空中庭園 (文春文庫) (詳細)
角田 光代(著)
「家族」「平和な家庭の異常な日々。」「作品そのものとは別にいつも思うこと」「不安定でもやっぱり家族」「角田光代の世界観」
ラッシュライフ (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「誰かは誰かと端っこでつながっている」「楽しめる」「無限ループからの脱出」「今の時代の空気感」「寓話的、アイコンと時差」
ノーサラリーマン・ノークライ (詳細)
中場 利一(著)
「笑えます」「肩肘張らないで読んだら」「「軸足を前へ!」」「「軸足を前へ!」」「自己啓発書の箸休めにいかがでしょうか」
波のうえの魔術師 (文春文庫) (詳細)
石田 衣良(著)
「「ビッグマネー!」の5日間戦争の緊迫した面白さ」「軽快かつ爽快なる面白さ」「エンターテイメントですのでよろしく」「どんな魔術にもタネがある?!」「この時代だから・・・」
三国志 (1の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫) (詳細)
北方 謙三(著)
「等身大で描かれる抒情詩的三国志」「桃園の誓いが無い!?」「これぞ北方謙三!!」「読み物としての三国志」「三国志として捉えなければ」
蒼天航路(1) (講談社漫画文庫) (詳細)
王 欣太(著), 李 學仁(クリエイター)
「強烈なインパクトを残す異色の三国志」「もう漫画ってレベルじゃない」「これはビジネス書です!」「歴史の本質がわかります。」「すごい」
三国志 第5巻 (MFコミックス) (詳細)
寺島 優(著), 李 志清(イラスト)
寄生獣(完全版)(1) (アフタヌーンKCDX (1664)) (詳細)
岩明 均(著)
「人間の取り柄」「岩明 均のマスターピース」「本当の意味での完全版」「エゴイズムの自覚から開かれる世界」「傑作!」
江戸前・あ・めーりかん 上 (ビッグコミックススペシャル) (詳細)
藤波 俊彦(著)
「アメコミ風うんこ漫画」
・「家族」
家族間では隠し事をしない.この約束こそが,皆に安心感を与え,健全な家庭を築く.表面的には問題ないように見える仲良し家族.だが現実は・・・ 家族とその周囲をめぐり6人の人物の視点から描かれているリレー形式の物語.面白いのは,人は変わっても物語の時間は止まらない点.一人の視点から物語りは綴られ,当人の問題が解決しないうちに次の人に話は移る.けれど時間は進んでゆく.問題は未消化のままに. 全ての物語が終わっても何も解決していない,そうまるで現実のように.安易な解決など起きはしない.蓄積される問題,根はあまりにも深い・・・
・「平和な家庭の異常な日々。」
著者の作品を初めて読みました。私の知り合いの女性に随分人気のある方でしたので、ちょっとした少女向きの小説ではないかという先入観があったのですが、それは見事に裏切られました。女性ならではの繊細さと毒気のある視点で、「隠し事のない幸せな家庭」に隠されたグロテスクな姿を家族と家庭教師による独白で浮き彫りにするという、内容的にも構成としても非常に面白い作品でした。凄いです。普通の家族の危険な秘密、という物語はこれまでも描かれてきた題材ですが、こういう形で描いた人はいなかったのではないでしょうか。お互いに胸にしまってある思いが家族間で見事にずれている点など、思わず、わが身をを振り返ってしまいます。読み続けてゆきたい作家に巡り合えたことをうれしく思います。
・「作品そのものとは別にいつも思うこと」
郊外の団地に住む家族の物語です。それぞれの視点から各章はなり、章を追う毎に時間は流れていきます。
角田光代さんの作品でいつも感じるテーマは、「退屈で平凡な人生にどう意味を持たせるか」であるように感じます。
人よりも突出した何かがあるわけでもない人間がいつも話しの中心人物で、そんな何でもなさそうな人間が問題を抱えている。それも真剣にみんな抱えている。世の中の大多数にとっては何の関係もない、自分が悩んだところで世の中には何の影響もない。と、開き直ることもなく、みんな真剣に自分の為に問題と向き合ってる。
平凡な人生を肯定してくれてる気がして、作品の内容そのものとは別に、いつも自信をもらえたりします。「空中庭園」も同様でした。
角田光代さんの作品がお好きな方にはオススメです!
・「不安定でもやっぱり家族」
後に角田の代表作の一つといわれるだろう一冊。ダンチに住む4人家族を、それぞれの視点から描いた連作短編集。ラブホテル「野猿」が随所に出てきて、家族小説なのにリビングよりこのラブホテルの場面の方が多いんじゃないかというくらい。主要登場人物6人全てが、なぜかそれぞれ「野猿」に行ったことがある! 「かくしごとなし」なんて家族のモットー自体、そもそもうさん臭い。でもそうやって無理しちゃうのが家族のような気もする。だから、一見バラバラなようでいて、実はこのような家族のありかた程度が、平均的なのかもしれない。現代は、家族でさえ演じてしまう時代なのかもしれない。
・「角田光代の世界観」
著者とは「対岸の彼女」で初めての出会いであった。作品の素晴らしさは言うまでもなく、心にしみる読後感であった。本作も彼女の素晴らしさを再確認するものであった。「対岸の彼女」では暖かい、再生のラストであったが、本作「空中庭園」はもっと情念が感じられる仕上がりとなっている。「隠し事のない家族」とは「永遠の愛」同じくらいありえない、と偶然読んだ雑誌に載っていたが、本作品はそんなレベルではなくもっと人間の本質の狡さ、愚かさ、悲しさが表されている。彼女の世界観は人間の本質を浮き彫りにしているので、読んでいてある意味「不快感」を感じる。しかしそれは、我々の心の中を作者に見透かされているからなのかも知れない。
・「誰かは誰かと端っこでつながっている」
いくつもの人生が、ちょっとずつ端っこでつながっていき、それが誰かの人生を作り上げていく。
群像小説と読んでしまえば簡単。ただし「群れ」と呼ぶには個性がありすぎるキャラたちが、文字の舞台を縦横無人に駆け巡る物語は、オールスター戦に近く、それでいて最後には群像小説としてのまとまりを持たせているのは圧巻。
この作家の上手いところは、ふとしたポイントで自分の現実世界を振り返らせることで、
誰かの人生が僕の人生の端っこでつながって、結果的に僕の人生を作り上げている、ということを気づかせてくれる。
世界では誰もが主人公で、誰もが脇役なのだろう。
そうやってできた世界の一部がこの小説なのかもしれない。
・「楽しめる」
よかったなー。1回目読んだ時には意識してなかった出来事が、2回目読んだ時に関連性というか繋がりがわかる。話に無駄がなく、起こりうる出来事全てが何らかの繋がりをもっている。だから読みなおしたときにまた面白さがやってきた。
・「無限ループからの脱出」
仙台の街を舞台に、5人の男女の物語が進行する。エッシャーのだまし絵(ハードカバーの表紙はこれですが、なぜ文庫本は変えてしまったのでしょうか?物語に非常に影響を与えている絵なのに残念)、老いた野良犬、好きな日本語を尋ねる白人女性、未来が見える男「高橋」など、共通の背景を織り交ぜながらそれぞれの物語は交わることなく並行的に進行していきます。
死体は自らバラバラになった後、再びくっつく。轢かれた猫が生き返る。「あれ、これってミステリーでなくて、オカルト本?」と思み進めていくと、最後にとんでもない種明かしが!これは、まぎれもないミステリー小説です。
だまされた後の爽快感がたまりません。2回目も読まずにはいられない、しかも2回目も楽しめる、一冊で2度おいしい素晴らしい作品です。また、登場人物も非常に魅力的。特に泥棒・黒澤にはしびれました。
・「今の時代の空気感」
伊坂作品をはじめて読みました。ストーリーもトリックも、時系列がだんだんつながっていくのもとても面白く、ページを夢中でめくっていたという感じです。バラバラ殺人とか、登場人物がみんなそれぞれにエキセントリックだったりとかで「ありえない話」なんだけれども、それぞれの台詞とか、考えていることはありえない話ではなくてむしろ現実的で、それをそのものずばりではなくて寓話的な話で現代の空気感を表現している気がして、やっぱり作家ってすごいなと思いました(笑)話の中に「神」を登場させているのもすごく良かったです。何がどう良かったのかはうまく説明できませんが・・・謎解きを楽しみながらときどき立ち止まって考えさせられました。単なるミステリーではないと思うので、また読み返してみたい本です。
・「寓話的、アイコンと時差」
面白かった。読者に上手に考えさせる小説だと思います。よく出来ているなあと感心しました。
本書「ラッシュライフ」には、人生に関する深い感動があるわけでもなく、巨大な謎を解く達成感があるわけでもありません。物語を深く、謎めいてみせる技巧によって、物語そのものが何だったのかを考えさせる、寓話的な面白さがあります。
5つのストーリーを貫くのは、何かを象徴するかのようなアイコン。老犬、エッシャー展を開催する展望台、「好きな日本語を書いてくてれ」と言う白人女。読み進めていくうちに、これらが何かを象徴しているかのように感じられます。読者にちらっと「何かな?」と考えさせることで、物語に奥行を与えています。
一方で説明されずに、徐々に明らかになるのが時差。時差が明らかになるのは、複数の物語が繋がる時。読了後、私はエクセルのワークシートを連想しました。映画でいうと「呪怨パンデミック」。
読者は、個性や背景の異なる登場人物のうち、誰かに感情移入できるのではないでしょうか。私は豊田と黒沢に感情移入できました。(河原崎と佐々岡夫妻は造形に失敗しているような。。。)
「高橋」と宝くじのエピソード、郵便局強盗など、荒唐無稽なストーリーを、寓話的に見せていく実力はすごいなと思います。
面白い作品です。
・「笑えます」
日経ビジネスアソシエに連載されていた銀行マンの話です日常的にアルアルと思わせるやり取りがとにかく面白いです!僕は自分では言葉にならない感情が活字になって笑ってしまいました!
イイと思います!
・「肩肘張らないで読んだら」
~この本は何年ぶりかに読む小説だった。私はサラリーマンではないのだけど,なんとなくタイトルが気になって手に取った。
読み始めたのは寝る前だったが,とても読みやすくて面白かったのでけっきょく寝ないで一気に終わりまで読んでしまった。読みやすかったのは,文章の流れがとても軽快だったことと,登場人物たちの個性が丁寧に描写されていた~~ためではないだろうか。あとはもちろん,話が面白かったから。
やれ「サラリーマン小説としては…」だの「主人公が…」だのと難しいことを言わず,肩肘張らずに素直に読めばとても面白い本だと思う。(主人公はこれくらいふがいない方が読みやすい,と私は思う)
現在連載中の続編が本になるのを楽しみに待っている。~
・「「軸足を前へ!」」
めちゃgood。一気に3日で通勤中に読みましたが、読むのが楽しみで仕方がなかった。銀行員が舞台の青春モノですが、共感する場面がたくさんありました。「泣かないサラリーマンはいない」・・いいタイトルですねえ。個性豊かな登場人物が魅力的。仕事ではいやな上司が、ある時突然見たことのない姿をあらわしたりする・・。
「軸足を前へ!」
何度でも読み返したくなる本です。
・「「軸足を前へ!」」
めちゃgood。一気に3日で通勤中に読みましたが、読むのが楽しみで仕方がなかった。銀行員が舞台の青春モノですが、共感する場面がたくさんありました。「泣かないサラリーマンはいない」・・いいタイトルですねえ。個性豊かな登場人物が魅力的。仕事ではいやな上司が、ある時突然見たことのない姿をあらわしたりする・・。
「軸足を前へ!」
何度でも読み返したくなる本です。
・「自己啓発書の箸休めにいかがでしょうか」
社会の矛盾に悩み、自分の能力の限界にもがく、若い銀行マンを描いたビジネス小説。銀行名が実名で出てくるのには少し驚いた。
自己啓発書やハウツー本での勉強に疲れたら、こういう本をフリーマーケットで見つけてきて、さっと読んでしまうのも一服気分になれて良いかも。
・「「ビッグマネー!」の5日間戦争の緊迫した面白さ」
フジテレビ系列で放送されているドラマ「ビッグマネー!」を見て、原作である本書を一気に読みましたが、実に面白いマネーゲームが描かれる物語でした。預金量第3位の大手都市銀行がバブル期に絶対儲かると勧めた変額保険。この変額保険のせいで多くの人々が苦しみを味わうこととなり、やがては自殺者も。まつば銀行被害者の会にも関わる相場師の小塚老人と主人公の青年・白戸則道は、まつば銀行へ復讐としてのマネー戦争を仕掛けていく。
ここまでのドラマ放送と原作での違いもありますが、やはりというかドラマよりも原作の方が面白みを満喫できます。経済の素人の主人公が、相場師と共に手を組み、マーケットに挑戦していく姿は、スリリングさ、緊迫感もヒシヒシと読み手に伝わり、ページを読み進!!むにつれて期待感が増してきます。経済の複雑さよりも、経済の流れやマーケット市場の動きが読み取れ、比較的経済に疎くても実に楽しく読めました。経済を舞台とした小説は数多いですが、主人公の白戸青年と小塚老人のコンビが何とも魅力的で、白戸が今後どこまで成長続けるかもぜひ読んでみたいものです。また後半のまつば銀行との5週間戦争での仕掛ける罠や作戦、意外な白戸のその後の展開……とドラマの先読みはしてしまいましたが、満足いくラストでもあり、今までに読んだ経済サスペンス小説では一番の面白さでした。
・「軽快かつ爽快なる面白さ」
池袋ウエストゲートパーク以来石田衣良の虜となっている私だが、こと購入に関しては文庫版として発売されるのを待つというスタンスのため、この本も2年遅れの待望の1冊だった。
石田衣良の本は何と言っても、読んでいる間の軽快さ、読んだ後の爽快さがたまらない。当然この本も株という一般人にはなじみが薄いテーマであるにも関わらず、難解な表現がなくすらすらと読める。そして登場人物の白戸則道とおじいさんが銀行に復讐を果たした後のやりとりが人間のつながり、生きていく希望を感じさせる。石田の本は希望とともに読み終えられる爽快感がある。一度読んで欲しい本である。 ただあまりにも軽快かつ爽快過ぎて自分も株で生きていけるという錯覚に陥ることもあるのでご用心を。
・「エンターテイメントですのでよろしく」
老獪な相場師がニートの青年に市場のノウハウを伝授し、大銀行への復讐劇に巻き込んでいく話。
勿論、風説の流布により株価を下落させて儲けるだけだから、それがきっかけになり銀行が破綻することでもない限り、復讐らしい復讐にはならない。市場参加者から見ればたまらない話である。
それでも相場観を養う楽しみを見事に表現している点、変額生命保険に纏わる銀行の悪行を紹介している点など、エンターテイメントとしては高く評価できる内容と思える。
ただ、最近はこの本に書かれている程度の知識のみで相場に手を出す素人が増えているように思えて心配。エンターテイメントですので、そこのところよろしく。
・「どんな魔術にもタネがある?!」
大手都市銀行を破綻させる為に仕掛ける株式市場操作ゲームの話ですが、本当に個人の力でこんなことが出来るのかしら?(=出来たら良いな!)といった感情を持ちながらズイズイと読みつづけてしまう一冊です。地道な調査と濡れ手に泡の大もうけ…ギャンブルの神髄??のようでありながら、悪事には見返りもがあったりする。また、マーケットに骨の髄まで浸かってるカッコイイ老紳士が“パチプロ大学生”にマーケットの波乗り方法を伝授するには実は(優しい)裏があったり。これを読んで株に手を出そうとは思わないけど、小さな力が大きな力を『はめる』面白さが十二分に楽しめます。
・「この時代だから・・・」
ライブドアや村上ファンドの株式騒動が始まるまえに フジTVで放映された 個人投資家と大手銀行の不正に対しての 株式報復ストーリーです。いかに 株売買の波を読むかが・・・最近増えた 株投資家は 失敗しないためにもぜひ お薦めの本です。
・「等身大で描かれる抒情詩的三国志」
20年以上前に吉川三国志を読んで以来、三国志と名のつくものは結構手にとってきました。しかしながら、この作品が他の三国志と違うところ、それは抒情詩になっているところ。
三国志は中国最大の叙事詩として知られている作品である。日本でも人気が高く、漫画、ゲ−ム、アニメなど色々な表現方法で語られつくしている感は否めない。しかしながら、今回の北方三国志の新鮮なところは、英雄たちの心情描写が物語の主軸におかれているとこれである。その効果は巻を追うごとに作品の中で登場人物のキャラを浮き上がらせ、より強い個性を築き上げている。
特に親殺しの悪名高い呂布の心情表現は斬新で、最大の悪役を英雄に仕立て上げている。また、劉備や孔明なども、人間として等身大描かれており、孔明が在野でいることの苦悩や、劉備の焦りなど、人としての弱さなども表現されている。だからこそ、鬼神として描かれている曹操のキャラが際立ち、心理戦としての攻防が躍動的に伝わってくる。
やはり、最低吉川三国志の後に読んで欲しい作品ではありますが、三国志ファンでよかったと思わせる傑作であると確信する。
・「桃園の誓いが無い!?」
高校時代に読んでいた某雑誌の相談コーナーにおいて、やたらと「○ープに行って来い」を連呼する濃い顔のヘンなオジサン、それが北方氏でした。以来、20年近く私は北方氏の小説を読むことなく「そういう人」だと思い込んで過ごしてきました。
一方の吉川三国志は高校時代から何度となく読み続けてきたので、「あの」北方氏が書いた三国志なんて・・・と読まず嫌いをしていました。折からの三国志ブームで、北方ファンの友人から氏の書いた「三国志の英傑たち」を借りて読んだところ、氏の三国志に対する深い愛情を感じ、また、「どうして関羽は劉備に従ったのだろうか」という今までごくごく「当たり前のこと」として考えもしなかったことを徹底的に考察して、再構築しドラマチックに描ききる類い希な才能に敬服しました。
そのひとつの例として北方三国志には「桃園の誓い」がありません。でも、読んでみればわかるのですが、まったく違和感がなく、むしろ、関羽、張飛が劉備に徐々に惹かれていく様子は吉川三国志よりも説得力があると私は感じました。
呂布や曹操にしても、吉川三国志と描き方がずいぶんと違うけれど、やはり違和感よりも、「ああ、たしかにそうかもしれない」とイマジネーションをかき立てられることの方が多かったです。
ということで、北方謙三のことを「某雑誌の相談オジサン」程度にしか認識していない、私のような「吉川三国志原理主義」の方は、是非一度読んでみて下さい(^^)。読まず嫌いをするにはあまりにも惜しい作品ですから。
・「これぞ北方謙三!!」
面白いです。お勧めです。星5つでは足りません。今まで色んな作家が三国志を書いていますが、私はこれが1番面白かったです。全巻をあっという間に読破できます。三国志は大きく「正史」「演義」に分けられますが、これは正史を基本に書かれています。人間がすごく魅力的です。実際には存在しない架空の人物を創り上げその人物は実に見事に物語にからんできます。その他実在の人物でも「呂布」「張飛」「周愉」などとても魅力的に描かれています。とにかく生き様、死に様に涙してページがめくれないというのではなく、熱いものがこみあげてきます。特に今までの三国志では劉備が「善」で曹操は「悪」というイメージですが(特に前記した呂布など悪者の中の悪者、張飛は暴れん坊)見事にくつがえされます。登場人物それぞれが本当にとても魅力的に描かれていて「見果てぬ夢」に向かう男の生き様=死に様にきっと何かを感じるでしょう。余談:北方水滸伝が漫画化されているようですが、三国志もぜひ漫画化を期待します(作画は原哲夫氏で)
・「読み物としての三国志」
1巻ですが全巻まとめて書きます武将の感情、表情そしてセリフが比較的多く感じるので、歴史物としては読みやすく、のめり込めます。所々演義の部分(「諸葛亮の」南蛮戦、武将の死因など)が見え隠れするものの話全体はどちらかというと正史に近い「北方基準」の三国志です。曹操、袁紹からの官渡、倉亭戦 周瑜、曹操からの赤壁戦 劉備、陸遜からの夷陵戦 孟獲、諸葛亮からの南蛮戦 そして司馬懿、諸葛亮からの北伐戦…黄巾の乱から五丈原の戦まで、時の勝者、敗者どちら側にも時間が流れていきます。曹操、劉備、呂布など個人の視点から時を描いていくので完全無欠な人などは無く、内に秘める弱さ、強さ、魅力が出ています。特に呂布は数ある三国志小説の中で異彩を放っておりとても新鮮でした。個人の視点から描かれることで描かれた人物の深みが増しますが、その反面、三国志として登場人物がかなり限られてきます。読み物としては十分満足かもしれませんが歴史物とみた場合、特に魏と呉そして周辺異民族に関する部分が省略され少し物足りなさを感じました。
とはいえ真の三国志は陳寿の三国志に求めればいいわけなので、魅力あふれる人物によって気軽にのめり込める三国志、として三国志を知るきっかけに勧めたい作品です。
・「三国志として捉えなければ」
吉川英治の三国志を知っている人には違和感が付きまとう作品.このシリーズだけを読んで三国志が分かるのかどうかは疑問が残る.この作品を本当に楽しめるのも吉川栄治の三国志を読んだことのある人ではないだろうか. 吉川版との一番の相違点は多くのオリジナルキャラクターの登場だろう.それが功を奏しているのかの判断は読者によりけりといったところか. 他にはスポットが当たったキャラクター(例えば曹操,呂布,劉備,張飛,周瑜など)は徹底的に魅力的に描くのに対してそうでもないキャラの扱いはぞんざいだ.後は女性の登場人物(張飛の奥さん,周瑜の愛人など)およびその絡みがあまりにも多いのが気になった(よいか悪いかは別として).癖のある熱さを楽しめれば良作,そうでなければ凡作,人によっては下品な駄作となる.個人的には良作だったけど人を選ぶ作品だろう.
・「強烈なインパクトを残す異色の三国志」
三国志の曹操を主役にした作品ですが、あらすじは正史・演義どちらからもかなり逸脱しており(著者自身後に「三国志についての知識はあやふや」と語っています)また事象に対して説明が不足ですので、三国志にある程度の知識が無いと読むのが難しいかもしれません。
とにかく人間の心の明暗をそのまま形にしたような生々しいイラスト、あまりにも格好良すぎる登場人物たちのセリフが強烈なインパクトを与えてくれます。「曹操が美化されすぎ」と思う方もいるかもしれませんが、本作は著者が「外から」歴史として三国志を描いたのではなく著者の内側にある激情を三国志というモチーフに載せて表現した作品だと思います。その主役のして曹操は最高のモデルだったのでしょう。
個人的にはたいがい単純な悪役・愚将として描かれがちな袁紹・董卓・呂布などの描写も実に個性的で好きですね。こんなカッコイイ袁紹が見れるのは他に無いのでは(笑)
繰り返しになりますがとにかくセリフがカッコいいんです!本作は漫画でありながら、既に文学の域に達していると思います。
・「もう漫画ってレベルじゃない」
「その指、その手に、剣を握ればあるいは、天下をわがものにできるかもしれない」という文から始まり、横山三国志では黄巾の乱(184年)からはじまりますが、こちらは曹操の幼少時代(165年)からはじまります。
恐らく最初のプロローグの雰囲気で普通の漫画とは根本的に違うことがわかると思います。絵が美しく幻想的で、闇の中、雲に隠れた月が姿を表す様子を描くなど本当に美しい。なにより絵とセリフがここまで美しく描写できてるのが漫画のレベルを超えてると思う。今までこんな演出を使った漫画見たことなかった。
特に戦争シーンは兵士一人一人が細かく描かれて、そこにメインを飾る豪傑たちの圧倒的な臨場感は漫画の表現の限界に達していると思う。批評サイトに「絵では手や正面からの顔の構図を描くのは難しくて、それと比べて蒼天航路は異常なほど手の描写にこだわっている」という感想を見かけたんですが、なるほどその通りで上手い解説だなと思いました。
ですが、それ以上に蒼天航路が斬新なのは、まるで詩のような独特の会話にあると思います。郭嘉の「私はあくまで西を向いております」とかかっこいい。演出と伏線の区別が付かないような難解で幻想的な雰囲気を構築しています。終始このクオリティで進み、18巻目に迎える最終話の、蒼天航路という題名も名前通りの意味だったと気づかされるような完結の見事さと感動は、漫画や娯楽としての域を超えたと思っています。
最後に長くなったので簡単に書きますが、今まで数々の三国志を見聞きしてきましたが、蒼天航路は三国志を扱ったものの中で最も詳しく専門的です。モンゴル王を正式に単于と呼び、深刻だった儒者との対立を物語の主軸に構え、幼少期の曹操をアマンと呼ぶなど、それに名医カダの話の中での張仲景という人物も始めて知った。こんなことそこらで集めた雑学程度の知識でできるものじゃない。
・「これはビジネス書です!」
曹操を主人公にしたことで、3人の英雄を、善悪の視点ではなく、ある種公平な視点で読めるのが新鮮です。
3人を企業の経営者にたとえると、曹操=部下ヘッドハンティング型孫権=部下育成型劉備=カリスマ社長型?といったところでしょうか。
人材の使い方もそれぞれに特長があり、良くできたビジネス本のように非常に参考になることが多かった。これはオススメですね。
・「歴史の本質がわかります。」
治世の能臣、乱世の姦雄曹操を評し、このように言ったのは月旦で有名な許劭(きょしょう)です。曹操に対して持っているイメージはこの『姦雄』部分が大きいと思います。事実、古い体制を破壊し、新しい国創りを行ったので、旧体制の側からみると、破壊者のレッテルが貼られてしまうでしょう。しかし、旧体制が崩壊するにはそれなりの理由があるはずです。その過程を抜きにして、ただ単に歴史の一部のみから人が評価されるのはとても危険です。新しい体制創りを行ったのはなぜか?この漫画は曹操の評、治世の能臣部分から描かれています。
・「すごい」
キャラの魅力がどんなキャラ漫画より勝っている。その上ハイクオリティ。劉備が主人公の演技っていうよりむしろ正史な感じで、珍しく曹操にスポットがあてられている。というか皆さんおっしゃっている通り曹操がかっこよいですね。これぞ皇帝。劉備もただの仁義のおっさんではないですし。さすが本場というか。とりあえず三国志好きならば是非全巻買って読んでください。曹操の姦計は目をみはる・・・。
●寄生獣(完全版)(1) (アフタヌーンKCDX (1664))
・「人間の取り柄」
大学生の時にこの漫画に出会い、それから10年近く経ちましたが未だにこの漫画を超えるような、深く考えさせられた漫画に出会えていません。
あの時から漫画に対する観念が変わりました。アフタヌーンに出会って、今まで自分の読んでいた漫画が急に幼く思えました。それまでの私が漫画に求めていたものは理想や憧れの世界で、現実とは違うものとして楽しむものだと思っていました。
だけど寄生獣は全然かわいくないのに、絵がきれいなわけでもないのに、セリフやストーリーがとても自然に頭に入ってきて本当に面白い漫画とはこういうものかとショックを受けました。作ったお話とは思えないほど、リアルで読者をシラけさせません。
漫画とは子供が読むためだけのものではなく漫画でしか表現できない人生観や宇宙観、哲学や人間の心の謎を描き問うこともできるのだと感じました。岩明先生は寄生獣の中でそれを具体的に訴えているわけではありませんが、読んだ人は必ず人間とは何であるかを考えさせられると思います。
そして化け物のミギーがかわいくて仕方なくなり、田宮良子の本心が気になって仕方なくなり、その時点で気が付きました。
人間だけが他の生物を気にかけるヒマな動物であり心に余裕があることが最大の取り柄なんですよね。ミギー。
・「岩明 均のマスターピース」
先日久しぶりに読み直しましたが、一気に最後まで読んでしまった。おかげで寝不足だ。途中で読み終えられない。散々漫画なんて読み漁ってきた筈なのに、いい年をして目頭が熱くなる場面も幾つかありました。「人間とは、一つの生物として地球に生きるという事は何なのか」という、ともすれば大上段に振りかざして勢いだけで終わりがちなテーマを見事なまでに、ある意味完璧に描ききっており、同時に設定、演出、セリフ、ものものしさ、カッコよさ等全ての要素が見事な出来栄えで詰まった作品。作者の絵柄は好みが分かれる所かもしれないが、それを差し引いても万人に誇る事の出来る作品と言えると思います。おもしろい漫画はたくさんあるけど、鳥肌の立つ作品には中々出会えません。しかしこれは間違いなくその中の一つです。
出来る事なら、充分な時間と予算を掛けて是非映画化してほしいけど、無理かなあ。
・「本当の意味での完全版」
『他の動物の頭に寄生して神経を支配する寄生生物。 高校生・新一と誤って彼の右手に寄生したミギーは、 互いの命を守るため、人間を食べる他の寄生生物と戦い始めた。』(第一巻 帯より抜粋)
「寄生獣」をご存知無い方はもちろん、「寄生獣」をご存知の方も是非手にとって頂きたい1冊です。
過去に人気のあった漫画を少し大判にして「新装版」として販売することが流行っています。ですがその多くは「表紙が書き下ろし」程度の違いがあるに過ぎず、買って後悔した方も居るのではないでしょうか?実際、過去の読者が思い出にふけるだけの品物で終わっていることも、少なくないと思います。
ですが「これ」は違います。
本誌(アフタヌーン)連載時にカラー掲載された部分は、すべてカラー収録されており、連載時の「読者ページ」に使用された作者のメッセージまで収録しています。既にコミックを持っている方であっても、あらためて購入する価値は十分あると思います。
1巡目は第1話~第9話までが収録されています。
・「エゴイズムの自覚から開かれる世界」
初めから終わりまでストーリーのテンポが非常に巧く保たれています。間延びせず、急ぎすぎず、常に一定の緊張感を保っており気がついたら最後まで読み終えてしまう事間違いありません。キャラクター掘り下げための過去回想エピソードがほとんどないためか(最近の漫画は回数稼ぎのためかそうした描写が多すぎる)各展開に冗長な印象がありません。残酷描写のカットは他の漫画と比較すると躍動感が抑えられており妙に殺風景で、それがかえって生々しさを炙り出しており非常に独特です。
寄生獣という題材上アクション要素も十二分ですが、それ以上にメッセージ性の強さを感じさせる作品です。プロタゴラスが論じたように、万物は全て人間本位の尺度でしか測れない、つまり相対的なエゴイズムでしかない事を喝破しそうした自覚の無い人間本位の地球論、生物論、環境保護論の欺瞞に対して鋭い非難の眼差しを向けています。我々が「地球を守ろう」「環境を保護しよう」と臆面無く当然のように発する時そこには既に非常に無自覚的な人間本位のエゴが内在しているのです。
そして確かなのは(例え他の生物を犠牲にしてでも)死にたくないという生存本能、身近な人間を愛し子孫を繁栄していく事だという極めて実存的な一個人の在り方に関する視点が後半にかけて主人公を通して語られています。
そうした生物(この場合人間)が持つエゴに自覚的になり肯定した上で・・・・・・いや、むしろそうしたエゴに自覚的になればなるほどこの地球と人間を含めたそこにすむありとあらゆる生物を客観的な視点を持って見つめることができるのではないか・・・そうしたメッセージをこの作品は発しているように感じました。
それはミギーや田宮の言葉に揺さぶられ葛藤続け、最後には後藤に止めをさそうかささまいか答を出せないでいる主人公が明らかにそうした思考のプロセスを経ていますし何よりこの漫画の読者が人間のエゴをこれだけまざまざと見せ付けられたことによって人間はこの地球に住む無数の生物の中のたった一種類に過ぎないというある意味冷めた客観的な視点で自分自身を捉え直す事ができるようになったのではないでしょうか。
人間のエゴイズムを極限までクローズアップして描写する事によって逆説的に地球全体の生物に対する客観的な視座が開かれる。漫画を消費するだけの娯楽だと侮っていれば、強烈な不意打ちを脳天に喰らう一作品でしょう。
・「傑作!」
はじめてこのコミックを手にしたのはもう10年近く前、中学生のときでした。そのときは友達に借りて読んだのですが、夢中になって読んだのを覚えています。この間古本屋を歩いていてふと思い出し、無性に読みたくなって一気に全巻を買って読み返してみました。
おもしろい!やはり傑作です。
中学当時に読んだときにはただただ寄生生物の迫力、残酷さに圧倒され、ドキドキしながら読み進んだのですが、改めて今読み返してみると、エンターテイメントとして優れた作品であるというだけでなく、人間の持つ矛盾や、自然との共生がテーマにあり、メッセージ性も併せ含んでいることがわかりました。
また、当時は「寄生獣」というのは寄生生物によって寄生され、凶暴化したもののことだと思っていましたが、勘違いであったこともわかりました(当時は無知なガキで疑問も生じなかった)。
何か面白いコミックはないかとをお探しの方だけでなく、当時のファンの方も完全版でもう一度感動を味わってみてはどうでしょう。夢中になること請け合いです。
●江戸前・あ・めーりかん 上 (ビッグコミックススペシャル)
・「アメコミ風うんこ漫画」
頭に味噌が乗っている「のりあきさん」
しゃべる箱「カツノリ」とのタッグが素敵な大阪弁を喋る江戸っ子「高見沢さん」
コーラのプールに入っていないと死んでしまう、地底人「桜井さん」
このツッコミどころ満載の江戸人にイチイチ丁寧なツッコミを入れる主人公「オトコ(音子)」は、芸人の鏡です。
非常にレアなアイテムなので
アメコミパロディー好き、うんこ好きは在庫があれば即買いをおすすめします!立ち読み不要。
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