「断崖」を彷彿させるサスペンスの佳作。主演がH.ボガートだけあって、重い感じがあり人間の奥底を恐ろしいまでに描ききりサスペンスのテンションを維持することに貢献しています。近年のサスペンスは映像的なホラー色や猟奇表現で怖さというより気持ち悪さを強調していることに対し、本作はストーリーと役者の力演、演出で怖さを表現し、観るものにとっては一層印象的で、ラストのはかなさも印象的でした。

・「あれほどまでに愛し合った二人に「宿業」の如く訪れる破局 男と女が帰って行く場所、それは孤独な魂 A Lonely Place
 スミザリーンズ&スザンヌ・ベガに同タイトルの名曲があって、ブロードキャスターのP.バラカンが紹介してくれたのが本作を知った端緒です。まだ見ぬ名作としてずっと心に留まっていたのですが、10年前に突然WOWOWで放映。その「ため」のある素晴らしい画面。さりげなくも深遠な含みを持つ一瞬のシークェンスの数々(例えば二人の睦まじい姿を見せながら“I Hadn`t Enyone Till You”が奏でられるシーンはなぜか分からないけれども「ぞわっとするような」凄みに満ちています)。あれから山ほど映画を見てきましたが、間違いなく生涯5本の指に入る傑作です。 ローレルの女友達が彼女にマッサージを施しながら「この恋をやめるように」と忠告する印象深いシーンがありますが、『セルロイド・クローゼット』でも指摘された如く、二人は同性愛の関係にある様な含みがあります。今はアル中で常軌を逸してしまった元シェイクスピア劇の名優(J.バリモアを意識?)、「原作通りか?」と念を押しに来る飄々としたマネージャー… 1950年は『イヴの全て』や『サンセット大通』の様にハリウッドがハリウッド自身を揶揄した辛辣な内幕物的傑作が輩出した年でもありますが、本編サブエピソードの不思議な説得力はきっとN.レイ達が生身で見据えてきた映画界の群像故なのでは。 そして我が身潰えるまでに献身する女。芸術家肌で自らの仕事に妥協なきこだわりを持ちながら認められず、他者に尖りきった態度を取る男。孤独な魂を寄り添い合わせ、本当に睦まじく暮らした二人。しかし二人はどうしようもなく破局に突き進み、そして再び“In A Lonely Place”=孤独な魂の中へ戻っていくその哀切。男と女がお互いに否応なく持たざるを得ない悲しき業…。その切なくもハードボイルドな恋愛の姿に総毛立つような感銘を覚えます。それは私にとってまさしく「恋愛の神髄」を描いたものに他なりませんでした。震えが止まらなくなるような傑作です。

・「良い
音楽、ストーリー、役者、すべてが揃っている映画です 映画史上最も孤独な主人公がどうなるか そのラストシーンが素晴らしいです

孤独な場所で [DVD] (詳細)

恐怖の岬 (ユニバーサル・セレクション2008年第7弾) 【初回生産限定】 [DVD]

・「「ブレード・ランナー」を彷彿させる終盤の展開
「過去を逃れて」や「さらば愛しき女よ」でフィルム・ノワールでの第一人者でもあるロバート・ミッチャムが「狩人の夜」ばりの悪役(今で言うストーカー)を見事に演じた作品。一方、善人しか演じられない主演のグレゴリー・ペックの存在感は薄いが、いわゆる善良な市民をそれなりに演じている。そのためか、ロバート・ミッチャムの存在感は強烈に感じられる。J・リー・トンプソン監督の演出もさえており、G・ペックの娘がR・ミッチャムの影に怯えて小学校に逃げ込むくだりは最高の緊張感を与えてくれる演出(70年代に入ってからのJ・リー・トンプソンの「狼よさらば」のシリーズとかは荒削りになるがこの作品は実に細やかな演出がなされている)。

・「ペックははまり役。ミッチャムは多少違和感あるけど、Remakeのデニーロと違って、抑えた演技で好演
晩年、猿惑Seriesの4、5作目、ブロンソン主演のB級Actionを撮ったばっかりに、駄目監督の烙印を押されてしまったJ・リー・トンプソン監督の油が乗っていた頃の名作Susupenceだと思います。元々Remakeを劇場で観た時は、Originalの存在すら知らなかった私ですが、WOWOWで放映されたこの作品を観た時Remakeの方が面白いかなぁと思っていました。しかし、今回Package化されたDVDを購入し、両作品を続けて観た後の感想は、やっぱりOriginalの方が上かなと。まずモノクロ画面がSuspence度を高めていますし、ミッチャムは派手ではないが、憎々しさが漲っていて好演だし、バーナード・ハーマンの音楽は素晴らしいし(Remakeも基本は同じですが、エルマー・バーンスタインが若干Arrangeしてます)脇も渋いし(マーティン・バルサム、テリー・サバラスなど。マーティンはRemakeでも顔を出してます)Lastは絶対こっちの方が良いですし。

娘役はOriginalの子役?(見た目老けてるなぁ)もジュリエット・ルイスも行動が軽率で『お前、何やってんねん。じっとしとけよ』と思わず突っ込みを入れたくなります。奥方役は変に美人女優を起用しなかったのが幸いして、恐怖に慄いているReal感がありますしね。ペックは相変わらず颯爽としてAmericaの良心そのままの弁護士役を演じてます。

Episodeとしてはミッチャムに暴力を振るわれた女を、警察がいとも簡単に解放してしまうのは首を捻りました。又直ぐに何かやらかす事が明々白々な男を野放しにするのと等しいのに、映画だからでしょうが『あんなんで良いの』と思いました。女が『田舎町だから、告訴したら直ぐに噂は広まるし、告訴なんかしたらマックスに何をされるかわからない』ような事を言ってましたがこのことは性犯罪が、中々犯罪として立件されない事を物語っている気がします。昔も今も同じですね。

人1人殺してますし、ペックも殺そうとしたし、強姦未遂致傷だし、その上前科者ですから、終身刑で済むのかなぁ。★4.5個に等しい★4個です。

恐怖の岬 (ユニバーサル・セレクション2008年第7弾) 【初回生産限定】 [DVD] (詳細)

殺人者 [DVD]

・「ヘミングウェイの短篇小説をかなり想像力豊かに映画化した名作
ヘミングウェイの短篇小説をかなり想像力豊かに映画化した名作です。原作は映画本編の最初の5分ぐらいの内容で終わっています。映画ではその後の物語をうまく作りこんでいます。なぜ冒頭の殺人は起きたのか?被害者に何があったのか?という疑問点を軸に保険会社が調査に乗り出します。その後明かされる展開は作劇として十分満足できる物でした。マフィアがらみの白黒映画がお好きな方にはお薦めです。

・「ムーディでシャープなヘミングウェイ文学の映画化
バート・ランカスターの出世作です。とはいってもランカスターは強烈な印象を残しながらもあまり出てきません。どちらかというと、ランカスター演じるキャラクターが絡む事件の背景を探るエドモンド・オブライエンが主役のようなつくり。でも、やっぱりランカスターがその存在感ですべてもっていってしまっていることはたしか。

シオドマク監督の演出はメリハリがあっていいと思います。とくに一味が強盗に入るあたりの長回しは見応えがあります。また、エヴァ・ガードナーの魅力あふれる悪女っぽさもなかなかのもの。

それにしても冒頭の殺し屋がこわい。なんとよくみると、B級ノワールの傑作『その女を殺せ』のチャールズ・マックグローじゃないか!こわいはずだ。タフガイとしてならした彼だもの。迫力満点です。この冒頭の緊迫感だけでも見る価値のある作品だと思います。

殺人者 [DVD] (詳細)

浜辺の女〈ニューマスター版〉 [DVD]

・「ただ一度観ただけではその素晴らしさが伝わってこない傑作
学生時代に初めてこの映画を観たとき、その唐突さや難解さを目の当たりにして理解に苦しみました。なぜゆえに登場人物たちはこのような行動をとるのか?このシーンにはどういった意味があるのか?出し抜けの音楽がいささか耳障りではないか?この話の運び方には無理があるのではないのか?しかし、こうした謎を抱えたまま、この作品のことをなぜか忘れることができなかったのです。後年あらためて本編を観賞したさいに、次第に一つ一つの謎が解けていき、このフィルムの持つ人間造形の奥深さや繊細さに驚嘆しました。また極力独自性のある作品を作ろうとしたジャン・ルノワール監督の創意が伝わってくるようになりました。

ある意味で理解しがたい異常心理がテーマとされているので、ジャン・ルノワール作品としては異端の部類に分類されがちなフィルムです。が、実は最もルノワール的な要素、すなわち葛藤に満ちた人間の生き様と、それが人間が生を営む背景である大自然と緻密に呼応し合いながら情感あふるる映像として立ち現れているといった意味で最もこの巨匠監督らしいフィルムの一つであるとすら言えるのではないでしょうか。また登場人物の一見異常な心理や行動にも、これらの人々が経てきたであろう人生の変遷をかんがみれば次第に理解を示すことが出来るようになります。海底の悪夢、靄立ち込める浜辺、心かき乱すような海のうねり、降りしきる雨、難破船の中での密会、そびえ立つ不気味な崖、カモメの叫び、燃え尽きる家・・・。どれも登場人物の不安定で助けを乞うかのような複雑な心情とリンクしていて、いずれにも強い象徴性を加味した印象深い演出が施されています。

『飾り窓の女』のジョーン・ベネット、『大いなる西部』のチャールズ・ビックフォード、『危険な場所で』のロバート・ライアン。これ以上の顔合わせがないような演技陣のすばらしさ。彼らの屈折した演技と存在感を大胆かつ繊細に織り合わせていくルノワールの文句のつけようの無い力量。まさにこれはルノワールが思い切って撮りあげた孤高のアヴァンギャルド・ピース。かのフランソワ・トリュフォーに「好奇心をそそられる興味深い作品で、台詞以上に登場人物の行動こそが物言う純粋なフィルムであるところに惹かれる」と言わしめたほど、ヌーベルバーグの旗手たちも本編に少なからず刺激を受けたと言われています。

これまで多くの批評家に「曖昧な失敗作」、「馬鹿げたフィルム」などと酷評されてきたいっぽうで、『NATION』誌のマニー・ファーバーや『LES CAHIERS DU CINEMA』誌のジャック・レヴェット、『TIME OUT』誌のトム・ミルンなどの大物映画評論家らが本編を傑作として賞賛し、伝記作家のロナルド・バーガンをして「40年代ハリウッドの暗黒映画(おそらくはフィルム・ノワールの意味)の魅力的な好例でありつづけている」と言わしめた理由が今になってわかるのです。ルノワール監督は時代を先取りし過ぎてしまった訳ですね。2010年度版の『RADIO TIMES GUIDE TO FILMS』はルノワールのアメリカ時代の力作としてこのフイルムを高く評価しています。フランス映画に造詣が深く、『LES CAHIERS DU CINEMA』誌の同人でもあった山田宏一氏も「すばらしい作品」と本編を称えていますが、それも納得の出来栄え。

ちなみにこのDVDバージョンはニューマスター版とのことですが、いささか画像が悪いのがたまにきず。また冒頭RKOのロゴが出てから荒々しい岩場が映し出されカメラがパンして水面をとらえながらクレジットに移行するあたりのダイナミックな導線がぶつ切りにされているところも残念です。美しい画像を保ったより完璧なマスターフィルムも現存しているようなので、ぜひそれをもとに再DVD化をお願いしたいところです。

浜辺の女〈ニューマスター版〉 [DVD] (詳細)
ページ上部へ▲


シンプル・アマゾン通販:-CD-DVD-ゲーム-おもちゃ-ホビー-PC&電子機器-PCソフト-家電&雑貨-アパレル&シューズ-ジュエリー-時計&バッグ-スポーツ&アウトドア-コスメ-ヘルス&ビューティ-ベビー&マタニティ-食品&飲料-アダルト | モバイル版(ケータイ)

QRコードケータイからは、シンプル・アマゾン通販(モバイル版)をご覧下さい。

シンプル・アマゾン通販は、安心・安全のネットショッピングAmazon.co.jpの商品を紹介しています。

簡単アフィリエイト:あなたのAmazonアソシエイトIDをアドレスの最後に付けるだけで簡単キャッシュバック!(例:2sas.net/?yourid-22)一度IDを付ければ、シンプル・アマゾン通販内の全商品が紹介料の対象になります。アソシエイトIDはこちらから登録可。


©2010 2sas.net.